この記事 きじ は検証 けんしょう 可能 かのう な参考 さんこう 文献 ぶんけん や出典 しゅってん が全 まった く示 しめ されていないか、不十分 ふじゅうぶん です。 出典 しゅってん を追加 ついか して記事 きじ の信頼 しんらい 性 せい 向上 こうじょう にご協力 きょうりょく ください。(このテンプレートの使 つか い方 かた ) 出典 しゅってん 検索 けんさく ? : "悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう " – ニュース · 書籍 しょせき · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL (2024年 ねん 1月 がつ )
悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう (あくせいしゅよう、Malignant Tumor, Cancer )は、生体 せいたい の自律 じりつ 制御 せいぎょ を外 はず れて自己 じこ 増殖 ぞうしょく する細胞 さいぼう 集団 しゅうだん である。周囲 しゅうい の組織 そしき に浸潤 しんじゅん して転移 てんい する腫瘍 しゅよう を指 さ す。がん (ガン または癌 がん )や「悪性 あくせい 新 しん 生物 せいぶつ 」とも称 しょう し、死亡 しぼう につながることも多 おお い。国立 こくりつ がん研究 けんきゅう センター によると、2007年 ねん 以降 いこう に登録 とうろく された院内 いんない がんデータでは、2018年 ねん の時点 じてん で10年 ねん 生存 せいぞん 率 りつ は59.4%であり、部位 ぶい や病 やまい 期 き (「ステージ」)により差 さ が大 おお きい[1] 。
ヒト の身体 しんたい の細胞 さいぼう は、正常 せいじょう な状態 じょうたい では、細胞 さいぼう 数 すう をほぼ一定 いってい に保 たも つために分裂 ぶんれつ ・増殖 ぞうしょく を制御 せいぎょ する機構 きこう が働 はたら いている。腫瘍 しゅよう は、生体 せいたい 細胞 さいぼう の遺伝子 いでんし に発生 はっせい した異常 いじょう に起因 きいん して、正常 せいじょう な制御 せいぎょ を外 はず れて自律 じりつ 的 てき に増殖 ぞうしょく を開始 かいし したものを指 さ す。腫瘍 しゅよう と正常 せいじょう 組織 そしき の区画 くかく が不明瞭 ふめいりょう で、異物 いぶつ が組織 そしき や細胞 さいぼう 内 ない に蓄積 ちくせき する浸潤 しんじゅん 現象 げんしょう (Infiltration ) が発現 はつげん し、転移 てんい 現象 げんしょう が認 みと められる状態 じょうたい を「悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう 」[2] [3] と称 しょう する。
治療 ちりょう を施 ほどこ さないと全身 ぜんしん に転移 てんい し、最悪 さいあく の場合 ばあい は死 し に至 いた る[2] [3] 。
表記 ひょうき ・呼称 こしょう [ 編集 へんしゅう ]
腫瘍 しゅよう は良性 りょうせい 腫瘍 しゅよう と悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう とに分類 ぶんるい され、後者 こうしゃ を「癌 がん 」と称 しょう する。癌 がん は、上皮 じょうひ 組織 そしき 系 けい 由来 ゆらい の癌腫 がんしゅ (Carcinoma ) と非 ひ 上皮 じょうひ 組織 そしき 系 けい 細胞 さいぼう 由来 ゆらい の肉腫 にくしゅ (Sarcoma ) に分類 ぶんるい される。癌腫 がんしゅ の診断 しんだん 名 めい は「臓器 ぞうき 名 めい (組織 そしき 名 めい )+癌 がん 」で表記 ひょうき される[4] 。ひらがな の「がん 」は悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう 全体 ぜんたい を示 しめ し、漢字 かんじ の「癌 がん 」は上皮 じょうひ 細胞 さいぼう から発生 はっせい する癌腫 がんしゅ と使 つか い分 わ けられることがあるが、区別 くべつ はされないことも多 おお い[5] 。
戦後 せんご に定 さだ めた当用漢字 とうようかんじ は「癌 がん 」を含 ふく まず「がん」が広 ひろ く一般 いっぱん に用 もち いられ、学問 がくもん では「癌 がん 」を用 もち いたが、「がんは悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう の総称 そうしょう 、癌 がん は癌腫 がんしゅ を意味 いみ する」との主張 しゅちょう が1990年 ねん 以前 いぜん から一部 いちぶ で見 み られるようになった。日本 にっぽん 口腔 こうくう 外科 げか 学会 がっかい は「がんは悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう の総称 そうしょう 、癌 がん は癌腫 がんしゅ を意味 いみ する」と定義 ていぎ しているが、内科 ないか 医 い の藤田 ふじた 浄 きよし 秀 しゅう は、当用漢字 とうようかんじ による漢字 かんじ 制限 せいげん と必然 ひつぜん 的 てき に生 しょう じた仮名書 かなが きの強制 きょうせい の歴史 れきし 的 てき 観点 かんてん から「不適切 ふてきせつ だ」と主張 しゅちょう している[4] 。
国際 こくさい 疾病 しっぺい 分類 ぶんるい [ 編集 へんしゅう ]
国際 こくさい 疾病 しっぺい 分類 ぶんるい の日本語 にほんご 訳 やく では「Cancer 」の訳語 やくご として、「がん」(「癌 がん 」)を当 あ てており、悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう 一般 いっぱん を意味 いみ する[6] 。
「がん」を意味 いみ する「Cancer 」は、かに座 ざ を意味 いみ する「Cancer 」と同 おな じ単語 たんご であり、乳癌 にゅうがん の腫瘍 しゅよう が蟹 かに の脚 あし のような広 ひろ がりを見 み せた[7] ところから、「医学 いがく の父 ちち 」と呼 よ ばれるヒポクラテス が「蟹 かに 」の意味 いみ として「καρκίνος 」(Carcinos )と名 な づけ、これをアウルス・コルネリウス・ケルスス が「Cancer 」とラテン語 らてんご に翻訳 ほんやく した。
広義 こうぎ の「Cancer 」は「悪性 あくせい 新 しん 生物 せいぶつ 」(Malignant Neoplasm ) の総称 そうしょう であり、ひらがなで「がん」と表記 ひょうき する[8] 。ひらがなの「がん」は、「癌腫 がんしゅ 」や非 ひ 上皮 じょうひ 由来 ゆらい の「肉腫 にくしゅ 」(sarcoma )、白血病 はっけつびょう のような血液 けつえき 悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう も含 ふく めた広義 こうぎ 的 てき な意味 いみ で悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう を表 あらわ す言葉 ことば として使 つか われており、「国立 こくりつ がん研究 けんきゅう センター 」、各 かく 都道府県 とどうふけん における「〇〇県 けん がんセンター」と表記 ひょうき している[9] 。
広義 こうぎ の「Cancer 」は、狭義 きょうぎ の「Cancer 」にあたる「Carcinoma 」(癌腫 がんしゅ )、「Sarcoma 」(肉腫 にくしゅ )、その他 た (白血病 はっけつびょう 、悪性 あくせい リンパ腫 りんぱしゅ 、骨髄腫 こつづいしゅ 、悪性 あくせい 中 ちゅう 皮 かわ 腫 しゅ )に分 わ けられる[8] 。
漢字 かんじ の「癌 がん 」は、「岩 いわ 」の異体 いたい 字 じ である「嵒 」と、病垂 やまいだれ との会意 かいい 形声 けいせい 文字 もじ であり、本来 ほんらい は「乳 にゅう がん」の意味 いみ である。触診 しょくしん すると岩 いわ のようにこりこりしているからで、江戸 えど 時代 じだい のころには「岩 いわ 」と書 か かれた文書 ぶんしょ も残 のこ っている。
社会 しゃかい の機構 きこう や組織 そしき について「○○は△△のがんだ」「△△のガン細胞 さいぼう 」と比喩 ひゆ 表現 ひょうげん の1つとして使 つか われることがある[10] 。
「腫瘍 しゅよう 」は国際 こくさい 疾病 しっぺい 分類 ぶんるい の「Tumor 」の日本語 にほんご 訳 やく であり、「生体 せいたい 内 ない において、その個体 こたい 自身 じしん に由来 ゆらい する細胞 さいぼう でありながら、その個体 こたい 全体 ぜんたい としての調和 ちょうわ を破 やぶ り、時 とき に他 た から何 なん らの制御 せいぎょ を受 う けることなく、又 また 自 みずか らの規律 きりつ に従 したが い、過剰 かじょう の発育 はついく をとげる組織 そしき をいう」と定義 ていぎ されている[6] 。
新 しん 生物 せいぶつ (Neoplasm ) も腫瘍 しゅよう と同義 どうぎ に用 もち いられており、良性 りょうせい と悪性 あくせい があり、悪性 あくせい 新 しん 生物 せいぶつ は癌 がん 、癌腫 がんしゅ 及 およ び肉腫 にくしゅ を意味 いみ する[6] 。
医学 いがく 的 てき 分類 ぶんるい [ 編集 へんしゅう ]
癌腫 がんしゅ と肉腫 にくしゅ の比較 ひかく
癌腫 がんしゅ
肉腫 にくしゅ
由来 ゆらい
上皮 じょうひ 性 せい
非 ひ 上皮 じょうひ 性 せい
発育 はついく 速度 そくど
速 はや い
より速 はや い
年齢 ねんれい
高齢 こうれい 者 しゃ
若年 じゃくねん 者 しゃ
転 てん 移行 いこう 性 せい
リンパ 行 くだり 性 せい
血 ち 行 くだり 性 せい
構造 こうぞう
胞巣構造 こうぞう
混合 こんごう
悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう の用語 ようご は病理 びょうり 学 がく において以下 いか のように分類 ぶんるい される。
癌腫 がんしゅ (Carcinoma ):上皮 じょうひ 組織 そしき 由来 ゆらい の悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう 、皮膚 ひふ の上 うえ という意味 いみ において、皮膚 ひふ 表面 ひょうめん からつながる内臓 ないぞう の内側 うちがわ つまり胃 い の中 なか 、腸 ちょう の中 なか に発生 はっせい するものが上皮 じょうひ 由来 ゆらい となる。カルシノーマ。
肉腫 にくしゅ (Sarcoma ):非 ひ 上皮 じょうひ 組織 そしき 由来 ゆらい の悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう 、皮膚 ひふ の上 うえ でない部位 ぶい 、平滑 へいかつ 筋 すじ の中 なか や後腹 あとばら 膜 まく に発生 はっせい するものを非 ひ 上皮 じょうひ 由来 ゆらい となる。サルコーマ。
その他 た :白血病 はっけつびょう 以上 いじょう を合 あ わせた悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう 全体 ぜんたい を指 さ し示 しめ すのがひらがなの「がん」(Cancer ) となる。
悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう は、
無制限 むせいげん に栄養 えいよう を使 つか って増殖 ぞうしょく するため、生体 せいたい は急速 きゅうそく に消耗 しょうもう する。
臓器 ぞうき の正常 せいじょう 組織 そしき を置 お き換 か え、もしくは圧迫 あっぱく して機能 きのう 不全 ふぜん に陥 おとしい れる。
異常 いじょう な内分泌 ないぶんぴつ により正常 せいじょう な生体 せいたい 機能 きのう を妨 さまた げる。
全身 ぜんしん に転移 てんい することにより、多数 たすう の臓器 ぞうき を機能 きのう 不全 ふぜん に陥 おとしい れる。
これらに伴 ともな い、癌 がん 性 せい 疼痛 とうつう を惹 ひ き起 お こすことも多 おお い。
通常 つうじょう の細胞 さいぼう では、酸素 さんそ が十分 じゅうぶん に供給 きょうきゅう されている時 とき は、ATP 合成 ごうせい のエネルギー効率 こうりつ が高 たか いが合成 ごうせい 速度 そくど の遅 おそ いミトコンドリア での酸化 さんか 的 てき リン酸化 さんか でエネルギー生産 せいさん を行 おこな う。酸素 さんそ が十分 じゅうぶん に供給 きょうきゅう されない時 とき は、エネルギー効率 こうりつ が悪 わる いが速度 そくど の速 はや い解 かい 糖 とう 系 けい によって、エネルギーを得 え ている。がん細胞 さいぼう は酸素 さんそ が十分 じゅうぶん に供給 きょうきゅう されている環境 かんきょう 下 か でもエネルギー効率 こうりつ の悪 わる い解 かい 糖 とう 系 けい で活動 かつどう する。これはワールブルク効果 こうか (「ウォーバーグ効果 こうか 」とも)と呼 よ ばれている。この現象 げんしょう は以前 いぜん から知 し られていたが、代謝 たいしゃ 物 ぶつ を一斉 いっせい に測定 そくてい ・解析 かいせき を行 おこ なうメタボロミクス によって、非 ひ がん組織 そしき と比較 ひかく してがん組織 そしき で解 かい 糖 とう 系 けい の代謝 たいしゃ 中 ちゅう 間 あいだ 体 たい のプロファイルが明 あき らかになり、解 かい 糖 とう 系 けい の活性 かっせい 化 か が明確 めいかく に示 しめ された[11] 。なお、通常 つうじょう の細胞 さいぼう の代謝 たいしゃ に関 かん しては解 かい 糖 とう 系 けい によるATP合成 ごうせい 速度 そくど は電子 でんし 伝達 でんたつ 系 けい によるATP合成 ごうせい 速度 そくど の約 やく 100倍 ばい の速度 そくど を有 ゆう している[12] 。
癌 がん 組織 そしき の多 おお くがブドウ糖 ぶどうとう 代謝 たいしゃ に活発 かっぱつ (い換 いか えると、「癌 がん 細胞 さいぼう はブドウ糖 ぶどうとう をエサにして増殖 ぞうしょく する」)な性質 せいしつ を利用 りよう したポジトロン断層 だんそう 法 ほう (PET)が、がん診断 しんだん に利用 りよう されている。
2004年 ねん における10万 まん 人 にん 毎 ごと の悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう による死亡 しぼう 者 しゃ 数 すう (年齢 ねんれい 標準 ひょうじゅん 化 か 済 ず み)[13] データなし
55人 にん 以下 いか
55人 にん から80人 にん
80人 にん から105人 にん
105人 にん から130人 にん
130人 にん から155人 にん
155人 にん から180人 にん
180人 にん から205人 にん
205人 にん から230人 にん
230人 にん から255人 にん
255人 にん から280人 にん
280人 にん から305人 にん
305人 にん 以上 いじょう
世界 せかい 保健 ほけん 機関 きかん (WHO) によれば、2005年 ねん の世界 せかい の5800万 まん 人 にん の死亡 しぼう のうち、悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう による死亡 しぼう は13%(760万 まん 人 にん )を占 し める。死亡 しぼう 原因 げんいん となった悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう のうち、最多 さいた のものは肺 はい がん が130万 まん 人 にん で、胃 い がん は100万 まん 人 にん 、肝 かん がん 、大腸 だいちょう がん 、乳 にゅう がん が続 つづ く。悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう による死亡 しぼう は増加 ぞうか し続 つづ け、2030年 ねん には1140万 まん 人 にん が悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう で死亡 しぼう すると予測 よそく されている。
日本 にっぽん の原因 げんいん 疾患 しっかん 別 べつ 死亡 しぼう 者 しゃ 数 すう の割合 わりあい と順位 じゅんい では1951年 ねん から1980年 ねん まで30年間 ねんかん 1位 い の脳 のう 血管 けっかん 疾患 しっかん に代 か わり、1981年 ねん から2015年 ねん まで35年 ねん 連続 れんぞく で1位 い で[14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] 、2015年度 ねんど は死亡 しぼう 者 しゃ 数 すう 129万 まん 0428人 にん のうち、がんによる死者 ししゃ 数 すう は37万 まん 0131人 にん であり[19] [20] 、死亡 しぼう 者 しゃ 総数 そうすう に対 たい する割合 わりあい は28.7%である。
悪性 あくせい 新 しん 生物 せいぶつ の
主 おも な
部位 ぶい 別 べつ にみた
年次 ねんじ 別 べつ 死亡 しぼう 率 りつ (
男性 だんせい ・
人口 じんこう 10
万 まん 対 つい )、
日本 にっぽん [22]
悪性 あくせい 新 しん 生物 せいぶつ の
主 おも な
部位 ぶい 別 べつ にみた
年次 ねんじ 別 べつ 死亡 しぼう 率 りつ (
女性 じょせい ・
人口 じんこう 10
万 まん 対 つい )、
日本 にっぽん [22]
「がん」は単一 たんいつ の細胞 さいぼう を起源 きげん とし、発生 はっせい 母 はは 地 ち となった細胞 さいぼう の種類 しゅるい (組織 そしき 学 がく 的 てき 分類 ぶんるい )と細胞 さいぼう の身体 しんたい 的 てき 部位 ぶい (解剖 かいぼう 学 がく 的 てき 分類 ぶんるい )とで分類 ぶんるい できる。
組織 そしき 学 がく 的 てき 分類 ぶんるい [ 編集 へんしゅう ]
組織 そしき 型 がた および各 かく 腫瘍 しゅよう 組織 そしき 型 がた の記事 きじ を参照 さんしょう 。
病 やまい 期 き 分類 ぶんるい は、腫瘍 しゅよう 学 がく 、癌 がん に詳述 しょうじゅつ がある。
細胞 さいぼう のがん化 か する過程 かてい
発 はつ がん抑制 よくせい のための生体 せいたい 防御 ぼうぎょ 機構 きこう
成人 せいじん の「がん」は通常 つうじょう は上皮 じょうひ 組織 そしき に形成 けいせい され、遺伝 いでん 的 てき あるいは内因 ないいん 的 てき 特性 とくせい を持 も つ人々 ひとびと が外的 がいてき 要因 よういん に曝 さら された影響 えいきょう による長期間 ちょうきかん にわたる生物 せいぶつ 学 がく 的 てき な過程 かてい を経 へ て生 しょう じる、と大方 おおかた の場合 ばあい は考 かんが えられている。肉腫 にくしゅ は上皮 じょうひ 由来 ゆらい ではないが、悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう として癌 がん と同様 どうよう に検査 けんさ ・診断 しんだん ・加療 かりょう される。
次 つぎ に例 れい を示 しめ す[注釈 ちゅうしゃく 1] :
「がん」は幼 おさな い子供 こども や新生児 しんせいじ にも発生 はっせい する。異常 いじょう な遺伝 いでん 形質 けいしつ プロセスのために細胞 さいぼう の複製 ふくせい 幼 よう 若 わか 化 か に対 たい して抑制 よくせい が利 き かないので、制御 せいぎょ されない増殖 ぞうしょく が早期 そうき より亢進 こうしん し、進行 しんこう も速 はや い。肉腫 にくしゅ が多 おお いことも特徴 とくちょう として挙 あ げられる。
幼児 ようじ 期 き のがんの発生 はっせい ピーク年齢 ねんれい は生後 せいご 一 いち 年 ねん 以内 いない にある。神経 しんけい 芽 め 細胞腫 さいぼうしゅ は最 もっと も普通 ふつう に見 み られる新生児 しんせいじ の悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう であり、白血病 はっけつびょう (Leukemia ) と中枢 ちゅうすう 神経 しんけい がんがその次 つぎ に続 つづ く。女子 じょし 新生児 しんせいじ と男子 だんし 新生児 しんせいじ とは概 がい して同 おな じ発生 はっせい 率 りつ である。しかし、白人 はくじん の新生児 しんせいじ は黒人 こくじん のそれに比 くら べてほとんどの種類 しゅるい のがんにおいて大幅 おおはば に発生 はっせい 率 りつ が高 たか い。
新生児 しんせいじ の神経 しんけい 芽 め 細胞腫 さいぼうしゅ は生存 せいぞん 率 りつ が非常 ひじょう に良 よ く、ウィルムス腫瘍 しゅよう 、網膜 もうまく 芽 め 細胞腫 さいぼうしゅ も非常 ひじょう に良 よ いが、他 た のものはそれほど良 よ くない。
幼児 ようじ 期 き がんを次 つぎ に示 しめ す[注釈 ちゅうしゃく 2] :
この節 ふし は検証 けんしょう 可能 かのう な参考 さんこう 文献 ぶんけん や出典 しゅってん が全 まった く示 しめ されていないか、不十分 ふじゅうぶん です。 出典 しゅってん を追加 ついか して記事 きじ の信頼 しんらい 性 せい 向上 こうじょう にご協力 きょうりょく ください。(このテンプレートの使 つか い方 かた ) 出典 しゅってん 検索 けんさく ? : "悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう " – ニュース · 書籍 しょせき · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL (2023年 ねん 6月 がつ )
身体 しんたい を構成 こうせい する細胞 さいぼう は、1個 いっこ の受精卵 じゅせいらん から発生 はっせい を開始 かいし し、当初 とうしょ は形態 けいたい 的 てき 機能 きのう 的 てき な違 ちが いが見 み られなかった細胞 さいぼう は各種 かくしゅ 幹 みき 細胞 さいぼう を経 へ て組織 そしき 固有 こゆう の形態 けいたい および機能 きのう を持 も った細胞 さいぼう へと変化 へんか してゆく。この形態 けいたい 的 てき 機能 きのう 的 てき な細胞 さいぼう の変化 へんか を分化 ぶんか という。細胞 さいぼう の発生 はっせい 学 がく 的 てき 特徴 とくちょう の一 ひと つとして、未 み 分化 ぶんか 細胞 さいぼう ほど細胞 さいぼう 周期 しゅうき が短 みじか く盛 さか んに分裂 ぶんれつ 増殖 ぞうしょく を繰 く り返 かえ す傾向 けいこう がある。通常 つうじょう 、分化 ぶんか の方向 ほうこう は一方向 いちほうこう であり、正常 せいじょう 組織 そしき では分化 ぶんか の方向 ほうこう に逆行 ぎゃっこう する細胞 さいぼう の「幼 よう 若 わか 化 か 」(脱 だつ 分化 ぶんか )は、損傷 そんしょう した組織 そしき の再生 さいせい を除 のぞ き、発生 はっせい しない。
がん細胞 さいぼう は特徴 とくちょう の一 ひと つに幼 よう 若 わか 化 か /脱 だつ 分化 ぶんか するという性質 せいしつ あり、分化 ぶんか 度 ど の高 たか いがん細胞 さいぼう や、非 ひ がん組織 そしき から、「低 てい 分化 ぶんか 」あるいは「未 み 分化 ぶんか 」ながん細胞 さいぼう が生 しょう じる。細胞 さいぼう 検体 けんたい を検査 けんさ したとき、細胞 さいぼう 分化 ぶんか 度 ど が高 たか いものほど臓器 ぞうき の構造 こうぞう ・機能 きのう 的 てき 性質 せいしつ を残 のこ し、比較的 ひかくてき 悪性 あくせい 度 ど が低 ひく いと言 い える。インスリノーマ のような例外 れいがい もある。通常 つうじょう は分化 ぶんか 度 ど の低 ひく いものほど転移 てんい 後 ご の増殖 ぞうしょく も早 はや く、治療 ちりょう 予 よ 後 ご も不良 ふりょう である。
化学 かがく 療法 りょうほう は、特定 とくてい の細胞 さいぼう 周期 しゅうき に依存 いぞん して作用 さよう するものが多 おお いため、細胞 さいぼう 周期 しゅうき が亢進 こうしん している分化 ぶんか 度 ど が低 ひく いがんほど化学 かがく 療法 りょうほう に対 たい して感受性 かんじゅせい が高 たか いという傾向 けいこう がある。腫瘍 しゅよう 細胞 さいぼう への作用 さよう 原理 げんり ・特性 とくせい は「化学 かがく 療法 りょうほう (悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう ) 」に詳述 しょうじゅつ がある。
接触 せっしょく 阻害 そがい の機能 きのう 喪失 そうしつ と無限 むげん 増殖 ぞうしょく 能 のう [ 編集 へんしゅう ]
細胞 さいぼう 生物 せいぶつ 学 がく における接触 せっしょく 阻害 そがい とは、細胞 さいぼう がお互 たが いに接触 せっしょく するまで増殖 ぞうしょく した場合 ばあい に起 お こる細胞 さいぼう の増殖 ぞうしょく が停止 ていし する細胞 さいぼう の性質 せいしつ のことである[23] 。癌 がん 細胞 さいぼう では通常 つうじょう 、この接触 せっしょく 阻害 そがい の性質 せいしつ を失 うしな っており、隣 となり の細胞 さいぼう に接触 せっしょく した場合 ばあい でも増殖 ぞうしょく を停止 ていし できない状況 じょうきょう に至 いた っている。癌 がん 細胞 さいぼう は、接触 せっしょく 時 じ に増殖 ぞうしょく を停止 ていし したり成長 せいちょう 方向 ほうこう を変更 へんこう したりすることはないため、お互 たが いの細胞 さいぼう の上 うえ に積 つ み上 あ がって成長 せいちょう を続 つづ けることとなる[24] 。癌 がん 細胞 さいぼう は、この接触 せっしょく 阻害 そがい の性質 せいしつ を失 うしな っており、かつ、無限 むげん に増殖 ぞうしょく できる能力 のうりょく を獲得 かくとく している[23] 。癌 がん 細胞 さいぼう の特徴 とくちょう として、接触 せっしょく 阻害 そがい の消失 しょうしつ 、増殖 ぞうしょく 因子 いんし 要求 ようきゅう 性 せい の低下 ていか 、転移 てんい 能 のう の前提 ぜんてい である足場 あしば 非 ひ 依存 いぞん 性 せい 増殖 ぞうしょく 能 のう の獲得 かくとく 、不死 ふし 化 か 、転移 てんい 能 のう の獲得 かくとく 、脱 だつ 分化 ぶんか の発現 はつげん が掲 かか げられ、発癌 はつがん はこのような過度 かど の増殖 ぞうしょく 亢進 こうしん の結果 けっか である[25] 。
「トゥーモア・イニシエーション」(Tumor Initiation , 正常 せいじょう な細胞 さいぼう が、腫瘍 しゅよう を形成 けいせい できるよう変化 へんか する過程 かてい のこと)と「プロモーション」(Promotion , 発癌 はつがん 促進 そくしん )によって細胞 さいぼう 増殖 ぞうしょく が起 お こり、過 か 形成 けいせい になると「アポトーシス 」(Apoptosis , 細胞 さいぼう が死 し ぬ現象 げんしょう )の機構 きこう が働 はたら き、細胞 さいぼう の増殖 ぞうしょく が抑 おさ えられる。しかし、細胞 さいぼう 死 し が進行 しんこう して細胞 さいぼう 数 すう が減 へ ると、体内 たいない で細胞 さいぼう 死 し は抑制 よくせい され、細胞 さいぼう 増殖 ぞうしょく が促進 そくしん される。放射線 ほうしゃせん で誘発 ゆうはつ されるリンパ腫 りんぱしゅ の実験 じっけん では細胞 さいぼう 死 し を起 お こしやすい動物 どうぶつ 系統 けいとう がリンパ腫 りんぱしゅ を発生 はっせい させやすい。細胞 さいぼう 死 し が起 お こり、細胞 さいぼう が減少 げんしょう すると細胞 さいぼう 死 し を抑制 よくせい して細胞 さいぼう 増殖 ぞうしょく を促進 そくしん させるようになり、これが癌 がん 化 か への引 ひ き金 がね となる。ウイルス 感染 かんせん (エプスタインバーウイルス (EBV)、パピローマウイルス (HPV)、ヒトT細胞 さいぼう 白血病 はっけつびょう ウイルス 、B型 かた 及 およ びC型 がた 肝炎 かんえん ウイルス )、化学 かがく 物質 ぶっしつ による発 はつ がんも放射線 ほうしゃせん 誘発 ゆうはつ 発 はつ がんと同様 どうよう に細胞 さいぼう 死 し の亢進 こうしん に引 ひ き続 つづ く細胞 さいぼう 死 し の抑制 よくせい (遺伝子 いでんし bcl-2 の活性 かっせい 化 か )が癌 がん 化 か に際 さい して重要 じゅうよう な要因 よういん となっている。がん抑制 よくせい 遺伝子 いでんし p53はDNA 損傷 そんしょう の修復 しゅうふく を助 たす けるが、損傷 そんしょう を修復 しゅうふく できない場合 ばあい には細胞 さいぼう 死 し を誘発 ゆうはつ させて細胞 さいぼう ごと消去 しょうきょ する。p53に異常 いじょう があると細胞 さいぼう 死 し が起 お こりにくくなり発 はつ がんにつながることになる[26] 。
悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう (がん)は、細胞 さいぼう のDNAの特定 とくてい 部位 ぶい に幾重 いくえ もの異常 いじょう が積 つ み重 かさ なって発生 はっせい する、と説明 せつめい されることが多 おお い。異常 いじょう が生 しょう じるメカニズムは多様 たよう であり、全 すべ てが知 し られているわけではない。遺伝子 いでんし の異常 いじょう は、通常 つうじょう の細胞 さいぼう 分裂 ぶんれつ に伴 ともな ってもしばしば生 しょう じていることも知 し られ、偶発 ぐうはつ 的 てき に癌 がん 遺伝子 いでんし の変異 へんい が起 お こることもありうるし、発癌 はつがん の確 かく 率 りつ 、すなわち遺伝子 いでんし の変異 へんい の確 かく 率 りつ を高 たか めるウイルス、化学 かがく 物質 ぶっしつ 、放射線 ほうしゃせん (環境 かんきょう 放射線 ほうしゃせん 、人工 じんこう 放射線 ほうしゃせん 、X線 せん 検査 けんさ やCTスキャン による医療 いりょう 被曝 ひばく [27] )が挙 あ げられている。
健康 けんこう 状態 じょうたい の生体 せいたい 内 ない ではDNA修復 しゅうふく 機構 きこう や細胞 さいぼう 免疫 めんえき 、悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう を修復 しゅうふく したり抑 おさ え込 こ んだり排除 はいじょ したりする機構 きこう も働 はたら いている。
すでに悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう が生体 せいたい 内 ない にある状態 じょうたい になっている場合 ばあい 、そこにはDNA修復 しゅうふく 機構 きこう の不調 ふちょう や細胞 さいぼう 免疫 めんえき の不調 ふちょう が複雑 ふくざつ に絡 から んでいる場合 ばあい もあり、「水疱瘡 みずぼうそう は水痘 すいとう ・帯状疱疹 たいじょうほうしん ウイルス (Varicella-zoster virus) の感染 かんせん で起 お こる」など一対一 いちたいいち の因果 いんが 関係 かんけい の説明 せつめい は、癌 がん では示 しめ しにくいことが多 おお い。
肺 はい がんの発生 はっせい 率 りつ と喫煙 きつえん の相関 そうかん 関係 かんけい
喫煙 きつえん と癌 がん の相関 そうかん は、数 すう 十 じゅう 年 ねん にわたる調査 ちょうさ での一貫 いっかん した結果 けっか でも明 あき らかになっている。数 かず 百 ひゃく の疫学 えきがく 調査 ちょうさ により、たばこ とがんとの関係 かんけい が確認 かくにん されている。アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく における肺 はい がんによる死亡 しぼう の比率 ひりつ とたばこ消費 しょうひ 量 りょう の増加 ぞうか パターンは鏡 かがみ 写 うつ しのようであり、喫煙 きつえん が増加 ぞうか すると肺 はい がん死 し 比率 ひりつ も劇的 げきてき に増加 ぞうか した。渡邊 わたなべ 昌 あきら は「日本 にっぽん 政府 せいふ が日本 にほん たばこ産業 さんぎょう (JT) 株式 かぶしき の半数 はんすう 以上 いじょう を保有 ほゆう しているため、喫煙 きつえん 規制 きせい や禁煙 きんえん に関 かん する動 うご きが進 すす みにくかった」と指摘 してき しており[28] 、がんの死亡 しぼう 率 りつ の1位 い は肺 はい がんとなっている。
厚生 こうせい 労働省 ろうどうしょう は「『食生活 しょくせいかつ の欧米 おうべい 化 か 』[29] が癌 がん による死 し を増 ふ やした」と考 かんが えている[15] [16] [17] [18] [19] [20] [30] [31] 。
生活 せいかつ 習慣 しゅうかん と併存 へいそん 疾患 しっかん [ 編集 へんしゅう ]
日本 にっぽん 糖尿 とうにょう 病 びょう 学会 がっかい の診療 しんりょう ガイドラインによれば、国内外 こくないがい の多 おお くの研究 けんきゅう によって糖尿 とうにょう 病 びょう が癌 がん 罹患 りかん リスクに関連 かんれん することが報告 ほうこく されているとしている。糖尿 とうにょう 病 びょう による癌 がん 発生 はっせい 促進 そくしん のメカニズムとしてはインスリン抵抗 ていこう 性 せい とそれに伴 ともな う高 こう インスリン血 ち 症 しょう 、高 こう 血糖 けっとう 、慢性 まんせい 炎症 えんしょう が想定 そうてい されている。しかし癌 がん と糖尿 とうにょう 病 びょう には共通 きょうつう の危険 きけん 因子 いんし が多 おお く「見 み かけ上 じょう の関連 かんれん 」が生 しょう じている可能 かのう 性 せい もあるとして、癌 がん 危険 きけん 因子 いんし としての糖尿 とうにょう 病 びょう の意義 いぎ を明 あき らかにするためさらなる研究 けんきゅう ・解析 かいせき が必要 ひつよう だとしている[32] :365 。
久山 くやま 町 まち 研究 けんきゅう
1998年 ねん に福岡 ふくおか 県 けん 久山 くやま 町 まち で行 おこな われた「久山 くやま 町 まち 研究 けんきゅう 」[33] では、糖尿 とうにょう 病 びょう と悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう 死 し の発生 はっせい のリスクには有意 ゆうい な関連 かんれん があった[34] 。国立 こくりつ がん研究 けんきゅう センターは「糖尿 とうにょう 病 びょう と診断 しんだん されたことのある人 ひと は、そうでない人 ひと に比 くら べて、がんを患 わずら いやすくなる確 かく 率 りつ が20-30%ほど上 あ がり、男性 だんせい では肝 かん がん 、腎臓 じんぞう がん 、膵がん 、結腸 けっちょう がん 、胃 い がん、女性 じょせい では胃 い がん、肝 かん がん、卵巣 らんそう がん でこの傾向 けいこう が強 つよ い」と発表 はっぴょう した[35] 。C-ペプチド は、インスリンを生成 せいせい する際 さい 、インスリンの前駆 ぜんく 体 たい であるプロインスリンから切 き り放 はな された部分 ぶぶん を指 さ すが、C-ペプチドは男性 だんせい の結腸 けっちょう 癌 がん と関連 かんれん があった[36] 。
WHOと国際 こくさい がん研究 けんきゅう 機関 きかん (IARC)による「生活 せいかつ 習慣 しゅうかん とがんの関連 かんれん 」についての報告 ほうこく がある[37] 。
発 はつ がん性 せい を有 ゆう する化学 かがく 物質 ぶっしつ や放射線 ほうしゃせん への暴露 ばくろ [ 編集 へんしゅう ]
化学 かがく 物質 ぶっしつ への暴露 ばくろ が発 はつ がんを惹 ひ き起 お こすことがあり、国際 こくさい がん研究 けんきゅう 機関 きかん (IARC)はヒトに対 たい する発癌 はつがん 性 せい が認 みと められる化学 かがく 物質 ぶっしつ (Group1)として、石綿 いしわた 、ベンゼン 、六 ろく 価 か クロム 、ヒ素 ひそ 、カドミウム 、ベンジジン 、1,2-ジクロロプロパン 、放射線 ほうしゃせん としてγ線 がんません 、X線 せん を掲 かか げている[40] (詳細 しょうさい は「IARC発 はつ がん性 せい リスク一覧 いちらん 」を参照 さんしょう のこと)。
病因 びょういん 微生物 びせいぶつ (ウイルスや細菌 さいきん )[ 編集 へんしゅう ]
一部 いちぶ の悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう (がん)については、ウイルス や細菌 さいきん による感染 かんせん が、その発生 はっせい の重要 じゅうよう な原因 げんいん であることが判明 はんめい している。現在 げんざい 、因果 いんが 関係 かんけい が疑 うたが われているものまで含 ふく めると以下 いか の通 とお り。
これらの病原 びょうげん 微生物 びせいぶつ によってがんが発生 はっせい する機構 きこう は様々 さまざま である。ヒトパピローマウイルス やEBウイルス、ヒトTリンパ球 だま 好 このみ 性 せい ウイルスの場合 ばあい 、ウイルスの持 も つウイルスがん遺伝子 いでんし の働 はたら きによって細胞 さいぼう の増殖 ぞうしょく が亢進 こうしん したり、p53遺伝子 いでんし やRB遺伝子 いでんし の機能 きのう が抑制 よくせい されることで細胞 さいぼう ががん化 か に向 む かったりする。肝炎 かんえん ウイルスやヘリコバクター・ピロリでは、これらの微生物 びせいぶつ 感染 かんせん によって肝炎 かんえん や胃炎 いえん の炎症 えんしょう が頻発 ひんぱつ した結果 けっか 、がんの発生 はっせい リスクが増大 ぞうだい すると考 かんが えられている。またレトロウイルス の遺伝子 いでんし が正常 せいじょう な宿主 しゅくしゅ 細胞 さいぼう の遺伝子 いでんし に組 く み込 こ まれる過程 かてい で、宿主 しゅくしゅ の持 も つがん抑制 よくせい 遺伝子 いでんし が欠損 けっそん することがあることも知 し られている。ただしこれらの病原 びょうげん 微生物 びせいぶつ による感染 かんせん も多 た 段階 だんかい 発癌 はつがん の1ステップであり、それ単独 たんどく のみでは癌 がん が発生 はっせい するには至 いた らないと考 かんが えられている。
2005年 ねん 11月、スウェーデン のマルメ大学 だいがく (Malmö Universitet )が発表 はっぴょう した研究 けんきゅう では、ヒトパピローマウイルス (HPV)に感染 かんせん した人間 にんげん との、予防 よぼう 手段 しゅだん を用 もち いないオーラルセックス は口腔 こうくう 癌 がん のリスクを高 たか める、と示唆 しさ した。この研究 けんきゅう によると、癌 がん 患者 かんじゃ の36%がHPVに感染 かんせん していたのに対 たい し、健康 けんこう な対照 たいしょう 群 ぐん では1%しか感染 かんせん していなかった[41] 。
『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン 』誌 し で発表 はっぴょう された最近 さいきん の別 べつ の研究 けんきゅう は、オーラルセックスと咽喉 いんこう 癌 がん には相関 そうかん 関係 かんけい があることを示唆 しさ している。HPVは頸部癌 がん の大半 たいはん に関係 かんけい しているので、この相関 そうかん 関係 かんけい はHPVの感染 かんせん によるものと考 かんが えられている。この研究 けんきゅう は、生涯 しょうがい に1-5人 にん のパートナーとオーラルセックスを行 おこな った者 もの は全 まった く行 おこな わなかった者 もの に比 くら べおよそ2倍 ばい 、6人 にん 以上 いじょう のパートナーと行 おこな った者 もの は3.5倍 ばい の咽喉 いんこう 癌 がん のリスクがあると結論 けつろん 付 つ けている[42] 。
遺伝 いでん 的 てき 原因 げんいん [ 編集 へんしゅう ]
大 だい 部分 ぶぶん のがんは偶発 ぐうはつ 的 てき であり、特定 とくてい 遺伝子 いでんし の遺伝 いでん 的 てき な欠損 けっそん や変異 へんい によるものではない。しかし遺伝 いでん 的 てき 要素 ようそ を持 も ちあわせる、がん症候群 しょうこうぐん が存在 そんざい する。
遺伝 いでん 的 てき 素因 そいん と環境 かんきょう 因子 いんし の双方 そうほう により発癌 はつがん リスクが高 たか くなるものとして、アルコール脱水 だっすい 素 もと 酵素 こうそ の低 てい 活性 かっせい とアルコール 多 た 飲 いん がある。これらが揃 そろ うと頭 あたま 頸部癌 がん (咽頭 いんとう 癌 がん ・食道 しょくどう 癌 がん )の罹患 りかん 率 りつ が上昇 じょうしょう する。日本 にっぽん を含 ふく むアジア ではアルコール脱水 だっすい 素 もと 酵素 こうそ (ADH1B)の活性 かっせい が低 ひく い人 ひと が多 おお い。
藤田 ふじた 哲也 てつや は「末期 まっき 癌 がん の患者 かんじゃ の体内 たいない では、数 すう 千 せん 個 こ から数 すう 兆 ちょう 個 こ に及 およ ぶ癌 がん 細胞 さいぼう が『制御 せいぎょ の効 き かない過剰 かじょう な生長 せいちょう 』を続 つづ け、正常 せいじょう な組織 そしき や細胞 さいぼう を圧殺 あっさつ する」「『過剰 かじょう な生長 せいちょう 』という現象 げんしょう こそが、癌 がん が宿主 しゅくしゅ を苦 くる しめ、死 し に至 いた らしめる最大 さいだい の要因 よういん である」「『過剰 かじょう な生長 せいちょう 』は癌 がん の最 もっと も重要 じゅうよう な性質 せいしつ の一 ひと つであり、悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう に本質 ほんしつ 的 てき なものだ」と書 か いた[43] 。
大阪大学 おおさかだいがく 医学 いがく 系 けい 研究 けんきゅう 科 か 甲状腺 こうじょうせん 腫瘍 しゅよう の研究 けんきゅう 班 はん は「甲状腺 こうじょうせん がんにおいて、転移 てんい 能 のう ・浸潤 しんじゅん 能 のう など立派 りっぱ にがんとしての性質 せいしつ を持 も っていながら、なぜかある程度 ていど で成長 せいちょう が止 と まってしまい、一生 いっしょう 患者 かんじゃ に悪 わる さをしないものが多数 たすう 存在 そんざい することが証明 しょうめい されるようになった」「これらのがんを若年 じゃくねん 型 がた 甲状腺 こうじょうせん がんと呼 よ ぶ。このようながんをあまり早 はや い時期 じき に見 み つけてしまうと、患者 かんじゃ に本来 ほんらい 不要 ふよう であった手術 しゅじゅつ を施 ほどこ してしまうことになる。これを『過剰 かじょう 診断 しんだん 』と呼 よ ぶ」「小 ちい さな甲状腺 こうじょうせん がんは10代の後半 こうはん からちらほら出現 しゅつげん し、20代 だい で急速 きゅうそく にその頻度 ひんど が増加 ぞうか し、30代 だい 中 ちゅう ごろには中高年 ちゅうこうねん とほぼ同 おな じ頻度 ひんど になる。すなわち、超 ちょう 音波 おんぱ でしかわからないような甲状腺 こうじょうせん がんは子供 こども のうちからできるが、その多 おお くは途中 とちゅう で成長 せいちょう が止 と まり、臨床 りんしょう 的 てき ながんにまで進展 しんてん しない」「小 ちい さな甲状腺 こうじょうせん がんは10年 ねん 単位 たんい でしか成長 せいちょう せず、しかも若年 じゃくねん 者 しゃ ではある程度 ていど 成長 せいちょう するが、高齢 こうれい になると完全 かんぜん に成長 せいちょう を止 と める。また、経過 けいか 観察 かんさつ された千 せん 人 にん 以上 いじょう の患者 かんじゃ のうち、甲状腺 こうじょうせん がんが原因 げんいん で死 し んだ人 ひと は一人 ひとり もいなかった。すなわち、これらのがんが悪性 あくしょう 化 か することはない」と発表 はっぴょう した[44] 。
子宮 しきゅう 頸癌 は発癌 はつがん リスクを軽減 けいげん できるHPVワクチン が日本 にっぽん でも認可 にんか された。胃癌 いがん はヘリコバクター・ピロリ を除菌 じょきん することにより、発癌 はつがん リスクを軽減 けいげん できることが報告 ほうこく されている。B型 がた 肝炎 かんえん はエンテカビル によりHBVウイルスを減少 げんしょう させることで、C型 がた 肝炎 かんえん はインターフェロン 療法 りょうほう によりHCVを駆除 くじょ することにより、発癌 はつがん リスクを軽減 けいげん できることがわかっている。
がん予防 よぼう 10か条 じょう (世界 せかい がん研究 けんきゅう 基金 ききん ) [ 編集 へんしゅう ]
2007年 ねん 11月1日 にち 、世界 せかい がん研究 けんきゅう 基金 ききん とアメリカがん研究 けんきゅう 協会 きょうかい によって7,000以上 いじょう の研究 けんきゅう を根拠 こんきょ に「食 た べもの、栄養 えいよう 、運動 うんどう とがん予防 よぼう 」[45] が報告 ほうこく されている。これは1997年 ねん に公表 こうひょう され、日本 にっぽん では「がん予防 よぼう 15か条 じょう 」と呼 よ ばれていた4500以上 いじょう の研究 けんきゅう を元 もと にした報告 ほうこく の大 おお きな更新 こうしん である。
肥満 ひまん :BMI は21-23の範囲 はんい に。推薦 すいせん :標準 ひょうじゅん 体重 たいじゅう の維持 いじ 。
運動 うんどう :毎日 まいにち 早足 はやあし で30分 ふん 以上 いじょう 歩 ある くか、それに相当 そうとう する身体 しんたい 活動 かつどう をする。慣 な れてきたら毎日 まいにち 60分 ふん 以上 いじょう の中 ちゅう 程度 ていど の身体 しんたい 活動 かつどう か、30分 ふん 以上 いじょう のかなり激 はげ しい身体 しんたい 活動 かつどう をする。
体重 たいじゅう を増 ふ やす飲食 いんしょく 物 ぶつ 推薦 すいせん :高 こう エネルギーの食 た べものや砂糖 さとう 入 はい り飲料 いんりょう やフルーツジュース、ファーストフード の摂取 せっしゅ を制限 せいげん する。飲料 いんりょう として水 みず や茶 ちゃ や無 む 糖 とう コーヒー が推奨 すいしょう される。
植物 しょくぶつ 性 せい 食品 しょくひん :毎日 まいにち 、少 すく なくとも600グラム の野菜 やさい や果物 くだもの と、非 ひ でんぷん性 せい 多 た 糖類 とうるい を摂取 せっしゅ し、毎日 まいにち 少 すく なくとも25gの食物 しょくもつ 繊維 せんい を摂取 せっしゅ する。推奨 すいしょう :毎日 まいにち 400グラム以上 いじょう の野菜 やさい や果物 くだもの と、精製 せいせい 度 ど の低 ひく い穀物 こくもつ と豆 まめ を食 た べる。精白 せいはく された穀物 こくもつ は制限 せいげん する。
動物 どうぶつ 性 せい 食品 しょくひん 赤 あか 肉 にく (牛 うし ・豚 ぶた ・羊 ひつじ )を制限 せいげん し、加工 かこう 肉 にく (ハム 、ベーコン 、サラミ 、燻製 くんせい 肉 にく 、熟成 じゅくせい 肉 にく 、塩蔵 えんぞう 肉 にく )は避 さ ける。赤 あか 肉 にく より、鶏肉 とりにく や魚 さかな が推奨 すいしょう される。赤身 あかみ 肉 にく は週 しゅう 300グラム以下 いか に。推奨 すいしょう :赤 あか 肉 にく は週 しゅう 500グラム以下 いか に。乳製品 にゅうせいひん は議論 ぎろん があるため推奨 すいしょう されていない。
アルコール (お酒 さけ ) 男性 だんせい は1日 にち 2杯 はい 、女性 じょせい は1日 にち 1杯 はい まで。
保存 ほぞん 、調理 ちょうり :塩分 えんぶん 摂取 せっしゅ 量 りょう を1日 にち に5グラム以下 いか に。推奨 すいしょう :塩辛 しおから い食 た べものを避 さ ける。塩分 えんぶん 摂取 せっしゅ 量 りょう を1日 にち に6グラム以下 いか に。カビ のある穀物 こくもつ や豆 まめ を避 さ ける。
サプリメント :サプリメントには頼 たよ らず、食事 しょくじ のみで栄養 えいよう を満 み たす。
母乳 ぼにゅう 哺育 ほいく 6か月 げつ 間 あいだ 、母乳 ぼにゅう のみで育 そだ てる。
がん治療 ちりょう 後 ご :生存 せいぞん 者 しゃ は、栄養 えいよう 、体重 たいじゅう 、運動 うんどう について、訓練 くんれん を受 う けた専門 せんもん 家 か の指導 しどう を受 う ける。
喫煙 きつえん は肺 はい 、口腔 こうくう 、膀胱 ぼうこう がんの主因 しゅいん であり、タバコの煙 けむり は最 もっと も明確 めいかく に多 おお くの部位 ぶい のがんの原因 げんいん であると強調 きょうちょう 。また、タバコとアルコールは相乗 そうじょう 作用 さよう で発癌 はつがん 物質 ぶっしつ となる。
がん対策 たいさく の目標 もくひょう (健康 けんこう 日本 にっぽん 21-日本 にっぽん 厚生 こうせい 労働省 ろうどうしょう ) [ 編集 へんしゅう ]
2000年 ねん 、厚生 こうせい 労働省 ろうどうしょう の健康 けんこう 日本 にっぽん 21[46] によってがん対策 たいさく の目標 もくひょう が提唱 ていしょう されている。
喫煙 きつえん が及 およ ぼす健康 けんこう 影響 えいきょう についての知識 ちしき の普及 ふきゅう 、分煙 ぶんえん 、節煙 せつえん
食塩 しょくえん 摂取 せっしゅ 量 りょう を1日 にち 10g未満 みまん に減 へ らす
野菜 やさい の平均 へいきん 摂取 せっしゅ 量 りょう を1日 にち 350g以上 いじょう に増 ふ やす
果物 くだもの 類 るい を摂取 せっしゅ している人 ひと の割合 わりあい を増 ふ やす
食事 しょくじ 中 ちゅう の脂肪 しぼう の比率 ひりつ を25%以下 いか にする
1日 にち に約 やく 60g以上 いじょう 飲酒 いんしゅ する人 ひと を減 へ らす。「節度 せつど ある適度 てきど な飲酒 いんしゅ 量 りょう 」は「約 やく 20g」
がん検診 けんしん 。胃 い がん、乳 にゅう がん、大腸 だいちょう がんの検診 けんしん 受診 じゅしん 者 しゃ の5割 わり 以上 いじょう の増加 ぞうか
日本人 にっぽんじん のためのがん予防 よぼう 法 ほう (国立 こくりつ がん研究 けんきゅう センター)[ 編集 へんしゅう ]
国立 こくりつ がん研究 けんきゅう センターがん予防 よぼう ・検診 けんしん 研究 けんきゅう センター(現 げん ・社会 しゃかい と健康 けんこう 研究 けんきゅう センター)は日本人 にっぽんじん にとって優先 ゆうせん 度 ど の高 たか く、予防 よぼう 効果 こうか が確 たし かな要因 よういん に絞 しぼ って内容 ないよう を取 と りまとめ、2006年 ねん に「日本人 にっぽんじん のためのがん予防 よぼう 法 ほう 」を提言 ていげん した[47] 。以下 いか は2017年 ねん 8月 がつ 1日 にち 改訂 かいてい 版 ばん における6つの推奨 すいしょう 項目 こうもく である[48] 。
日本人 にっぽんじん のためのがん予防 よぼう 法 ほう
喫煙 きつえん
たばこは吸 す わない。他人 たにん のたばこの煙 けむり を避 さ ける。
飲酒 いんしゅ
飲 の むなら、節度 せつど のある飲酒 いんしゅ をする。
食事 しょくじ
偏 かたよ らずバランスよくとる。
* 塩蔵 えんぞう 食品 しょくひん 、食塩 しょくえん の摂取 せっしゅ は最小限 さいしょうげん にする。
* 野菜 やさい や果物 くだもの 不足 ふそく にならない。
* 飲食 いんしょく 物 ぶつ を熱 あつ い状態 じょうたい でとらない。
身体 しんたい 活動 かつどう
日常 にちじょう 生活 せいかつ を活動 かつどう 的 てき に。
体形 たいけい
適正 てきせい な範囲 はんい 内 ない に。
感染 かんせん
肝炎 かんえん ウイルス感染 かんせん 検査 けんさ と適切 てきせつ な措置 そち を。機会 きかい があればピロリ菌 きん 検査 けんさ を。
がんを防 ふせ ぐための新 しん 12か条 じょう (がん研究 けんきゅう 振興 しんこう 財団 ざいだん ) [ 編集 へんしゅう ]
1978年 ねん 、日本 にっぽん の国立 こくりつ がんセンター(現 げん ・国立 こくりつ 研究 けんきゅう 開発 かいはつ 法人 ほうじん 国立 こくりつ がん研究 けんきゅう センター )は学問 がくもん 的 てき に常識 じょうしき とされていた知見 ちけん を踏 ふ まえ、カレンダーの12か月 げつ に合 あ わせて「がんを防 ふせ ぐための12ヵ条 かじょう 」を提唱 ていしょう した[49] [50] 。当時 とうじ としては科学 かがく 的 てき に妥当 だとう な提言 ていげん であったが、その後 ご の研究 けんきゅう で「かび」や「日光 にっこう 」、「焦 こ げ」の暴露 ばくろ を避 さ けるべきとされていた要因 よういん について、発 はつ がんリスクの上昇 じょうしょう が認 みと められるまでに必要 ひつよう な曝露 ばくろ 量 りょう や避 さ けた場合 ばあい に予防 よぼう 可能 かのう ながんの割合 わりあい という観点 かんてん から見直 みなお しがなされ、上述 じょうじゅつ の「日本人 にっぽんじん のためのがん予防 よぼう 法 ほう 」の内容 ないよう を含 ふく め、2011年 ねん にがん研究 けんきゅう 振興 しんこう 財団 ざいだん が「がんを防 ふせ ぐための新 しん 12か条 じょう 」として改訂 かいてい 版 ばん を公表 こうひょう した[47] 。たばこ についての記述 きじゅつ を禁煙 きんえん と受動 じゅどう 喫煙 きつえん の2項目 こうもく 設 もう けたこと、早期 そうき 発見 はっけん を掲 かか げたことや正確 せいかく な情報 じょうほう を入手 にゅうしゅ することに言及 げんきゅう している点 てん でも改訂 かいてい 前 まえ と異 こと なる[49] 。
たばこは吸 す わない
他人 たにん のたばこの煙 けむり を避 さ ける
お酒 さけ はほどほどに
バランスのとれた食生活 しょくせいかつ を
塩辛 しおから い食品 しょくひん は控 ひか えめに
野菜 やさい や果物 くだもの は不足 ふそく にならないように
適度 てきど に運動 うんどう
適切 てきせつ な体重 たいじゅう 維持 いじ
ウイルスや細菌 さいきん の感染 かんせん 予防 よぼう と治療 ちりょう
定期 ていき 的 てき ながん検診 けんしん を
身体 しんたい の異常 いじょう に気 き がついたら、すぐに受診 じゅしん を
正 ただ しいがん情報 じょうほう でがんを知 し ることから
「がん」の診断 しんだん には2つの状況 じょうきょう がある。一 ひと つは臨床 りんしょう 診断 しんだん (特 とく に病理 びょうり 検査 けんさ )と、もう一 ひと つは集団 しゅうだん 検診 けんしん (がん検診 けんしん ; 術後 じゅつご 検診 けんしん を含 ふく む)である。がんを根治 こんじ する上 じょう で重要 じゅうよう な点 てん は自覚 じかく 症状 しょうじょう がない段階 だんかい での「早期 そうき 発見 はっけん 」と「全 ぜん 摘出 てきしゅつ 手術 しゅじゅつ の可能 かのう 性 せい 検証 けんしょう 」が挙 あ げられる。い換 いか えると、集団 しゅうだん 検診 けんしん と臨床 りんしょう 診断 しんだん とが効果 こうか 的 てき に機能 きのう して初 はじ めて、がん治療 ちりょう が成功 せいこう に導 みちび かれる。また全 ぜん 摘出 てきしゅつ 手術 しゅじゅつ が困難 こんなん な状況 じょうきょう において、がんの種類 しゅるい によって異 こと なる有効 ゆうこう な治療 ちりょう 法 ほう を選択 せんたく する目的 もくてき でも、臨床 りんしょう 診断 しんだん は重要 じゅうよう である。
検診 けんしん の方法 ほうほう としては、X線 せん 撮影 さつえい 、超 ちょう 音波 おんぱ 検査 けんさ 、コンピュータ断層 だんそう 撮影 さつえい (CT)、核 かく 磁気 じき 共鳴 きょうめい 画像 がぞう 法 ほう (MRI)、ポジトロン断層 だんそう 法 ほう (PET)、骨 ほね シンチグラフィ [51] 、消化 しょうか 器 き への内視鏡 ないしきょう 検査 けんさ [52] がある。
一方 いっぽう 、全 ぜん 摘出 てきしゅつ 手術 しゅじゅつ が成功 せいこう した場合 ばあい においても、再発 さいはつ がん、二 に 次 じ 性 せい がんの発生 はっせい の懸念 けねん があるため、その局面 きょくめん においても術後 じゅつご 定期 ていき 検診 けんしん は重要 じゅうよう になる。
細胞 さいぼう 診断 しんだん ・生 なま 検 けん 組織 そしき 診断 しんだん [ 編集 へんしゅう ]
「がん」の組織 そしき は顕微鏡 けんびきょう 下 した での観察 かんさつ 、すなわち検 けん 鏡 きょう によって、形態 けいたい から鑑別 かんべつ される。判定 はんてい 像 ぞう では多 おお くの分裂 ぶんれつ 中 ちゅう の細胞 さいぼう が観察 かんさつ され、細胞 さいぼう 核 かく のサイズや形状 けいじょう はばらばらであり、(分化 ぶんか した)細胞 さいぼう の特徴 とくちょう が消失 しょうしつ している。これらは細胞 さいぼう 診 み でも生 なま 検 けん 組織 そしき 診 み でも確認 かくにん できる特徴 とくちょう である。組織 そしき 診 み では正常 せいじょう な組織 そしき 構造 こうぞう が失 うしな われている点 てん や、周囲 しゅうい の組織 そしき (が一緒 いっしょ に採取 さいしゅ されていれば、そこ)と腫瘍 しゅよう との境界 きょうかい が不明瞭 ふめいりょう であることが観察 かんさつ される。
生 なま 検 けん 組織 そしき 診 み は、過 か 形成 けいせい 、異 い 形成 けいせい 、上皮 じょうひ 内 ない 癌 がん と浸潤 しんじゅん 癌 がん との鑑別 かんべつ に有用 ゆうよう である。
「がん」の進行 しんこう 度 ど を表 あらわ すものとして「TNM分類 ぶんるい 」や「ステージ分類 ぶんるい 」がある。
「T(tumor 、腫瘍 しゅよう )」、「N(nodes 、所属 しょぞく リンパ節 ぶし )」、「M(metastasis 、遠隔 えんかく 転移 てんい )」の3つの観点 かんてん から進行 しんこう 度 ど を分類 ぶんるい したもの。T1~4、N0~3、M0~1の組 く み合 あ わせで表現 ひょうげん する。
TNM分類 ぶんるい を元 もと に、がんの進行 しんこう 度 ど と広 ひろ がりの程度 ていど を合 あ わせて表 あらわ すことができるように、と新 あら たに作成 さくせい された。臨床 りんしょう に沿 そ った分類 ぶんるい であり、「臨床 りんしょう 進行 しんこう 期 き 分類 ぶんるい 」と呼 よ ばれる。
ステージ0(上皮 じょうひ 内 ない 癌 がん )〜ステージIVの五 ご 段階 だんかい で分類 ぶんるい される。個体 こたい としての死 し を迎 むか えた段階 だんかい で体内 たいない には1kg前後 ぜんこう のがん細胞 さいぼう が生成 せいせい されている[53] 。
ステージ0 がん腫瘍 しゅよう が上皮 じょうひ 内 ない にとどまっている。リンパ節 ぶし への転移 てんい はない。
ステージI がん腫瘍 しゅよう が広 ひろ がっているが、筋肉 きんにく 層 そう でとどまっている。リンパ節 ぶし への転移 てんい はない。
ステージII がん腫瘍 しゅよう が筋肉 きんにく 層 そう を超 こ えて浸潤 しんじゅん しているがリンパ節 ぶし への転移 てんい はない。または、腫瘍 しゅよう は広 ひろ がっていないが弱 じゃく 若 わか リンパ節 ぶし への転移 てんい が見 み られる。
ステージIII がん腫瘍 しゅよう の浸潤 しんじゅん が大 おお きくなり、リンパ節 ぶし に転移 てんい している。
ステージIV がん腫瘍 しゅよう がはじめにできた原発 げんぱつ 巣 す を超 こ えて、他 た の臓器 ぞうき に転移 てんい (遠隔 えんかく 転移 てんい )している。ステージIV(ステージ4)は末期 まっき がんとは異 こと なり様々 さまざま な治療 ちりょう 法 ほう が存在 そんざい し、医療 いりょう の進歩 しんぽ によりその選択肢 せんたくし も増 ふ えている[54] 。
TMN分類 ぶんるい と同様 どうよう に、臓器 ぞうき 別 べつ に細 こま かく分類 ぶんるい されているため、上記 じょうき の分類 ぶんるい から更 さら に詳細 しょうさい に分類 ぶんるい される場合 ばあい がある。胃 い がんの場合 ばあい は、TNM分類 ぶんるい との対比 たいひ で以下 いか のように定義 ていぎ されている[55] 。
胃 い がんの進行 しんこう 度 ど 分類 ぶんるい (TNM分類 ぶんるい )と病 やまい 期 き
NOリンパ節 ぶし 転移 てんい がない
N1胃 い の領域 りょういき リンパ節 ぶし (※)のうち、 1~2個 こ に転移 てんい している
N2胃 い の領域 りょういき リンパ節 ぶし のうち、 3~6個 こ に転移 てんい している
N3胃 い の領域 りょういき リンパ節 ぶし のうち、 7個 こ 以上 いじょう に転移 てんい している
M1胃 い の領域 りょういき リンパ節 ぶし 以外 いがい の リンパ節 ぶし に転移 てんい している
T1a (M)胃 い の粘膜 ねんまく に限局 げんきょく している
IA
IB
IIA
IIB
IV
T1b (SM)胃 い の粘膜 ねんまく 下層 かそう に達 たっ している
IA
T2 (MP)胃 い の筋 すじ 層 そう に達 たっ している
IB
IIA
IIB
IIIA
T3 (SS)胃 い の筋 すじ 層 そう を越 こ え、漿膜 下層 かそう に達 たっ している
IIA
IIB
IIIA
IIIB
T4a (SE)がんが漿膜を越 こ え、胃 い の表面 ひょうめん に出 で ている
IIB
IIIA
IIIB
IIIC
T4b (SI)がんが胃 い の表面 ひょうめん に出 で たうえに、他 た 臓器 ぞうき にもがんが続 つづ いている
IIB
IIIB
IIIC
IIIC
※胃 い の近 ちか くにあって転移 てんい しやすいリンパ節 ぶし のことで、日本 にっぽん 臨床 りんしょう 外科 げか 学会 がっかい の『胃 い 治療 ちりょう ガイドライン』では13個 こ のリンパ節 ぶし を「領域 りょういき リンパ節 ぶし 」 としている。
日本 にっぽん において昭和 しょうわ の頃 ころ は、「がん」といえば死 し の宣告 せんこく と同義 どうぎ であった。日本 にっぽん は1984年 ねん に「対 たい がん10ヵ年 かねん 総合 そうごう 戦略 せんりゃく 」、1994年 ねん に「がん克服 こくふく 新 しん 10か年 ねん 戦略 せんりゃく 」を策定 さくてい し、多額 たがく の研究 けんきゅう 資金 しきん を投入 とうにゅう してきた。また、日本 にっぽん だけでなく欧米 おうべい 諸国 しょこく でも死因 しいん の上位 じょうい であるがんの研究 けんきゅう には多額 たがく の人材 じんざい 及 およ び資金 しきん を投 とう じてきた。2010年代 ねんだい までに、がんの治療 ちりょう 成績 せいせき は急激 きゅうげき に上 あ がった。実際 じっさい 、多 おお くのがんでは初期 しょき (1期 き )であれば9割 わり 以上 いじょう の5年 ねん 生存 せいぞん 率 りつ (事実 じじつ 上 じょう の完治 かんじ )となっているが、基本 きほん 的 てき に治 なお りにくい病気 びょうき であることは変 か わらないほか、膵癌のように治療 ちりょう が困難 こんなん ながんも存在 そんざい する。また、医学 いがく の世界 せかい では、がんの治癒 ちゆ は「完治 かんじ 」とは呼 よ ばず、とりあえず病変 びょうへん が見 み えなくなった状態 じょうたい として「寛解 かんかい (かんかい)」と呼 よ ぶ。
治療 ちりょう 手段 しゅだん は以下 いか のものがある。
ガン細胞 さいぼう は血管 けっかん 新生 しんせい を誘引 ゆういん して大量 たいりょう の血管 けっかん を生成 せいせい するが、この結果 けっか できた血管 けっかん は細 ほそ い上 うえ に層 そう 構造 こうぞう の表皮 ひょうひ 部分 ぶぶん が完全 かんぜん には形成 けいせい されない脆 もろ い血管 けっかん である。そのため、この血管 けっかん 新生 しんせい を阻害 そがい する治療 ちりょう 法 ほう や、逆 ぎゃく にガンに伸 の びた血管 けっかん の表皮 ひょうひ を正常 せいじょう な状態 じょうたい にして、抗 こう がん剤 ざい をガン細胞 さいぼう に届 とど きやすくする治療 ちりょう が研究 けんきゅう されている。
2014年 ねん 1月 がつ 、鳥取大学 とっとりだいがく 医学部 いがくぶ は、「自身 じしん がクローニングしたRNA 遺伝子 いでんし の機能 きのう 解析 かいせき に従事 じゅうじ している際 さい 、この遺伝子 いでんし に関連 かんれん して発現 はつげん 変動 へんどう する単一 たんいつ のマイクロRNA を悪性 あくしょう 度 ど の高 たか い未 み 分化 ぶんか 癌 がん に導入 どうにゅう すると、容易 ようい に悪性 あくせい 度 ど を喪失 そうしつ させることができ、正常 せいじょう 幹 みき 細胞 さいぼう へ形質 けいしつ 転換 てんかん できるという画期的 かっきてき な治療 ちりょう 法 ほう を発見 はっけん した」と発表 はっぴょう した。大学 だいがく では「動物 どうぶつ 実験 じっけん 段階 だんかい までである」としているが、「研究 けんきゅう グループ代表 だいひょう によると、あらゆる癌 がん に対応 たいおう が可能 かのう で、現在 げんざい 実用 じつよう 化 か に向 む けて研究 けんきゅう 中 ちゅう であるという[59] 。
「精密 せいみつ 医療 いりょう 」という用語 ようご があり、これは「Precision Medicine 」の訳語 やくご である。患者 かんじゃ の個人 こじん レベルで最適 さいてき な治療 ちりょう 方法 ほうほう を分析 ぶんせき ・選択 せんたく し、それを施 ほどこ す。最先端 さいせんたん の技術 ぎじゅつ を用 もち い、細胞 さいぼう を遺伝子 いでんし レベルで分析 ぶんせき し、適切 てきせつ な薬 くすり のみを投与 とうよ する。アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく では既 すで に一般 いっぱん 的 てき な方法 ほうほう として選択 せんたく されている[60] 。
がん闘病 とうびょう 中 ちゅう ・治療 ちりょう 後 ご の生活 せいかつ の質 しつ の向上 こうじょう [ 編集 へんしゅう ]
この節 ふし は検証 けんしょう 可能 かのう な参考 さんこう 文献 ぶんけん や出典 しゅってん が全 まった く示 しめ されていないか、不十分 ふじゅうぶん です。 出典 しゅってん を追加 ついか して記事 きじ の信頼 しんらい 性 せい 向上 こうじょう にご協力 きょうりょく ください。(このテンプレートの使 つか い方 かた ) 出典 しゅってん 検索 けんさく ? : "悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう " – ニュース · 書籍 しょせき · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL (2023年 ねん 11月 )
がんは発見 はっけん から闘病 とうびょう 中 ちゅう において、病気 びょうき や死 し への不安 ふあん 感 かん 、癌 がん 性 せい 疼痛 とうつう による苦痛 くつう 、生活 せいかつ や経済 けいざい 状態 じょうたい への打撃 だげき により、患者 かんじゃ 本人 ほんにん や家族 かぞく らの「生活 せいかつ の質 しつ 」(QOL, Quality Of Life)に大 おお きな影響 えいきょう を与 あた える。
がん治療 ちりょう 後 ご の最大 さいだい の関心事 かんしんじ は再発 さいはつ ・転移 てんい の有無 うむ であり、がんが残 のこ っている場合 ばあい にはその推移 すいい にある。このため、治療 ちりょう 後 ご も主治医 しゅじい による定期 ていき 的 てき な検診 けんしん を受 う けて状況 じょうきょう を正 ただ しく把握 はあく しつつ生活 せいかつ を再建 さいけん していくことが肝要 かんよう である。
がん治療 ちりょう は手術 しゅじゅつ による切除 せつじょ を伴 ともな うことが多 おお く、治療 ちりょう 後 ご の生活 せいかつ は、例 たと えば治療 ちりょう によってがんそのものは完 かん 治 なお した場合 ばあい であっても、大 おお きく影響 えいきょう を受 う けることが多 おお い。がんができた場所 ばしょ によって治療 ちりょう により影響 えいきょう を受 う ける機能 きのう は千差万別 せんさばんべつ であり、対処 たいしょ 法 ほう もそれぞれに異 こと なる。一般 いっぱん に、切除 せつじょ によって失 うしな われる体 からだ の機能 きのう をできる限 かぎ り小 ちい さくし、失 うしな われた機能 きのう を補 おぎな う手段 しゅだん を用 もち いて、治療 ちりょう 後 ご のQOLを従来 じゅうらい よりも向上 こうじょう させる努力 どりょく が進 すす められている。
直腸 ちょくちょう がん で肛門 こうもん に近 ちか いところにがんができた場合 ばあい や肛門 こうもん にがんができた場合 ばあい 、人工 じんこう 肛門 こうもん (消化 しょうか 器 き ストーマ )が作 つく られる。また、膀胱 ぼうこう がん で膀胱 ぼうこう と尿道 にょうどう をとる必要 ひつよう がある場合 ばあい 、人工 じんこう 膀胱 ぼうこう を用 もち い、尿 にょう の排泄 はいせつ 口 こう である尿 にょう 路 ろ 出口 でぐち (尿 にょう 路 ろ ストーマ)が作 つく られる。手術 しゅじゅつ 後 ご 、ストーマ による排泄 はいせつ をスムーズに行 おこな えるようにするケア(ストーマケア[61] )の方法 ほうほう が十分 じゅうぶん に習得 しゅうとく できてから退院 たいいん する。ストーマがあっても入浴 にゅうよく はでき、体力 たいりょく が回復 かいふく すれば仕事 しごと や学業 がくぎょう に復帰 ふっき することも可能 かのう である。
気管 きかん 孔 あな は鼻 はな または口 くち から肺 はい へ空気 くうき を導入 どうにゅう して呼吸 こきゅう 困難 こんなん になる場合 ばあい 、気管 きかん を外部 がいぶ へつなげる穴 あな を開 あ けて(気管 きかん 切開 せっかい )呼吸 こきゅう を確保 かくほ する。首 くび の付 つ け根 ね の前 まえ の位置 いち に丸 まる い穴 あな をあける。気管 きかん 孔 あな は治療 ちりょう の過程 かてい で呼吸 こきゅう を確保 かくほ するために一時 いちじ 的 てき に設 もう ける場合 ばあい もあり、この場合 ばあい は通常 つうじょう の呼吸 こきゅう が可能 かのう になると共 とも に閉 と じられる。他方 たほう 、咽頭 いんとう 、喉頭 こうとう 、またはその近 ちか くにがんがあり、治療 ちりょう により咽頭 いんとう を全部 ぜんぶ 切除 せつじょ しなければならない場合 ばあい 、そのままでは食事 しょくじ も呼吸 こきゅう もできなくなるので、口 くち に通 つう じる食道 しょくどう を気管 きかん と完全 かんぜん に分 わ けて形成 けいせい し、気管 きかん の出口 でぐち を気管 きかん 孔 あな につなげる。この場合 ばあい を永久 えいきゅう 気管 きかん 孔 あな という[62] 。
永久 えいきゅう 気管 きかん 孔 あな を設 もう けた場合 ばあい 、首 くび に穴 あな があいたままになる。術後 じゅつご の日常 にちじょう 生活 せいかつ が受 う ける主 おも な影響 えいきょう を以下 いか に挙 あ げる。
入浴 にゅうよく 時 じ に気管 きかん 孔 あな に水 みず が入 はい らないように注意 ちゅうい する。水泳 すいえい および潜水 せんすい はできない
声帯 せいたい を切除 せつじょ することで声 こえ が出 で なくなる。筆談 ひつだん やジェスチャー での会話 かいわ 、電気 でんき 発声 はっせい 法 ほう (人工 じんこう 喉頭 こうとう )、食道 しょくどう 発声 はっせい 法 ほう を習得 しゅうとく する
食事 しょくじ においてはにおいを嗅 か ぐ能力 のうりょく が失 うしな われる
乳 にゅう がんの治療 ちりょう では、抗癌剤 こうがんざい 、放射線 ほうしゃせん 治療 ちりょう の併用 へいよう により乳房 ちぶさ を温存 おんぞん できる場合 ばあい が増 ふ えている。治療 ちりょう 法 ほう とそれによる様々 さまざま な影響 えいきょう 、治療 ちりょう 後 ご のリスクについて、十分 じゅうぶん に医師 いし と患者 かんじゃ の双方 そうほう が納得 なっとく して治療 ちりょう を行 おこな うことが重要 じゅうよう である。切除 せつじょ 手術 しゅじゅつ を行 おこな った場合 ばあい 、人工 じんこう 乳房 ちぶさ が各種 かくしゅ 開発 かいはつ されているので用 もち いることができる。
頭 あたま 頸部がんでは治療 ちりょう によって、顔面 がんめん の一部 いちぶ の機能 きのう が損 そこ なわれたり一部 いちぶ が失 うしな われたりする場合 ばあい がある。手術 しゅじゅつ に放射線 ほうしゃせん 治療 ちりょう 、化学 かがく 療法 りょうほう を併用 へいよう することにより、失 うしな われる機能 きのう を最小限 さいしょうげん にする努力 どりょく が進 すす められており、切除 せつじょ 範囲 はんい は縮小 しゅくしょう する傾向 けいこう である。また、再建 さいけん 術 じゅつ も多 おお く行 おこな われている。術後 じゅつご に予想 よそう される変化 へんか とリスクを医師 いし と患者 かんじゃ が話 はな し合 あ い、双方 そうほう が納得 なっとく して治療 ちりょう を進 すす めることが重要 じゅうよう である。喪失 そうしつ した顔面 がんめん の各部 かくぶ に応 おう じてエピテーゼを制作 せいさく できる。医療 いりょう 用 よう の接着 せっちゃく 剤 ざい またはインプラントにより装着 そうちゃく する。近年 きんねん は極 きわ めて自然 しぜん な仕上 しあ がりのエピテーゼを用 もち いることが可能 かのう になってきている。詳細 しょうさい は「顔面 がんめん エピテーゼ 」の項目 こうもく 参照 さんしょう 。
耳 みみ のエピテーゼ
耳下腺 じかせん がんの治療 ちりょう では、がんの進行 しんこう の度合 どあ いによって治療 ちりょう により聴力 ちょうりょく をはじめどの機能 きのう までを残 のこ せるか、十分 じゅうぶん な検討 けんとう が必用 ひつよう である。耳 みみ の切除 せつじょ が必要 ひつよう となった場合 ばあい 、外耳 がいじ の一部 いちぶ が残 のこ せれば耳 みみ エピテーゼを用 もち いても強度 きょうど を保 たもて て、眼鏡 めがね の使用 しよう にも耐 た える。
鼻 はな のエピテーゼ
鼻 はな は呼吸 こきゅう によって湿気 しっけ にさらされる部分 ぶぶん であり、外見 がいけん のみでなく機能 きのう 的 てき 部分 ぶぶん も要求 ようきゅう され、開発 かいはつ が進 すす められている。
目 め およびその周囲 しゅうい のエピテーゼ
上顎 じょうがく がんが深 ふか く進行 しんこう して目 め を含 ふく めて切除 せつじょ する必要 ひつよう がある時 とき 、残 のこ った眼窩 がんか の上 うえ に用 もち いるエピテーゼを制作 せいさく して装着 そうちゃく できる。
顎 あご 義歯 ぎし
義肢 ぎし (義手 ぎしゅ ・義足 ぎそく )[ 編集 へんしゅう ]
骨肉 こつにく 腫 しゅ が四肢 しし に発生 はっせい した場合 ばあい 、かつては切断 せつだん することが必須 ひっす とされたが、最近 さいきん では切断 せつだん せずに腫瘍 しゅよう を切除 せつじょ することも可能 かのう になった。切断 せつだん した場合 ばあい に用 もち いる義肢 ぎし の機能 きのう も大幅 おおはば に改善 かいぜん されている。
がんの治療 ちりょう によって失 うしな われた臓器 ぞうき の機能 きのう を補 おぎな う手段 しゅだん が得 え られない場合 ばあい もある。このような場合 ばあい には、生活 せいかつ の仕方 しかた で対応 たいおう するか、医療 いりょう 的 てき に補充 ほじゅう する。
胃 い がんによって胃 い を全 ぜん 摘出 てきしゅつ した場合 ばあい 、胃 い に代 か わるものは用意 ようい できないため、食道 しょくどう から直接 ちょくせつ 小腸 しょうちょう へと食 た べ物 もの が入 はい るようになる。少 すこ しずつ時間 じかん をかけ、何 なん 回 かい にも分 わ けて食 た べることにより、対応 たいおう できる。
甲状腺 こうじょうせん がんの場合 ばあい 、少 すこ しでも甲状腺 こうじょうせん が残 のこ せた場合 ばあい 甲状腺 こうじょうせん ホルモン は分泌 ぶんぴつ されるが、甲状腺 こうじょうせん を全 ぜん 摘出 てきしゅつ した場合 ばあい には分泌 ぶんぴつ されなくなる。この場合 ばあい 、術後 じゅつご は甲状腺 こうじょうせん ホルモン製剤 せいざい を生涯 しょうがい にわたって内服 ないふく する。
がんと統合 とうごう 失調 しっちょう 症 しょう [ 編集 へんしゅう ]
統合 とうごう 失調 しっちょう 症 しょう の患者 かんじゃ はがんによる死亡 しぼう 率 りつ が低 ひく いと言 い われている。統合 とうごう 失調 しっちょう 症 しょう 治療 ちりょう に使 つか われる向 こう 精神 せいしん 薬 やく が抗 こう 腫瘍 しゅよう 効果 こうか を持 も つためであるとされている[要 よう 検証 けんしょう – ノート ] [要 よう 出典 しゅってん 医学 いがく ] [63] 。
がんの原因 げんいん の理解 りかい 史 し [ 編集 へんしゅう ]
がんを理解 りかい しようとする人 ひと たちは古代 こだい からおり、悪戦苦闘 あくせんくとう が繰 く り広 ひろ げられてきた[64] 。
「Cancer 」は古代 こだい ギリシア語 ご 「Καρκινοσ 」(「カルキノス」, 「カニ 」の意味 いみ )に由来 ゆらい する[64] 。あちこちに爪 つめ を伸 の ばし食 く い込 こ んでゆく様子 ようす をこの言葉 ことば で表現 ひょうげん した[64] 。「がんについての研究 けんきゅう である腫瘍 しゅよう 学 がく を意味 いみ する「Oncology 」の語源 ごげん も、古代 こだい ギリシア語 ご 「Ογκος 」(「オンコス」と読 よ む。「塊 かたまり 」の意味 いみ )である。
紀元前 きげんぜん 1500年 ねん 頃 ごろ に書 か かれたエーベルス・パピルス にも癌 がん に関 かん する記述 きじゅつ がある。
古代 こだい ローマ のガレノス (2〜3世紀 せいき 頃 ごろ )は、がんは四 よん 体液 たいえき の一 ひと つの黒 くろ 胆汁 たんじゅう が過剰 かじょう になると生 しょう じる、と考 かんが えた[64] (1500年 ねん 頃 ごろ までは医学 いがく の領域 りょういき で「権威 けんい 」とされていた[64] )。ガレノスの後継 こうけい 者 しゃ のなかには、情欲 じょうよく にふけることや、禁欲 きんよく や、憂鬱 ゆううつ が原因 げんいん だとする者 もの もいた[64] 。また同 どう 後継 こうけい 者 しゃ には、ある種 しゅ のがんが特定 とくてい の家系 かけい に集中 しゅうちゅう することに着目 ちゃくもく して、がんというのは遺伝 いでん 的 てき な病苦 びょうく だ、と説明 せつめい する者 もの もいた[64] 。
18世紀 せいき 後半 こうはん を過 す ぎる頃 ころ になると、がんの一因 いちいん として環境 かんきょう 中 ちゅう の毒 どく (タバコ、煙突 えんとつ 掃除 そうじ 夫 おっと の皮膚 ひふ につく煙突 えんとつ の煤 すす 、鉱 こう 坑 あな の粉 ふん じん 、アニリン 染料 せんりょう が含有 がんゆう する化学 かがく 物質 ぶっしつ 等 ひとし )もあるのでは、とする説 せつ が、多 おお くの人 ひと によって提唱 ていしょう された[64] 。
19世紀 せいき の中頃 なかごろ に、フィラデルフィア の外科医 げかい サミュエル・グロス (英語 えいご 版 ばん ) は「(がんについて)確実 かくじつ にわかっていることは、我々 われわれ はがんについて何 なに も知 し らない、ということだけである」と書 か いた[64] 。そして、そのような「何 なに も知 し らない」という状況 じょうきょう は、19世紀 せいき 末 まつ の時点 じてん でも、ほとんど変 か わっていなかった[64] 。
それから1世紀 せいき が経過 けいか し、理解 りかい が進 すす む度 たび に研究 けんきゅう 者 しゃ の間 あいだ で新 あら たな疑問 ぎもん が登場 とうじょう し、科学 かがく 的 てき な知識 ちしき が徐々 じょじょ に増 ふ えてきた[64] 。がんの研究 けんきゅう は研究 けんきゅう 者 しゃ たちにとって多 おお くの困難 こんなん と挫折 ざせつ に満 み ちたものであった[64] 。
20世紀 せいき 初頭 しょとう には、「感染 かんせん 症 しょう は特定 とくてい の微生物 びせいぶつ によって引 ひ き起 お こされる」という説 せつ を支持 しじ する例 れい が実験 じっけん によって多数 たすう 確認 かくにん されたため、他 た の病気 びょうき も容易 ようい に解明 かいめい されるだろうと考 かんが えたり、がんも解明 かいめい されるだろうと予想 よそう する人 ひと は多 おお かった[64] 。
1955年 ねん 、オットー・ワールブルク は、体 からだ 細胞 さいぼう が低 ひく 酸素 さんそ 状態 じょうたい に長時間 ちょうじかん 晒 さら されると呼吸 こきゅう 障害 しょうがい を引 ひ き起 お こし、通常 つうじょう 酸素 さんそ 濃度 のうど 環境 かんきょう 下 か に戻 もど しても大半 たいはん の細胞 さいぼう が変性 へんせい や壊死 えし を起 お こし、ごく一部 いちぶ の細胞 さいぼう が酸素 さんそ 呼吸 こきゅう に代 か わるエネルギー生成 せいせい 経路 けいろ を昂進 こうしん させて生存 せいぞん する細胞 さいぼう が癌 がん 細胞 さいぼう となる説 せつ を発表 はっぴょう した。酸素 さんそ 呼吸 こきゅう よりも発酵 はっこう によるエネルギー産 さん 生 せい に依存 いぞん するものは下等 かとう 動物 どうぶつ や胎生 たいせい 期 き の未熟 みじゅく な細胞 さいぼう が一般 いっぱん 的 てき であり、体 からだ 細胞 さいぼう が酸素 さんそ 呼吸 こきゅう によらず発酵 はっこう に依存 いぞん することで細胞 さいぼう が退化 たいか し癌 がん 細胞 さいぼう が発生 はっせい するとしている[65] 。
「がんは感染 かんせん 症 しょう ではない」とも考 かんが えられていた[64] 。白血病 はっけつびょう のように、患者 かんじゃ から家族 かぞく や医療 いりょう 関係 かんけい 者 しゃ に伝染 でんせん することがないためである[64] 。だが、動物 どうぶつ (の個体 こたい )からとった腫瘍 しゅよう を他 た の動物 どうぶつ (の個体 こたい )に移植 いしょく すると癌 がん が誘発 ゆうはつ されることがわかった19世紀 せいき 末 まつ 以降 いこう は、がんにも感染 かんせん 性 せい の病原 びょうげん 体 たい があるのかも知 し れないと考 かんが える人 ひと も出 で てきて、彼 かれ らは20世紀 せいき 初頭 しょとう までに、原生動物 げんせいどうぶつ やバクテリア 、スピロヘータ 、かび を調 しら べた。それらの研究 けんきゅう はうまくゆかず、がんの原因 げんいん に感染 かんせん 症 しょう があると考 かんが える諸説 しょせつ は信用 しんよう を失 うしな いそうになった。だが、ペイトン・ラウス が腫瘍 しゅよう から細胞 さいぼう とバクテリアを取 と り除 のぞ いた抽出 ちゅうしゅつ 液 えき をつくることを思 おも いつき、それを調 しら べれば細胞 さいぼう の他 ほか に作用 さよう している因子 いんし が見 み つかるかも知 し れないと考 かんが え、ニワトリ の肉腫 にくしゅ をろ過 か した抽出 ちゅうしゅつ 液 えき を健康 けんこう なニワトリに注射 ちゅうしゃ し、その鶏 にわとり にも肉腫 にくしゅ が発生 はっせい するのを実験 じっけん によって確認 かくにん 。その腫瘍 しゅよう は、微小 びしょう な寄生 きせい 生物 せいぶつ 、おそらくウイルス に刺激 しげき されて生 しょう じたものかも知 し れない、とした[64] 。当時 とうじ はウイルスの正体 しょうたい は分 わ かっておらず、「…でないもの」という否定 ひてい 表現 ひょうげん でしか記述 きじゅつ できなかった[64] 。科学 かがく 者 しゃ はがんが感染 かんせん するという実験 じっけん 的 てき 事実 じじつ から、未知 みち の病原 びょうげん 体 たい が存在 そんざい するであろうことにも気付 きづ いた[64] 。その後 ご 、ウサギ でも同様 どうよう の実験 じっけん 結果 けっか が得 え られたが、腫瘍 しゅよう を伝染 でんせん させることに成功 せいこう したのは主 おも にニワトリ(やウサギ)の場合 ばあい に限 かぎ られていたので、やがて、がんの一因 いちいん にウイルスがあるとする説 せつ は評判 ひょうばん が悪 わる くなってしまい、これを支持 しじ する科学 かがく 者 しゃ は評判 ひょうばん を落 お としてしまいかねないような状況 じょうきょう になった[64] 。異端 いたん の説 せつ だと見 み なされ、疑似 ぎじ 科学 かがく 者 しゃ 扱 あつか いされかねない空気 くうき が科学 かがく 界 かい に蔓延 まんえん した。
ジャクソン研究所 けんきゅうじょ (英語 えいご 版 ばん ) は、1929年 ねん に設立 せつりつ された組織 そしき で、今日 きょう では基礎 きそ 医学 いがく 研究 けんきゅう 用 よう の規格 きかく 化 か マウス を供給 きょうきゅう する組織 そしき として米国 べいこく 最大 さいだい のものであり、その研究所 けんきゅうじょ でのがん発生 はっせい 研究 けんきゅう のプログラムというのは「問題 もんだい は遺伝子 いでんし であって、ウイルスではない」という前提 ぜんてい の下 した に行 おこな われていた[64] 。だが、同 どう 研究所 けんきゅうじょ のジョン・ビットナー (英語 えいご 版 ばん ) が、マウスのある種 しゅ のがんは、母乳 ぼにゅう 中 ちゅう の発 はつ がん因子 いんし が授乳 じゅにゅう を通 つう じて子 こ に移 うつ される仕組 しく みであるという、ウイルスが関与 かんよ しているという証拠 しょうこ を偶然 ぐうぜん に発見 はっけん した[64] 。だが、当時 とうじ の科学 かがく 界 かい は上述 じょうじゅつ のようにウイルス説 せつ を異端 いたん 視 し していたのでビットナーは躊躇 ちゅうちょ して、それを「ウイルス」とは呼 よ ばず、あえて「ミルク因子 いんし 」と呼 よ んだ[64] 。
ルドウィク・グロス (英語 えいご 版 ばん ) も、ウイルスが癌 がん の原因 げんいん になることがあることを、マウスの白血病 はっけつびょう がウイルスによってうつることを示 しめ す実験 じっけん を行 おこな うことで確 たし かめ、それを発表 はっぴょう ・報告 ほうこく したのだが、がん研究 けんきゅう 者 しゃ の大半 たいはん はその報告 ほうこく をまともに受 う け取 と らず、データ捏造 ねつぞう をしているのでは、と考 かんが える者 もの すらいた(ワシントンにある研究 けんきゅう 公正 こうせい 局 きょく に出頭 しゅっとう を求 もと められかねないような扱 あつか いを受 う けた[64] 。
アメリカ国立 こくりつ 癌 がん 研究所 けんきゅうじょ が設立 せつりつ された時期 じき 、公衆 こうしゅう 衛生局 えいせいきょく 局長 きょくちょう の諮問 しもん 委員 いいん 会 かい は「がんの原因 げんいん としてウイルスは無視 むし できる」と結論 けつろん づけた[64] 。
「《ミルク因子 いんし 》というのは、ウイルスだ」と解釈 かいしゃく することを科学 かがく 的 てき なこととして認 みと め、ウイルス説 せつ を科学 かがく 的 てき に真面目 まじめ に検討 けんとう すべきだ、という認識 にんしき ができてきたのはようやく1940年代 ねんだい 末 まつ のことだった[64] 。状況 じょうきょう を変 か えた人物 じんぶつ はジェイコブ・ファース (Jacob Furth 、1896-1979)[66] であった[64] 。ファースは既 すで に高名 こうみょう な科学 かがく 者 しゃ であったが、その彼 かれ がグロスの実験 じっけん を、それに用 もち いるマウスの種類 しゅるい まで正確 せいかく になぞることで、実験 じっけん に再現 さいげん 性 せい があること、そして事実 じじつ であることを証明 しょうめい した。それによって基礎 きそ 医学 いがく 者 しゃ たちがようやく、悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう にウイルスが関与 かんよ することがあるということを理解 りかい するようになった[64] 。かくして、長 なが らく異端 いたん 者 しゃ のように扱 あつか われてきたペイトン・ラウス は、1966年 ねん に85歳 さい でノーベル生理学 せいりがく ・医学 いがく 賞 しょう を受賞 じゅしょう した[64] 。
1863年 ねん 、ドイツ人 じん の医師 いし で病理 びょうり 学者 がくしゃ 、ルドルフ・ヴィルヒョウ (Rudolf Virchow ) は、「浸潤 しんじゅん した免疫 めんえき 細胞 さいぼう は、炎症 えんしょう 組織 そしき における癌 がん 病変 びょうへん が発生 はっせい する場所 ばしょ を反映 はんえい している」とする仮説 かせつ を発表 はっぴょう した[67] 。ヴィルヒョウの研究 けんきゅう は、癌 がん の起源 きげん が慢性 まんせい 炎症 えんしょう の領域 りょういき にある可能 かのう 性 せい があることを示唆 しさ した[68] 。
1986年 ねん 、ハロルド・ドヴォルジャーク(Harold Dvorak )は、発癌 はつがん と炎症 えんしょう には、「増殖 ぞうしょく 、細胞 さいぼう の生存 せいぞん と移動 いどう の増加 ぞうか 、および成長 せいちょう 因子 いんし 、炎症 えんしょう 性 せい サイトカイン、血管 けっかん 新生 しんせい 促進 そくしん 因子 いんし (Proangiogenic Factors )が制御 せいぎょ する血管 けっかん 新生 しんせい の強化 きょうか 促進 そくしん 」といった共通 きょうつう の発生 はっせい 経路 けいろ があることを示 しめ した。ドヴォルジャークは、炎症 えんしょう に関与 かんよ する細胞 さいぼう が癌 がん 組織 そしき にも浸潤 しんじゅん している事実 じじつ を観察 かんさつ したうえで、癌 がん について「wound that does not heal 」(「治癒 ちゆ が不可能 ふかのう な傷 きず 」)と定義 ていぎ した[67] 。
植物 しょくぶつ は基本 きほん 的 てき に悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう を患 わずら うことはない。
これは細胞 さいぼう 壁 かべ と血管 けっかん より大幅 おおはば に細 ほそ く細胞 さいぼう 輸送 ゆそう が行 おこな われない導管 どうかん 、師 し 管 かん の構造 こうぞう に因 よ る[69] 。植物 しょくぶつ は悪性 あくせい 新 しん 生物 せいぶつ が生 しょう じても浸潤 しんじゅん も転移 てんい も起 お こらず、極 きわ めて局所 きょくしょ 的 てき なものとなり、病気 びょうき にはならない[要 よう 出典 しゅってん ] 。
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Geoffrey M.Cooper, Robert E.Hausman 著 ちょ 『クーパー細胞 さいぼう 生物 せいぶつ 学 がく 』須藤 すとう 和夫 かずお ,他 た 訳 やく 、東京 とうきょう 化学 かがく 同人 どうじん 、ISBN 978-4-8079-0686-4
分類 ぶんるい
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