悪性あくせい腫瘍しゅよう

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ガン細胞さいぼうから転送てんそう
悪性あくせい腫瘍しゅよう
悪性あくせいちゅうかわしゅ冠状かんじょう断面だんめんCT画像がぞう
発音はつおん あくせいしゅよう
概要がいよう
診療しんりょう 腫瘍しゅようがく
分類ぶんるいおよび外部がいぶ参照さんしょう情報じょうほう
ICD-10 C00C97
ICD-9-CM 140239
DiseasesDB 28843
MedlinePlus 001289
MeSH D009369

悪性あくせい腫瘍しゅよう(あくせいしゅよう、Malignant Tumor, Cancer)は、生体せいたい自律じりつ制御せいぎょはずれて自己じこ増殖ぞうしょくする細胞さいぼう集団しゅうだんである。周囲しゅうい組織そしき浸潤しんじゅんして転移てんいする腫瘍しゅようす。がんガンまたはがん)や「悪性あくせいしん生物せいぶつ」ともしょうし、死亡しぼうにつながることもおおい。国立こくりつがん研究けんきゅうセンターによると、2007ねん以降いこう登録とうろくされた院内いんないがんデータでは、2018ねん時点じてんで10ねん生存せいぞんりつは59.4%であり、部位ぶいやまい(「ステージ」)によりおおきい[1]

概要がいよう[編集へんしゅう]

ヒト身体しんたい細胞さいぼうは、正常せいじょう状態じょうたいでは、細胞さいぼうすうをほぼ一定いっていたもつために分裂ぶんれつ増殖ぞうしょく制御せいぎょする機構きこうはたらいている。腫瘍しゅようは、生体せいたい細胞さいぼう遺伝子いでんし発生はっせいした異常いじょう起因きいんして、正常せいじょう制御せいぎょはずれて自律じりつてき増殖ぞうしょく開始かいししたものをす。腫瘍しゅよう正常せいじょう組織そしき区画くかく不明瞭ふめいりょうで、異物いぶつ組織そしき細胞さいぼうない蓄積ちくせきする浸潤しんじゅん現象げんしょう (Infiltration) が発現はつげんし、転移てんい現象げんしょうみとめられる状態じょうたいを「悪性あくせい腫瘍しゅよう[2][3]しょうする。

治療ちりょうほどこさないと全身ぜんしん転移てんいし、最悪さいあく場合ばあいいた[2][3]

表記ひょうき呼称こしょう[編集へんしゅう]

腫瘍しゅよう良性りょうせい腫瘍しゅよう悪性あくせい腫瘍しゅようとに分類ぶんるいされ、後者こうしゃを「がん」としょうする。がんは、上皮じょうひ組織そしきけい由来ゆらい癌腫がんしゅ (Carcinoma) と上皮じょうひ組織そしきけい細胞さいぼう由来ゆらい肉腫にくしゅ (Sarcoma) に分類ぶんるいされる。癌腫がんしゅ診断しんだんめいは「臓器ぞうきめい組織そしきめい)+がん」で表記ひょうきされる[4]ひらがなの「がん」は悪性あくせい腫瘍しゅよう全体ぜんたいしめし、漢字かんじの「がん」は上皮じょうひ細胞さいぼうから発生はっせいする癌腫がんしゅ使つかけられることがあるが、区別くべつはされないこともおお[5]

戦後せんごさだめた当用漢字とうようかんじは「がん」をふくまず「がん」がひろ一般いっぱんもちいられ、学問がくもんでは「がん」をもちいたが、「がんは悪性あくせい腫瘍しゅよう総称そうしょうがん癌腫がんしゅ意味いみする」との主張しゅちょうが1990ねん以前いぜんから一部いちぶられるようになった。日本にっぽん口腔こうくう外科げか学会がっかいは「がんは悪性あくせい腫瘍しゅよう総称そうしょうがん癌腫がんしゅ意味いみする」と定義ていぎしているが、内科ないか藤田ふじたきよししゅうは、当用漢字とうようかんじによる漢字かんじ制限せいげん必然ひつぜんてきしょうじた仮名書かながきの強制きょうせい歴史れきしてき観点かんてんから「不適切ふてきせつだ」と主張しゅちょうしている[4]

国際こくさい疾病しっぺい分類ぶんるい[編集へんしゅう]

国際こくさい疾病しっぺい分類ぶんるい日本語にほんごやくでは「Cancer」の訳語やくごとして、「がん」(「がん」)をてており、悪性あくせい腫瘍しゅよう一般いっぱん意味いみする[6]

「がん」を意味いみする「Cancer」は、かに意味いみする「Cancer」とおな単語たんごであり、乳癌にゅうがん腫瘍しゅようかにあしのようなひろがりをせた[7] ところから、「医学いがくちち」とばれるヒポクラテスが「かに」の意味いみとして「καρκίνος」(Carcinos)とづけ、これをアウルス・コルネリウス・ケルススが「Cancer」とラテン語らてんご翻訳ほんやくした。

広義こうぎの「Cancer」は「悪性あくせいしん生物せいぶつ」(Malignant Neoplasm) の総称そうしょうであり、ひらがなで「がん」と表記ひょうきする[8]。ひらがなの「がん」は、「癌腫がんしゅ」や上皮じょうひ由来ゆらいの「肉腫にくしゅ」(sarcoma)、白血病はっけつびょうのような血液けつえき悪性あくせい腫瘍しゅようふくめた広義こうぎてき意味いみ悪性あくせい腫瘍しゅようあらわ言葉ことばとして使つかわれており、「国立こくりつがん研究けんきゅうセンター」、かく都道府県とどうふけんにおける「〇〇けんがんセンター」と表記ひょうきしている[9]

広義こうぎの「Cancer」は、狭義きょうぎの「Cancer」にあたる「Carcinoma」(癌腫がんしゅ)、「Sarcoma」(肉腫にくしゅ)、その白血病はっけつびょう悪性あくせいリンパ腫りんぱしゅ骨髄腫こつづいしゅ悪性あくせいちゅうかわしゅ)にけられる[8]

漢字かんじの「がん」は、「いわ」の異体いたいである「」と、病垂やまいだれとの会意かいい形声けいせい文字もじであり、本来ほんらいは「にゅうがん」の意味いみである。触診しょくしんするといわのようにこりこりしているからで、江戸えど時代じだいのころには「いわ」とかれた文書ぶんしょのこっている。

社会しゃかい機構きこう組織そしきについて「○○は△△のがんだ」「△△のガン細胞さいぼう」と比喩ひゆ表現ひょうげんの1つとして使つかわれることがある[10]

腫瘍しゅよう[編集へんしゅう]

腫瘍しゅよう」は国際こくさい疾病しっぺい分類ぶんるいの「Tumor」の日本語にほんごやくであり、「生体せいたいないにおいて、その個体こたい自身じしん由来ゆらいする細胞さいぼうでありながら、その個体こたい全体ぜんたいとしての調和ちょうわやぶり、ときからなんらの制御せいぎょけることなく、またみずからの規律きりつしたがい、過剰かじょう発育はついくをとげる組織そしきをいう」と定義ていぎされている[6]

しん生物せいぶつ (Neoplasm) も腫瘍しゅよう同義どうぎもちいられており、良性りょうせい悪性あくせいがあり、悪性あくせいしん生物せいぶつがん癌腫がんしゅおよ肉腫にくしゅ意味いみする[6]

医学いがくてき分類ぶんるい[編集へんしゅう]

癌腫がんしゅ肉腫にくしゅ比較ひかく
癌腫がんしゅ 肉腫にくしゅ
由来ゆらい 上皮じょうひせい 上皮じょうひせい
発育はついく速度そくど はや よりはや
年齢ねんれい 高齢こうれいしゃ 若年じゃくねんしゃ
てん移行いこうせい リンパくだりせい くだりせい
構造こうぞう 胞巣構造こうぞう 混合こんごう

悪性あくせい腫瘍しゅよう用語ようご病理びょうりがくにおいて以下いかのように分類ぶんるいされる。

  • 癌腫がんしゅ (Carcinoma):上皮じょうひ組織そしき由来ゆらい悪性あくせい腫瘍しゅよう皮膚ひふうえという意味いみにおいて、皮膚ひふ表面ひょうめんからつながる内臓ないぞう内側うちがわつまりなかちょうなか発生はっせいするものが上皮じょうひ由来ゆらいとなる。カルシノーマ。
  • 肉腫にくしゅ (Sarcoma):上皮じょうひ組織そしき由来ゆらい悪性あくせい腫瘍しゅよう皮膚ひふうえでない部位ぶい平滑へいかつすじなか後腹あとばらまく発生はっせいするものを上皮じょうひ由来ゆらいとなる。サルコーマ。
  • その白血病はっけつびょう 以上いじょうわせた悪性あくせい腫瘍しゅよう全体ぜんたいしめすのがひらがなの「がん」(Cancer) となる。

おも作用さよう[編集へんしゅう]

悪性あくせい腫瘍しゅようは、

  • 無制限むせいげん栄養えいよう使つかって増殖ぞうしょくするため、生体せいたい急速きゅうそく消耗しょうもうする。
  • 臓器ぞうき正常せいじょう組織そしきえ、もしくは圧迫あっぱくして機能きのう不全ふぜんおとしいれる。
  • 異常いじょう内分泌ないぶんぴつにより正常せいじょう生体せいたい機能きのうさまたげる。
  • 全身ぜんしん転移てんいすることにより、多数たすう臓器ぞうき機能きのう不全ふぜんおとしいれる。

これらにともない、がんせい疼痛とうつうこすこともおおい。

がんの代謝たいしゃ[編集へんしゅう]

通常つうじょう細胞さいぼうでは、酸素さんそ十分じゅうぶん供給きょうきゅうされているときは、ATP合成ごうせいのエネルギー効率こうりつたかいが合成ごうせい速度そくどおそミトコンドリアでの酸化さんかてきリン酸化さんかでエネルギー生産せいさんおこなう。酸素さんそ十分じゅうぶん供給きょうきゅうされないときは、エネルギー効率こうりつわるいが速度そくどはやかいとうけいによって、エネルギーをている。がん細胞さいぼう酸素さんそ十分じゅうぶん供給きょうきゅうされている環境かんきょうでもエネルギー効率こうりつわるかいとうけい活動かつどうする。これはワールブルク効果こうか(「ウォーバーグ効果こうか」とも)とばれている。この現象げんしょう以前いぜんからられていたが、代謝たいしゃぶつ一斉いっせい測定そくてい解析かいせきおこなうメタボロミクスによって、がん組織そしき比較ひかくしてがん組織そしきかいとうけい代謝たいしゃちゅうあいだたいのプロファイルがあきらかになり、かいとうけい活性かっせい明確めいかくしめされた[11]。なお、通常つうじょう細胞さいぼう代謝たいしゃかんしてはかいとうけいによるATP合成ごうせい速度そくど電子でんし伝達でんたつけいによるATP合成ごうせい速度そくどやく100ばい速度そくどゆうしている[12]

がん組織そしきおおくがブドウ糖ぶどうとう代謝たいしゃ活発かっぱつ(いいかえると、「がん細胞さいぼうブドウ糖ぶどうとうをエサにして増殖ぞうしょくする」)な性質せいしつ利用りようしたポジトロン断層だんそうほう(PET)が、がん診断しんだん利用りようされている。

疫学えきがく[編集へんしゅう]

2004ねんにおける10まんにんごと悪性あくせい腫瘍しゅようによる死亡しぼうしゃすう年齢ねんれい標準ひょうじゅんみ)[13]
  データなし
  55にん以下いか
  55にんから80にん
  80にんから105にん
  105にんから130にん
  130にんから155にん
  155にんから180にん
  180にんから205にん
  205にんから230にん
  230にんから255にん
  255にんから280にん
  280にんから305にん
  305にん以上いじょう

世界せかい保健ほけん機関きかん (WHO) によれば、2005ねん世界せかいの5800まんにん死亡しぼうのうち、悪性あくせい腫瘍しゅようによる死亡しぼうは13%(760まんにん)をめる。死亡しぼう原因げんいんとなった悪性あくせい腫瘍しゅようのうち、最多さいたのものははいがんが130まんにんで、がんは100まんにんかんがん大腸だいちょうがんにゅうがんつづく。悪性あくせい腫瘍しゅようによる死亡しぼう増加ぞうかつづけ、2030ねんには1140まんにん悪性あくせい腫瘍しゅよう死亡しぼうすると予測よそくされている。

日本にっぽん原因げんいん疾患しっかんべつ死亡しぼうしゃすう割合わりあい順位じゅんいでは1951ねんから1980ねんまで30年間ねんかん1のう血管けっかん疾患しっかんわり、1981ねんから2015ねんまで35ねん連続れんぞくで1[14][15][16][17][18][19][20]、2015年度ねんど死亡しぼうしゃすう129まん0428にんのうち、がんによる死者ししゃすうは37まん0131にんであり[19][20]死亡しぼうしゃ総数そうすうたいする割合わりあいは28.7%である。

日本にっぽんのがん統計とうけい[21]
死亡しぼうすう (2017ねん) 罹患りかんすう (2014ねん)
おとこ おんな 男女だんじょ おとこ おんな 男女だんじょ
1 はい 大腸だいちょう はい 乳房ちぶさ 大腸だいちょう
2 はい 大腸だいちょう はい 大腸だいちょう
3 大腸だいちょう 膵臓すいぞう 大腸だいちょう はい
4 肝臓かんぞう 膵臓すいぞう 前立腺ぜんりつせん はい 乳房ちぶさ
5 膵臓すいぞう 乳房ちぶさ 肝臓かんぞう 肝臓かんぞう 子宮しきゅう 前立腺ぜんりつせん

分類ぶんるい[編集へんしゅう]

「がん」は単一たんいつ細胞さいぼう起源きげんとし、発生はっせいははとなった細胞さいぼう種類しゅるい組織そしきがくてき分類ぶんるい)と細胞さいぼう身体しんたいてき部位ぶい解剖かいぼうがくてき分類ぶんるい)とで分類ぶんるいできる。

組織そしきがくてき分類ぶんるい[編集へんしゅう]

組織そしきがたおよびかく腫瘍しゅよう組織そしきがた記事きじ参照さんしょう

やまい分類ぶんるいは、腫瘍しゅようがくがん詳述しょうじゅつがある。

成人せいじんのがん[編集へんしゅう]

細胞さいぼうのがんする過程かてい
はつがん抑制よくせいのための生体せいたい防御ぼうぎょ機構きこう

成人せいじんの「がん」は通常つうじょう上皮じょうひ組織そしき形成けいせいされ、遺伝いでんてきあるいは内因ないいんてき特性とくせい人々ひとびと外的がいてき要因よういんさらされた影響えいきょうによる長期間ちょうきかんにわたる生物せいぶつがくてき過程かていしょうじる、と大方おおかた場合ばあいかんがえられている。肉腫にくしゅ上皮じょうひ由来ゆらいではないが、悪性あくせい腫瘍しゅようとしてがん同様どうよう検査けんさ診断しんだん加療かりょうされる。

つぎれいしめ[注釈ちゅうしゃく 1]:

幼児ようじのがん[編集へんしゅう]

「がん」はおさな子供こども新生児しんせいじにも発生はっせいする。異常いじょう遺伝いでん形質けいしつプロセスのために細胞さいぼう複製ふくせいようわかたいして抑制よくせいかないので、制御せいぎょされない増殖ぞうしょく早期そうきより亢進こうしんし、進行しんこうはやい。肉腫にくしゅおおいことも特徴とくちょうとしてげられる。

幼児ようじのがんの発生はっせいピーク年齢ねんれい生後せいごいちねん以内いないにある。神経しんけい細胞腫さいぼうしゅもっと普通ふつうられる新生児しんせいじ悪性あくせい腫瘍しゅようであり、白血病はっけつびょう (Leukemia) と中枢ちゅうすう神経しんけいがんがそのつぎつづく。女子じょし新生児しんせいじ男子だんし新生児しんせいじとはがいしておな発生はっせいりつである。しかし、白人はくじん新生児しんせいじ黒人こくじんのそれにくらべてほとんどの種類しゅるいのがんにおいて大幅おおはば発生はっせいりつたかい。

新生児しんせいじ神経しんけい細胞腫さいぼうしゅ生存せいぞんりつ非常ひじょうく、ウィルムス腫瘍しゅよう網膜もうまく細胞腫さいぼうしゅ非常ひじょういが、のものはそれほどくない。

幼児ようじがんをつぎしめ[注釈ちゅうしゃく 2]:

分化ぶんか[編集へんしゅう]

身体しんたい構成こうせいする細胞さいぼうは、1個いっこ受精卵じゅせいらんから発生はっせい開始かいしし、当初とうしょ形態けいたいてき機能きのうてきちがいがられなかった細胞さいぼう各種かくしゅみき細胞さいぼう組織そしき固有こゆう形態けいたいおよび機能きのうった細胞さいぼうへと変化へんかしてゆく。この形態けいたいてき機能きのうてき細胞さいぼう変化へんか分化ぶんかという。細胞さいぼう発生はっせいがくてき特徴とくちょうひとつとして、分化ぶんか細胞さいぼうほど細胞さいぼう周期しゅうきみじかさかんに分裂ぶんれつ増殖ぞうしょくかえ傾向けいこうがある。通常つうじょう分化ぶんか方向ほうこう一方向いちほうこうであり、正常せいじょう組織そしきでは分化ぶんか方向ほうこう逆行ぎゃっこうする細胞さいぼうの「ようわか」(だつ分化ぶんか)は、損傷そんしょうした組織そしき再生さいせいのぞき、発生はっせいしない。

がん細胞さいぼう特徴とくちょうひとつにようわか/だつ分化ぶんかするという性質せいしつあり、分化ぶんかたかいがん細胞さいぼうや、がん組織そしきから、「てい分化ぶんか」あるいは「分化ぶんか」ながん細胞さいぼうしょうじる。細胞さいぼう検体けんたい検査けんさしたとき、細胞さいぼう分化ぶんかたかいものほど臓器ぞうき構造こうぞう機能きのうてき性質せいしつのこし、比較的ひかくてき悪性あくせいひくいとえる。インスリノーマのような例外れいがいもある。通常つうじょう分化ぶんかひくいものほど転移てんい増殖ぞうしょくはやく、治療ちりょう不良ふりょうである。

化学かがく療法りょうほうは、特定とくてい細胞さいぼう周期しゅうき依存いぞんして作用さようするものがおおいため、細胞さいぼう周期しゅうき亢進こうしんしている分化ぶんかひくいがんほど化学かがく療法りょうほうたいして感受性かんじゅせいたかいという傾向けいこうがある。腫瘍しゅよう細胞さいぼうへの作用さよう原理げんり特性とくせいは「化学かがく療法りょうほう (悪性あくせい腫瘍しゅよう)」に詳述しょうじゅつがある。

接触せっしょく阻害そがい機能きのう喪失そうしつ無限むげん増殖ぞうしょくのう[編集へんしゅう]

細胞さいぼう生物せいぶつがくにおける接触せっしょく阻害そがいとは、細胞さいぼうがおたがいに接触せっしょくするまで増殖ぞうしょくした場合ばあいこる細胞さいぼう増殖ぞうしょく停止ていしする細胞さいぼう性質せいしつのことである[23]がん細胞さいぼうでは通常つうじょう、この接触せっしょく阻害そがい性質せいしつうしなっており、となり細胞さいぼう接触せっしょくした場合ばあいでも増殖ぞうしょく停止ていしできない状況じょうきょういたっている。がん細胞さいぼうは、接触せっしょく増殖ぞうしょく停止ていししたり成長せいちょう方向ほうこう変更へんこうしたりすることはないため、おたがいの細胞さいぼううえがって成長せいちょうつづけることとなる[24]がん細胞さいぼうは、この接触せっしょく阻害そがい性質せいしつうしなっており、かつ、無限むげん増殖ぞうしょくできる能力のうりょく獲得かくとくしている[23]がん細胞さいぼう特徴とくちょうとして、接触せっしょく阻害そがい消失しょうしつ増殖ぞうしょく因子いんし要求ようきゅうせい低下ていか転移てんいのう前提ぜんていである足場あしば依存いぞんせい増殖ぞうしょくのう獲得かくとく不死ふし転移てんいのう獲得かくとくだつ分化ぶんか発現はつげんかかげられ、発癌はつがんはこのような過度かど増殖ぞうしょく亢進こうしん結果けっかである[25]

がんと細胞さいぼう[編集へんしゅう]

「トゥーモア・イニシエーション」(Tumor Initiation, 正常せいじょう細胞さいぼうが、腫瘍しゅよう形成けいせいできるよう変化へんかする過程かていのこと)と「プロモーション」(Promotion, 発癌はつがん促進そくしん)によって細胞さいぼう増殖ぞうしょくこり、形成けいせいになると「アポトーシス」(Apoptosis, 細胞さいぼう現象げんしょう)の機構きこうはたらき、細胞さいぼう増殖ぞうしょくおさえられる。しかし、細胞さいぼう進行しんこうして細胞さいぼうすうると、体内たいない細胞さいぼう抑制よくせいされ、細胞さいぼう増殖ぞうしょく促進そくしんされる。放射線ほうしゃせん誘発ゆうはつされるリンパ腫りんぱしゅ実験じっけんでは細胞さいぼうこしやすい動物どうぶつ系統けいとうリンパ腫りんぱしゅ発生はっせいさせやすい。細胞さいぼうこり、細胞さいぼう減少げんしょうすると細胞さいぼう抑制よくせいして細胞さいぼう増殖ぞうしょく促進そくしんさせるようになり、これががんへのがねとなる。ウイルス感染かんせん(エプスタインバーウイルス (EBV)、パピローマウイルス (HPV)、ヒトT細胞さいぼう白血病はっけつびょうウイルス、BかたおよびCがた肝炎かんえんウイルス)、化学かがく物質ぶっしつによるはつがんも放射線ほうしゃせん誘発ゆうはつはつがんと同様どうよう細胞さいぼう亢進こうしんつづ細胞さいぼう抑制よくせい遺伝子いでんしbcl-2活性かっせい)ががんさいして重要じゅうよう要因よういんとなっている。がん抑制よくせい遺伝子いでんしp53はDNA損傷そんしょう修復しゅうふくたすけるが、損傷そんしょう修復しゅうふくできない場合ばあいには細胞さいぼう誘発ゆうはつさせて細胞さいぼうごと消去しょうきょする。p53に異常いじょうがあると細胞さいぼうこりにくくなりはつがんにつながることになる[26]

発生はっせい要因よういん[編集へんしゅう]

悪性あくせい腫瘍しゅよう(がん)は、細胞さいぼうのDNAの特定とくてい部位ぶい幾重いくえもの異常いじょうかさなって発生はっせいする、と説明せつめいされることがおおい。異常いじょうしょうじるメカニズムは多様たようであり、すべてがられているわけではない。遺伝子いでんし異常いじょうは、通常つうじょう細胞さいぼう分裂ぶんれつともなってもしばしばしょうじていることもられ、偶発ぐうはつてきがん遺伝子いでんし変異へんいこることもありうるし、発癌はつがんかくりつ、すなわち遺伝子いでんし変異へんいかくりつたかめるウイルス、化学かがく物質ぶっしつ放射線ほうしゃせん環境かんきょう放射線ほうしゃせん人工じんこう放射線ほうしゃせんXせん検査けんさCTスキャンによる医療いりょう被曝ひばく[27])がげられている。

健康けんこう状態じょうたい生体せいたいないではDNA修復しゅうふく機構きこう細胞さいぼう免疫めんえき悪性あくせい腫瘍しゅよう修復しゅうふくしたりおさんだり排除はいじょしたりする機構きこうはたらいている。

すでに悪性あくせい腫瘍しゅよう生体せいたいないにある状態じょうたいになっている場合ばあい、そこにはDNA修復しゅうふく機構きこう不調ふちょう細胞さいぼう免疫めんえき不調ふちょう複雑ふくざつからんでいる場合ばあいもあり、「水疱瘡みずぼうそう水痘すいとう帯状疱疹たいじょうほうしんウイルス (Varicella-zoster virus) の感染かんせんこる」など一対一いちたいいち因果いんが関係かんけい説明せつめいは、がんではしめしにくいことがおおい。

喫煙きつえん[編集へんしゅう]

はいがんの発生はっせいりつ喫煙きつえん相関そうかん関係かんけい

喫煙きつえんがん相関そうかんは、すうじゅうねんにわたる調査ちょうさでの一貫いっかんした結果けっかでもあきらかになっている。かずひゃく疫学えきがく調査ちょうさにより、たばことがんとの関係かんけい確認かくにんされている。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにおけるはいがんによる死亡しぼう比率ひりつとたばこ消費しょうひりょう増加ぞうかパターンはかがみうつしのようであり、喫煙きつえん増加ぞうかするとはいがん比率ひりつ劇的げきてき増加ぞうかした。渡邊わたなべあきらは「日本にっぽん政府せいふ日本にほんたばこ産業さんぎょう (JT) 株式かぶしき半数はんすう以上いじょう保有ほゆうしているため、喫煙きつえん規制きせい禁煙きんえんかんするうごきがすすみにくかった」と指摘してきしており[28]、がんの死亡しぼうりつの1はいがんとなっている。

食事しょくじ[編集へんしゅう]

厚生こうせい労働省ろうどうしょうは「『食生活しょくせいかつ欧米おうべい[29]がんによるやした」とかんがえている[15][16][17][18][19][20][30][31]

生活せいかつ習慣しゅうかん併存へいそん疾患しっかん[編集へんしゅう]

日本にっぽん糖尿とうにょうびょう学会がっかい診療しんりょうガイドラインによれば、国内外こくないがいおおくの研究けんきゅうによって糖尿とうにょうびょうがん罹患りかんリスクに関連かんれんすることが報告ほうこくされているとしている。糖尿とうにょうびょうによるがん発生はっせい促進そくしんのメカニズムとしてはインスリン抵抗ていこうせいとそれにともなこうインスリンしょうこう血糖けっとう慢性まんせい炎症えんしょう想定そうていされている。しかしがん糖尿とうにょうびょうには共通きょうつう危険きけん因子いんしおおく「かけじょう関連かんれん」がしょうじている可能かのうせいもあるとして、がん危険きけん因子いんしとしての糖尿とうにょうびょう意義いぎあきらかにするためさらなる研究けんきゅう解析かいせき必要ひつようだとしている[32]:365

久山くやままち研究けんきゅう

1998ねん福岡ふくおかけん久山くやままちおこなわれた「久山くやままち研究けんきゅう[33] では、糖尿とうにょうびょう悪性あくせい腫瘍しゅよう発生はっせいのリスクには有意ゆうい関連かんれんがあった[34]国立こくりつがん研究けんきゅうセンターは「糖尿とうにょうびょう診断しんだんされたことのあるひとは、そうでないひとくらべて、がんをわずらいやすくなるかくりつが20-30%ほどがり、男性だんせいではかんがん腎臓じんぞうがん膵がん結腸けっちょうがんがん、女性じょせいではがん、かんがん、卵巣らんそうがんでこの傾向けいこうつよい」と発表はっぴょうした[35]C-ペプチドは、インスリンを生成せいせいするさい、インスリンの前駆ぜんくたいであるプロインスリンからはなされた部分ぶぶんすが、C-ペプチドは男性だんせい結腸けっちょうがん関連かんれんがあった[36]

WHOと国際こくさいがん研究けんきゅう機関きかん(IARC)による「生活せいかつ習慣しゅうかんとがんの関連かんれん」についての報告ほうこくがある[37]

生活せいかつ習慣しゅうかんとがんの関連かんれん[37][38]
(WHO/IARC)
関連かんれんつよ リスクをげるもの(部位ぶい リスクをげるもの(部位ぶい)
確実かくじつ 身体しんたい活動かつどう結腸けっちょう たばこ口腔こうくう咽頭いんとう喉頭こうとう食道しょくどうはい膵臓すいぞう肝臓かんぞう腎臓じんぞう尿にょう膀胱ぼうこう子宮しきゅう頸部、骨髄こつづいせい白血病はっけつびょう
他人たにんのたばこのけむりはい
体重たいじゅう肥満ひまん食道しょくどう<せんがん>、結腸けっちょう直腸ちょくちょう乳房ちぶさ<閉経へいけい>、子宮しきゅうからだ腎臓じんぞう
飲酒いんしゅ口腔こうくう咽頭いんとう喉頭こうとう食道しょくどう肝臓かんぞう乳房ちぶさ)、
アフラトキシン肝臓かんぞう)、
中国ちゅうごくしき塩蔵えんぞうぎょzh:鹹魚)(はな咽頭いんとう
可能かのうせいだい 野菜やさい果物くだもの口腔こうくう食道しょくどう結腸けっちょう直腸ちょくちょう
身体しんたい活動かつどう乳房ちぶさ
貯蔵ちょぞうにく結腸けっちょう直腸ちょくちょう
塩蔵えんぞうひんおよび食塩しょくえん
あつ飲食いんしょくぶつ口腔こうくう咽頭いんとう食道しょくどう
可能かのうせいあり
データ不十分ふじゅうぶん
食物しょくもつ繊維せんい大豆だいずさかなωおめが-3脂肪酸しぼうさん
カロテノイドビタミンB2ビタミンB6
葉酸ようさんビタミンB12ビタミンCビタミンD
ビタミンEカルシウム亜鉛あえんセレン
栄養えいようせい植物しょくぶつ機能きのう成分せいぶん
れいアリウム化合かごうぶつフラボノイドイソフラボンリグナン
動物どうぶつせい脂肪しぼう(※動物どうぶつせい脂肪しぼうがん原因げんいんであることをしめ証拠しょうこ[39]複素ふくそたまきしきアミン たまき芳香ほうこうぞく炭化たんか水素すいそ ニトロソ化合かごうぶつ

はつがんせいゆうする化学かがく物質ぶっしつ放射線ほうしゃせんへの暴露ばくろ[編集へんしゅう]

化学かがく物質ぶっしつへの暴露ばくろはつがんをこすことがあり、国際こくさいがん研究けんきゅう機関きかん(IARC)はヒトにたいする発癌はつがんせいみとめられる化学かがく物質ぶっしつ(Group1)として、石綿いしわたベンゼンろくクロムヒ素ひそカドミウムベンジジン1,2-ジクロロプロパン放射線ほうしゃせんとしてγ線がんませんXせんかかげている[40]詳細しょうさいは「IARCはつがんせいリスク一覧いちらん」を参照さんしょうのこと)。

病因びょういん微生物びせいぶつ(ウイルスや細菌さいきん[編集へんしゅう]

一部いちぶ悪性あくせい腫瘍しゅよう(がん)については、ウイルス細菌さいきんによる感染かんせんが、その発生はっせい重要じゅうよう原因げんいんであることが判明はんめいしている。現在げんざい因果いんが関係かんけいうたがわれているものまでふくめると以下いかとおり。

これらの病原びょうげん微生物びせいぶつによってがんが発生はっせいする機構きこう様々さまざまである。ヒトパピローマウイルスやEBウイルス、ヒトTリンパだまこのみせいウイルスの場合ばあい、ウイルスのつウイルスがん遺伝子いでんしはたらきによって細胞さいぼう増殖ぞうしょく亢進こうしんしたり、p53遺伝子いでんしRB遺伝子いでんし機能きのう抑制よくせいされることで細胞さいぼうががんかったりする。肝炎かんえんウイルスやヘリコバクター・ピロリでは、これらの微生物びせいぶつ感染かんせんによって肝炎かんえん胃炎いえん炎症えんしょう頻発ひんぱつした結果けっか、がんの発生はっせいリスクが増大ぞうだいするとかんがえられている。またレトロウイルス遺伝子いでんし正常せいじょう宿主しゅくしゅ細胞さいぼう遺伝子いでんしまれる過程かていで、宿主しゅくしゅがん抑制よくせい遺伝子いでんし欠損けっそんすることがあることもられている。ただしこれらの病原びょうげん微生物びせいぶつによる感染かんせん段階だんかい発癌はつがんの1ステップであり、それ単独たんどくのみではがん発生はっせいするにはいたらないとかんがえられている。

2005ねん11月、スウェーデンマルメ大学だいがく(Malmö Universitet)が発表はっぴょうした研究けんきゅうでは、ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染かんせんした人間にんげんとの、予防よぼう手段しゅだんもちいないオーラルセックス口腔こうくうがんのリスクをたかめる、と示唆しさした。この研究けんきゅうによると、がん患者かんじゃの36%がHPVに感染かんせんしていたのにたいし、健康けんこう対照たいしょうぐんでは1%しか感染かんせんしていなかった[41]

ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン発表はっぴょうされた最近さいきんべつ研究けんきゅうは、オーラルセックスと咽喉いんこうがんには相関そうかん関係かんけいがあることを示唆しさしている。HPVは頸部がん大半たいはん関係かんけいしているので、この相関そうかん関係かんけいはHPVの感染かんせんによるものとかんがえられている。この研究けんきゅうは、生涯しょうがいに1-5にんのパートナーとオーラルセックスをおこなったものまったおこなわなかったものくらべおよそ2ばい、6にん以上いじょうのパートナーとおこなったものは3.5ばい咽喉いんこうがんのリスクがあると結論けつろんけている[42]

遺伝いでんてき原因げんいん[編集へんしゅう]

だい部分ぶぶんのがんは偶発ぐうはつてきであり、特定とくてい遺伝子いでんし遺伝いでんてき欠損けっそん変異へんいによるものではない。しかし遺伝いでんてき要素ようそちあわせる、がん症候群しょうこうぐん存在そんざいする。

遺伝いでんてき素因そいん環境かんきょう因子いんし双方そうほうにより発癌はつがんリスクがたかくなるものとして、アルコール脱水だっすいもと酵素こうそてい活性かっせいアルコールいんがある。これらがそろうとあたま頸部がん咽頭いんとうがん食道しょくどうがん)の罹患りかんりつ上昇じょうしょうする。日本にっぽんふくアジアではアルコール脱水だっすいもと酵素こうそ(ADH1B)の活性かっせいひくひとおおい。

がん成長せいちょう[編集へんしゅう]

藤田ふじた哲也てつやは「末期まっきがん患者かんじゃ体内たいないでは、すうせんからすうちょうおよがん細胞さいぼうが『制御せいぎょかない過剰かじょう生長せいちょう』をつづけ、正常せいじょう組織そしき細胞さいぼう圧殺あっさつする」「『過剰かじょう生長せいちょう』という現象げんしょうこそが、がん宿主しゅくしゅくるしめ、いたらしめる最大さいだい要因よういんである」「『過剰かじょう生長せいちょう』はがんもっと重要じゅうよう性質せいしつひとつであり、悪性あくせい腫瘍しゅよう本質ほんしつてきなものだ」といた[43]

大阪大学おおさかだいがく医学いがくけい研究けんきゅう甲状腺こうじょうせん腫瘍しゅよう研究けんきゅうはんは「甲状腺こうじょうせんがんにおいて、転移てんいのう浸潤しんじゅんのうなど立派りっぱにがんとしての性質せいしつっていながら、なぜかある程度ていど成長せいちょうまってしまい、一生いっしょう患者かんじゃわるさをしないものが多数たすう存在そんざいすることが証明しょうめいされるようになった」「これらのがんを若年じゃくねんがた甲状腺こうじょうせんがんとぶ。このようながんをあまりはや時期じきつけてしまうと、患者かんじゃ本来ほんらい不要ふようであった手術しゅじゅつほどこしてしまうことになる。これを『過剰かじょう診断しんだん』とぶ」「ちいさな甲状腺こうじょうせんがんは10代の後半こうはんからちらほら出現しゅつげんし、20だい急速きゅうそくにその頻度ひんど増加ぞうかし、30だいちゅうごろには中高年ちゅうこうねんとほぼおな頻度ひんどになる。すなわち、ちょう音波おんぱでしかわからないような甲状腺こうじょうせんがんは子供こどものうちからできるが、そのおおくは途中とちゅう成長せいちょうまり、臨床りんしょうてきながんにまで進展しんてんしない」「ちいさな甲状腺こうじょうせんがんは10ねん単位たんいでしか成長せいちょうせず、しかも若年じゃくねんしゃではある程度ていど成長せいちょうするが、高齢こうれいになると完全かんぜん成長せいちょうめる。また、経過けいか観察かんさつされたせんにん以上いじょう患者かんじゃのうち、甲状腺こうじょうせんがんが原因げんいんんだひと一人ひとりもいなかった。すなわち、これらのがんが悪性あくしょうすることはない」と発表はっぴょうした[44]

予防よぼう[編集へんしゅう]

子宮しきゅう頸癌発癌はつがんリスクを軽減けいげんできるHPVワクチン日本にっぽんでも認可にんかされた。胃癌いがんヘリコバクター・ピロリ除菌じょきんすることにより、発癌はつがんリスクを軽減けいげんできることが報告ほうこくされている。Bがた肝炎かんえんエンテカビルによりHBVウイルスを減少げんしょうさせることで、Cがた肝炎かんえんインターフェロン療法りょうほうによりHCVを駆除くじょすることにより、発癌はつがんリスクを軽減けいげんできることがわかっている。

がん予防よぼう10かじょう世界せかいがん研究けんきゅう基金ききん[編集へんしゅう]

2007ねん11月1にち世界せかいがん研究けんきゅう基金ききんアメリカがん研究けんきゅう協会きょうかいによって7,000以上いじょう研究けんきゅう根拠こんきょに「べもの、栄養えいよう運動うんどうとがん予防よぼう[45]報告ほうこくされている。これは1997ねん公表こうひょうされ、日本にっぽんでは「がん予防よぼう15かじょう」とばれていた4500以上いじょう研究けんきゅうもとにした報告ほうこくおおきな更新こうしんである。

  1. 肥満ひまんBMIは21-23の範囲はんいに。推薦すいせん標準ひょうじゅん体重たいじゅう維持いじ
  2. 運動うんどう毎日まいにち早足はやあしで30ふん以上いじょうあるくか、それに相当そうとうする身体しんたい活動かつどうをする。れてきたら毎日まいにち60ふん以上いじょうちゅう程度ていど身体しんたい活動かつどうか、30ふん以上いじょうのかなりはげしい身体しんたい活動かつどうをする。
  3. 体重たいじゅうやす飲食いんしょくぶつ 推薦すいせん:こうエネルギーのべものや砂糖さとうはい飲料いんりょうやフルーツジュース、ファーストフード摂取せっしゅ制限せいげんする。飲料いんりょうとしてみずちゃとうコーヒー推奨すいしょうされる。
  4. 植物しょくぶつせい食品しょくひん毎日まいにちすくなくとも600グラム野菜やさい果物くだものと、でんぷんせい糖類とうるい摂取せっしゅし、毎日まいにちすくなくとも25gの食物しょくもつ繊維せんい摂取せっしゅする。推奨すいしょう毎日まいにち400グラム以上いじょう野菜やさい果物くだものと、精製せいせいひく穀物こくもつまめべる。精白せいはくされた穀物こくもつ制限せいげんする。
  5. 動物どうぶつせい食品しょくひん あかにくうしぶたひつじ)を制限せいげんし、加工かこうにくハムベーコンサラミ燻製くんせいにく熟成じゅくせいにく塩蔵えんぞうにく)はける。あかにくより、鶏肉とりにくさかな推奨すいしょうされる。赤身あかみにくしゅう300グラム以下いかに。推奨すいしょうあかにくしゅう500グラム以下いかに。乳製品にゅうせいひん議論ぎろんがあるため推奨すいしょうされていない。
  6. アルコール(おさけ) 男性だんせいは1にち2はい女性じょせいは1にち1はいまで。
  7. 保存ほぞん調理ちょうり塩分えんぶん摂取せっしゅりょうを1にちに5グラム以下いかに。推奨すいしょう塩辛しおからべものをける。塩分えんぶん摂取せっしゅりょうを1にちに6グラム以下いかに。カビのある穀物こくもつまめける。
  8. サプリメント:サプリメントにはたよらず、食事しょくじのみで栄養えいようたす。
  9. 母乳ぼにゅう哺育ほいく 6かげつあいだ母乳ぼにゅうのみでそだてる。
  10. がん治療ちりょう生存せいぞんしゃは、栄養えいよう体重たいじゅう運動うんどうについて、訓練くんれんけた専門せんもん指導しどうける。

喫煙きつえんはい口腔こうくう膀胱ぼうこうがんの主因しゅいんであり、タバコのけむりもっと明確めいかくおおくの部位ぶいのがんの原因げんいんであると強調きょうちょう。また、タバコとアルコールは相乗そうじょう作用さよう発癌はつがん物質ぶっしつとなる。

がん対策たいさく目標もくひょう健康けんこう日本にっぽん21-日本にっぽん厚生こうせい労働省ろうどうしょう[編集へんしゅう]

2000ねん厚生こうせい労働省ろうどうしょう健康けんこう日本にっぽん21[46] によってがん対策たいさく目標もくひょう提唱ていしょうされている。

  1. 喫煙きつえんおよぼす健康けんこう影響えいきょうについての知識ちしき普及ふきゅう分煙ぶんえん節煙せつえん
  2. 食塩しょくえん摂取せっしゅりょうを1にち10g未満みまんらす
  3. 野菜やさい平均へいきん摂取せっしゅりょうを1にち350g以上いじょうやす
  4. 果物くだものるい摂取せっしゅしているひと割合わりあいやす
  5. 食事しょくじちゅう脂肪しぼう比率ひりつを25%以下いかにする
  6. 1にちやく60g以上いじょう飲酒いんしゅするひとらす。「節度せつどある適度てきど飲酒いんしゅりょう」は「やく20g」
  7. がん検診けんしんがん、にゅうがん、大腸だいちょうがんの検診けんしん受診じゅしんしゃの5わり以上いじょう増加ぞうか

日本人にっぽんじんのためのがん予防よぼうほう国立こくりつがん研究けんきゅうセンター)[編集へんしゅう]

国立こくりつがん研究けんきゅうセンターがん予防よぼう検診けんしん研究けんきゅうセンター(げん社会しゃかい健康けんこう研究けんきゅうセンター)は日本人にっぽんじんにとって優先ゆうせんたかく、予防よぼう効果こうかたしかな要因よういんしぼって内容ないようりまとめ、2006ねんに「日本人にっぽんじんのためのがん予防よぼうほう」を提言ていげんした[47]以下いかは2017ねん8がつ1にち改訂かいていばんにおける6つの推奨すいしょう項目こうもくである[48]

日本人にっぽんじんのためのがん予防よぼうほう
喫煙きつえん たばこはわない。他人たにんのたばこのけむりける。
飲酒いんしゅ むなら、節度せつどのある飲酒いんしゅをする。
食事しょくじ かたよらずバランスよくとる。

塩蔵えんぞう食品しょくひん食塩しょくえん摂取せっしゅ最小限さいしょうげんにする。
野菜やさい果物くだもの不足ふそくにならない。
飲食いんしょくぶつあつ状態じょうたいでとらない。

身体しんたい活動かつどう 日常にちじょう生活せいかつ活動かつどうてきに。
体形たいけい 適正てきせい範囲はんいないに。
感染かんせん 肝炎かんえんウイルス感染かんせん検査けんさ適切てきせつ措置そちを。機会きかいがあればピロリきん検査けんさを。

がんをふせぐためのしん12かじょう(がん研究けんきゅう振興しんこう財団ざいだん[編集へんしゅう]

1978ねん日本にっぽん国立こくりつがんセンター(げん国立こくりつ研究けんきゅう開発かいはつ法人ほうじん 国立こくりつがん研究けんきゅうセンター)は学問がくもんてき常識じょうしきとされていた知見ちけんまえ、カレンダーの12かげつわせて「がんをふせぐための12ヵ条かじょう」を提唱ていしょうした[49][50]当時とうじとしては科学かがくてき妥当だとう提言ていげんであったが、その研究けんきゅうで「かび」や「日光にっこう」、「げ」の暴露ばくろけるべきとされていた要因よういんについて、はつがんリスクの上昇じょうしょうみとめられるまでに必要ひつよう曝露ばくろりょうけた場合ばあい予防よぼう可能かのうながんの割合わりあいという観点かんてんから見直みなおしがなされ、上述じょうじゅつの「日本人にっぽんじんのためのがん予防よぼうほう」の内容ないようふくめ、2011ねんにがん研究けんきゅう振興しんこう財団ざいだんが「がんをふせぐためのしん12かじょう」として改訂かいていばん公表こうひょうした[47]たばこについての記述きじゅつ禁煙きんえん受動じゅどう喫煙きつえんの2項目こうもくもうけたこと、早期そうき発見はっけんかかげたことや正確せいかく情報じょうほう入手にゅうしゅすることに言及げんきゅうしているてんでも改訂かいていまえことなる[49]

  1. たばこはわない
  2. 他人たにんのたばこのけむりける
  3. さけはほどほどに
  4. バランスのとれた食生活しょくせいかつ
  5. 塩辛しおから食品しょくひんひかえめに
  6. 野菜やさい果物くだもの不足ふそくにならないように
  7. 適度てきど運動うんどう
  8. 適切てきせつ体重たいじゅう維持いじ
  9. ウイルスや細菌さいきん感染かんせん予防よぼう治療ちりょう
  10. 定期ていきてきながん検診けんしん
  11. 身体しんたい異常いじょうがついたら、すぐに受診じゅしん
  12. ただしいがん情報じょうほうでがんをることから

がん検診けんしん[編集へんしゅう]

診断しんだん[編集へんしゅう]

「がん」の診断しんだんには2つの状況じょうきょうがある。ひとつは臨床りんしょう診断しんだんとく病理びょうり検査けんさ)と、もうひとつは集団しゅうだん検診けんしんがん検診けんしん; 術後じゅつご検診けんしんふくむ)である。がんを根治こんじするじょう重要じゅうようてん自覚じかく症状しょうじょうがない段階だんかいでの「早期そうき発見はっけん」と「ぜん摘出てきしゅつ手術しゅじゅつ可能かのうせい検証けんしょう」がげられる。いいかえると、集団しゅうだん検診けんしん臨床りんしょう診断しんだんとが効果こうかてき機能きのうしてはじめて、がん治療ちりょう成功せいこうみちびかれる。またぜん摘出てきしゅつ手術しゅじゅつ困難こんなん状況じょうきょうにおいて、がんの種類しゅるいによってことなる有効ゆうこう治療ちりょうほう選択せんたくする目的もくてきでも、臨床りんしょう診断しんだん重要じゅうようである。

検診けんしん方法ほうほうとしては、Xせん撮影さつえいちょう音波おんぱ検査けんさコンピュータ断層だんそう撮影さつえい(CT)、かく磁気じき共鳴きょうめい画像がぞうほう(MRI)、ポジトロン断層だんそうほう(PET)、ほねシンチグラフィ[51]消化しょうかへの内視鏡ないしきょう検査けんさ[52]がある。

一方いっぽうぜん摘出てきしゅつ手術しゅじゅつ成功せいこうした場合ばあいにおいても、再発さいはつがん、せいがんの発生はっせい懸念けねんがあるため、その局面きょくめんにおいても術後じゅつご定期ていき検診けんしん重要じゅうようになる。

細胞さいぼう診断しんだんなまけん組織そしき診断しんだん[編集へんしゅう]

「がん」の組織そしき顕微鏡けんびきょうしたでの観察かんさつ、すなわちけんきょうによって、形態けいたいから鑑別かんべつされる。判定はんていぞうではおおくの分裂ぶんれつちゅう細胞さいぼう観察かんさつされ、細胞さいぼうかくのサイズや形状けいじょうはばらばらであり、(分化ぶんかした)細胞さいぼう特徴とくちょう消失しょうしつしている。これらは細胞さいぼうでもなまけん組織そしきでも確認かくにんできる特徴とくちょうである。組織そしきでは正常せいじょう組織そしき構造こうぞううしなわれているてんや、周囲しゅうい組織そしき(が一緒いっしょ採取さいしゅされていれば、そこ)と腫瘍しゅようとの境界きょうかい不明瞭ふめいりょうであることが観察かんさつされる。

なまけん組織そしきは、形成けいせい形成けいせい上皮じょうひないがん浸潤しんじゅんがんとの鑑別かんべつ有用ゆうようである。

進行しんこう[編集へんしゅう]

「がん」の進行しんこうあらわすものとして「TNM分類ぶんるい」や「ステージ分類ぶんるい」がある。

TNM分類ぶんるい[編集へんしゅう]

「T(tumor腫瘍しゅよう)」、「N(nodes所属しょぞくリンパぶし)」、「M(metastasis遠隔えんかく転移てんい)」の3つの観点かんてんから進行しんこう分類ぶんるいしたもの。T1~4、N0~3、M0~1のわせで表現ひょうげんする。

ステージ分類ぶんるい[編集へんしゅう]

TNM分類ぶんるいもとに、がんの進行しんこうひろがりの程度ていどわせてあらわすことができるように、とあらたに作成さくせいされた。臨床りんしょう沿った分類ぶんるいであり、「臨床りんしょう進行しんこう分類ぶんるい」とばれる。

ステージ0(上皮じょうひないがん)〜ステージIVの段階だんかい分類ぶんるいされる。個体こたいとしてのむかえた段階だんかい体内たいないには1kg前後ぜんこうのがん細胞さいぼう生成せいせいされている[53]

  • ステージ0 がん腫瘍しゅよう上皮じょうひないにとどまっている。リンパぶしへの転移てんいはない。
  • ステージI がん腫瘍しゅようひろがっているが、筋肉きんにくそうでとどまっている。リンパぶしへの転移てんいはない。
  • ステージII がん腫瘍しゅよう筋肉きんにくそうえて浸潤しんじゅんしているがリンパぶしへの転移てんいはない。または、腫瘍しゅようひろがっていないがじゃくわかリンパぶしへの転移てんいられる。
  • ステージIII がん腫瘍しゅよう浸潤しんじゅんおおきくなり、リンパぶし転移てんいしている。
  • ステージIV がん腫瘍しゅようがはじめにできた原発げんぱつえて、臓器ぞうき転移てんい遠隔えんかく転移てんい)している。ステージIV(ステージ4)は末期まっきがんとはことなり様々さまざま治療ちりょうほう存在そんざいし、医療いりょう進歩しんぽによりその選択肢せんたくしえている[54]

TMN分類ぶんるい同様どうように、臓器ぞうきべつこまかく分類ぶんるいされているため、上記じょうき分類ぶんるいからさら詳細しょうさい分類ぶんるいされる場合ばあいがある。がんの場合ばあいは、TNM分類ぶんるいとの対比たいひ以下いかのように定義ていぎされている[55]

がんの進行しんこう分類ぶんるい(TNM分類ぶんるい)とやまい
NO
リンパぶし転移てんいがない
N1
領域りょういきリンパぶし(※)のうち、
1~2転移てんいしている
N2
領域りょういきリンパぶしのうち、
3~6転移てんいしている
N3
領域りょういきリンパぶしのうち、
7以上いじょう転移てんいしている
M1
領域りょういきリンパぶし以外いがい
リンパぶし転移てんいしている
T1a (M)
粘膜ねんまく限局げんきょくしている
IA IB IIA IIB IV
T1b (SM)
粘膜ねんまく下層かそうたっしている
IA
T2 (MP)
すじそうたっしている
IB IIA IIB IIIA
T3 (SS)
すじそうえ、
漿膜下層かそうたっしている
IIA IIB IIIA IIIB
T4a (SE)
がんが漿膜をえ、
表面ひょうめんている
IIB IIIA IIIB IIIC
T4b (SI)
がんが表面ひょうめんたうえに、
臓器ぞうきにもがんがつづいている
IIB IIIB IIIC IIIC

ちかくにあって転移てんいしやすいリンパぶしのことで、日本にっぽん臨床りんしょう外科げか学会がっかいの『治療ちりょうガイドライン』では13のリンパぶしを「領域りょういきリンパぶし」 としている。

治療ちりょう[編集へんしゅう]

日本にっぽんにおいて昭和しょうわころは、「がん」といえば宣告せんこく同義どうぎであった。日本にっぽん1984ねんに「たいがん10ヵ年かねん総合そうごう戦略せんりゃく」、1994ねんに「がん克服こくふくしん10かねん戦略せんりゃく」を策定さくていし、多額たがく研究けんきゅう資金しきん投入とうにゅうしてきた。また、日本にっぽんだけでなく欧米おうべい諸国しょこくでも死因しいん上位じょういであるがんの研究けんきゅうには多額たがく人材じんざいおよ資金しきんとうじてきた。2010年代ねんだいまでに、がんの治療ちりょう成績せいせき急激きゅうげきがった。実際じっさいおおくのがんでは初期しょき(1)であれば9わり以上いじょう5ねん生存せいぞんりつ事実じじつじょう完治かんじ)となっているが、基本きほんてきなおりにくい病気びょうきであることはわらないほか、膵癌のように治療ちりょう困難こんなんながんも存在そんざいする。また、医学いがく世界せかいでは、がんの治癒ちゆは「完治かんじ」とはばず、とりあえず病変びょうへんえなくなった状態じょうたいとして「寛解かんかい(かんかい)」とぶ。

治療ちりょう手段しゅだん以下いかのものがある。

ガン細胞さいぼう血管けっかん新生しんせい誘引ゆういんして大量たいりょう血管けっかん生成せいせいするが、この結果けっかできた血管けっかんほそうえそう構造こうぞう表皮ひょうひ部分ぶぶん完全かんぜんには形成けいせいされないもろ血管けっかんである。そのため、この血管けっかん新生しんせい阻害そがいする治療ちりょうほうや、ぎゃくにガンにびた血管けっかん表皮ひょうひ正常せいじょう状態じょうたいにして、こうがんざいをガン細胞さいぼうとどきやすくする治療ちりょう研究けんきゅうされている。

2014ねん1がつ鳥取大学とっとりだいがく医学部いがくぶは、「自身じしんがクローニングしたRNA遺伝子いでんし機能きのう解析かいせき従事じゅうじしているさい、この遺伝子いでんし関連かんれんして発現はつげん変動へんどうする単一たんいつマイクロRNA悪性あくしょうたか分化ぶんかがん導入どうにゅうすると、容易ようい悪性あくせい喪失そうしつさせることができ、正常せいじょうみき細胞さいぼう形質けいしつ転換てんかんできるという画期的かっきてき治療ちりょうほう発見はっけんした」と発表はっぴょうした。大学だいがくでは「動物どうぶつ実験じっけん段階だんかいまでである」としているが、「研究けんきゅうグループ代表だいひょうによると、あらゆるがん対応たいおう可能かのうで、現在げんざい実用じつようけて研究けんきゅうちゅうであるという[59]

精密せいみつ医療いりょう[編集へんしゅう]

精密せいみつ医療いりょう」という用語ようごがあり、これは「Precision Medicine」の訳語やくごである。患者かんじゃ個人こじんレベルで最適さいてき治療ちりょう方法ほうほう分析ぶんせき選択せんたくし、それをほどこす。最先端さいせんたん技術ぎじゅつもちい、細胞さいぼう遺伝子いでんしレベルで分析ぶんせきし、適切てきせつくすりのみを投与とうよする。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくではすで一般いっぱんてき方法ほうほうとして選択せんたくされている[60]

がん闘病とうびょうちゅう治療ちりょう生活せいかつしつ向上こうじょう[編集へんしゅう]

がんは発見はっけんから闘病とうびょうちゅうにおいて、病気びょうきへの不安ふあんかんがんせい疼痛とうつうによる苦痛くつう生活せいかつ経済けいざい状態じょうたいへの打撃だげきにより、患者かんじゃ本人ほんにん家族かぞくらの「生活せいかつしつ」(QOL, Quality Of Life)におおきな影響えいきょうあたえる。

がん治療ちりょう最大さいだい関心事かんしんじ再発さいはつ転移てんい有無うむであり、がんがのこっている場合ばあいにはその推移すいいにある。このため、治療ちりょう主治医しゅじいによる定期ていきてき検診けんしんけて状況じょうきょうただしく把握はあくしつつ生活せいかつ再建さいけんしていくことが肝要かんようである。

がん治療ちりょう手術しゅじゅつによる切除せつじょともなうことがおおく、治療ちりょう生活せいかつは、たとえば治療ちりょうによってがんそのものはかんなおした場合ばあいであっても、おおきく影響えいきょうけることがおおい。がんができた場所ばしょによって治療ちりょうにより影響えいきょうける機能きのう千差万別せんさばんべつであり、対処たいしょほうもそれぞれにことなる。一般いっぱんに、切除せつじょによってうしなわれるからだ機能きのうをできるかぎちいさくし、うしなわれた機能きのうおぎな手段しゅだんもちいて、治療ちりょうのQOLを従来じゅうらいよりも向上こうじょうさせる努力どりょくすすめられている。

ストーマ[編集へんしゅう]

直腸ちょくちょうがん肛門こうもんちかいところにがんができた場合ばあい肛門こうもんにがんができた場合ばあい人工じんこう肛門こうもん消化しょうかストーマ)がつくられる。また、膀胱ぼうこうがん膀胱ぼうこう尿道にょうどうをとる必要ひつようがある場合ばあい人工じんこう膀胱ぼうこうもちい、尿にょう排泄はいせつこうである尿にょう出口でぐち尿にょうストーマ)がつくられる。手術しゅじゅつストーマによる排泄はいせつをスムーズにおこなえるようにするケア(ストーマケア[61])の方法ほうほう十分じゅうぶん習得しゅうとくできてから退院たいいんする。ストーマがあっても入浴にゅうよくはでき、体力たいりょく回復かいふくすれば仕事しごと学業がくぎょう復帰ふっきすることも可能かのうである。

気管きかんあな[編集へんしゅう]

気管きかんあなはなまたはくちからはい空気くうき導入どうにゅうして呼吸こきゅう困難こんなんになる場合ばあい気管きかん外部がいぶへつなげるあなけて(気管きかん切開せっかい呼吸こきゅう確保かくほする。くびまえ位置いちまるあなをあける。気管きかんあな治療ちりょう過程かてい呼吸こきゅう確保かくほするために一時いちじてきもうける場合ばあいもあり、この場合ばあい通常つうじょう呼吸こきゅう可能かのうになるとともじられる。他方たほう咽頭いんとう喉頭こうとう、またはそのちかくにがんがあり、治療ちりょうにより咽頭いんとう全部ぜんぶ切除せつじょしなければならない場合ばあい、そのままでは食事しょくじ呼吸こきゅうもできなくなるので、くちつうじる食道しょくどう気管きかん完全かんぜんけて形成けいせいし、気管きかん出口でぐち気管きかんあなにつなげる。この場合ばあい永久えいきゅう気管きかんあなという[62]

永久えいきゅう気管きかんあなもうけた場合ばあいくびあながあいたままになる。術後じゅつご日常にちじょう生活せいかつけるおも影響えいきょう以下いかげる。

  • 入浴にゅうよく気管きかんあなみずはいらないように注意ちゅういする。水泳すいえいおよび潜水せんすいはできない
  • 声帯せいたい切除せつじょすることでこえなくなる。筆談ひつだんジェスチャーでの会話かいわ電気でんき発声はっせいほう人工じんこう喉頭こうとう)、食道しょくどう発声はっせいほう習得しゅうとくする
  • 食事しょくじにおいてはにおいを能力のうりょくうしなわれる

再建さいけんじゅつ[編集へんしゅう]

人工じんこう乳房ちぶさ[編集へんしゅう]

にゅうがんの治療ちりょうでは、抗癌剤こうがんざい放射線ほうしゃせん治療ちりょう併用へいようにより乳房ちぶさ温存おんぞんできる場合ばあいえている。治療ちりょうほうとそれによる様々さまざま影響えいきょう治療ちりょうのリスクについて、十分じゅうぶん医師いし患者かんじゃ双方そうほう納得なっとくして治療ちりょうおこなうことが重要じゅうようである。切除せつじょ手術しゅじゅつおこなった場合ばあい人工じんこう乳房ちぶさ各種かくしゅ開発かいはつされているのでもちいることができる。

顔面がんめんエピテーゼ[編集へんしゅう]

あたま頸部がんでは治療ちりょうによって、顔面がんめん一部いちぶ機能きのうそこなわれたり一部いちぶうしなわれたりする場合ばあいがある。手術しゅじゅつ放射線ほうしゃせん治療ちりょう化学かがく療法りょうほう併用へいようすることにより、うしなわれる機能きのう最小限さいしょうげんにする努力どりょくすすめられており、切除せつじょ範囲はんい縮小しゅくしょうする傾向けいこうである。また、再建さいけんじゅつおおおこなわれている。術後じゅつご予想よそうされる変化へんかとリスクを医師いし患者かんじゃはない、双方そうほう納得なっとくして治療ちりょうすすめることが重要じゅうようである。喪失そうしつした顔面がんめん各部かくぶおうじてエピテーゼを制作せいさくできる。医療いりょうよう接着せっちゃくざいまたはインプラントにより装着そうちゃくする。近年きんねんきわめて自然しぜん仕上しあがりのエピテーゼをもちいることが可能かのうになってきている。詳細しょうさいは「顔面がんめんエピテーゼ」の項目こうもく参照さんしょう

みみのエピテーゼ
耳下腺じかせんがんの治療ちりょうでは、がんの進行しんこう度合どあいによって治療ちりょうにより聴力ちょうりょくをはじめどの機能きのうまでをのこせるか、十分じゅうぶん検討けんとう必用ひつようである。みみ切除せつじょ必要ひつようとなった場合ばあい外耳がいじ一部いちぶのこせればみみエピテーゼをもちいても強度きょうどたもてて、眼鏡めがね使用しようにもえる。
はなのエピテーゼ
はな呼吸こきゅうによって湿気しっけにさらされる部分ぶぶんであり、外見がいけんのみでなく機能きのうてき部分ぶぶん要求ようきゅうされ、開発かいはつすすめられている。
およびその周囲しゅういのエピテーゼ
上顎じょうがくがんがふか進行しんこうしてふくめて切除せつじょする必要ひつようがあるときのこった眼窩がんかうえもちいるエピテーゼを制作せいさくして装着そうちゃくできる。
あご義歯ぎし

義肢ぎし義手ぎしゅ義足ぎそく[編集へんしゅう]

骨肉こつにくしゅ四肢しし発生はっせいした場合ばあい、かつては切断せつだんすることが必須ひっすとされたが、最近さいきんでは切断せつだんせずに腫瘍しゅよう切除せつじょすることも可能かのうになった。切断せつだんした場合ばあいもちいる義肢ぎし機能きのう大幅おおはば改善かいぜんされている。

補充ほじゅう[編集へんしゅう]

がんの治療ちりょうによってうしなわれた臓器ぞうき機能きのうおぎな手段しゅだんられない場合ばあいもある。このような場合ばあいには、生活せいかつ仕方しかた対応たいおうするか、医療いりょうてき補充ほじゅうする。

がんによってぜん摘出てきしゅつした場合ばあいわるものは用意よういできないため、食道しょくどうから直接ちょくせつ小腸しょうちょうへとものはいるようになる。すこしずつ時間じかんをかけ、なんかいにもけてべることにより、対応たいおうできる。

甲状腺こうじょうせんがんの場合ばあいすこしでも甲状腺こうじょうせんのこせた場合ばあい甲状腺こうじょうせんホルモン分泌ぶんぴつされるが、甲状腺こうじょうせんぜん摘出てきしゅつした場合ばあいには分泌ぶんぴつされなくなる。この場合ばあい術後じゅつご甲状腺こうじょうせんホルモン製剤せいざい生涯しょうがいにわたって内服ないふくする。

がんと統合とうごう失調しっちょうしょう[編集へんしゅう]

統合とうごう失調しっちょうしょう患者かんじゃはがんによる死亡しぼうりつひくいとわれている。統合とうごう失調しっちょうしょう治療ちりょう使つかわれるこう精神せいしんやくこう腫瘍しゅよう効果こうかつためであるとされている[よう検証けんしょう][よう出典しゅってん医学いがく][63]

がんの原因げんいん理解りかい[編集へんしゅう]

がんを理解りかいしようとするひとたちは古代こだいからおり、悪戦苦闘あくせんくとうひろげられてきた[64]

Cancer」は古代こだいギリシアΚαρκινοσ」(「カルキノス」, 「カニ」の意味いみ)に由来ゆらいする[64]。あちこちにつめばしんでゆく様子ようすをこの言葉ことば表現ひょうげんした[64]。「がんについての研究けんきゅうである腫瘍しゅようがく意味いみする「Oncology」の語源ごげんも、古代こだいギリシアΟγκος」(「オンコス」とむ。「かたまり」の意味いみ)である。

紀元前きげんぜん1500ねんごろかれたエーベルス・パピルスにもがんかんする記述きじゅつがある。

古代こだいローマガレノス(2〜3世紀せいきごろ)は、がんはよん体液たいえきひとつのくろ胆汁たんじゅう過剰かじょうになるとしょうじる、とかんがえた[64](1500ねんごろまでは医学いがく領域りょういきで「権威けんい」とされていた[64])。ガレノスの後継こうけいしゃのなかには、情欲じょうよくにふけることや、禁欲きんよくや、憂鬱ゆううつ原因げんいんだとするものもいた[64]。またどう後継こうけいしゃには、あるしゅのがんが特定とくてい家系かけい集中しゅうちゅうすることに着目ちゃくもくして、がんというのは遺伝いでんてき病苦びょうくだ、と説明せつめいするものもいた[64]

18世紀せいき後半こうはんぎるころになると、がんの一因いちいんとして環境かんきょうちゅうどく(タバコ、煙突えんとつ掃除そうじおっと皮膚ひふにつく煙突えんとつすすこうあなふんじんアニリン染料せんりょう含有がんゆうする化学かがく物質ぶっしつ ひとし)もあるのでは、とするせつが、おおくのひとによって提唱ていしょうされた[64]

19世紀せいき中頃なかごろに、フィラデルフィア外科医げかいサミュエル・グロス英語えいごばんは「(がんについて)確実かくじつにわかっていることは、我々われわれはがんについてなにらない、ということだけである」といた[64]。そして、そのような「なにらない」という状況じょうきょうは、19世紀せいきまつ時点じてんでも、ほとんどわっていなかった[64]

それから1世紀せいき経過けいかし、理解りかいすすたび研究けんきゅうしゃあいだあらたな疑問ぎもん登場とうじょうし、科学かがくてき知識ちしき徐々じょじょえてきた[64]。がんの研究けんきゅう研究けんきゅうしゃたちにとっておおくの困難こんなん挫折ざせつちたものであった[64]

20世紀せいき初頭しょとうには、「感染かんせんしょう特定とくてい微生物びせいぶつによってこされる」というせつ支持しじするれい実験じっけんによって多数たすう確認かくにんされたため、病気びょうき容易ようい解明かいめいされるだろうとかんがえたり、がんも解明かいめいされるだろうと予想よそうするひとおおかった[64]

1955ねんオットー・ワールブルクは、からだ細胞さいぼうひく酸素さんそ状態じょうたい長時間ちょうじかんさらされると呼吸こきゅう障害しょうがいこし、通常つうじょう酸素さんそ濃度のうど環境かんきょうもどしても大半たいはん細胞さいぼう変性へんせい壊死えしこし、ごく一部いちぶ細胞さいぼう酸素さんそ呼吸こきゅうわるエネルギー生成せいせい経路けいろ昂進こうしんさせて生存せいぞんする細胞さいぼうがん細胞さいぼうとなるせつ発表はっぴょうした。酸素さんそ呼吸こきゅうよりも発酵はっこうによるエネルギーさんせい依存いぞんするものは下等かとう動物どうぶつ胎生たいせい未熟みじゅく細胞さいぼう一般いっぱんてきであり、からだ細胞さいぼう酸素さんそ呼吸こきゅうによらず発酵はっこう依存いぞんすることで細胞さいぼう退化たいかがん細胞さいぼう発生はっせいするとしている[65]

ウイルスせつ[編集へんしゅう]

「がんは感染かんせんしょうではない」ともかんがえられていた[64]白血病はっけつびょうのように、患者かんじゃから家族かぞく医療いりょう関係かんけいしゃ伝染でんせんすることがないためである[64]。だが、動物どうぶつ(の個体こたい)からとった腫瘍しゅよう動物どうぶつ(の個体こたい)に移植いしょくするとがん誘発ゆうはつされることがわかった19世紀せいきまつ以降いこうは、がんにも感染かんせんせい病原びょうげんたいがあるのかもれないとかんがえるひとてきて、かれらは20世紀せいき初頭しょとうまでに、原生動物げんせいどうぶつバクテリアスピロヘータかび調しらべた。それらの研究けんきゅうはうまくゆかず、がんの原因げんいん感染かんせんしょうがあるとかんがえる諸説しょせつ信用しんよううしないそうになった。だが、ペイトン・ラウス腫瘍しゅようから細胞さいぼうとバクテリアをのぞいた抽出ちゅうしゅつえきをつくることをおもいつき、それを調しらべれば細胞さいぼうほか作用さようしている因子いんしつかるかもれないとかんがえ、ニワトリ肉腫にくしゅした抽出ちゅうしゅつえき健康けんこうなニワトリに注射ちゅうしゃし、そのにわとりにも肉腫にくしゅ発生はっせいするのを実験じっけんによって確認かくにん。その腫瘍しゅようは、微小びしょう寄生きせい生物せいぶつ、おそらくウイルス刺激しげきされてしょうじたものかもれない、とした[64]当時とうじはウイルスの正体しょうたいかっておらず、「…でないもの」という否定ひてい表現ひょうげんでしか記述きじゅつできなかった[64]科学かがくしゃはがんが感染かんせんするという実験じっけんてき事実じじつから、未知みち病原びょうげんたい存在そんざいするであろうことにも気付きづいた[64]。そのウサギでも同様どうよう実験じっけん結果けっかられたが、腫瘍しゅよう伝染でんせんさせることに成功せいこうしたのはおもにニワトリ(やウサギ)の場合ばあいかぎられていたので、やがて、がんの一因いちいんにウイルスがあるとするせつ評判ひょうばんわるくなってしまい、これを支持しじする科学かがくしゃ評判ひょうばんとしてしまいかねないような状況じょうきょうになった[64]異端いたんせつだとなされ、疑似ぎじ科学かがくしゃあつかいされかねない空気くうき科学かがくかい蔓延まんえんした。

ジャクソン研究所けんきゅうじょ英語えいごばんは、1929ねん設立せつりつされた組織そしきで、今日きょうでは基礎きそ医学いがく研究けんきゅうよう規格きかくマウス供給きょうきゅうする組織そしきとして米国べいこく最大さいだいのものであり、その研究所けんきゅうじょでのがん発生はっせい研究けんきゅうのプログラムというのは「問題もんだい遺伝子いでんしであって、ウイルスではない」という前提ぜんていしたおこなわれていた[64]。だが、どう研究所けんきゅうじょジョン・ビットナー英語えいごばんが、マウスのあるしゅのがんは、母乳ぼにゅうちゅうはつがん因子いんし授乳じゅにゅうつうじてうつされる仕組しくみであるという、ウイルスが関与かんよしているという証拠しょうこ偶然ぐうぜん発見はっけんした[64]。だが、当時とうじ科学かがくかい上述じょうじゅつのようにウイルスせつ異端いたんしていたのでビットナーは躊躇ちゅうちょして、それを「ウイルス」とはばず、あえて「ミルク因子いんし」とんだ[64]

ルドウィク・グロス英語えいごばんも、ウイルスががん原因げんいんになることがあることを、マウスの白血病はっけつびょうがウイルスによってうつることをしめ実験じっけんおこなうことでたしかめ、それを発表はっぴょう報告ほうこくしたのだが、がん研究けんきゅうしゃ大半たいはんはその報告ほうこくをまともにらず、データ捏造ねつぞうをしているのでは、とかんがえるものすらいた(ワシントンにある研究けんきゅう公正こうせいきょく出頭しゅっとうもとめられかねないようなあつかいをけた[64]

アメリカ国立こくりつがん研究所けんきゅうじょ設立せつりつされた時期じき公衆こうしゅう衛生局えいせいきょく局長きょくちょう諮問しもん委員いいんかいは「がんの原因げんいんとしてウイルスは無視むしできる」と結論けつろんづけた[64]

「《ミルク因子いんし》というのは、ウイルスだ」と解釈かいしゃくすることを科学かがくてきなこととしてみとめ、ウイルスせつ科学かがくてき真面目まじめ検討けんとうすべきだ、という認識にんしきができてきたのはようやく1940年代ねんだいまつのことだった[64]状況じょうきょうえた人物じんぶつジェイコブ・ファースJacob Furth、1896-1979)[66] であった[64]。ファースはすで高名こうみょう科学かがくしゃであったが、そのかれがグロスの実験じっけんを、それにもちいるマウスの種類しゅるいまで正確せいかくになぞることで、実験じっけん再現さいげんせいがあること、そして事実じじつであることを証明しょうめいした。それによって基礎きそ医学いがくしゃたちがようやく、悪性あくせい腫瘍しゅようにウイルスが関与かんよすることがあるということを理解りかいするようになった[64]。かくして、ながらく異端いたんしゃのようにあつかわれてきたペイトン・ラウスは、1966ねんに85さいノーベル生理学せいりがく医学いがくしょう受賞じゅしょうした[64]

炎症えんしょうがん[編集へんしゅう]

1863ねん、ドイツじん医師いし病理びょうり学者がくしゃルドルフ・ヴィルヒョウ(Rudolf Virchow) は、「浸潤しんじゅんした免疫めんえき細胞さいぼうは、炎症えんしょう組織そしきにおけるがん病変びょうへん発生はっせいする場所ばしょ反映はんえいしている」とする仮説かせつ発表はっぴょうした[67]。ヴィルヒョウの研究けんきゅうは、がん起源きげん慢性まんせい炎症えんしょう領域りょういきにある可能かのうせいがあることを示唆しさした[68]

1986ねん、ハロルド・ドヴォルジャーク(Harold Dvorak)は、発癌はつがん炎症えんしょうには、「増殖ぞうしょく細胞さいぼう生存せいぞん移動いどう増加ぞうか、および成長せいちょう因子いんし炎症えんしょうせいサイトカイン、血管けっかん新生しんせい促進そくしん因子いんし(Proangiogenic Factors)が制御せいぎょする血管けっかん新生しんせい強化きょうか促進そくしん」といった共通きょうつう発生はっせい経路けいろがあることをしめした。ドヴォルジャークは、炎症えんしょう関与かんよする細胞さいぼうがん組織そしきにも浸潤しんじゅんしている事実じじつ観察かんさつしたうえで、がんについて「wound that does not heal」(「治癒ちゆ不可能ふかのうきず」)と定義ていぎした[67]

植物しょくぶつ[編集へんしゅう]

植物しょくぶつ基本きほんてき悪性あくせい腫瘍しゅようわずらうことはない。

これは細胞さいぼうかべ血管けっかんより大幅おおはばほそ細胞さいぼう輸送ゆそうおこなわれない導管どうかんかん構造こうぞう[69]植物しょくぶつ悪性あくせいしん生物せいぶつしょうじても浸潤しんじゅん転移てんいこらず、きわめて局所きょくしょてきなものとなり、病気びょうきにはならない[よう出典しゅってん]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 「がん」「がん」については、明確めいかく癌腫がんしゅ場合ばあいは「〜がん」、疾患しっかんめい場合ばあいは「〜がん」と表記ひょうきしている。
  2. ^ おおむ発生はっせい頻度ひんどじゅん、「がん」「がん」は明確めいかく癌腫がんしゅ場合ばあいは「〜がん」、疾患しっかんめい場合ばあいは「〜がん」とした。

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参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

分類ぶんるい
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