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出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
仏教ぶっきょう用語ようご
慢, マーナ
サンスクリット māna
チベット ང་རྒྱལ་
(Wylie: nga rgyal;
THL: ngagyal
)
ビルマ မာန
(IPA: [màna̰])
中国ちゅうごく 慢 (T) / 慢 (S)
日本語にほんご
(マ字まじ: Man)
朝鮮ちょうせん
(RR: man)
英語えいご pride,
arrogance
conceit
モン မာန်
([màn])
シャン မႃႇၼႃႉ
([maa2 naa5])
タイ มานะ
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(まん)とはサンスクリットMāna(マーナ)に由来ゆらいし、仏教ぶっきょうおしえる煩悩ぼんのうのひとつである[1]他人たにん比較ひかくしておもがることをう。慢は渇愛(タンハー)よりまれる[1]ぞく我慢がまんといい、をのみたのみてひとあなどるようなしんす。

慢は以下いかとしてげられている。

なお、他者たしゃ比較ひかくせずに自惚うぬぼれている状態じょうたい(きょう)という。サンスクリットのMānaを憍慢と翻訳ほんやくする場合ばあいもあるが、憍と慢はややことなった煩悩ぼんのうとされ、慢は比較ひかくしておこおご(おご)りで根本こんぽんてき煩悩ぼんのうとされるが、憍は比較ひかくすることとは無関係むかんけいおこる。家柄いえがら財産ざいさん地位ちい博識はくしき能力のうりょく容姿ようしなどにたいするおごりで付随ふずいしておこ煩悩ぼんのうであるとされる。これをずい煩悩ぼんのうということもある。

種別しゅべつ

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慢・慢・慢過慢・我慢がまん増上慢ぞうじょうまん・卑慢・よこしま慢のなな慢の総称そうしょうとしてももちいる。またはち慢、きゅう慢とすることもある。いずれにしても、くらべてみずからを過剰かじょう評価ひょうかして自我じがに捉われ固執こしつし、福徳ふくとくさとりをそなえていないのにそれらを修得しゅうとくしているとおも煩悩ぼんのうをいう。

わたし」という幻覚げんかくまれること自体じたいが、慢のはじまりなのである[1]。「わたし」という幻覚げんかくまれると以下いかのように、自分じぶん標準ひょうじゅんとして他人たにん判断はんだんするようになる[1]

  • わたしすぐれている(seyya māna)[1]
  • わたしひとしい(sadisa māna)[1]
  • わたしおとっている(hina māna)[1]

パーリ経典きょうてん

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パーリ経典きょうてん経蔵きょうぞうではじゅうゆいのひとつにげられている[2]。慢を基準きじゅん物事ものごと判断はんだんすることをこわしたひとは、菩提ぼだい境地きょうちいたるのである[1]

Yo mānam udabbadhī ases naset va sudubbal mahogho,
so bhikkhu jahāti orapār urago jiṇṇam iva tacaṃ purāṇaṃ.

よわあしはしが暴流でこわされるように、 慢をこわくした修行しゅぎょうしゃは、
へび脱皮だっぴするように、このとかのとをともにる。

よんこうよんはて
(解脱げだつの10ステップ, パーリ経蔵きょうぞう[3]による)

到達とうたつした境地きょうち(はて) 解放かいほうされたゆい わるまでの輪廻りんね

あずかりゅう

1. ゆう (恒久こうきゅうであるという信条しんじょう)
2. うたぐおしえにたいしてのうたがい)
3. 戒禁あやまった戒律かいりつ禁制きんせいへの執着しゅうちゃく

下分しもぶんゆい

最大さいだい7かい欲界よくかい天界てんかい輪廻りんねする

いちらい

いちだけひととして輪廻りんねする

かえ

4. よくへの執着しゅうちゃくよくあい
5. 憤怒ふんぬ瞋恚しんに, パティガ)

欲界よくかいおよ天界てんかいにはふたたかえらない

阿羅漢あらかん

6. いろむさぼ
7. 無色むしょくむさぼ
8. , うぬぼれ
9. 掉挙
10. 無明むみょう

上分かみぶんゆい

三界さんがいにはもどらず輪廻りんねから解放かいほう


脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b c d e f g h i アルボムッレ・スマナサーラはらやく「スッタ・ニパータ」へびあきら佼成出版社こうせいしゅっぱんしゃ、2009ねん6がつ、Kindleばん位置いちNo.ぜん2202ちゅう 920-992 / 42-45%。ISBN 978-4333023813 
  2. ^ These fetters are enumerated, for instance, in SN 45.179 and 45.180 (Bodhi, 2000, pp. 1565-66). This article's Pali words and English translations for the ten fetters are based on Rhys Davids & Stede (1921-25), p. 656, "Saŋyojana" entry (retrieved 2008-04-09).
  3. ^ 中部ちゅうぶ22 へびたとえけいなど

外部がいぶリンク

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