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西遊記 : 三藏不忘本 四聖試禪心 - Chinese Text Project
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三藏さんぞう忘本 四聖しせいためしぜんしん

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1 三藏さんぞう忘... :
たてまつほう西にしらい道路どうろ賒,秋風あきかぜ淅淅落霜はな
乖猿ろうくさりなわきゅうかいれつうまつとむかぶとむち莫加。
ははきむこうはらごうばば赤子あかごほん
咬開てつだん消息しょうそく般若はんにゃいたかれ

2 三藏さんぞう忘... :
這回しょぶたげんけいみち不離ふりりょう一身務本之道也。卻說よん眾了さとる真如しんにょひたすらひらけちりくさりとべせい海流かいりゅうすな,渾無罣礙,みちとう大路おおじ西にしらいれきへんりょう青山あおやまみどりすい不盡ふじん野草やそう閑花。真個しんこ光陰こういん迅速じんそくまた值九あきただしりょう些:
かえでよう滿山みつやまくれないはなたいばんふう
ろう蟬吟ややものぐさ,愁蟋おもえきゅう
やぶあお紈扇,だいだいきんだんくさむら
可憐かれんすうぎょうかり點點ちょぼちょぼとおはいそら

3 三藏さんぞう忘... :
せいはししょ不覺ふかくてんばん三藏さんぞうどう:「徒弟とてい,如今てんしょくまたばん,卻往うらやす歇?」行者ぎょうじゃどう:「師父しふ說話せつわりょう出家しゅっけじん餐風宿やどすいがつねむりしも隨處ずいしょまたというらやす歇,なに也?」豬八戒道:「哥啊,你可知道ともみち你走けいしょううらかん別人べつじんるい墜?りょうりゅうすなかわ,這一向爬山過嶺,挑著じゅう擔,ろう大難だいなん挨也。須是ひろ個人こじん,一則化些茶飯,二則養養精神,さいこれ道理どうり。」行者ぎょうじゃどう:「獃子,你這般しゃはん言語げんごゆうほう怨之しんかえぞう在高ありだかろうそう倚懶もとめぶくてき自在じざいこわ不能ふのう也。すんで秉正沙門しゃもん,須是ようどもからし受苦じゅくさい做得徒弟とていまいる。」八戒はっかいどう:「哥哥,你看這擔行李こうり多重たじゅう?」行者ぎょうじゃどう:「兄弟きょうだいしたがえゆうりょう你與すなそうわがまた曾挑ちょ知多ちたしげる?」八戒はっかいどう:「哥啊,你看すう麼:
四片黃藤蔑,長短ちょうたんはちじょうなわまたようぼうかげ,氈包さんよんそう。匾擔還愁滑,兩頭りょうとうくぎじょうくぎどう鑲鐵きゅうたまきつえ,篾絲ふじまといだい篷。

4 三藏さんぞう忘... :
這般しゃはん許多きょた行李こうりなんためろう豬一個逐日家擔著走,へん你跟師父しふ徒弟とてい,拿我做長こう。」行者ぎょうじゃわらいどう:「獃子,你和だれせつまいる?」八戒はっかいどう:「哥哥,あずか你說まいる。」行者ぎょうじゃどう:「錯和せつりょうろうまご只管ひたすら師父しふこう歹,你與すなそう專管せんかん行李こうり馬匹ばひつただしわか怠慢たいまんりょう些兒,拐上さきいちひたぶる棍。」八戒はっかいどう:「哥啊,不要ふようせつ就是以力欺人。わがあかつきとく你的みことせいだか傲,你是てい肯挑。ただし師父しふてきうま般高大肥おおひもりただ馱著ろう和尚おしょういちきょうたいいくけん,也是おとうとけいじょう。」

5 三藏さんぞう忘... :
行者ぎょうじゃどう:「你說まいる凡馬,ほん西海さいかい龍王りゅうおう敖閏之子ゆきこ,喚名龍馬りゅうめさん太子たいしただいんたて火燒ひたきりょう殿どのじょうあきらたまちち親告しんこくりょう忤逆,はんてんじょう虧觀おん菩薩ぼさつすくいりょうてきせいいのちざいたか愁陡澗久とう師父しふまたこうとく菩薩ぼさつ親臨しんりん,卻將退すさうろこかく,摘了こうたまさいへん做這ひきねがい馱師ちち往西てんはいぼとけ。這個各人かくじんてきこうはて,你莫よじ。」すなそう聞言どう:「哥哥,真個しんこりゅう麼?」行者ぎょうじゃどう:「りゅう。」八戒はっかいどう:「哥啊,我聞がもんとく古人こじんうんりゅうのう噴雲噯霧,播土あげすなゆうともえさん㨝嶺てき手段しゅだんゆうこぼしこう攪海てき神通じんずう。怎麼今日きょう這等慢慢而走?」行者ぎょうじゃどう:「你要快走かいそうわがきょう快走かいそう你看。」

6 三藏さんぞう忘... :
こう大聖たいせいきんたがぼう揝一揝,まんみち彩雲さいうんせい拿棒,おそれ怕打らい,慌得四隻蹄疾如飛電,颼的跑將りょう師父しふしゅ軟勒じゅうつき劣性れっせい,奔上山かみのやまがけさい大達おおだち辿たどはし師父しふ喘息ぜんそくはじめじょう擡頭たいとう遠見とおみいちむらが松陰まつかげ,內有いくあいだぼうしゃしるじつ軒昂けんこうただし
もんたれみどりかしわたくきん青山あおやまいくかぶまつ冉冉,すうくきちくむらまだらませ野菊のぎくしこりしもつや橋畔きょうはんかそけらんうつみずこなどろ牆壁しょうへき,磚砌かこえ圜。高堂こうどうおお壯麗そうれい大廈たいか甚清やすうしひつじ雞犬,そうあきおさむ農事のうじ閑。

7 三藏さんぞう忘... :
師父しふせい按轡じょかんまた悟空ごくう兄弟きょうだいかたいたさとるきよしどう:「師父しふ曾跌下馬げばらい麼?」長老ちょうろうののしみち:「悟空ごくう這潑猴,うまおどろきりょうはやこれわがかえとくじゅうまいる。」行者ぎょうじゃ陪笑どう:「師父しふ莫罵わがみやこただし豬八戒說馬行遲,此著かい些。」獃子いん趕馬,はしきゅうりょう些兒,喘氣噓噓,くちうら唧唧噥噥てき鬧道:「やめりょうやめりょう肚,べつこし。擔子沉重,挑不じょうまたいじくわが奔奔なみてき趕馬。」長老ちょうろうどう:「徒弟とてい啊,你且かべひさしゆう一座いちざそういんわが們卻こう借宿かりやど也。」行者ぎょうじゃ聞言,きゅう擡頭たいとう舉目而看,はてはん空中くうちゅうけいくもかご罩,みず靄遮みつるじょうていふつせんてん卻不敢泄漏天機てんきただどう:「こうこうこのみわが們借宿やど去來きょらい。」

8 三藏さんぞう忘... :
長老ちょうろうれんせわし下馬げば一座いちざもんろう,乃是たれはちすぞうはなかくとう雕梁。すなそう歇了擔子,八戒はっかい牽了馬匹ばひつどう:「這個人家じんか過當かとうてきとみじつこれ。」行者ぎょうじゃ就要しん三藏さんぞうどう:「不可ふか,你我出家しゅっけじん各自かくじ避些嫌疑けんぎきり莫擅いれ。且自とう有人ゆうじん出來でき,以禮もとめ宿やどぽう。」八戒はっかい拴了はす倚牆しも;三藏坐在石鼓上;行者ぎょうじゃすなそうすわざいたいもとひさ人出ひとでぎょうしゃ性急せいきゅうとべおこり入門にゅうもんうらしょはららい有向ゆうこうみなみてきさんあいだだいちょうすだれ櫳高ひかえへいもんじょうかけ一軸壽山福海的橫披畫;兩邊りょうへんきんうるしばしらじょうしる一副大紅紙的春聯,じょううつしちょ:「いと飄弱柳平やなぎだいらきょうばんゆきてんうめしょういんはる。」正中せいちゅうあいだしつらえ一張退光黑漆的香几,几上いち古銅こどうじゅううえゆう六張交椅兩山頭掛著四季吊屏。

9 三藏さんぞう忘... :
行者ぎょうじゃただししか偷看しょゆるがせ聽得もん內有腳步こえ走出はしりで一個半老不老的婦人來,嬌聲きょうせいといどう:「甚麼いんもじん,擅入わが寡婦かふもん?」慌得大聖たいせい喏喏連聲れんじょうどう:「小僧こぞうひがしだいとうらいてきたてまつうまこう西方せいほうはいふつもとめけい一行いっこうよん眾,みちたからかたてんしょくやめばんとく奔老菩薩ぼさつまゆみつげいちよい。」婦人ふじんわらいしょうむかいみち:「長老ちょうろうさんざいうら請來しょうらい。」行者ぎょうじゃだかごえさけべどう:「師父しふ,請進らい耶。」三藏さんぞうざいあずか八戒はっかいすなそう牽馬挑擔而入,只見ただみ人出ひとでちょう迎接げいせつ八戒はっかい餳眼偷看,你道怎生ふん
穿ほじ一件織錦官綠紵絲襖,じょう罩著淺紅せんこうかぶと;繫一條結綵鵝黃錦繡裙,うつしるこうそこはな鞋。時樣じようたぶさ皂紗漫,そう襯著しょくばんりゅうかみみやさまきばくしけずしゅみどりあきらはすかんざしちょりょうまた釧金釵。くもびんはんあおおおとり翅,耳環みみわそう寶珠ほうしゅはい脂粉しふんほどこせなお風流ふうりゅうかえ少年しょうねんざい

10 三藏さんぞう忘... :
人見ひとみりょうさん眾,さら欣喜きんき,以禮邀入ちょうぼう。一一相見禮畢,請各敘坐ちゃ屏風びょうぶゆるがせゆう一個丫髻垂絲的女童,たくちょ黃金おうごんばん白玉しらたま盞,こうちゃ噴暖はて幽香ゆうこうじん綽彩そではるたけのこ纖長;擎玉盞,つてちゃじょうたてまつたい們一いちはいりょうちゃ畢,また吩咐辦齋。三藏さんぞうけいしゅどう:「ろう菩薩ぼさつこうせい貴地きち甚地めい?」婦人ふじんどう:「此間乃西うししゅうしょう婦人ふじんむすめせい賈,おっとせい莫。幼年ようねん不幸ふこうおおやけしゅうとはやほろびあずか丈夫じょうぶもりうけたまわ祖業そぎょう有家ありやまんかん良田よしだせんごろ夫妻ふさい們命うらとめせいりょうさんおんな孩兒がいじ前年ぜんねんだい不幸ふこうまたりょう丈夫じょうふしょうきょ孀,こんとしふく滿まんそらのこ下田しもださん家業かぎょうさい眷族けんぞくおやじんただこれわがむすめおんな們承りょうよくよめ他人たにんまたなん捨家ぎょうてきうけたまわ長老ちょうろう下降かこうそうよん眾,しょうむすめおんなよんにん意欲いよくすわやま招夫,よん恰好かっこう不知ふちみこと肯否如何いか。」三藏さんぞう聞言,推聾妝啞,瞑目めいもくやすしこころ寂然じゃくねんこたえ

11 三藏さんぞう忘... :
婦人ふじんどう:「しゃゆう水田すいでんさんひゃくあまりごろひでりさんひゃくあまりごろ山場やまばはてさんひゃくあまりごろ黃水おうすいうしゆういちせんせき騾馬らばなりぐん,豬羊無數むすう東南とうなん西北せいほくそう堡草じょう共有きょうゆうろくななじゅうしょゆう八九年用不著的米穀,十來年穿不著的綾羅,一生有使不著的金銀:かちきょうにしきちょうぞうはるせつ甚麼いんもきん兩行りょうこう。你師們若肯回こころうたて,招贅ざいかん自在じざいざいとおるよう榮華えいが,卻不きょう如往西にしろうろく?」三藏也只是如痴如蠢,默默もくもく無言むごん

12 三藏さんぞう忘... :
婦人ふじんどう:「わがひのと亥年いどしさんがつはつさんにちとりせいおっとわがとしだいさんさいわが今年ことしよんじゅうさいだい女兒じょじめいしん今年ことしじゅうさい次女じじょめいあいあい今年ことしじゅうはちさいさん小女こおんなめい憐憐,今年ことしじゅうろくさい:俱不曾許はい人家じんか。雖是しょう婦人ふじんみにく陋,卻幸小女こおんな俱有いくふん顏色かおいろ女工じょこうはりゆびしょかいよし先夫せんぷそく們當やしなえしょう也曾きょう讀些儒書,也都あかつきとく些吟詩作しさくたい。雖然居住きょじゅう山莊さんそう,也不十分粗俗之類,りょうそう也配とくれつ長老ちょうろうわか肯放ひらき懷抱かいほう長髮ちょうはつとめあたまあずかしゃ做個家長かちょう穿ほじあやちょにしきしょうきょう如那かわら缽緇ころもすすき鞋雲かさ。」三藏さんぞうすわざい上面うわつらこう便びんかみなりおどろきてき孩子,あめ淋的えびぶとただこれほけほけ掙掙,こぼし白眼しろめおおせ

13 三藏さんぞう忘... :
八戒聞得這般富貴,這般しゃはんしょく卻心癢難たわわすわざい椅子いすじょう,一似針戳屁股,ひだり扭右扭的,忍耐にんたいじゅうはし上前うわまえ,扯了師父しふいちどう:「師父しふ,這娘つげ誦你ばなし,你怎麼佯佯不睬?こう道也みちや做個理會りかい。」師父しふもう擡頭たいとう,咄的一聲いっせいかつ退すさりょうはち戒道:「你這孽畜!わが們是出家しゅっけじんあに以富どうしんしょく留意りゅういなりとく甚麼いんも道理どうり。」

14 三藏さんぞう忘... :
婦人ふじんわらいどう:「可憐かれん可憐かれん出家しゅっけじんゆうなんこうしょ?」三藏さんぞうどう:「おんな菩薩ぼさつ,你在家人かじん,卻有なんこうしょ?」婦人ふじんどう:「長老ちょうろう請坐,とう在家ありいえじんこうしょせつあずか你聽。怎見とくゆうためしょう曰:
はるさいほうまさるちょしんなつかわけいしゃしょうみどり
あきゆうしん蒭香もちしゅふゆらいだんかく醉顏すいがん酡。
よん受用じゅよう般般ゆう,八節珍饈件件多。
襯錦しきあやはなしょくよるつよ如行腳禮わたる陀。」

15 三藏さんぞう忘... :
三藏さんぞうどう:「おんな菩薩ぼさつ,你在家人かじん享榮きょうえいはな,受富貴ふうき有可ゆか穿ほじ有可ゆかども兒女じじょだんえん果然かぜんこのみただし不知ふちわが出家しゅっけてきじん也有やゆう一段いちだんこうしょ。怎見とくゆうためしょう曰:
出家しゅっけ立志りっしほん非常ひじょう,推倒從前じゅうぜん恩愛おんあいどう
外物がいぶつなま閑口した身中しんちゅうゆうこう陰陽いんよう
こうかんぎょう滿みつる朝金あさかね闕,見性けんしょうあきらこころかえし故鄉こきょう
かち在家ありいえむさぼしょく老來ろうらい墜落ついらくしゅうかわ囊。」

16 三藏さんぞう忘... :
婦人ふじん聞言,だいいかみち:「這潑和尚おしょう無禮ぶれいわがわか你東遠來えんらい,就該叱わがたおせこれ真心まごころ實意じついようえん招贅なんじとう,你倒はんしょう言語げんごきず。你就受了戒,はつりょうねがいえい還俗げんぞく好道よしみち你手下人げにん我家わがや也招とくいち,你怎麼這般執ほう?」三藏見他發怒,ただとくしゃしゃけんけんさけべどう:「悟空ごくう,你在這裡やめ。」行者ぎょうじゃどう:「わがしたがえ小兒しょうにあかつきとくみき般事,きょう八戒在這裡罷。」八戒はっかいどう:「哥啊,不要ふよう栽人麼,大家たいかしたがえ長計ちょうけい較。」三藏さんぞうどう:「你兩個りゃんこ肯,便びんきょうさとるきよしざい這裡やめ。」すなそうどう:「你看師父しふせつてきばなし弟子でしこうむ菩薩ぼさつ勸化かんげ,受了戒行,とうこう師父しふこうむ師父しふおさむりょうわがまたうけたまわ教誨きょうかい,跟著師父しふかえうえ兩月わちさら曾進とく半分はんぶんこうはて,怎敢富貴ふうきやすし也要往西てんけつみき此欺しんこと。」

17 三藏さんぞう忘... :
婦人ふじん們推肯,きゅう抽身轉進てんしん屏風びょうぶなぐてきこしもん關上せきじょう們撇在外ざいがいめん茶飯ちゃめしぜんさいぼつ人出ひとで八戒はっかい心中しんちゅうの焦燥しょうそううめ怨唐そうどう:「師父しふ忒不かい幹事かんじばなし通說つうせつころせりょう。你好どうかえかつちょ些腳ただ含糊こたえおう,哄他些齋めしどもりょう今晚こんばん落得いちよい快活かいかつ明日あした肯與肯,ざい乎你わがりょう這般しゃはん關門かんもん不出ふしゅつわが們這きよしはいひや灶,一夜いちや怎過?」

18 三藏さんぞう忘... :
さとるきよしどう:「哥,你在他家たけ做個女婿じょせいやめ。」八戒はっかいどう:「兄弟きょうだい不要ふよう栽人,したがえ長計ちょうけい較。」行者ぎょうじゃどう:「けい較甚てき?你要肯,便びん就教師父しふ與那よな婦人ふじん做個おや,你就做個たおせ踏門てき女婿じょせい他家たけ這等ゆうざいゆうたから,一定倒陪妝奩,せいかいおやてきむしろせきわが們也落些受用じゅよう,你在此間還俗げんぞく,卻不兩全りょうぜん其美?」八戒はっかいどう:「はなし便びん也是這等せつ,卻只わが脫俗だつぞくまた還俗げんぞくとまつまさいめとつまりょう。」すなそうどう:「二哥原來是有嫂子的?」行者ぎょうじゃどう:「你還不知ふちまいるほんがらす斯藏だかろうそうだかふと公的こうてき女婿じょせいいんろうまごくだりょう也曾受菩薩戒ぼさつかいぎょうぼつ及奈なにわが捉他らい做個和尚おしょう所以ゆえん棄了前妻ぜんさいとう師父しふ往西はいぼとけそう離別りべつてきひさりょうまた想起そうき勾當こうとう,卻才聽見這個勾當こうとう斷然だんぜんまたゆう此心。獃子,你與這家做了女婿じょせいやめただはいろうまごいくはいわがけん舉你就罷りょう。」獃子どう:「えびすせつえびすせつ大家たいかゆう此心,どく拿老豬出みにくつね言道ことみち:『和尚おしょうしょくちゅう餓鬼がき。』不要ふよう如此?這們扭扭こねこねてき拿班好事こうじろうとくきれりょう,致如こんちゃすいとくめん燈火ともしび也無じんかん。雖熬りょういちただしひき明日あしたまたよう馱人,またよう走路そうろさいわかかつえじょういちただこう剝皮やめりょう。你們坐ちょひとしろう豬去うまらい。」

19 三藏さんぞう忘... :
獃子とらきゅうきゅうてきかいりょう韁繩,ひしげ出馬しゅつば行者ぎょうじゃどう:「すなそう,你且陪師ちちすわ這裡,ひとしろうまご跟他往那うらうま。」三藏さんぞうどう:「悟空ごくう,你看便びんほかただしただ不可ふか只管ひたすらあざけりょう。」行者ぎょうじゃどう:「わがあかつきとく。」這大聖たいせい走出はしりでちょうぼうゆら一變いっぺんへんさくべに蜻蜓飛出とびで前門ぜんもん,趕上八戒はっかい

20 三藏さんぞう忘... :
獃子ひしげちょゆうくさしょ且不きょうどもくさ,嗒嗒嗤嗤てき趕著うたていたのちもんくび只見ただみ婦人ふじんたいりょうさん女子じょしざい門外もんがい閑立ちょ菊花きっか耍子。むすめおんな們看はち戒來,三個女兒閃將進去。婦人ふじん佇立ちょりつもんくびどう:「小長こながろううら?」這獃丟了韁繩,上前うわまえ唱個喏,みちごえむすめわがうまてき。」婦人ふじんどう:「你師ちち忒弄精細せいさいざい我家わがや招了女婿じょせい,卻不きょう做掛搭僧,往西蹡路?」はち戒笑どう:「們是たてまつりょう唐王とうのうてきむね敢有たがえ君命くんめい肯幹這件ごとつよしざいざいまえちょうじょう栽我,わがまたゆう些奈じょうしゅくてきただおそれむすめいやわがくちばしちょうみみだい。」婦人ふじんどう:「わが也不いやただ家長かちょう,招いちたおせ也罷りょうただしこわしょう女兒じょじゆう些兒いやみにく。」八戒はっかいどう:「むすめ,你上くつがえれいあい不要ふよう這等揀漢。おもえわがからそう人才じんさい雖俊,其實ちゅうようわがみにくみにくゆういくくちごう。」婦人ふじんどう:「你怎てきせつ麼?」八戒はっかいどう:「わが
雖然人物じんぶつみにくつとむ緊有些功。わかげんせんごろ不用ふよう使うしこうただきえいちひたぶる鈀,佈種及時せいぼつのうもとめ無風むふうかい喚風。ぼうしゃわかいや矮,おこりじょうさんそう地下ちか掃掃一掃いっそうかげみぞ不通ふつうどおりいちつう家長かちょうさとたん諸般しょはんごと,踢天ろうわがみなのう。」

21 三藏さんぞう忘... :
婦人ふじんどう:「すんでしかみきとく家事かじ,你再あずか你師ちち商量しょうりょう商量しょうりょう尷尬,便びん招你やめ。」八戒はっかいどう:「不用ふよう商量しょうりょうまたてき生身なまみ父母ちちははみきあずかみきざい於我。」婦人ふじんどう:「也罷,也罷,とうわがあずか小女こおんなせつ。」閃進なぐてき掩上もん

22 三藏さんぞう忘... :
八戒也不放馬,しょうひしげこうまえらい。怎知まご大聖たいせいやめいちいちつきてん飛來ひらいげんりょうほんしょう先見せんけんからそうどう:「師父しふさとるのう牽馬らいりょう。」長老ちょうろうどう:「うまわか牽,おそれ怕撒歡走りょう。」行者ぎょうじゃわらいはたおこりらい婦人ふじん與八よはち戒說てき勾當こうとうしたがえあたませつりょういちへん,三藏也似信不信的。

23 三藏さんぞう忘... :
少時しょうじあいだ獃子ひしげしょうらい拴下。長老ちょうろうどう:「你馬放まはなしりょう?」八戒はっかいどう:「甚好そうぼつしょうま。」行者ぎょうじゃどう:「ぼつしょうまゆうしょ牽馬麼?」獃子聞得此言,じょうはしりょう消息しょうそく,也就たれあたま扭頸,つとむくちばしじわまゆはん不言ふげんまた聽得呀的一聲いっせいこしかどひらくりょうゆうりょうたい紅燈こうとういちふくひさげこうくも靄靄,たまき珮叮叮,婦人ふじんたいちょさん女兒じょじはしはた出來できさけべしんあいあい、憐憐,拜見はいけんけいてき人物じんぶつ女子じょしはいりつちょうちゅうあさじょう禮拜れいはい果然かぜん也生とくしるべ致,ただし
いち個個ここ蛾眉がびよこみどりこなめんせいはる。妖嬈傾國けいこくしょく窈窕ようちょうどう人心じんしんはな顯現けんげん嬌態きょうたい,繡帶飄搖迥絕ちりはん含笑しょ櫻桃おうとうほころびなる步行ほこう蘭麝らんじゃ噴。滿まんあたまたまみどり,顫巍巍ぎぎ無數むすうたから釵簪;へんたい幽香ゆうこう,嬌滴しずくゆうはなきん縷細。せつ甚麼いんもすわえ美貌びぼう西にし嬌容。真個しんこ九天仙女從天降,がつうら嫦娥じょうがこうかん

24 三藏さんぞう忘... :
三藏さんぞう合掌がっしょう低頭ていとうまご大聖たいせい佯佯睬,這沙そうてんかい。你看豬八戒眼不轉睛,いんしん紊亂びんらんいろきも縱橫じゅうおう,扭捏悄語,ていこえどう:「ゆうろう仙子せんこ下降かこうむすめ,請姐あね們去耶。」さん女子じょし轉入てんにゅう屏風びょうぶはたいちたいしゃとうとめ婦人ふじんどう:「四位長老可肯留心,ちょはいわが小女こおんな麼?」さとるきよしどう:「わが們已しょう議了ぎりょうちょせい豬的招贅門下もんか。」八戒はっかいどう:「兄弟きょうだい不要ふよう栽我,かえしたがえ眾計較。」行者ぎょうじゃどう:「かえけい甚麼いんも?你已ざいもんくびせつごうてきとまとまとうとうむすめさけべりょうまたゆう甚麼いんもけい較?師父しふ做個おとこおや,這婆做個おんなおやひとしろうまご做個おやすなそう做個なかだちじん。也不必看どおりしょ今朝けさこれ天恩てんおんじょう吉日きちじつ,你來はいりょう師父しふしん做了女婿じょせいやめ。」八戒はっかいどう:「ろうなりろうなりうらこうみき這個勾當こうとう?」行者ぎょうじゃどう:「獃子,不要ふようしゃ囂,你那こううらむすめ不知ふちさけべりょう多少たしょうまた甚麼いんもろうなりかいかいてきおううけたまわおび攜我們吃些喜しゅ,也是こうしょ。」一隻手揪著八戒,いち隻手せきしゅ扯住婦人ふじんどう:「おや家母かぼおび女婿じょせいしん。」獃子腳兒趄趄てきよう往那うらはし婦人ふじんそく喚童:「てん抹桌椅,しきはいばんときかんまちさんおやわがりょうしゅうとおっとぼううら也。」一壁廂又吩咐庖丁排筵設宴,あかり晨會おやいく童子どうじまたりょういのち訖。さん眾吃りょうとききゅうきゅうしきしきざいきゃくうらやす歇不だい

25 三藏さんぞう忘... :
卻說八戒跟著丈母,ぎょういれうらめん,一層層也不知多少房舍,磕磕撞撞,つきもんおりきずな腳。獃子どう:「むすめ,慢些はしわが這裡せい,你帶わがおび。」婦人ふじんどう:「這都くらぼうくらぼう、碾房かくぼうかえ曾到廚房まいる。」八戒はっかいどう:「こう大人おとな。」磕磕撞撞,てん彎抹かくまたはしりょうはんかいさい內堂ぼう婦人ふじんどう:「女婿じょせい,你師けいせつ今朝けさ天恩てんおんじょう吉日きちじつ,就教你招すすむらいりょう。卻只倉卒そうそつあいだ曾請とく陰陽いんようはいどう撒帳。你可あさじょうはいはちはいやめ。」八戒はっかいどう:「むすめ說得せっとく。你請じょうすわとうわが也拜いくはい,就當はいどう,就當しゃおやりょうとういち,卻不しょうごと?」たけははわらいどう:「也罷,也罷。果然かぜんこれしょうごとみきてき女婿じょせいわがすわしる,你拜麼。」

26 三藏さんぞう忘... :
咦!滿堂まんどうちゅう銀燭ぎんしょくてる煌,這獃あさじょう禮拜れいはいはい畢,みち:「むすめ,你把あねあねはいまいる?」たけははどう:「せい這些うたぐなんわがようだい女兒じょじはい你,おそれじょかいよう二女じじょはい你,おそれさんじょかいよくしょうさんじょはい你,またおそれだいおんなかい所以ゆえんおわりうたぐ未定みてい。」八戒はっかいどう:「むすめすんで怕相そうあずかわがやめしょうとく鬧鬧吵吵,らんりょう家法かほう。」たけははどう:「あにゆう此理!你一人就占我三個女兒不成!」八戒はっかいどう:「你看むすめせつてきばなしぼつゆうさんぼうよんわらわ?就再いく,你女婿じょせい笑納しょうのうりょうわが幼年ようねんあいだ,也曾がくとく鏖戰ほうかんじょう一個個伏侍得他歡喜。」婦人ふじんどう:「このみこのみわが這裡ゆう一方いっぽう帕,你頂ざい頭上ずじょうさえぎりょう臉,撞個てんこんきょうわが女兒じょじしたがえ你跟まえはし,你伸ひらきしゅ扯到,就把はいりょう你罷。」獃子げんせっりょうしゅ帕,いただきざい頭上ずじょうゆうためしょう曰:
痴愚ちぐ識本原由げんゆしょくけんきずくらきゅう
從來じゅうらいしんじゆうしゅうこうれい今日きょう新郎しんろういただきぶたあたま

27 三藏さんぞう忘... :
獃子いただき裹停とうみち:「むすめ,請姐あね出來でき麼。」たけははさけべ:「しんあいあい、憐憐,らい撞天こんはいあずか女婿じょせい。」ただ聽得たまき珮響あきら蘭麝らんじゃかおるゆう仙子せんこ來往らいおう獃子真個しんこしんしゅ撈人,兩邊りょうへんみだれなぐひだり也撞ちょみぎ也撞ちょらい往往おうおう不知ふちゆう多少たしょう女子じょし行動こうどうただ莫想撈著いちひがしなぐだきちょばしら西にしなぐ摸著ばんかべ兩頭りょうとう跑暈りょうたて不穩ふおんただ跌。ぜんらい蹬著もんおうぎ擋著磚牆,磕磕撞撞,跌得くちばししゅあたまあおすわざい地下ちか。喘氣よびよびてきみち:「むすめ啊,你女這等乖滑とく緊,撈不ちょいち奈何いかん奈何いかん?」

28 三藏さんぞう忘... :
婦人ふじんあずか揭了ぶたあたまどう:「女婿じょせいわが女兒じょじ乖滑,們大謙讓けんじょう肯招你。」八戒はっかいどう:「むすめ啊,すんで們不肯招わが啊,你招りょうわがやめ。」婦人ふじんどう:「こう女婿じょせい啞!這等ぼつだいぼつしょうてきれんたけはは也都ようりょうわが這三個女兒心性最巧,一人結了一個珍珠篏錦汗衫兒。你若穿ほじてき,就教招你やめ。」八戒はっかいどう:「このみこうこう三件兒都拿來我穿了看,わか穿ほじ,就教招了やめ。」婦人ふじん轉進てんしんぼううらとめ取出とりでいちけんらい,遞與八戒はっかい獃子だっあおにしきぬのちょく裰,衫兒,就穿ざい身上しんじょうかえ曾繫うえたいなぐてきいち蹻,跌倒在地ざいちはららいいくじょうなわ緊緊繃住。獃子疼痛とうつうなんきん,這些じんはややめりょう

29 三藏さんぞう忘... :
卻說三藏さんぞう行者ぎょうじゃすなそう一覺睡醒,不覺ふかくてき東方とうほうはつしろゆるがせ睜睛擡頭たいとうかんうらとく大廈たいか高堂こうどう,也不雕梁とう,一個個都睡在松柏林中。慌得長老ちょうろうせわしよび行者ぎょうじゃすなそうどう:「哥哥,やめりょうやめりょうわが們遇ちょおにりょう。」まご大聖たいせい心中しんちゅうの明白めいはく微微びびてきわらいどう:「怎麼せつ?」長老ちょうろうどう:「你看わが們睡ざいうら耶?」行者ぎょうじゃどう:「這松はいまつりん下落げらくどく快活かいかつただし不知ふち獃子ざいうら受罪まいる。」長老ちょうろうどう:「受罪?」行者ぎょうじゃわらいどう:「昨日きのう這家むすめおんな們,不知ふちうら菩薩ぼさつざい此顯わがひとしそう半夜はんやうらりょうただりょう豬八戒受ざい。」三藏さんぞう聞言,合掌がっしょういただきれいまた只見ただみあたりかしわじゅじょう飄飄ひょうひょう蕩蕩とうとうてきかけちょいちちょう簡帖すなそうきゅうらいあずか師父しふ,卻是はち頌子うん
はじむやま老母ろうぼおもえ凡,南海なんかい菩薩ぼさつ下山げざん
ひろしけん文殊もんじゅみなきゃく化成かせい美女びじょざい林間りんかん
せいそう有德うとくかえぞく,八戒無禪更有凡。
したがえ此靜こころ須改若生わこう怠慢たいまんなん

30 三藏さんぞう忘... :
長老ちょうろう行者ぎょうじゃすな僧正そうじょうしか唱念此頌,ただ聽得はやしふかししょだかごえさけべどう:「師父しふ啊,繃殺わがりょうすくえわがいちすくいしたさい敢了。」三藏さんぞうどう:「悟空ごくう叫喚きょうかんてきさとるのう麼?」すなそうどう:「せい。」行者ぎょうじゃどう:「兄弟きょうだい,莫睬わが們去やめ。」三藏さんぞうどう:「獃子雖是心性しんせい頑,卻只一味いちみ懞直,たおせ也有やゆう些膂りょく,挑得行李こうりかえ當日とうじつ菩薩ぼさつねんすくいしたがえわが們去やめりょう以後いごさい敢了。」すな和尚おしょう卻捲おこりしきぶた收拾しゅうしゅうりょう擔子;まご大聖たいせいかい韁牽,引唐そういれりんひろ。咦!這正
したがえせいおさむ謹慎きんしん掃除そうじ愛慾あいよくしん

31 三藏さんぞう忘... :
畢竟ひっきょう不知ふち獃子きょうきち如何いか,且聽かい分解ぶんかい

たくわれ先生せんせい批評ひひょう西にしゆう
たくわれ先生せんせい批評ひひょう西にしゆう
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