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西遊記 : 姹女育陽求配偶 心猿護主識妖邪 - Chinese Text Project
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《姹女そだてもとめ配偶はいぐう しんざるまもるしゅ識妖よこしま

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1 姹女そだて... :
卻說比丘びくこく君臣くんしんはじむ庶送からそうよん眾出じょうゆうじゅうとおかえ肯捨。三藏さんぞう勉強べんきょう輦,乘馬じょうばべつ而行,目送もくそうしゃちょくいたりもち蹤影かたかいよん眾行夠多またりょうふゆざんはるつきりょう野花のばなさんじゅ景物けいぶつよし菲。前面ぜんめんまた一座いちざ高山こうざん峻嶺しゅんれい三藏さんぞうしんおどろきもんどう:「徒弟とてい前面ぜんめん高山たかやま有路ありじみち必小しん。」行者ぎょうじゃわらいどう:「師父しふ這話,也不ぞうはし長路ながみちてき,卻似公子こうしおうまごすわかんてんこれるい古道ふるみち:『やま礙路,みちとおりさん。』なに以言有路ありじみち?」三藏さんぞうどう:「雖然やま礙路,ただしこわ嶮峻けんしゅんあいだせい怪物かいぶつみつくさむらふかしょ妖精ようせい。」八戒はっかいどう:「放心ほうしん放心ほうしん。這裡らい相近すけちか極樂ごくらくとおかん太平たいへい無事ぶじ。」

2 姹女そだて... :
せいせつ不覺ふかくてきいたりょうやま腳下。行者ぎょうじゃ取出とりできんたがぼうはし上石あげしがけさけべどう:「師父しふ,此間乃轉やまてきみち,忒好はしかいかいらい。」長老ちょうろうただふところさくすなそうきょう:「哥,你把擔子挑一かた。」真個しんこ八戒接了擔子挑上,すなそう攏著韁繩,ろう師父しふ穩坐雕鞍,隨行ずいこうしゃ奔山がけじょう大路おおじただしやま
雲霧くもぎりかごほういただき潺湲せんかんゆう澗中。ひゃく花香はなか滿みつるまんじゅみつくさむらくさむらうめあお李白りはくやなぎみどりももべに杜鵑とけん啼處はるはたくれむらさきつばめ呢喃しゃやめおわり嵯峨さがせきみどりぶたまつさき嶇嶺どう,突兀玲瓏れいろうそぎかべ懸崖けんがいたかし,薜蘿草木くさき穠。千巖競秀如排戟,萬壑爭流遠浪洪。

3 姹女そだて... :
ろう師父しふなる觀山かんざんけいゆるがせ聞啼とりこえまたおこり思鄉しきょうねんかぶとさけべどう:「徒弟とてい
わがてんぱいでんむねにしき屏風びょうぶりょうせきぶん
かんとうじゅうはなれひがしさいあずか唐王とうのう天地てんちぶん
はじめのう龍虎りゅうこ風雲ふううんかい,卻又こじれぐん
くだりつきみこやまほうじゅうなんたい見當けんとういま?」

4 姹女そだて... :
行者ぎょうじゃどう:「師父しふ,你常以思きょうためねんぜん出家しゅっけじん放心ほうしん且走,莫要ゆう古人こじんうん:『欲求よっきゅうせい富貴ふうき須下すげ工夫くふう。』」三藏さんぞうどう:「徒弟とてい雖然說得せっとく有理ゆうりただし不知ふち西にしてんかえざいうらまいる。」八戒はっかいどう:「師父しふわがふつ如來にょらい捨不とく三藏さんぞうけいわが們要取去とりさそう搬了;しか如何いか只管ひたすらいた?」すなそうどう:「莫胡だん只管ひたすら跟著だい哥走。ただ工夫くふう捱他,おわり須有いたこれこれにち。」

5 姹女そだて... :
ただし閑敘,またいち黑松くろまつ大林おおばやしからそうがい怕,またさけべどう:「悟空ごくうわが們才りょうさき嶇山,怎麼またぐう這個ふか黑松くろまつりん必在。」行者ぎょうじゃどう:「怕他怎的?」三藏さんぞうどう:「せつうらばなし?『不信ふしん直中ただなかじき,須防じん不仁ふじん。』わが也與你走好幾よしいくしょ松林まつばやし這林深遠しんえん?」你看:
東西とうざいみつ擺,南北なんぼく成行しげゆき東西とうざいみつ擺徹くも霄,南北なんぼく成行しげゆきおかせあおかんみつ查荊とげしゅうかこえゆいたで卻纏えだ上下じょうげばんふじらいまといかずらかずらまといふじふじらいまといかずら東西とうざいきゃくたび難行なんぎょうかずらまといふじ南北なんぼくけいしょう怎進。這林ちゅうじゅう半年はんとしぶん日月じつげつぎょうすうぼし。你看かげしょせん般景,向陽こうようこれしょまんくさむらはなまたゆうせんねんえんじゅばんひのき耐寒たいかんまつ山桃やまももはて芍藥しゃくやくひでり芙蓉ふよう,一攢攢密砌重堆,らん紛紛ふんぷん神仙しんせんなんまた聽得ひゃくちょうごえ鸚鵡おうむ哨,杜鵑とけん啼;かささぎ穿ほじえだ烏鴉うがらす反哺はんぽ鸝飛まい百舌もず調音ちょうおん;鷓鴣鳴,むらさきつばめ;八哥兒學人說話,かくまゆろう也會看經かんきんまた大蟲おおむし擺尾,ろうとら磕牙;多年たねんきつねむじな妝娘にちひさあおおおかみほえはやし。就是たくとう天王てんのうらいいた此,たてかいくだ妖也しつたましい。」

6 姹女そだて... :
まご大聖たいせい公然こうぜん懼,使つかい鐵棒てつぼう上前うわまえ劈開へきかい大路おおじ,引唐そうみちにゅう深林しんりん。逍逍遙遙はるばるぎょうけい半日はんにち見出みだしりんみちからそうさけべどう:「徒弟とてい一向いっこう西にしらい無數むすうてき山林さんりんさき嶮,こうとく此間清雅せいが一路いちろ太平たへい。這林ちゅうはな卉,其實じん情意じょういわがようざい此坐すわ一則かずのり歇馬;のり腹中ふくちゅうひだるりょう,你去うら些齋らいわがども。」行者ぎょうじゃどう:「師父しふ下馬げばろうまごとき去來きょらい。」長老ちょうろう果然かぜんしもりょう,八戒將馬拴在樹上。すなそう歇下行李こうりりょう缽盂,遞與行者ぎょうじゃ行者ぎょうじゃどう:「師父しふ穩坐,莫要おどろき怕,わがりょう就來。」三藏さんぞう端坐たんざ松陰まつかげした八戒はっかいすなそう卻去ひろはな覓果閑耍。

7 姹女そだて... :
卻說大聖たいせいたて觔斗,いたりょうはんそら,佇定くもこうかいあたまかん只見ただみ松林まつばやしちゅうさちくも縹緲ひょうびょうみず靄氤氳。ゆるがせしつごえさけべどう:「こう啊!こう啊!」你道さけべこう做甚?はららいほこ獎唐そうせつきん蟬長ろうてんじゅうせい修行しゅぎょうてきこのみじん所以ゆえんゆう祥瑞しょうずい罩頭。「わかわがろうまごぽう五百年前大鬧天宮之時,くもゆううみかく放蕩ほうとう天涯てんがい;聚群しらげ自稱じしょうひとしてん大聖たいせいくだりゅうふくとらしょうりょうせきあたま戴著さんがく金冠きんかん穿ほじしる黃金おうごんよろいかぶとちょきんたがぼうそく踏著くもくつ手下てしたゆうよんまんななせんぐんかいたたえわが做大せいじいじいしるじつためじん。如今だつ天災てんさい,做小ふくていあずか你做りょう徒弟とていそう師父しふ頭頂とうちょうじょうゆうさちくもみず靄罩じょうみちかいひがし必定ひつじょうゆう些好しょろうまご必定ひつじょうとくせいはて。」

8 姹女そだて... :
せい自家じか這等ほこねん中間ちゅうかんゆるがせしかりん南下なんかゆういちまたくろほねみやこてきおかせしょうじょうらい行者ぎょうじゃだいおどろきどう:「くろうら必定ひつじょうゆうよこしまりょうわが八戒はっかいすなそう卻不かい甚黑。」大聖たいせいざいはん空中くうちゅうしょう不定ふてい

9 姹女そだて... :
卻說三藏さんぞうすわざいはやしちゅうあきらこころ見性けんしょう,諷念般若はんにゃひそかしんけい》,ゆるがせ聽得嚶嚶てきさけべごえすくいじん」。三藏さんぞうだいおどろきどう:「善哉ぜんざい善哉ぜんざい!這等深林しんりんうらゆう甚麼いんもじんさけべそうおおかみちゅうとらひょう諕倒てきまてわが。」長老ちょうろうおこり挪步,穿ほじせんねんかしわへだたおこりまんねんまつかずらよじふじきんまえかん只見ただみ大樹たいじゅじょう綁著いち女子じょしうえ半截はんせつ使かずら滕綁ざいじょうしも半截はんせつうめざいうら長老ちょうろうりつてい腳,もんいちどう:「おんな菩薩ぼさつ,你有甚事,綁在此間?」咦!分明ふんみょう這廝妖怪ようかい長老ちょうろう肉眼にくがん凡胎,卻不能ふのうみとめかいらいといなみだ如泉ゆう。你看もも腮垂なみだゆう沉魚落雁らくがんよう星眼ほしめ含悲,ゆう閉月羞花貌。長老ちょうろうじつ敢近まえまた開口かいこうといどう:「おんな菩薩ぼさつ,你端てきゆうなん罪過ざいかせつあずかひんそう,卻好すくい你。」妖精ようせいたくみはなごときょじょうかりせわしせわしてきこたえおうどう:「師父しふ我家わがやじゅうざいひんばばこくはなれ此有ひゃくあまりさと父母ちちははざいどう十分じゅうぶんこうぜん一生いっしょうてき和親わしんあいともときぐう清明せいめい,邀請しょおや及本家老がろうしょうはい掃先塋,いちぎょう轎馬,いたりょうあら郊野がいいたり塋前,擺開祭祀さいしつよししょうただ聞得鑼鳴ひびき,跑出いちおびただしつよじんがたなろうつえ,喊殺まえらい,慌得わが們魂たま父母ちちははしょおやとくとく轎的各自かくじ逃了せいいのちやつやつねんよう。跑不動ふどう,諕倒在地ざいち眾強じん拐來やま內,だい大王だいおうよう做夫じん大王だいおうよう做妻しつだい三第四個都愛我美色,ななはちじゅういえ一齊いっせいそう吵,大家たいか忿氣,所以ゆえんやつやつ綁在林間りんかん,眾強じんばん而去。いまやめにちいのちつきひさほろび不知ふちうら祖宗そそうせきとく今日きょうぐうちょろう師父しふいた此。せんまんはつだい慈悲じひすくえわが一命いちめい九泉きゅうせんしたけつ忘恩ぼうおん。」せつやめなみだ如雨。

10 姹女そだて... :
三藏さんぞう真個しんこ慈心,也就にんじゅうつるしなみだらい聲音こわね哽咽,さけべどう:「徒弟とてい。」八戒はっかいすな僧正そうじょうざいはやしちゅうひろはな覓果,もう聽得師父しふさけべ悽愴せいそう,獃子どう:「すな和尚おしょう師父しふざい此認りょうしん耶。」すなそうわらいどう:「哥胡まといわが們走りょう這些こうひと也不曾撞いちおやしたがえなんらい?」八戒はっかいどう:「おや師父しふうらあずかひと哭麼?わが你去らい。」すなそう真個しんこ回轉かいてんきゅうしょ,牽了,挑了擔,いたり跟前さけべ:「師父しふ,怎麼せつ?」からそうようしゅ指定していじゅじょうさけべ:「八戒はっかいかいおんな菩薩ぼさつらいすくい一命いちめい。」獃子ぶんこう歹,就去どうしゅ

11 姹女そだて... :
卻說大聖たいせいざいはん空中くうちゅうまたくろ濃厚のうこうさちこうつきじょうぶたりょうみちごえ:「このみこのみくろ罩暗さちこう,怕不妖邪がいおれ師父しふときかえ小事しょうじ,且去わが師父しふ。」卻返くもあたま,按落りんうら只見ただみ八戒はっかいらんかいなわ行者ぎょうじゃ上前うわまえ一把揪住耳朵,なぐてき捽了いち跌。獃子擡頭たいとう,爬起らいせつどう:「師父しふきょうわがすくいじん,你怎麼恃你有りょくはたわが摜這いち跌?」行者ぎょうじゃわらいどう:「兄弟きょうだい,莫解妖精ようせいろうやかましかたわが們哩。」三藏さんぞうかつどう:「你這潑猴,またらいえびすせつりょう,怎麼這等いち女子じょし,就認とく妖怪ようかい?」行者ぎょうじゃどう:「師父しふはららい不知ふち,這都ろうまごみきてきかいうりそうじんにくどもてきほう,你那うらみとめ?」八戒はっかい嗊著くちばしどう:「師父しふ,莫信這弼うまあつし哄你,這女子じょし乃是此間人家じんかわが們東遠來えんらいあずかあい較,またおや眷,如何いかせつ妖精ようせいはつわが們丟りょうぜん卻翻觔斗,ろうしんほううたてらいみきたくみことたおせ踏門也。」行者ぎょうじゃかつどう:「夯貨,莫亂だんわがろうまご一向いっこう西にしらいうらゆう甚憊ものぐさしょ你這じゅうしょくけいせい忘義てき囔糟,識好歹,がえ人家じんか哄了招女婿じょせい,綁在じゅじょうまいる。」三藏さんぞうどう:「也罷,也罷。はち戒啊,你師けい常時じょうじ也看とくすんで這等せつ不要ふようかんわが們去やめ。」行者ぎょうじゃ大喜だいぎどう:「こうりょう師父しふゆういのちてきりょう。請上松林まつばやしがい有人ゆうじんとき你吃。」よんにんはて一路いちろ前進ぜんしんかい撇了。

12 姹女そだて... :
卻說かい綁在じゅじょう,咬牙恨齒どう:「いくねん聞人せつまご悟空ごくう神通じんずう廣大こうだい今日きょうほか果然かぜんはなし虛傳きょでんからそう乃童修行しゅぎょう一點いてんもと泄,せいよく拿他配合はいごうなりふとおつきむせん不知ふち此猴識破われほうはたすくえりょうわかかいりょうなわわがしたらいずいしゅ捉將,卻不てきひと也?こん一篇散言碎語帶去,卻又ろう而無いさおひとしわがさいさけべりょうこえ如何いか。」妖精ようせい不動ふどうなわさくいくこえ善言ぜんげんぜんよういちじん順風じゅんぷう,嚶嚶てき吹在からそうみみ內。你道さけべてき甚麼いんもさけべどう:「師父しふ啊,你放ちょかつ人的じんてきせいいのちかえすくえ,昧心はいぼとけなにけい?」

13 姹女そだて... :
からそうざい馬上まけ聽得また這般しゃはん叫喚きょうかんそく勒馬さけべ:「悟空ごくうすくい女子じょしらいやめ。」行者ぎょうじゃどう:「師父しふ走路そうろ,怎麼また想起そうきらいりょう?」からそうどう:「またざいうらさけべまいる。」行者ぎょうじゃとい:「八戒はっかい,你聽麼?」八戒はっかいどう:「みみだいさえぎじゅうりょう曾聽。」またとい:「すなそう,你聽麼?」すなそうどう:「わが挑擔まえはし曾在しん,也不曾聽。」行者ぎょうじゃどう:「ろうまご也不曾聽師父しふさけべ甚麼いんもへん你聽?」からそうどう:「さけべ有理ゆうりせつどう:『かつ人性じんせいいのちかえすくえ,昧心はいぼとけなにけい?』『すくいじん一命いちめいしょうづくりななきゅう浮屠ふと。』かいすくいらいつよけいはいぼとけ。」行者ぎょうじゃわらいどう:「師父しふようぜんはたおこりらい,就沒やく。你想你離りょうひがし一路いちろ西にしらい,卻也りょう幾重いくえ山場やまばぐうちょ許多きょた妖怪ようかいつね你拿はたすすむほらろうまごらいすくい你,使つかい鐵棒てつぼう常打じょううちせんせんまんまん今日きょういち妖精ようせいてきせいいのち,捨不ようすくい?」からそうどう:「徒弟とてい呀,古人こじんうん:『勿以ぜんしょう不為ふため,勿以わるしょう而為。』かえすくえすくいやめ。」行者ぎょうじゃどう:「師父しふすんでしか如此,ただ這個擔兒,ろうまご卻擔おこり。你要すくいわが也不敢苦すすむわがすすむいちかい,你又惱了。にん你去すくい。」からそうどう:「猴頭莫多ばなし,你坐ちょとうわがかず八戒はっかいすくい。」

14 姹女そだて... :
からそうかいいたりりんうらきょう八戒解了上半截繩子,よう鈀築半截はんせつかい跌跌鞋,たばたば裙,孜孜しし跟著からそう松林まつばやしりょう行者ぎょうじゃ行者ぎょうじゃただ冷笑れいしょうとめからそうののしみち:「潑猴あたま,你笑怎的?」行者ぎょうじゃどう:「わがわらい你時らい逢好ともうんぐう佳人かじん。」三藏さんぞうまたののしみち:「潑猢猻胡せつわがむすめ肚皮,就做和尚おしょう,如今たてまつむね西にしらいけんこころれいふつもとめけいまた祿ろくやからゆう甚運退すさとき?」行者ぎょうじゃわらいどう:「師父しふ,你雖ようためそう,卻只かい看經かんきん念佛ねんぶつ曾見おう法條ほうじょうりつ。這女子じょし生得しょうとく年少ねんしょうしるべ致,わが你乃出家しゅっけじんどう一路いちろぎょうはし,倘或ぐうちょ歹人,わが們拿送かんろん甚麼いんもけいはいはらえ,且都做姦じょうたて此事,也要とい拐帶かいたい人口じんこう師父しふついりょう牒,しょう;八戒該問充軍;すなそう也問擺站;わがろうまご也不とくいぬいきよしにょうわがくちのう,怎麼おりべん,也要といおう。」三藏さんぞうかつどう:「莫胡せつおわりしかわがすくいせいいのちゆう甚貽るいなりおびりょう,凡有事ゆうじざい我身わがみじょう。」行者ぎょうじゃどう:「師父しふ雖說有事ゆうじざい你,卻不知ふち你不すくいはんがい。」三藏さんぞうどう:「わがすくい他出たしゅつりんとく其活いのち,怎麼はんがい?」行者ぎょうじゃどう:「當時とうじ綁在林間りんかんあるさんにち十日とおか半月はんつきぼつめしども餓死がしりょうかえ完全かんぜん身體しんたいかげ。如今たい出來でき,你坐とくかいうま行路こうろ如風,わが們只とくずい你,女子じょし腳小,挪步艱難かんなん,怎麼跟得じょうはし一時いちじ丟下,わかぐうちょおおかみちゅうとらひょう一口ひとくち吞之,卻不はんがい其生也?」

15 姹女そだて... :
三藏さんぞうどう:「せい呀,這件ごと卻虧你想,如何いか處置しょち?」行者ぎょうじゃわらいどう:「だきうえらいかず你同ちょ馬走まばせやめ。」三藏さんぞう沉吟どう:「わがうらこうあずかどううま?」──「怎生?」三藏さんぞうどう:「きょう八戒馱他走罷。」行者ぎょうじゃわらいどう:「獃子造化ぞうかいたりょう。」八戒はっかいどう:「『遠路えんろぼつけい擔。』きょうわが馱人,ゆう甚造?」行者ぎょうじゃどう:「你那くちばしちょう,馱著うたてくちばしらいけい較私情話じょうわ,卻不便益べんえき?」はち戒聞此言,搥胸ばくとべどう:「このみこのみ師父しふようわがいくしたやすしにん疼。ちょけつとくいぬいきよしけい一生いっしょうかい贓埋じんわが馱,なり。」三藏さんぞうどう:「也罷,也罷。わが也還はしとくいくとうわがしたらい,慢慢てきどうはしちょ八戒牽著空馬罷。」行者ぎょうじゃだいわらいどう:「獃子たおせゆうかいうり師父しふあきら顧你牽馬まいる。」三藏さんぞうどう:「這猴あたままたえびすせつりょう古人こじんうん:『うまぎょう千里せんり無人むじん不能ふのう往。』かり如我ざい路上ろじょう慢走,你好丟了わがわがわか慢,你們也慢。大家たいか一處同這女菩薩走下山去,あるいたあんかん寺院じいん有人ゆうじんしょとめざいうら,也是わが們救一場いちじょう。」行者ぎょうじゃどう:「師父しふ說得せっとく有理ゆうりかい前進ぜんしん。」

16 姹女そだて... :
三藏さんぞう撩前はしすなそう挑擔,八戒はっかい牽著空馬からうま,引著女子じょしぎょうしゃ拿鐵ぼういちぎょう前進ぜんしんうえさんじゅうてんしょくはたばんまた一座いちざ樓臺ろうだい殿どのかく三藏さんぞうどう:「徒弟とていうら必定ひつじょうあんかん寺院じいん,就此借宿かりやどりょう明日あしたはやぎょう。」行者ぎょうじゃどう:「師父しふ說得せっとく各各おのおのはしどう些。」霎時いたりょうもんくび,吩咐どう:「你們りゃく站遠些,とう我先われさき借宿かりやどわかゆう方便ほうべんしょちょじんらいさけべ你。」眾人俱立ざいやなぎかげしたおもんみ行者ぎょうじゃ拿鐵ぼう,轄著女子じょし

17 姹女そだて... :
長老ちょうろう拽步ちかまえ只見ただみ門東もんとうたおせ西にしいびつれいれい落落。推開しのぶじゅう心中しんちゅうの悽慘せいさんちょうろう寂靜じゃくじょう剎蕭疏;こけ蘚盈にわ,蒿蓁滿まんみちおもんみ螢火ほたるびとうただかえるごえ而代長老ちょうろうゆるがせしかつるしなみだらい真個しんこ
殿宇でんう凋零たおせ塌,ろうぼう寂寞せきばくかたぶけ頹。だん磚破かわらじゅうあまりうずたかつき些歪はりおりばしら前後ぜんごつきなま青草あおくさちりうめくちただれ廚。鐘樓しゅろう崩壞ほうかいかわ,琉璃とう破損はそん佛祖ぶっそきんぼつしょく羅漢らかんたおせ東西とうざい觀音かんのん淋壞つきなりどろ楊柳ようりゅうきよしびん墜地。にち內並そうじん夜間やかんつき宿やど狐狸こりただ聽風ひびきほえ如雷,みやこただしとらひょうぞうしょよん牆垣みなたおせまたもんおうぎせききょ

18 姹女そだて... :
ゆうためしょう曰:
多年たねん剎沒じんおさむ狼狽ろうばい凋零たおせさらきゅう
もう風吹ふぶききれ伽藍がらんめん大雨おおあめ澆殘佛像ぶつぞうあたま
きむつよし跌損ずい淋灑,土地とちぼうよるおさむ
さらゆうりょう般堪嘆處,どうがねちょぼつかかろう

19 姹女そだて... :
三藏さんぞうかたちょきもはしすすむそうもん鐘鼓しょうころう俱倒りょうとめゆういちくちどうがね,扎在地下ちかうえ半截はんせつ如雪しろしも半截はんせつ如靛あおはららいひさねんふか上邊うわべあめ淋白,下邊しもべただし土氣つちけじょうてきどうあお。三藏用手摸著鐘,だかさけべどう:「かね啊,你也曾懸かけ高樓こうろうほえ,也曾どおいろどりはりごえ。也曾雞啼就報あかつき,也曾てんばんおく黃昏たそがれ不知ふちどうてき道人どうじん何處どこどうたくみさくそんそういのちかげ蹤跡你無ごえ。」

20 姹女そだて... :
長老ちょうろうだかごえたたえ嘆,不覺ふかくてきおどろきどうてらうらひとうらゆう一個侍奉香火的道人,聽見人語じんご,扒起らいじつ一塊ひとかたまりだん磚,あきらがねじょうはたがね噹的ひびきりょう一聲いっせい長老ちょうろう諕了いち跌,掙起ようはしまたきずなちょじゅなぐてきまたいち跌。長老ちょうろうたおせ在地ざいち擡頭たいとうまたさけべどう:「かね啊,ひん僧正そうじょうしか感嘆かんたん你,ゆるがせてき叮噹ひびき一聲いっせいそう西にしてん路上ろじょう無人むじんいたにちひさし多年たねんへんさくせい。」

21 姹女そだて... :
道人どうじん趕上まえいち攙住どう:「老爺ろうや請起。しょうしげるせいこと,卻才わがとくがねひびき。」三藏擡頭見他的模樣醜黑,どう:「你莫魍魎もうりょう妖邪?わが尋常じんじょうこれにんわがだいとうらいてきわが手下てしたゆうくだりゅうふくとらてき徒弟とてい。你若撞著せいいのちなんそん也。」道人どうじん跪下どう:「老爺ろうやきゅう怕。わが妖邪,わが這寺うらさむらいたてまつこうてき道人どうじん。卻才聽見老爺ろうや善言ぜんげんしょうたたえ,就欲出來でき迎接げいせつおそれ怕是よこしまおに敲門,此拾一塊ひとかたまりだん磚,かねいちあつおどろきぽう出來でき老爺ろうや請起。」からそうかたしかせいせいどう:「住持じゅうじけん些兒諕殺わが也。你帶わがすすむ。」

22 姹女そだて... :
道人どうじん引定からそうちょくいたり三層門裡看處,がいあたり甚是不同ふどうただし
あお磚砌就彩くも牆,みどりかわらぶたなり琉璃殿どの黃金おうごんそうひじりぞう白玉しらたまづくりかいだい大雄たいゆう殿上てんじょうまいあおこう,毘羅閣下かっかせい銳氣えいき文殊もんじゅ殿でんゆいさいくもりん藏堂くらどう描花うずたかみどり。三簷頂上寶瓶尖,五福樓中平繡蓋。千株翠竹搖禪榻,萬種青松映佛門。碧雲へきうんみやうら金光かねみつむらさききりくさむらちゅう飄瑞靄。あさ聞四ふうとおくれ聽山だかおうゆう朝陽あさひやぶ衲,あにたいがつりょうざんけいまた只見ただみはんかべ燈光とうこう明後みょうごいんいちぎょうきりあきら中庭なかにわ

23 姹女そだて... :
三藏さんぞうりょう敢進さけべ:「道人どうじん,你這ぜんあたりじゅうふん狼狽ろうばいあたり這等ひとしせいなに也?」道人どうじんわらいどう:「老爺ろうや,這山ちゅうゆう妖邪きょう寇,てんしょく清明せいめい,沿山こうてんかげ就來てらうらぞう佛像ぶつぞう推倒墊坐,木植きうえ搬來しょうほん寺僧じそうじん軟弱なんじゃく敢與こうろんいん此把這前あたりやぶぼう捨與些強じんやす歇,したがえしん另化りょう些施ぬしぶたとくいちしょ寺院じいんきよしこんかくいち,這是西方せいほうてき事情じじょう。」三藏さんぞうどう:「はららい如此。」

24 姹女そだて... :
正行まさゆきあいだ又見山またみやまもんじょうゆう大字だいじ,乃「鎮海禪林寺ぜんりんじ」。ざい舉步,䟕入もんうらゆるがせいち和尚おしょうはしらい。你看怎生模樣もよう
あたま戴左笄絨にしきぼう,一對銅圈墜耳根。
ちょ頗羅せんふく一雙いっそう白眼しろめあきら如銀。
手中しゅちゅうゆらちょ播郎くちねんばんけい聽不しん
三藏原來不認得,這是西方せいほう路上ろじょう喇嘛そう

25 姹女そだて... :
喇嘛和尚おしょう走出はしりでもんらい三藏眉清目秀,がく闊頂ひらめみみたれかたひざこう羅漢らかん臨凡,じゅうふんしゅんみやびはし上前うわまえ扯住,滿面まんめんわらい唏唏てきあずかねじねじ腳,摸他はな,揪他みみ朵,以示親近しんきん。攜至方丈ほうじょうちゅうぎょうれい畢,卻問:「ろう師父しふなんらい?」三藏さんぞうどう:「弟子でし乃東だいから欽差往西かた天竺てんじく國大こくだいかみなりおんてらはいぼとけけいしゃてきぎょう至寶しほうかたてんばんとく奔上剎借宿やどいちよい明日あしたはやぎょうもちたれ方便ほうべんいち。」和尚おしょうわらいどう:「當人とうにん當人とうにんわが們不好意こういよう出家しゅっけてきみないん父母ちちはは生身なまみいのちはんはなぶたいえうらやしなえじゅうさい捨斷りょう出家しゅっけすんで做了佛門ぶつもん弟子でしきり莫說だつそらはなし。」三藏さんぞうどう:「わが老實ろうじつばなし。」かず尚道なおみち:「那東なとういた西にしたかしゆう多少たしょう路程ろてい路上ろじょう有山ありやま山中さんちゅう有洞うとうほら有精ゆうせいそう你這單身たんしんまた生得しょうとく嬌嫩,うらぞうけいてき?」三藏さんぞうどう:「院主いんじゅ也見とくひんそういちにんあにのういた此?わがゆうさん徒弟とてい,逢山ひらきぐうすいたたみきょうたもてわが弟子でししょ以到どくじょう剎。」かず尚道なおみち:「さんだかなんざい?」三藏さんぞうどう:「現在げんざい山門さんもんがい伺候しこう。」和尚おしょう慌了どう:「師父しふ,你不知ふちわが這裡ゆう虎狼ころう、妖賊、おにかいきずじん白日はくじつうら遠出とおでけいてんばん就關りょう門戶もんこ。這早晚そうばんかえじん在外ざいがい?」さけべ:「徒弟とていかい請將しんらい。」

26 姹女そだて... :
ゆう兩個りゃんこしょう喇嘛出外ではずれ行者ぎょうじゃ,諕了いち跌;りょう八戒はっかいまたいち跌。扒起來往らいおう跑,みち:「じいじい造化ぞうかていりょう,你的徒弟とていただゆうさん四個妖怪站在那門首也。」三藏さんぞうといどう:「怎麼模樣もよう?」しょうかず尚道なおみち:「いち雷公らいこうくちばしいちうすていくちばしいちあお臉獠きばはたゆういち女子じょしたおせこれあぶらあたまこなめん。」三藏さんぞうわらいどう:「你不みとめさんみにくてきわが徒弟とていいち女子じょしわが松林まつばやしうら救命きゅうめいらいてき。」喇嘛どう:「じいじい呀!這們こうしゅん師父しふ,怎麼ひろ這般しゃはんみにく徒弟とてい?」三藏さんぞうどう:「みにくみにく,卻俱有用ゆうよう。你快請他しんらいわかさいおそりょう些兒,雷公らいこうくちばしてきゆう些闖個人こじんせい父母ちちははやしなえてき就打すすむらい也。」

27 姹女そだて... :
しょう和尚おしょうそくせわし跑出,せん兢兢きょうきょうてき跪下どう:「れつ老爺ろうやから老爺ろうや請哩。」はち戒笑どう:「哥啊,請便やめりょう,卻這般しゃはんせん兢兢きょうきょうてきなに也?」行者ぎょうじゃどう:「わが們醜陋害怕。」八戒はっかいどう:「扯淡。わが們乃生成せいせいてきこうようみにくまいる?」行者ぎょうじゃどう:「みにく且略收拾しゅうしゅう收拾しゅうしゅう。」獃子真個しんこくちばし揣在ふところうらていちょあたま,牽著すなそう挑著擔;行者ぎょうじゃざいめん拿著ぼう,轄著女子じょしいち行進こうしん穿ほじりょうたおせ塌房ろういれさんそうもんうら,拴了,歇了擔。すすむ方丈ほうじょうちゅうあずか喇嘛そうしょうふんりょうすわつぎ和尚おしょうにゅううらあたり,引出ななはちじゅうしょう喇嘛らいれい畢,收拾しゅうしゅう辦齋かんまちせい
せきこう須在慈悲じひねん佛法ぶっぽうきょうそうたたえそう

28 姹女そだて... :
畢竟ひっきょう不知ふち怎生はなれてら,且聽かい分解ぶんかい

たくわれ先生せんせい批評ひひょう西にしゆう
たくわれ先生せんせい批評ひひょう西にしゆう
URN: ctp:xiyouji/ch80