ドライバーズコントロールセンターデフ

ドライバーズコントロールセンターデフ (DCCD) とはSUBARUの登録とうろく商標しょうひょうである。四よん輪りん駆動くどう車くるまに備そなわるセンターデフに差さ動どう制限せいげん力りょくを任意にんいに変更へんこうできる装置そうちを加くわえ、あたかも前後ぜんご輪わのトルク配分はいぶんを変更へんこうしているかのような挙動きょどうを車両しゃりょうに与あたえる電子でんし装置そうちの一ひとつである。

概要がいよう

ドライバーズコントロールセンターデフの操作そうさ部ぶ（ダイヤル）

スバル・インプレッサの一部いちぶのグレードに採用さいようされている。電子でんし制御せいぎょであり、運転うんてん中ちゅうにドライバーがダイヤルを操作そうさすることで任意にんいに設定せってい変更へんこうが可能かのうである。3代目だいめインプレッサWRX STIでは完全かんぜん電子でんし制御せいぎょのインテリジェントモードも追加ついかされている。

インプレッサにおけるDCCDの変遷へんせん

初代しょだいインプレッサGC・GF型がた（1992年ねん - 2000年ねん、DCCDの搭載とうさいは1994年ねんから）

センターデフに、フロント35：リヤ65の比率ひりつで基本きほんトルク配分はいぶんを行おこなうプラネタリーギヤと、電子でんし制御せいぎょで差さ動どう制限せいげんを行おこなう電磁でんじ式しきLSD機構きこうを組くみ込こみ、センターデフのロック率りつを直結ちょっけつからフリーまで、運転うんてん中ちゅうに任意にんいに設定せっていすることができる。なおパーキングブレーキレバーを引ひけばフリーの状態じょうたいになり、これにより、走行そうこう中ちゅうもパーキングブレーキで後のち輪わをロックさせることが可能かのうとなり、タイトターンが行おこなえる。

2代目だいめインプレッサGD・GG型がた "丸まる目め"（2000年ねん - 2002年ねんマイナーチェンジ前まえまで。アプライドモデル名めいでは「A」、 「B」型がた）

先代せんだいからの変更へんこうは、前後ぜんごトルク配分はいぶんが45.5：54.5になったことと、最大さいだい差さ動どう制限せいげん力りょくが20 kg·m程度ていどまで引ひき上あげられた点てん。現在げんざいでもエンジンの最大さいだいトルク数値すうちが40 kg·mそこそこである面めんからも、DCCDをロックにした場合ばあい、ほぼ完全かんぜん直結ちょっけつの全ぜん輪わ駆動くどうであるといえる。競技きょうぎ用ようモデル「RA」16インチモデルのみ搭載とうさい。

2代目だいめインプレッサGD・GG型がた "涙なみだ目め"（2002年ねんマイナーチェンジ後ご - 2005年ねんマイナーチェンジ前まえまで。アプライドモデル名めいでは「C」〜「E」型がた）

再ふたたび、前後ぜんごトルク配分はいぶんは35：65に戻もどされる。これは、A、B型がたにおいてあまりにアンダーステアが顕著けんちょに現あらわれたため、一般いっぱんユーザーのニーズに合あわせたものと考かんがえられる。車くるまの挙動きょどう（横よこGや縦たてG、ヨーレートセンサー）やドライバーの意志いし（スロットル開ひらき度ど、スロットルセンサー）などの情報じょうほうから、センターデフのロック率りつを自動じどうで設定せっていする「オートモード」が追加ついか搭載とうさいされた。また、どのSTiモデルにもオプションでの搭載とうさいが可能かのうとなった。なお、オートモードでもパーキングブレーキレバーを引ひけばフリーとなる。

2代目だいめインプレッサGD・GG型がた "スプレッドウイングスグリル"（通称つうしょう鷹たか目め）（2005年ねんマイナーチェンジ後ご。アプライドモデル名めいでは「F」、「G」型がた）

従来じゅうらいに加くわえ、オートモードの制御せいぎょにステアリング舵かじ角かくセンサーを追加ついか。従来じゅうらいの電磁でんじ式しきLSDから電磁でんじ式しき+機械きかい式しきLSDに変更へんこうし、差さ動どう制限せいげんのレスポンスを高たかめている。前後ぜんごの基本きほんトルク配分はいぶんは41:59に変更へんこうされた。これは、DCCDの改良かいりょうにより旋回せんかい性能せいのうが向上こうじょうしたため、その分ぶんタイヤのグリップ余力よりょくを縦たて方向ほうこうに振ふり向むけることができ、車両しゃりょうの前後ぜんご重量じゅうりょう配分はいぶんに近ちかい数値すうちとすることで、旋回せんかい時じのアクセルオンにより、トラクションによる安定あんてい性せいを確保かくほしつつも、より前まえに出でる特性とくせいになった。これは、グラベル（未み舗装ほそう路ろ）に於おいても強力きょうりょくな武器ぶきになる。

3代目だいめインプレッサGR型がた（5ドア）（2007年ねん6月がつフルモデルチェンジ）GV型がた（4ドア）（2010年ねん7月がつ追加ついか発売はつばい）

メーカーサイトの説明せつめいによると、基本きほん的てきに2代目だいめインプレッサGD・GG型がた"スプレッドウイングスグリル"（通称つうしょう鷹たか目め）（2005年ねんマイナーチェンジ。アプライドモデル名めい「F」、「G」型がた）同様どうよう。前後ぜんごの基本きほんトルク配分はいぶんは41:59で、電磁でんじ式しき+機械きかい式しきLSDを採用さいよう。

参考さんこう文献ぶんけん

• 四方よも寔まこと「手動しゅどうによる電子でんし制御せいぎょ式しきセンタデフ」『自動車じどうしゃ技術ぎじゅつ』第だい54巻かん第だい2号ごう、自動車じどうしゃ技術ぎじゅつ会かい、2000年ねん、16-18頁ぺーじ。