(Translated by https://www.hiragana.jp/)
フェラーリ・F1-2000 - Wikipedia コンテンツにスキップ

フェラーリ・F1-2000

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
フェラーリ F1-2000
カテゴリー F1
コンストラクター フェラーリ
デザイナー ロリー・バーン(チーフデザイナー)
ロス・ブラウン(テクニカルディレクター)
先代せんだい フェラーリ・F399
後継こうけい フェラーリ・F2001
主要しゅようしょもと
シャシー カーボンファイバー ハニカム コンポジット
サスペンション(まえ ダブルウィッシュボーン, プッシュロッド
サスペンション( ダブルウィッシュボーン, プッシュロッド
エンジン フェラーリ Tipo049 2997cc 90 V10 たてNA
トランスミッション フェラーリせい 7そく たてセミAT シーケンシャル
燃料ねんりょう シェル
タイヤ ブリヂストン
主要しゅよう成績せいせき
チーム スクーデリア・フェラーリマールボロ
ドライバー 3. ミハエル・シューマッハ
4. ルーベンス・バリチェロ
出走しゅっそう時期じき 2000ねん
コンストラクターズタイトル 1(2000ねん
ドライバーズタイトル 1(2000ねん
通算つうさん獲得かくとくポイント 170
初戦しょせん 2000ねんオーストラリアGP
はつ勝利しょうり 2000ねんオーストラリアGP
最終さいしゅうせん 2000ねんマレーシアGP
出走しゅっそう優勝ゆうしょう表彰台ひょうしょうだいポールFラップ
171022104
テンプレートを表示ひょうじ

フェラーリF1-2000は、スクーデリア・フェラーリ2000ねんのF1世界せかい選手権せんしゅけん参戦さんせんよう開発かいはつしたフォーミュラ1カーで、ロス・ブラウンロリー・バーン設計せっけいした。2000ねん開幕かいまくせんから、最終さいしゅうせんまで実戦じっせん投入とうにゅうされた。フェラーリとしてのコードナンバーは651。

概要がいよう[編集へんしゅう]

2000ねん2がつ7にちイタリアマラネロ発表はっぴょうされた。新車しんしゃ発表はっぴょうかい以前いぜんには、マシンめいがF320と報道ほうどうされたときもあった。2がつ10日とおかに、フィオラノサーキットミハエル・シューマッハによってシェイクダウンされた。

1999ねんのシーズン途中とちゅうF399風洞ふうどう開発かいはつめ、マシンの熟成じゅくせいをそれ以上いじょうおこなわないで、わりにF1-2000の開発かいはつすすめていくといった念入ねんいりな準備じゅんび[1]、F399をもと正常せいじょう進化しんかさせたマシンを開発かいはつした。

シャーシ[編集へんしゅう]

F2000の後退こうたいかくけられたフロントウィング

F1-2000で使用しようされたカーボンファイバーせいのモノコックの重量じゅうりょうは44kgである[2]。ドライバーとバラストをのぞいた空車くうしゃ重量じゅうりょうは463kgと規定きていよりも軽量けいりょう仕上しあげられ、70kg前後ぜんこうのバラストの搭載とうさい可能かのうである[3]

フロントノーズはコクピットの前方ぜんぽうげられ、ノーズ先端せんたんたかさも最大限さいだいげんまでげられた。マクラーレンが1998ねんシーズンマシンであるMP4-13はじめた、ノーズにフィンをてて規定きていよりもほそくするデザインとし、そらりょく極限きょくげんまで追求ついきゅうした。

フロントウイングは、後退こうたいかくがついたデザインである。だい13せんベルギーGP直線ちょくせんつばさタイプのフロントウイングをためしたが、決勝けっしょうレースでは使用しようされず[4]ふたた後退こうたいかくがついたウイングを使用しようする。だい16せん日本にっぽんGP以降いこうは、改良かいりょうばん直線ちょくせんつばさタイプのフロントウイングにわっている[4]

サイドポンツーンはF399が両側りょうがわたかくなっていたのにたいしてぎゃくがっていくなでがた形状けいじょうにしている。このなか内蔵ないぞうされるラジエーターは、表面積ひょうめんせき確保かくほするために片側かたがわあたり2まいをズラして配置はいちしてある。

また、はいねつこうがリヤタイヤまえもうけられて、サーキットコンディションにわせてサイズの拡大かくだい縮小しゅくしょう可能かのうである。はいねつ効率こうりつ向上こうじょうさせるため、だい9せんフランスGPではチムニーダクトがテストされたが、実戦じっせん投入とうにゅうはされなかった[5]だい12せんハンガリーGPだい17せんマレーシアGP[6]ではチムニーが実戦じっせん使用しようされた[5]

前後ぜんごとも、トーションバー・スプリング使用しようするダブルウィッシュボーンしきサスペンション採用さいよう。リヤサスペンションには、ZFザックスせいスルーロッドダンパーロッカーアーム部分ぶぶんから鉛直えんちょく配置はいちされる[7]すべてのサスペンションアームがカーボンファイバーせいである。また、アップライトはチタンせいである。

F1-2000は、シャーシナンバー198から205までの8だい製造せいぞうされ、レースにまれた[8]

レースカーシャーシ一覧いちらん[9]
とし ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17
AUS
オーストラリアの旗
BRA
ブラジルの旗
SMR
サンマリノの旗
GBR
イギリスの旗
EUR
欧州連合の旗
ESP
スペインの旗
MON
モナコの旗
CAN
カナダの旗
FRA
フランスの旗
AUT
オーストリアの旗
GER
ドイツの旗
HUN
ハンガリーの旗
BEL
ベルギーの旗
ITA
イタリアの旗
USA
アメリカ合衆国の旗
JPN
日本の旗
MAL
マラヤ連邦の旗
3 ドイツの旗 シューマッハ 200 201 200 200 200 200 198 203 203 204 200 203 205 205 205 205 205
4 ブラジルの旗 バリチェロ 199 199 199 199 199 202 202 202 202 202 202 202 202 202 203 203 200

エンジンなど[編集へんしゅう]

テストとレースをふくめて、400だい製造せいぞうされた。また、ザウバーチームに供給きょうきゅうするためにこれとはべつに100だい製造せいぞうされた[9]

車体しゃたいてい重心じゅうしんはかるため、Vバンクの角度かくどが80から90にまで拡大かくだいされ、オイルタンクもエンジンの前方ぜんぽう小型こがたされたものが搭載とうさいされるが、開幕かいまくまえにテストで容量ようりょう不足ふそくであることが判明はんめいし、ギヤボックスじょう補助ほじょオイルタンクが増設ぞうせつされた[10]

だい6せんヨーロッパGPからBスペックエンジンが、だい13せんベルギーGPから予選よせんのみCスペックエンジンが投入とうにゅうされた[11]。なお、決勝けっしょうレースにかんしては、最終さいしゅうせんであるマレーシアGPでCスペックエンジンを使用しようする予定よていであったが、最終さいしゅうてきにBスペックエンジンを使用しようすることになった。

チタンせいギヤケースとカーボンファイバーせいのベルハウジングをわせたギヤボックスを採用さいようしている。12だい製作せいさくされた[9]

カラーリング[編集へんしゅう]

基本きほんてきにはF399と同様どうようであるが、フロントウイングのだい部分ぶぶんあらたにしろ塗装とそうされたほか、ヘッドレスト後方こうほうけられていたドライバーネームシールがインダクションポッド付近ふきん移動いどうしている。

タバコ広告こうこく禁止きんしされるフランスGP、アメリカGPなどではマールボロロゴが撤去てっきょされた。

2000ねんシーズン[編集へんしゅう]

ミハエル・シューマッハ開幕かいまく3連勝れんしょう達成たっせい。シーズン序盤じょばんは、りょうドライバーともコンスタントに表彰台ひょうしょうだいのぼはしりをせ、だい8せんカナダGP終了しゅうりょう時点じてんでポイントリーダーのシューマッハは、ライバルのミカ・ハッキネンたいして24ポイントものきずいていた。しかし、そのあとの3せん連続れんぞくリタイヤによって点差てんさは2てんにまでちぢまってしまう。その、ハッキネンに逆転ぎゃくてんゆるしたものの、だい15せんアメリカGP勝利しょうりふたた逆転ぎゃくてんだい16せん日本にっぽんGPはげしいいちせいして、自身じしん3度目どめとなるドライバーズチャンピオンを獲得かくとくした。最終さいしゅうせんマレーシアGPではコンストラクターズチャンピオンも決定けっていし、フェラーリにとって21ねんぶりのダブルタイトル制覇せいはげた。

このとし加入かにゅうしたルーベンス・バリチェロだい11せんドイツGPにおいて、レース途中とちゅうあめはじめる不安定ふあんてい状況じょうきょうなか、ドライタイヤではしつづけてはつ優勝ゆうしょうをもぎとった。これは、当時とうじさいおそはつ優勝ゆうしょう記録きろく参戦さんせん125せん)であった。

スペック[編集へんしゅう]

シャーシ[編集へんしゅう]

エンジン[編集へんしゅう]

記録きろく[編集へんしゅう]

とし No. ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 ポイント ランキング
AUS
オーストラリアの旗
BRA
ブラジルの旗
SMR
サンマリノの旗
GBR
イギリスの旗
EUR
欧州連合の旗
ESP
スペインの旗
MON
モナコの旗
CAN
カナダの旗
FRA
フランスの旗
AUT
オーストリアの旗
GER
ドイツの旗
HUN
ハンガリーの旗
BEL
ベルギーの旗
ITA
イタリアの旗
USA
アメリカ合衆国の旗
JPN
日本の旗
MAL
マラヤ連邦の旗
2000 3 ドイツの旗 シューマッハ 1 1 1 3 5 1 Ret 1 Ret Ret Ret 2 2 1 1 1 1 170 1
4 ブラジルの旗 バリチェロ 2 Ret 4 Ret 3 4 2 2 3 3 1 4 Ret Ret 2 4 3

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ Sports Graphic Number』(文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう)「688ごう」 p.45
  2. ^ Peter Wright (2004) (英語えいご). Ferrari Formula 1 Under the skin of the Championship Winning F1 2000. David Bull Pub. pp. p.85. ISBN 1-893618-29-3 
  3. ^ Peter Wright (2004) (英語えいご). Ferrari Formula 1 Under the skin of the Championship Winning F1 2000. David Bull Pub. pp. p.84. ISBN 1-893618-29-3 
  4. ^ a b 『フェラーリ・フォーミュラワンカー 1999‐2004』山海さんかいどう、2005ねん、pp.45,52,53ぺーじISBN 9784381077837 
  5. ^ a b 『フェラーリ・フォーミュラワンカー 1999‐2004』山海さんかいどう、2005ねん、p.46ぺーじISBN 9784381077837 
  6. ^ ひくいタイプのチムニーを使用しようしてはいねつ効率こうりつ促進そくしんはかるタイプ
  7. ^ Peter Wright (2004) (英語えいご). Ferrari Formula 1 Under the skin of the Championship Winning F1 2000. David Bull Pub. pp. p.140. ISBN 1-893618-29-3 
  8. ^ Alan Henry, ed (2000) (英語えいご). AUTOCOURSE 2000-2001. Hazleton Publishing. ISBN 1-874557-79-9 
  9. ^ a b c Peter Wright (2004) (英語えいご). Ferrari Formula 1 Under the skin of the Championship Winning F1 2000. David Bull Pub. pp. p.243. ISBN 1-893618-29-3 
  10. ^ 『フェラーリ・フォーミュラワンカー 1999‐2004』山海さんかいどう、2005ねん、p.41ぺーじISBN 9784381077837 
  11. ^ 『フェラーリ・フォーミュラワンカー 1999‐2004』山海さんかいどう、2005ねん、pp.50 - 53ぺーじISBN 9784381077837 
  12. ^ Peter Wright (2004) (英語えいご). Ferrari Formula 1 Under the skin of the Championship Winning F1 2000. David Bull Pub. pp. p.110. ISBN 1-893618-29-3 
  13. ^ Peter Wright (2004) (英語えいご). Ferrari Formula 1 Under the skin of the Championship Winning F1 2000. David Bull Pub. pp. pp.128,129,138. ISBN 1-893618-29-3 
  14. ^ a b c d e f g h i Peter Wright (2004) (英語えいご). Ferrari Formula 1 Under the skin of the Championship Winning F1 2000. David Bull Pub. pp. p.102. ISBN 1-893618-29-3 
  15. ^ a b c Peter Wright (2004) (英語えいご). Ferrari Formula 1 Under the skin of the Championship Winning F1 2000. David Bull Pub. pp. p.103. ISBN 1-893618-29-3