フェラーリ・F2008

フェラーリ F2008

カテゴリー	F1
コンストラクター	フェラーリ
デザイナー	アルド・コスタ
先代せんだい	フェラーリ・F2007
後継こうけい	フェラーリ・F60
主要しゅよう諸しょ元もと
シャシー	カーボンファイバー ハニカム コンポジット
サスペンション（前まえ）	ダブルウィッシュボーン, プッシュロッド, トーションバー
サスペンション（後ご）	ダブルウィッシュボーン, プッシュロッド, トーションバー
エンジン	フェラーリ Tipo056 2397cc 90度ど V8 縦たて置おき NA
トランスミッション	フェラーリ製せい 7速そく 縦たて置おき セミAT シーケンシャル
燃料ねんりょう	シェル
タイヤ	ブリヂストン
主要しゅよう成績せいせき
チーム	スクーデリア・フェラーリ・マールボロ
ドライバー	キミ・ライコネン フェリペ・マッサ
出走しゅっそう時期じき	2008年ねん
コンストラクターズタイトル	1（2008年ねん）
ドライバーズタイトル	0
通算つうさん獲得かくとくポイント	172
初戦しょせん	2008年ねんオーストラリアGP
初はつ勝利しょうり	2008年ねんバーレーンGP
最終さいしゅう戦せん	2008年ねんブラジルGP
出走しゅっそう 優勝ゆうしょう 表彰台ひょうしょうだい ポール Fラップ 18 8 19 7 14

フェラーリ F2008 (Ferrari F2008) はスクーデリア・フェラーリが2008年ねんのF1世界せかい選手権せんしゅけんに投入とうにゅうしたフォーミュラ1カーで、アルド・コスタによって設計せっけいされた。フェラーリとしてのコードナンバーは659。カーナンバーはキミ・ライコネンの「1」とフェリペ・マッサの「2」。

概要がいよう

ベルギーGPでのノーズコーン

F2007では空そら力りょく的てきに優位ゆういに立たつためにロングホイールベースを採用さいようしてきたが3,135mmもの長ながさまでになっていた。しかし、2007年ねんになると他たのマシンはマシン全体ぜんたいでのバランスを考かんがえた結果けっか、F2007よりもショートホイールベース化かに転てんじており、2008年ねん、ついにフェラーリも低速ていそくサーキットでの弱点じゃくてんへの対応たいおう策さくとしてホイールベースを短縮たんしゅくした。逆ぎゃくにショートホイールベースを採用さいようしたマクラーレンは若干じゃっかんホイールベースを伸のばしていた。

フロントノーズは、2007年ねんのトヨタがTF107に採用さいようしたノーズを、若干じゃっかん高たかくしたような形状けいじょうに変更へんこうした。

サイドポンツーンは非常ひじょうにコンパクトにまとめられていた。2004年ねんのF2004で本格ほんかく的てきに使用しようしたチムニーダクト（煙突えんとつ形がたの排気はいきダクト）は、248F1以降いこう整流せいりゅうフィンの役割やくわりを重視じゅうしした形状けいじょうになっている。このためか、排はい熱ねつの役割やくわりを担になっているルーバーは、F2007よりも格段かくだんに数かずが多おおくなっていた。

2008年ねんのレギュレーション変更へんこうによって、ギアボックスは4レース連続れんぞくで使用しようしなければならない。そして、トラクションコントロールが廃止はいしされ、全ぜんチームが使用しようする新しん電子でんしシステム、MES（マクラーレン・エレクトロニック・システムズ）製せいのSECU（スタンダード・エレクトロニックコントロールユニット）が導入どうにゅうされた。

シーズン中ちゅうの改良かいりょう

キミ・ライコネンがドライブするF2008。ノーズホールが見みえる

新車しんしゃ発表はっぴょう会かいでは、2007年ねんシーズンのマシンであるF2007と同おなじフロントウイングを搭載とうさいしていたが、開幕かいまく戦せんオーストラリアGPには、ノーズとウイング接合せつごう部ぶがなめらかに繋つながるように処理しょりされるウイングを投入とうにゅうした。

第だい4戦せんスペインGPではノーズ上部じょうぶに穴あなの開ひらいた革新かくしん的てきなノーズを投入とうにゅうした。これはフロントウイング上部じょうぶとノーズ下部かぶの間あいだに流ながれ込こんだ空気くうきを、ノーズにあけられた穴あなを通とおしてノーズ上面うわつらに持もち上あげることで、フロント部分ぶぶんで発生はっせいさせるダウンフォース量りょうを増加ぞうかできるパーツであり、ハイダウンフォースコースで採用さいようされている。この装備そうびは同時どうじにドラッグも増加ぞうかさせてしまうため、トルコGPやカナダGP、ベルギーGP、イタリアGPといった高速こうそくコースでは投入とうにゅうされなかった。

第だい11戦せんハンガリーGPから、レッドブルがRB4で初はじめて導入どうにゅうしたシャークフィンを新あらたに使用しようした。ただし、高速こうそくサーキットやドライバーの好このみ（中国ちゅうごくGPでのライコネンは使用しようしなかった）によって装着そうちゃくされないときもあった。

2008年ねんシーズン

シェイクダウンは前年ぜんねんのチャンピオンであるキミ・ライコネンによって行おこなわれ、他たチームを凌駕りょうがする速はやさを披露ひろうしていた。開幕かいまく前まえはフェラーリの連覇れんぱになるかと思おもわれていたが、シーズンを通とおしてトラブルに悩なやまされた。開幕かいまく戦せんのオーストラリアGPやハンガリーGP、ヨーロッパGPなどでエンジントラブルに見舞みまわれ、カナダGPではライコネンがピットレーン出口でぐちでルイス・ハミルトンに追突ついとつされリタイヤ、ヨーロッパGPとシンガポールGPではピットシグナルの操作そうさミスにより作業さぎょう中ちゅうに青信号あおしんごうになってしまい、給油きゅうゆリグが抜ぬけないままピットから発進はっしんしてしまった。

リタイヤなどでのポイントの取とりこぼしが多おおかったため、コンストラクターズチャンピオンは獲得かくとくしたものの、ドライバーズチャンピオンはマッサが、たった1点てん差さでハミルトンに負まけてしまった。

スペック

2008年ねんスペインGPでキミ・ライコネンがドライブするF2008。このGPで「穴あなあきノーズ」が初はじめて使用しようされた。

2008年ねんブラジルGPで優勝ゆうしょうしたフェリペ・マッサ

シャーシ

• シャーシ名めい F2008(659)
• ブレーキキャリパー ブレンボ
• ブレーキディスク・パッド ブレンボ・カーボンインダストリー
• ホイール BBS13インチ
• タイヤ ブリヂストン
• ギアボックス 7速そく＋リバース1速そくセミオートマチック/カーボンファイバー製せいケーシング
• 重量じゅうりょう 605kg

エンジン

• エンジン名めい Tipo056
• 気筒きとう数すう・角度かくど V型がた8気筒きとう・90度ど
• 排気はいき量りょう 2,398cc
• 最高さいこう回転かいてん数すう 19,000回転かいてん（レギュレーションで規定きてい）
• シリンダーブロック アルミニウム
• ピストン口径こうけい 98mm
• エンジン重量じゅうりょう 95kg
• スパークプラグ NGK
• 燃料ねんりょう・潤滑油じゅんかつゆ シェル

記録きろく

年とし	No.	ドライバー	1	2	3	4	5	6	7	8	9	10	11	12	13	14	15	16	17	18	ポイント	ランキング
			AUS	MAL	BHR	ESP	TUR	MON	CAN	FRA	GBR	GER	HUN	EUR	BEL	ITA	SIN	JPN	CHN	BRA
2008	1	ライコネン	8	1	2	1	3	9	Ret	2	4	6	3	Ret	18	9	15	3	3	3	172	1位い
	2	マッサ	Ret	Ret	1	2	1	3	5	1	13	3	17	1	1	6	13	7	2	1

• 太字ふとじはポールポジション、斜はす字じはファステストラップ。(key)

• ドライバーズランキング
  • キミ・ライコネン 3位い
  • フェリペ・マッサ 2位い

2008年ねんシーズン終了しゅうりょう後ご

F2008K

2009年ねんを見据みすえて、F2008にKERSを積つんだテストカーがF2008Kである。2008年ねん11月11日にちにルカ・バドエルによってフィオラノサーキットでのテストが開始かいしされた。F2008KのKはKERSから取とられた。シャーシ自体じたいはF2008だが、2009年ねんを見据みすえたエアロダイナミクスに変更へんこうされ、KERSのパーツも搭載とうさいされている。しかし、完全かんぜんなKERSを搭載とうさいしてのテストは2009年ねん型がたマシンであるF60の登場とうじょうまで先送さきおくりされている。

バレンティーノ・ロッシ

バレンティーノ・ロッシが、2008年ねんのMotoGPチャンピオン獲得かくとくのご褒美ほうびとしてムジェロ・サーキットでブラジルGP仕様しようのF2008をテストした。フェラーリの跳はね馬ばのマークが入はいった赤あか一色いっしょくのレーシングスーツを着用ちゃくよう、カーナンバーは彼かれがMotoGPで使用しようしている「46」に変更へんこうされていた。彼かれはベストタイム1'22.55をマーク。以前いぜんにライコネンが記録きろくしていた1'21.07から1.48秒びょう落おちのタイムを記録きろくした。