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フェラーリ・126C2

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
フェラーリ 126C2
フェラーリ 126C2B
オランダGPで優勝したディディエ・ピローニが 駆る126C2
オランダGPで優勝ゆうしょうしたディディエ・ピローニ
る126C2
カテゴリー F1
コンストラクター フェラーリ
デザイナー ハーベイ・ポスルスウェイト
マウロ・フォルギエーリ
先代せんだい フェラーリ・126CK
後継こうけい フェラーリ・126C3
主要しゅようしょもと
シャシー アルミニウム ハニカム カーボン コンポジット モノコック
サスペンション(まえ ダブルウィッシュボーン, インボード・スプリング / ダンパー
サスペンション( ダブルウィッシュボーン
エンジン フェラーリ 021 1496cc, 120 V6, ターボ, ミッドエンジン, たて
トランスミッション フェラーリ 5そく Hパターン よこMT
燃料ねんりょう アジップ
タイヤ グッドイヤー
主要しゅよう成績せいせき
チーム スクーデリア・フェラーリ
ドライバー カナダの旗ジル・ヴィルヌーヴ
フランスの旗ディディエ・ピローニ
フランスの旗パトリック・タンベイ
アメリカ合衆国の旗マリオ・アンドレッティ
フランスの旗ルネ・アルヌー
出走しゅっそう時期じき 1982 - 1983ねん
コンストラクターズタイトル 2(1982ねん,1983ねん
ドライバーズタイトル 0
通算つうさん獲得かくとくポイント 118
初戦しょせん 1982ねんみなみアフリカGP
はつ勝利しょうり 1982ねんサンマリノGP
最終さいしゅうせん 1983ねんカナダGP
出走しゅっそう優勝ゆうしょう表彰台ひょうしょうだいポールFラップ
2451763
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フェラーリ126C2 (Ferrari 126C2) は、スクーデリア・フェラーリ1982ねんのF1世界せかい選手権せんしゅけん参戦さんせんよう開発かいはつしたフォーミュラ1カーハーベイ・ポスルスウェイト設計せっけいし、1982ねん開幕かいまくせんから最終さいしゅうせんまで使用しようされた。1983ねん開幕かいまくせんからだい8せんまで、改修かいしゅうがた126C2B使用しようされた。

126C2は、バンクかく120のV6ターボ(Compressore)エンジン搭載とうさいマシンの2だい、からられた。

1981ねんよりシャーシデザイナーとして加入かにゅうしたポスルスウェイトのフェラーリだい1さくであり、旧態きゅうたいしていたセミモノコック方式ほうしきから脱却だっきゃくし、一般いっぱんてきなアルミハニカムパネルのフルモノコックシャーシに切替きりかえられた。

当時とうじほかグラウンド・エフェクト・カー同様どうようサイドポンツーンのウィング構造こうぞう最大さいだいした皺寄しわよせでコクピットが前進ぜんしんし、ペダルはぜん車軸しゃじくよりも前方ぜんぽう位置いちしていた。タイヤメーカーはミシュランからグッドイヤーにスイッチ。

エンジンは126CKでチームとしてはじめて導入どうにゅうしたV6ツインターボエンジン(Tipo021エンジン)を継続けいぞく使用しようする。また、アジップ共同きょうどうでウォーターインジェクションの開発かいはつおこない、1982ねんシーズン後半こうはんから実戦じっせん投入とうにゅうされた[1]。エンジンの信頼しんらいせいたかく、エンジントラブルによるリタイヤはなかった[1]

シーズンちゅうにはカーボンディスクブレーキ導入どうにゅう。ヴィルヌーヴの事故じこけてコクピット周辺しゅうへんカーボンパネルの補強ほきょうほどこされた。また、グラウンド・エフェクトのつよダウンフォース対応たいおうするため、フロントサスペンションがロッキングアームからプルロッド方式ほうしき改造かいぞうされた。これにともない、サスペンションをおおっていたボディカウルがくなった。フロントウィングは左右さゆう分割ぶんかつしきから312Tシリーズとおなじシングルプレートにもどされた[ちゅう 1]

シャーシナンバーが055 - 064までのけい10だい新規しんき制作せいさくされ、126CKのシャーシナンバー049Bも126C2された[2]。049Bの126C2はヘッドレストが五角形ごかっけいのすりばちじょうのくぼみがあったため、容易ようい見分みわけがついた[2]

1982ねんシーズン

[編集へんしゅう]

このとし、フェラーリは1979ねん以来いらいとなる、タイトルあらそいにからんできた。1982ねんFOCA(F1製造せいぞうしゃ協会きょうかい)とFISA国際こくさい自動車じどうしゃスポーツ連盟れんめい現在げんざいはFIAが吸収きゅうしゅう)の対立たいりつ激化げきかしたとしでもあった。そのなか様々さまざま事件じけんこった。フェラーリにとっては2人ふたりものドライバーが事故じこによって戦列せんれつり2復帰ふっきすることはかった、悲劇ひげきのシーズンをはしったマシンだった。

ロングビーチでおこなわれただい3せんアメリカ西にしGPで、2まいのリヤウイングを前後ぜんごにずらしてたがちがいに装着そうちゃくし、ウイングのはばをマシンの全幅ぜんはば規定きていいっぱいとした「ダブルウイング」を投入とうにゅう。リヤウイングのはばは1,100mm以下いかとの規定きてい拡大かくだい解釈かいしゃくしたものだったが。これは当時とうじ流行はやったみずタンクを使用しようしたくるまじゅう軽量けいりょう抗議こうぎするものだった。結局けっきょく3フィニッシュしたヴィルヌーヴは失格しっかくとなるが、開幕かいまくせんでのリザルトでのウィリアムズブラバムいきおい失格しっかくとなった。

だい4せんサンマリノGPディディエ・ピローニジル・ヴィルヌーヴのワンツー・フィニッシュとなったが、ピローニがチーム・オーダーを無視むししヴィルヌーヴの優勝ゆうしょううばったことで、ドライバーにん関係かんけい極度きょくど悪化あっかしてしまった。ゾルダーおこなわれたよくだい5せんベルギーGP予選よせんちゅう、126C2をるヴィルヌーヴがヨッヘン・マスマーチ821にげクラッシュ。マシンは前半ぜんはん部分ぶぶん破壊はかいされ、さらにシートベルトがせんれてヴィルヌーヴはマシンからほうされた。結局けっきょくかれ背骨せぼねなど複数ふくすう箇所かしょ骨折こっせつしており、死亡しぼうした。

だい8せんカナダGPではピローニがポールポジションを獲得かくとくするも、スタートでエンジンストール。そこに後方こうほうからのスタートだったオゼッラFA1Cをリカルド・パレッティがフルスピードで衝突しょうとつ。ピローニに怪我けがかったが、パレッティは胸郭きょうかく破裂はれつ死亡しぼうした。

さらにだい12せんドイツGPでは、ピローニがアラン・プロストルノーRE30Bに後方こうほうから激突げきとつ。フロント部分ぶぶん完全かんぜんしつぶされたせいで両足りょうあし粉砕ふんさい骨折こっせつい、F1からの引退いんたい余儀よぎなくされてしまった。

レギュラードライバー2めい相次あいつ不幸ふこうにより、ドライバーズチャンピオン獲得かくとく不可能ふかのうとなったが、代役だいやくとして起用きようされたパトリック・タンベイマリオ・アンドレッティ健闘けんとうし、最終さいしゅうてきに1982ねんのコンストラクターズチャンピオンを獲得かくとくすることができた。

スペック

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シャーシ

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エンジン

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記録きろく

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とし No. ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 ポイント ランキング
RSA
南アフリカ共和国の旗
BRA
ブラジルの旗
USA
アメリカ合衆国の旗
SMR
サンマリノの旗
BEL
ベルギーの旗
MON
モナコの旗
USA
アメリカ合衆国の旗
CAN
カナダの旗
NED
オランダの旗
GBR
イギリスの旗
FRA
フランスの旗
GER
ドイツの旗
AUT
オーストリアの旗
SUI
スイスの旗
ITA
イタリアの旗
USA
アメリカ合衆国の旗
1982 27 カナダの旗 ジル・ヴィルヌーヴ Ret Ret DSQ 2 DNS 74 1
27 フランスの旗 パトリック・タンベイ 8 3 4 1 4 Ret 2 DNS
28 フランスの旗 ディディエ・ピローニ 18 6 Ret 1 DNS 2 3 9 1 2 3 DNS
28 アメリカ合衆国の旗 マリオ・アンドレッティ 3 Ret

126C2Bは1983ねんより導入どうにゅうされたフラットボトム規制きせい対応たいおうするかたちで、126C2を改造かいぞうして製作せいさくされた。グラウンド・エフェクトのダウンフォースが利用りようできなくなったため前後ぜんごのウィングを大型おおがたし、リアウィングのつばさはしばん延長えんちょうして外側そとがわ小形こがたウィングレットけた。また、こう荷重かじゅうかせぐため、ブラバム・BT52同様どうようにラジエターなどのるいをエンジン周辺しゅうへんにまとめ、重量じゅうりょう配分はいぶんうしりにした。

126C2Bは本来ほんらいの1983ねんようマシンである126C3製作せいさくおくれていたため、シーズンなかばのだい8せんカナダGPまで使用しようされ、2しょう4PPと活躍かつやくした。

126C2として製作せいさくされたシャーシのうち、シャーシナンバーが063 - 065までのけい3だいが126C2Bに改修かいしゅうされた[1]

スペック

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シャーシ

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エンジン

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記録きろく

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とし No. ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 ポイント ランキング
BRA
ブラジルの旗
USW
アメリカ合衆国の旗
FRA
フランスの旗
SMR
サンマリノの旗
MON
モナコの旗
BEL
ベルギーの旗
USE
アメリカ合衆国の旗
CAN
カナダの旗
GBR
イギリスの旗
GER
ドイツの旗
AUT
オーストリアの旗
NED
オランダの旗
ITA
イタリアの旗
EUR
欧州連合の旗
RSA
南アフリカ連邦の旗
1983 27 フランスの旗 パトリック・タンベイ 5 Ret 4 1 4 2 Ret 3 89 1
28 フランスの旗 ルネ・アルヌー 10 3 7 3 Ret Ret Ret 1

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ フロントウィングをはずしたレースもある。

出典しゅってん

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  1. ^ a b c 『F1Modeling』Vol.48、東邦とうほう出版しゅっぱん、2011ねん、p.6、ISBN 9784809409837
  2. ^ a b 『F1 Model Cars』ネコ・パブリッシング、2009ねん、P.92ぺーじISBN 9784777007943 
  3. ^ 『F1 Model Cars』ネコ・パブリッシング、2009ねん、P.93ぺーじISBN 9784777007943