ジョディー・シェクター

ジョディー・シェクター
1979年ねんモナコGPにて
基本きほん情報じょうほう
フルネーム	ジョディー・デイヴィッド・シェクター
国籍こくせき	南みなみアフリカ共和きょうわ国こく
出身しゅっしん地ち	南みなみアフリカ連邦れんぽう 同どう・イースト・ロンドン
生年月日せいねんがっぴ	(1950-01-29) 1950年ねん1月がつ29日にち（74歳さい）
F1での経歴けいれき
活動かつどう時期じき	1972-1980
所属しょぞくチーム	'72-'73 マクラーレン '74-'76 ティレル '77-'78 ウルフ '79-'80 フェラーリ
出走しゅっそう回数かいすう	112
タイトル	1 (1979)
優勝ゆうしょう回数かいすう	10
表彰台ひょうしょうだい(3位い以内いない)回数かいすう	33
通算つうさん獲得かくとくポイント	255
ポールポジション	3
ファステストラップ	5
初戦しょせん	1972年ねんアメリカGP
初はつ勝利しょうり	1974年ねんスウェーデンGP
最終さいしゅう勝利しょうり	1979年ねんイタリアGP
最終さいしゅう戦せん	1980年ねんアメリカ東ひがしGP

ジョディー・デイヴィッド・シェクター（Jody David Scheckter, 1950年ねん1月がつ29日にち - ）は、南みなみアフリカ生うまれのレーシングドライバー。1979年ねんのF1ワールドチャンピオンであるが、2000年ねんにミハエル・シューマッハが達成たっせいするまでの21年間ねんかん、フェラーリでドライバーズ・チャンピオンを獲得かくとくした最後さいごのドライバーであった。

愛称あいしょうは「リトル・ベアー（小熊こぐま）」。兄あにのイアン・シェクターもF1ドライバーで、息子むすこのトーマス・シェクターはインディカー・シリーズに参戦さんせんしていた。

経歴けいれき

レースキャリア

1970年ねんに南みなみアフリカのフォーミュラ・フォード・シリーズで優勝ゆうしょうし、ヨーロッパ行いきのチャンスを得えた。ジュニアカテゴリでの活躍かつやくが注目ちゅうもくされ、1972年ねんにマクラーレンからスポット参戦さんせんでF1デビューした。

1973年ねんもマクラーレンのサードカーでスポット参戦さんせん。デビュー3戦せん目めとなるフランスGPでは一時いちじトップを走行そうこうしたが、エマーソン・フィッティパルディと絡からんでリタイアした。続つづくイギリスGPではピット前まえでスピンして後続こうぞく8台だいを巻まき込こむ多重たじゅう接触せっしょく事故じこを起おこし、F1史上しじょう初はつの赤旗あかはたレース中断ちゅうだんの原因げんいんを作つくり、一時いちじ休養きゅうようを命めいじられた。復帰ふっき戦せんのカナダGPではティレルのフランソワ・セベールとまた接触せっしょく事故じこを起おこしクラッシュするが、速はやさに着目ちゃくもくしたケン・ティレルは翌年よくねんに向むけセベールのチームメイトとしてシェクターにオファーし契約けいやくする。

当時とうじは才能さいのうと同時どうじにその非常ひじょうに攻撃こうげき的てきなドライビングスタイルが目立めだっていたが、1973年ねんの最終さいしゅう戦せんアメリカGPで、翌年よくねんチームメイトになる予定よていだったセベールが惨死ざんしする現場げんばを目撃もくげきして以来いらい、安全あんぜんを第だい一いちと考かんがえる姿勢しせいに変かわった。「私わたしは彼かれの死亡しぼう事故じこの現場げんばに、最初さいしょにたどり着ついたドライバーでした。その時とき私わたしは初はじめて、本当ほんとうにこのスポーツで死しぬ事ことがあるのだと思おもいました。今いままで死亡しぼう事故じこの話はなしを聞きいてはいましたが、それは私わたしとは違ちがう世界せかいで起おきている事ことだとずっと思おもっていました。でも彼かれ（セベール）の死亡しぼう事故じこを目まの当あたりにして以来いらい、『攻せめの走はしりをいつもする必要ひつようはない、このままでは本当ほんとうに死しんでしまう』と信しんじるようになったのです」とコメントした。

ティレル・P34に乗のるシェクター（1976年ねん）

ウルフ・WR1に乗のるシェクター

1974年ねんにティレルからフル参戦さんせんを果はたすと、早はやくもそのシーズンのスウェーデンGPで初はつ優勝ゆうしょうを達成たっせいし、チャンピオン争あらそいを演えんじた。1976年ねんには、6輪りん車しゃ「P34」を駆かり、スウェーデンGPでは、チームメイトのパトリック・デパイユと共ともに、1-2フィニッシュを果はたした（これはF1の歴史れきしにおいて、「4輪りんでない」車しゃが優勝ゆうしょうした唯一ゆいいつの記録きろくである）。

1977年ねんには、この年としより参戦さんせんを果はたしたウルフチームへ移籍いせきした。いきなりデビュー戦せんとなるアルゼンチンGPで優勝ゆうしょうを果はたすなど、シーズン3勝しょうを挙あげてランキング2位いと活躍かつやく。翌年よくねんは低迷ていめいしたものの、実績じっせきが認みとめられて名門めいもんフェラーリへ招まねかれた。

1979年ねんにフェラーリへ移籍いせきし、いぶし銀ぎんの走はしりで3勝しょうを挙あげ、初はつのワールド・チャンピオンを獲得かくとくした。この年としはチームメイトのジル・ヴィルヌーヴもランキング2位いになり、コンストラクターズ・チャンピオンも獲得かくとくするなど、フェラーリ勢ぜいがグランプリ界かいを席巻せっけんした印象いんしょうであった。シェクターは常つねに全力ぜんりょく走行そうこうのヴィルヌーブを「かつての自分じぶんのようだ」と認みとめる一方いっぽう、自みずからはチャンピオン獲得かくとくのため堅実けんじつにポイントを稼かせぐプロフェッショナルなレース運はこびをみせた。また、二人ふたりの関係かんけいは良好りょうこうで、ヴィルヌーヴはナンバー2ドライバーとして、ナンバー1ドライバーのシェクターをよく補佐ほさした。

ところが、翌よく1980年ねんのマシン「312T5」は駄作ださくで、一転いってんしてフェラーリはコンストラクターズ10位いに沈しずむ。前年ぜんねんに113ポイントを獲得かくとくしたというのに、この年としはわずか8ポイントにとどまった。シェクターも走はしらないマシンに手てを焼やき、終盤しゅうばんのカナダGPでは予選よせん落おちを喫きっしてしまう。首脳しゅのう陣じんとの関係かんけいは悪化あっかし、「今いまのフェラーリはマシンが爆発ばくはつ炎上えんじょうして粉々こなごなになってもドライバーを無傷むきずで守まもってくれるほど頑丈がんじょうなカミオン（トラック）だ」と言いい切きり、シェクターは30歳さいの若わかさでF1から引退いんたいしてしまった。

引退いんたい後ご

その後ごは、アメリカで護身ごしん用兵ようへい器きの訓練くんれんを扱あつかうビジネスを立たち上あげ、実業じつぎょう家かとしても成功せいこうを収おさめる。『世界せかいまるごとHOWマッチ』（毎日放送まいにちほうそう）に「映像えいぞう機器きき販売はんばい会社かいしゃの社長しゃちょう」として登場とうじょうしたり、湾岸わんがん戦争せんそうでは軍事ぐんじ評論ひょうろん家かとしてCNNに出演しゅつえんした。

その後ご、会社かいしゃを売却ばいきゃくして巨額きょがくの資産しさんを得えており、イギリスのスポーツ選手せんしゅ長者ちょうじゃ番付ばんづけでは上位じょういにランクインしている。2010年ねんにおける推定すいてい資産しさんは6,000万まんポンド（約やく86億おく1,600万まん円えん）。現在げんざいはイギリスハンプシャー州しゅうで有機ゆうき農業のうぎょうを営いとなんでおり、ホンダF1チームのスポンサーとして、ケータリングの食材しょくざいを供給きょうきゅうした。

F1での年度ねんど別べつ成績せいせき

年とし	所属しょぞくチーム	シャシー	1	2	3	4	5	6	7	8	9	10	11	12	13	14	15	16	17	WDC	ポイント
1972年ねん	マクラーレン	M19A	ARG	RSA	ESP	MON	BEL	FRA	GBR	GER	AUT	ITA	CAN	USA 9						NC (29位い)	0
1973年ねん			ARG	BRA	RSA 9	ESP	BEL	MON	SWE											NC (29位い)	0
		M23								FRA Ret	GBR Ret	NED	GER	AUT	ITA	CAN Ret	USA Ret
1974年ねん	ティレル	006	ARG Ret	BRA 13	RSA 8															3位い	45
		007				ESP 5	BEL 3	MON 2	SWE 1	NED 5	FRA 4	GBR 1	GER 2	AUT Ret	ITA 3	CAN Ret	USA Ret
1975年ねん			ARG 11	BRA Ret	RSA 1	ESP Ret	MON 7	BEL 2	SWE 7	NED 16	FRA 9	GBR 3	GER Ret	AUT 8	ITA 8	USA 6				7位い	20
1976年ねん			BRA 5	RSA 4	USW Ret	ESP Ret														3位い	49
		P34					BEL 4	MON 2	SWE 1	FRA 6	GBR 2	GER 2	AUT Ret	NED 5	ITA 5	CAN 4	USA 2	JPN Ret
1977年ねん	ウルフ	WR1	ARG 1	BRA Ret	RSA 2	USW 3		MON 1		SWE Ret		GBR Ret				ITA Ret		CAN 1		2位い	55
		WR2					ESP 3						GER 2		NED 3		USA 3
		WR3							BEL Ret		FRA Ret			AUT Ret					JPN 10
1978年ねん		WR4	ARG 10																	7位い	24
		WR1		BRA Ret	RSA Ret		MON 3	BEL Ret
		WR3				USW Ret
		WR5							ESP 4	SWE Ret	FRA 6	GBR Ret	GER 2	AUT Ret		ITA 12
		WR6													NED 12		USA 3	CAN 2
1979年ねん	フェラーリ	312T3	ARG Ret	BRA 6																1位い	51 (60)
		312T4			RSA 2	USW 2	ESP 4	BEL 1	MON 1	FRA 7	GBR 5	GER 4	AUT 4	NED 2	ITA 1	CAN 4	USA Ret
1980年ねん		312T5	ARG Ret	BRA Ret	RSA Ret	USW 5	BEL 8	MON Ret	FRA 12	GBR 10	GER 13	AUT 13	NED 9	ITA 8	CAN DNQ	USA 11				19位い	2

• 太字ふとじはポールポジション、斜はす字じはファステストラップ。(key)

補足ほそく

• 1973年ねんカナダGPとアメリカGPに於おいてF1で初はじめてカーナンバー0番ばんを付つけている。カーナンバー0番ばんをつけたドライバーは他たに1993年ねんのデイモン・ヒルがいるだけであるが、ヒルもシェクターと同おなじく、後のちにドライバーズ・チャンピオンを獲得かくとくしている。

関連かんれん項目こうもく

• モータースポーツ
• F1世界せかいチャンピオンの一覧いちらん
• ドライバー一覧いちらん
• F1ドライバーの一覧いちらん

外部がいぶリンク

タイトル
先代せんだい マリオ・アンドレッティ	F1ドライバーズチャンピオン 1979年ねん	次代じだい アラン・ジョーンズ