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ボツリヌスしょう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ボツリヌス中毒ちゅうどくから転送てんそう
ボツリヌスしょう
Botulism
14さいのボツリヌスしょう患者かんじゃすじよわって眼瞼がんけん下垂かすいしょうられたり(ひだり)、瞳孔どうこうひらいてうごかない(みぎ)などの特徴とくちょうがある。当人とうにん意識いしき鮮明せんめいである。
発音はつおん [ˈbɒtjʊlɪzəm]
概要がいよう
診療しんりょう 感染かんせんしょう消化しょうかがく
症状しょうじょう 衰弱すいじゃく視界しかい不良ふりょう倦怠けんたいかん発話はつわ不良ふりょう
発症はっしょう時期じき 12-72あいだ
継続けいぞく期間きかん 様々さまざま
原因げんいん ボツリヌスきん
診断しんだんほう ボツリヌスきんまたはどう毒素どくそ検知けんち
鑑別かんべつ 重症じゅうしょうすじ無力むりょくしょうギラン・バレー症候群しょうこうぐんすじ萎縮いしゅくせいがわさく硬化こうかしょうランバート・イートンすじ症候群しょうこうぐん
合併症がっぺいしょう 呼吸こきゅう不全ふぜん
予防よぼう 適切てきせつ食品しょくひん調理ちょうり、1さい未満みまん乳児にゅうじ蜂蜜はちみつあたえない
治療ちりょう 抗毒素こうどくそ抗生こうせい物質ぶっしつ人工じんこう呼吸こきゅう
~7.5%で致死ちしリスク
分類ぶんるいおよび外部がいぶ参照さんしょう情報じょうほう
Patient UK ボツリヌスしょう
Botulism

ボツリヌスしょう(ボツリヌスしょう えい:botulism)は、ボツリヌスきんよりさんされた毒素どくそによってこされる神経しんけいすじ麻痺まひせい疾患しっかんであり[1][2]生命せいめい危険きけんおよ場合ばあいもある。この病気びょうきは、衰弱すいじゃく視力しりょくのかすみ、倦怠けんたいかん発話はつわ不良ふりょうからはじまる。そのうでむねすじあし衰弱すいじゃくつづ場合ばあいがある。嘔吐おうと腹部ふくぶれ、下痢げりこる場合ばあいがある。この病気びょうき通常つうじょう意識いしき影響えいきょうあたえたり発熱はつねつこすことはない。

ボツリヌスしょうは、複数ふくすう経路けいろ蔓延まんえんする可能かのうせいがある。原因げんいんとなる芽胞がほうは、土壌どじょうみずのどちらにも普遍ふへんてき存在そんざいする。酸素さんそ濃度のうどひくくて一定いってい温度おんど状態じょうたいさらされると、その芽胞がほうボツリヌス毒素どくそさんせいする。ボツリヌス食中毒しょくちゅうどく食餌しょくじせいボツリヌスしょうとも)[2] は、その毒素どくそふく食品しょくひん経口けいこう摂取せっしゅしたさい発生はっせいする[1]乳児にゅうじボツリヌスしょうは、腸管ちょうかんない芽胞がほう発芽はつがしてどう毒素どくそ放出ほうしゅつしたさい発症はっしょうする[1]。これは通常つうじょう保護ほご機構きこう発達はったつしきっていない生後せいご6ヶ月かげつ未満みまん小児しょうにでのみこる。創傷そうしょうボツリヌスしょうは、芽胞がほう傷口きずぐちはいって酸素さんそ存在そんざいしない場合ばあい毒素どくそ放出ほうしゅつする。これは依存いぞんせい薬物やくぶつ注射ちゅうしゃする人々ひとびとあいだもっと頻繁ひんぱんられるが、日本にっぽんでの報告ほうこくれいは2021ねん3がつまでにゼロけんである[2]。ヒト同士どうしでこの病気びょうき直接ちょくせつ感染かんせんすることはない。患者かんじゃ体内たいないより毒素どくそ細菌さいきん検知けんちすることにより、ボツリヌスしょうだと確定かくてい診断しんだんされる。

予防よぼうおも適切てきせつ食品しょくひん調理ちょうりによる。この毒素どくそは85°C以上いじょうで5ふんちょう加熱かねつすると破壊はかいされるが、電子でんしレンジによる加熱かねつ有効ゆうこうではない[2]蜂蜜はちみつにはこのきんふくまれていることがあり、まだちょうない環境かんきょうととのっていない生後せいご1さい未満みまん小児しょうに蜂蜜はちみつあたえてはならない[3]治療ちりょうには抗毒素こうどくそもちいる。

自発じはつ呼吸こきゅう機能きのうそこなわれた患者かんじゃには人工じんこう呼吸こきゅう数ヶ月すうかげつあいだ必要ひつようになる場合ばあいもある。抗生こうせい物質ぶっしつ創傷そうしょうボツリヌスしょうたいして使用しようされる場合ばあいもある。WHO統計とうけい資料しりょうによれば、罹患りかんしゃの5-10%が死亡しぼうする[4]。ボツリヌスしょう人間にんげん以外いがいおおくの動物どうぶつでも発症はっしょうする。ボツリヌスという言葉ことばは、ソーセージ意味いみするラテン語らてんご"botulus"が由来ゆらいである。

徴候ちょうこう症状しょうじょう[編集へんしゅう]

ボツリヌスしょう筋力きんりょく低下ていかは、脳神経のうしんけいより供給きょうきゅうされる筋肉きんにく眼球がんきゅう運動うんどう制御せいぎょする12の神経しんけいぐん咀嚼そしゃく嚥下えんか制御せいぎょするかおすじ)からはじまるのが特徴とくちょうである。そのためふく眼瞼がんけん下垂かすいしょう表情ひょうじょう喪失そうしつ嚥下えんかといった問題もんだいしょうじる場合ばあいがある。随意筋ずいいきんへの影響えいきょうくわえて、自律じりつ神経しんけい障害しょうがいこす可能かのうせいがある。これは口内こうない乾燥かんそうしょう唾液だえきさんせい減少げんしょう原因げんいん)、起立きりつせいてい血圧けつあつ結果けっかとしてちくらみ失神しっしん危険きけんせいあり)、そして最終さいしゅうてきには便秘べんぴちょう蠕動ぜんどう減少げんしょう原因げんいん)を経験けいけんすることになる[5]。また一部いちぶ毒素どくそ (BがたとEがた[注釈ちゅうしゃく 1]嘔吐おうと発話はつわ障害しょうがいなどもこす[5]衰弱すいじゃくはやがてうでかたからはじまって前腕ぜんわんへと進行しんこう)やあし太腿ふとももからあしがる)へとひろがっていく[5]

重度じゅうどのボツリヌスしょう呼吸こきゅうすじ運動うんどう低下ていかさせ、そのためガス交換こうかん支障ししょうをきたす。これは呼吸こきゅう困難こんなんとして経験けいけんされる場合ばあいもあるが、重度じゅうどときされない二酸化炭素にさんかたんそ蓄積ちくせきとその結果けっかこるのうへの抑制よくせい効果こうかによって呼吸こきゅう不全ふぜんにまでいたりかねない。これが処置しょちされていなかったときには呼吸こきゅう停止ていしにつながる場合ばあいもある[5]

臨床りんしょうおおくの場合ばあいたま麻痺まひかつしたぎょうせい麻痺まひ発熱はつねつはない、意識いしき精神せいしん状態じょうたい清明せいめい、という古典こてんてきさん大観たいかんてんからボツリヌスしょう症状しょうじょうだとかんがえる[6]

乳児にゅうじボツリヌスしょう[編集へんしゅう]

ボツリヌスしょう乳児にゅうじは、睡眠すいみん状態じょうたいでないときでさえけることもうごくこともできない。ごえ弱々よわよわしい

乳児にゅうじボツリヌスしょうフロッピーインファントとして言及げんきゅうされたりもする)は1976ねんはじめて認識にんしきされ、米国べいこくもっと一般いっぱんてきなボツリヌスしょう形態けいたいである。生後せいご1ねん未満みまん乳児にゅうじがこのボツリヌスしょうかかりやすく、症例しょうれいの90%以上いじょうが6ヶ月かげつ未満みまん乳児にゅうじこる[7]乳児にゅうじボツリヌスしょうは、ボツリヌスきん芽胞がほう摂取せっしゅと、その小腸しょうちょうにおける定着ていちゃく結果けっかとして発現はつげんする。ちょうない微生物びせいぶつくさむら正常せいじょうなフローラ)の組成そせいがボツリヌスきんたたかって成長せいちょう阻害そがいするのにまだ不十分ふじゅうぶんであり、胆汁たんじゅうさん濃度のうど高齢こうれいのそれよりもひく場合ばあい乳児にゅうじちょうきん定着ていちゃくしてしまう場合ばあいがある[8]

芽胞がほう発芽はつがはボツリヌス毒素どくそ放出ほうしゅつし、これがのちりゅう吸収きゅうしゅうされて全身ぜんしんまれ、神経しんけいすじ接合せつごうアセチルコリン放出ほうしゅつ遮断しゃだんすることによって麻痺まひこす。乳児にゅうじボツリヌスしょう典型てんけいてき症状しょうじょうには、便秘べんぴ無気力むきりょく衰弱すいじゃく摂食せっしょく障害しょうがい、おかしなごえなどがあり、完全かんぜん下降かこうせい弛緩しかんせい麻痺まひへと進行しんこうすることがおおい。便秘べんぴ乳児にゅうじボツリヌスしょう最初さいしょ典型てんけいてき症状しょうじょうであるが、それは一般いっぱんてき見落みおとされている[9]

蜂蜜はちみつはボツリヌスきん芽胞がほうふく食物しょくもつとしてられており、乳児にゅうじボツリヌスしょうつながるとされている。このため1さい未満みまん乳児にゅうじ蜂蜜はちみつ推奨すいしょうされない[3][8]。ただし、乳児にゅうじボツリヌスしょうおおくの症例しょうれい自然しぜん環境かんきょうから芽胞がほうんだことでこされたとかんがえられている。ボツリヌスきん土壌どじょうちゅう普遍ふへんてきつねましましている細菌さいきんである。おおくの乳児にゅうじボツリヌスしょう患者かんじゃは、建設けんせつ現場げんば土壌どじょう攪乱かくらんした地域ちいき付近ふきん生活せいかつしていたことが実証じっしょうされている[10]

乳児にゅうじボツリヌスしょうは、米国べいこくの50しゅうのうち49しゅう(ロードアイランドしゅう被害ひがいなし)で報告ほうこくされており[7]日本にっぽんふくむ5大陸たいりく26カ国かこくでこの症例しょうれい確認かくにんされている[11]

合併症がっぺいしょう[編集へんしゅう]

乳児にゅうじボツリヌスしょう長期ちょうきてきふく疾患しっかんともなわないが、院内いんない感染かんせんによる合併症がっぺいしょうこす可能かのうせいがある。

ボツリヌスしょう呼吸こきゅう不全ふぜんのためいた可能かのうせいがある。ただし、対症療法たいしょうりょうほう改善かいぜんのため過去かこ50年間ねんかんでボツリヌスしょう死亡しぼうした患者かんじゃ割合わりあいやく50%から7%へと低下ていかした[よう出典しゅってん]重度じゅうどのボツリヌス中毒ちゅうどく患者かんじゃは、ときには数ヶ月すうかげつおよ人工じんこう呼吸こきゅう集中しゅうちゅうてき医療いりょう介護かいごようする場合ばあいがある。退院たいいんにリハビリ療法りょうほう必要ひつよう場合ばあいもある[12]

原因げんいん[編集へんしゅう]

ボツリヌスきん顕微鏡けんびきょう写真しゃしん

ボツリヌスきん嫌気いやけせい生物せいぶつグラム陽性ようせいきんで、芽胞がほう形成けいせいする桿菌かんきんである。ボツリヌス毒素どくそもっと強力きょうりょく既知きち毒素どくそひとつで、やく1マイクログラム吸入きゅうにゅう人間にんげんにとって致死ちしりょうとなる[13]。この毒素どくそには、からだせい神経しんけいけいにある神経しんけいすじ接合せつごうシナプスぜんまくから刺激しげき神経しんけい伝達でんたつ物質ぶっしつアセチルコリン放出ほうしゅつ抑制よくせいかいして、神経しんけい機能きのう遮断しゃだんする作用さようがあり、これが麻痺まひこす[2]重度じゅうどのボツリヌスしょうは、むねすじ麻痺まひさせることで呼吸こきゅう不全ふぜんこす可能かのうせいがあり、これは呼吸こきゅう停止ていしにまでいたりうる[14]くわえて、ムスカリンせい神経しんけいシナプスぜんまくからのアセチルコリン放出ほうしゅつ阻害そがいされる。これもまた上述じょうじゅつ様々さまざま自律じりつ神経しんけい徴候ちょうこうおよび症状しょうじょうこしうる。

すべての場合ばあいにおいて、この病気びょうきはボツリヌスきん自体じたいではなく嫌気いやけせい条件じょうけんかれたどうきんよりさんされる「ボツリヌス毒素どくそ」によってこされる。損傷そんしょうのパターンは、最初さいしょ毒素どくそ頻発ひんぱつ刺激しげき(だつ分極ぶんきょく)した神経しんけい影響えいきょうあたえるため発生はっせいする[15]

ボツリヌス毒素どくそによる人体じんたい侵入しんにゅうのメカニズムには以下いかのものがある。

腸管ちょうかんでの定着ていちゃく[編集へんしゅう]

西洋せいよう諸国しょこくにおけるもっと一般いっぱんてき形態けいたい乳児にゅうじボツリヌスしょうである。これは、まれてあいだもない時期じき小腸しょうちょうない細菌さいきんとして(ボツリヌスきんが)定着ていちゃくしてしまった乳児にゅうじ発生はっせいする。このきんがやがて毒素どくそ生成せいせいし、それがりゅう吸収きゅうしゅうされる。生後せいご1ねん未満みまん蜂蜜はちみつ摂取せっしゅする行為こういが、乳児にゅうじボツリヌスしょう危険きけん要因よういんだと認定にんていされている[5]。これは症例しょうれいすべての1/5をめる要因よういんである。乳児にゅうじボツリヌスしょう成人せいじん形態けいたいは「成人せいじん腸管ちょうかん定着ていちゃくボツリヌスしょう」とばれるが[1]きわめてまれである[5]

食物しょくもつ[編集へんしゅう]

保存ほぞん適切てきせつでない食品しょくひんちゅう細菌さいきんから生成せいせいされる毒素どくそが、ボツリヌス食中毒しょくちゅうどくもっと一般いっぱんてき原因げんいんである。酸味さんみ塩味しおあじけずに(酢酸さくさんナトリウム濃度のうどたかめずに)んださかなかわぎょずし)や、たかすぎる温度おんど保管ほかんされた燻製くんせいぎょには、不適切ふてきせつ缶詰かんづめ・ビンめされた食品しょくひん同様どうようのリスクがしょうじる。

ボツリヌス食中毒しょくちゅうどくは、てい酸素さんそ状態じょうたいでボツリヌスきん芽胞がほう発芽はつが可能かのうとなった汚染おせんみの食物しょくもつからしょうじる。これは通常つうじょう適切てきせつ塩味しおあじ酸味さんみ使つかわず不適切ふてきせつ調製ちょうせいされた自家製じかせい缶詰かんづめ・ビン保存ほぞん食品しょくひん発酵はっこう食品しょくひん発生はっせいする[16]複数ふくすうひとがしばしばおな資源しげんから食物しょくもつ摂取せっしゅすることを考慮こうりょすると、複数ふくすうひと同時どうじ罹患りかんすることは一般いっぱんてきである。症状しょうじょう一般いっぱんてき食後しょくご12-36あいだあらわれるが、6時間じかん以内いないから10日程にっていあらわれることもある[17]

創傷そうしょう[編集へんしゅう]

創傷そうしょうボツリヌスしょう細菌さいきんによる創傷そうしょう汚染おせんからしょうじ、やがて毒素どくそりゅう分泌ぶんぴつする。これは1990年代ねんだい以降いこう静脈じょうみゃくないへの薬物やくぶつ使用しようしゃとくブラック・タール・ヘロイン使用しようしている人々ひとびと静脈じょうみゃくではないが皮膚ひふにヘロインを注入ちゅうにゅうする人々ひとびと)でより一般いっぱんてきとなっている[5]。(米国べいこくでは)創傷そうしょうボツリヌスしょう症例しょうれいの29%をめる。一方いっぽう日本にっぽんでは2020ねんまでに届出とどけでれい[2]

吸入きゅうにゅう[編集へんしゅう]

ボツリヌスしょう特殊とくしゅれいは、実験じっけんしつ研究けんきゅうしゃによる吸入きゅうにゅう記述きじゅつされている[18]

注射ちゅうしゃ[編集へんしゅう]

ボツリヌスしょう症状しょうじょうは、ボツリヌス毒素どくそ注射ちゅうしゃ部位ぶいからはなれた部位ぶい発生はっせいする場合ばあいがある[19]。これには、強度きょうど喪失そうしつ視力しりょくのかすみ、こえ変化へんかいたりうる呼吸こきゅう困難こんなんなどもふくまれる[19]発症はっしょう注射ちゅうしゃすうあいだからすう週間しゅうかんこる可能かのうせいがある[19]。これは一般いっぱんてきに、化粧けしょうひん使用しようによるボツリヌス毒素どくそ不適切ふてきせつつよさ、または運動うんどう障害しょうがい治療ちりょう使用しようされる過剰かじょう用量ようりょう原因げんいんでのみ発生はっせいする[5]。2008ねん報告ほうこくしょけて、FDAはこれらの懸念けねん黒枠くろわく警告けいこく (Boxed warningにして追加ついかした[20]

メカニズム[編集へんしゅう]

この毒素どくそは、ノストリジウムぞくのボツリヌスきんによって嫌気いやけせい条件じょうけん酸素さんそがない場合ばあいしたさんされるタンパク質たんぱくしつボツリヌス毒素どくそである。

ボツリヌスきんは、末端まったん芽胞がほう形成けいせいする大型おおがた嫌気いやけせいグラム陽性ようせいきんである[21]

血清けっせい学的がくてきにはAからHの大文字おおもじしめされる8つの細菌さいきん変種へんしゅがある。これら毒素どくそはいずれもおなじようにい、たような症状しょうじょうす。運動うんどう神経しんけいまつはしではアセチルコリン放出ほうしゅつ阻害そがいされて、弛緩しかんせい麻痺まひ視力しりょく障害しょうがい眼瞼がんけん下垂かすい嘔吐おうと下痢げりまたは便秘べんぴ痙攣けいれん呼吸こきゅう困難こんなんこす。

ボツリヌス毒素どくそは8種類しゅるい神経しんけいどく(A・B・C[C1・C2]・D・E・F・Gがた)に分類ぶんるいされ、抗原こうげんてきかつ血清けっせいてき区別くべつできるが構造こうぞうてきには類似るいじしている。ヒトボツリヌスしょうおもにA・B・Eがたおよび(まれに)Fがたこされる。C・Dがたはヒト以外いがい動物どうぶつでのみ毒性どくせいこす[22]

2013ねん10がつ科学かがくしゃたちは40ねんぶりにボツリヌスしょうあらたな神経しんけいどくHがた発見はっけんしたとのニュースを発表はっぴょうした。しかしその研究けんきゅうでは、HがたがFとAのかく部分ぶぶん構成こうせいされたキメラ毒素どくそであることがしめされた[23]

一部いちぶかた特徴とくちょうてき腐敗ふはいしゅう生成せいせいし、にく消化しょうかする(Aがた一部いちぶのBがた、Fがた)。これらはタンパク質たんぱくしつ分解ぶんかいせいわれる。Eがた一部いちぶのB、C、D、Fがたタンパク質たんぱくしつ分解ぶんかいせいで、それらに関連かんれんする強烈きょうれつしゅうがないため検出けんしゅつできないこともある[21]

この細菌さいきんはストレスをけているとき活性かっせい芽胞がほう発症はっしょうする。かれらの自然しぜん生息せいそく土壌どじょうちゅうであったり小川おがわみずうみ沿岸えんがん海洋かいようなどのそこ堆積たいせきする沈泥であり、一部いちぶきん哺乳類ほにゅうるい(たとえば、うまうし人間にんげん)の腸管ちょうかん自然しぜんつねましましていて、その排泄はいせつぶつ存在そんざいする。芽胞がほうなんねんものあいだ活性かっせいかたち生存せいぞんしていられる[24]

毒素どくそは、芽胞がほう成長せいちょうにとって環境かんきょう条件じょうけんこのましいときにこの細菌さいきんからさんされるが、毒素どくそタンパク質たんぱくしつ指定していする遺伝子いでんしは、実際じっさいには細菌さいきん感染かんせんするウイルスやファージによってはこばれる。残念ざんねんながら、細菌さいきんないのファージ感染かんせんおよび複製ふくせい制御せいぎょする自然しぜん要因よういんについてはほとんられていない[25]

この芽胞がほうは、活性かっせい毒素どくそさんせいするのに、あたたかい温度おんどタンパク質たんぱくしつげん嫌気いやけせい環境かんきょう水分すいぶん必要ひつようとする。野生やせいでは、植生しょくせい脊椎動物せきついどうぶつ分解ぶんかいあたたかい温度おんどわさるとボツリヌスきんにとって理想りそうてき条件じょうけんとなり、とり動物どうぶつえさ影響えいきょうあたえる可能かのうせいがある。ボツリヌス芽胞がほう沸騰ふっとうによって死滅しめつしないが、芽胞がほうからボツリヌス毒素どくそさんせいするには特別とくべつかつ滅多めったられない条件じょうけん常温じょうおん空気くうきがなく、ていしおていさんていとうという環境かんきょうふくむ)が必要ひつようであるため、ボツリヌスしょうまれである[26]

ボツリヌスしょうは、運動うんどうニューロンと筋肉きんにく細胞さいぼうあいだ通信つうしん担当たんとうする神経しんけい伝達でんたつ物質ぶっしつアセチルコリンの放出ほうしゅつ神経しんけいけいない阻害そがいする。すべてのボツリヌスしょう症状しょうじょう麻痺まひをもたらし、これは典型てんけいてきにはかおすじからはじまって手足てあしかってひろがる[5]重症じゅうしょうになるとボツリヌスしょう呼吸こきゅうすじ麻痺まひこし、呼吸こきゅう不全ふぜんこす。この生命せいめいにかかわる合併症がっぺいしょうらして、ボツリヌスしょううたがわれる症例しょうれいすべ医療いりょう緊急きんきゅう事態じたいとしてあつかわれ、公衆こうしゅう衛生えいせい当局とうきょく通常つうじょうその感染かんせんげん特定とくていし、さらなる症例しょうれい発生はっせいするのをふせぐための措置そちこうじる[5]

ボツリヌス毒素どくそAがた、Cがた、EがたSNAP25切断せつだんし、最終さいしゅうてき麻痺まひこす。

診断しんだん[編集へんしゅう]

乳児にゅうじのボツリヌスしょうについては、徴候ちょうこう症状しょうじょう診断しんだんおこな必要ひつようがある。診断しんだん確定かくていは、マウスの生物せいぶつがくてき毒性どくせい試験しけんふくめた便びん浣腸かんちょう標本ひょうほん検査けんさもちいておこなわれる。

病歴びょうれき身体しんたい検査けんさがボツリヌスしょう示唆しさする人達ひとたちなかには、これらのがかりが診断しんだんできるほど十分じゅうぶんではないものもおおい。ギランバレー症候群しょうこうぐん脳卒中のうそっちゅう重症じゅうしょうすじ無力むりょくしょうといったべつ疾患しっかんがボツリヌスしょう同様どうようえることがあり、これらを排除はいじょするために特別とくべつ検査けんさ必要ひつようとなる場合ばあいもある。検査けんさとしては、神経しんけい画像がぞう検査けんさのう脊髄せきずいえき検査けんさ神経しんけい伝導でんどう検査けんさすじでん)、重症じゅうしょうすじ無力むりょくしょう調しらべるエドロホニウム塩化えんかぶつ(テンシロン)試験しけんなどがふくまれる。ボツリヌス毒素どくそ食物しょくもつちょう内容ないようぶつ嘔吐おうとぶつ便びん同定どうていされた場合ばあい確定かくてい診断しんだんくだすことが可能かのうになる。この毒素どくそ急性きゅうせい症例しょうれいだと血液けつえきちゅう時折ときおりられる。ボツリヌス毒素どくそは、酵素こうそ結合けつごう免疫めんえき吸着きゅうちゃく測定そくてい (ELISA) 、電気でんき化学かがく発光はっこう (ECL) 試験しけん、マウスでの接種せっしゅ試験しけん摂食せっしょく試験しけんふく様々さまざま技法ぎほう検知けんち可能かのうである。この毒素どくそはマウスでの中和ちゅうわ試験しけん分類ぶんるい可能かのうである。生体せいたいない生成せいせい毒素どくそ中毒ちゅうどくのボツリヌスしょうでは、その有機ゆうきたい組織そしきから培養ばいようされることがある。卵黄らんおう培地ばいちでは、一般いっぱんてき毒素どくそさんせいコロニーの表面ひょうめん虹色にじいろえる[27]

予防よぼう[編集へんしゅう]

細菌さいきん栄養えいよう形態けいたい煮沸しゃふつによって破壊はかいされるが[28][29]芽胞がほう自体じたい通常つうじょう気圧きあつ沸点ふってん死滅しめつすることはなく、自由じゆう成長せいちょうして条件じょうけんととのったとき毒素どくそ生成せいせいする[30][31]

乳児にゅうじボツリヌスしょう推奨すいしょう予防よぼうさくは、生後せいご12ヶ月かげつ未満みまん乳児にゅうじ蜂蜜はちみつ(しばしばボツリヌス芽胞がほう存在そんざいする)をあたえないことである。いちさい以降いこう小児しょうにおよび成人せいじんでは、通常つうじょうちょうない細菌さいきんがボツリヌスきん増殖ぞうしょく抑制よくせいする[32]

市販しはん缶詰かんづめレトルトパウチ食品しょくひんには、120°Cで4分間ふんかん以上いじょうのボツリヌス加熱かねつ殺菌さっきんおこなわれており[33]、ボツリヌスしょうこすことはまれである[注釈ちゅうしゃく 2]米国べいこくだと、ボツリヌス食中毒しょくちゅうどく症例しょうれいやく15%にぎないもっとめずらしい形態けいたい[34]さん含有がんゆうりょうひく食品しょくひん(ニンジンジュース、アスパラガス、グリーンビーンズ、ビーツ、トウモロコシなど)の自家製じかせい缶詰かんづめ・ビン食品しょくひんからしょうじることがおおい。 日本にっぽんでは、さかな発酵はっこうさせた自家製じかせいめし寿司ずしによる食中毒しょくちゅうどくが1997ねんごろまでおおかったが、自家製じかせいるにつれてめし寿司ずしからのボツリヌス食中毒しょくちゅうどくもほとんど報告ほうこくされなくなった[33]

には、さらにまれ感染かんせんげん米国べいこくではやく10ねんおき)[34]としては、酸味さんみけずあぶらけしたニンニクとハーブ[35]、トウガラシ、アルミはくつつんでおいたきジャガイモやトマト[34]自家製じかせい缶詰かんづめ・ビンめした発酵はっこうぎょがある。

家庭かてい食物しょくもつ缶詰かんづめ・ビンめしたり保存ほぞんする場合ばあいは、衛生えいせい圧力あつりょく温度おんど冷凍れいとう保管ほかん注意ちゅういするべきである。家庭かていでの保管ほかんでは、リンゴ、なし核果かっか、ベリーるいなど酸性さんせい果物くだもののみをビンめするべきである。熱帯ねったい原産げんさんのフルーツやトマトは酸味さんみひくいのでビンめするまえ酸味さんみくわえる必要ひつようがある[36]

てい酸性さんせい食品しょくひんはpHが4.6以上いじょうのもので、赤身あかみにく魚介ぎょかいるい家禽かきん牛乳ぎゅうにゅう、(トマト以外いがいの)なま野菜やさいすべてがふくまれる。てい酸性さんせい食品しょくひん酸性さんせい食品しょくひん混合こんごうぶつ大半たいはんは、pHが4.6以上いじょうである(酸性さんせい十分じゅうぶんなレモンじるクエン酸くえんさんがレシピにはいっている場合ばあいのぞく)。酸性さんせい食品しょくひんのpHは4.6以下いかであり、果物くだもの、ピクルス、ザワークラウト、ジャム、ゼリー、マーマレード、フルーツバターなどがふくまれる[37]。トマトは一般いっぱん酸性さんせい食品しょくひんなされているが、一部いちぶのものは現在げんざいpHが4.6をわずかに上回うわまわっている。これはイチジクも同様どうようである。そのため、これらを酸性さんせい食品しょくひんとして缶詰かんづめにする場合ばあい、レモンじるまたはクエン酸くえんさんでpH4.6以下いか酸性さんせいする必要ひつようがある。適切てきせつ酸性さんせいされたトマトとイチジクは酸性さんせい食品しょくひんであり、煮沸しゃふつかん安全あんぜん処理しょりすることができる[37]

なまのニンニクやハーブをけてあるあぶらは、酸性さんせいさせて冷蔵れいぞうする必要ひつようがある。アルミホイルでつつきしたジャガイモは、提供ていきょうないし冷蔵れいぞうするまで温度おんどたも必要ひつようがある。ボツリヌス毒素どくそ高温こうおん破壊はかいされるため、自家製じかせい缶詰かんづめ・ビン食品しょくひんべるまえに10分間ふんかんるのが最良さいりょうさくである[38]細菌さいきん増殖ぞうしょくしている食品しょくひんめた金属きんぞくかんは、細菌さいきん増殖ぞうしょくによるガスさんせいのため外側そとがわふくらむ可能かのうせいがあり、そうしたかん破棄はきするべきである[39]

熱処理ねつしょりされたのち気密きみつせいがあるはずなのにそうでない兆候ちょうこうられる食品しょくひん容器ようきたとえばさび物理ぶつりてき損傷そんしょうによる穿孔せんこうがある金属きんぞくかんなど)は廃棄はいきするべきである。ボツリヌスきんのみに汚染おせんされた缶詰かんづめ食品しょくひんは、容器ようき食品しょくひん視覚しかくてき違和感いわかんこさない場合ばあいがある。製造せいぞうにおける十分じゅうぶん熱処理ねつしょり保証ほしょうおよびそれ以降いこう汚染おせんルートがいこと(食品しょくひんトレーサビリティ)だけが食品しょくひん安全あんぜん指標しひょうとして使用しようされるべきである。

ハム、ベーコン、ソーセージなどの加工かこうにく硝酸塩しょうさんえん硝酸塩しょうさんえん添加てんかすると、ボツリヌスきん成長せいちょうおよび毒素どくそさんせい減少げんしょうする。[40]

ワクチン[編集へんしゅう]

ワクチン開発かいはつちゅうながら欠点けってんがあり、場合ばあいによっては危険きけん生来せいらい活動かつどうもどりかねないという懸念けねんがある[4]。2017ねん時点じてんで、よりいワクチンを開発かいはつする研究けんきゅう実施じっしされていたが、米国べいこくFDAはこうボツリヌスしょうワクチンを承認しょうにんしなかった[41][42]

治療ちりょう[編集へんしゅう]

ボツリヌスしょう一般いっぱんてきにボツリヌスの抗毒素こうどくそ対症療法たいしょうりょうほう治療ちりょうされる[4]

ボツリヌスしょう対症療法たいしょうりょうほうには、呼吸こきゅう機能きのう監視かんしふくまれる。麻痺まひによる呼吸こきゅう不全ふぜんは、2-8週間しゅうかん機械きかい換気かんきくわえて集中しゅうちゅうてき医療いりょう介護かいご必要ひつようとする場合ばあいがある。その麻痺まひ一般いっぱんてきあたらしい神経しんけいすじ接続せつぞく形成けいせいされるにつれて改善かいぜんする[43]

一部いちぶ腹部ふくぶ症例しょうれいでは、 医師いし嘔吐おうと誘発ゆうはつさせたり浣腸かんちょうもちいて消化しょうかかんにまだのこっている汚染おせん食品しょくひんのぞこうとする場合ばあいがある。創傷そうしょう通常つうじょう外科げかてき治療ちりょうされ、毒素どくそさんせい細菌さいきん供給きょうきゅうげん除去じょきょする[44]

抗毒素こうどくそ[編集へんしゅう]

ボツリヌスしょう抗毒素こうどくそは、受動じゅどう免疫めんえきによって循環じゅんかんけいのボツリヌス毒素どくそ中和ちゅうわする抗体こうたい構成こうせいされている[45]。これは、さらなる毒素どくそ神経しんけいすじ接合せつごうはたらきかけるのをふせいでくれるが、すで罹患りかんした麻痺まひ回復かいふくさせることはない[45]

成人せいじんでは、ボツリヌス毒素どくそのA、B、Eがた対抗たいこうするようつくられた抗体こうたいふくむ3抗毒素こうどくそもっと一般いっぱんてき使用しようされる。しかし、2013ねんに7のボツリヌス抗毒素こうどくそ開発かいはつされ、米国べいこくFDAによって承認しょうにんされた[14][46]乳児にゅうじでは、乳児にゅうじ血清けっせいびょう発症はっしょうしたりうま由来ゆらいタンパク質たんぱくしつたいする持続じぞくてき過敏かびんしょうこすおそれがあり、うま由来ゆらい抗毒素こうどくそ使つかわれない場合ばあいもある[47]。これを打開だかいするため、ヒト由来ゆらい抗毒素こうどくそ開発かいはつされて、2003ねん乳児にゅうじボツリヌスしょう治療ちりょうようとして米国べいこくFDAに承認しょうにんされた[48]。このヒト由来ゆらい抗毒素こうどくそは、乳児にゅうじボツリヌスしょう治療ちりょうたいして安全あんぜんかつ効果こうかてきであることがしめされている[48][49]。ただし、乳児にゅうじたいするうま由来ゆらい抗毒素こうどくそ危険きけんせい明確めいかく確立かくりつされておらず、うま由来ゆらい抗毒素こうどくそ乳児にゅうじボツリヌスしょう治療ちりょう安全あんぜんかつ効果こうかてきであることをしめした研究けんきゅうもある[47]

3(A・B・E)ボツリヌス抗毒素こうどくそは、抗体こうたいすべてがうま由来ゆらいである。米国べいこくでは、この抗毒素こうどくそCDCかいして地元じもと保健ほけんきょくから入手にゅうしゅ可能かのうである。だい2の抗毒素こうどくそは、7(A・B・C・D・E・F・G)ボツリヌス抗毒素こうどくそは「だっうまIgG抗体こうたい由来ゆらいする。この免疫めんえきばらせいすくない抗毒素こうどくそは、禁忌きんきでないかぎ既知きちのボツリヌスしょうのあらゆる菌株きんしゅたいして有効ゆうこうである[50]

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ボツリヌスしょうによってこされる麻痺まひは2-8週間しゅうかん持続じぞくし、この期間きかん対処たいしょ療法りょうほう人工じんこう呼吸こきゅう生命せいめい維持いじするのに必要ひつよう場合ばあいがある[43]。ボツリヌスしょうでは罹患りかんしゃの5-10%が落命らくめいする[4]。ただし、ボツリヌスしょう放置ほうちした場合ばあいは40-50%の症例しょうれい死亡しぼうしてしまう[49]

乳児にゅうじボツリヌスしょう一般いっぱん長期ちょうきてきふく疾患しっかんたないが、治療ちりょう関連かんれん有害ゆうがい事象じしょうによって合併症がっぺいしょうになる可能かのうせいがある。入院にゅういんちゅう乳児にゅうじ死亡しぼう事案じあんは2%未満みまんである[51]

疫学えきがく[編集へんしゅう]

世界せかいてきにボツリヌスしょうはかなりまれであり[4]年間ねんかんやく1000れいである[52]

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく[編集へんしゅう]

米国べいこくでは毎年まいとし平均へいきん145れい報告ほうこくされている。このうちやく65%が乳児にゅうじボツリヌスしょう、20%が創傷そうしょうボツリヌスしょう、15%が食中毒しょくちゅうどくである[53]乳児にゅうじボツリヌスしょうおも散発さんぱつてき流行りゅうこう感染かんせんとの関連かんれんはないとされるが、地理ちりてきおおきなかたよりがある。たとえば1974ねんから1996ねんにかけて、米国べいこく報告ほうこくされた乳児にゅうじボツリヌスしょうぜん症例しょうれいの47%がカリフォルニアしゅう発生はっせいした[53]

1990ねんから2000ねんにかけて、米国べいこく疾病しっぺい管理かんり予防よぼうセンター(CDC)は自国じこくにおける160けんのボツリヌスしょう事案じあんから263れい食中毒しょくちゅうどく個別こべつ症状しょうじょう報告ほうこくし、その死亡しぼうりつは4%だった。アラスカでは39%(58けん・103れい)が発生はっせいし、いずれも伝統でんとうてきなアラスカ先住民せんじゅうみん食品しょくひん起因きいんするものだった。下位かい49しゅうでは、自家製じかせい缶詰かんづめ・ビン食品しょくひんが70事案じあん(やく69%)に関与かんよしており、アスパラガスの保存ほぞん最多さいた原因げんいんだった。2つのレストランがかかわる突発とっぱつ事案じあんでは25にん罹患りかんした。 年間ねんかん症例しょうれいすう中央ちゅうおうは23 (範囲はんい17-43)で、年間ねんかん事案じあんすう中央ちゅうおうは14 (範囲はんい9-24)だった。アラスカしゅう、アイダホしゅう、ワシントンしゅう、オレゴンしゅうもっとおお発生はっせいした。しゅうはいずれも1000まんにんあたり1れい以下いか発生はっせいりつだった[54]

近年きんねん、ボツリヌス食中毒しょくちゅうどく乳児にゅうじボツリヌスしょう症例しょうれいすうはほとんど変化へんかしていないが、創傷そうしょうボツリヌスしょうとくにカリフォルニアしゅうでブラックタールヘロインの使用しようによる増加ぞうかられる[55]

ボツリヌスしょう抗毒素こうどくそ米国べいこくない症例しょうれいかんするぜんデータは、米国べいこく疾病しっぺい管理かんり予防よぼうセンターによって毎年まいとし記録きろくされており、どうウェブサイトに掲載けいさいされる[53]

イギリス[編集へんしゅう]

英国えいこく記録きろくされた最大さいだいのボツリヌス食中毒しょくちゅうどくは1989ねん6がつ発生はっせいした。合計ごうけい27にん患者かんじゃ発病はつびょうし、うち1にん死亡しぼうした。患者かんじゃのうち25にん症状しょうじょうまえしゅうにとあるブランドのヘーゼルナッツヨーグルトをべていた。める措置そちとしては、関係かんけいする生産せいさんしゃによるヨーグルト生産せいさんぜん停止ていし業者ぎょうしゃによるヨーグルト販売はんばい終了しゅうりょう、ヘーゼルナッツ保存ほぞんかんのリコール、あらゆるヘーゼルナッツヨーグルトの消費しょうひけるよう一般いっぱん市民しみん注意ちゅうい喚起かんき、などがあった[56]

中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく[編集へんしゅう]

1958-1983ねんにかけて、中国ちゅうごくでは986けんのボツリヌスしょう突発とっぱつ感染かんせんがあり、罹患りかんした4377にんのうち548にん死亡しぼうした[57]

察布査病[編集へんしゅう]

1949ねんだい国共こっきょう内戦ないせんチャプチャル・シベ自治じちけん西部せいぶにあるシベきょうでチャプチャルびょう(察布査病)とばれるなぞめいた疫病えきびょう感染かんせんがあることが判明はんめいした。その地方ちほう独特どくとく風土病ふうどびょうで、根本こんぽんてき原因げんいんながあいだ不明ふめいのままだった[58]おおくの死者ししゃて、その場所ばしょから一部いちぶ人々ひとびと強制きょうせい退去たいきょさせた[59]

1958ねん専門せんもんチームが保健ほけんしょうから派遣はけんされてこの事案じあん調査ちょうさした。実施じっしされた流行りゅうこう感染かんせん調査ちょうさで、この病気びょうきおもにAがたボツリヌスしょうであることが判明はんめい[60]いくつかの症例しょうれいではBがただった[58]どうチームはまた、ボツリヌスの供給きょうきゅうげん現地げんち発酵はっこう穀物こくもつまめ生肉せいにく食品しょくひんであることを発見はっけんした[59]地域ちいき住民じゅうみんあいだ発酵はっこう技術ぎじゅつ向上こうじょう促進そくしんして、この病気びょうき排除はいじょした。

カナダ[編集へんしゅう]

1985-2015ねんにかけて、カナダで91れいのボツリヌス食中毒しょくちゅうどくしょう確認かくにんされ、その85%がイヌイットのコミュニティ、とくブリティッシュコロンビアしゅうヌナビクカナダ先住民せんじゅうみんで、伝統でんとうてき調理ちょうりされた海洋かいよう哺乳類ほにゅうるいさかな製品せいひんべることから発生はっせいした[61]

ウクライナ[編集へんしゅう]

2017ねん、ウクライナでボツリヌスしょうが70れいあり、8にん死亡しぼうした。前年ぜんねんは115れいで12にん死亡しぼうした。ほとんどの場合ばあいさかな一般いっぱんてき現地げんちもののおつまみによる結果けっかだった[62]

ベトナム[編集へんしゅう]

2020ねん、ベトナムでボツリヌスしょうのいくつかの症例しょうれい報告ほうこくされた。それらはすべ汚染おせんされた野菜やさいパテふく製品せいひん関連かんれんしていた。一部いちぶ患者かんじゃ生命せいめい維持いじ装置そうちけることになった[63][64]

その感染かんせんしやすいたね[編集へんしゅう]

ボツリヌスしょうおおくの脊椎動物せきついどうぶつ脊椎動物せきついどうぶつ発生はっせいしうる。ネズミ、ニワトリ、カエル、金魚きんぎょアメフラシ、イカ、ザリガニ、ショウジョウバエ、ヒルなどでボツリヌスしょう報告ほうこくされている[65]

ボツリヌスしょうによるおおむ水鳥みずとりられ、毎年まいとし1まん-10まんとりがボツリヌスしょうぬ。この疾患しっかん一般いっぱんに「リンバーネック」とばれる。一部いちぶだい規模きぼ流行りゅうこうでは100まん以上いじょうとり場合ばあいもある。アヒルもっと頻繁ひんぱん感染かんせんするとられている。米国べいこく西部せいぶとカナダの動物どうぶつ園内えんないこるアヒルのボツリヌスしょうは「西洋せいようアヒルびょう(western duck sickness)」としてられている[66]。ボツリヌスしょう商業しょうぎょう飼育しいくされた家禽かきんにも感染かんせんする。にわとりでは、死亡しぼうりつすう程度ていどかられの40%までと差異さいがある。

哺乳類ほにゅうるい家畜かちくにおいては、ボツリヌスしょう比較的ひかくてきまれだとおもわれる。ただし、世界せかい一部いちぶ地域ちいきでは、最大さいだい65%という死亡しぼうりつ流行りゅうこう感染かんせんがウシにられる。横臥おうがせい大型おおがた動物どうぶつではかんばしくない。

ウシでは、よだれ、きのなさ、不整ふせいはい尿にょう保持ほじ嚥下えんか障害しょうがい胸部きょうぶ横臥おうがなどの症状しょうじょう場合ばあいがある。一般いっぱん横臥おうがせい動物どうぶつ非常ひじょうとなわせである。ヒツジでは、よだれ、漿液しょうえき鼻腔びこう排出はいしゅつ硬直こうちょく協調きょうちょう運動うんどう失調しっちょうなどの症状しょうじょう場合ばあいがある。腹式呼吸ふくしきこきゅう観察かんさつされる場合ばあいもある。病気びょうき進行しんこうするにつれて、四肢しし麻痺まひしていた場合ばあいがある。とくにアフリカ南部なんぶでは、リン欠乏けつぼううしがクロストリジウム毒素どくそふくほね腐肉ふにく摂取せっしゅし、結果けっかてき跛行はこう麻痺まひせい疾患しっかん(lamsiekte)をわずら傾向けいこうがある。

ウマの臨床りんしょう徴候ちょうこうはウシにている。筋肉きんにく麻痺まひ進行しんこうせいで、一般いっぱんてきには後肢あとあしからはじまり、徐々じょじょ前肢ぜんしくびあたま移動いどうする。死亡しぼう一般いっぱんてき初期しょき症状しょうじょうの24-72あいだこり、呼吸こきゅう麻痺まひ結果けっかである。いくつかの臨床りんしょう徴候ちょうこうがないまま死亡しぼう発見はっけんされる。

ボツリヌスきんCがた毒素どくそスピロヘータ病因びょういんなされており、北欧ほくおう雨期うきおよびあつなつ発生はっせいするうま状態じょうたいである。おも症状しょうじょう咽頭いんとう麻痺まひである[67]

いぬは、とり死骸しがいまたは感染かんせんしたにくないにあるボツリヌスCがた毒素どくそないし芽胞がほう摂取せっしゅしたのち全身ぜんしんせい毒素どくそしょう発症はっしょうする場合ばあいがあるが[68]一般いっぱんてきにボツリヌスCがたのよりじゅうあつし感染かんせん症状しょうじょう弛緩しかんせい麻痺まひなど)にたいせいがある。筋肉きんにく麻痺まひは、心臓しんぞう停止ていし呼吸こきゅう停止ていしによっていた可能かのうせいがある[69]

ぶたはボツリヌスしょうたいして比較的ひかくてきたいせいがある。報告ほうこくされた症状しょうじょうは、食欲しょくよく不振ふしんめない、嘔吐おうと瞳孔どうこう拡張かくちょう筋肉きんにく麻痺まひなどである[70]

家禽かきん野鳥やちょうでは通常つうじょうあしつばさくび、まぶたに 弛緩しかん麻痺まひられる。また毒性どくせい感染かんせん症状しょうじょうがあるブロイラーにわとりは、過剰かじょう尿にょうさんしおふく下痢げりもよお場合ばあいがある。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 人間にんげんたいしてボツリヌスしょうこすどう毒素どくそおもにAがた、Bがた、Eがた、まれにFがたとされている[2]
  2. ^ 米国べいこくでもこの加熱かねつ殺菌さっきん義務付ぎむづけられているが、1978ねんのアラスカサーモンと、2007ねんのキャッスルベリー食品しょくひん会社かいしゃ (Castleberry's Food Companyで、例外れいがいてきなボツリヌスしょう集団しゅうだん発生はっせいこっている。

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外部がいぶリンク[編集へんしゅう]