島津しまつ義弘よしひろ (播磨はりま家か)

凡例はんれい 島津しまつ義弘よしひろ
時代じだい	安土あづち桃山ももやま時代じだい - 江戸えど時代じだい前期ぜんき
生誕せいたん	天正てんしょう2年ねん（1574年ねん）
死没しぼつ	寛永かんえい11年ねん4月がつ16日にち（1634年ねん5月13日にち）
改名かいめい	義弘よしひろ→宗賀そうが（法名ほうみょう）
別名べつめい	通称つうしょう：彦兵衛ひこべえ尉じょう蔵人くろうど
墓所はかしょ	兵庫ひょうご県けんたつの市し龍野たつの町まち大手おおての如来寺にょらいじ
主君しゅくん	豊臣とよとみ秀頼ひでより
氏族しぞく	島津しまつ氏し（播磨はりま島津しまつ氏し）
父母ちちはは	父ちち：島津しまつ忠之ただゆき、母はは：山本やまもと大次郎だいじろう村岡むらおか妹いもうと
兄弟きょうだい	義弘よしひろ、忠之ただゆき
妻つま	宇野うの氏し娘むすめ
子こ	忠ちゅう遠とお、長井ながい忠頼ただより、政之まさゆき

島津しまつ 義弘よしひろ（しまづ よしひろ）は、安土あづち桃山ももやま時代じだいから江戸えど時代じだい前期ぜんきにかけての武将ぶしょう。播磨はりま島津しまつ氏し17代だい当主とうしゅ。

生涯しょうがい

島津しまつ忠之ただゆきの嫡男ちゃくなんとして生うまれる。「天正てんしょう三さん年ねん忠之ただゆきが『青山あおやまの合戦かっせん』で戦死せんしした際さい、義弘よしひろの母はははわずか2歳さいの義弘よしひろを抱かかえ、足軽あしがるを使つかって十文字じゅうもんじ鑓やりをもち、石いし蜘城から領地りょうち下した揖保いぼ庄しょう上村うえむらにかえる。」と伝つたえられる。成人せいじんし、宇野うの氏しの女おんなを娶めとり、彦兵衛ひこべえ尉じょう蔵人くろうど義弘よしひろと名乗なのる。

弟おとうと・佐さ渡守わたしもり忠之ただゆき、長男ちょうなん・蔵人くろうど豊後ぶんご太夫たゆう忠ちゅう遠とお、次男じなん・長井ながい大膳だいぜん大夫たいふ忠頼ただよりと共ともに豊臣とよとみ秀頼ひでよりに仕つかえ、慶長けいちょう19年ねん（1614年ねん）の大坂おおさか冬ふゆの陣じんでは大だい坂城さかきに籠城ろうじょうする。同どう20年ねん（1615年ねん）の大坂おおさか夏なつの陣じん後ご、大坂おおさか城しろを逃のがれて、赤松あかまつ祐ゆう高だからと共ともに網干あぼし大覚寺だいかくじに籠こもる。しかし、池田いけだ勢いきおいに包囲ほういされ、祐ゆう高だかは衆しゅう兵へいを救すくわんとして切腹せっぷくした。逃のがれた義弘よしひろは下した揖保いぼ庄しょう上村うえむらに帰還きかんし剃髪ていはつ、宗賀そうがと名乗なのる。しかし2ヵ月かげつ後ご、上村うえむらを池田いけだ勢ぜいに包囲ほういされ、長男ちょうなん・忠ちゅう遠とお、次男じなん・忠頼ただよりは父ちちに代かわって切腹せっぷくした。

家督かとくは三男さんなん・甚左衛門えもん政之まさゆきが継つぎ、切腹せっぷくした忠ちゅう遠とおの子こ・忠範ただのりは下した揖保いぼ庄西しょうせいの野田のだの郷さと長ちょうとなった。この時代じだい、薩摩さつま藩はんは龍野たつの藩はん領りょうの室津むろつ港みなとを江戸えど・京都きょうとへの拠点きょてんとしており、薩摩さつま公こうが来きた際さいには、道案内みちあんないや上洛じょうらくのお供とも、揖保川いぼがわ東岸とうがんにおいて御座所ござしょを設もうけ、これを迎むかえたりした。こうした交誼こうぎは義弘よしひろの孫まごで19代目だいめの島津しまつ藤太とうた夫おっと義ぎ綱つなの代だいまで続つづいた。

寛永かんえい5年ねん（1628年ねん）正月しょうがつ、「慣例かんれい申さる伝でん之の事こと」を子孫しそんに書かき残のこす。これには文書ぶんしょ類るいを火災かさいなどで失うしなわぬこと、家系かけいは絶たやさず、血縁けつえんを持もって繋つなぐこと、埋葬まいそう方法ほうほうなどが記しるされている（揖保いぼ上じょうの本家ほんけに保存ほぞんされている）。