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ロシアの経済 - Wikipedia
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ロシアの経済けいざい

ロシアの経済けいざい（ロシアのけいざい）は国内こくない総そう生産せいさん（GDP）で世界せかい第だい10位い、購買こうばい力りょく平価へいか換算かんさんでは世界せかい第だい6位いの規模きぼを有ゆうする[# 1]。ロシア連邦れんぽうは豊富ほうふな石油せきゆ、天然てんねんガス、石炭せきたん、貴金属ききんぞく資源しげんを有ゆうし、世界せかい有数ゆうすうの穀物こくもつ生産せいさん・輸出ゆしゅつ国こくでもある[5]。

ロシアの旗 ロシアの経済けいざい
流通りゅうつう貨幣かへいロシア・ルーブル（RUB）
会計かいけい年度ねんど暦年れきねん
貿易ぼうえき機関きかんWTO, CIS, APEC, EURASEC, G20, G8 など
統計とうけい
GDP$2兆ちょう0295億おく (2012年ねん) (名目めいもく; 8位い)[1] $2兆ちょう5090億おく (2012年ねん) (PPP; 6位い)[1]
実質じっしつGDP
成長せいちょう率りつ		3.5% (2012年ねん暫定ざんてい値ち)[2]
1人ひとりあたりの
GDP		$14,221 (2012年ねん) (名目めいもく; 51位い)[1] $18,102 (2012年ねん) (PPP; 37位い)[1]
部門ぶもん別べつGDP農林のうりん漁業ぎょぎょう 4.6%、鉱工業こうこうぎょう 39.1%、サービス産業さんぎょう 56.3% (2007年ねん暫定ざんてい値ち)
インフレ率りつ(CPI)6.6% (2012年ねん暫定ざんてい値ち)[3]
貧困ひんこん線せん
以下いか人口じんこう		13.0% (2010年ねん暫定ざんてい値ち)
労働ろうどう力りょく人口じんこう7,581万まん人にん (2009年ねん暫定ざんてい値ち)
部門ぶもん別べつ
労働ろうどう人口じんこう		農林のうりん漁業ぎょぎょう 10%、鉱工業こうこうぎょう 31.9%、サービス産業さんぎょう 58.1% (2007年ねん暫定ざんてい値ち)
失業しつぎょう率りつ6.6% (2010年ねん9月がつ暫定ざんてい値ち)
主要しゅよう産業さんぎょう石炭せきたん、石油せきゆ、天然てんねんガス、化学かがく、金属きんぞく産業さんぎょう等とう; 航空こうくう宇宙うちゅう産業さんぎょう; レーダー、ミサイル製品せいひんを含ふくむ軍事ぐんじ産業さんぎょう、電子でんし部品ぶひん、造船ぞうせん; 道路どうろ及および鉄道てつどう輸送ゆそう設備せつび; 通信つうしん機器きき; 農業のうぎょう機械きかい、トラクター及および建設けんせつ機械きかい; 発電はつでん設備せつび; 医療いりょう及および科学かがく計器けいき; 食料しょくりょう品ひんなど
ビジネス環境かんきょう
順位じゅんい		123位い（2011年ねんランク）[4]
貿易ぼうえき
輸出ゆしゅつ$3,577億おく (2009年ねん暫定ざんてい値ち)
主要しゅよう輸出ゆしゅつ品ひん石油せきゆと石油せきゆ製品せいひん、天然てんねんガス、木材もくざいと木製品もくせいひん、金属きんぞく、化学かがく製品せいひんなど
主要しゅよう輸出ゆしゅつ
相手あいて国こく		オランダ 11.2%、イタリア 8.1%、ドイツ 8%、トルコ 6%、ウクライナ 5.1%、ポーランド 4.5%、中国ちゅうごく 4.3% (2008年ねん)
輸入ゆにゅう$2,215億おく (2009年ねん暫定ざんてい値ち)
主要しゅよう輸入ゆにゅう品ひん自動車じどうしゃ、一般いっぱん機械きかい、プラスチック、医薬品いやくひん、鉄鋼てっこう、消費しょうひ財ざい、肉類にくるい、果実かじつ、金属きんぞく半はん製品せいひんなど
主要しゅよう輸入ゆにゅう
相手あいて国こく		ドイツ 13.5%、中国ちゅうごく 13.2%、日本にっぽん 6.5%、ウクライナ 6%、アメリカ 4.5%、イタリア 4.3% (2008年ねん)
海外かいがい債務さいむ$4,716億おく (2010年ねん暫定ざんてい値ち)
財政ざいせい状況じょうきょう
国庫こっこ借入金かりいれきんGDPの3% (2010年ねん暫定ざんてい値ち)
歳入さいにゅう$2,027億おく (2009年ねん暫定ざんてい値ち)
歳出さいしゅつ$3,014億おく (2009年ねん暫定ざんてい値ち)
主要しゅよう出典しゅってん: CIAワールドファクトブック
特とくに明記めいきしない場合ばあい、数値すうちの通貨つうか単位たんいはUSドル

1991年ねんのソビエト連邦れんぽうの崩壊ほうかい後ご、ロシアの経済けいざいはソ連それん時代じだいの社会しゃかい主義しゅぎに基もとづく中央ちゅうおう計画けいかく経済けいざいから、より市場いちば機能きのうを重視じゅうしした経済けいざいへの移行いこうという大おおきな変化へんかを経験けいけんした。1990年代ねんだいにはエネルギー部門ぶもん及および軍事ぐんじ関連かんれん部門ぶもん以外いがいの多おおくの国営こくえい企業きぎょうが民営みんえい化かされたが、2010年代ねんだい後半こうはんにあってもGDPの約やく6割わりを国営こくえい企業きぎょうが、融資ゆうしの約やく7割わりを国営こくえい銀行ぎんこうが担になう[6]。

この急激きゅうげきな民営みんえい化か移行いこうの過程かていにおいて「株式かぶしき担保たんぽ融資ゆうし[# 2]」政策せいさくにより国営こくえい企業きぎょう株かぶの多おおくが政界せいかいと密接みっせつな関かかわりをもつ寡頭資本しほん家か・新興しんこう財閥ざいばつ（オリガルヒ）の手てに渡わたるなどして国営こくえい企業きぎょうの寡占かせん化かが進すすんだ。なおロシアにおける財産ざいさん権けんの保護ほごは未いまだ不十分ふじゅうぶんであり、民間みんかん部門ぶもんは依然いぜん政府せいふの強つよい影響えいきょう下かにある。輸出ゆしゅつの6割わり以上いじょうを原油げんゆや天然てんねんガスなどの鉱物こうぶつ資源しげんに頼たよっており、典型てんけい的てきなモノカルチャー経済けいざいであるため、資源しげんの値段ねだんが世界せかい的てきに高騰こうとうする時ときは好景気こうけいき、下落げらくすると困窮こんきゅうするという図式ずしきとなっている[7]。

経済けいざい史し　

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詳細しょうさいは「en:Economic history of the Russian Federation」を参照さんしょう

年表ねんぴょう

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ロシアの経済けいざい・エネルギー関連かんれん年表ねんぴょう[8]

  • 1992年ねん 6月がつ　国際こくさい通貨つうか基金ききん（IMF）に加盟かめい。
  • 1994年ねん 6月がつ　「サハリン2」の生産せいさん物ぶつ分与ぶんよ協定きょうてい（PSA）に署名しょめい。
  • 1998年ねん 8月がつ　金融きんゆう危機きき。
  • 1999年ねん12月　大統領だいとうりょう代行だいこうに任命にんめいされる直前ちょくぜんのプーチンが政策せいさくプログラムを発表はっぴょう。
  • 2001年ねん 1月がつ　租税そぜい改革かいかくにより、法人ほうじん税ぜいと所得しょとく税ぜいを引ひき下さげ。
  • 2003年ねん 6月がつ　イギリスとの間あいだでTNK-BPの設立せつりつに合意ごうい。
  • 2003年ねん10月がつ　ユコスのホドルコフスキー社長しゃちょうが逮捕たいほ。
  • 2004年ねん12月　ユコスの最さい有力ゆうりょく子会社こがいしゃが競売きょうばいにかけられる。最終さいしゅう的てきにはロスネフチが獲得かくとく。
  • 2005年ねん 1月がつ　対たいIMF債務さいむを完済かんさい。
  • 2005年ねん 7月がつ　「サハリン2」の総そう工費こうひが当初とうしょ予定よていから倍増ばいぞう（200億おくドル）することが判明はんめい。
  • 2006年ねん12月　ガスプロムが正式せいしきに「サハリン2」に参入さんにゅうすることが決定けってい。
  • 2007年ねん 7月がつ　シュトクマン・ガス田でん（en）開発かいはつのパートナー企業きぎょうを発表はっぴょう。
  • 2008年ねん 2月がつ　退任たいにん直前ちょくぜんのプーチンが「2020年ねんまでの発展はってん戦略せんりゃく」を発表はっぴょう。
  • 2008年ねん 5月がつ　外資がいし規制きせい法ほうと改正かいせい地下ちか資源しげん法ほうが施行しこう。
  • 2008年ねん 7月がつ　原油げんゆ価格かかくが1バレル139.5ドルの最さい高値たかねを記録きろく。
  • 2008年ねん 9月がつ　リーマン・ショックから世界せかい金融きんゆう危機ききへ。
  • 2009年ねん 9月がつ　メドヴェージェフの論文ろんぶん「進すすめ、ロシア！」が公表こうひょう。経済けいざいの多元たげん化かの必要ひつよう性せいを訴うったえる。
  • 2012年ねん 8月がつ　世界せかい貿易ぼうえき機関きかん（WTO）に加盟かめい。

ソ連それん崩壊ほうかいと財政ざいせい危機きき

編集へんしゅう
 
G20各国かっこくの人口じんこう10万まん人にんあたり標準ひょうじゅん化か自殺じさつ率りつ[9]。ソ連それん崩壊ほうかい・経済けいざい危機ききにおいて急増きゅうぞうした。

ソ連それん末期まっきのロシア経済けいざいには「マクロ経済けいざいの安定あんてい化か」と「経済けいざいシステムの再さい構築こうちく（中央ちゅうおう計画けいかく経済けいざいから市場いちば主義しゅぎ経済けいざいシステムへの移行いこう）」という二ふたつの課題かだいがあった。マクロ安定あんてい化かのためには、物価ぶっかと為替かわせ相場そうばを安定あんていさせ経済けいざい成長せいちょうを促うながす財政ざいせい政策せいさくや通貨つうか政策せいさくを実行じっこうする必要ひつようがあり、経済けいざいシステム再さい構築こうちくのためには、効率こうりつ的てきな経済けいざい活動かつどうに欠かかせない銀行ぎんこうや私有しゆう財産ざいさん制度せいど、商法しょうほうなどを整備せいびする必要ひつようがあった。国内こくないの市場いちばを海外かいがい取引とりひきや海外かいがい投資とうしに開放かいほうしてロシア経済けいざいと世界せかい経済けいざいをつなげることで二ふたつの課題かだい達成たっせいが促進そくしんされるはずであったが、ゴルバチョフ政権せいけんはこの取とり組くみに失敗しっぱいした。ソビエト連邦れんぽうの崩壊ほうかい後ご、エリツィン政権せいけんもマクロ安定あんてい化かと経済けいざい再さい構築こうちくの問題もんだいに取とり組くみ始はじめたが1996年ねん半なかばロシア経済けいざいは混乱こんらんに陥おちいった。

1991年ねんのソ連それん崩壊ほうかい後ご、ロシアは市場いちば経済けいざいを発展はってんさせ着実ちゃくじつな経済けいざい成長せいちょうを実現じつげんしようと試こころみていた。1991年ねん10月がつ、エリツィン大統領だいとうりょうは、アメリカとIMFの勧すすめに従したがい、「ショック療法りょうほう（英語えいご版ばん記事きじ）」によって市場いちば重視じゅうしの抜本ばっぽん的てきな経済けいざい改革かいかくを行おこなうと宣言せんげんした[10] が、この政策せいさくは結果けっか的てきにロシア経済けいざいを破綻はたんさせ、貧困ひんこん層そうが数すう百ひゃく万まん人にん規模きぼに拡大かくだいし、官僚かんりょうの汚職おしょくや犯罪はんざい件数けんすうが増加ぞうかするといった事態じたいを招まねいた[11]。また、ソ連それん時代じだいの価格かかく統制とうせいを撤廃てっぱいしたことによりハイパーインフレーションが起おこり、その後ご1998年ねんにはロシア財政ざいせい危機ききが発生はっせいした。このとき、ソ連それん解体かいたい当時とうじのソ連それんの人口じんこうの半分はんぶん程ほどに過すぎないロシア連邦れんぽうが、ソ連それんの法的ほうてき人格じんかくを相続そうぞくして外貨がいか負債ふさいを肩代かたがわりしていたことも財政ざいせい上じょう負担ふたんとなっていた[12]。1995年ねん財政ざいせい赤字あかじの補填ほてんのために政府せいふが行おこなった「株式かぶしき担保たんぽ融資ゆうし」により多おおくの国営こくえい企業きぎょうが株式かぶしきを担保たんぽにオリガルヒ系けい銀行ぎんこうから融資ゆうしを受うけ、結果けっか国営こくえい企業きぎょうの発行はっこうした株式かぶしきはオリガルヒ、ノーメンクラトゥーラのメンバーもしくは犯罪はんざい組織そしきのボスの手てに渡わたった。例たとえばソ連それん時代じだいの工場こうじょう長ちょうは、工場こうじょうが民営みんえい化かされるとそのまま企業きぎょうのオーナーとなることがよくあった。また当時とうじ暴力ぼうりょく的てき犯罪はんざい組織そしきが暗殺あんさつや恐喝きょうかつなどの手法しゅほうで邪魔じゃま者しゃを排除はいじょし国営こくえい企業きぎょうを乗のっ取とることもあり、政府せいふ役人やくにんの汚職おしょくも日常にちじょう茶飯事さはんじとなっていた。さらに企業きぎょう・政府せいふ内ないで要職ようしょくにつく個人こじんを裕福ゆうふくにするために常軌じょうきを逸いっした財政ざいせい操作そうさが行おこなわれた。こうした人々ひとびとは莫大ばくだいな資産しさんを現金げんきんで所有しょゆうしたり、海外かいがいの口座こうざに資本しほん逃避とうひさせるなどしていた[13]。いわゆる「企業きぎょう乗のっ取とり屋や（英語えいご版ばん記事きじ）」と呼よばれたアンドレイ・ヴォルギン(Andrei Volgin)は、90年代ねんだい半なかばまでこうした腐敗ふはいした企業きぎょうに対たいする買収ばいしゅうを行おこなっていたとされている。1996年ねんの大統領だいとうりょう選挙せんきょで新興しんこう財閥ざいばつの支持しじを受うけたエリツィン大統領だいとうりょうは、大だい企業きぎょう民営みんえい化かの際さい株式かぶしきを内部ないぶ関係かんけい者しゃに不当ふとうな低てい価格かかく[10] で引ひき渡わたしたとされている[14]。こうした悪名あくめい高たかいオリガルヒ達いたるは、ロシアの一般いっぱん市民しみんからは「泥棒どろぼう」とみなされながらも[15]、莫大ばくだいな富とみを背景はいけいに政治せいじに大おおきな影響えいきょう力りょくを及およぼした。

 
ロシア国庫こっこ借入金かりいれきん推移すいい（1999年ねん-2006年ねん）

こうした政治せいじ・経済けいざい状況じょうきょう下か、ソ連それん型がた計画けいかく経済けいざいから自由じゆう市場いちば経済けいざいへの移行いこうは困難こんなんを極きわめる中なか、国家こっかの歳入さいにゅう増ぞうを狙ねらった急進きゅうしん的てきな財政ざいせい改革かいかくと財政ざいせい赤字あかじ補填ほてん策さくが一因いちいんとなり1998年ねん8月がつロシア金融きんゆう危機ききが発生はっせいした。当時とうじロシアの主要しゅよう輸出ゆしゅつ（外貨がいか獲得かくとく）品目ひんもくである石油せきゆ・鉱物こうぶつ資源しげんの価格かかくが低迷ていめいし、1997年ねんのアジア通貨つうか危機ききで投資とうし家かが新興しんこう市場いちばへの不信ふしん感かんを抱だいていたことも問題もんだいを悪化あっかさせた。結果けっか、ルーブルの急速きゅうそくな下落げらく、海外かいがい投資とうし家かの資本しほん逃避とうひ、公的こうてき債務さいむ返済へんさいの遅滞ちたい、銀行ぎんこうシステムを介かいした商業しょうぎょう活動かつどうの機能きのう停止ていし状態じょうたい、インフレ制御せいぎょ不能ふのうの恐おそれといった危機きき的てき事態じたいを招まねいた。

経済けいざい回復かいふく

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第だい1次じプーチン政権せいけん期き（2000年ねん-2008年ねん）

編集へんしゅう
 
プーチン大統領だいとうりょう
（2000年ねん大統領だいとうりょう就任しゅうにん式しき）

2000年ねんから2008年ねんまでのプーチン政権せいけん期きでは、世界せかい的てきな石油せきゆ価格かかくの高騰こうとうによる石油せきゆガスの輸出ゆしゅつ収入しゅうにゅうの増加ぞうかを背景はいけいに、ロシア経済けいざいはマクロ的てきには順調じゅんちょうな成長せいちょうを遂とげた。この期間きかん名目めいもくGDPは倍増ばいぞうして世界せかい第だい22位いから11位いになり、実質じっしつGDP成長せいちょう率りつは平均へいきんで7%（2000年ねん: 10%、2001年ねん: 5.7%、2002年ねん: 4.9%、2003年ねん: 7.3%、2004年ねん: 7.2%、2005年ねん: 6.5%、2006年ねん: 7.7%、2007年ねん: 8.1%、2008年ねん: 5.6%）、購買こうばい力りょく平価へいかでは世界せかい6位いとなった。2007年ねんにはロシアのGDPは1990年ねんの数値すうちを上回うわまわった、つまりソ連それん崩壊ほうかい後ごの壊滅かいめつ的てきな経済けいざい危機きき、つまり1998年ねんの財政ざいせい危機ききとこれに先立さきだつ1990年代ねんだいの不ふ況きょうを乗のり切きったことを意味いみしている[16]。一人ひとり当あたりGDPも2008年ねんに11,339ドルとなり、購買こうばい力りょく及および名目めいもくベースでもロシアは世界せかい第だい57位いの国くにとなった。 プーチンの8年間ねんかんの在任ざいにん中ちゅうに、鉱工業こうこうぎょうは75%成長せいちょうし、投資とうしは125%増加ぞうか[16]、農業のうぎょう生産せいさんや建築けんちくも同様どうようの伸のびを見みせている。実質じっしつ所得しょとくも倍増ばいぞうし平均へいきん給与きゅうよは80ドルから640ドルへ8倍ばいになった[17][18][19]。消費しょうひ者しゃ信用しんよう額がくは2000年ねんから2006年ねんの間あいだに45倍ばいになった[20][21]、また同おなじ期間きかんで中間ちゅうかん所得しょとく層そうは800万まん人にんから5500万まん人にんへ7倍ばいに増加ぞうかしている。貧困ひんこん線せん以下いかの生活せいかつを送おくる貧困ひんこん層そうは2000年ねん30%だったが、2008年ねんには14%まで減少げんしょうした[16][22][23] 。

 
ソ連それん崩壊ほうかい後ごのロシアGDP(PPP)の推移すいい
(1992年ねん - 2011年ねん)

ロシア経済けいざいが順調じゅんちょうな成長せいちょうを遂とげつつあった2004年ねん1月がつ、ロシア政府せいふは将来しょうらいにおける石油せきゆ価格かかくの下落げらくに備そなえて財政ざいせいの安定あんてい化かを図はかり、また天然てんねん資源しげん輸出ゆしゅつに依存いぞんし過すぎることで懸念けねんされた「オランダ病びょう」を回避かいひするべくロシア連邦れんぽう安定あんてい化か基金ききん (en) を設立せつりつした。資金しきんの蓄積ちくせき方針ほうしんや使途しとに関かんして、政府せいふ内ないでは支出ししゅつ抑制よくせい路線ろせん[# 3]、インフラ整備せいび重視じゅうし路線ろせん[# 4]、減税げんぜい路線ろせん[# 5] の3種しゅの路線ろせん対立たいりつが見みられたが[24]、プーチンによる裁定さいていを受うけ、2008年ねん2月がつ、安定あんてい化か基金ききんは「予備よび基金ききん」と「国民こくみん福祉ふくし基金ききん（将来しょうらい世代せだい基金ききん）」に分割ぶんかつ再編さいへんされた。「予備よび基金ききんは」GDPの10%（およそ2000億おくドル）で主おもに財政ざいせい赤字あかじを補填ほてんするために用もちいられ、「国民こくみん福祉ふくし基金ききん」は主おもに株式かぶしき市場いちばならびに債券さいけん市場いちばの買かい支ささえ等とうに用もちいられた。ロシア財務省ざいむしょうセルゲイ・ストルチャク（en）次官じかんによると国民こくみん福祉ふくし基金ききんの残高ざんだかは2008年ねん2月がつ1日にち時点じてんで約やく7,000億おくルーブル（1,500億おくドル[25]）にものぼる。 2008年ねん2月がつ、退任たいにん直前ちょくぜんのプーチン大統領だいとうりょうは「2020年ねんまでのロシアの発展はってん戦略せんりゃくについて」と題だいする演説えんぜつを行おこなった。プーチンは自身じしんの任期にんきの成果せいかを、政権せいけん発足ほっそく時じの諸しょ問題もんだいを改善かいぜんしロシアに安定あんていと自信じしんを取とり戻もどしたと総括そうかつする一方いっぽう、人口じんこう問題もんだいや官僚かんりょうの腐敗ふはい、経済けいざいの非ひ効率こうりつ性せいなどの諸しょ課題かだいを挙あげて「革新かくしん的てき（イノベイティブな）発展はってん戦略せんりゃく」の形成けいせいが重要じゅうようであると提唱ていしょうし、今後こんごの国家こっか戦略せんりゃくの方向ほうこう性せいを示しめした[26]。

メドヴェージェフ政権せいけん期き（2008年ねん-2012年ねん）

編集へんしゅう
「en:2008-2009 Russian financial crisis」も参照さんしょう
 
ブレント原油げんゆ　月つき平均へいきん価格かかくの推移すいい
(1987年ねん5月がつ - 2012年ねん1月がつ)

メドヴェージェフ大統領だいとうりょう就任しゅうにん直後ちょくごの2008年ねん8月がつに起おきた南みなみオセチア紛争ふんそうや、翌よく9月がつ中旬ちゅうじゅんに発生はっせいしたリーマン・ショックに続つづく世界せかい的てきな景気けいき後退こうたいの影響えいきょうを受うけて、ロシア経済けいざいは製造せいぞう業ぎょうを中心ちゅうしんとして深刻しんこくな景気けいき後退こうたいに陥おちいった。なかでも、原油げんゆ価格かかくが1バレル当あたり140ドル（08年ねん7月がつ）から40ドル（08年ねん12月がつ）に急落きゅうらくしたこと、ソブリン債さいや社債しゃさいを運用うんようする機会きかいが減少げんしょうしたこと、外国がいこく資本しほんの流ながれが逆流ぎゃくりゅう（800億おくドル流入りゅうにゅうしていた資本しほんが1200億おくドル流出りゅうしゅつ）したこと、の3点てんはロシアの長期ちょうき的てき経済けいざい成長せいちょうにとってマイナス要因よういんである。こうした中なか、鉱工業こうこうぎょう生産せいさん指数しすうは前年ぜんねん比ひマイナス15.2%となり、2000年ねん以降いこう年ねん平均へいきん7%で推移すいいしてきた実質じっしつGDP成長せいちょう率りつは2009年ねんにマイナス7.9%となった[27]。これは財政ざいせい危機ききの起おきた1998年ねん（マイナス5.3%）以来いらいのマイナス成長せいちょうである。

ロシア経済けいざいが原油げんゆ・天然てんねんガスなど資源しげん輸出ゆしゅつに依存いぞんする経済けいざい構造こうぞうから脱却だっきゃくできず、国家こっか資本しほん主義しゅぎ化かの傾向けいこうに歯止はどめがかからない状況じょうきょうに対たいして、メドヴェージェフ大統領だいとうりょうは2009年ねん11月の教書きょうしょ演説えんぜつにおいて市場いちば経済けいざいの活性かっせい化かとロシア経済けいざいの近代きんだい化かの必要ひつよう性せいを強調きょうちょうしているが、金融きんゆう危機きき後ごのロシア経済けいざいはロシア連邦れんぽう安定あんてい資金しきんを再編さいへんした「予備よび基金ききん」ならびに「国民こくみん福祉ふくし基金ききん」に蓄積ちくせきされた国家こっか資金しきんを危機きき対策たいさくに用もちいることによって辛かろうじて支ささえられているのが現状げんじょうである[28]。

なお、近年きんねんのロシアの成長せいちょう分野ぶんやには、軍需ぐんじゅ産業さんぎょう、IT産業さんぎょう、特とくにアルゴリズム設計せっけいやマイクロエレクトロニクスなどのハイテク関連かんれんのニッチ産業さんぎょうなどが挙あげられる。ロシアはインド、中国ちゅうごくに次つぐ世界せかい3位いのITアウトソーシング受うけ入いれ国こくである。衛星えいせい打うち上あげ産業さんぎょうではヨーロッパのアリアン5に次ついで世界せかい2位いである他ほか、原子力げんしりょく発電はつでん所しょ建設けんせつ事業じぎょうでは、中国ちゅうごくとインドに原発げんぱつを売うり込こむなどしている。また日本にっぽんの東芝とうしばは2009年ねん5月がつ、原子力げんしりょく燃料ねんりょう分野ぶんやでロシア企業きぎょうとの協力きょうりょく関係かんけいを結むすぶことで合意ごういしたと発表はっぴょうした[29]。 旅客りょかく航空機こうくうき市場いちばにおいても、スホーイ民間みんかん航空機こうくうき社しゃが外国がいこく資本しほんと共同きょうどう開発かいはつしたスホーイ・スーパージェット100の他ほか、ロシア国営こくえい企業きぎょうの統一とういつ航空機こうくうき製造せいぞう会社かいしゃがボーイング社しゃやエアバス社しゃに対抗たいこうしてMS-21を開発かいはつ中ちゅうであり、2016年ねんの運用うんよう開始かいしを計画けいかくしている。

ロシア経済けいざいは未いまだに商品しょうひん主導しゅどう型がたの経済けいざいである。燃料ねんりょう・エネルギー部門ぶもんからの関税かんぜい・税金ぜいきんといった収入しゅうにゅうは、連邦れんぽう政府せいふ歳入さいにゅうのおよそ半分はんぶんにもなり、輸出ゆしゅつの大だい部分ぶぶんを石油せきゆ・天然てんねんガスといった原材料げんざいりょうなどが占しめている[16]。なお、貿易ぼうえき額がくは2000年ねんには20%であったが、2007年ねんではGDP全体ぜんたいの8.7%でしかない[30] 。貧富ひんぷの差さも拡大かくだいしている。2000年ねんから2007年ねんにかけて、富裕ふゆう層そうの所得しょとくは貧困ひんこん層そうのおよそ14倍ばいから17倍ばいに増加ぞうかしておりロシア経済けいざいの課題かだいのひとつとなっている。（参考さんこう：ジニ係数けいすう、国くにの所得しょとく格差かくさ順じゅんリスト）

第だい2次じプーチン政権せいけん期き（2012年ねん-）

編集へんしゅう
「en:2014 Russian financial crisis」も参照さんしょう
「ロシア財政ざいせい危機きき」および「en:2022 Russian financial crisis」を参照さんしょう

2022年ねん2月がつ、ロシアがウクライナへ侵攻しんこう。アメリカと欧州おうしゅう各国かっこくは経済けいざい制裁せいさいとして、ロシアの銀行ぎんこうの一部いちぶを国際こくさい銀行ぎんこう間あいだ通信つうしん協会きょうかいから排除はいじょすることなどを決定けってい。天然てんねんガスをはじめとした輸出入ゆしゅつにゅう品ひんの代金だいきん決済けっさいが困難こんなんとなる見通みとおしとなった[31]。このためロシア・ルーブルは、同年どうねん2月がつ28日にちのオフショア取引とりひきで対たいドル相場そうばで一時いちじ30％近ちかく値ねを下さげ、過去かこ最さい安値やすねを記録きろくした[32]。同日どうじつ、ロシア政策せいさく銀行ぎんこうは通貨つうかの大幅おおはば下落げらくに伴ともなうインフレーションを抑おさえるため、政策せいさく金利きんりを従来じゅうらいの9.5%から20%に引ひき揚あげる緊急きんきゅう措置そちを講こうじた[33]。

マクロ経済けいざい

編集へんしゅう

GDP

編集へんしゅう
 
一人ひとり当あたり域内いきない総そう生産せいさん (GRP) 2008年ねん
(単位たんい：USドル):
  50 000 以上いじょう
  30 000 - 50 000
  20 000 - 30 000
  09 750 (平均へいきん) - 20 000
  07 500 - 9 750
  05 000 - 7 500
  03 000 - 5 000
  03 000 以下いか

下記かきの図表ずひょうは2000年ねんからのロシアの名目めいもくGDP総額そうがく等とうの推移すいいを示しめしたもの[34]。
単位たんい：ルーブル、率りつ＝%、為替かわせレートは対たい米べいドルレートで期き中ちゅう平均へいきん値ち。

対象たいしょう年ねん 名目めいもくGDP総額そうがく 実質じっしつGDP成長せいちょう率りつ 消費しょうひ者しゃ物価ぶっか指数しすう 為替かわせレート
2000年ねん 7兆ちょう3056億おく 10.0 20.2 28.13
2001年ねん 8兆ちょう9436億おく 5.1 18.6 29.17
2002年ねん 10兆ちょう8192億おく 4.7 15.1 31.35
2003年ねん 13兆ちょう2082億おく 7.3 12.0 30.69
2004年ねん 17兆ちょう0272億おく 7.2 11.7 28.81
2005年ねん 21兆ちょう6098億おく 6.4 10.9 28.28
2006年ねん 26兆ちょう9172億おく 8.2 9.0 27.19
2007年ねん 33兆ちょう2475億おく 8.5 11.9 25.58
2008年ねん 41兆ちょう4286億おく 5.2 13.3 24.85
2009年ねん 39兆ちょう1007億おく -7.9 8.8 31.74
2010年ねん 46兆ちょう3085億おく 4.5 8.8 30.77
2011年ねん 55兆ちょう9672億おく 4.3 6.1 29.38
2012年ねん 62兆ちょう2184億おく 3.4 6.6 30.84
2013年ねん 66兆ちょう7553億おく 1.3 6.5 31.84

ロシアの実質じっしつGDP成長せいちょう率りつは2000年ねんから2008年ねんまでの間あいだ平均へいきん7.0%で推移すいいしてきたが、2008年ねん9月がつに起おきたリーマン・ショック以降いこうの世界せかい的てきな不ふ況きょうの影響えいきょうなどから2009年ねんの実質じっしつGDP成長せいちょう率りつは-7.9%に落おち込こんだ。一人ひとり当あたり名目めいもくGDPは2008年ねん11,739ドル、2009年ねん8,681ドルとなっており、BRICSの一いち国こくブラジルや、メキシコ、トルコなどと同おなじく中なか・低てい所得しょとく国こくの水準すいじゅんである[35]。1992年ねんは2508.9%、1998年ねんにも84.4%であったインフレ率りつは、2000年ねん20.2%、2001年ねんの18.6%から2009年ねんには8.8%となっており、ソ連それん崩壊ほうかいやその後ごの財政ざいせい危機ききを脱だっし安定あんていしてきているといえる。2009年ねんの失業しつぎょう率りつは8.2%で[27]、2000年ねんの10.4%よりは減少げんしょうしたが、2006年ねんの6.9%に比くらべると増加ぞうかしている。

2007年ねんの鉱工業こうこうぎょう生産せいさん指数しすうは2006年ねんに比くらべて6.3%上昇じょうしょうした。これは投資とうしと個人こじん消費しょうひの伸のびによって下しも支ささえされたものであったが、2009年ねんの前年ぜんねん比ひ伸のび率りつは-15.2%と大幅おおはばに下落げらくし、不ふ況きょうの影響えいきょうをまともに受うけた形かたちとなった。

金融きんゆう政策せいさく

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「ロシア・ルーブル」も参照さんしょう

為替かわせレートは1998年ねん8月がつの1ドル6.5ルーブルから1999年ねん4月がつには1ドル25ルーブルにまで下落げらくし、1年ねん後ごさらに下落げらくして1ドル28.5ルーブルになったが、2001年ねん1ドル29.2ルーブルであり2002年ねん6月がつの時点じてんでは、為替かわせレートは1ドル31.4ルーブルとなるなど、2000年代ねんだい前半ぜんはんは比較的ひかくてき安定あんていして推移すいいした。

1998年ねん8月がつの経済けいざい危機きき以降いこういくつかの大だい規模きぼなインフレ対策たいさくが行おこなわれた結果けっかインフレ率りつは落おち着ついていた。 2001年ねんの消費しょうひ者しゃ物価ぶっか上昇じょうしょう率りつは18.6%と、2000年ねんの20.2%から漸減ぜんげんしたが、これは2001年度ねんど予算よさんのインフレターゲットの範囲はんい内ないであった。中央ちゅうおう銀行ぎんこうの外貨がいか残高ざんだかからインフレ率りつの上昇じょうしょう傾向けいこうが続つづくものとみられていたが、2009年ねんインフレ率りつは11.7%まで減少げんしょうしている。

財政ざいせい政策せいさく

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中央ちゅうおう政府せいふと地方ちほう政府せいふの支出ししゅつ額がくはほぼ同おなじであり、両者りょうしゃ併あわせてGDPの約やく38%になる。財政ざいせい政策せいさくは1998年ねんの財政ざいせい危機きき以来いらい厳重げんじゅうに統制とうせいされてきた。

2001年ねんの財政ざいせい黒字くろじ額がくはGDPの2.4%にのぼり、ロシアはソ連それん崩壊ほうかい後ご初はじめて翌年よくねんの予算よさんに黒字くろじ（GDPの1.63%分ぶん）を見込みこんで計上けいじょうすることができた。この経済けいざい成長せいちょうは三さん年ねん連続れんぞくで予想よそうを上回うわまわるものであり、消費しょうひ需要じゅようの拡大かくだいを原動力げんどうりょくとするものであった。だが経済けいざい評論ひょうろん家かたちは、経済けいざい成長せいちょうがこの様ように高たかい水準すいじゅんで続つづくことに懐疑かいぎ的てきであった。特とくに政府せいふの2005年度ねんど予算よさん案あんは原油げんゆ価格かかくが上昇じょうしょうし続つづけることを前提ぜんていとした予算よさん案あんでものであり、仮かりに原油げんゆ価格かかくが下落げらくした場合ばあいは経済けいざい成長せいちょう率りつも比例ひれいして下さがると考かんがえられた。また石油せきゆ価格かかくの上昇じょうしょうには、ルーブル価格かかくの上昇じょうしょうを招まねき結果けっか的てきにロシアの貿易ぼうえき競争きょうそう力りょくを低下ていかするという負まけの側面そくめんもあった。

労働ろうどう力りょく

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ロシアの人口じんこうの推移すいい。1990年代ねんだい後半こうはんから漸減ぜんげん傾向けいこうにある。

2009年ねんのロシアの人口じんこうは1億おく4190万まん3千せん人にんであるが、うち労働ろうどう力りょく人口じんこうは6936万まん2千せん人にん、失業しつぎょう人口じんこうは616万まん2千せん人にんで失業しつぎょう率りつは8.2%であった。2007年ねんの失業しつぎょう率りつが5.7%、2008年ねんが7.0%と、07年ねんから09年ねんにかけては世界せかい的てきな経済けいざい不ふ況きょうの影響えいきょうもあって失業しつぎょう率りつが伸のびた[36]。なお、2009年ねんモスクワの失業しつぎょう率りつが1.8%であったのに対たいし、北きたカフカースのイングーシ共和きょうわ国こくでは56.1%と地域ちいき間あいだの格差かくさも大おおきい。またロシア経済けいざいの発展はってんに伴ともない建設けんせつ現場げんばなどで働はたらく外国がいこく人じん労働ろうどう者しゃが増ふえたが、中なかには不法ふほう労働ろうどう移民いみんも多数たすういるとされている[37]。 産業さんぎょう部門ぶもん別べつでは、農業のうぎょう・工業こうぎょうの就業しゅうぎょう人口じんこうが減へりサービス業ぎょうの割合わりあいが増加ぞうかする傾向けいこうにあるが、特とくに工業こうぎょうでは熟練じゅくれん労働ろうどう者しゃの不足ふそく・高齢こうれい化かなどが問題もんだいとなっている[37]。

法律ほうりつ

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ロシアでは、経済けいざい活動かつどうの多おおくの分野ぶんやにおいて適切てきせつな法律ほうりつが存在そんざいしないあるいは存在そんざいしても適切てきせつに執行しっこうされていないことがあり、ロシア経済けいざいにおける喫緊きっきんの課題かだいとなっている。問題もんだい解決かいけつのため、中央ちゅうおう政府せいふは2000年ねんと2001年ねんに地方ちほう政府せいふに対たいして法律ほうりつを正ただしく執行しっこうすることを強制きょうせいし、年金ねんきん改革かいかくと電力でんりょく部門ぶもん改革かいかくではその成果せいかがあらわれている。とはいえ、ロシアの税制ぜいせいや経済けいざい活動かつどうに対たいする規制きせいはときに予測よそく不可能ふかのうな程ほど変化へんかする。一方いっぽう、民間みんかん企業きぎょう間あいだの契約けいやく行為こういの履行りこうなどについての法ほうの執行しっこう力りょくは不十分ふじゅうぶんである。こうした問題もんだいはソ連それん時代じだいからのものであり克服こくふくするのには何なん年ねんもかかるであろう。ビジネスに関かんして、政府せいふの決定けっていは恣意しい的てきで一貫いっかん性せいに欠かけ、犯罪はんざいによって国内こくないの経済けいざい活動かつどうや貿易ぼうえきなどで余計よけいなコストがかかるようになっている。

肯定こうてい的てきな側面そくめんとして、ロシアでもビジネス上じょうの紛争ふんそうを法廷ほうていで解決かいけつするケースが増ふえてきている。1998年ねん1月がつの改正かいせい破産はさん法ほうが議会ぎかいを通過つうかしたのを第だい一いち段階だんかいとして、2001年ねんにはビジネス・投資とうし部門ぶもん改革かいかくのため法案ほうあんが議会ぎかいで承認しょうにんされた。このうちもっとも重要じゅうような法案ほうあんは規制きせい撤廃てっぱいに対たいする包括ほうかつ案あんである。この傾向けいこうは2002年ねんもつづき、新あらたな法人ほうじん税法ぜいほうが2002年ねんから施行しこうされている。

民主みんしゅ主義しゅぎ的てきな公正こうせいさや平等びょうどうに本質ほんしつ的てきな利益りえきを有ゆうし、法ほうの支配しはいの導入どうにゅうに重要じゅうような役割やくわりを果はたす中産ちゅうさん階級かいきゅうが衰退すいたいし、何なん百ひゃく万まん人にんもの人ひとが貧困ひんこんに追おいやられた一方いっぽうで、少数しょうすうの新興しんこう財閥ざいばつが台頭たいとうした事ことが、これらの問題もんだいの遠因えんいんになっている。これは富とみの不平等ふびょうどうをもたらした1990年代ねんだいの不法ふほうな民営みんえい化かと折おり合あいをつける事ことが必要ひつようであるという事ことである。つまるところは、財産ざいさん権けんの保障ほしょう、及およびそれが可能かのうにしてくれる民主みんしゅ主義しゅぎの成長せいちょうは、そうした権利けんりが社会しゃかいから正当せいとうと見み做されていない場合ばあい、財産ざいさんが安全あんぜんに保障ほしょうされないと感かんじられている場合ばあいは、ボリス・エリツィン大統領だいとうりょう時代じだいに生しょうじた、資産しさんの略奪りゃくだつやその国外こくがいへの持もち出だしに繋つながるからである。ミハイル・ホドルコフスキーがロシアの政治せいじを操作そうさしようとするなど行いき過すぎた資本しほん主義しゅぎを防ふせぐ為ためにも、1970年代ねんだいにアメリカの石油せきゆ会社かいしゃの利益りえきに課かした時ときと同おなじような精神せいしんの下もとで、超過ちょうか資本しほん利得りとく税ぜいを徴収ちょうしゅうすることや、国内こくないへの投資とうしを推奨すいしょうするために、米べいビル・クリントン政権せいけんが、税金ぜいきん逃のがれの為ために市民しみん権けんを放棄ほうきする富裕ふゆう層そうに課税かぜいする政策せいさく、国外こくがいに持もち出だされる資本しほんに持もち出だし税ぜいを課かす事ことが考かんがえられる[38]。

汚職おしょく

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ロシア中央ちゅうおう銀行ぎんこうは、2011年ねんGDPの2.5%、490億おくドルがロシア政府せいふによる汚職おしょくによって失うしなわれたと報告ほうこくしている。ロシア中ちゅう銀ぎん総裁そうさいセルゲイ・イグナチエフ（ロシア語ご版ばん）は「麻薬まやく取引とりひきや密輸みつゆ、官かん・財界ざいかいへの賄賂わいろと裏金うらがね、脱税だつぜい」を挙あげている[39]。

部門ぶもん別べつ

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「ロシア最大さいだいの企業きぎょうの一覧いちらん（ドイツ語ご版ばん）」も参照さんしょう

農林のうりん漁業ぎょぎょう

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農業のうぎょう

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ロシアの農業のうぎょう
 
イヴァン・シーシキン画が
『ライ麦らいむぎ畑はたけ』（1878年ねん）
主要しゅよう生産せいさん物ぶつ コムギ、オオムギ、ライムギ、ソバ、エンバク、ジャガイモ、ひまわり種子しゅし[40]
農林のうりん水産すいさん業ぎょう生産せいさん指数しすう伸のび率りつ（前年ぜんねん比ひ） 1.2% (2009年ねん)農業のうぎょうのみ
-11.9%（2010年ねん）農業のうぎょうのみ
労働ろうどう力りょく 全体ぜんたいの10%
農業のうぎょう部門ぶもんGDP GDPの4.6%
詳細しょうさいは「ロシアの農業のうぎょう」および「en:Agriculture in Russia」を参照さんしょう

ロシアは1990年代ねんだいの始はじめまで穀物こくもつの輸入ゆにゅう国こくであった。 計画けいかく経済けいざいシステムから市場いちば経済けいざいシステムへの移行いこう策さくとして1992年ねんに実施じっしされた急激きゅうげきな価格かかく・貿易ぼうえき自由じゆう化かによって、ソ連それん時代じだい農業のうぎょう分野ぶんやへの補助ほじょ金きんの役割やくわりを果はたしていた価格かかく国定こくてい制度せいどが消滅しょうめつ、また同様どうように農業のうぎょう分野ぶんやへの投入とうにゅう財ざい価格かかくが上昇じょうしょうしたことから穀物こくもつ生産せいさん量りょうが急減きゅうげんした。一方いっぽう、価格かかくの自由じゆう化かによって食肉しょくにく・乳製品にゅうせいひんを中心ちゅうしんに輸入ゆにゅうが急増きゅうぞうし畜産ちくさん業ぎょうは著いちじるしく衰退すいたいした。これは穀物こくもつ需要じゅようの大半たいはんを占しめていた家畜かちく飼料しりょう需要じゅようの大幅おおはばな減少げんしょうを招まねき、1990年ねんに1億おくトン前後ぜんこうであったロシアの穀物こくもつ生産せいさん量りょうは、1998/1999年ねんには半分はんぶん以下いかの4,600万まんトンにまで落おち込こんだ。ところが、1998年ねんのロシア金融きんゆう危機ききによりルーブルの対たいドルレートが危機きき前まえの1/4に下落げらくすると農産物のうさんぶつ・食料しょくりょう品ひんの輸入ゆにゅうは急減きゅうげんし、国産こくさん品ひんの競争きょうそう力りょくが回復かいふくした。2001/2002年ねんには穀物こくもつ輸出ゆしゅつ量りょうが輸入ゆにゅう量りょうを上回うわまわり、2000年代ねんだい後半こうはんには世界せかい有数ゆうすうの穀物こくもつ（小麦こむぎ）輸出ゆしゅつ国こくとなった[41]。 また食肉しょくにくの生産せいさん量りょうは1999年ねんの681万まん3千せんトンから2008年ねんには933万まん1千せんトンと増加ぞうかした[42]。

2005年ねんの耕作こうさく地ち面積めんせきはおよそ1,237,294 km2で、米国べいこく、インド、中国ちゅうごくに次つぎ世界せかい第だい4位いの広ひろさである[43]。

2010年ねん、ロシアは観測かんそく史上しじょう最悪さいあくとされる猛暑もうしょと干かんばつの影響えいきょうを受うけ、穀物こくもつ収穫しゅうかく量りょうが激減げきげんする見込みこみとなり、ロシア政府せいふは8月がつから12月がつ末まつまで穀物こくもつ（小麦こむぎ・メスリン、大麦おおむぎ、ライ麦らいむぎ、トウモロコシ、小麦粉こむぎこ）の輸出ゆしゅつ禁止きんしを決定けっていした[44]。また前年ぜんねんと比くらべた農林のうりん水産すいさん業ぎょう生産せいさん指数しすう伸のび率りつは-11.9%と大幅おおはばに落おち込こんだ[45]。

林業りんぎょう

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詳細しょうさいは「ロシアの林業りんぎょう」および「en:Forestry in Russia」を参照さんしょう

ロシアの国土こくどの47.9%は森林しんりんであり、その面積めんせきは808万まん7900km2に及およぶ[46]。これは世界せかい全体ぜんたいの20%であり、森林しんりん蓄積ちくせき[# 6] は25%を占しめる。その内うち、経済けいざい的てきに利用りようしやすい森林しんりん資源しげんは2006年ねんで252km2、林業りんぎょう収入しゅうにゅうは350億おくルーブルとされる[47]。ロシアの林産りんさん複ふく合体がったいは3万まんを超こす企業きぎょうから成なり、その56%が赤字あかじ経営けいえいである。このうち70%は小規模しょうきぼ企業きぎょうで、中規模ちゅうきぼ以上いじょうの企業きぎょうは木材もくざい加工かこう業ぎょうと紙かみパルプ産業さんぎょうを含ふくめて2,300社しゃあり、全体ぜんたい的てきには100万まん人にん超ちょうの雇用こようを創出そうしゅつしている[48]。

なおロシア政府せいふは2007年ねん7月がつから針葉樹しんようじゅ丸太まるた（北洋ほくよう材ざい）の輸出ゆしゅつ税ぜいをそれまでの6.5%から20%に、2008年ねん4月がつからは25%に引ひき上あげた[49]。当初とうしょ、2009年ねん1月がつまでに関税かんぜいを80%に引ひき上あげるとされていたが、2011年ねん1月がつの時点じてんでは関税かんぜいの引ひき上あげは見送みおくられている[50]。

漁業ぎょぎょう

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ロシアは大西おおにし洋ひろし、北極ほっきょく海かい、太平洋たいへいようの3つの大洋たいように面めんし、カスピ海かすぴかい、バイカル湖こ、ラドガ湖この他た大小だいしょう2万まんを超こえる河川かせんをもち、排他はいた的てき経済けいざい水域すいいき（EEZ）は約やく760万まんkm2に及およぶ[51]。2005年ねんの国際こくさい連合れんごう食糧しょくりょう農業のうぎょう機関きかん（FAO）統計とうけいによると、ロシアの漁業ぎょぎょうの漁獲ぎょかく量りょうは3,190,946トン、養殖ようしょく業ぎょうでは114,752トンであった。これは世界せかい第だい9位いの漁獲ぎょかく量りょうであり、世界せかい全体ぜんたいの2.3%を占しめている[52]。2009年ねんのGDP産業さんぎょう別べつ構成こうせいでは漁業ぎょぎょう額がくは772億おくルーブルであり、GDP全体ぜんたいの0.2%である。

なお日本にっぽんとの間あいだには、漁業ぎょぎょう水産物すいさんぶつ（特とくにカニなど）の密猟みつりょう・密輸みつゆが横行おうこうしている[53] とされる他ほか、日本にっぽんの漁業ぎょぎょう者しゃがロシアの排他はいた的てき経済けいざい水域すいいき内うちで操業そうぎょうするためロシア側がわに現金げんきんなどを提供ていきょうしていた疑うたがいをもたれる[54] などといった問題もんだいがある。

鉱工業こうこうぎょう

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ロシアの鉱工業こうこうぎょう
 

工業こうぎょう成長せいちょう率りつの推移すいい（1992年ねん-2010年ねん）

主要しゅよう産業さんぎょう 石炭せきたん、石油せきゆ、天然てんねんガス、化学かがく、金属きんぞく産業さんぎょう等とう; 航空こうくう宇宙うちゅう産業さんぎょう; レーダー、ミサイルほか軍需ぐんじゅ産業さんぎょう
鉱工業こうこうぎょう生産せいさん指数しすう伸のび率りつ（前年ぜんねん比ひ） 8.2% (2010年ねん)
労働ろうどう力りょく 31.9%（2007年ねん）
部門ぶもん別べつGDP 39.1%（2007年ねん）

ロシアはかつて東側ひがしがわ諸国しょこくの中なかでも最もっとも工業こうぎょう化かの進すすんだ国くにであったが、ソ連それん崩壊ほうかい後ご、石油せきゆ・天然てんねんガスといった天然てんねん資源しげんの輸出ゆしゅつ増加ぞうかに伴ともないルーブルの為替かわせレートが上昇じょうしょうするとロシアの工業こうぎょう製品せいひんは国際こくさい的てきな価格かかく競争きょうそう力りょくを失うしない国内こくない製造せいぞう業ぎょうは低迷ていめいした。 2000年代ねんだい、内需ないじゅの拡大かくだいと国家こっか財政ざいせい状態じょうたいが健全けんぜん化かしたことなどから、ロシアの製造せいぞう業ぎょうはソ連それんの解体かいたい以来いらいの危機きき的てきな状態じょうたいを脱だっした。 しかしながら、長期ちょうきにわたって投資とうしが低調ていちょうであったため製造せいぞう業ぎょうはかつての能力のうりょくを失うしなっており、中なか・長期ちょうき的てきな発展はってんのため老朽ろうきゅう化かした設備せつびを近代きんだい化かする必要ひつようがある。

ロシア鉱工業こうこうぎょうの中心ちゅうしんは石油せきゆ・天然てんねんガスなどの資源しげん産業さんぎょうであるが、他ほかにもロシアでは多おおくの製造せいぞう業ぎょうが発展はってんしつつある。就労しゅうろう人口じんこうの多おおい防衛ぼうえい産業さんぎょうおよび航空機こうくうき産業さんぎょうは雇用こよう確保かくほの面めんで重要じゅうようであり、ロシア製せいの兵器へいき・特とくに戦闘せんとう機きなどは国際こくさい的てきな競争きょうそう力りょくをもっている。

石油せきゆ・天然てんねんガス産業さんぎょう

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詳細しょうさいは「en:Petroleum industry in Russia」を参照さんしょう

2009年ねんのロシア連邦れんぽう税関ぜいかん局きょく統計とうけいでは石油せきゆ・天然てんねんガスを中心ちゅうしんとする燃料ねんりょう・エネルギー製品せいひんの輸出ゆしゅつ額がくが1920億おくドルに達たっし、ロシアの輸出ゆしゅつ額がく全体ぜんたいの3分ぶんの2を占しめるなど[55]、エネルギー資源しげん産業さんぎょうはロシア経済けいざいの中核ちゅうかくをなしている。また世界せかい最大さいだいの天然てんねんガス企業きぎょうガスプロムはプーチン政権せいけん発足ほっそく以降いこう、ロシア連邦れんぽう首相しゅしょう、首相しゅしょう代行だいこうなどを歴任れきにんしたヴィクトル・ズプコフが取締役とりしまりやく会かい会長かいちょうに就任しゅうにんし政府せいふが株式かぶしきの50%超ちょうを保有ほゆうするなど、政府せいふとの結むすびつきが強つよい。

 
石油せきゆパイプライン（ヨーロッパ方面ほうめん）

2010年ねん6月がつのBP統計とうけい（2009年ねん末まつの数値すうち）によると、ロシアの石油せきゆ確認かくにん埋蔵まいぞう量りょうは世界せかい全体ぜんたいの5.6%にあたる742億おくバレルで世界せかい第だい7位いであり、生産せいさん量りょうは1日にち当あたり1003万まん2000バレルと、サウジアラビアを上回うわまわり世界せかい第だい1位いの産油さんゆ国こくとなった[56]。しかし 設備せつび投資とうしが不十分ふじゅうぶんで産出さんしゅつ量りょうを維持いじできなくなるとの指摘してきもある[57]。なお産出さんしゅつ量りょう1位いはチュメニ州しゅうで66%、2位いがタタルスタン共和きょうわ国こくで6.5%と西にしシベリアに生産せいさん地ちが集中しゅうちゅうしている[58]。垂直すいちょく統合とうごう石油せきゆ企業きぎょうルクオイル、国営こくえい石油せきゆ企業きぎょうロスネフチなどがロシアの石油せきゆ大手おおてである。

 
天然てんねんガスパイプライン（ヨーロッパ方面ほうめん）

ロシアの天然てんねんガスの埋蔵まいぞう量りょうは世界せかい第だい1位いで44.38兆ちょうm3、世界せかい全体ぜんたいの23.7%を占しめている[56]。2009年ねんの産出さんしゅつ量りょうは5725億おくm3で、アメリカに次ついで世界せかい第だい2位いであり世界せかい全体ぜんたいの17.6%であった。なお産出さんしゅつ量りょうの9割わり以上いじょうが西にしシベリアに集中しゅうちゅうしている[58]。 ロシアは産出さんしゅつしたガスをパイプラインによって欧州おうしゅう各国かっこくに輸出ゆしゅつしているが、2000年代ねんだい後半こうはんになるとガスの供給きょうきゅう・料金りょうきん設定せっていを巡めぐってロシア・ウクライナガス紛争ふんそうが起おき、2006年ねんと2009年ねんにはウクライナを通過つうかするガスの供給きょうきゅうを停止ていしするに至いたった。また2008年ねんの南みなみオセチア紛争ふんそう（ロシア・グルジア戦争せんそう）の当事とうじ国こくグルジアもパイプライン通過つうか国こくであり、EUはエネルギー安全あんぜん保障ほしょうの観点かんてんから域内いきないで共同きょうどう政策せいさくをとる必要ひつよう性せいを認識にんしきし、その結果けっかバルト海ばるとかいを経由けいゆしてロシアとドイツを直結ちょっけつする「ノルド・ストリーム」計画けいかくを始動しどうさせる契機けいきとなった[59]。

なおロシアの北方ほっぽうにある北極圏ほっきょくけんには、未み開発かいはつの石油せきゆ・天然てんねんガス資源しげんが眠ねむっているとされる。2007年ねん8月がつ、ロシア政府せいふは海うみ表面ひょうめんが温暖おんだん化かによって減少げんしょうしたことなどから同どう海域かいいきの潜水せんすい調査ちょうさを開始かいしし、同年どうねん北極ほっきょく海かいのロモノソフ海嶺かいれいがロシアの大陸棚たいりくだなの延長えんちょう上じょうにあることを確認かくにんしたとして、海底かいていにロシアの国旗こっきを立たて北極圏ほっきょくけんにおけるロシアのエネルギー利権りけんを主張しゅちょうした。プーチン大統領だいとうりょう（当時とうじ）はこの成果せいかを「すばらしい科学かがくプロジェクト」と称となえたが、一方いっぽうでカナダ政府せいふ当局とうきょくはこうした探査たんさは政治せいじ的てきパフォーマンスにすぎないと述のべている[60][61]。 2011年ねん1月がつ14日にち、露ろロスネフチと英えいBPが北極ほっきょく海かいの油田ゆでん開発かいはつを視野しやに資本しほん・業務ぎょうむ提携ていけいすることで合意ごういしたことが発表はっぴょうされた。資本しほん提携ていけいの規模きぼは78億おくドル（約やく6500億おく円えん）になり、北極ほっきょく海かいの南みなみカラ海うみにある大陸棚たいりくだなの油田ゆでん開発かいはつに向むけて、技術ぎじゅつセンターを設立せつりつすることで合意ごういしている[62]。

その他たの鉱業こうぎょう

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ロシアの鉱物こうぶつ資源しげんは種類しゅるい・量りょうともに豊富ほうふである。主おもな鉱物こうぶつとしては、燐灰石りんかいせきを世界せかいの64.5%、鉄てつ 32%、ニッケル 31%、錫すず 27%、コバルト 21%、ウラン 14%産出さんしゅつするほか、銅どう、鉛なまり、亜鉛あえん、アルミ、チタン、金きむ、プラチナ、ダイヤモンドなどを産出さんしゅつする[58]。

鉱業こうぎょう分野ぶんやにおける主おもな企業きぎょうに、鉄鋼てっこうメーカー大手おおてセヴェルスターリ、ニッケル・パラジウム生産せいさんの世界せかい最大手さいおおてノリリスク・ニッケルなどがある。

防衛ぼうえい産業さんぎょう

編集へんしゅう
 
マレーシア空軍くうぐんのSu-30MKM
詳細しょうさいは「en:Defense industry of Russia」を参照さんしょう

セルゲイ・イワノフ副ふく首相しゅしょう（当時とうじ）によると、2007年ねんのロシアの兵器へいき輸出ゆしゅつ額がくは70億おくドルを超こえ、これは2000年ねんの約やく2倍ばいにものぼる[63][64]。また、ロシアの防衛ぼうえい産業さんぎょうの雇用こよう人口じんこうは250万まん人にんから300万まん人にんといわれ、製造せいぞう業ぎょう全体ぜんたいの20%を占しめる[65]。ロシアは従来じゅうらいからアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくに次つぐ世界せかい第だい2位いの武器ぶき輸出ゆしゅつ国こくである[66]。スホーイやMiG戦闘せんとう機き、防空ぼうくうシステム、ヘリコプター、戦車せんしゃ、装甲そうこう兵員へいいん輸送ゆそう車しゃ、歩兵ほへい戦闘せんとう車しゃなどが主おもな輸出ゆしゅつ兵器へいきである[66]。戦略せんりゃく・テクノロジー分析ぶんせきセンター（英語えいご版ばん）によると航空こうくう防衛ぼうえいシステムのアルマーズ・アンテイ（英語えいご版ばん）社しゃは2007年ねん最もっとも業績ぎょうせきをのばし、売上うりあげ高だか31億おく2千せん2百ひゃく万まんドル、従業じゅうぎょう員数いんずうは81,857人にんに上のぼり[67]、スホーイ社しゃに次ついで業界ぎょうかい第だい2位いの企業きぎょうとなった。

航空機こうくうき産業さんぎょう

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詳細しょうさいは「en:Aircraft industry of Russia」を参照さんしょう

航空機こうくうき産業さんぎょうはロシアの製造せいぞう業ぎょうでも重要じゅうような産業さんぎょう分野ぶんやであり、就労しゅうろう者しゃ総数そうすうは35万まん5300人にんに上のぼる。ロシアの航空機こうくうきには、MiG-29やSu-30といった国際こくさい的てきに競争きょうそう力りょくをもつ戦闘せんとう機きがあり、また一方いっぽうでスホーイ・スーパージェット100のような新しんプロジェクトによって民間みんかん旅客機りょかくき部門ぶもんを復活ふっかつさせることも期待きたいされている。2009年ねんに統一とういつ航空機こうくうき製造せいぞう会社かいしゃ傘下さんかの子会社こがいしゃが納品のうひんした95機きの航空機こうくうきのうち、15機きは民間みんかん旅客機りょかくきであった。また同時どうじに141機きのヘリコプターも生産せいさんしている。航空機こうくうき製造せいぞうには多おおくの科学かがく技術ぎじゅつが必要ひつようとされることから他た部門ぶもんと比較ひかくしてより多おおくの熟練じゅくれん者しゃが就労しゅうろうしている部門ぶもんでもある。ロシアの軍需ぐんじゅ産業さんぎょうに占しめる航空機こうくうきの割合わりあいは他たの部門ぶもんと比較ひかくして突出とっしゅつして大おおきい。航空機こうくうき輸出ゆしゅつ額がくは兵器へいき輸出ゆしゅつ額がく全体ぜんたいの半分はんぶん以上いじょうである[68]。

自動車じどうしゃ産業さんぎょう

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詳細しょうさいは「en:Automotive industry in Russia」を参照さんしょう

国産こくさん車しゃメーカーとして、最大手さいおおてアフトヴァースのほかソラーズ、GAZ、KAMAZなどがある。

これらロシア企業きぎょうは、外国がいこく自動車じどうしゃの傘下さんかに入はいっていたり、提携ていけい関係かんけいにあったりする会社かいしゃが多おおい。アフトヴァースはルノー=日産にっさんアライアンスの、ソラーズは米国べいこくフォード・モーター[69] の傘下さんか。GAZはドイツVW（フォルクスワーゲン）と提携ていけい[70] している。

トヨタ自動車とよたじどうしゃはサンクトペテルブルクに現地げんち工場こうじょうを持もつ[71]。三菱自動車工業みつびしじどうしゃこうぎょうもロシアで現地げんち生産せいさんを行おこなっている。

2017年ねんのロシアの新車しんしゃ販売はんばい台数だいすうは約やく159万まん5700台だい。国際こくさい的てきな資源しげん高だかでロシア経済けいざいが好調こうちょうだった2012年ねんには300万まん台だいを超こえて、ドイツ市場いちばを上回うわまわったこともあった。首都しゅとモスクワなどではカーシェアリングも始はじまっている[72]。

サービス産業さんぎょう

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金融きんゆう業ぎょう

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銀行ぎんこう
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ロシアの中央ちゅうおう銀行ぎんこうはロシア中央ちゅうおう銀行ぎんこうである。商業しょうぎょう銀行ぎんこうは09年ねん初はじめで1,100行ぎょう余あまりあるが、最大さいだいはズベルバンクで、個人こじん預金よきんの半分はんぶん以上いじょうを集あつめている。その他た、主おもな銀行ぎんこうにVTB銀行ぎんこう、ロシア復興ふっこう銀行ぎんこう（英語えいご版ばん）がある。2001年ねんから2009年ねんにかけて貸出かしだし額がくは全体ぜんたいで20倍ばい、個人こじんへの貸かし出だしは90倍ばい近ちかくに増ふえたが、国民こくみんの銀行ぎんこうへの不信ふしん感かんなどから、銀行ぎんこう資産しさんの対たいGDP比ひは65%と西側にしがわ諸国しょこくの3分ぶんの1程度ていどと低ひくく、融資ゆうし源泉げんせんとしての役割やくわりは小ちいさい。このため、経済けいざい発展はってんによる信用しんよう需要じゅようの増大ぞうだいにロシアの銀行ぎんこうが応こたえられず、ロシア企業きぎょうは資金しきん調達ちょうたつ先さきとして外国がいこく金融きんゆう市場いちばへの依存いぞんを強つよめたが、その分ぶんリーマン・ショック後ごの外資がいしの大量たいりょう流出りゅうしゅつによるロシア経済けいざいへのダメージは大おおきくなった[73]。

証券しょうけん市場いちば
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詳細しょうさいは「ロシア取引とりひきシステム」および「RTS指数しすう」を参照さんしょう

ロシアには50以上いじょうの証券しょうけん取引とりひき所しょがあるが、主要しゅような取引とりひき所しょはロシア取引とりひきシステム（RTS）、モスクワ銀行ぎんこう間あいだ通貨つうか取引とりひき所しょ（MICEX）などである。かつては国債こくさいの取引とりひきが主おもで、2005年ねん時価じか総額そうがくの対たいGDP比ひは約やく15%に過すぎなかったが、その後ご石油せきゆ、ガス、通信つうしん業ぎょうなど限かぎられた分野ぶんやではあるが外国がいこく投資とうし家かも参加さんかするようになって取引とりひきが活発かっぱつ化かし、時価じか総額そうがくはピーク時じで1兆ちょう5000億おくドルに達たっした[73]。

電気でんき通信つうしん産業さんぎょう

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電気でんき通信つうしん産業さんぎょうは市場いちば規模きぼ・質しつとも成長せいちょうを続つづけているが、GDPに占しめる比重ひじゅうは2%と未いまだ低ひくい。携帯けいたい電話でんわは急速きゅうそくに普及ふきゅうしており、2000年ねんに2.2台だいであった100人にん当あたり台数だいすうは、2009年ねんの162台だいに達たっした。主おもな事業じぎょう者しゃはMTS（en）、メガフォン（en）、ヴィムペルコム（en）の3社しゃで、契約けいやく数すう全体ぜんたいの85%を占しめている[74]。こうした携帯けいたい電話でんわの普及ふきゅうについて、GSM協会きょうかいのトム・フィリップスはこう述のべている。

「ロシアの携帯けいたい電話でんわ普及ふきゅう率りつはもう100%を超こえています。ロシア人じんにワイヤレス通信つうしんの人気にんきが非常ひじょうに高たかいこと、ロシア政府せいふが携帯けいたい電話でんわ市場いちばの成長せいちょうを促うながすため各かく企業きぎょう間あいだの激はげしい競争きょうそうを促うながしたことがその理由りゆうと考かんがえられます。[75]」

インターネットの利用りよう者しゃ数すうも2009年ねんには4,000万まん人にんに達たっしている。ロシア国産こくさんのブロードバンド通信つうしんを確立かくりつすることが強つよく望のぞまれているが、2007年ねん1月がつの時点じてんではまだない[76]。

IT産業さんぎょう
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IT市場いちばはロシア経済けいざいでも最もっとも活気かっきのある部門ぶもんである。ロシア製せいソフトウェアの輸出ゆしゅつは2000年ねんの1億おく2000万まんドルから2006年ねんには15億おくドルに上昇じょうしょうした。2000年ねんからのIT市場いちばの成長せいちょう率りつは年とし30～40%であり、2006年ねん単独たんどくでは54%の成長せいちょうをみせた。このうちもっとも大おおきな部門ぶもんはシステムとネットワーク統合とうごうの部門ぶもんであり、市場いちば全体ぜんたいの28.3%を占しめる[77]。一方いっぽう、もっとも成長せいちょうの早はやい分野ぶんやとしてはオフショア開発かいはつ[# 7] がある。ソフトウェア開発かいはつ市場いちばは2005年ねんに10億おくドル、2006年ねんには18億おくドルの市場いちば規模きぼであった [6]。

ナノテクノロジー

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新しん技術ぎじゅつ分野ぶんやにおいてロシアの研究けんきゅう・開発かいはつ力りょくを多様たよう化かするため、プーチン政権せいけんはナノテクノロジー分野ぶんやに70億おくドルを投資とうしするという巨額きょがくのプログラムを発表はっぴょうした[78]。このプログラムの一環いっかんとして、2007年ねん中ちゅうに50億おくドルが新規しんき国営こくえい企業きぎょうロスナノ（英語えいご版ばん）に投資とうしされた。

一方いっぽう、ナノテク・プログラムはその他たの科学かがく分野ぶんやすべてを併あわせた3倍ばいもの補助ほじょ金きんを国くにから受うけているという批判ひはんもある[79]。 また、こうした公的こうてき資金しきんのほか、大だい富豪ふごうミハイル・プロホロフは、ハイテク分野ぶんや、特とくに代替だいたいエネルギー研究けんきゅうとナノテクノロジーの研究けんきゅう開発かいはつに175億おくドルの投資とうしをすると発表はっぴょうした。

運輸うんゆ

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「ロシアの交通こうつう」および「ロシア鉄道てつどう」を参照さんしょう
 
ロシアの主要しゅよう鉄道てつどう網もう

ロシアの貨物かもつ輸送ゆそうではパイプラインが大おおきな比重ひじゅうを占しめ、総そう距離きょり22万まんkmになる。次ついで主要しゅような貨物かもつ輸送ゆそうは鉄道てつどうで、国営こくえい企業きぎょうのロシア鉄道てつどうが鉄道てつどう事業じぎょうを独占どくせんしており、その営業えいぎょう距離きょりは8万まん5000kmに達たっする[74]。線路せんろや車両しゃりょうの老朽ろうきゅう化かが指摘してきされ、旅客りょかく列車れっしゃの平均へいきんスピードが欧州おうしゅうの4分ぶんの1とも言いわれる[74] 一方いっぽうで、高速こうそく列車れっしゃの導入どうにゅうも計画けいかくされている。

貨物かもつ輸送ゆそうにおいて自動車じどうしゃの占しめる割合わりあいは4.4%と低ひくい[80]。シベリア横断おうだん道路どうろやM10幹線かんせん道路どうろなど幹線かんせん道路どうろもあるが舗装ほそう状態じょうたいの悪わるい地域ちいきも多おおい。またモスクワなど大都市だいとし圏けんでは交通こうつう渋滞じゅうたいが深刻しんこくである[81]。

航空こうくう運輸うんゆによる貨物かもつ輸送ゆそうも全体ぜんたいの1.1%に過すぎず未み発達はったつの状態じょうたいであり、10年ねん以上いじょう使用しようされている機体きたいが全体ぜんたいの7割わりを占しめるなど老朽ろうきゅう化かが懸念けねんされている[80]。なおアエロフロート・ロシア航空こうくうがフラッグ・キャリアであるが、大統領だいとうりょう専用せんよう機きなどの運航うんこうはロシア航空こうくうが行おこなっている。

食品しょくひん産業さんぎょう

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詳細しょうさいは「ロシアの食品しょくひん産業さんぎょう（ロシア語ご版ばん、英語えいご版ばん）」を参照さんしょう

貿易ぼうえき

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ロシア経常けいじょう黒字くろじの推移すいい。貿易ぼうえき黒字くろじ
 
2006年ねんロシアの主おもな輸出ゆしゅつ相手あいて国こく

1999年ねん、輸出ゆしゅつ額がくは少すこし上昇じょうしょうしたが、輸入ゆにゅうは前年度ぜんねんど比ひ-30.5%の大幅おおはば減げんであった。結果けっかとして貿易ぼうえき黒字くろじは332億おくドルにふくらみ前年度ぜんねんど水準すいじゅんの2倍ばい以上いじょうになった。2001年ねんになると傾向けいこうが変かわり、輸出ゆしゅつは減少げんしょうして輸入ゆにゅうが増加ぞうかした。2001年ねんのロシア輸出ゆしゅつ額がく全体ぜんたいの80%は一いち次じ産品さんぴん、特とくに石油せきゆ、天然てんねんガス、金属きんぞく、原木げんぼくであるが、これらの国際こくさい価格かかくの変動へんどうは輸出ゆしゅつ実績じっせきに与あたえた影響えいきょうは大おおきい。なかでも、輸出ゆしゅつにおいては鉄鋼てっこうが7.5%減少げんしょうするなどもっとも伸のび悩なやみ、輸入ゆにゅうでは鉄鋼てっこうと穀類こくるいがそれぞれ11%と61%減少げんしょうした。

当時とうじ、こうした傾向けいこうは2002年ねんも続つづくとした経済けいざい評論ひょうろん家かがほとんどであった。2002年ねんの第だい1四半期しはんきは、輸入ゆにゅう額がくは12%増加ぞうかしたが、これは個人こじん消費しょうひの増加ぞうかによるものである。輸入ゆにゅう品ひん、特とくに自動車じどうしゃ、酒類しゅるい、飲料いんりょうおよび航空機こうくうきなどには、輸入ゆにゅう税ぜいとして関税かんぜいのほか20%の付加ふか価値かち税ぜいと物品ぶっぴん税ぜいがかかる。また酒類しゅるい輸入ゆにゅうライセンス体制たいせいのため酒類しゅるいの輸入ゆにゅう需要じゅようはいまだに抑おさえられたままである。他た、通関つうかん法規ほうきが予期よきせず頻繁ひんぱんに変かわることも貿易ぼうえき業者ぎょうしゃや海外かいがい投資とうし家かの悩なやみの種たねとなり、輸入ゆにゅう増ぞうを抑制よくせいしている。

2005年ねんの第だい1四半期しはんき、34%上昇じょうしょうし1515億おくドルになった。これは主おもに石油せきゆ価格かかくと天然てんねんガス価格かかくの上昇じょうしょうによるもので、金額きんがくベースで全ぜん輸出ゆしゅつの64%に上のぼる。CIS諸国しょこくとの貿易ぼうえきは13.2%上昇じょうしょうし233億おくドルになった。EUとは52.9%、CIS15.4%、ユーラシア経済けいざい共同きょうどう体たい7.8%、アジア・太平洋たいへいよう経済けいざい共同きょうどう体たい15.9%である [7]。

2011年ねん12月16日にち、ジュネーブで開ひらかれた世界せかい貿易ぼうえき機関きかん（WTO）閣僚かくりょう会議かいぎにおいて、ロシアのWTO加盟かめいが正式せいしきに承認しょうにんされた[82]。国内こくないの批准ひじゅん手続てつづきを経へて、2012年ねん8月がつ22日にちにロシアはWTOへ正式せいしきに加盟かめいした[83]。

ロシアの主おもな貿易ぼうえき相手あいて国こく

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国くに別べつ ロシアの貿易ぼうえき相手あいて国こくトップ5
2022年ねん 資料しりょう: CIA The World Factbook[84]
順位じゅんい 輸出ゆしゅつ相手あいて国こく シェア 輸入ゆにゅう相手あいて国こく シェア
1位い   中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく 21%   中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく 39%
2位い   インド 8%   ドイツ 8%
3位い   ドイツ 6%   トルコ 5%
4位い   トルコ 5%   カザフスタン 5%
5位い   イタリア 5%   韓国かんこく 3%

対たい中ちゅう貿易ぼうえき

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中国ちゅうごくとロシアの貿易ぼうえき額がくは2005年ねんに291億おくドルに達たっした。これは前年ぜんねん2004年ねんに比くらべて37.1%も上昇じょうしょうしている。中国ちゅうごくからの機械きかいおよび電子でんし機器ききの輸出ゆしゅつは70%伸のび、対たいロシア輸出ゆしゅつの24%を占しめる。またハイテク製品せいひんも58%の伸のびをみせ、対たいロ輸出ゆしゅつの7%を占しめる。またこの時期じきの国境こっきょう貿易ぼうえき額がくは51.3億おくドルにのぼり、前年ぜんねん比ひ35%の成長せいちょう、全ぜん貿易ぼうえき額がくの20%を占しめる。なお中国ちゅうごくからの主おもな輸出ゆしゅつ品目ひんもくは衣料いりょう品ひんと靴くつである。

ロシアは中国ちゅうごくの8番目ばんめの貿易ぼうえき相手あいて国こくであり、中国ちゅうごくはロシアの4番目ばんめの取引とりひき相手あいて国こくである。

2005年ねん中国ちゅうごくは750以上いじょうの対外たいがい投資とうしプロジェクトを計画けいかくしており、これらの総額そうがくは約やく10億おくドルになる。このうち、2005年ねん1月がつから9月がつまでの対たいロシア投資とうし額がくは3億おく6800万まんドルに昇のぼり、これは2004年ねん同どう時期じきの2倍ばいにあたる額がくである。

中国ちゅうごくはロシアから主おもにエネルギー資源しげんを輸入ゆにゅうしており、特とくに原油げんゆ（鉄道てつどうでの輸入ゆにゅうが中心ちゅうしん）や、隣接りんせつするシベリア・極東きょくとう管区かんくからの電力でんりょく輸入ゆにゅうなどが多おおい。東ひがしシベリア・太平洋たいへいよう石油せきゆパイプラインの中国ちゅうごく向むけ支線しせんが完成かんせいし、2011年ねん1月がつ1日にちより稼働かどうを開始かいしした[85] ことから、こうした資源しげんの輸入ゆにゅう額がくは増ふえることが予想よそうされる。

対たい日にち貿易ぼうえき

編集へんしゅう
 
1988年ねん-2009年ねんの日ひロ貿易ぼうえき額がくの推移すいい。単位たんい：10億おく円えん
緑みどり：日本にっぽんの輸出ゆしゅつ　黄き：日本にっぽんの輸入ゆにゅう
＜財務省ざいむしょう貿易ぼうえき統計とうけいより＞

日本にっぽんとロシアの貿易ぼうえきは2000年代ねんだい半なかばから急きゅう成長せいちょうを遂とげた。2008年ねん、ロシアの対たい日にち輸入ゆにゅうは乗用車じょうようしゃ、中古ちゅうこ車しゃ、バス・トラックが80%以上いじょうを占しめ、輸出ゆしゅつは鉱物こうぶつ性せい燃料ねんりょう（石油せきゆ・天然てんねんガス・石炭せきたん）が主おもな品目ひんもくであり、輸出ゆしゅつ全体ぜんたいのおよそ60%を占しめている。なお日本にっぽんの企業きぎょうが資本しほん参加さんかしているロシアサハリン州しゅうでのサハリン1及およびサハリン2プロジェクトが稼働かどうを始はじめ、日本にっぽん向むけに原油げんゆや天然てんねんガスの輸出ゆしゅつが開始かいしされたことが、2000年代ねんだいになって輸出ゆしゅつ額がくを押おし上あげた要因よういんのひとつである。

順調じゅんちょうに拡大かくだいを続つづけていた日にちロ貿易ぼうえきであるが、2008年ねん10月がつ以降いこうは世界せかい不ふ況きょうの影響えいきょうなどで取引とりひき額がく全体ぜんたいが急落きゅうらくした[86]。また2009年ねん1月がつからは乗用車じょうようしゃ、バス・トラックを含ふくむ自動車じどうしゃの輸入ゆにゅう関税かんぜいが大幅おおはば（約やく2倍ばい）に引ひき上あげられたことから、事実じじつ上じょう日本にっぽん製せい中古ちゅうこ車しゃはロシア市場いちばから締しめ出だされた形かたちとなったため、自動車じどうしゃの輸入ゆにゅう額がくは2008年ねんの1兆ちょう3000億おく円えんから2009年ねんは1365億おく円えんと約やく10分ぶんの1になり、日本にっぽんからの輸入ゆにゅう総額そうがくも2008年ねんの1兆ちょう7,000億おく円えんから2009年ねんは3,000億おく円えんへと大幅おおはばに下落げらくした[87]。一方いっぽう、日本にっぽんへの輸出ゆしゅつ額がくは2008年ねん約やく1兆ちょう4000億おく円えんだったが2009年ねんには8255億おく円えんに減少げんしょうした。主要しゅよう輸出ゆしゅつ品目ひんもくである原油げんゆ及および粗そ油あぶらの額がくが5265億おく円えんから3341億おく円えんに減少げんしょうしたことが主おもな原因げんいんであるが、数量すうりょうは806万まんKLから919万まんKLへとむしろ増加ぞうかしており、原油げんゆの国際こくさい価格かかくの下落げらくなどが輸出ゆしゅつ総額そうがくに影響えいきょうを与あたえた形かたちとなっている。

投資とうし

編集へんしゅう
 
原油げんゆ価格かかくの記録きろく的てきな伸のびに連動れんどうして、ロシアへの海外かいがい投資とうしも増加ぞうかした。

1999年ねん、対たいロ投資とうしは1990年ねん以来いらい最大さいだいの4.5%増加ぞうかすると、その後ごも高たかい率りつで成長せいちょうを続つづけ、2001年ねんは対たいロ投資とうし全体ぜんたいで前年ぜんねん比ひ約やく30%の伸のびを見みせた。労働ろうどう者しゃの賃金ちんぎんが比較的ひかくてき高たかいこと、現金げんきん取引とりひきが増ふえていること、需要じゅようの楽観らっかん的てき見通みとおし、政治せいじ的てきに安定あんていしていることなどがこの傾向けいこうを後押あとおしした。このように投資とうしの成長せいちょう率りつは高たかいが、投資とうし額がく自体じたいは非常ひじょうに低ひくい。アメリカからの対たいロシア累積るいせき投資とうし額がくは約やく40億おくドルで、コスタリカと同どうレベルである。

2002年ねん3月がつ、セルゲイ・イグナチェフ（ロシア語ご版ばん）はヴィクトル・ゲラシェンコ（ロシア語ご版ばん）の後任こうにんとしてロシア連邦れんぽう中央ちゅうおう銀行ぎんこうの総裁そうさいとなった。イグナチェフ総裁そうさいの指導しどう力りょくで、会計かいけい監査かんさ手順てじゅんと連邦れんぽう預金よきん保険ほけんをより厳格げんかくに必要ひつような銀行ぎんこう改革かいかくが実行じっこうされることが期待きたいされている。

戦略せんりゃく部門ぶもん

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ロシアでは、国くにの安全あんぜん保障ほしょうにとって非常ひじょうに重要じゅうようであるとされる経済けいざい部門ぶもんがあり、外国がいこく企業きぎょうはそれらを保有ほゆうすることに制限せいげんする法律ほうりつがある。こうした、いわゆる戦略せんりゃく部門ぶもんに対たいする投資とうしは、ロシア連邦れんぽう議会ぎかいの採択さいたくした法ほうによって規定きていされている。

法人ほうじんの形態けいたい

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  • IP (Индивидуальный предприниматель) - 個人こじん起業きぎょう家か
  • OOO (Общество с ограниченной ответственностью, ООО) - 有限ゆうげん会社かいしゃ
  • ZAO (Закрытое акционерное общество, ЗАО) - 非公開ひこうかい会社かいしゃ、閉鎖へいさ型がた株式会社かぶしきがいしゃ、閉鎖へいさ会社かいしゃなど （株かぶは公開こうかい取引とりひきされず、特定とくていの法人ほうじん・個人こじんに所有しょゆうされ、転売てんばいにも制限せいげんがある[88]。）
  • OAO (Открытое акционерное общество, ОАО) - 公開こうかい会社かいしゃ、公開こうかい型がた株式会社かぶしきがいしゃ、開放かいほう会社かいしゃなど
  • ANO (Автономная некоммерческая организация, АНО) - 独立どくりつ非ひ営利えいり法人ほうじん
  • GP or GUP (Государственное унитарное предприятие, ГП or ГУП) - 国営こくえい企業きぎょう、国有こくゆう企業きぎょう
  • Фонд - 基金ききん
  • PK (Производственный кооператив, ПK) - 生産せいさん協同きょうどう組合くみあい
  • PP (Политические партии, ПП) - 政党せいとう

脚注きゃくちゅう

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[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]
  •   この記事きじにはパブリックドメインである、米国べいこく議会ぎかい図書館としょかん各国かっこく研究けんきゅうが作成さくせいした次つぎの文書ぶんしょ本文ほんぶんを含ふくむ。Library of Congress Country Studies. - Soviet Union
注釈ちゅうしゃく
  1. ^ GNP、PPP順位じゅんいは2010年版ねんばん CIAワールドファクトブック に拠よる。
  2. ^ 英語えいご：Loan for share、国営こくえい企業きぎょうの政府せいふ株式かぶしきを担保たんぽとしてオリガルヒらの銀行ぎんこうが政府せいふに融資ゆうしすること。ロシア連邦れんぽう政府せいふが期限きげんまでに資金しきんを返済へんさいできない場合ばあい、銀行ぎんこうは担保たんぽに取とった株式かぶしきを保有ほゆう又または売却ばいきゃくできる。
  3. ^ アレクセイ・クドリン財務ざいむ相しょうらによる財政ざいせいの健全けんぜん性せいを重視じゅうしする路線ろせん。資金しきん蓄積ちくせきには積極せっきょく的てきだが支出ししゅつには消極しょうきょく的てき。
  4. ^ ゲルマン・グレフ経済けいざい発展はってん貿易ぼうえき相しょうら。基金ききんからの支出ししゅつによるインフラ整備せいびを重視じゅうしする路線ろせん。蓄積ちくせき・支出ししゅつとも積極せっきょく的てき。
  5. ^ ミハイル・フラトコフ首相しゅしょう。基金ききん縮小しゅくしょうを原資げんしとして減税げんぜいを行おこなうことにより経済けいざい活性かっせい化かを重視じゅうしする路線ろせん。資金しきんの蓄積ちくせきそのものに消極しょうきょく的てき。
  6. ^ 森林しんりんを構成こうせいする木きの体積たいせき。
  7. ^ オフショア開発かいはつとは：ソフトウェア開発かいはつなどを海外かいがい（＝オフショア）の事業じぎょう者しゃなどに委託いたくすること。
出典しゅってん
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  6. ^ ロシア経済けいざい「戦時せんじ体制たいせい」制裁せいさい、インフレ抑おさえ防衛ぼうえい／在外ざいがいマネー還流かんりゅう狙ねらう『日本経済新聞にほんけいざいしんぶん』朝刊ちょうかん2018年ねん4月がつ19日にち（国際こくさい面めん）
  7. ^ [1] プーチン大統領だいとうりょう再選さいせんの裏うらで“ガタガタ”な経済けいざいとトラブルだらけの外交がいこう
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参考さんこう文献ぶんけん

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