南都七大寺なんとしちだいじ

南都七大寺なんとしちだいじ（なんとしちだいじ）は、奈良なら時代じだいに平城京へいじょうきょう（南都なんと・奈良なら）およびその周辺しゅうへんに存在そんざいして朝廷ちょうていの保護ほごを受うけた7つの官かん寺てらを指さす。初出しょしゅつは平安へいあん時代じだい『扶桑ふそう略記りゃっき』延長えんちょう4年ねん(926年ねん)12月9日にち条じょうで、「七なな大寺おおてら、東大寺とうだいじ、興福寺こうふくじ、元興寺がんごうじ、大安寺だいあんじ、薬師寺やくしじ、西大寺さいだいじ、法隆寺ほうりゅうじ」とされた。2年ねん後ご『延喜えんぎ式しき』にも七なな大だい寺てらとして寺院じいん名めいと寺院じいん配列はいれつも同一どういつで表記ひょうきされた。

七なな大寺おおてら一覧いちらん

No.	山号さんごう	寺院じいん名めい	開基かいき	宗派しゅうは	所在地しょざいち
1	無なし	東大寺とうだいじ	聖武天皇しょうむてんのう	華厳宗けごんしゅう	奈良なら県けん奈良なら市し雑司ぞうし町まち406-1
2	無なし	興福寺こうふくじ	藤原不比等ふじわらのふひと	法相ほうしょう宗むね	奈良なら県けん奈良なら市し登大路のぼりおおじ町まち48番地ばんち
3	無なし	元興寺がんこうじ	蘇我馬子そがのうまこ	華厳宗けごんしゅう 真言しんごん律りつ宗むね 真言しんごん律りつ宗むね	奈良なら県けん奈良なら市し芝新屋しばのしんや町まち12 奈良なら県けん奈良なら市し中院ちゅういん町まち11 奈良なら市し西新屋にしのしんや町まち45
4	無なし	大安寺だいあんじ	舒明天皇てんのう	高野山こうのやま真言宗しんごんしゅう	奈良なら県けん奈良なら市し大安寺だいあんじ2丁目ちょうめ18-1
5	勝かち宝山たからやま	西大寺さいだいじ	孝こう謙けん上皇じょうこう	真言しんごん律りつ宗むね	奈良なら県けん奈良なら市し西大寺芝さいだいじしば町まち1-1-5
6	無なし	薬師寺やくしじ	天武天皇てんむてんのう	法相ほうしょう宗むね	奈良なら県けん奈良なら市し西ノ京にしのきょう町まち457
7	無なし	法隆寺ほうりゅうじ	聖徳太子しょうとくたいし	聖徳せいとく宗むね	奈良なら県けん生駒いこま郡ぐん斑鳩いかるが町まち法隆寺ほうりゅうじ山内さんない1-1

唐招提寺とうしょうだいじを法隆寺ほうりゅうじ（奈良ならから離はなれた斑鳩いかるに所在しょざいする）の代かわりに入いれる場合ばあいもある。

また、文武ぶんぶ天皇てんのう以後いごに四よん大だい寺てらと通称つうしょうされ、元興寺がんごうじ、大安寺だいあんじ、川原かわはら寺てら（現在げんざいの弘ひろ福ぶく寺てら）、薬師寺やくしじが上あげられていたが、聖武天皇しょうむてんのうの代だいに川原かわら寺てらが興福寺こうふくじに代かえられた。

「七なな大寺おおてら」の用語ようご自体じたいは『続ぞく日本にっぽん紀き』天平てんぴょう勝かち宝たから8歳さい（756年ねん）5月がつ4日にち条じょう「於二に七なな大だい寺てら一いち誦経じゅきょう焉」が初出しょしゅつだが、寺院じいん名めいの当初とうしょの構成こうせいは藤原ふじわら京きょうから移うつした大安寺だいあんじ、薬師寺やくしじ、元興寺がんごうじに、興福寺こうふくじ、東大寺とうだいじを加くわえた五大ごだい寺てら以外いがいは不明ふめいである。

• 
  東大寺とうだいじ
• 
  興福寺こうふくじ
• 
  元興寺がんこうじ
• 
  大安寺だいあんじ
• 
  西大寺さいだいじ
• 
  薬師寺やくしじ
• 
  法隆寺ほうりゅうじ

参考さんこう文献ぶんけん

• 橋川はしかわ正ただし『綜合そうごう日本にっぽん仏教ぶっきょう史し』目黒めぐろ書店しょてん、1932年ねん。 2011年ねん書肆しょし心しん水すいから復刊ふっかんされた。

関連かんれん項目こうもく

• 官かん寺てら
• 南都なんと六ろく宗むね