鉄道てつどう唱歌しょうか

「鉄道てつどう唱歌しょうか」
大和田おおわだ建樹たけきの直筆ちょくひつによる第だい1集しゅう第だい1番ばんの歌詞かし。 （新橋しんばし駅えき前まえに建たつ『鉄道てつどう唱歌しょうかの碑いしぶみ』）
唱歌しょうか
出版しゅっぱん	1900年ねん5月がつ10日とおか
作詞さくし者しゃ	大和田おおわだ建樹たけき
作曲さっきょく者しゃ	多た梅うめ稚やや・上うえ真しん行ぎょう

『鉄道てつどう唱歌しょうか』（てつどうしょうか）は、明治めいじ時代じだいに作詞さくしされた唱歌しょうか。全ぜん5集しゅう・334番ばん。

経緯けいい

大阪おおさかの出版しゅっぱん社しゃ「昇のぼり文ぶん館かん」を主宰しゅさいする市田いちだ元もと蔵ぞうが企画きかくし、大和田おおわだ建樹たけきに作詞さくしを、多た梅うめ稚ややと上うえ真しん行ぎょうに作曲さっきょくを依頼いらいしたことから「鉄道てつどう唱歌しょうか」は誕生たんじょうした。しかし、昇のぼり文ぶん館かんの経営けいえい状態じょうたいはすでに悪化あっかしていた。1900年ねん5月がつ10日とおかに第だい1集しゅう東海道とうかいどう篇へんを発売はつばいしたものの、印刷いんさつ部数ぶすうはわずか3,000部ぶであり、宣伝せんでん資金しきんもなかったために、ほとんど売うれないまま、昇のぼり文ぶん館かんは倒産とうさんした。

この「鉄道てつどう唱歌しょうか」の版権はんけんを市田いちだから買収ばいしゅうしたのが、大阪おおさかで楽器がっき店てん（現在げんざいの三木みき楽器がっき）を営いとなんでいた三木みき佐助さすけである。江戸えど時代じだいより「往来おうらい物ぶつ」と呼よばれる宿場しゅくば町まちを覚おぼえる歌うたや、鉄道てつどう開業かいぎょう後のちに「レールエ節ふし」と呼よばれる鉄道てつどう沿線えんせんを紹介しょうかいする歌うたが存在そんざいしたため、鉄道てつどう路線ろせん網もうが形成けいせいされるに従したがって、それら路線ろせんの沿線えんせんを歌うたった書籍しょせきの販売はんばいの着想ちゃくそうを得えたと言いわれている。第だい1集しゅう東海道とうかいどう篇へんは1900年ねんに『地理ちり教育きょういく 鉄道てつどう唱歌しょうか 第だい一いち集しゅう』のタイトルで三木みきによって再度さいど出版しゅっぱんされ、楽団がくだんを乗のせた列車れっしゃを走はしらせるなどの奇抜きばつな広告こうこく戦略せんりゃくの効果こうかもあって大だい流行りゅうこうした。さらに、この年としの年末ねんまつまでに第だい5集しゅうまでが発表はっぴょうされた。詞しはいずれも大和田おおわだ建樹たけきによるもので、曲きょくは第だい1集しゅう・第だい2集しゅうが多た梅うめ稚ややと上うえ真しん行ぎょう、第だい3集しゅうが多た梅うめ稚ややと田村たむら虎とら蔵ぞう、第だい4集しゅうが納所なっしょ辨べん次郎じろうと吉田よしだ信太のぶた、第だい5集しゅうは多た梅うめ稚ややが2種しゅといったように、各かく曲きょくに2つずつつけられた。これは「鉄道てつどう唱歌しょうか」が書籍しょせきの形式けいしきで販売はんばいされたので、「読者どくしゃに好すきな方ほうを歌うたってもらおう」という、最初さいしょの企画きかく者しゃ・市田いちだ元もと蔵ぞうのアイディアだったといわれている。だが第だい1集しゅうから第だい3集しゅう、そして第だい5集しゅうの曲きょくの1つであった多た梅うめ稚ややのそれが、抒情じょじょう的てきな上うえ真しん行ぎょうの曲きょくよりも、ヨナ抜ぬき音階おんかいのピョンコ節ぶしでメロディーが覚おぼえやすく、余あまりにもテンポがよく旅情りょじょうがそそられるといった事情じじょうのためか広ひろく歌うたわれるようになって、他たの方ほうの曲きょくはほとんど歌うたわれなくなってしまった。現在げんざい知しられているのはもちろん多た梅うめ稚ややの曲きょくである。多た梅うめ稚ややの作曲さっきょくに依よらない第だい4集しゅうも、この曲きょくで歌うたわれることが多おおい。ちなみにテンポ良よく聞きこえるのは歌詞かしが七五調しちごちょうとなっているのも要因よういんの一ひとつである。

異説いせつとして、最初さいしょから三木みきの企画きかくだったとする説せつ、無名むめいの一いち青年せいねんの詞しを買かい取とり大和田おおわだが補筆ほひつしたとの説せつがある。三木みきは、街頭がいとうで手風琴てふうきんに合あわせて演歌えんか師しが歌うたう哀愁あいしゅうを帯おびたメロディーを耳みみにして鉄道てつどう旅行りょこう歌かのアイデアを閃ひらめき、作詞さくしを大和田おおわだに依頼いらいする。その際さい、参考さんこうに横江よこえ鉄石てっせきの『東海道とうかいどう汽車きしゃの旅たび』と無名むめい作家さっかの歌詞かしを大和田おおわだに差さし出だすが「物足ものたりない作品さくひんですね。表現ひょうげんも硬かたくて暗くらい」と言いって返かえされたとしている。

「鉄道てつどう唱歌しょうか」の書籍しょせきは大正たいしょう初期しょきまでの20年間ねんかんに総計そうけい2000万まん部ぶを売うったという。

タイトルに「地理ちり教育きょういく」と付つけられている背景はいけいとして、当時とうじの音楽おんがく教育きょういくの一環いっかんとして歌うたによる知識ちしきの習得しゅうとくという方針ほうしんがあり、版元はんもとはこの方針ほうしんに乗のって鉄道てつどう唱歌しょうかの販売はんばい数すうを増ふやす意図いとがあったようである。本歌ほんかの発表はっぴょう直後ちょくごから全国ぜんこく各地かくちで郷土きょうど版ばんが多おおく製作せいさくされた。膨大ぼうだいな詞しの中なかに沿線えんせんの地理ちりや歴史れきし、民話みんわや伝説でんせつ、名産めいさん品ひんの紹介しょうかいを織おり込こんだこの曲きょくは、大人おとなの間あいだでも人気にんきとなった。

内容ないよう

歌詞かしの方ほうは基本きほん的てきに沿線えんせんに沿そって七五調しちごちょうで順々じゅんじゅんに詠うたっているが、沿線えんせんに作者さくしゃ（大和田おおわだ建樹たけき）の好このんだ場所ばしょや歴史れきし的てきな場所ばしょのようなところがある場合ばあい、またその路線ろせんの終点しゅうてんの場合ばあいなどは、そこに多おおく歌詞かしを割わり当あてたり、さらには「寄より道みち」していることもある。たとえば以下いかの最初さいしょにある鎌倉かまくらの場合ばあい、その直前ちょくぜんに「横須賀よこすか行いきは乗のり換かえと / 呼よばれて降ふるる大船おおぶねの」とあり、横須賀よこすか線せんに乗換のりかえて寄道よりみちすることが歌詞かしになっている。

第だい1集しゅうでは「鎌倉かまくら」・「近江おうみ八景はっけい」・「京都きょうと」・「大阪おおさか」・「神戸こうべ」、第だい2集しゅうでは「厳島いつくしま」・「下関しものせき（馬うま関せき）」・「関門海峡かんもんかいきょう」・「太宰府天満宮だざいふてんまんぐう」・「熊本くまもと」・「長崎ながさき」、第だい3集しゅうでは「日光にっこう」・「仙台せんだい」、第だい4集しゅうでは「新潟にいがた」・「佐渡さど島とう」・「金沢かなざわ」、第だい5集しゅうでは「伊勢いせ」・「吉野山よしのやま」・「和歌山わかやま」、第だい6集しゅうでは「函館はこだて港こう」・「小樽おたる」・「札幌さっぽろ」といった所ところなどがそれに該当がいとうする。

また、線路せんろが必かならずしも旧きゅう街道かいどうに沿そっていないために、各かく方面ほうめんの街道かいどうの峠とうげなどの地形ちけいや旧跡きゅうせき、名物めいぶつ等とうが駅えきや線路せんろから離はなれていることがあるが、そういった点てんでも必かならずしも正確せいかくでないこともある。

各かく集しゅうの歌うたい始はじめは以下いかのようになっており、いずれも旅立たびだちの印象いんしょうを強つよく読者どくしゃに与あたえるものとしていた。

• （第だい1集しゅう1番ばん）汽笛きてき一声いっせい新橋しんばしを はや我わが汽車きしゃは離はなれたり 愛宕あたごの山やまに入はいり残のこる 月つきを旅路たびじの友ともとして
• （第だい2集しゅう1番ばん）夏なつなお寒さむき布引ぬのびきの 滝たきの響ひびきをあとにして 神戸こうべの里さとを立たちいずる 山陽さんよう線路せんろの汽車きしゃの道みち
• （第だい3集しゅう1番ばん）汽車きしゃは煙けむりを噴ふき立たてて 今いまぞ上野うえのを出ででてゆく 行方ゆくえは何なにく陸奥みちのくの 青森あおもりまでも一いち飛ひに
• （第だい4集しゅう1番ばん）車輪しゃりんの響ひびき笛ふえの声こえ 見みかえる跡あとに消きえて行いく 上野うえのの森もりの朝ちょう月夜づきよ 田端たばたは露あらわもまだ寒さむし
• （第だい5集しゅう1番ばん）汽車きしゃをたよりに思おもい立たつ 伊勢いせや大和やまとの国くにめぐり 網島あみじまいでて関西かんさいの 線路せんろを旅たびの始はじめにて
• （第だい6集しゅう1番ばん）千里せんりの林はやし万里ばんりの野の 四よん面めんは海うみに囲かこまれて 我わが帝国ていこくの無尽むじん庫こと 世よに名なざさるる北海道ほっかいどう

なお第だい3集しゅうと第だい4集しゅうは、上野うえの駅えきから大宮おおみや駅えきに至いたる区間くかんで重複じゅうふくしているが、それぞれにおいて歌うたう場所ばしょをずらすなどの配慮はいりょをし、特色とくしょくを持もたせてある。

また各かく集しゅうの最後さいごないし最後さいごの1つ前まえに当あたる所ところ、また、東北とうほく線せんの終点しゅうてん「青森あおもり」の歌詞かし（第だい3集しゅう40番ばん）では、以下いかに示しめした通とおり急速きゅうそくに発達はったつした鉄道てつどう網もうを賞賛しょうさんする歌詞かしが見みられる。

• （第だい1集しゅう65番ばん）思おもえば夢ゆめか時ときのまに 五ご十じゅう三さん次じはしりきて 神戸こうべのやどに身みをおくも 人じんに翼つばさの汽車きしゃの恩おん
• （第だい3集しゅう40番ばん）勇いさむ笛ふえの音おといそぐ人ひと 汽車きしゃは着つきけり青森あおもりに 昔むかしは陸路りくろ廿にじゅう日び道どう 今いまは鉄道てつどう一昼夜いっちゅうや
• （第だい3集しゅう63番ばん）昔むかしは鬼おにの住じゅう家かとて 人じんの恐おそれし陸奥みちのくの 果はてまでゆきて時ときの間まに 帰かえる事ことこそめでたけれ
• （第だい3集しゅう64番ばん）いわえ人じん々鉄道てつどうの ひらけし時ときに逢あえる身みを 上野うえのの山やまも響ひびくまで 鉄道てつどう唱歌しょうかの声こえ立たてて
• （第だい4集しゅう71番ばん）駅えき夫おっとの声こえにおどろけば 眠ねむりはさめて米原まいばらに 着つきたる汽車きしゃの速すみやかさ 見みかえる伊吹いぶき雲くもふかし
• （第だい4集しゅう72番ばん）思おもえば汽車きしゃのできてより 狭せまくなりたる国くにの内うち いでし上野うえのの道みち変かえて いざや帰かえらん新橋しんばしに
• （第だい6集しゅう20番ばん）土地とちの話はなしを耳みみに聞きき 変かわる景色けしきを目めに見みつつ 慰なぐさむほどに呼よぶ声こえを 聞きけば小樽おたるか早はやここは

その他た、最後さいごでは以下いかのように次つぎの旅たび（次つぎの集しゅう）へ続つづくことを表あらわしたもの、または旅たびの終おわりを祝いわうないし惜おしむ歌詞かしも見みられる。

• （第だい1集しゅう66番ばん）明あけなば更さらに乗のりかえて 山陽さんよう道どうを進すすままし 天気てんきは明日あしたも望もちあり 柳やなぎにかすむ月つきの影かげ
• （第だい2集しゅう67番ばん）前まえは海原うなばらはてもなく 外そとつ国くにまでもつづくらん あとは鉄道てつどう一ひとすじに またたくひまよ青森あおもりも
• （第だい2集しゅう68番ばん）あしたは花はなの嵐山あらしやま ゆうべは月つきの筑紫つくし潟かた かしこも楽たのしここもよし いざ見みてめぐれ汽車きしゃの友とも
• （第だい5集しゅう64番ばん）治おさまる御代みよの天下茶屋てんがちゃや さわがぬ波なみの難波なんば駅えき いさみて出でずる旅人たびびとの 心しんはあとに残のこれども
• （第だい6集しゅう40番ばん）幌別ほろべつ輪西わにし打うち過すぎて はや室蘭むろらんに着つきにけり 青森あおもりまでは海うみ一ひとつ 海胆うには此地の名産めいさんぞ

長ながさ

1985年ねんに書かかれ、翌よく1986年ねんに発売はつばいされた「石坂いしざかまさを一人ひとり旅たびして─全国ぜんこく我わが町まち音頭おんど」（県けん別べつ編へん・市町村しちょうそん編へん合あわせて3355番ばん）が出でるまで長ながらく日本一にっぽんいち歌詞かしが長ながい歌うただった。

カラオケでは鉄道てつどう唱歌しょうか第だい一いち集しゅう66番ばんをすべて歌うたうことができ、その曲きょく長ちょうは28分ふん40秒びょう(DAM)であり、カラオケで収録しゅうろくされている歌うたとしては有数ゆうすうの長ながさを誇ほこる。発売はつばいされたCDとしてはボニージャックスが334番ばん全集ぜんしゅう（北海道ほっかいどう編へんは含ふくまない）、キドブラザーズが省略しょうりゃくせずに399番ばんを収録しゅうろくしたCD集しゅうがある（他たに山陰さんいん鉄道てつどう唱歌しょうか、中央ちゅうおう線せん鉄道てつどう唱歌しょうかがある）。

全ぜん374番ばんの歌詞かしを続つづけて歌うたうと1時じ間あいだ30分ふん以上いじょうかかる。

楽譜がくふ

多た梅うめ稚やや曲きょく(1)

上うえ真しん行ぎょう曲きょく

田村たむら虎とら蔵ぞう曲きょく

納所なっしょ辨べん次郎じろう曲きょく

吉田よしだ信太のぶた曲きょく

多た梅うめ稚やや曲きょく(2)

各かく編へん概要がいよう

集しゅう	篇へん	初版しょはん発行はっこう日び	作曲さっきょく者しゃ	路線ろせん	番ばん数すう
1	東海道とうかいどう篇へん	1900年ねん5月がつ10日とおか	多た梅うめ稚やや・ 上うえ真しん行ぎょう	東海道とうかいどう線せん（新橋しんばし駅えき→神戸こうべ駅えき） 横須賀よこすか線せん（大船おおふな駅えき→横須賀よこすか駅えき、当時とうじは東海道とうかいどう線せんの一部いちぶ） 現在げんざいの湖西線こせいせん・大阪環状線おおさかかんじょうせん・福知山線ふくちやません沿線えんせんにあたる地域ちいきも歌うたわれている。	66
2	山陽さんよう・九州きゅうしゅう篇へん	1900年ねん9月3日にち	多た梅うめ稚やや・ 上うえ真しん行ぎょう	山陽さんよう線せん（神戸こうべ駅えき→三田尻みたじり駅えき） 鹿児島線かごしません（門司もじ駅えき→八代やしろ駅えき） 日豊線にっぽうせん（小倉こくら駅えき→宇佐うさ駅えき） 長崎ながさき線せん（鳥栖とす駅えき→長崎ながさき駅えき）	68
3	奥州おうしゅう・磐城いわき篇へん	1900年ねん10月13日にち	多た梅うめ稚やや・ 田村たむら虎とら蔵ぞう	東北とうほく線せん（上野うえの駅えき→青森あおもり駅えき） 常磐線じょうばんせん（仙台せんだい駅えき→岩沼いわぬま駅えき→田端たばた駅えき→上野うえの駅えき）	64
4	北陸ほくりく篇へん	1900年ねん10月15日にち	納所なっしょ辨べん次郎じろう・ 吉田よしだ信太のぶた	高崎線たかさきせん・信越線しんえつせん（上野うえの駅えき→高崎たかさき駅えき→直江津なおえつ駅えき→沼垂ぬったり駅えき） 両毛線りょうもうせん（高崎たかさき駅えき→前橋まえばし駅えき→足利あしかが駅えき） 北陸線ほくりくせん（富山とやま駅えき→米原まいばら駅えき） 七尾線ななおせん（津幡つばた駅えき→和倉温泉わくらおんせん駅えき）	72
5	関西かんさい・参宮さんぐう・南海なんかい篇へん	1900年ねん11月3日にち	多た梅うめ稚やや	片町線かたまちせん・関西かんさい線せん（網島あみじま駅えき→新しん木津きづ駅えき→亀山かめやま駅えき→長島ながしま駅えき） 奈良なら線せん（新しん木津きづ駅えき→木幡きばた駅えき） 紀勢線きせいせん・参宮さんぐう線せん（亀山かめやま駅えき→津つ駅えき→山田やまだ駅えき） 関西かんさい線せん・桜井さくらい線せん・和歌山線わかやません（加茂かも駅えき→奈良なら駅えき→高田たかだ駅えき→柏原かしわばら駅えき，高田たかだ駅えき→橋本はしもと駅えき，粉河こかわ駅えき→和歌山わかやま駅えき） 南海なんかい線せん（和歌山わかやま北口きたぐち駅えき→難波なんば駅えき）	64
6	北海道ほっかいどう篇へん （南みなみの巻まき・北きたの巻まき）	1906年ねん8月がつ・ 1907年ねん6月がつ	田村たむら虎とら蔵ぞう	【南みなみの巻まき】函館はこだて線せん（函館はこだて駅えき→南みなみ小樽おたる駅えき） 【北きたの巻まき】函館はこだて線せん（南みなみ小樽おたる駅えき→札幌さっぽろ駅えき→旭川あさひかわ駅えき） 　手宮線てみやせん（南みなみ小樽おたる駅えき→手宮てみや駅えき） 　幌内線ほろないせん（岩見沢いわみざわ駅えき→幾春別いくしゅんべつ駅えき，幌内ほろない太たい駅えき→幌内ほろない駅えき） 　室蘭線むろらんせん（岩見沢いわみざわ駅えき→室蘭むろらん駅えき） 　夕張線ゆうばりせん（追分おいわけ駅えき→夕張ゆうばり駅えき）	40

附録ふろく・関連かんれん作品さくひん

附録ふろくとして第だい3集しゅうに「松島まつしまあそび」、第だい5集しゅうに「奈良ならめぐり」が付ついている。

またその後ご、鉄道てつどう唱歌しょうかに倣ならって各地かくちの鉄道てつどうを歌うたった歌うた（「豆まめ相しょう鉄道てつどう唱歌しょうか」・「沖縄おきなわ県けん鉄道てつどう唱歌しょうか」・「東京とうきょう地理ちり教育きょういく電車でんしゃ唱歌しょうか」など）が発表はっぴょうされた。

大和田おおわだ建樹たけき自身じしんも、その後ご伊予いよ鉄道てつどうを歌うたった「伊予いよ鉄道てつどう唱歌しょうか」、「鉄道てつどう唱歌しょうか」の改訂かいてい版ばんといえる「東海道とうかいどう唱歌しょうか」・「山陽線さんようせん唱歌しょうか」・「九州きゅうしゅう線せん唱歌しょうか」や、大阪おおさか市電しでんを歌うたった「大阪おおさか市街しがい電車でんしゃ唱歌しょうか」、大韓たいかん帝国ていこくの鉄道てつどう・南みなみ満まん洲しゅう鉄道てつどうを歌うたった「満まん韓かん鉄道てつどう唱歌しょうか」などを作成さくせいしている。

大和田おおわだ建樹たけきによる鉄道てつどう唱歌しょうかの関連かんれん作品さくひん

名称めいしょう	初版しょはん発行はっこう日び	作曲さっきょく者しゃ	路線ろせん	番ばん数すう	備考びこう
松島まつしま船せんあそび	1900年ねん10月がつ	奥おく好こう義よし		4	名勝めいしょう地ち松島まつしまを歌うたう 鉄道てつどう唱歌しょうか第だい3集しゅう附録ふろく
奈良ならめぐり	1900年ねん11月	目め賀田よした万まん世せい吉きち		8	奈良ならの名所めいしょ巡めぐり 鉄道てつどう唱歌しょうか第だい5集しゅう附録ふろく
満まん韓かん鉄道てつどう唱歌しょうか	1906年ねん	天谷あまや秀しげる	関せき釜がま連絡れんらく船せん（下関しものせき駅えき→釜山ぷさん港こう） 韓国かんこく鉄道てつどう京きょう釜がま線せん（草くさ梁やな駅えき→西にし大門おおかど駅えき） 韓国かんこく鉄道てつどう京きょう仁ひとし線せん（永えい登のぼる浦うら駅えき→仁川にがわ駅えき） 韓国かんこく鉄道てつどう京きょう義よし線せん（龍山たつやま駅えき→新しん義ぎ州しゅう駅えき） 南みなみ満まん洲しゅう鉄道てつどう安やす奉たてまつ線せん（安東あんどう駅えき→奉天ほうてん駅えき） 南みなみ満まん洲しゅう鉄道てつどう満まん洲しゅう本線ほんせん（奉天ほうてん駅えき→大連たいれん駅えき）	60	第だい二に次じ日にち韓かん協約きょうやくで日本にっぽんの保護ほご国こくとなった大韓たいかん帝国ていこくの鉄道てつどうと、日にち露ろ戦争せんそうの結果けっか日本にっぽんが利権りけんを得えた清国きよくに満まん洲しゅうにおける鉄道てつどう（南みなみ満まん洲しゅう鉄道てつどう）を歌うたいこんだ。
阪神はんしん電車でんしゃ唱歌しょうか	1908年ねん	田村たむら虎とら蔵ぞう	阪神はんしん本線ほんせん（大阪おおさか梅田うめだ駅えき→神戸こうべ（雲井通くもいどおり）駅えき）	22	阪神電気鉄道はんしんでんきてつどうの宣伝せんでんを兼かねて作成さくせい
大阪おおさか市街しがい電車でんしゃ唱歌しょうか	1908年ねん7月がつ	田村たむら虎とら蔵ぞう	大阪おおさか市電しでん南北線なんぼくせん（梅田うめだ停車場ていしゃじょう前まえ→恵美須えびす町まち） 大阪おおさか市電しでん南北なんぼく線せん（中之島なかのしま支線しせん）（中之島なかのしま二に丁目ちょうめ→大江橋おおえばし） 大阪おおさか市電しでん九きゅう条じょう高津たかつ線せん（東ひがし線せん）（難波なんば新川しんかわ→新川しんかわ橋きょう） 大阪おおさか市電しでん九きゅう条じょう高津たかつ連絡れんらく線せん（新川しんかわ橋きょう→湊町みなとまち停車場ていしゃじょう前まえ） 大阪おおさか市電しでん東西線とうざいせん（末吉すえきち橋きょう→九きゅう条じょう二に番ばん道路どうろ） 大阪おおさか市電しでん築港ちっこう線せん（九きゅう条じょう二に番ばん道路どうろ→築港ちっこう桟橋さんばし） 大阪おおさか市電しでん築港ちっこう北きた海岸かいがん通どおり線せん（築港ちっこう桟橋さんばし→天保山てんぽうざん桟橋さんばし）	20 →21	当時とうじの大阪おおさか市しにおける名所めいしょを、市電しでんを用もちいて歌うたいこんだ。 南北なんぼく線せん（中之島なかのしま支線しせん）開業かいぎょう時じに一いち度ど歌詞かしが変更へんこうされており、変更へんこう以前いぜんは全ぜん20番ばんであった。
伊予いよ鉄道てつどう唱歌しょうか	1909年ねん1月がつ	田村たむら虎とら蔵ぞう	伊予いよ鉄道てつどう高浜線たかはません（高浜たかはま駅えき→松山まつやま駅えき） 伊予いよ鉄道てつどう横河原線よこがわらせん（松山まつやま駅えき→横河原よこがわら駅えき） 伊予いよ鉄道てつどう森松もりまつ線せん（廃はい線せん、立花たちばな駅えき→森松もりまつ駅えき） 伊予いよ鉄道てつどう郡中線ぐんちゅうせん（松山まつやま駅えき→郡中ぐんちゅう駅えき） 伊予いよ鉄道てつどう城北線じょうほくせん（後半こうはん廃はい線せん、古町ふるまち駅えき→木屋こや町まち停留ていりゅう場じょう→道後どうご駅えき）	25	伊予いよ鉄道てつどうの開業かいぎょう20周年しゅうねんを記念きねんして作成さくせいされた。
東海道とうかいどう唱歌しょうか	1909年ねん1月がつ	田村たむら虎とら蔵ぞう	東海道とうかいどう線せん（新橋しんばし駅えき→京都きょうと駅えき） 横須賀よこすか線せん（大船おおふな駅えき→横須賀よこすか駅えき）	50	後述こうじゅつする「山陽線さんようせん唱歌しょうか」・「九州きゅうしゅう線せん唱歌しょうか」と共ともに、「汽車きしゃ」3部ぶ作さくとして「鉄道てつどう唱歌しょうか」の改訂かいてい版ばんの意味いみも兼かね作成さくせい
山陽さんよう線せん唱歌しょうか	1909年ねん10月がつ	田村たむら虎とら蔵ぞう	山陽さんよう線せん（神戸こうべ駅えき→下関しものせき駅えき）	52	「鉄道てつどう唱歌しょうか」第だい2集しゅう作成さくせいの翌年よくねんに全通ぜんつうした山陽本線さんようほんせんを全すべて歌うたいこんだ。
九州きゅうしゅう線せん唱歌しょうか	1909年ねん10月がつ	田村たむら虎とら蔵ぞう	鹿児島線かごしません（門司もじ駅えき→鹿児島かごしま駅えき） 日豊線にっぽうせん（小倉こくら駅えき→宇佐うさ駅えき） 長崎ながさき線せん（鳥栖とす駅えき→長崎ながさき駅えき）	54	1901年ねんに鹿児島かごしままでが全通ぜんつうした鹿児島かごしま線せんを中心ちゅうしんに、九州きゅうしゅうの鉄道てつどう路線ろせんを歌うたいこんだ。
台湾たいわん周しゅう遊ゆう唱歌しょうか	1910年ねん2月がつ	高橋たかはし二三四ふみし	台湾たいわん総督そうとく府ふ鉄道てつどう縦貫じゅうかん線せん北きた段だん（基もと隆たかし→中港なかみなと） 台湾たいわん総督そうとく府ふ鉄道てつどう淡水たんすい線せん（台北たいぺい→淡水たんすい） 台湾たいわん総督そうとく府ふ鉄道てつどう縦貫じゅうかん線せん山やま線せん（中港なかみなと→彰あきら化か） 台湾たいわん総督そうとく府ふ鉄道てつどう縦貫じゅうかん線せん南みなみ段だん（彰あきら化か→高雄たかお） 台湾たいわん総督そうとく府ふ鉄道てつどう屏へい東ひがし線せん（高雄たかお→屏へい東ひがし）	90
訂正ていせい鉄道てつどう唱歌しょうか	1911年ねん1月がつ	多た梅うめ稚やや	東海道とうかいどう線せん	66	鉄道てつどう唱歌しょうかの東海道とうかいどう編へんで大和田おおわだ建樹たけきが訂正ていせいを望のぞんでいた歌詞かしを、大和田おおわだの死後しごに氏しの遺志いしを汲くんで出版しゅっぱん元もとの三木みき佐助さすけが出版しゅっぱんした。

また、昭和しょうわ期きには「鉄道てつどう唱歌しょうか」に倣ならう形かたちで「新しん鉄道てつどう唱歌しょうか」が作成さくせいされている。これには「日本にっぽん放送ほうそう協会きょうかい編へん」と「鉄道てつどう省しょう編へん」の2種類しゅるいがある。鉄道てつどう省しょう編へんは1929年ねんに応募おうぼ曲きょくとして発表はっぴょうされ、日本にっぽん放送ほうそう協会きょうかい編へんは1937年ねんに国民こくみん歌謡かようの一ひとつとして作つくられた。

東海道新幹線とうかいどうしんかんせんが開通かいつうする直前ちょくぜん、詩人しじんの谷川たにがわ俊太郎しゅんたろうが「新しん・鉄道てつどう唱歌しょうか」を作つくった。夢ゆめの超ちょう特急とっきゅう「新幹線しんかんせん」をユーモアと風刺ふうしで包つつんだ落首らくしゅ、つまり戯じゃれ歌かで1節目ふしめに「予算よさんの山やまに入はいりのこる 八はち百ひゃく億おくを友ともとして」というが、この八はち百ひゃく億おくとは報ほうじられた予算よさん超過ちょうか額がくだった。3節せつまでの短みじかいものだった。

なお、TOKIOの「AMBITIOUS JAPAN!」は、発表はっぴょう当時とうじのJR東海とうかい社長しゃちょうだった葛西かさい敬之たかゆきが、作詞さくし・プロデューサーを担当たんとうしたなかにし礼あやに「新あたらしい鉄道てつどう唱歌しょうかを作つくって欲ほしい」と依頼いらいしたというエピソードがある。鉄道てつどう唱歌しょうかは、国鉄こくてつ時代じだいに、電車でんしゃ特急とっきゅう・急行きゅうこうの車内しゃない放送ほうそうの前まえに流ながす車内しゃないチャイムの一ひとつとして使用しようされた。東海道新幹線とうかいどうしんかんせんでも初代しょだいの車内しゃないチャイムは鉄道てつどう唱歌しょうかを使用しようしていた。しかし、JR発足ほっそく後ごに新しん製せい・更新こうしんされた車両しゃりょうの多おおくは鉄道てつどう唱歌しょうかのチャイムを採用さいようせず、さらに国鉄こくてつ時代じだいから運用うんようされた特急とっきゅう形がた車両しゃりょうの廃車はいしゃや運用うんよう減少げんしょうが進すすんでいるため、鉄道てつどう唱歌しょうかのチャイムを耳みみにする機会きかいは非常ひじょうに少すくなくなってきている。

使用しよう例れい

• 2002年ねん6月がつからは品川しながわ駅えき開業かいぎょう130周年しゅうねんを記念きねんし同どう駅えき東海道とうかいどう線せんホーム（5・6・7・11・12番線ばんせん）の発車はっしゃメロディとして採用さいようされている。メロディの最後さいごには蒸気じょうき機関きかん車しゃの汽笛きてきが流ながれるが、これは現在げんざい「SLばんえつ物語ものがたり号ごう」を牽引けんいんしている機関きかん車しゃ「C57 180」のものである。

• 2015年ねん3月がつからは北陸ほくりく新幹線しんかんせん西日本にしにほん管内かんない（糸魚川いといがわ駅えき - 金沢かなざわ駅えき間あいだ、2024年ねん3月がつからは金沢かなざわ駅えき - 敦賀つるが駅えき間あいだも）の接近せっきんメロディとして採用さいようされている。

• なお『ズームイン!!朝あさ!』（日本にほんテレビ）では、「路線ろせん別べつ 鉄道てつどう唱歌しょうかの旅たび」のコーナーとしてこの鉄道てつどう唱歌しょうかの歌詞かしと同おなじルートで旅たびをする特集とくしゅうが組くまれた（ただし、前述ぜんじゅつした「北海道ほっかいどう唱歌しょうか」も鉄道てつどう唱歌しょうかの曲きょくに載のせて歌うたい込こんでいた）。

• NHKのテレビ番組ばんぐみ『クインテット』には、山手やまて線せんの全ぜん29駅えき（放送ほうそう当時とうじ高輪たかなわゲートウェイ駅えきは未み開業かいぎょう）を多た梅うめ稚ややによる鉄道てつどう唱歌しょうかのメロディーに乗のせて順じゅんに歌うたう「鉄道てつどう唱歌しょうか 山手やまて線せん」というコーナー（外回そとまわり・内回うちまわりの2種類しゅるい）があった（CD・DVD化かされている。作詞さくし：下山しもやま啓あきら）。さらに宮川みやがわ彬あきら良りょうはその後ご、大阪環状線おおさかかんじょうせんの全ぜん19駅えきを鉄道てつどう唱歌しょうかのメロディーに乗のせて演奏えんそうしたこともあった。後継こうけい番組ばんぐみである『コレナンデ商会しょうかい』で改訂かいてい版ばんが作つくられ、同どう番組ばんぐみのCDに収録しゅうろくされている。また、同局どうきょくで放送ほうそうされていた番組ばんぐみ『ハッチポッチステーション』でも、この曲きょくを三味線しゃみせんでアレンジしたメロディが流ながれていた。

• アニメ『クレヨンしんちゃん』では登場とうじょう人物じんぶつの一人ひとり・黒磯くろいそがカラオケでの十八番じゅうはちばんにしており、第だい438話わ「先生せんせいたちの合ごうコンだゾ」ではカラオケで66番ばんまである第だい1集しゅうを熱唱ねっしょうするというエピソードもある。

• 1995年ねんにフジテレビの『ポンキッキーズ』で鈴木蘭々すずきらんらんと安室あむろ奈美恵なみえが扮ふんするシスターラビッツが歌うたった鉄道てつどうに関かんする楽曲がっきょくのメドレー「汽車きしゃポッポ鉄道てつどうどこまでも」（編曲へんきょく：本間ほんま勇いさむ輔）では多た梅うめ稚やや版ばんの鉄道てつどう唱歌しょうか（東海道とうかいどう編へん）の1番ばんが用もちいられた。

• この他ほか、キリスト教きりすときょうの聖書せいしょの順番じゅんばんを覚おぼえる歌うた（通称つうしょう：聖書せいしょ名目めいもくづくし・歌うたい出だし：創出そうしゅつレビ民みん）においても、多た梅うめ稚ややによる鉄道てつどう唱歌しょうかの曲きょくが流用りゅうようされている。

• またこの歌うたは、太平洋戦争たいへいようせんそう前まえに日本にっぽんが朝鮮ちょうせんを統治とうちしていたことや満まん洲しゅうに影響えいきょうを与あたえていた関係かんけいもあってか、それらの地域ちいきにも伝つたわっている。現地げんちでは、曲きょくだけが流用りゅうようされ、歌詞かしは全まったく別べつのものになっており、鉄道てつどうとは全まったく異ことなる意味いみの歌うたになっているものが多おおい。例れいとして、中国ちゅうごくにおいては、1904年ねんに「揚子江ようすこう歌か」という名なで伝つたわり、揚子江ようすこう沿岸えんがんの風景ふうけいを伝つたえる学童がくどう向むけの歌うたになっている。韓国かんこくでは1905年ねんに「学徒がくと歌か」という名なで伝つたわり、学生がくせい啓蒙けいもうの歌うたとなっている。モンゴルでは「人類じんるい」の題だいで、女性じょせい解放かいほうを唱となえた歌うたになっている。また、朝鮮民主主義人民共和国ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこくでは「反日はんにち革命かくめい歌か」として日本にっぽん帝国ていこく主義しゅぎへの反抗はんこうを唱となえる歌うたになっている。

• 1970年代ねんだいには、大木たいぼく製薬せいやくの乗のり物もの酔よい止とめ薬やく「トリブラ」のテレビCMにおけるCMソングとしてカントリー風ふうにアレンジされ、歌詞かしも製品せいひん名めい連呼れんこを交まじえた替かえ歌うたとなって使用しようされたことがある。またWコミックがほぼ全すべてのコントで繰くり出だす「1、2の3の4の2の5、3、1、4の2の4の2の5」というギャグのメロディーにも使用しようされている。

• 変かわった所ところではEXIT TUNESの発車はっしゃメロディーのコンピレーション・アルバム『駅えきトラ』にRyu☆による鉄道てつどう唱歌しょうかのトランスミックスが収録しゅうろくされている。

• 芝しば寿すし創業そうぎょう者しゃの梶谷かじたに忠司ただしが書かいた詩し「われら人生じんせい60から」に荒木あらきとよひさが補作ほさくし、多た梅うめ稚ややによる鉄道てつどう唱歌しょうかの曲きょくに乗のせた替かえ歌うたとして「長生ながいき音頭おんど」を制作せいさく。2010年ねん3月3日にちに力武りきたけ杏奈あんなの歌うたでソニー・ミュージックダイレクトからシングルとして発売はつばいされた。2011年ねん4月がつ13日にちにはヨネスケがカバーしソニー・ミュージックダイレクトからシングルとして発売はつばいした。

• 新宿しんじゅくの京王けいおう百貨店ひゃっかてんで毎年まいとし開ひらかれている「元祖がんそ有名ゆうめい駅弁えきべんと全国ぜんこくうまいもの大会たいかい」でもBGMとして流ながされている。

• 古今ここん亭てい駒治こまじや桂かつら梅うめ團だん治ち (4代目だいめ)など、出で囃子ばやしとして鉄道てつどう唱歌しょうかを採用さいようしている落語らくご家かも存在そんざいする。
• 1991年ねん12月からは、愛媛えひめ県けん宇和島うわじま市しにある宇和島うわじま城じょうのミュージックサイレンにより6時じの時報じほうとして「鉄道てつどう唱歌しょうか」が吹鳴ふきならされていた。現在げんざいも当時とうじ稼働かどうしていた時ときの音源おんげんをFM放送ほうそうで6時じに放送ほうそうしている。

• 楽曲がっきょくそのものを使つかったわけではないが、Web音楽おんがく配信はいしん企画きかく『ひなビタ♪』の楽曲がっきょく「ひなちくんのうた」は、本ほん曲きょくを意識いしきして制作せいさくした旨むねが作曲さっきょく者しゃのTOMOSUKEにより語かたられている。

記念きねん碑ひ

『鉄道てつどう唱歌しょうかの碑いしぶみ』の上部じょうぶには1号ごう機関きかん車しゃと客車きゃくしゃの模型もけいが乗のる。

大和田おおわだ建樹たけきの生誕せいたん100周年しゅうねんと鉄道てつどう開業かいぎょう85周年しゅうねんに当あたる1957年ねん（昭和しょうわ32年ねん）、大和田おおわだの門弟もんていらが結成けっせいした同人どうじん「待まち宵よい舎しゃ」が記念きねん碑ひの建立こんりゅうを発案はつあんし、日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどうや同和鉱業どうわこうぎょう、鉄道てつどう友ともの会かいらの賛同さんどうや協力きょうりょくを得えて『鉄道てつどう唱歌しょうかの碑いしぶみ』が同年どうねん10月がつに設置せっちされた。碑いしぶみの中央ちゅうおうには大和田おおわだ直筆じきひつの第だい1集しゅう第だい1番ばんの歌詞かしが刻きざまれた銅どう銘板めいばんがはめ込こまれ、その下したの大和田おおわだの生涯しょうがいを記しるす碑文ひぶんは、彼かれと同郷どうきょうで鉄道てつどう唱歌しょうかの全ぜん歌詞かしを暗誦あんしょうできたという安倍あべ能成よしなりが揮毫きごうした。

鉄道てつどう唱歌しょうかの作者さくしゃ大和田おおわだ建樹たけき先生せんせいは安政あんせい四よん年ねん（一いち八はち五ご七なな）四よん月がつ廿にじゅう九きゅう日にち愛媛えひめ縣けん宇和島うわじまに生なままる 幼少ようしょう國こく漢文かんぶんに親したしみ十じゅう五ご歳さい以後いご特とくに國学こくがくに志こころざした 明治めいじ七なな年ねん十じゅう八はち歳さいの秋あき上京じょうきょう遊学ゆうがく十じゅう七年東京大学講師翌年高等師範学校教授廿四年辞任 爾来じらい又また官かん仕つかまつせず門もんを開ひらいて歌うた文ぶんを教おしえ地方ちほうに出で講こうし行くだり餘あまり謡曲ようきょく能のう舞まいを嗜たしなむ 学がくは漢かん洋ように亘わたり著述ちょじゅつは辞典じてん註釋ちゅうしゃく詩歌しか随筆ずいひつ等とう百ひゃく五ご十じゅう冊さつを越こえたが丗三さん年ねん鉄道てつどう唱歌しょうか東海道とうかいどう山陽さんよう九州奥州線磐城線北陸地方關西参宮南海各線の五ご冊さつを連れん刊かん就中なかんずく汽笛きてき一聲いっせい新橋しんばしをの一句いっくに始はじまる東海道とうかいどうの部ぶは普あまねく卋に流布るふして津々浦々つつうらうらに歌うたわれ鉄道てつどう交通こうつうの普及ふきゅう宣傳せんでんに絶大ぜつだいの貢献こうけんをなした 先生せんせい明治めいじ四よん十じゅう三さん年ねん十じゅう月がつ一いち日にちに歿す享年きょうねん五ご十じゅう四よん 今年ことし恰あたかも生誕せいたん百ひゃく年ねんに當あたって先生せんせいの遺のこ弟おとうと待まち宵よい舎しゃ同人どうじんの發起ほっきにより東海道とうかいどう鉄道てつどう唱歌しょうかにゆかり深ふかい新橋しんばし驛えき構内こうないに碑いしぶみを建たて永ながく先生せんせいを記念きねんする

— 昭和しょうわ三さん十じゅう二に年ねん十じゅう月がつ 安倍あべ能成よしなり

碑いしぶみの除幕じょまく日びには、新橋しんばし駅えき（現げん汐留しおどめ駅えき）- 横浜よこはま駅えき（現げん桜木町さくらぎちょう駅えき）間あいだが正式せいしき開業かいぎょうした10月14日にちが選えらばれ、国鉄こくてつの東京とうきょう鉄道てつどう管理かんり局きょく吹奏楽すいそうがく団だんが鉄道てつどう唱歌しょうかを演奏えんそうする中なか、建樹たけきの孫まごの大和田おおわだ欽子や大和田おおわだ門人もんじんの舟橋ふなばしさわ子こ（舟橋ふなばし聖一せいいちの母はは）、鷹司たかつかさ平通ひらどおり（当時とうじ交通こうつう博物館はくぶつかん館員かんいん）などが出席しゅっせきして除幕じょまく式しきが執とり行おこなわれた。ただし、鉄道てつどう唱歌しょうかが制作せいさくされた当時とうじの新橋しんばし駅えきは記念きねん碑ひ建立こんりゅう時じには汐留しおどめ駅えき（1986年ねん（昭和しょうわ61年ねん）廃止はいし）であったため、碑いしぶみは同どう駅えきの方ほうに向むかった新橋しんばし駅えき汐留しおどめ口くちに置おかれている。

なお、大和田おおわだ直筆じきひつの第だい1集しゅう第だい1番ばんの歌詞かしは埼玉さいたま県けんさいたま市しの鉄道てつどう博物館はくぶつかんに所蔵しょぞうされている。かつては、東京とうきょう都と千代田ちよだ区くの交通こうつう博物館はくぶつかんに歌詞かしが飾かざられており、同館どうかんの最終さいしゅう営業えいぎょう日び（2006年ねん5月14日にち）の閉館へいかん時じには、この歌うたを歌うたい閉館へいかんを惜おしむ人ひとたちが見みられた。

参考さんこう文献ぶんけん

• 高取たかとり武たけし『歌うたでつづる鉄道てつどう百ひゃく年ねん』(鉄道てつどう図書としょ刊行かんこう会かい・1968)
• 大悟法だいごぼう利雄としお『なつかしの鉄道てつどう唱歌しょうか』（講談社こうだんしゃ・1969）
• 中村なかむら建治けんじ『「鉄道てつどう唱歌しょうか」の謎なぞ―“♪汽笛きてき一声いっせい”に沸わいた人々ひとびとの情熱じょうねつ』（交通こうつう新聞しんぶん社しゃ・2013）

関連かんれん項目こうもく

• ボニージャックス - 北海道ほっかいどう編へんを除のぞく334番ばんまでを全すべて歌唱かしょうしたCDが発売はつばいされている。第だい1集しゅう（東海道とうかいどう篇へん）はダークダックス、第だい5集しゅう（関西かんさい・参宮さんぐう・南海なんかい篇へん）はロイヤルナイツも歌うたっている。また、これとは別べつに「ズームイン朝あさ!」のコーナーで使つかわれた音源おんげんもあり、こちらもCDになっている。
• おくにじまんスター自慢じまん（関西かんさいテレビ） - 替かえ歌うたがテーマ曲きょくになっていた。

外部がいぶリンク

• 鉄道てつどう唱歌しょうか - ウェイバックマシン（2020年ねん1月がつ29日にちアーカイブ分ぶん）