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スペイン

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
スペインけんから転送てんそう
スペイン
español
発音はつおん IPA: [espaˈɲol]
はなされるくに 話者わしゃ人口じんこう上位じょうい5かこくメキシココロンビアアルゼンチンスペイン米国べいこく。スペイン公用こうようとするくには21カ国かこく
地域ちいき イスパノアメリカイベリア半島はんとう、そのきゅうスペイン植民しょくみん
話者わしゃすう やく4おく8023まんにん母国ぼこくだいいち言語げんご)、その西にし話者わしゃふくやく5おく7700まんにん[1]
話者わしゃすう順位じゅんい 2-3(基準きじゅんによって順位じゅんいことなる)
言語げんご系統けいとう
公的こうてき地位ちい
公用こうよう 下記かき参照さんしょう
少数しょうすう言語げんごとして
承認しょうにん
フィリピンの旗 フィリピン
ベリーズの旗 ベリーズ
統制とうせい機関きかん スペインの旗 スペイン王立おうりつアカデミーReal Academia Española, RAE; [1], スペインアカデミー協会きょうかいAsociación de Academias de la Lengua Española, ASALE; [2]
言語げんごコード
ISO 639-1 es
ISO 639-2 spa
ISO 639-3 spa
SIL SPN
スペイン語圏の分布
  スペイン公用こうようとするくに地域ちいき
  公用こうようではないが25%以上いじょう割合わりあいはなされているくに地域ちいき
  10 - 20%の割合わりあいはなされているくに地域ちいき
  5 - 9.9%の割合わりあいはなされているくに地域ちいき
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スペイン(スペインご、西にしes-us-espanol.ogg españolエスパニョール)は、インド・ヨーロッパ語族ごぞくイタリックぞくする言語げんごぞくラテン語らてんごから発展はってんして形成けいせいされたロマンス諸語しょごひとつ。りゃくして西にし(せいご)ともく。

概要がいよう[編集へんしゅう]

  castellano(カステリャーノ)ばれているくに地域ちいき
  español(エスパニョール)ばれているくに地域ちいき

スペインは、アメリカしゅうのうちイスパノアメリカスペイン、そのきゅうスペイン植民しょくみんなどの地域ちいきにおける主要しゅよう言語げんごで、スペインだいいち言語げんごとするものがやく4おく8023まんにんさらにだい言語げんごとして日常にちじょう使用しようしているものをふくやく5おく7700まんにん話者わしゃがいると推定すいていされている[1]。スペイン公用こうようとしているくに地域ちいきかずは21以上いじょうあり、世界せかい英語えいごやく80のくに地域ちいき)、フランス語ふらんすごやく50のくに地域ちいき)、アラビアやく27のくに地域ちいき)にぐ4番目ばんめおおくのくに使用しようされている言語げんごである。国際こくさい連合れんごうにおいては、英語えいごフランス語ふらんすごロシア中国ちゅうごくアラビアならぶ、6つの公用こうようの1つである。インターネットにおいては、利用りようしゃ全体ぜんたいやく8%がスペイン使用しようであり、英語えいごやく27%)と中国ちゅうごくやく23%)にだいさん言語げんごである[2]。(インターネットにおける言語げんご使用しよう参照さんしょう

日本にっぽんでは、一般いっぱんてきにスペインばれることがおおいが、イスパニア[3]カスティージャ[4]カスティーリャ[5]などとばれることもある。日本にっぽんにおけるスペイン漢字かんじ表記ひょうきは「西にしはんきば」。漢字かんじ表記ひょうきりゃくして西にし表記ひょうきされることもある。スペインにおいて「スペイン」を意味いみする名詞めいしは、“castellano”(カステリャーノ、もしくはカステジャーノ[注釈ちゅうしゃく 1]) または“español”(エスパニョール)。エスパニョールはスペイン (España) の言葉ことばという意味いみ。カステリャーノはカスティーリャ地方ちほう言語げんごという意味いみ南米なんべいではカステジャーノということがおおく、メキシコなど中米ちゅうべい諸国しょこくカリブ海かりぶかい諸国しょこくではエスパニョールしか使つかわれない。カステリャーノという名称めいしょうは、スペイン国内こくない地方ちほう言語げんご使つか地域ちいきにおいては「自分じぶんたちの言葉ことばではない他所よそしゃ言葉ことば」という意味いみ使つかわれる。南米なんべいではぎゃくに「本場ほんばカスティーリャからいだただしいスペイン」という意味いみもちいられる。

スペインポルトガルており、かなりの水準すいじゅん相互そうご意思いし疎通そつう可能かのうである(詳細しょうさいポルトガル#スペインとの比較ひかくにて)。

歴史れきし[編集へんしゅう]

イベリア半島はんとう周辺しゅうへん言語げんご分布ぶんぷ変遷へんせん
  スペイン

スペインは、マ帝国まていこく公用こうようであったラテン語らてんご口語こうごであるぞくラテン語らてんごもとに、アラビアなどの影響えいきょうけながら発達はったつした言語げんごである。8世紀せいききたアフリカからイスラム教徒きょうとイベリア半島はんとう侵入しんにゅうし、そのキリスト教徒きりすときょうとによるレコンキスタさい征服せいふく運動うんどう)がこるが、この時期じきぞくラテン語らてんごロマンス諸語しょご変化へんかした。このロマンス諸語しょごのちに、ポルトガル、スペインイタリアフランス語ふらんすごルーマニアなどにかれていく。

イベリア半島はんとうでは、アラビア影響えいきょうなどもけながらイベリアけいロマンス発達はったつし、カスティーリャ、レオン、ポルトガル、そしてイスラムけいタイファ王国おうこくなどで使用しようされていた(タイファ王国おうこくではアラビアのアンダルス方言ほうげんひろ使用しようされ、その影響えいきょうつよけたロマンスモサラベぶ)。やがてレコンキスタの過程かていカスティーリャ王国おうこくはその中心ちゅうしんてき勢力せいりょくとなり、スペイン王国おうこく誕生たんじょう事実じじつじょう統一とういつスペイン国家こっか国家こっかとなった。このため、現在げんざいでもスペインのことをカステリャーノ (castellano) とひとおお存在そんざいする。

この歴史れきしてき経緯けいいにより、文法ぶんぽうなどはラテン語らてんご規則きそくおおいでいるが、単語たんごアラビアから借用しゃくようしたものもおお使つかわれている。(とりわけアンダルシア方言ほうげんもっとつよくアラビア影響えいきょうけた)スペインなかアラビア起源きげん単語たんごおもに、

つうじた借用しゃくようがある。またイベリアのムスリムのあいだではスペインアラビア文字もじ表記ひょうきされることがすくなくなかった。イベリア半島はんとうのムスリムはベルベルじんおおかったため、ベルベル影響えいきょう存在そんざいしている。なお、おなじイベリア半島はんとうはなされている言語げんごであるバスクマ帝国まていこくケルトじん進出しんしゅつ以前いぜんから半島はんとう使つかわれていた言語げんごおもわれ、スペインとはおおきくことなる。しかし、スペインはバスク影響えいきょうけている。

話者わしゃ分布ぶんぷ[編集へんしゅう]

EU加盟かめいこくにおけるスペインへの理解りかい
黄色きいろ母語ぼご地域ちいき以下いか10 - 19%、5 - 9%、5%未満みまん灰色はいいろはEU加盟かめいこく地域ちいき

スペイン国連こくれんの6つの公用こうよう英語えいごフランス語ふらんすごロシア中国ちゅうごくアラビア)のひとつであり、スペインはじめ、ブラジルのぞ中南米ちゅうなんべい18かこく北米ほくべい1かこくアフリカ2かこくけい21かこくにおける公用こうようである。スペイン公用こうようであるくに地域ちいき以下いかとお[注釈ちゅうしゃく 2]

なお、スペインではカタルーニャしゅうバレンシアしゅうバレアレス諸島しょとうしゅうではカタルーニャ(バレンシアしゅうではバレンシア)が、バスクしゅうナバーラしゅう一部いちぶではバスクが、ガリシアしゅうではガリシアが、スペイン同様どうよう地方ちほう公用こうようとしてみとめられている。

南北なんぼくアメリカ大陸あめりかたいりくでは、メキシコ以南いなんの21のくに地域ちいきのうち16かこくがスペイン公用こうようとしており、先住民せんじゅうみんぞくふくめ、人口じんこう大半たいはんがスペインはなす。くわえて、英語えいご唯一ゆいいつ公用こうようとするベリーズにおいてももっとはなされている言語げんごはスペインである。カリブ海かりぶかい地域ちいき西にしインド諸島しょとう)でスペイン公用こうようとしているのはキューバ、ドミニカ共和国どみにかきょうわこく、プエルトリコ[注釈ちゅうしゃく 3]だが、人口じんこうでは過半数かはんすうめる。これら、メキシコ以南いなんのスペインけんと、ポルトガル公用こうようとするブラジル場合ばあいによってはハイチなどのフランス語ふらんすごけんくに地域ちいき総称そうしょうしてラテンアメリカ[注釈ちゅうしゃく 4]

また、米国べいこくではかつて南西なんせい一帯いったいがメキシコりょうであった関係かんけいでスペイン地名ちめい各地かくちのこっており、ニューメキシコしゅうではスペイン事実じじつじょう公用こうようとなっている。中南米ちゅうなんべいのスペインけん諸国しょこくをルーツに米国べいこくじんは「ヒスパニック」、もしくは「ラティーノ」(ラテンけい米国べいこくじん[注釈ちゅうしゃく 5]ばれ、メキシコりょう時代じだいから存在そんざいしていたものの、近年きんねん急速きゅうそくにヒスパニック移民いみん増加ぞうかした。その結果けっか米国べいこくでは事実じじつじょう公用こうよう英語えいごくわえ、ヒスパニックの割合わりあいたかカリフォルニアしゅうフロリダしゅうテキサスしゅうなどではスペインだい言語げんごとなりつつある。この状況じょうきょうけて、英語えいご母語ぼご米国べいこくじんなかでもスペインまなひと急増きゅうぞうしている。

フィリピン1898ねんまでスペインりょうであった関係かんけいもあり、とく上流じょうりゅう階級かいきゅうあいだでスペイン使つかわれていたが、1986ねん公用こうようからはずされた。とはいえ、現在げんざいでもおもカトリック文化ぶんかなどの関係かんけいでスペイン単語たんご多数たすうフィリピンじん日常にちじょう生活せいかつ使つかわれているだけでなく、タガログなどでスペインからの借用しゃくようおおくみられるほか、チャバカノのようにスペインもとにしたクレオール言語げんごられる。

マリアナ諸島しょとうチャモロは、スペインによる征服せいふく言語げんごてきにもスペイン圧倒あっとうされた。スペインから非常ひじょうおおくの借用しゃくようれたのみならず、固有こゆう数詞すうし放棄ほうきし、スペイン由来ゆらい数詞すうしもちいている。

きゅうスペイン植民しょくみん西にしサハラやスペインにちかモロッコでもはなされている。

スペイン話者わしゃすう推定すいてい[編集へんしゅう]

セルバンテス文化ぶんかセンターの2017ねん報告ほうこくしょ ”El español: una lengua viva informe 2017” によると、2017ねんのスペイン母語ぼごだいいち言語げんご)とする人口じんこうやく4おく7700まんにんで、そのやく1おくにんだい2言語げんごとしてスペイン習得しゅうとくしており、それらのかぎられた能力のうりょくのものをふくめるとやく5おく7200まんにんのスペイン話者わしゃがいる。最大さいだい話者わしゃ人口じんこうかかえているのがメキシコであり、そう話者わしゃの4にん1人ひとりやく1おく2せんまんにんがメキシコに在住ざいじゅうしている。つづくコロンビア、アルゼンチン、スペインがそれぞれそう話者わしゃ人口じんこうやく1わりやく4せんまんにん話者わしゃがいる[6]米国べいこくアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく)にかんしては、おなじセルバンテス文化ぶんかセンターが2015ねん報告ほうこくで5260まんにん話者わしゃという推定すいていしておりこれはメキシコに人口じんこうである[7]。また米国べいこくのヒスパニック人口じんこうの3ぶんの2がメキシコけいであり、それらをふくめるとそう話者わしゃめるメキシコけい話者わしゃ比率ひりつは3にん1人ひとりとなる。

スペイン話者わしゃすう(2017ねん)、西にし話者わしゃだいいち言語げんごまたは相当そうとう)、限定げんていてき話者わしゃ、(ひゃくまんにん[6]
くに 人口じんこう 話者わしゃりつ 西にし
話者わしゃ
限定げんてい話者わしゃ 備考びこう
メキシコ 123.52 96.8% 119.57 3.95 スペイン話者わしゃの4にん1人ひとりがメキシコ国内こくないのメキシコじん、メキシコけいアメリカじんふくめるとそう話者わしゃめる比率ひりつは3にん1人ひとりとなる。
コロンビア 49.25 99.2% 48.85 0.39 そう話者わしゃすうやく1わりである。
アルゼンチン 44.04 98.1% 43.21 0.84
米国べいこく[注釈ちゅうしゃく 6] 325.70 13.2% 42.93 15.08 プエルトリコはべつ計上けいじょう。セルバンテスの2015ねん報告ほうこくでは米国べいこくのスペイン話者わしゃは5260まんにん推定すいていしており、メキシコにだい2話者わしゃすうとなる[7]
スペイン 46.52 92.1% 42.85 3.68
ペルー 31.83 86.6% 27.56 4.26
ベネズエラ 31.43 97.3% 30.58 0.85
チリ 18.14 95.9% 17.40 0.74
エクアドル 16.78 95.7% 16.06 0.07
グアテマラ 16.54 78.3% 12.95 3.59
キューバ 11.42 99.7% 11.39 0.03
ボリビア 11.15 83.0% 9.25 1.89
ドミニカ共和国どみにかきょうわこく 10.17 97.6% 9.93 0.02
ホンジュラス 8.89 98.5% 8.75 0.12
パラグアイ 6.95 67.9% 4.72 2.23
エルサルバドル 6.35 99.7% 6.33 0.00
ニカラグア 6.22 97.1% 6.04 0.18
コスタリカ 4.95 99.3% 4.91 0.03
パナマ 4.10 91.9% 3.77 0.33
プエルトリコ 3.41 99.0% 3.38 0.03 米国べいこくりょう
ウルグアイ 3.46 98.4% 3.40 0.06
赤道せきどうギニア 0.85 74.0% 誤植ごしょく 0.22 誤植ごしょく: 原典げんてん誤植ごしょくあり。ウルグアイの話者わしゃすう反復はんぷくしている。
小計しょうけい 455.93 94.6% 431.51 24.42 米国べいこく以外いがい西にし公用こうようとするくに合計ごうけい
合計ごうけい 781.65 60.6% 473.81 38.62 米国べいこくふく
スペイン以外いがい公用こうようであるくににおけるスペイン話者わしゃすう(2017ねん
西にし話者わしゃだいいち言語げんごまたは相当そうとう)、限定げんていてき話者わしゃ、(ひゃくまんにん[6]
くに 人口じんこう 話者わしゃりつ 西にし
話者わしゃ
限定げんてい話者わしゃ 備考びこう
アルジェリア 0.18 0.05
オーストラリア 0.12 0.38
ベリーズ 0.17 0.02
ブラジル 0.46 0.10
カナダ 0.41 0.29
イスラエル 0.13 0.05
日本にっぽん 0.11
スイス 0.12
フィリピン 0.003 0.46 母語ぼごレベルの話者わしゃかずすくないが、スペインはきゅう宗主そうしゅこくであり学習がくしゅうしゃかずおおい。
モロッコ 0.007 1.53 母語ぼごレベルの話者わしゃかずすくないが、隣国りんごくであり限定げんていてき話者わしゃかずおおい。
EU(スペイン以外いがい 1.40 30.98
その 0.13 0.40
合計ごうけい 3.23 34.24

方言ほうげん[編集へんしゅう]

スペイン国内の言語分布
  スペインカスティーリャ、スペイン全土ぜんど公用こうよう
  カタルーニャバレンシアふく)、地方ちほう公用こうよう
  バスク地方ちほう公用こうよう
  ガリシア地方ちほう公用こうよう
  アラン地方ちほう公用こうよう

かつてはアラゴン地方ちほうアラゴン)、カタルーニャ地方ちほうカタルーニャ)、バレアレス諸島しょとう(カタルーニャ)、バレンシア地方ちほうバレンシア)、アストゥリアス地方ちほうアストゥリアス)、レオン地方ちほうレオン)、ガリシア地方ちほうガリシア)の言語げんごがスペイン(カスティーリャ)の方言ほうげんとされた時期じきもあったが、現在げんざいでは、カタルーニャ、バレンシア、ガリシアはいずれも独立どくりつした言語げんごであるとかんがえられており[注釈ちゅうしゃく 7]、それぞれの地方ちほうにおいて公用こうようとされている。アラゴン、アストゥリアス、レオンもカスティーリャから派生はせいした言語げんごではなく、そののロマンス同様どうようぞくラテン語らてんご変化へんかして今日きょういたっている言語げんごであり、言語げんご学的がくてきにはべつ言語げんごであるが、カスティーリャ方言ほうげんあつかいをけることがおおいのが現状げんじょうである。

音韻おんいん[編集へんしゅう]

音韻おんいん対応たいおう[編集へんしゅう]

語頭ごとうにあった f のおおくは h になり、その発音はつおんじょう消滅しょうめつ[注釈ちゅうしゃく 8]つよぜいのある e, o のおおくは ie, ue に重母音じゅうぼいんおと)。-ct- のおおくは -ch- に変化へんか。-ll- はフランス語ふらんすごの -ill-, イタリアの -gli- に対応たいおうする。cl-, pl- のおおくは ll に変化へんか現在げんざい音素おんそ /θしーた/ふるくはç /t͡s/, z /d͡z/ であり、べつ音素おんそだった。語頭ごとうの s + 閉鎖へいさおんまえに e が付加ふかprótesis)され、esc-/esqu-, esp-, est- となった。母音ぼいんあいだの d は消滅しょうめつしていることがおおい。語頭ごとうにあるあとに母音ぼいんつづく i と母音ぼいんにはさまれたつよしぜいのない i は y に変化へんかした。y は本来ほんらい半母音はんぼいんだったが、摩擦音まさつおん発音はつおんされるのが一般いっぱんてきになった。重母音じゅうぼいんにおける /-i/おと英語えいごのそれとおなじように語頭ごとうかたりちゅうでは -i, 語末ごまつでは -y とつづる(のロマンスけい言語げんごおおくは y は外来がいらい以外いがいもちいない)。v はふるくは /v/発音はつおんしたが、b とおな/b/変化へんかし、その借用しゃくようにおいて原語げんごの v のつづりを b にえる傾向けいこうがある。一方いっぽう、w は v にえられることがある。

スペインではなされているスペインとラテンアメリカのスペインでは、発音はつおん、アクセントが若干じゃっかんことなる。それ以外いがいにも、地方ちほうにより発音はつおん差異さいることがある。

母音ぼいん[編集へんしゅう]

母音ぼいんは a, e, i, o, u の5つで、日本語にほんごとほぼおなじである。ただし、u は標準ひょうじゅん日本語にほんごの「う」よりもくちをすぼめて発音はつおんする。

長音ちょうおん促音そくおんいが、アクセントのある母音ぼいんはややながめに発音はつおんされることがおおいので日本語にほんご話者わしゃには長音ちょうおんこえることがある。

重母音じゅうぼいん三重みえ母音ぼいん[編集へんしゅう]

母音ぼいんのうち a, e, o をつよ母音ぼいん、i (語末ごまつの y をふくむ)、u をじゃく母音ぼいんとする。つよ母音ぼいん + じゃく母音ぼいんじゃく母音ぼいん + つよし母音ぼいんじゃく母音ぼいん + じゃく母音ぼいん連続れんぞく重母音じゅうぼいんじゃく母音ぼいん + つよし母音ぼいん + じゃく母音ぼいん連続れんぞくさん重母音じゅうぼいんとなり、いずれもいち音節おんせつ発音はつおんする。その場合ばあいじゃく母音ぼいんは、スペイン語学ごがくでは音節おんせつ主音しゅおんまえ位置いちにある場合ばあいはん子音しいん (semiconsonante)[8]音節おんせつ主音しゅおんうしろの場合ばあい半母音はんぼいん (semivocal)[9]んで区別くべつする。国際こくさい音声おんせい記号きごう (IPA) でははん子音しいんの i は [j](ヨッド)[10]、u は [w](ワウ)[11]、また半母音はんぼいんはそれぞれ [i̯][u̯]表記ひょうきする[12]じゃく母音ぼいん + じゃく母音ぼいん場合ばあい音節おんせつ主音しゅおん母音ぼいんである。

つよ母音ぼいん + つよし母音ぼいん連続れんぞく母音ぼいん接続せつぞくで、重母音じゅうぼいんとはならず、leer のようにおなきょうはは音字おんじ連続れんぞくする場合ばあいふく[注釈ちゅうしゃく 9]べつ音節おんせつとして発音はつおんする。また、じゃくはは音字おんじでもアセント (acento)[注釈ちゅうしゃく 10]がある場合ばあい (í, ú) はつよ母音ぼいんとしてあつかう。

後述こうじゅつするように gue, gui, que, qui の u はだまであり、重母音じゅうぼいん一部いちぶではない。quiero のようにさらにはは音字おんじつづ場合ばあいは、だまの u を無視むししたうえで、上記じょうき規則きそくしたがう。ディエレシスぶんおと記号きごう、クレマ)がある güe, güi の üe, üi は重母音じゅうぼいんである。

アクセント[編集へんしゅう]

スペインアクセントつよいきおいアクセントである。

  • アセント (´)[注釈ちゅうしゃく 10]があるかたりは、その音節おんせつつよぜいがある。
  • アセントがないかたり場合ばあい
    • 語末ごまつ母音ぼいんか n, s のときは、最後さいごから2番目ばんめ音節おんせつつよぜいがある (grave, llana, paroxítona)。
    • 語末ごまつが n, s 以外いがい子音しいん(y をふくむ)ときは、最終さいしゅう音節おんせつつよぜいがある (aguda, oxítona)。
  • 語尾ごび-mente副詞ふくしでは、-menteったかたり上記じょうき規則きそくしたがってだいいちきょうぜいが、-mente-men-だいきょうぜいだいいちきょうぜいよりよわい)がある。れいúltimamente (última-) [ˈultimaˌmente], solamente (sola-) [ˈsolaˌmente], igualmente (igual-) [iˈɣwalˌmente]

子音しいん[編集へんしゅう]

子音しいん b, ch, d, f, m, n, p, r, s, y はマ字まじ日本語にほんごみとほぼ同様どうよう感覚かんかく単語たんごむことができる。一方いっぽう、c, g, h, j, l (ll), q, v, x, z はマ字まじみとかならずしも一致いっちしない。子音しいん発音はつおんには地域ちいきがあり、ここでしめしたのは比較的ひかくてきひろもちいられているものである。

  • /b/: bvおな発音はつおんで、どちらもバぎょうおん /b/発音はつおんされる。
    • ただし、イタリアけい移民いみんおおアルゼンチン一部いちぶなどでは v を [v]発音はつおんすることがある。
    • 発声はっせいはじめと [m]のちでは通常つうじょうのバぎょうおん [b]
    • それ以外いがい位置いちでは摩擦音まさつおんし、[βべーた][13]
    • [s]まえでは発音はつおんしないことがある[13]
  • /k/: ca, co, cu, que, qui, および音節おんせつまつc はカぎょうおん [k]
    • que, qui は「ケ」「キ」と発音はつおんし、「クエ」「クイ」にはならない。u を発音はつおんするためには cue, cui とつづる。
  • /θしーた/: ce, ci, za, zo, zu, および音節おんせつまつz は、スペインの標準ひょうじゅんでは [θしーた]英語えいご無声むせいの th おんよりも摩擦まさつつよ[13]。スペイン南部なんぶ中南米ちゅうなんべいではセセオにより s との区別くべつうしなわれ、通常つうじょうのサぎょうおん [s]
    • ze、ziのつづりはほとんど使つかわない[14]
    • これらのおとは、15世紀せいき以前いぜんはツァぎょうおん [ts]発音はつおんしていた。
  • ch: チャぎょうおん [ʧ]
    • カリブ諸国しょこくなどではチャぎょうおんよりもシャぎょうおんちか発音はつおんになることがある。
  • d: ダぎょうおん /d/
    • 発声はっせいはじめと [l], [n]のちでは通常つうじょうのダぎょうおん [d]
    • それ以外いがい位置いちでは摩擦音まさつおんし、[ð]
    • 語末ごまつでは [ð]、さらに無声むせい[θしーた] となるか、ほとんど発音はつおんしないことがある。
  • f: ファぎょうおん [f]
  • /g/: ga, go, gu, および音節おんせつまつg はガぎょうおん /g/
    • 発声はっせいはじめと [ŋ]のちでは通常つうじょうのガぎょうおん [g]
    • それ以外いがい位置いちでは摩擦音まさつおんし、[ɣ] [13]
    • gue, gui は「ゲ」「ギ」と発音はつおんし、「グエ」「グイ」にはならない。u を発音はつおんするためにはディエレシスを使用しようし、güe, güi とつづる。
  • /x/: ge, gi, および j[x]。ハぎょうおん、ドイツの ach laut にちかいが、それよりすこおくのほうで発音はつおんする。
    • アンダルシア南西なんせい米国べいこく南部なんぶでは通常つうじょうのハぎょうおん [h]発音はつおんすることがある。
    • 語末ごまつでは発音はつおんしないことがある[13]
  • h: 発音はつおんしない(だま)。
  • l: 日本語にほんごのラぎょうおんちか[l]舌先したさき歯茎はぐきてたままいき接近せっきんおんで、英語えいごの clear l に相当そうとうする。
  • ll: 従来じゅうらいはリャぎょうおんちか[ʎ]標準ひょうじゅんてき発音はつおんとされていたが、実際じっさいにはおおくの地域ちいきジェイスモにより y との区別くべつうしなわれ、yとおなじくヤぎょうちか[ʝ]発音はつおんする。おおくの南米なんべい大陸たいりく国々くにぐにでは、yとおなじくジャぎょうおん[ʑ]発音はつおんするほう一般いっぱんてきである。
    • ブエノスアイレス近郊きんこうではシャぎょうおん [ʃ]
    • 単語たんごによりことなる発音はつおんをするひともいる。
  • m: マぎょうおん /m/
    • 語末ごまつではンおん [n][13]
  • n: ナぎょうおん /n/
  • ñ: ニャぎょうおん [ɲ]
  • p: パぎょうおん [p]
    • [s], [t]まえでは発音はつおんしないことがある[13]
  • r: ラぎょうおん [ɾ]英語えいごフランス語ふらんすご一般いっぱんてきRおと[注釈ちゅうしゃく 11]とはことなり、はじきおんで、日本語にほんごのラぎょうおんにかなりちかい。
    • 語頭ごとう[l], [n], [s]のちでは後述こうじゅつするじたおん [r]
  • rr: ちゅうでのみもちいるじたおん [r]
みどり地域ちいき音節おんせつまつの「s」を/h/と発音はつおんする。むらさき地域ちいきは/s/のままで発音はつおんする。
  • s: サぎょうおん [s]
    • スペイン南部なんぶ中南米ちゅうなんべい一部いちぶでは音節おんせつまつの s をハぎょうおん [h]発音はつおんするか、ほとんど発音はつおんしないことがある。
  • t: タぎょうおん [t]
  • w: 外来がいらいのみにもちいられ、単語たんごによってワくだりおん [w]、または [b]
    • 地域ちいきもあり、ペルーではつね[w]発音はつおんする傾向けいこうがある。
    • 語頭ごとうでは [gw] になることもある。
  • x: 本来ほんらい[ks] だが、[k]よわくなるか、発音はつおんしないことがおおい。
    • とく子音しいんまえ、および語頭ごとうでは [k]発音はつおんせず、[s]となりやすい[13]
    • México [ˈme̞xiko̞] のように、一部いちぶ固有名詞こゆうめいしなどでは j おと [x]発音はつおんする。
  • y: スペインやメキシコなどではヤぎょうおんちか[ʝ]標準ひょうじゅんとされるが、ジャぎょうちか[ʑ]もちいられることもおおい。スペイン標準ひょうじゅん規定きていするスペイン王立おうりつアカデミーでは、日本語にほんごのヤぎょう子音しいんちか[ʝ]標準ひょうじゅんとしている。
    • ブエノスアイレス近郊きんこうではシャぎょうおん [ʃ]
    • 語頭ごとう場合ばあい、nのうしろに場合ばあいはジャぎょうになりやすい。とはいえスペインネイティブはこのふたつを区別くべつせず、おなおんおとだとかんがえているため、どちらで発音はつおんしてもい。
    • 語末ごまつの y は i と同等どうとう。ただし、アクセント位置いち最終さいしゅう音節おんせつ

じゅう子音しいん[編集へんしゅう]

以下いか子音しいん連続れんぞくじゅう子音しいんとなる。分節ぶんせつじょうたん子音しいん同様どうようあつかう。

+ l
bl, cl, fl, gl, pl
+ r
br, cr, dr, fr, gr, pr, tr

dr, tr はじゅう子音しいんであるが、dl, tl はじゅう子音しいんではない。

音韻おんいんてき特徴とくちょう[編集へんしゅう]

外来がいらい[編集へんしゅう]

外来がいらいはその発音はつおんやつづりの特徴とくちょうから以下いかのパターンがげられる。

  1. つづりをスペインふうむ。
    • jersey /xeɾˈsei/ 「ジャージー」
  2. 発音はつおん優先ゆうせんし、つづりをえる。
    • fútbol(←football) 「フットボール」
  3. 原語げんごのつづりをえず原音げんおんちか発音はつおんをする。かりやすい特徴とくちょうげれば、j を y のように、h を j のように発音はつおんする。あたらしい外来がいらいおおい。
    • jazz 「ジャズ」 /ˈʝaθしーた/, /ˈʤas/
    • judo 「柔道じゅうどう/ˈʝuðo/, /ˈʤuðo/ ただし yudo とつづることもある
    • hardware 「ハードウェア」 /xaɾˈweaɾ/ (d は原音げんおんではよわく、スペインしたうえで d を発音はつおんすると har・dwe・arのように分節ぶんせつされてしまうため消滅しょうめつ

外来がいらい発音はつおんについては、地域ちいき世代せだい個人こじんによって多少たしょうがある。「1.」はふる外来がいらいでよくられるほか、固有名詞こゆうめいし商品しょうひんめいふくむ)でよくられ、たとえば Colgate(コルゲート)は「コルガーテ」と発音はつおんする。メキシコでは商品しょうひんめいのスペインかんする法律ほうりつもある。とく人名じんめい地名ちめい原音げんおんちか発音はつおんをする場合ばあい原音げんおん確認かくにんようする場合ばあいおおいので、スペインふう発音はつおんしても間違まちがいではない(れい: Miami マイアミをスペインみでミアミ発音はつおん)。また、隣接りんせつするポルトガルはスペインとよくている一方いっぽう、つづりの発音はつおんちがいやアクセントの規則きそくちがい、独特どくとく音韻おんいん変化へんかなどがあるため、しばしばアクセント記号きごう付加ふかされ、スペインしきえられる。たとえばリオデジャネイロ(Rio de Janeiro; ブラジルポルトガル発音はつおんは「ヒウ・ヂ・ジャネイル」にちかい)は Rio(かわ)が対応たいおうするスペインえられRío de Janeiro と表記ひょうきし、「リオ・デ・ハネイロ」と発音はつおんする。また、サンパウロ(São Paulo)については、対応たいおうするスペイン語形ごけいのサン・パブロ(San Pablo)でばれるのが普通ふつうである。語頭ごとうの「s+子音しいん」は /s/まえ/e/付加ふかして発音はつおんすることがおおい(付加ふかしないひともいる)。たとえば Spain は /esˈpein/ または /ˈspein/発音はつおんする。

アルファベット[編集へんしゅう]

大文字おおもじ 小文字こもんじ 文字もじ名称めいしょう
A a a: ア
B b be: ベ
be grande: ベグランデ(おおきい「ベ」の意味いみ、vと区別くべつする)
be alta: ベアルタ(たかい「ベ」の意味いみ
be larga:ベラルガ(ながい「ベ」の意味いみ
be de burro:ベデブロ(「ロバのベ」)
C c ce: セ
(Ch) (ch) (che: チェ) ※1994ねん廃止はいし決議けつぎ後述こうじゅつ
D d de: デ
E e e: エ
F f efe: エフェ
G g ge: ヘ
H h hache: アチェ(単語たんごちゅうでは発音はつおんしない)
I i i: イ
i latina: イラティーナ(ラテン語らてんごの「イ」の意味いみ、y と区別くべつする)
J j jota: ホタ
K k ka: カ
L l ele: エレ
(Ll) (ll) (elle: エジェ、エリェ
doble ele: ドブレエレ) ※1994ねん廃止はいし決議けつぎ後述こうじゅつ
M m eme: エメ
N n ene: エネ
Ñ ñ eñe: エニェ
O o o: オ
P p pe: ペ
Q q cu: ク
R r erre: エレ(歯茎はぐきふるえおん [r]
S s ese: エセ
T t te: テ
U u u: ウ
V v uve: ウベ
ve chica: ベチカ(ちいさな「ベ」の意味いみ、bと区別くべつする)
ve baja: ベバハ(ひくい「ベ」の意味いみ
ve corta: ベコルタ(みじかい「ベ」の意味いみ
ve de vaca: ベデバカ(「ウシのベ」)
W w uve doble: ウベドブレ
doble u: ドブレウ
doble ve: ドブレベ
ve doble: ベ・ドブレ
X x equis: エキス
Y y ye: イェ/ジェ
i griega: イグリエガ(ギリシアの「イ」の意味いみ、iと区別くべつする)
Z z zeta: セタ

じゅう音字おんじchllは1994ねんスペインアカデミー協会きょうかい英語えいごばんにおいて独立どくりつしたいちとしてのあつかいをやめることが決議けつぎされ[15]、2010ねんにはスペイン王立おうりつアカデミー発行はっこうスペイン正書法せいしょほう英語えいごばんにおいても廃止はいしされた[16]

Ñは現在げんざいでも独立どくりつした文字もじとしてあつかわれており、辞書じしょ索引さくいんでもNとは区別くべつされているほか、スペインキーボードでは専用せんようのキーが存在そんざいする。

すでにべられているとおり、rは通常つうじょう語頭ごとうのぞ歯茎はぐきはじきおん[ɾ]発音はつおんされるが、アルファベットとして発音はつおんする場合ばあい歯茎はぐきふるえおん[r]もちいられる。また、語頭ごとう歯茎はぐきふるえおん[r]はr一文字ひともじ表記ひょうきされる関係かんけいじょう、rrではじまる単語たんご存在そんざいしないため、ch, llとことなり辞書じしょ索引さくいん見出みだしとしてりえず、公式こうしき一文字ひともじとしてあつかわれたことはない。


文法ぶんぽう特徴とくちょう[編集へんしゅう]

  • 主語しゅご
    • イタリアやポルトガルおなじく、主語しゅご強調きょうちょう意味いみ明確めいかく必要ひつようでない場合ばあいには主語しゅごをあえて表現ひょうげんしないことがおおい。これは、一人称いちにんしょう二人称ににんしょう場合ばあい動詞どうし活用かつよう後述こうじゅつ)で主語しゅご判別はんべつできるためである。
  • 目的もくてき
    • 基本きほんてき語順ごじゅんSVOであるが、英語えいごフランス語ふらんすごくらべると語順ごじゅんはかなり自由じゆうたかく、平叙へいじょぶんでも主語しゅご動詞どうしのあとにかれることもよくある。目的もくてき代名詞だいめいし場合ばあい動詞どうしまえかれるが、動詞どうし不定ふてい現在げんざい分詞ぶんし肯定こうてい命令めいれいほうのときは代名詞だいめいし動詞どうしのあとにせっされ、ひとつのかたりのようにかれる。この場合ばあいアクセント位置いち移動いどうしないようにアクセント符号ふごう付加ふか必要ひつようになる場合ばあいがある。
    • 他動詞たどうし直接ちょくせつ目的もくてきひと指示しじするてい名詞めいし固有名詞こゆうめいし定冠詞ていかんし所有しょゆう形容詞けいようし指示しじ形容詞けいようしがついた名詞めいしなど)のときにはこれに前置詞ぜんちし a がつく。直接ちょくせつ目的もくてきひと指示しじしても不定ふてい場合ばあいは a をつけなくてもよい。もの指示しじする目的もくてきには a をつけない。このような区別くべつはイタリアフランス語ふらんすごなどにはない特徴とくちょうである。[17] れい Estimo a Luisa. 「わたしはルイサを尊敬そんけいする」、Respetad a los ancianos.「老人ろうじん尊敬そんけいしなさい」、En la calle vi a tu padre.「まちきみのおとうさんにった」、Buscamos (a) una secretaria capaz.「わたしたちは有能ゆうのう秘書ひしょをさがしている」
  • 代名詞だいめいし
    • 再帰さいき代名詞だいめいしもちいる構文こうぶん発達はったつしていて、利害りがい相互そうごてき行為こうい受動じゅどう人称にんしょうつよしなどおおくの意味いみあらわす。
    • a + 名詞めいし同一どういつのものを指示しじする間接かんせつ目的もくてきかく代名詞だいめいし動詞どうしまえかれるという、いわば抱合ほうごうてき現象げんしょうがある。たとえばLa canción le gustó a Rodrigo. 「そのうたはロドリゴのにいった」ではleは「かれに」を意味いみする間接かんせつ目的もくてきかく代名詞だいめいしで、a Rodrigoをしている。
    • 2人ふたりしょう代名詞だいめいしおやしょう tú(複数ふくすうがたvosotros/as)と敬称けいしょう usted(複数ふくすうがたustedes)を使つかける。中南米ちゅうなんべいではふるいスペイン使つかわれていたvosが相手あいてたいする蔑称べっしょうとしてもちいられることがある。vosは元々もともと相手あいてたいする尊称そんしょうであったが現在げんざいおやしょう蔑称べっしょう意味いみわっている。日本語にほんごの「貴様きさま」のようなもの。ただし、一部いちぶではおやしょうとしてもちいられることもあり、とくにアルゼンチンでは全国ぜんこくでvosのみが使つかわれるといってもかまわない。2人ふたりしょう複数ふくすうである vosotros/as は、vos と otros(「」の複数ふくすうがた)が接合せつごうしたものである。なお、vosotros/as が使用しようされるのはスペインと赤道せきどうギニアかぎられ、中南米ちゅうなんべいやスペインのアンダルシアカナリア諸島かなりあしょとうではしんしょうとしてもustedesが一般いっぱんてき使用しようされる。usted は vuestra merced(直訳ちょくやくすれば「あなたの厚意こうい」)(表記ひょうきとして単数たんすう場合ばあいUdやVd、複数ふくすうがたでUdsやVdsが使つかわれるが、これはUとVが母音ぼいん子音しいんにわかれるまえ影響えいきょうで、発音はつおんはウステとウステデスとなる)が2人称にんしょう尊称そんしょうとして(おも騎士きし主君しゅくんたいして)もちいられ、短縮たんしゅくされたもので、動詞どうし活用かつようは3人称にんしょうである。Tú と usted の用法ようほうはスペインと中南米ちゅうなんべいではちがいがあり、スペインではあらたまった場面ばめんでなければ、接客せっきゃくなど初対面しょたいめんでも tú を使つかうことがよくあり、また、部下ぶか上司じょうしたいして tú を使つかうこともよくある。しかし、中南米ちゅうなんべいでは、tú を使つかうのはしたしいひと目下めしたひとかぎられる。ただし、キューバではスペイン同様どうよう tú をよく使つかう。
    • 1人ひとりしょう複数ふくすうの nosotros/as はスペインでは nos で男女だんじょ区別くべつもなかった。nosotros/asはnosとotros/as (=others)を同格どうかくてきならべた表現ひょうげんからまれた。[18]Vosotros/as も同様どうようで、vos だったが、vos が単数たんすう敬称けいしょうとして使つかわれるようになると複数ふくすうがたはそれと区別くべつするため (vos otros/vos otras→) vosotros/vosotras となった。Vos を敬称けいしょうとしてはじめてもちいたのは宮廷きゅうていにおいてで、vosotrosももともと貴族きぞく言葉ことばである。宮廷きゅうてい文化ぶんかをもたないアンダルシアや中南米ちゅうなんべいでは vosotros の使用しよう浸透しんとうせず、ustedes が汎用はんよう2人称にんしょう複数ふくすうとなった。
  • 冠詞かんし
    • 定冠詞ていかんしせいすうによって区別くべつされる(男性だんせい単数たんすうel、女性じょせい単数たんすうla、男性だんせい複数ふくすうlos、女性じょせい複数ふくすうlas、中性ちゅうせいlo)。ただ、女性じょせい名詞めいしでもアクセントのある a、または ha ではじまる単数たんすう名詞めいし場合ばあいはelを使つかう(れい el agua)。前置詞ぜんちし a、de ののち定冠詞ていかんし el が場合ばあいにはちぢみやくしそれぞれ al、del と一語いちごのようにかれる(前置詞ぜんちし冠詞かんしちぢみやくはこのふたつのみで、イタリアフランス語ふらんすごのように複雑ふくざつではない)。中性ちゅうせい定冠詞ていかんし lo は中性ちゅうせい名詞めいしにつくわけではなく(スペイン中性ちゅうせい名詞めいしはない)、形容詞けいようし所有しょゆう形容詞けいようし過去かこ分詞ぶんし副詞ふくしについてこれらを名詞めいししたり、lo que のかたちフランス語ふらんすごの ce que や英語えいごの what のように「もの・こと」の意味いみあらわしたりする。中性ちゅうせい定冠詞ていかんしはイタリアフランス語ふらんすごにはない特徴とくちょうである。れい lo bueno 「善良ぜんりょうさ(=la bondad)、よいもの(=las buenas cosas)」、lo pasado「ったこと」、lo nuestro「わたしたちのもの」、Lo que dices es no cierto.「きみうことはたしかではない」
    • フランス語ふらんすごイタリアにあるような部分ぶぶん冠詞かんしはない。
  • 冠詞かんし名詞めいし
    • 名詞めいし職業しょくぎょう性質せいしつあらわ補語ほごになるときは、He is a student.のように定冠詞ていかんしともな英語えいごことなり、Es estudiante.のように通常つうじょうは(フランス語ふらんすごとう同様どうよう冠詞かんしである。ぎゃくに、Es un inutil.「かれ役立やくだたずだ」のように軽蔑けいべつ強調きょうちょう意味いみをもって品詞ひんし可算かさんわず定冠詞ていかんしともな場合ばあいがある。
  • 名詞めいし
    • 名詞めいしには男性だんせい名詞めいし女性じょせい名詞めいしがあるが、-oでわれば男性だんせい、-aでわれば女性じょせいという原則げんそくがあるため比較的ひかくてき判別はんべつ容易よういである(ただしdía, manoなど少数しょうすう例外れいがいあり)。そのに-ción, -dad,-tad, tud, -umbre, -zなどでわれば女性じょせい、-aje, -i, -rなどでわれば男性だんせいといった原則げんそくがある。
    • 名詞めいし複数ふくすうがたは(e)sをつけてつくるが、これはラテン語らてんご名詞めいし複数ふくすう対格たいかく語尾ごび由来ゆらいし、フランス語ふらんすごやポルトガル同様どうよう西にしロマンス特徴とくちょうである(ただしフランス語ふらんすごにおいては複数ふくすうがた語尾ごび s は発音はつおんされない)。
  • 形容詞けいようし
    • 形容詞けいようし基本きほんてき名詞めいしたいしてのちおけされる(れい:un coche moderno 現代げんだいくるま)が、若干じゃっかん形容詞けいようし、あるいは話者わしゃ主観しゅかんべる場合ばあいは、ぜんおけされることもある。おけされる場合ばあいぜんおけされる場合ばあい意味いみことなるものもある(la casa nueva 新築しんちくいえ-la nueva casa 新居しんきょ、el gran hombre 偉大いだいひと-el hombre grande おおきなひと、など)。また、修飾しゅうしょくされる名詞めいしせいすうおうじて変化へんかする。moderno 現代げんだいの、をれいげれば、moderno(男性だんせい単数たんすう), moderna(女性じょせい単数たんすう), modernos(男性だんせい複数ふくすう), modernas(女性じょせい複数ふくすう)と変化へんかする。
  • 前置詞ぜんちし
    • 現代げんだいスペインにはフランス語ふらんすごのenやイタリアのne、あるいはフランス語ふらんすごの y やイタリアの ci に相当そうとうする「前置詞ぜんちし+名詞めいし」の代用だいようとなる副詞ふくしてき代名詞だいめいし存在そんざいしない(中世ちゅうせいスペインには存在そんざいした。なおカタルーニャには存在そんざいする。)。
  • 動詞どうし
    • 動詞どうし基本形きほんけい語尾ごび-ar, -erまたは-irのいずれかである。
    • 動詞どうしにはちょく説法せっぽう接続せつぞくほう命令めいれいほうがある。ちょく説法せっぽう現在げんざいてん過去かこ完了かんりょう過去かこ)、せん過去かこ完了かんりょう過去かこ)、未来みらい過去かこ未来みらい(「可能かのう」・「条件じょうけん」・「遡及そきゅう未来みらい」というかたりもちいられることもある)、現在げんざい完了かんりょう直前ちょくぜん過去かこ完了かんりょう過去かこ完了かんりょう未来みらい完了かんりょう過去かこ未来みらい完了かんりょうが、接続せつぞくほうでは現在げんざい過去かこ現在げんざい完了かんりょう過去かこ完了かんりょう存在そんざいする(中世ちゅうせいには未来みらい未来みらい完了かんりょう存在そんざいした)。また、かく時制じせい主語しゅご人称にんしょうかずおうじて6とおり(中南米ちゅうなんべいでは実質じっしつ5とおり)に活用かつようされる。
    • 完了かんりょうがたではすべての動詞どうしたいしてhaberが助動詞じょどうしとして使つかわれる。フランス語ふらんすご、イタリア、ドイツなどの完了かんりょうがた[ふくあい時制じせい]では、移動いどう状態じょうたい変化へんか意味いみふく自動詞じどうし対格たいかく動詞どうし)の場合ばあいには助動詞じょどうしとして英語えいごのbeにあたる動詞どうし使つかい、それ以外いがいではhaveにあたる動詞どうし使つかうが、現代げんだいスペインにはこのような区別くべつがなく、このてんにおいて現代げんだい英語えいごている。
    • 過去かこ出来事できごとあらわすのに口語こうごではおもにふくあい時制じせい現在げんざい完了かんりょうがた)をもちいるフランス語ふらんすごやイタリアとはちがい、スペインでは現代げんだいでも単純たんじゅん時制じせいであるてん過去かこがたフランス語ふらんすご単純たんじゅん過去かこがた・イタリアとお過去かこがた相当そうとう)が口語こうご文章ぶんしょうつうじてひろ使つかわれており、現在げんざい完了かんりょうがたはむしろ英語えいごのそれにちか使つかわれかたをしている。ただし地域ちいきがあり、スペインのおおくの地域ちいきでは「今日きょう」「今週こんしゅう」など現在げんざいふく副詞ふくしをおく場合ばあい基本きほんてき現在げんざい完了かんりょうがた使つかわれる一方いっぽう中南米ちゅうなんべいやスペインのガリシアしゅうなどでは現在げんざい完了かんりょうがたをあまりもちいない傾向けいこうがある。これは現在げんざい完了かんりょうがた多用たようするイギリス英語えいご過去かこかたち多用たようするアメリカ英語えいご関係かんけい類似るいじしている。なお、ガリシアしゅうでスペインとともにはなされるガリシアには現在げんざい完了かんりょう時制じせい存在そんざいしない。
    • 英語えいごのbeにたる動詞どうしがserとestarのふたつある。serはSoy española.「わたしはスペインじんです」のような性質せいしつべるときにもちい、estarはEstoy cansado.「わたしつかれている」のような一時いちじてき状態じょうたい、Osaka está en Japón.「大阪おおさか日本にっぽんにある」のように所在しょざいあらわすのにもちいる(このような区別くべつフランス語ふらんすごにはないが、イタリアにはある(essereとstare))。またestar+現在げんざい分詞ぶんしでEstoy llorando. 「わたしいている」のように英語えいご進行しんこうがた意味いみあらわすのはフランス語ふらんすごやイタリアにはない特徴とくちょうである。ただしこのかたち英語えいご進行しんこうがたほどよく使つかわれるわけではない。現在げんざいがた動作どうさ動詞どうし進行しんこうしょうをもあらわし、また過去かこではせん過去かこがた(イタリアフランス語ふらんすごはん過去かこがた相当そうとう)に過去かこ進行しんこうがたてき完了かんりょう(imperfective)しょうあらわ機能きのうがあるからである。

規則きそく動詞どうし現在げんざい時制じせいにおける活用かつようがた[編集へんしゅう]

原形げんけい hablar(はなす) comer(べる) vivir(きる、む)
一人称いちにんしょう単数たんすう hablo como vivo
一人称いちにんしょう複数ふくすう hablamos comemos vivimos
二人称ににんしょう単数たんすう hablas comes vives
二人称ににんしょう単数たんすう (voseo) hablás comés vivís
二人称ににんしょう複数ふくすう habláis/hablan coméis/comen vivís/viven
三人称さんにんしょう単数たんすう二人称ににんしょう敬称けいしょうふくむ) habla come vive
三人称さんにんしょう複数ふくすう二人称ににんしょう敬称けいしょうふくむ) hablan comen viven

不規則ふきそく動詞どうしserの活用かつよう[編集へんしゅう]

叙法じょほう ちょく説法せっぽう 接続せつぞくほう 命令めいれいほう
単純たんじゅん時制じせい 現在げんざい てん過去かこ せん過去かこ 未来みらい 過去かこ未来みらい 現在げんざい 過去かこ 未来みらい
1人ひとりしょう単数たんすう soy fui era seré sería sea fuera / fuese fuere -
2人ふたりしょう単数たんすう eres fuiste eras serás serías seas fueras / fueses fueres
3人称にんしょう単数たんすう es fue era será sería sea fuera / fuese fuere sea
1人ひとりしょう複数ふくすう somos fuimos éramos seremos seríamos seamos fuéramos / fuésemos fuéremos seamos
2人ふたりしょう複数ふくすう sois fuisteis erais seréis seríais seáis fuerais / fueseis fuereis sed
3人称にんしょう複数ふくすう son fueron eran serán serían sean fueran / fuesen fueren sean

助動詞じょどうしhaberの活用かつよう[編集へんしゅう]

助動詞じょどうしhaberの活用かつようがたは、過去かこ分詞ぶんしとあわせて完了かんりょう時制じせいをつくる。下記かきひょうでは、「sido」が動詞どうしserの過去かこ分詞ぶんしがた

叙法じょほう ちょく説法せっぽう 接続せつぞくほう
ふくあい時制じせい 現在げんざい完了かんりょう 過去かこ完了かんりょう 未来みらい完了かんりょう 過去かこ未来みらい完了かんりょう 現在げんざい完了かんりょう 過去かこ完了かんりょう 未来みらい完了かんりょう
1人ひとりしょう単数たんすう he sido había sido habré sido habría sido haya sido hubiera / hubiese sido hubiere sido
2人ふたりしょう単数たんすう has sido habías sido habrás sido habrías sido hayas sido hubieras / hubieses sido hubieres sido
3人称にんしょう単数たんすう ha sido había sido habrá sido habría sido haya sido hubiera / hubiese sido hubiere sido
1人ひとりしょう複数ふくすう hemos sido habíamos sido habremos sido habríamos sido hayamos sido hubiéramos / hubiésemos sido hubiéremos sido
2人ふたりしょう複数ふくすう habéis sido habíais sido habréis sido habríais sido hayáis sido hubierais / hubieseis sido hubiereis sido
3人称にんしょう複数ふくすう han sido habían sido habrán sido habrían sido hayan sido hubieran / hubiesen sido hubieren sido
  • 上記じょうきのように、過去かこてん過去かこせん過去かこにはっきりかれているのが特徴とくちょうである。てん過去かこ過去かこのある時点じてんこったことをべるときにもちいる。せん過去かこフランス語ふらんすごやイタリア文法ぶんぽうで「はん過去かこ」とばれるものに相当そうとうし、過去かこ一定いってい期間きかんにおける継続けいぞくてき状態じょうたいべるときにもちいる。てん過去かこせん過去かこを、それぞれ「不定ふてい過去かこ」と「完了かんりょう過去かこ」とぶこともある。またてん過去かこたんに「過去かこ」ということもある。なお、pretérito perfectoは現在げんざい完了かんりょうのことであり、完了かんりょう過去かこともわれるが、完了かんりょう過去かこてん過去かこ意味いみもちいる場合ばあいもあり、現在げんざい完了かんりょうとの意味いみでの完了かんりょう過去かことの区別くべつのために、形式けいしき注目ちゅうもくして単純たんじゅん完了かんりょう過去かこ場合ばあいもある[19]。また、中南米ちゅうなんべい諸国しょこく普及ふきゅうしている“ベリョ文法ぶんぽう”(ベネズエラ出身しゅっしんチリ大学だいがく創始そうしした人文じんぶん学者がくしゃ、アンドレス・ベリョ(ベーリョ)が提唱ていしょう)では、「てん過去かこ」を pretérito (過去かこ)、「せん過去かこ」を copretérito (あえてやくせば“ふく過去かこ”)とんでいる。また、先述せんじゅつの pretérito perfecto にかんしても、「現在げんざい完了かんりょう」は pretérito perfecto compuesto (ふくあい完了かんりょう過去かこ)、「てん過去かこ」は pretérito perfecto simple (単純たんじゅん完了かんりょう過去かこ)が、スペイン王立おうりつアカデミアの文法ぶんぽう用語ようごとして紹介しょうかいされている)[20]
    • El avión salió el lunes.(飛行機ひこうき月曜日げつようび出発しゅっぱつした。)てん過去かこれい
    • El avión salía cada lunes.(飛行機ひこうき月曜げつよう日毎ひごと出発しゅっぱつしていた。)せん過去かこれい
  • 接続せつぞくほうは、予想よそう憶測おくそく希望きぼうなど、事実じじつであると認識にんしきしていないときに使つかわれる。たとえば「〜とおもっている」というぶんでは「〜」の部分ぶぶん事実じじつであると認識にんしきしているのでちょく説法せっぽう使つかわれるが、「〜とはおもっていない」とうときは、「〜」を事実じじつ認識にんしきしていないので接続せつぞくほう使つかわれる。
    • Creo que María está en casa. (わたしはマリアはいえにいるとおもう。)estáはestarのちょく説法せっぽう現在げんざいがた
    • No creo que María esté en casa.(わたしはマリアはいえにいるとおもわない。)estéはestarの接続せつぞくほう現在げんざいがた
  • 希望きぼうから、よわ命令めいれい意味いみにも使つかわれる。
    • ¡Ojalá sea bonita!(かわいいといいなぁ)seaser(〜である)の接続せつぞくほう
    • Hable.(はなしてください。)hablarの接続せつぞくほう現在げんざいがた命令めいれい依頼いらい)をあらわしている。
  • 接続せつぞくほう過去かこ語尾ごび-raかた-seかたの2種類しゅるいがあるが、一般いっぱんには-raかたもちいられる。-seかた活用かつよう堅苦かたくるしい印象いんしょうあたえ、いわゆる文語ぶんごもちいられる。
  • のうかく動詞どうしは、再帰さいき代名詞だいめいし(se/me/te/nos/os)をとる再帰さいき動詞どうしかたち表現ひょうげんされる[よう出典しゅってん]。このとき、再帰さいき代名詞だいめいしとともにひとつの動詞どうしであるとかんがえることもおおい。(levantarse, acostarse, lavarse, fumarse, irseなど。)この場合ばあい動詞どうし基本形きほんけいしめさいには左記さきのように代名詞だいめいし語尾ごびにつけたひとつの単語たんごのように表記ひょうきするが、文中ぶんちゅう動詞どうし活用かつようされると代名詞だいめいしかれてまえおけされる。なお、命令めいれいぶん場合ばあいにはのうかく動詞どうし活用かつようされても代名詞だいめいしまえおけされないことがおおい。
    • No puedo levantarme tan temprano(そんなにはやきることはできない。) 再帰さいき動詞どうしが1単語たんごとしてあつかわれるれい
    • Me fumo cigarrillos.(わたしはタバコをう。)fumarse → me fumoの活用かつようれい
    • ¡Vete rápido!(さっさとけ!)命令めいれいがたれい

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 発音はつおんについてはジェイスモ参照さんしょう
  2. ^ スペイン以外いがいにも公用こうようがあるくに地域ちいきふくむ。
  3. ^ a b プエルトリコでは英語えいご公用こうよう。しかし、しま住人じゅうにんだい多数たすう英語えいごをほとんど使つかわず、スペインしかはなさない。メディアをふく日常にちじょう生活せいかつではスペイン使つかわれている。
  4. ^ 「ラテンアメリカ」の定義ていぎ一意いちいではなく、さらに英語えいごけんオランダけんくに地域ちいきふくむメキシコ以南いなん総称そうしょうする場合ばあいもある。
  5. ^ ラティーノにはブラジルけい米国べいこくじんふくむ。
  6. ^ くにとしての公用こうよう設定せっていい。
  7. ^ ただし、バレンシア独立どくりつした言語げんごとするか、カタルーニャ方言ほうげんとするかについては議論ぎろんがある。
  8. ^ れい:
    • hija : むすめ(イハ) < : filia (ふつ: fille, : figlia)
    • harina : 小麦粉こむぎこ(アリナ) < : farina (ふつ: フランス語ふらんすご farine,: イタリア farina)
    • hacer : つくる・する(アセル) < : facere (ふつ: フランス語ふらんすご faire, : イタリア facere)
  9. ^ antiimperialismo のようにおなじゃくはは音字おんじ連続れんぞくする場合ばあい複合語ふくごうご外来がいらいなど)は、かならずしも明確めいかく分節ぶんせつしない。
  10. ^ a b スペインではのアクセント符号ふごうもちいないので、たんに「アセント」、もしくは acento ortográfico (アセント・オルトグラフィコ)とぶ。一方いっぽうおなじつづりで意味いみことなるかたり区別くべつするために付加ふかするアクセント符号ふごうacento ortográfico区別くべつする場合ばあいには acento diacrítico (アセント・ディアクリティコ)とぶ。アセント符号ふごう(´)とティルデ(~)は字形じけいになりやすく、両方りょうほうを「ティルデ」とぶことが一般いっぱんてきである。
  11. ^ 方言ほうげん個人こじんもあるが、英語えいごでは [ɹ]フランス語ふらんすごでは [ʁ] ないし [χかい]一般いっぱんてき発音はつおん

出典しゅってん[編集へんしゅう]

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  2. ^ Internet World Users by Language”. Miniwatts Marketing Group (2010ねん). 2012ねん6がつ9にち閲覧えつらん
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  20. ^ 寿ことぶきさと順平じゅんぺいちょ(1998) 『スペインとつきあうほん 寿ことぶきさと順平じゅんぺい辛口からくち語学ごがくエッセー』p.37,p.107 東洋とうよう書店しょてん

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外部がいぶリンク[編集へんしゅう]