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よこり4よんかく

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

よこり4よんかく(よこふどりよんよんかく)は、将棋しょうぎよこにおける戦法せんぽうひとつ。後手ごてばん戦法せんぽうである。

よこり4かく一部いちぶ変化へんかとして、△2はちどうぎん△4かくわりに△3はちどうぎん△4よんかくとする手段しゅだん江戸えど時代じだいから存在そんざいするかたである。プロではあまりみられないが、アマチュアでは以前いぜんから使つかにこのじゅん研究けんきゅうがなされている。

概要がいよう

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『イメージとみの将棋しょうぎかん』(2008ねん日本にっぽん将棋しょうぎ連盟れんめい)によると、この変化へんか従来じゅうらい定跡じょうせきしょではほとんどかれていないという。そしてプロの公式こうしきせんでは基本きほんは1998ねん以降いこうでは3きょくされており、先手せんてが2しょう1はいとなっているという。後手ごて勝利しょうりしたのは1999ねん先手せんて佐藤さとう義則よしのりたい後手ごて豊川とよかわ孝弘たかひろたたかえ選手権せんしゅけん予選よせん)で、△3はちどうぎん△4よんかく以下いか、▲7ななかつら△3さんきん▲4よんどうかね▲8なな△8▲3きゅうきん△3さんかつら▲4ろく△2すすんでいる。

持駒もちごま
987654321 
こうかつらぎんきむおう ぎんかつらこういち
      きむ  
   さん
     かく  よん
         
       ろく
   なな
 ぎんきむ   ぎん  はち
こうかつら  たまきむ かつらこうきゅう

『イメージとみの将棋しょうぎかん』では、そもそも△3はち通用つうようするかということで検討けんとうしている。

羽生はぶ善治よしはるは△4よんかくに、先手せんておうしゅとして、(1)▲8ななは △7ろく ▲7なな △7よん ▲2よん △7ななかくなりに、 ▲どうぎん △2よん▲1かく△2さん(△2はちすじ間接かんせつてきえる) ▲2△1よん ▲2よん △1で、▲4かく(▲2さんしげるどうかね ▲4かくには△4一角いっかくがある)や▲7よん△2よん(△7よんどうは▲5かく)▲4ろくかく △8ぎん ▲7さんしげるどうぎん(△どうかつらは▲8いち)▲7よん △6よんぎん ▲8さんなどでいちきょく

(2)▲7ななかつらは△3さんきん▲3ろく△2はちもしくは△3さんきん▲4よんどう▲8なな展開てんかい先手せんてやりたくないとしている。

(3)▲7ななかくどうすみしげるどうかつら△8きゅうかくに、▲7かく以下いか△8はちなりどうかね△6ななかくなりめろにならない。▲7かくに△7ろく▲5三角みすみしげる△3さん以下いかは▲2よん△7八角やすみしげる▲2いちなりもしくは▲7きゅうきん△3よん▲8きゅうきん△8なな▲8かくなどの展開てんかいとしている。

佐藤さとう康光やすみつは、(1)▲8ななは △7ろく ▲7なな △7よん ▲2よん △7ななかくなりに、 ▲どうかつらとし、以下いか△2よん▲1かく△2さん▲2△1よん▲2よん△1▲2さんしげるどうかね▲3ろくすこ後手ごてそんとしている。

(2)▲7ななかつらに△3さんきん▲4よんどう▲8なな後手ごてけるイメージがないとしている。

(3)▲7ななかくどうすみしげるどうかつら△8きゅうかくに、▲6はちたまは△7八角やすみしげるどうたま△6はちきんで、以下いか▲8きゅうたま△8なな▲7きゅうぎんどうかねどうたま△8はちしげる▲6はちたまとするが、その△9きゅうと▲6かつら△3さんきんでは後手ごてがよいとみる。

森内もりうち俊之としゆきは(1)は先手せんてわるくないとしているが、ちにくなら(3)であり、やや後手ごて無理むりそうであるという。

(2)▲7ななかつらに△3さんきん▲4よん以下いかどうかね▲8なな△8となると後手ごてがよく、先手せんてではやるはしないという。

(4)△4よんかくでなく△3さんかくであると、▲8なな△7ろく▲7ななぎん△2ろく▲2なな先手せんて十分じゅうぶんだとしている。

谷川たにがわ浩司こうじは、(1)の展開てんかいになれば先手せんてがまずまずで、(2)のじゅんは▲8なな以下いか後手ごて△8で、先手せんてが2とくであるがちたくないとしている。 (3)▲7ななかくどうすみしげるどうかつら△8きゅうかく▲6はちたま△7八角やすみしげるどうたま△6はちきんには▲どうたま△8はちなり▲7はちきん△9きゅうりゅう▲6かつら先手せんてはいきたいとしている。

渡辺わたなべあきらは、(3)の▲6はちたまのち△8なななりでも△9きゅうと▲6かつらでも先手せんてがよく、プロなら先手せんてつがアマチュアならば後手ごてちそうだとしている。

藤井ふじいたけしは、(1)▲8なな △7ろく ▲7なな △7よん ▲2よん △7ななかくしげるどうかつら以下いか△2よん▲1かく△2さん▲2△1よん▲2よん△1に、▲4かく △4一角いっかく ▲9ろく となると先手せんて十分じゅうぶん後手ごてけるとしている。

(4)△3さんかくであると、▲8なな△7ろく▲7なな△2ろく▲2ななに△2よんどうどうかく▲8よん後手ごてわるく、△2よんに△2でも▲3きゅうきんとしている。藤井ふじいはこのような将棋しょうぎ自身じしんせん門外もんがいであるが、こうしたよこりは江戸えど時代じだいからされているため、だれらない新手あらてかくれているとはかんがえにくいとしている。

なお、▲3はちどうぎんに△2はちは▲2よん△3さんかく▲2いちなりという変化へんか有力ゆうりょく。▲2よんに△2ぎんや△3さんかつら桂馬けいままもるのは、▲2はちはらわれる。したがって△3さんかくいちであるが、それにはかまわず▲2いちなりで、かつらりながらの▲2いちなり�が実現じつげんすれば先手せんてしで、つぎの▲2よんかつらきびしいほか、後手ごてんできても、飛車ひしゃ位置いちによっては▲3いちりゅうどうかね▲3三角さんかく王手おうて飛車ひしゃねらうことができる。▲2いちなりたいして後手ごてからは△8はちかくせいか△8はちなりかんがえられる。△8八角やすみしげるどうかねどうなり▲3いちりゅうで、▲3いちりゅうを△どうかねると▲3さんかくで、△8はちなりどうかねどううまだが、そこで▲2よんかつらめがはやい。△4いちきんには▲8で、△どうぎんには▲8よんじゅうふん。▲2よんかつらに△2うまならば、▲3かつらしげる以下いかいちれいは△どううま▲1いちりゅう△2ぎん▲3ろくこう△1いちぎん▲3こうなりとなる。

脚注きゃくちゅう

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文献ぶんけん

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  • 沢田さわだ多喜男たきお、[no date]、『よこりはきている―大橋おおはしやなぎゆきから現代げんだいまで』
  • 所司しょしかずはる、[no date]、『よこりガイド』
  • 所司しょしかずはる、[no date]、『よこりガイドⅡ』
  • 所司しょしかずはる、[no date]、『よこ道場どうじょうだい3かん〉4かく戦法せんぽう (東大とうだい将棋しょうぎブックス)』
  • 羽生はぶ善治よしはる、[no date]、『羽生はぶ頭脳ずのう〈9〉激戦げきせん!よこり』
  • 羽生はぶ善治よしはる、[no date]、『羽生はぶ頭脳ずのう10―最新さいしんよこ戦法せんぽう
  • 勝又かつまた清和きよかず、[no date]、『えた戦法せんぽうなぞ