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たまあたまぎん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
後手ごて なし
987654321 
こうかつら   きむ かつらこういち
  ぎんきむ おうかく 
    ぎん  さん
   よん
    ぎん   
     ろく
 かく  なな
   きむ ぎんたま はち
こうかつら   きむ かつらこうきゅう

たまあたまぎん(ぎょくとうぎん)は、将棋しょうぎ飛車ひしゃもちいられる手法しゅほうのこと。飛車ひしゃがわひだりぎんを5ろく - 4 - 3よん飛車ひしゃがわ先手せんて場合ばあい以下いか同様どうよう)と進出しんしゅつさせるかたである。たい急戦きゅうせんたい持久じきゅうせんともあらわれる。

たい急戦きゅうせん

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独走どくそうぎんのように奇襲きしゅう戦法せんぽう分類ぶんるいされるかたもあるが、通常つうじょう定跡じょうせき手順てじゅんなかでもみぎのように4はや仕掛しか模様もよう対策たいさくとして登場とうじょうすることがある。

▲3よんぎんかたちから飛車ひしゃ桂馬けいま香車きょうしゃ連動れんどうして2さん地点ちてんねらかた、もしくはおおち▲1からはしめをねらかたがある。上記じょうきのようなねらいがまらなくても、△3よんふねがこ非常ひじょううすくなるため、実戦じっせんてき有効ゆうこうかたえる。

また序盤じょばんだけでなく、とく飛車ひしゃよんあいだ飛車ひしゃである場合ばあいのこされがちなひだりぎん中盤ちゅうばん以降いこうはたらかせるときたまあたまぎん頻出ひんしゅつする。

みぎからの進行しんこうれいとして、▲4ぎんに△6であると▲3よんぎんて、後手ごてきょ飛車ひしゃがわが△8ろくどう△6ろくどうかくどうかくどう△3さんでは、以下いか▲2さんぎんなりどうたま▲2ろく△2よんぎん▲4ろくかく△1さんかく▲1どう▲1よんどうたま▲2よんかくどうかく▲2ぎんという展開てんかいむのが、たまあたまぎん代表だいひょうてきねらいである。また▲4ぎんに△3らせないのは▲3よんぎんておく、つぎに▲9からこう入手にゅうしゅしてからの▲2ろくこうなどがねらいとしてのこかたと、▲5ろくぎんもどり、以下いか△7には▲6ななぎん△7ろくどうぎん△7▲7△6よんぎん▲6△7ななかくしげるどうかつら△7ぎんどうぎんどう▲6ろくかく△7いち▲1一角いっかくなり△2ぎん▲3よんこうというかたがある。さらに後手ごてきょ飛車ひしゃがわの△4よんとして▲3よんぎんならば△2よんとしてぎん退路たいろねらいはかくどうめたことに満足まんぞくして▲3よんぎんとせず▲3ろくぎんとでもいておけば、後手ごて6からの仕掛しかけの脅威きょうい緩和かんわされている。

後手ごて なし
987654321 
こうかつら   きむ かつらこういち
   きむぎんおうかく 
      さん
ぎん    よん
   ぎん   
     ろく
 かく  なな
   きむ ぎんたま はち
こうかつら   きむ かつらこうきゅう
後手ごて かつら
987654321 
こうかつら   きむ  こういち
   きむぎんおう  
    かつら さん
ぎん   ぎん よん
      
   かく  ろく
 うま  なな
    きむ ぎんたま はち
こう    きむ かつらこうきゅう

だい1-1aのようにぼうぎんかくあたまねらわれた場合ばあい以下いか▲6△7ななかくしげるどうかつら△7ろくに▲6ろくき、△7なななりは▲3よんぎん△3いちかつら▲2ろくで、△1かくなら1すじとっいをかして▲1、△2よんどう△2なら▲2さんかくから▲4一角いっかくなりがある。もどって▲6ろくうわきに△2かくは▲7ろく△7▲3はちで△7ななかくなりならば▲3よんぎんがあり、△3さんかつらには▲5ろくかくだい1-1b)もしくは▲2ろく△2かつらにじっと▲3ろくとして▲2ぎんねらじゅんもある、

また、ひだりぎんはやめに腰掛こしかけ、きょ飛車ひしゃのままでたまあたまぎんおこなかたもある。は2010ねん10がつ棋王きおうせん予選よせん先手せんて山崎やまざき隆之たかゆきたい後手ごて窪田くぼた義行よしゆきせんれいで、だい1-2a後手ごての△5よんぎんたいして先手せんてが▲6ろくではなく▲6はちぎんとしたので、後手ごてが△6ぎん進出しんしゅつしたところ。以下いか▲5ななきん△7ろく▲3ろく△7▲2よんどう▲5かく△8よん▲6ろくきん△8▲7ぎん△8ろくどうどう▲7ろくきんどう▲7なな△7さん▲8はち△3きん▲3どう▲3よんぎん以下いかだい乱戦らんせんとなる。途中とちゅう飛車ひしゃかく交換こうかんは、後手ごては△5よんかくすじをねらっている。

後手ごて なし
987654321 
こうかつらぎんきむおうきむ かつらこういち
        
  かくさん
      よん
   ぎん    
       ろく
   なな
 かくたまぎんきむ   はち
こうかつら きむ  ぎんかつらこうきゅう
後手ごて きむあゆみ4
987654321 
こうかつらぎんきむおう  かつらこういち
      きむ  
  かく さん
     ぎん よん
    かく   
        ろく
    なな
 たまぎん    はち
こうかつら きむ  ぎんかつらこうきゅう

たい持久じきゅうせん

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後手ごて なし
987654321 
こうかつら きむ きむぎんかつらこういち
  ぎん  おうかく 
   さん
       よん
        
       ろく
かくぎんなな
     たま  はち
こうかつら きむ きむぎんかつらこうきゅう
後手ごて なし
987654321 
こうかつら きむ きむぎんかつらこういち
      おう 
  かくさん
    ぎん  よん
       
   ぎん    ろく
かく なな
     ぎんたま はち
こうかつら きむ きむ かつらこうきゅう

たい穴熊あなぐまでは△3よんをとる変化へんかになることはめったになく、きょ飛車ひしゃがわがそれをふせいで△4よんや△4よんぎんかたちめることがおおいが、それが飛車ひしゃがわねらいでもある。そのため厳密げんみつ意味いみでのたまあたまぎん出現しゅつげんしにくいが、ねらいがしょうじる。

だい2-1aは、先手せんてさんあいだ飛車ひしゃだい2-1aのように、後手ごて穴熊あなぐま手前てまえ先手せんてはやく▲6ななぎんとした場合ばあい、ここで△5さんぎんがたにしないと、△4よんぎん~△3さんぎん展開てんかいはしにくくなる。△5さんぎんにかえて△3さんかくなら▲5ろくぎんで、たまあたまぎんふせいで△4よんめさせれば、ビック4などにはみにくくなる。

まただい2-2のように先手せんてよんあいだ飛車ひしゃであると、後手ごて△2たま▲5ろくぎんに△4よんぎんをすると、▲6しょうじる。△4かく飛車ひしゃさきふせぐと▲4ぎんしょうじ、△3さんぎんでも▲3よんぎんしょうじている。したがって、よんあいだ飛車ひしゃ場合ばあい先手せんて▲5ろくぎんには△5さんぎんがたでも△4よんおおい。△4よんさせることによってきょ飛車ひしゃ穴熊あなぐま弱体じゃくたいし、△4かくかくみぎぎんからの仕掛しかけ、△3さんぎんからのビッグ4をすこともできる。しかしはやめに▲5ろくぎんがるかた飛車ひしゃがわかたちめてしまうことにもなるため、場合ばあいによっては飛車ひしゃがわ打開だかいむずかしい状況じょうきょうおちいることもある。

後手ごて なし
987654321 
こうかつら きむ きむ かつらおういち
    かく ぎんこう
   さん
    ぎん  よん
   ぎん   
      ろく
かく   なな
   きむ ぎんたま はち
こうかつら   きむ かつらこうきゅう
後手ごて ぎん
987654321 
こうかつら きむ きむ かつらおういち
      ぎんこう
 かく さん
   ぎん   よん
      
       ろく
かく   なな
   きむ ぎんたま はち
こうかつら   きむ かつらこうきゅう

ただし、無事ぶじに△4よんぎんがためたとしてもだい2-3aのようにぎん進出しんしゅつする場合ばあいもある。後手ごてかたでの穴熊あなぐまはこぶのは若干じゃっかん横着おうちゃくなところがある。以下いか手順てじゅんれいとしては△4どうぎんどうで、後手ごては△3きん▲1などのほか、△7よん、△5さんかくや△5いちきんがあげられる。△5さんかくには▲6よんどう▲6さんぎん△6ぎん▲6ななきん、もしくは▲4よんどう▲4さんぎん△4ぎんなどがみられるが、後手ごて打開だかい方策ほうさく単調たんちょうでバリエーションがすくない状態じょうたいとなるわりに、先手せんてからはつづく。▲4よんは△3きんでも▲1わって仕掛しかけるじゅんもあり、以下いかどうどうかく△8ろく▲6よんどう▲5さんぎんなど、先手せんて比較的ひかくてきつづく。したがって△5さんかく▲4よん△5きんみぎなどもかんがえられ、これで穴熊あなぐまおさまればまずまずとなる。また、△5さんかくに▲6よんぎんとし(だい2-3b)以下いかどうどうもあるが、これには△5いちきんみぎ▲6さんなりで、△3かくげるでよい。したがって先手せんても▲6よんぎん手順てじゅんではさきに▲4ななきんとして、以下いか△5さんかくに▲6よんぎんどうどうとし、△3かくに▲3ろくきんかくねらかたもある。

先手せんてとしてはみぎきんが3いちまでのあいだうごくことで、実践じっせんてきには飛車ひしゃ十分じゅうぶんといえる。このケースはきょくすうすくないが、類例るいれい仕掛しかけは櫛田くした陽一よういち窪田くぼた義行よしゆきらがこころみており、美濃みのがこいがしっかりしている状態じょうたいでの仕掛しかけでもあり、きょ飛車ひしゃいやなところとされている。

後手ごて なし
987654321 
こうかつら   きむ かつらおういち
     きむぎんこう
 ぎんかく さん
     よん
     ぎん   
    ろく
  きむ  なな
 かく   ぎんたま はち
こうかつら   きむ かつらこうきゅう
後手ごて なし
987654321 
こうかつら    きむかつらおういち
     かくきむぎんこう
     さん
  ぎんぎん よん
        
    ろく
   きむ  なな
     ぎんたま はち
こうかつら  かくきむ かつらこうきゅう

△3よんをとらせるいちれいとしてだい2-4aは『史上しじょう最強さいきょう!ワセダ将棋しょうぎ』(講談社こうだんしゃ、1982ねん)にある局面きょくめん双方そうほうがこいをんでから、だい2-3手前てまえ▲5ろくぎん進出しんしゅつに△3きんとして▲4ぎんさそい、以下いか△8▲7ななかく△4かく▲3よんぎん△8よん▲7はち△4よんぎん▲5きゅうかく△3いちきんよせ▲7△8ろくどう△7よんだい2-4b)となってみると、たしかに飛車ひしゃがわが1したが、これからの将棋しょうぎ展開てんかいである。

関連かんれん項目こうもく

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参考さんこう文献ぶんけん

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