醤油
100 gあたりの | |
---|---|
エネルギー | 222 kJ (53 kcal) |
4.93 g | |
0.40 g | |
0.8 g | |
0.57 g | |
8.14 g | |
トリプトファン | 0.096 g |
トレオニン | 0.271 g |
イソロイシン | 0.318 g |
ロイシン | 0.537 g |
リシン | 0.381 g |
メチオニン | 0.097 g |
シスチン | 0.118 g |
フェニルアラニン | 0.353 g |
チロシン | 0.244 g |
バリン | 0.332 g |
アルギニン | 0.463 g |
ヒスチジン | 0.174 g |
アラニン | 0.294 g |
アスパラギン | 0.719 g |
1.579 g | |
グリシン | 0.297 g |
プロリン | 0.493 g |
セリン | 0.388 g |
ビタミン | |
チアミン (B1) |
(3%) 0.033 mg |
リボフラビン (B2) |
(14%) 0.165 mg |
ナイアシン (B3) |
(15%) 2.196 mg |
パントテン |
(6%) 0.297 mg |
ビタミンB6 |
(11%) 0.148 mg |
(4%) 14 µg | |
ビタミンB12 |
(0%) 0.00 µg |
コリン |
(4%) 18.3 mg |
ビタミンC |
(0%) 0.0 mg |
ビタミンD |
(0%) 0.0 µg |
ビタミンE |
(0%) 0.00 mg |
ビタミンK |
(0%) 0.0 µg |
ミネラル | |
ナトリウム |
(366%) 5493 mg |
カリウム |
(9%) 435 mg |
カルシウム |
(3%) 33 mg |
マグネシウム |
(21%) 74 mg |
リン |
(24%) 166 mg |
(11%) 1.45 mg | |
(9%) 0.87 mg | |
マンガン |
(48%) 1.018 mg |
セレン |
(1%) 0.5 µg |
71.15 g | |
アルコール (エタノール) | 0.0 g |
| |
%は |
概要
[名称
[したじという
歴史
[起源
[中国 大陸 の醤
[「
たまり
[鎌倉 時代 の僧 によって偶然 できた説 - メーカーのヤマサ
醤油 によれば、たまりの元 となるものを作 ったのは、鎌倉 時代 、紀州 由良 (現在 の和歌山 県 日高 郡 )の興国寺 の僧 であった心地 覚 心 (法燈 円明 国師 、1207年 - 1298年 )であり、覚 心 が南 宋 で覚 えた径山寺 味噌 (金山寺 味噌 )の製法 を紀州 湯浅 の村民 に教 えている時 に、仕込 みを間違 えて偶然 出来上 がったものが、今 の「たまり醤油 」に似 た醤油 の原型 だとしている[19]。 金山寺 味噌 を由来 とする説 伝承 によれば13世紀 頃 、南 宋 鎮江(現 中国 江蘇 省 鎮江市 )の金山寺 で作 られていた、刻 んだ野菜 を味噌 につけ込 む金山寺 味噌 の製法 を、紀州 (和歌山 県 )の由良 興国寺 の開祖 ・法燈 円明 国師 (ほっとうえんみょうこくし)が日本 に伝 え、湯浅 周辺 で金山寺 味噌 作 りが広 まった。この味噌 の溜 (たまり)を調味 料 としたものが、現代 につながるたまり醤油 の原型 とされる[20]。ただし、この伝承 を裏付 ける史料 は見 つかっていない。斉 民 要 術 発祥 説 - たまり
醤油 の歴史 は中国 大陸 においては後 漢 代 にまで遡 る。特 に500年代 に記 された『斉 民 要 術 』には現代 の日本 の味噌 に似 た豆 醤 の製造 法 と、その上澄 み液 から作 る黒 くて美味 い液体 「清 醤 」の製造 法 が詳細 に記述 されており、その製造 法 や用途 から清 醤 が現代 のたまり醤油 の原型 であると理解 されている。たまり醤油 が中国 で普及 していった過程 において、その製造 法 が日本 にも伝来 したとする説 である。
たまり醤油 から本格 醤油 へ
[17世紀 の日本 国外 輸出
[濃口 醤油 ・淡 口 醤油 の登場
[「
1640
「うすくち
1781
明治 以降 、第 二 次 世界 大戦 前 までの醤油
[混合 醤油 (アミノ酸 液 混合 醤油 )・代用 醤油 (アミノ酸 醤油 )
[1940
この
醸造 醤油 のピンチ、混合 醸造 醤油 の発明 と全国 普及
[この
GHQの
「
本 醸造 復活 と甘口 醤油 ・旨 口 醤油 の登場
[1950
1955
1970
20世紀 後半 以降
[1963
1978
1985
日本 における様々 な醤油
[主 な種類
[- たまり(
溜 り) 上述 の通 り、江戸 時代 中期 までは主流 であり、この当時 は醤油 と言 えばこの溜 り醤油 のことで、とろりとしており旨味 、風味 、色 ともに濃厚 である。刺身 につけたり、照焼 きのタレなどに向 く。味噌 を絞 ってその液体 部分 だけを抽出 したもの。原料 は大豆 が中心 で、小麦 は使 わないか使 っても少量 。つまり豆 味噌 を絞 ったものが中心 である。しかしながら現在 では、製法 としては普通 の醤油 (濃口 醤油 )と同 じで、単 に小麦 を使 わないか少量 しか使 わないものをたまりと称 することも多 い。豆 味噌 と同様 に東海 3県 が主 産地 である。- こいくち(
濃口 ) 現在 、最 も一般 的 なものであり、生産 高 の約 8割 を占 め、通常 「醤油 」というとこれを指 す。江戸 時代 中期 の関東 地方 が発祥 で、江戸 料理 の調味 料 として発達 した。関東 最古 の醸造 業 であるヒゲタ醤油 が、醤油 (溜 り醤油 )の原料 に小麦 を配合 するなどして改良 し、現在 のこいくち醤油 の醸造 法 を確立 したと云 われている。特有 の香 りが高 く、たまり醤油 のように濃 い色 を持 つ。全国 的 に最 も一般 的 な醤油 であり、食堂 にある醤油 は、まずこれと思 ってよい。様々 な料理 の味付 けに使 われ、色付 け・香 り付 けにも使 われる。原料 の大豆 と小麦 の比率 は半々 程度 である。北海道 から沖縄 まで各地 で生産 されるが、関東 地方 における生産 量 が特 に多 い。特 に有名 な産地 として、利根川 の水運 が利用 できた千葉 県 の野田 市 や銚子 市 、最適 な気候 と風土 の香川 県 小豆島 がある。- うすくち(
淡 口 ) 汁物 、煮物 、かけうどんつゆなどの料理 用 に、特 に近畿 地方 で多用 される。近畿 の料理 は昆布 出汁 を多用 し、昆布 の風味 が失 われないよう香 りの薄 いものが求 められた。また濃口 醤油 を使 うと料理 の色 が黒 くなる(うどん汁 が大阪 では薄 色 で、東京 は濃 く黒 っぽくなるのは醤油 の色 の違 いである)ので、素材 の彩 りを生 かす京 料理 などに透明 なものが好 まれた。塩分 濃度 は濃口 より1割 ほど高 い。濃口 よりも原料 の麦 を浅 く炒 り、酒 を加 える。仕込 み時 には、麹 の量 を少 なく、仕込 み塩水 の比率 を高 くする。圧搾 前 に甘酒 を加 えることもある。酸化 して黒 みが出 ると価値 が低 いとされているために濃口 醤油 より賞味 期限 が短 い。- さいしこみ(
再 仕込 み) - さしみ
醤油 ・甘露 醤油 とも呼 ばれる、風味 、色 ともに濃厚 なもの。天明 年間 に周防 国 の柳井 で考案 されたと伝 えられる。仕込 工程 にて、塩水 のかわりに生醤油 や醤油 を用 いて造 る。一般 的 には淡 口 醤油 の諸味 が用 いられる。刺身 、寿司 などに向 く。 - しろ(
白 醤油 ) 色 は薄 く、醤油 というよりナンプラーのような淡 い琥珀 色 をしている。味 は淡泊 ながら甘味 が強 いのが特徴 である。茶碗蒸 しや吸 い物 、うどんのつゆ、煮物 などに向 く。原料 は大豆 が少 なく、あるいは全 く使 わず、小麦 が中心 である。つまり上述 のたまりと逆 と思 えばよい。淡 口 醤油 より色 の淡 さが特 に重要 なため、淡 口 よりさらに賞味 期限 が短 くなる。愛知 県 碧南 市 原産 で、現在 でも愛知 県 を主 産地 とするが、関東 など他 地域 でも生産 されている。
減 塩 しょうゆ・うす塩 しょうゆ塩分 の割合 を通常 品 より減 らしたもの。減 塩 しょうゆは高血圧 や心臓 病 、腎臓 病 などの人 を対象 に、厚生 労働省 の「特別 用途 食品 」(低 ナトリウム食品 )に指定 され、塩分 は9 %で通常 品 の半分 程度 。うす塩 しょうゆの塩分 は13 %で通常 品 の8割 程度 。製造 方法 は、イオン交換 法 で通常 品 から塩分 を除去 する方法 と、濃厚 に造 ったものを希釈 する方法 の2通 りがある。製品 のラベルを見 れば、醸造 酢 または酸味 料 が添加 されている製品 が多 いことが分 かる。昆布 しょうゆ、刺身 しょうゆ、だししょうゆ、土佐 しょうゆ等 醤油 を原料 に、昆布 だしやカツオだし、液 糖 やステビア等 の甘味 料 を添加 し、うまみを強化 した液体 調味 料 。公的 な基準 はなく、メーカーごとに風合 いは異 なる。減 塩 醤油 、昆布 醤油 などをひとくくりにし、これらはしょうゆ加工 品 と表記 。法令 上 、醤油 とは表記 はできない。醤油 としょうゆ加工 品 を区別 するため、加工 品 はひらがな表記 である。新式 醤油 醸造 中 、醤油 もろみにアミノ酸 を加 える方法 や醤油 粕 に塩酸 を加 えソーダ灰 で中和 し麹 を加 え熟成 させる方法 や、タンパク質 原料 を塩酸 で加水 分解 しソーダ灰 で中和 させ麹 を入 れて熟成 させる方法 などの製法 がある[60]。生醤油 読 み方 により全 く違 うものであるので注意 が必要 である[61]。- 「きじょうゆ」と
読 む場合 、だしやみりんなどで味付 けしていない、純粋 な醤油 という意味 で生 (き)と称 し、元々 は料理 業界 の用語 であった。JASの規定 上 は、この呼称 を使用 できるのは塩 の添加 までで、原材料 名 に大豆 ・小麦 ・食塩 と表記 のあるもの(いわゆる本 醸造 醤油 )のみが使用 できる。 - 「なましょうゆ、なまじょうゆ」と
読 む場合 、製造 工程 の項 に詳細 は譲 るが、もろみを搾 ったのち、火入 れをせず(この段階 のものを特 に「生揚 醤油 (きあげしょうゆ)」と呼 ぶ)、ろ過 により、酵母 などの微生物 除去 を行 ったもの。香 りや味 も穏 やか。加熱 した際 の香 りの立 ちが通常 品 より際立 っているが、保管 ・流通 に手間 がかかるため、広 く出回 らなかったが、注 いだあとの醤油 が空気 に触 れないよう外 容器 の内部 に醤油 を袋 詰 めした酸化 防止 容器 (パック・ボトル)が考案 されたことで流通 量 が増 えた[62][63]。
地域 性
[東日本
[北海道 ・東北 ・関東 ・甲信越 をはじめとする東日本 では、もっぱら濃口 醤油 を使 うことが多 い。そのため、濃口 醤油 の品質 に対 する要求 が厳 しくなった結果 、中間 的 な澄 んだ色調 で香 り高 く、旨味 に富 んだ濃口 醤油 が発達 した。濃口 醤油 をベースとした蕎麦 つゆ[64] や割下 が、鍋物 やつけ汁 としてよく使 われる。今日 日本 料理 の代表 とされる蕎麦 、天 ぷら、鰻 の蒲焼 、握 り寿司 は、濃口 醤油 が作 り上 げた、東日本 発祥 の食 文化 である。ダシは濃口 醤油 に負 けないように「削 り節 」を多 く使用 する。
江戸 は参勤交代 や地方 からの出稼 ぎの人 により、人 と共 に食 文化 の交流 が多彩 となっており、料理 や店 によっては薄口 しょうゆも使用 される。地域 によっては秋田 のしょっつる、伊豆諸島 のくさや汁 のような、魚 醤 を利用 する文化 がある。1770年 頃 から、「地回 り醤油 」と呼 ばれる関東 産 濃口 醤油 が上方 からの下 りものを凌駕 し醤油 の代表 となった[65]。小麦 の名産 地 が多 く気候 が良 い事 から常陸 ・下総 ・上総 ・相模 で醸造 が盛 んとなり、銚子 と野田 [65] には江戸 時代 初期 に遡 る老舗 ブランドが多 い。今 でも関東 地方 は日本 における生産 量 が最 も多 く、キッコーマン、ヤマサ醤油 、ヒゲタ醤油 、正田醤油 など全国 的 によく知 られたメーカーがある。
中 日本
[東海 地方 愛知 県 や岐阜 県 までは、一般 家庭 で醤油 を使 い分 ける地域 の東 限 と言 われる。この地方 を特徴付 けるのは濃厚 な味 わいを持 つ「たまり醤油 」(たまり)であり、豆 味噌 文化 と深 い関係 がある。他方 、前述 の碧南 市 のように白 醤油 の生産 が多 い地域 もある。このことから、煮物 ・吸 い物 用 を含 む一般 的 用途 に、関東 風 の濃口 醤油 を用 い、刺身 などのかけ・つけ醤油 としてたまり醤油 を用 いる家庭 と、煮物 ・吸 い物 用 には特 に白 醤油 を用 い、その他 の用途 には広 くたまり醤油 を用 いる家庭 がある。濃厚 な味 わいを好 むところから、一般 向 けには、みりんが添加 されていることもある。ヤマシン醤油 、イチビキ、サンビシ、盛田 、サンジルシ醸造 、日東 醸造 、ヤマミ醸造 、七 福 醸造 などのメーカーがある。
北陸 三 県 北陸 三 県 も、東日本 と比 べれば旨 みの強 い濃厚 な味 わいを、近畿 以西 と比 べると塩分 の強 い濃 い味 を好 む傾向 がある。この要求 を満 たすために混合 醸造 方式 の比率 が高 く、九州 ほどではないが甘 みの強 いものが多 く出回 っている。例 えば、直 源 醤油 、ヤマト醤油 味噌 など複数 の醤油 会社 が集 まる金沢 市 海岸 部 の大野 醤油 (大野 紫 )は、「甘口 」と書 いて「うまくち」を読 む味 わいを売 り物 にしており[66]、醤油 蔵 に観光 客 も誘致 している。他方 、濃口 醤油 の色 は必 ずしも濃 くない(関東 の濃口 と近畿 の淡 口 の中間 といえる)。他方 、上方 の影響 から淡 口 醤油 も使用 される。上記 以外 では山元 醸造 、中 六 醸造 元 、トナミ醤油 、飯田 醤油 、富士 菊 醤油 、室 次 といったメーカーがある。
西日本
[近畿 地方 および中国 ・四国 地方 近畿 地方 は、煮物 や吸 い物 用 には淡 口 醤油 または白 醤油 を用 いて、食材 の色 と出汁 の風合 いを壊 さないように調理 することが良 いとされる一方 、刺身 用 をはじめとするつけ・かけ醤油 については、濃口 醤油 (またはたまり醤油 )が使 われる。とりわけ煮物 ・吸 い物 用 の淡 口 醤油 の需要 が高 い。西日本 に知 られた淡 口 醤油 中心 の有名 なメーカーとして、ヒガシマル醤油 がある。一方 で、和歌山 県 では古 くから濃口 醤油 が主流 となっている。
南 日本
[この
九州 地方 (山口 県 を含 む)南蛮 貿易 や甘蔗 (サトウキビ)栽培 が江戸 時代 頃 から行 われていた影響 で砂糖 が比較的 手 に入 りやすく、料理 に甘味 を求 める傾向 がある[67][68][69]。このため北陸 と同様 に混合 醸造 方式 の比率 が高 いが、糖分 やうまみ成分 などは北陸 のものに比 べ多 めに添加 されており、甘 みが一層 引 き立 っている。また濃口 醤油 でも、九州 では色 や香 りに濃厚 な風合 いが好 まれる傾向 にあることから関東 のものに比 べて色 が黒 い。さらに甘 みやうまみを多 く添加 したどろっとした風合 いの「さしみ醤油 」も使用 される(特 に脂 が多 い刺身 への「のり」が良 い)。フンド ーキン醤油 やニビシ醤油 、富士甚醤油 、フンドーダイ、チョーコー醤油 、ホシサンなどのメーカーがある。
沖縄 地方 沖縄 では、古来 、うま味 を得 るためには昆布 と魚 や豚 の出汁 を利用 することが多 く、調味 料 は味噌 や塩 が主流 で、醤油 はかつて高級 品 扱 いであり[70]、戦後 の食 文化 の変化 に伴 い、一般 的 に用 いられるようになった[70]。沖縄 で販売 されているものはキッコーマンやヤマサ醤油 等 、他 県 産 のものが多 いが、県内 にも赤 マルソウなど、小規模 メーカーはある。材料 にシークヮーサーを用 いた醤油 も、沖縄 では知 られた調味 料 の一 つとなっている[71]。
大豆 以外 を主 原料 とする醤油 系 調味 料
[キッコーマンでは
各国 の醤油
[日本 のものの普及
[類似 する調味 料
[アジアの
醤油 (中国 )中国 大陸 においては大豆 由来 の醤 は既 に前漢 代 の遺跡 から出土 しており、後 漢 時代 になると文献 上 にも現 れる。北 魏 代 6世紀 の文献 には「豆 醤 」「清 醤 」についての製法 が残 されている[73]。11世紀 の宋 代 の文献 には「醤油 」(チャンユー)の表記 も見 られる[74]。また、既 に後 漢 時代 にはたまり醤油 が利用 されていたが、その利用 は極 めて限 られていた。一般 化 したのは明代 に入 ってからとされる[75]。現代 中国 の「醤油 」(標準 中国語 :酱油 (jiàngyóu))は、低 塩 固体 発酵 法 という速 醸法で作 られるものが多 い。この「醤油 」は加 温 による着色 が著 しく、日本 の醤油 とは異 なる。近年 は日本 の醤油 メーカーの技術 指導 によって、日本 式 の醤油 の製造 も増 えている[76]。日本 の中華 料理 のレシピでは単 に「しょうゆ」とのみ記述 され、日本 の醤油 で代用 する場合 がほとんどである。中国 料理 における醤油 の用途 は、香 りや味 より色 づけに重点 を置 いているため、色調 は濃 い。カラメルや糖蜜 などを加 え、どろっとしてマイルドな「老 抽」、塩 が立 って色 が淡 めの「生 抽」がある。
蔭 油 (台湾 )醤油 は原材料 に大豆 のほか小麦 や塩 を加 えている。1895年 日本 統治 時代 以前 の台湾 では「蔭 油 」が製造 されていた。蔭 油 は黒豆 など原材料 の豆 に塩 をまぜて自然 発酵 させたもので、小麦 やもろみは使用 しない[77]。台湾 の蔭 油 は閩南地方 (中国 福建 省 南部 )伝統 のものだが、現在 は台湾 の一部 でつくられているものの[78]、台湾 でも中国 大陸 でもこの製法 をほとんど行 わなくなった。
- カンジャン(
韓国 ) 韓国 では「カンジャン」(간장、塩辛 い醤 の意 )は日本 のものと比較 して色調 が黒 くされ、韓国 人 の使用 法 は主 に他 の調味 料 とブレンドし、合 わせ調味 料 のヤンニョムとして利用 する用途 で用 いる。家庭 で作 る伝統 的 な製法 としてのカンジャンはチョソンカンジャン(朝鮮 カンジャン)・チェレシッカンジャン(従来 式 カンジャン)と呼 ばれており、メジュ (味噌 玉 )を甕 の中 で塩水 と発酵 させることで液体 部分 がカンジャン、固体 部分 をテンジャンとして利用 していた[79]。現代 の韓国 で市場 に流通 しているカンジャン製品 の製造 法 は、日本 統治 下 の時期 に導入 された製法 のウェカンジャン(倭 醤油 )・ケリャンカンジャン(改良 醤油 )が多 くを占 めている。売上 高 としてはジンカンジャン(陣 カンジャン、ホナプカンジャン(混合 醤油 )とも)が最 も多 く、ヤンジョカンジャン(醸造 醤油 )、スープ用 であるクッカンジャン(汁 カンジャン、伝統 的 製法 で作 られている)が続 く[80]。
- インドネシアやマレーシアでも、
歴史 的 に大豆 を原料 とした液体 調味 料 が使 われている。代表 的 なものとして「ケチャップマニス」(Kecap manis, manis=「甘 い」)、「ケチャップアシン」(Kecap asin, asin=「塩辛 い」)が用 いられている。ケチャップマニスは、物性 的 には、色調 が黒 く、甘辛 くどろっとした調味 料 である。ケチャップアシンは、比較的 色 が薄 く、塩 が立 つさっぱりした調味 料 である。
- トヨ(フィリピン)
- フィリピンではトヨと
呼 ばれるソイソースが全 世帯 の30 %ほどで使用 されている。
- シーユー(タイ)
- ショーユ(ハワイ)
- かつて
日本人 が多 く移民 し、現在 も日系 人 が多数 在住 しているハワイでも独自 のものが生産 されている。日本 の醤油 の系統 に属 する味 ではあるが、大豆 の風味 が薄 くさらっとした塩味 になっている点 が特徴 である。メーカーとして1946年 創業 のアロハ醤油 がある。
- シジャウ(ペルー)
- ペルーにおいても
日系 人 が多数 在住 しており、日本 のものを模 した醤油 が作 られている。カラメルにより色 がつけられており、日本 の醤油 と比 べるとドロッとした調味 料 である。ペルー大手 の醤油 メーカーとして1957年 創業 のキッコー社 がある。(日本 のキッコーマンの商標 に類似 しているが、直接 の関係 はない。)
醤油 の製造 法
[基本 的 な製造 法 (本 醸造 ・こいくちしょうゆ)
[原料 工程 大豆 (または脱脂 加工 大豆 )は浸水 し、膨潤したところで圧力 をかけて蒸 煮 する。小麦 は焙 煎 し、割 砕して荒 い粉末 状 にする。加熱 条件 には留意 する。これは、生 の大豆 タンパク質 が最終 工程 に残 ると製品 (加熱 時 )の濁 りにつながり、小麦 の生 デンプンは、一般 的 な醤油 酵母 では資 化 できないためである。
製造 工程 製 麹 (せいきく)工程 :蒸 煮 大豆 と割 砕小麦 を約 1:1で混合 したものに種 麹 を加 えて混 ぜ、高 湿度 下 で3 - 4日 程度 培養 を行 い醤油 麹 を作 る。麹菌 には、主 にショウユコウジカビが用 いられ、ニホンコウジカビが使用 されることもある。仕込 工程 (前期 ):醤油 麹 に塩 水 を加 え、麹 の塊 を崩 して混合 しながら醸造 タンク(または、木 桶 )に移送 することを「仕込 工程 」と呼 び、麹 と塩水 の混合 物 をもろみと呼 ぶ。麹 由来 の酵素 により蛋白質 はアミノ酸 に、デンプン質 は糖 に分解 される。仕込 工程 (中期 ): もろみ内 にて微生物 による発酵 が起 きる。まずは乳酸菌 (テトラジェノコッカス属 、Tetragenococcus halophilus)により乳酸 が作 られもろみ全体 が酸性 に傾 く。次 に、耐 塩性 酵母 (Zygosaccharomyces rouxii)により、アルコール発酵 が起 きる[82]。香 りの成分 の多 くはこの工程 で発生 する。仕込 工程 (後期 ): 「後 熟 工程 」とも呼 ばれ、香 り・味 を熟成 させる工程 。活発 な発酵 は行 われず、アミノグリコシド反応 等 の、比較的 静 かな反応 が続 く。この時期 にはCandida属 酵母 による香気 成分 の生成 が行 われる[82]。淡 口 醤油 の場合 、仕込 工程 の末期 に甘酒 や米 麹 を添加 することがある。圧搾 工程 :合成 樹脂 等 丈夫 な素材 で作 られた「圧搾 布 」にもろみを包 んで加重 し、固体 と液体 を分離 する。液体 が「生揚 げ醤油 」、固体 が「醤油 粕 」である。この際 、主 に大豆 由来 の油脂 が分離 して液 面 に浮 かぶ。これを「醤油 油 (しょうゆあぶら)」と呼 ぶ。醤油 油 は微生物 による分解 や酸化 のため、食用 油脂 としての利用 はできない。また、醤油 粕 も利用 価値 が低 いことから、メーカーは処分 に苦慮 することが多 い。なお圧搾 技術 の未熟 だった昔 においては、醤油 粕 に塩水 を入 れて混 ぜ、醤油 を再度 抽出 して搾 ること(番 醤油 )も行 われていた[83]。火入 工程 :圧搾 工程 で得 られた生揚 げ醤油 には、醸造 工程 で含 まれた各種 酵素 などのタンパク質 が多 く含 まれている。これを加熱 すると、タンパク質 は熱 変性 して不溶化 し、沈殿 する。また、製品 に焦 げた臭 い(焦 げ香 )をつけ、微生物 を殺 す。一般 的 にはプレートヒーター等 を用 い、熱 がかかりすぎないように留意 する。熱 履歴 が高 い場合 は製品 の色 が黒色 を呈 し、焦 げ香 が強 くなりすぎることになる。清澄 ・濾過 工程 :沈殿 除去 、珪藻土 濾過 や精密 濾過 などを用 い、含 まれる変性 タンパク質 など不溶性 固形 分 を除去 する。完成 品 の濁 りは品質 的 には製品 事故 となる。ここで生揚 げ醤油 は、「火入 醤油 」と、沈殿 分 ・濾過 除去 された分 の「澱 」(おり)とに分 けられる。火入 れをせず精密 濾過 で酵母 その他 異物 を取 り除 いたものが広 く市販 されている生醤油 (なましょうゆ)である[注釈 14]。詰 工程 :火入 醤油 に適切 な成分 調整 を加 え、容器 に詰 めて製品 とする。
原料 としての大豆 - 「
脱脂 加工 大豆 」が多 く用 いられる。これは、醸造 用 加工 大豆 と呼 ばれることもあるが、一般 的 には大豆 を原料 にヘキサンを溶剤 として大 豆油 を抽出 した際 の副 生産 物 (大 豆粕 )である。残留 ヘキサンの毒性 は神経 毒 であるが、ヘキサンは減圧 ・加熱 により容易 に揮発 し、脱脂 加工 大豆 には残留 しないので醤油 醸造 には全 く影響 がないばかりか、大豆 の油脂 成分 は本質 的 に醤油 の醸造 に必要 ないため、かえって好都合 である。もちろん大 豆油 メーカーも大 豆油 ・大 豆粕 からヘキサンを回収 し再 利用 しているため、脱脂 加工 大豆 の安全 性 に問題 はないとしている[84]。製品 の一括 表示 内 に原材料 「大豆 」と表示 されているものは、無 加工 の大豆 である丸 大豆 を使用 していることを表 し、脱脂 加工 大豆 が使用 されている場合 は「脱脂 加工 大豆 」と表示 される。原料 に丸 大豆 を使用 する場合 、仕込 工程 の説明 のように、丸 大豆 には未 処理 の油 が大量 に含 まれているため、これらの油分 は仕込 工程 中 に分離 して、もろみの上 に浮 かんで油 の層 を作 る。 丸 大豆 醤油 を支持 する製造 者 は、等 の主張 がある。一方 、分析 および官能 試験 では有意 な差 がないという意見 もあり「丸 大豆 だから美味 しい」とは一概 に言 えず、議論 が発生 する。- ヒゲタ
醤油 の元 技術 者 によれば、脱脂 加工 大豆 で仕込 んだ場合 は、丸 大豆 で仕込 んだ場合 より、うま味 を呈 するグルタミン酸 の産 生 が多 い[85]。また、脱脂 加工 大豆 で仕込 んだ醤油 の方 が、丸 大豆 醤油 と比 べ、香 りが豊 かである[85]。一方 、丸 大豆 醤油 は、油 の分解 により生 じたグリセリンを多 く含 み、その甘 みが味 をまろやかにし、グルタミン酸 が少 ないという欠点 をカバーする[85]。 酵素 添加 による速 醸法仕込 工程 初期 に酵素 剤 を添加 することで醸造 期間 を短縮 する技術 がある[86]。しかし、この場合 は醤油 業 中央 公正 取引 協議 会 の業界 基準 により、製品 表示 に「天然 」「生 」等 の用語 を利用 することができない。
混合 醸造 方式 ・混合 方式
[混合 醸造 方式 原料 に塩酸 を添加 すると加水 分解 してアミノ酸 液 が得 られる。これを水酸化 ナトリウムで中和 し、もろみとともに仕込 み熟成 を経 る方法 を「混合 醸造 」と呼 ぶ[87]。混合 方式 生揚 げ醤油 (もろみを搾 った液 )に、アミノ酸 液 を混合 して製品 とする手法 。熟成 の有無 は問 わない。
添加 物
[保存 料 一般 的 に、防 黴 効果 の高 い安息香 酸 ナトリウムまたはパラオキシ安息香 酸 ナトリウムを使用 する。高 付加 価値 商品 では安息香 酸 を添加 しない製品 もある。- アルコール(
酒精 ) 保存 料 として安息香 酸 を利用 しない場合 、アルコールの防 黴 作用 を利用 することがある。アルコールを添加 して防 黴 作用 を持 たせる場合 は、安息香 酸 を添加 した場合 と比較 し、品質 保持 期間 は短 くなる傾向 にある。甘味 料 一般 的 に、甘草 、ステビア、果糖 ブドウ糖 液 糖 、サッカリン等 が使用 される。塩 の辛 さをやわらげ、マイルドな味 わいとなる。- カラメル
色素 - カラメル
色素 は黒色 を呈 色 させる場合 に添加 する。また、独特 の甘 さと香 りも追加 される。 調味 料 (アミノ酸 等 )グルタミン酸 ナトリウム、核酸 系 調味 料 を添加 して、うまみを強化 する場合 がある。「調味 料 (アミノ酸 等 )」と表記 される。
使用 器具
[- かい
棒 醤油 や酒 などを作 る際 、樽 内 をかき混 ぜるために使用 する棒 のことを指 す。
販売 形態
[保存
[このような
メーカー
[メーカーの
ハラール認証
[評価 法
[色 熟成 の期間 や温度 経過 によって異 なり、無色 に近 い淡 褐色 から、黒 に近 い暗 赤褐色 まで存在 する。アミノ酸 と糖 に富 むため、酸化 や加熱 、成分 の揮発 のほか、メイラード反応 が進 むことで産 生 されるメラノイジンにより色 は濃 くなる傾向 にある。一般 的 には淡色 で赤 い色調 のものが良 いとされ、製造 /管理 的 に高度 な技術 が必要 だが、地方 性 により、特 に濃口 醤油 においてはむしろ色 が濃 いものが好 まれる場合 もある。香 り鼻 で匂 いをかぐときに感 じる「トップノート」と、口 に含 んでから感 じる「フレーバー」がある。香気 成分 の多 くはアルコールをはじめとする酵母 の発酵 生産 物 であり、メイラード反応 から、ストレッカー分解 を経 て産出 される有機 化合 物 、加熱 工程 にて産 生 される焦 げ香 も、特徴付 ける重要 な要素 である。長期間 保存 すると酸化 が進 み、n-酪酸(ノルマル酪酸)、イソ酪酸、イソ吉 草 酸 [88] などの「劣化 臭 」といわれる臭 いがつくこともある。また、製造 工程 における衛生 管理 の問題 により、Bacillus属 細菌 [88] などによる腐敗 臭 や、味噌 のような臭 いがつくこともある。味 塩辛 さ、うまみ、甘 みを強 く持 つ。塩辛 さは原料 の塩 から、うまみは主 にアミノ酸 、甘 みは糖 による。アミノ酸 は、麹 により産 生 されたプロテアーゼやアミラーゼ等 の酵素 によって大豆 由来 のタンパク質 が分解 されたもの、糖 は同 じく小麦 由来 のデンプンが分解 されたものである。
官能 評価
[「きき
「よい
JASによる格付 け
[JAS(
- 「
標準 」(濃口 : 1.2 %以上 、淡 口 : 0.95 %) - 「
上級 」(濃口 : 1.35 %以上 、淡 口 : 1.05 %) - 「
特級 」(濃口 : 1.5 %以上 、淡 口 : 1.15 %)
また、JASの
- 「
特選 」:特級 の10 %増 し(濃口 : 1.65 %、淡 口 : 1.265 %) - 「
超 特選 」:特級 の20 %増 し(濃口 : 1.8 %、淡 口 : 1.38 %)
また、
上級 醤油 は「上 選 」、「吟醸 」、「優 選 」、「優良 」特級 醤油 は「特 吟 」や「特製 」日本 醤油 協会 で言 うところの「超 特選 」(特級 の1.2倍 )の場合 、「濃厚 」
醤油 と微生物
[麹菌
[カビの
酵母
[乳酸菌
[健康 への影響
[醤油 と日本 料理
[醤油 に関 する諸説
[人 の髪 の毛 から作 られている日本 では、大正 時代 から昭和 初期 と太平洋戦争 終戦 から数 年間 にかけ、物資 不足 解消 のため、様々 な原料 から食品 を製造 する試 みが行 われていた。醤油 原料 としても様々 な原料 が検討 され、それぞれ長所 ・短所 がある独特 の製品 が作 られた。これを代用 醤油 と呼 ぶ。原料 としては、魚介 類 や海藻 、カイコの蛹 、鯨 ひげ[100] などが用 いられた。製造 法 の代表 的 なものとして、タンパク質 原料 を塩酸 で加水 分解 したものを中和 してアミノ酸 液 を得 るものである。また、廃 毛髪 [101] や、牛 の血液 を用 いたという俗説 [要 検証 ]もある。- 2017
年 7月 現在 の日本 でも、都市 伝説 として、醤油 の原料 に人 毛 由来 のアミノ酸 が使 われているという噂 があるが、[要 出典 ]2017年 7月 現在 ではキャリーオーバーを除 きJAS法 や品質 表示 基準 によって植物 性 たん白 質 の使用 しか認 められておらず、髪 の毛 のような動物 性 たん白 質 の使用 は禁止 されている。また、2017年 7月 現在 の日本 において、仮 に毛髪 由来 のアミノ酸 を原料 として醤油 を作 った場合 、法的 にそれを「しょうゆ」と呼 ぶことはできない。コスト面 においては、毛髪 収集 に必要 なコストは大半 が人件 費 であり、脱脂 加工 大豆 の購入 価格 がそれよりも大幅 に安 いため、毛髪 からアミノ酸 を生産 するのは非 経済 的 である。また、味 も非常 に悪 いため、素人 が興味 本位 で作 ることはあっても、一般 に出回 ることはまず考 えられない。なお、中国 では一部 業者 によりアミノ酸 の基準 量 を満 たす目的 で人 毛 由来 のアミノ酸 を添加 した醤油 が製造 されているとの報道 が2004年 1月 にあったため、中国 政府 によって人 毛 を原料 とする醤油 の製造 が禁 じられた。[要 出典 ] 飲 めば兵隊 に取 られない- かつて
徴兵 制度 が実施 されていた時代 に、検査 の前日 に大量 の醤油 を飲 むことによって体調 を崩 し不 合格 となるといったことが、兵役 を逃 れる目的 で実際 に行 われていたとされる。醤油 は高 濃度 の塩分 を含 む液体 のため、一時 に大量 を摂取 すれば腎 機能 や肝 機能 の検査 値 に異常 をきたすことは確実 だが、こうした無茶 な行為 によって不 可逆 的 な疾病 を患 ったり、急性 症状 によって死 に至 る例 もあったと伝 えられている。徴兵 制度 導入 初期 には免役 率 が80 %以上 と高 く、徴兵 される場合 のほうが不運 と考 えられたため、このような徴兵 逃 れ行為 が横行 したが、その後 の改訂 で国民 皆兵 が義務 づけられ免役 率 が下 がると、むしろ免役 されるほうが不名誉 と考 えられるようになり、徴兵 逃 れ行為 は下火 となった。 醤油 を使 うとガンになる昭和 40年代 に広 まっていた俗説 。はっきりとした根拠 は不明 だが、麹菌 がアフラトキシンを生産 する、という噂 が一人 歩 きしたものに、「大量 に醤油 を摂取 した場合 には塩分 の過剰 摂取 による体調 不良 が起 きる」ことが付与 されて作 られた俗説 と考 えられる。大手 メーカーの特売 品 は2週間 で醤油 の模造 品 を作 っている本 醸造 醤油 の場合 は、混合 醸造 方式 ・混合 方式 を利用 することができないため、理論 的 に2週間 では不可能 と言 ってよい。仕込 み開始 から2週間 、比較的 高温 で推移 させた場合 は、麹菌 の酵素 によりもろみは一応 液化 するが、微生物 による発酵 過程 を経 ないため、香 りは立 たず、色 は黒 く、歩留 まりは悪 くなると思 われる[要 出典 ]。また、先 に挙 げた酵素 添加 による速 醸法を用 いることで、1か月 程度 に醸造 期間 を短縮 することができる。しかし醤油 醸造 は酵素 反応 で原料 が分解 されれば終了 という単純 なものではなく、広 く使 われてはいない。農林水産省 のウェブサイトによると、日本 生産 の8割 を占 める本 醸造 醤油 は寝 かせる期間 だけでも6 - 8か月 である。英語 のSoyの語源 は薩摩 弁 である幕末 期 に薩摩 藩 が輸出 していたこと、薩英戦争 後 にイギリスと急 接近 したこと、1867年 のパリ万博 に出展 したことなどから、英語 のsoyの語源 は当時 の薩摩 弁 で醤油 を指 す「そい」であるという俗説 がある。しかし、カリブの海賊 であったウィリアム・ダンピアが1688年 に太平洋 を航海 した時 の記録 には、すでにsoyという単語 が使 われている。また、パリ万博 で賞 を取 ったのは、幕府 側 代表 だった水戸 藩 の領内 で作 られたものである[102]。
醤油 に関 する言葉
[- さしすせそ (
調味 料 ) 味付 けの基本 となる5種類 の調味 料 を意味 する語呂合 わせ。4番目 の「せ」が「せうゆ」、つまり醤油 を意味 する。打 醤油 - 「
醤油 を買 う」という意味 の中国 語 だが、2008年 以降 は中国語 圏 で「自分 とは関係 無 い」という意味 のインターネットスラングとなっている。
博物館 等 施設
[湯浅 -重要 伝統 的 建造 物 群 保存 地区 。醤油 資料 館 、麹 資料 館
醤 の郷 -香川 県 小豆 郡 小豆島 町 に所在 する、近代 以前 の醤油 蔵 建築 が日本 で最 も集積 する地域 - マルキン
醤油 記念 館
- マルキン
- うすくち
龍野 醤油 資料 館 - ものしりしょうゆ
館 - キッコーマンが野田 工場 内 に開設
脚注
[注釈
[- ^
紀元前 8世紀 頃 の『周 礼 』で、「醤 」という漢字 が初 めて使 われた。 - ^
醪 は一 回 しか搾 るのではなく、搾 り粕 に食 塩水 を混 ぜて醤油 を抽出 し再 び搾 ること(番 醤油 )は、圧搾 技術 の未熟 だった昔 においてはしばしば行 われていた[32]。 - ^
当初 は大都市 および近郊 都市 に限 り配給 が行 われることとなっており、具体 的 な対象 地域 は東京 市 、神奈川 県 の7市 、愛知 県 の6市 、大阪 府 の7市 1町 、京都 市 、兵庫 県 の8市 21町村 であった。割当 量 は年齢 を問 わず関東 地方 では1人 3.5合 /月 、関西 地域 では4.5合 /月 となっていた。 - ^
醤油 業界 側 は醸造 醤油 が日本人 の食生活 においていかに重要 な地位 を占 めているかを強調 したが、GHQは当時 の窮迫 した食糧 事情 から、どちらが援助 物資 を有効 に活用 できるかを判断 したのであった。 - ^ 85 - 90 ℃で、45 - 50
時 間 の処理 [35]。 - ^
醤油 業界 のミセス・アップルトンへの評価 は従来 大変 厳 しいものであったが、後 の調査 で彼女 は醸造 醤油 の良 き理解 者 であり、当初 の配分 比率 も上司 の強 い指示 に抗 しきれず提案 したものであったようである。再度 の上申 は、彼女 の日本 の伝統 的 な醸造 醤油 への深 い理解 と思 い入 れによるものであったと考 えられる。また「私 がおいしいと思 うのですもの、アメリカはもちろんヨーロッパの主婦 だって、使 ってみればしょうゆの素晴 らしさがわかると思 うの」と、自 らも醤油 でステーキソースを作 り客 にふるまうほどの愛用 者 であった。 - ^
消費 者 の8割 が新 製造 法 の醤油 を支持 した。 - ^
醤油 醸造 協会 の正田 文 右 衛門 (正田醤油 )とアミノ酸 業界 の大内 鋼 太郎 (味 の素 )。 - ^ なお、
価格 については1950年 以降 もしばらくの間 、最 上品 の四 社 (ヤマサ醤油 、キッコーマン、ヒゲタ醤油 、丸金醤油 )の製品 は、一律 旧 公定 価格 の1割 7分 高 (一 斗 樽 中身 640円 )とする自粛 価格 の設定 が行 われた。 - ^
野田 醤油 は新式 2号 、NK式 タンパク質 処理 法 だけでなく、新式 1号 という技術 も無償 公開 している。これら技術 に共通 することは小規模 の醤油 蔵 でも容易 に適用 できることである。伝統 の醤油 醸造 が生 き残 れるように、出来 る限 り伝統 を守 れるよう各種 特許 を公開 し続 けたのである。 - ^
野田 醤油 が発明 した新式 2号 醤油 製造 法 がこれ。 - ^
諸味 を搾 ったままの生揚 げ醤油 (きあげしょうゆ)のこと(後述 )。 - ^
当時 公文書 には小書 き仮名 を用 いなかったため。その後 、一般 的 表記 である「しょうゆ」に変更 された。 - ^
生揚 げ醤油 を単 に濾過 しただけの生醤油 も、一部 では市販 されている。
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- Absence of aflatoxin biosynthesis in koji mold (Aspergillus sojae)
関連 文献
[宋 鋼 、伊藤 寛 、曹小紅 「中国 の醤油 事情 について」『日本 醸造 協会 誌 』第 86巻 第 7号 、日本 醸造 協会 、1991年 、506頁 、doi:10.6013/jbrewsocjapan1988.86.506。