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醤油じょうゆ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
醤油じょうゆ
100 gあたりの栄養えいよう
エネルギー 222 kJ (53 kcal)
4.93 g
糖類とうるい 0.40 g
食物しょくもつ繊維せんい 0.8 g
0.57 g
8.14 g
トリプトファン 0.096 g
トレオニン 0.271 g
イソロイシン 0.318 g
ロイシン 0.537 g
リシン 0.381 g
メチオニン 0.097 g
シスチン 0.118 g
フェニルアラニン 0.353 g
チロシン 0.244 g
バリン 0.332 g
アルギニン 0.463 g
ヒスチジン 0.174 g
アラニン 0.294 g
アスパラギンさん 0.719 g
グルタミン酸ぐるたみんさん 1.579 g
グリシン 0.297 g
プロリン 0.493 g
セリン 0.388 g
ビタミン
チアミン (B1)
(3%)
0.033 mg
リボフラビン (B2)
(14%)
0.165 mg
ナイアシン (B3)
(15%)
2.196 mg
パントテンさん (B5)
(6%)
0.297 mg
ビタミンB6
(11%)
0.148 mg
葉酸ようさん (B9)
(4%)
14 µg
ビタミンB12
(0%)
0.00 µg
コリン
(4%)
18.3 mg
ビタミンC
(0%)
0.0 mg
ビタミンD
(0%)
0.0 µg
ビタミンE
(0%)
0.00 mg
ビタミンK
(0%)
0.0 µg
ミネラル
ナトリウム
(366%)
5493 mg
カリウム
(9%)
435 mg
カルシウム
(3%)
33 mg
マグネシウム
(21%)
74 mg
リン
(24%)
166 mg
鉄分てつぶん
(11%)
1.45 mg
亜鉛あえん
(9%)
0.87 mg
マンガン
(48%)
1.018 mg
セレン
(1%)
0.5 µg
成分せいぶん
水分すいぶん 71.15 g
アルコール (エタノール)
0.0 g
%はアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにおける
成人せいじん栄養えいよう摂取せっしゅ目標もくひょう (RDI割合わりあい
出典しゅってん: USDA栄養えいようデータベース英語えいご

醤油じょうゆまたは醬油(しょうゆ)は、おも穀物こくもつ原料げんりょうとし、醸造じょうぞう技術ぎじゅつにより発酵はっこうさせて製造せいぞうする液体えきたい調味ちょうみりょう中国ちゅうごくひしお起源きげんとする、ひがしアジアの料理りょうりにおける基本きほんてき調味ちょうみりょうひとつである。

概要がいよう

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大豆だいず小麦こむぎトウモロコシ砂糖さとうグルコースしお原料げんりょうとし、麹菌こうじきん乳酸菌にゅうさんきん出芽しゅつが酵母こうぼによる複雑ふくざつ発酵はっこう過程かてい生成せいせいされる。その過程かていアルコールバニリンひとし香気こうき成分せいぶんによるかおり、大豆だいず由来ゆらいアミノ酸あみのさんによるうまみ、おなじく大豆だいず由来ゆらいメチオノールによるけししゅう作用さようと、乳酸にゅうさん酢酸さくさんなどの酸味さんみ小麦こむぎ由来ゆらいとうによるあまみをしょうじる。なお、赤褐色せきかっしょく色調しきちょうは、おもメイラード反応はんのうによるものである。

鉄分てつぶんコウジカビ生育せいいく悪影響あくえいきょうあたえるので鉄分てつぶんすくないみず使用しようする[1]鉄分てつぶんすくないほういろうす仕上しあがる[2]

日本にっぽん料理りょうり調理ちょうり根幹こんかんにな調味ちょうみりょうであり、そのままかけて使つか方法ほうほうほかに、煮物にもの味付あじつけや汁物しるものタレのベースにもなる。てんぷら江戸前えどまえ寿司ずし蕎麦そばなどにも利用りようされる、日本にっぽんしょく文化ぶんか基本きほんとなっている調味ちょうみりょうである。一般いっぱん家庭かていおよび飲食いんしょくてんでも醤油じょうゆれられて食卓しょくたくされる。料理りょうりにかけたり少量しょうりょう小皿こざらそそぎ・ひたす、「つけ・かけ」用途ようともちいられる。製菓せいか材料ざいりょうとしては、煎餅せんべいなど塩味しおあじ菓子かしのみならず、あま菓子かしにももちいられる。主要しゅよう産地さんち千葉ちばけん兵庫ひょうごけんで、全国ぜんこくてきには濃口こいくち醤油じょうゆ一般いっぱんてきである。その地域ちいきでも関西かんさい薄口うすくち醤油じょうゆ九州きゅうしゅう甘口あまくち醤油じょうゆなど地域ちいきしょく文化ぶんかわせた醤油じょうゆ生産せいさんされている。醤油じょうゆ多様たようせい幅広はばひろく、せま地域ちいき限定げんていのマイナーなものまでふくめれば様々さまざま種類しゅるい醤油じょうゆつくられている。たんなる伝統でんとう製法せいほうまらず、醤油じょうゆめぐ技術ぎじゅつ革新かくしん継続けいぞくしており、21世紀せいきはいってからは、透明とうめい醤油じょうゆという料理りょうりいろえない醤油じょうゆ販売はんばいされている[3][4]

名称めいしょう

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日本にっぽんにおける初出しょしゅつには諸説しょせつあるが、15世紀せいきごろから用例ようれいあらわれる。文明ぶんめい6ねん1474ねん成立せいりつ辞書じしょ文明ぶんめいほん節用せつようしゅう』(ぶんめいぼんせつようしゅう)に、「漿醤」に「シヤウユ」と仮名がなられている。「醤油じょうゆ」の表記ひょうき上記じょうき「漿醤」からやく100ねんの『多聞たもんいん日記にっきえいろく11ねん1568ねん)10がつ25にちじょう登場とうじょうする[5]。しかし『鹿しかえんろく天文てんもん5ねん1536ねん)6がつ27にちじょうには「漿油」と表記ひょうきされており、「シヤウユ」の漢字かんじ表記ひょうきはこちらのほうふる可能かのうせいたかい。また、初期しょきには「醤油じょうゆ」の「あぶら」を漢音かんおんみして「シヤウユウ」と発音はつおんされることもあった[6]

ひしおただしもちいてせいあぶらことがある[7]

調味ちょうみりょう料理りょうりもちいる順番じゅんばんあらわ語呂合ごろあわせの「さしすせそ」では、「せ」にあたり、「せうゆ」と表記ひょうきされるが、歴史れきしてき仮名遣かなづかいでは「しやうゆ」とくのがただしい。ただし「せうゆ」という仮名遣かなづかいも、いわゆる許容きょよう仮名遣かなづかいとしてひろおこなわれていた。

したじという別名べつめいもあり、これはもの下地したじから[8]られている。むらさきという別名べつめい語源ごげん諸説しょせつあるが、高価こうか調味ちょうみりょうだった醤油じょうゆが、高貴こうきなものの象徴しょうちょうである紫色むらさきいろちかかったことから[8]とも、江戸えど時代じだい筑波山つくばさんふもと多産たさんされ、筑波つくばさん雅称がしょうむらさきみね(しほう)であったことから[9][10][11][12]ともわれる。

歴史れきし

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起源きげん

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日本にっぽん醤油じょうゆのルーツは諸説しょせつある。文献ぶんけんじょう記録きろくされている最古さいこのルーツは中国ちゅうごくの「ひしお」とされる[13]

中国ちゅうごく大陸たいりくひしお

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古代こだい中国ちゅうごく大陸たいりくひしお(ひしお・ジャン)をルーツとするせつ[14] で、「ひしお」は広義こうぎに「食品しょくひん塩漬しおづけ」のことを[7][注釈ちゅうしゃく 1]ひしおについての最初さいしょ文献ぶんけんは、しゅう王朝おうちょう初期しょき古書こしょしゅうあや』とされており、ししとりさかななどのにく原料げんりょうとした塩辛しおからるいにくひしお(ししびしお)、さかなひしお(うおびしお)だった[13]

こくひしお(こくびしお)がはじめてあらわれるのは、湖南こなんしょうから出土しゅつどした紀元前きげんぜん2世紀せいき前漢ぜんかん時代じだい)とされる[13]。そして紀元きげん1世紀せいきこうかん時代じだい)『ろん衡』にまめひしお記述きじゅつが、さらに6世紀せいき中頃なかごろ南北なんぼくあさ時代じだい)に執筆しっぴつされたのうしょひとしみんようじゅつ』に、したまめこうじ食塩しょくえん発酵はっこうさせてひしお仕込しこ方法ほうほう記載きさいされている[13]

日本にっぽんでは「ひしおるいい」(果物くだもの野菜やさい海草かいそうなどを材料ざいりょうとしたくさひしおさかなによるさかなひしお穀物こくもつによるこくひしおの3しゅ)が縄文じょうもん時代じだいから弥生やよい時代じだいにあったとされているが、文献ぶんけんにはのこされておらず[13][15]本格ほんかくてきひしおつくられるようになったのは、中国ちゅうごく大陸たいりくからの「からひしお」(からびしお)や、朝鮮半島ちょうせんはんとうからの「高麗こうらいひしお」(こまびしお)の製法せいほうつたえられた、大和やまと朝廷ちょうてい時代じだいごろだった[13][16][17]

文献ぶんけんじょう日本にっぽんの「ひしお」の歴史れきしをたどると、701ねん大宝たいほう元年がんねん)の『大宝たいほう律令りつりょう』には、ひしおあつかう「しゅひしお」という官職かんしょくめいえる。また923ねん延長えんちょう元年がんねん公布こうふの『延喜えんぎしき』には大豆だいず3せきからひしお1せき5られることがしるされており、この時代じだい京都きょうとにはひしお製造せいぞう販売はんばいするものがいたことがかっている。また『和名わみょう類聚るいじゅうしょう』では、「ひしお」の項目こうもくにて「にく志保しほ」「これ」(ししひしほ)についてふれており、「ひしお」の項目こうもくではまめ使つかってつくる「まめひしお」についても解説かいせつしている。

多聞たもんいん日記にっき」の1576ねん記事きじでは固形こけいぶん液汁えきじゅうぶん分離ぶんりから味噌みそからえきしぼから味噌汁みそしるとしていたとあり、これが現代げんだい醤油じょうゆ相当そうとうするとかんがえられている[18]

文献ぶんけんじょうに「たまり」が初出しょしゅつしたのは1603ねん慶長けいちょう8ねん)に刊行かんこうされた『にち葡辞しょ』で、同書どうしょには「Tamari. Miso(味噌みそ)からる、非常ひじょうにおいしい液体えきたいで、食物しょくもつ調理ちょうりもちいられるもの」との記述きじゅつがある。また「醤油じょうゆ」の別名べつめいとされている「スタテ(りつ)」の記述きじゅつ同書どうしょ存在そんざいし、1548ねん天文てんもん17ねん成立せいりつ辞書じしょうんしょくしゅう』にも「りつ スタテ 味噌汁みそしるりつこれ也」としるされている。

発祥はっしょう起源きげんについては諸説しょせつあり、さだかとはなっていない。

鎌倉かまくら時代じだいそうによって偶然ぐうぜんできたせつ
メーカーのヤマサ醤油じょうゆによれば、たまりのもととなるものをつくったのは、鎌倉かまくら時代じだい紀州きしゅう由良ゆら現在げんざい和歌山わかやまけん日高ひだかぐん)の興国寺こうこくじそうであった心地ここちさとしこころ法燈ほうとう円明えんめい国師こくし、1207ねん - 1298ねん)であり、さとししんみなみそうおぼえた径山寺きんざんじ味噌みそ金山寺きんざんじ味噌みそ)の製法せいほう紀州きしゅう湯浅ゆあさ村民そんみんおしえているときに、仕込しこみを間違まちがえて偶然ぐうぜん出来上できあがったものが、いまの「たまり醤油じょうゆ」に醤油じょうゆ原型げんけいだとしている[19]
金山寺きんざんじ味噌みそ由来ゆらいとするせつ
伝承でんしょうによれば13世紀せいきころみなみそう鎮江げん中国ちゅうごく江蘇ちぁんすーしょう鎮江)の金山寺きんざんじつくられていた、きざんだ野菜やさい味噌みそにつけ金山寺きんざんじ味噌みそ製法せいほうを、紀州きしゅう和歌山わかやまけん)の由良ゆら興国寺こうこくじ開祖かいそ法燈ほうとう円明えんめい国師こくし(ほっとうえんみょうこくし)が日本にっぽんつたえ、湯浅ゆあさ周辺しゅうへん金山寺きんざんじ味噌みそづくりがひろまった。この味噌みそため(たまり)を調味ちょうみりょうとしたものが、現代げんだいにつながるたまり醤油じょうゆ原型げんけいとされる[20]。ただし、この伝承でんしょう裏付うらづける史料しりょうつかっていない。
ひとしみんようじゅつ発祥はっしょうせつ
たまり醤油じょうゆ歴史れきし中国ちゅうごく大陸たいりくにおいてはこうかんだいにまでさかのぼる。とくに500年代ねんだいしるされた『ひとしみんようじゅつ』には現代げんだい日本にっぽん味噌みそまめひしお製造せいぞうほうと、その上澄うわずえきからつくくろくて美味うま液体えきたいきよしひしお」の製造せいぞうほう詳細しょうさい記述きじゅつされており、その製造せいぞうほう用途ようとからきよしひしお現代げんだいのたまり醤油じょうゆ原型げんけいであると理解りかいされている。たまり醤油じょうゆ中国ちゅうごく普及ふきゅうしていった過程かていにおいて、その製造せいぞうほう日本にっぽんにも伝来でんらいしたとするせつである。

たまり醤油じょうゆから本格ほんかく醤油じょうゆ

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文献ぶんけん登場とうじょうしはじめた時代じだいのたまり醤油じょうゆは、原料げんりょうとなるまめみずひたしてそのふけし、味噌みそだま原料げんりょうこうじ自然しぜん着生ちゃくせい自然しぜん種付たねつけ)してできる食用しょくよう味噌みそ製造せいぞう過程かてい上澄うわずえき(たまり)をげて液体えきたい調味ちょうみりょうとしたもの。発酵はっこうはアルコール発酵はっこうともなわない。また納豆なっとうきんなどきん影響えいきょうけやすく、んだ液体えきたい採取さいしゅすることはむずかしかった。この製法せいほうによるたまり醤油じょうゆは16世紀せいきえがいた国内こくない文献ぶんけんおおあらわれ、17世紀せいき江戸えど幕府ばくふひらかれると、人口じんこう増加ぞうかともな上方かみがたのたまり醤油じょうゆが、清酒せいしゅあぶらなどとともに次々つぎつぎ江戸えど輸送ゆそうされていく[21]

おけ職人しょくにんがつくる、現代げんだいにつながる本格ほんかく醤油じょうゆは、酒蔵さかぐら装備そうび利用りよう酒造さけづくりとともに発展はってんしたため、こうじした原料げんりょうにコウジカビを職人しょくにん付着ふちゃくさせ、原料げんりょう表面ひょうめん麹菌こうじきん増殖ぞうしょくさせるこうじ(ばらこうじ)手法しゅほうをとる。こうじ採取さいしゅし、保存ほぞんしておいてつぎこうじたねにするともしゅ(ともだね)という採取さいしゅほうられている。発酵はっこうはアルコール発酵はっこうともなう。コウジカビをもちいたこのタイプは、17世紀せいきまつ竜野たつの醤油じょうゆ草分くさわけのえん尾家おいえ帳簿ちょうぼ製法せいほうとともに「すみ醤油じょうゆ」という名前なまえあらわれている。18世紀せいきになると、大量たいりょう生産せいさん時代じだいはいっていく[21][22]

17世紀せいき日本にっぽん国外こくがい輸出ゆしゅつ

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安土あづち桃山ももやま時代じだいから江戸えど時代じだいになると、泉州せんしゅうさかいさんもの名産めいさんとして、全国ぜんこく流通りゅうつうするようになる[23]。このさかいさん醤油じょうゆ日本にっぽん国外こくがいへの輸出ゆしゅつ1647ねん正保しょうほう4ねん)に出島でじまオランダひがしインド会社かいしゃによって開始かいしされた[24]。この当時とうじたるめされたもの一般いっぱんてきだった。最初さいしょひがしアジアへ、18世紀せいきには欧州おうしゅう輸出ゆしゅつされた。伝承でんしょうによればルイ14せい宮廷きゅうてい料理りょうりでも使つかわれたという[25]当時とうじ記録きろくによると腐敗ふはい防止ぼうしのために、一旦いったん沸騰ふっとうさせて陶器とうきめてれきあお密封みっぷうしたという。もちいられたのは「コンプラびん」とばれた波佐見はさみしょうであり、多数たすう現存げんそんする。なお、「コンプラびん」が使用しようされはじめたのは、1790ねん寛政かんせい2ねん)からである[26]ロシア文豪ぶんごうトルストイ書斎しょさい一輪挿いちりんざしにしていた[25]

日本にっぽんさん醤油じょうゆ存在そんざいはヨーロッパに流入りゅうにゅうする以前いぜんから、ケンペルの『珍奇ちんきたのしみ』やダンピアの『ぞく世界せかい一周いっしゅう旅行りょこう』などの旅行りょこうによって知識ちしきとして紹介しょうかいされていた[27]ツンベルクは「日本にっぽんもの中国ちゅうごくものよりはるかに上質じょうしつである」としるしている[24]醤油じょうゆ流入りゅうにゅうしはじめた18世紀せいき中葉ちゅうよう以降いこうにはディドロの『百科全書ひゃっかぜんしょ』などの辞書じしょ事典じてん醤油じょうゆ項目こうもく登場とうじょうするが、当時とうじおおくの書籍しょせき醤油じょうゆローストビーフ肉汁にくじゅうからつくられると解説かいせつされており、その誤解ごかいは20世紀せいきいたるまでのこつづけた[27]

濃口こいくち醤油じょうゆあわこう醤油じょうゆ登場とうじょう

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うすくち醤油じょうゆひだり)、こいくち醤油じょうゆみぎ

濃口こいくち醤油じょうゆ」と「あわこう醤油じょうゆ」のちがいは、いろかおりのちがいである[28]

江戸えど時代じだい初期しょきまでは、日本にっぽんでの主流しゅりゅういろいたまり醤油じょうゆであり、おも産地さんち上記じょうき湯浅ゆあさ代表だいひょうされる近畿きんき讃岐さぬき引田ひきた小豆島しょうどしま)であった。しかし、たまり醤油じょうゆ生産せいさんりょう需要じゅよういつかなかった。

1640年代ねんだいごろ寛永かんえい年間ねんかん巨大きょだい人口じんこうかかえて一大いちだい消費しょうひとなっていた 江戸えど近辺きんぺんにおいて、上方かみがた関西かんさい大阪おおさか近辺きんぺん)から輸送ゆそうされる薄口うすくちくだ醤油じょうゆ高級こうきゅうひんとしてあつかわれていたため、関東かんとうつく安価あんかな「関東かんとう地廻じまわ醤油じょうゆ」(現在げんざい濃口こいくち醤油じょうゆ)が考案こうあんされた。江戸えどは、材料ざいりょうとなる行徳ぎょうとくしお関東平野かんとうへいや穀物こくもつ生産せいさん、それをはこぶための水運すいうんなど立地りっちめぐまれており、とく下総しもうさこく野田のだ銚子ちょうし生産せいさんとしておおきく発展はってんし、今日きょういたる。

「うすくち醤油じょうゆ」は、1666ねん寛文ひろふみ6ねん)に揖保いぼぐん龍野たつの現在げんざい兵庫ひょうごけんたつの)でえんまご兵衛ひょうえ醤油じょうゆもろみにこめ糖化とうかさせたものをぜることによりいろうす醤油じょうゆつくしたのが最初さいしょわれている。元々もともと龍野たつのでのみ消費しょうひされていたが、18世紀せいきなかばに京都きょうとへの出荷しゅっか本格ほんかくした。

1781ねん天明てんめい元年がんねん)には、玖珂くがぐん柳井津やないつ現在げんざい山口やまぐちけん柳井やない)の高田たかだ伝兵衛でんべえによって「甘露かんろ醤油じょうゆ」(「さい仕込しこ醤油じょうゆ」「さしみ醤油じょうゆ」)が開発かいはつされている。

明治めいじ以降いこうだい世界せかい大戦たいせんまえまでの醤油じょうゆ

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幕末ばくまつ1864ねん元治もとはる元年がんねん)、物価高ぶっかだかなやんだ幕府ばくふ市場いちば値下ねされいはっしたさい商品しょうひん品質ひんしつ保持ほじ理由りゆう野田のだ銚子ちょうしの7銘柄めいがらは「最上さいじょう醤油じょうゆ」の名称めいしょう従来じゅうらい価格かかく販売はんばいする許可きょか[よう出典しゅってん]

明治めいじ時代じだい初期しょきには醤油じょうゆ産業さんぎょう自体じたい手工業しゅこうぎょうてき要素ようそつよかったが、1882ねん明治めいじ15ねん以降いこう科学かがくてき手法しゅほう研究けんきゅうすすみ、醸造じょうぞう技術ぎじゅつ企業きぎょう形態けいたい近代きんだい徐々じょじょすすんでいった[29]

生活せいかつ必需ひつじゅひんであることをつけた明治めいじ政府せいふは「醤油じょうゆぜい」を創設そうせつし、大正たいしょう時代じだい末期まっきまでつづいた。

明治めいじ時代じだい市販しはんひんは、まだまだ贅沢ぜいたく調味ちょうみりょうであり、一般いっぱん家庭かていでは依然いぜんとして味噌みそ由来ゆらいのたまりなどが使つかわれていた。富山とやまけん農村のうそん上市うわいちまち)のれいでは、庶民しょみん正月しょうがつ祭礼さいれいに1ごう - 2ごう程度ていどであり、むらみせでは醸造じょうぞうもとから仕入しいれた3しょう醤油じょうゆなんげつもかけねばれなかった。使用しようりょう増加ぞうか大正たいしょう時代じだいはいってから、一般いっぱん家庭かていいちしょういをするようになったのは、昭和しょうわ時代じだい初期しょきになってからだという[30]

だいいち世界せかい大戦たいせんによるこうきょう影響えいきょうで、1918ねん大正たいしょう7ねんごろには設備せつび近代きんだい拍車はくしゃをかけ、企業きぎょう合同ごうどうおこなわれたことなどから、近代きんだいてき大量たいりょう生産せいさん体制たいせい移行いこうしていった[29]最盛さいせいである大正たいしょう初期しょきには、やく12000の工場こうじょう存在そんざいした。

混合こんごう醤油じょうゆアミノ酸あみのさんえき混合こんごう醤油じょうゆ)・代用だいよう醤油じょうゆアミノ酸あみのさん醤油じょうゆ

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醸造じょうぞう醤油じょうゆに、タンパク質たんぱくしつ原料げんりょう塩酸えんさん加水かすい分解ぶんかいののち中和ちゅうわ濾過ろか精製せいせいしてつくったアミノ酸あみのさんえき混合こんごうした「アミノ酸あみのさんえき混合こんごう醤油じょうゆ」は1930ねんごろ関西かんさいはじまった[31]

醤油じょうゆには大豆だいず伝統でんとうてきにはまる大豆だいず使用しようされていたが、太平洋戦争たいへいようせんそう契機けいき原料げんりょう有効ゆうこう利用りよう観点かんてんから、だい豆油採取さいしゅしたのこりの脱脂だっし大豆だいず原料げんりょう使つかわれるようになった。大豆だいず油脂ゆし成分せいぶん本質ほんしつてき醤油じょうゆ製造せいぞう不可欠ふかけつなものはではなく、もろみ(もろみ)の圧搾あっさくふく生物せいぶつとして油分ゆぶん分離ぶんりされるが[注釈ちゅうしゃく 2]食用しょくようにはならないからである[33][34]

だい世界せかい大戦たいせん前後ぜんごには、深刻しんこくした食糧難しょくりょうなんともない、主原あるじはらりょう大豆だいず確保かくほ出来できずに製造せいぞう自体じたい危機ききてき状況じょうきょうおちいり、しつ向上こうじょうよりりょう確保かくほ先決せんけつであったため、ほん醸造じょうぞう製法せいほう醤油じょうゆわずかなりょうしかつくられず、アミノ酸あみのさんえき醤油じょうゆ増量ぞうりょうしたアミノ酸あみのさんえき混合こんごう醤油じょうゆや、アミノ酸あみのさんえき甘味あまみりょうやカラメル色素しきそなど化学かがく調味ちょうみりょうくわえ、かお程度ていど醤油じょうゆまたは醤油じょうゆかすしぼじる混合こんごうしただけの「アミノ酸あみのさん醤油じょうゆ」も市場いちば出回でまわるようになった[29][31][34]。しかしアミノ酸あみのさん醤油じょうゆ醤油じょうゆかおりはほとんどせず、むしろさんによるアミノ酸あみのさん加水かすい分解ぶんかいふくせいする含硫アミノ酸あみのさん由来ゆらい特有とくゆうはなをつく異臭いしゅうがあった[35]

1940ねん昭和しょうわ15ねん)に醤油じょうゆ味噌みそとともに統制とうせい物資ぶっし対象たいしょうとなり、1942ねん昭和しょうわ17ねん)2がつ1にちからは配給はいきゅう規制きせいけた[36][注釈ちゅうしゃく 3]配給はいきゅうにあたり全国ぜんこく醤油じょうゆ製造せいぞう会社かいしゃ製造せいぞうされた醤油じょうゆは、1941ねん設立せつりつされた全国ぜんこく醤油じょうゆ統制とうせい会社かいしゃ日本にっぽんアミノ酸あみのさん統制とうせい会社かいしゃ一元いちげんてきげたのち地方ちほう統制とうせい会社かいしゃつうじて配給はいきゅうされた[37]

この時期じき、まだまる大豆だいずくら脱脂だっし加工かこう大豆だいずではいろあわ醤油じょうゆつくれずにいた[38]龍野たつのでは戦時せんじ統制とうせい配給はいきゅう途切とぎれ、出荷しゅっかりょう年々ねんねんらし、1944ねん昭和しょうわ19ねん)にはあわこう醤油じょうゆ製造せいぞうまった[39]

醸造じょうぞう醤油じょうゆのピンチ、混合こんごう醸造じょうぞう醤油じょうゆ発明はつめい全国ぜんこく普及ふきゅう

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終戦しゅうせん、1948ねんGHQ脱脂だっし加工かこう大豆だいず原料げんりょう配分はいぶんを「醤油じょうゆ醸造じょうぞう業界ぎょうかい 2、アミノ酸あみのさん業界ぎょうかい 8」とするとめた。その根拠こんきょは、アミノ酸あみのさんえき歩留ぶどまりが80 %なのにくらべ、当時とうじ醤油じょうゆは60 %しか原料げんりょう利用りようりつがなく、また製造せいぞうやく1ねんかかることだった[35][31][39][注釈ちゅうしゃく 4]。ここにいたり、日本にっぽん醤油じょうゆ伝統でんとうてき醸造じょうぞう技術ぎじゅつ一時いちじてきにせよ断絶だんぜつする危機ききになった[35][31]

この危機ききすくったのが、野田のだ醤油じょうゆ(いまキッコーマン)の技術ぎじゅつしゃ舘野たてのただしあつし梅田うめだ勇雄いさおらが発明はつめいした「新式しんしき2ごう醤油じょうゆ製造せいぞうほう」である[35][31][39]。これは加水かすい分解ぶんかいほうによるアミノ酸あみのさんえき製造せいぞうよりてい濃度のうどの6 %程度ていど希塩酸きえんさん脱脂だっし大豆だいず低温ていおん処理しょり[注釈ちゅうしゃく 5]し、タンパク質たんぱくしつポリペプチド状態じょうたいにてその大半たいはん塩水えんすいした状態じょうたいもろみ仕込しこ方法ほうほうで、仕込しこ期間きかん1.5かげつから2かげつアミノ酸あみのさんえきみのこう歩留ぶどまりにしつつも、ほん醸造じょうぞう醤油じょうゆちか品質ひんしつ醤油じょうゆ醸造じょうぞうする製造せいぞうほうであった。また、野田のだ醤油じょうゆはこの特許とっきょ独占どくせんすることなく無償むしょう公開こうかいし、全国ぜんこく醤油じょうゆメーカーにおしあるいた[35][31]

GHQの当時とうじ担当たんとうしゃアップルトン女史じょしはこの発明はつめい[注釈ちゅうしゃく 6]消費しょうひしゃ嗜好しこうについての市場いちば調査ちょうさおこなわれ[注釈ちゅうしゃく 7]、「正田しょうだ大内おおうち会談かいだん[注釈ちゅうしゃく 8]による協定きょうていみとめ、一回いっかい内定ないていしていた脱脂だっし加工かこう大豆だいず配給はいきゅうを「醤油じょうゆ醸造じょうぞう業界ぎょうかい 7、アミノ酸あみのさん業界ぎょうかい 3」にえた。ここに醸造じょうぞう醤油じょうゆ歴史れきしてき危機きき回避かいひされることとなった[40][41]

新式しんしき2ごう醤油じょうゆ製造せいぞうほう」は、全国ぜんこく2,500の業者ぎょうしゃ技術ぎじゅつ取得しゅとくをした。この技術ぎじゅつアミノ酸あみのさんえき製造せいぞうちがい、従来じゅうらい醤油じょうゆ醸造じょうぞう工場こうじょう設備せつびにわずかな手直てなおしをすることで容易ようい採用さいようできたことから、一挙いっきょ全国ぜんこく普及ふきゅうした[40][41]。この功績こうせきにより、1951ねん昭和しょうわ26ねん)、野田のだ醤油じょうゆ舘野たてのらは日本にっぽん発明はつめい協会きょうかいから恩賜おんし発明はつめいしょうされ、受賞じゅしょうした[40][41]

ほん醸造じょうぞう復活ふっかつ甘口あまくち醤油じょうゆむねこう醤油じょうゆ登場とうじょう

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1950ねん昭和しょうわ25ねん配給はいきゅう公団こうだん廃止はいし価格かかく統制とうせい撤廃てっぱいがなされた[注釈ちゅうしゃく 9][42]。しかし、原料げんりょう効率こうりつわるくなかなかほん醸造じょうぞうづくりにもどせないでいた。また龍野たつのではあわこう醤油じょうゆ製造せいぞう再開さいかいした[39]

1955ねん昭和しょうわ30ねん野田のだ醤油じょうゆからNK(野田のだキッコーマン)しきタンパク質たんぱくしつ処理しょりほう発表はっぴょうされた[43][44]。この技術ぎじゅつ大豆だいずふけ方法ほうほう改良かいりょうで、それまでふけすぐにさず翌日よくじつまでがまなかいていたのを、回転かいてんしきふけがま必要ひつよう最低限さいていげんふけめ、ただちに真空しんくう冷却れいきゃくする大豆だいず原料げんりょう処理しょりほうで、この技術ぎじゅつにより大豆だいず原料げんりょう利用りようりつを60 %から80 %ちかくまで飛躍ひやくてき向上こうじょうげ、かつ醤油じょうゆない旨味うまみ成分せいぶんグルタミン酸ぐるたみんさんを50 %以上いじょう増大ぞうだいさせる画期的かっきてきなものであった。さらに環境かんきょう負荷ふかとなる大豆だいず煮汁にじるくなり、公害こうがい防止ぼうし観点かんてんからもたか評価ひょうかされるものであった[45]。そしてこの技術ぎじゅつ野田のだ醤油じょうゆ醤油じょうゆ業界ぎょうかい発展はってんのため公開こうかいするのである[45][44][注釈ちゅうしゃく 10]。このNKしきタンパク質たんぱくしつ処理しょりほうは、味噌みそ業界ぎょうかいにも翌年よくねん1956ねん公開こうかいされた[45][44]。この発明はつめいたいして、1963ねん昭和しょうわ38ねん)、野田のだ醤油じょうゆ舘野たてのらは全国ぜんこく発明はつめい表彰ひょうしょうで「内閣ないかく総理そうり大臣だいじんしょう」、翌年よくねんには社長しゃちょう茂木もぎ顧問こもん仲谷なかたにが「発明はつめい実施じっししょう」を受賞じゅしょうしている[45][44]。その大豆だいずふけ処理しょりはさらに高温こうおんだかあつ短時間たんじかん条件じょうけん模索もさくされ、現代げんだい大手おおて醤油じょうゆメーカーでは大豆だいずは160 - 170 ℃(ゲージあつ 5 - 7 kg/cm3)・すうじゅうびょう連続れんぞくふけされ、原料げんりょう歩留ぶどまりりつ限界げんかいちかい90 %にたっしている[46]

1970ねん昭和しょうわ45ねんごろから大手おおて醤油じょうゆメーカーはほん醸造じょうぞうだけにえているが、コストてき問題もんだいもあり全国ぜんこくてき中小ちゅうしょうメーカーはほん醸造じょうぞうえることができず、いまでも混合こんごう醸造じょうぞう方式ほうしき混合こんごう方式ほうしきのこっている[47]

戦前せんぜんまでしおかくるため程度ていど砂糖さとうやみりんの添加てんかはあったがあまくなるほどではなかった[48][49][50]。また人工じんこう甘味あまみりょう添加てんか法令ほうれい禁止きんしされていた[51]戦中せんちゅう戦後せんご食糧難しょくりょうなんて、醤油じょうゆづくりにあたらしい技術ぎじゅつ製法せいほう積極せっきょくてき導入どうにゅうされ、醤油じょうゆもろみしぼったままの生揚なまあ醤油じょうゆアミノ酸あみのさんえき甘味あまみりょうとう添加てんかしたり、ほん醸造じょうぞう醤油じょうゆ加味かみして甘味あまみやうまのレベルを自由じゆうえられるようになりまれたのが甘口あまくち醤油じょうゆむねこう醤油じょうゆである[48][52]価格かかく競争きょうそうなかでののこりをかけて、また全国ぜんこくブランドの醤油じょうゆあじ対抗たいこうする必要ひつようせいからまれた[48][53]

20世紀せいき後半こうはん以降いこう

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1963ねん昭和しょうわ38ねん)の日本にっぽん農林のうりん規格きかく(JAS)制定せいてい、1968ねん昭和しょうわ43ねん)に1リットルパックが登場とうじょう。1973ねん昭和しょうわ48ねん以降いこう企業きぎょうによる日本にっぽん国外こくがい生産せいさんさかんになった。

1978ねん昭和しょうわ53ねん)にJAS規格きかく改訂かいていされ、「新式しんしき醸造じょうぞう」に「諸味もろみアミノ酸あみのさんとう添加てんか醸造じょうぞうしたもの」[注釈ちゅうしゃく 11]だけでなく「生揚なまあ[注釈ちゅうしゃく 12]アミノ酸あみのさんとう添加てんか最小さいしょう1かげつ発酵はっこう熟成じゅくせいしたもの」もふくむようになった。2003ねん平成へいせい16ねん)のJAS規格きかく改訂かいていさいに、「諸味もろみアミノ酸あみのさんとう添加てんか醸造じょうぞうしたもの」は混合こんごう醸造じょうぞう方式ほうしき、「生揚なまあげにアミノ酸あみのさんとう添加てんか最小さいしょう1かげつ発酵はっこう熟成じゅくせいしたもの」は混合こんごう方式ほうしき分類ぶんるいしなおされた。

1985ねん昭和しょうわ60ねん)の時点じてんで、濃口こいくち醤油じょうゆは8わりちかくがほん醸造じょうぞうであり、あわこうしろさい仕込しこ醤油じょうゆは6わりほん醸造じょうぞうであった[54]。またすでにこのころにはうすくちしょうゆ、さいしこみしょうゆは北海道ほっかいどうのぞぜん地域ちいき製造せいぞうされている[55]

食事しょくじ欧米おうべいげんしお志向しこうともない、1980年代ねんだい以降いこう日本人にっぽんじん1にんたりの消費しょうひりょう減少げんしょう傾向けいこうにある[56]一方いっぽう日本にっぽんにおいて醤油じょうゆ原材料げんざいりょうとした調味ちょうみりょうめんつゆたれ需要じゅよう消費しょうひりょうびていることから、出荷しゅっかりょう割合わりあいにおいて1980年代ねんだい業務ぎょうむ加工かこうよう家庭かていよう上回うわまわっており、世帯せたいたり支出ししゅつ金額きんがくでは1990年代ねんだいにめんつゆ・たれの購買こうばいがく醤油じょうゆ購買こうばいがく上回うわまわっている[56]2000年代ねんだいでは、家事かじ負担ふたん軽減けいげんもとめる傾向けいこうしょくたいして簡便かんべんせいたかさをもとめる傾向けいこうからめんつゆやたれの普及ふきゅうすす[56]料理りょうり味付あじつけにおいて醤油じょうゆよりもめんつゆやたれを中心ちゅうしん使用しようする家庭かてい増加ぞうかしている[57][58]

輸出ゆしゅつりょうは、日本人にっぽんじん海外かいがい渡航とこうしゃすう増加ぞうか日本にっぽん国外こくがいにおける健康けんこうしょくとしての日本にっぽんしょく流行りゅうこうなどにより増加ぞうかしていった。こうした状況じょうきょうけ、キッコーマンは1957ねん昭和しょうわ32ねん)にアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく進出しんしゅつ製造せいぞう工場こうじょう建設けんせつするなど、国際こくさいてき調味ちょうみりょうとして愛好あいこうされている。ただし海外かいがい醤油じょうゆ消費しょうひ料理りょうり段階だんかいわせ調味ちょうみりょうとして使つかわれる「き」が圧倒的あっとうてきであり、日本にっぽんのように卓上たくじょう調味ちょうみりょうとして使つかわれることはまれである(そもそも海外かいがいでは卓上たくじょう調味ちょうみりょう一般いっぱんてきでない)。

野田のだ銚子ちょうしだい産地さんちかかえる千葉ちばけんはメーカーもおおく、生産せいさんりょう日本にっぽん全体ぜんたいやく3ぶんの1をめる。兵庫ひょうごけんがそれにぎ、上位じょうい2けん過半数かはんすうめるが、中小ちゅうしょうのメーカーは日本にっぽん各地かくち存在そんざいする[59]

日本にっぽんにおける様々さまざま醤油じょうゆ

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おも種類しゅるい

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なが歴史れきしがあり、各地かくち独自どくじ風味ふうみあじわいをつものが開発かいはつされてきた。1963ねん制定せいていされた日本にっぽん農林のうりん規格きかく(JAS 1703)では、ほん醸造じょうぞう混合こんごう醸造じょうぞう混合こんごう、の3つの製造せいぞう方法ほうほうがしょうゆの製法せいほうとして定義ていぎされている。また、製造せいぞう方法ほうほう原料げんりょう特徴とくちょうなどから、「こいくち」「うすくち」「たまり」「さいしこみ」「しろ」の5種類しゅるい分類ぶんるいされている。そして醤油じょうゆは「しうゆ」と表記ひょうきされている[注釈ちゅうしゃく 13]

たまり(だまり)
上述じょうじゅつとおり、江戸えど時代じだい中期ちゅうきまでは主流しゅりゅうであり、この当時とうじ醤油じょうゆえばこのだま醤油じょうゆのことで、とろりとしており旨味うまみ風味ふうみいろともに濃厚のうこうである。刺身さしみにつけたり、照焼てりやのタレなどにく。味噌みそしぼってその液体えきたい部分ぶぶんだけを抽出ちゅうしゅつしたもの。原料げんりょう大豆だいず中心ちゅうしんで、小麦こむぎ使つかわないか使つかっても少量しょうりょう。つまりまめ味噌みそしぼったものが中心ちゅうしんである。しかしながら現在げんざいでは、製法せいほうとしては普通ふつう醤油じょうゆ濃口こいくち醤油じょうゆ)とおなじで、たん小麦こむぎ使つかわないか少量しょうりょうしか使つかわないものをたまりとしょうすることもおおい。まめ味噌みそ同様どうよう東海とうかい3けんしゅ産地さんちである。
こいくち(濃口こいくち
現在げんざいもっと一般いっぱんてきなものであり、生産せいさんだかやく8わりめ、通常つうじょう醤油じょうゆ」というとこれをす。江戸えど時代じだい中期ちゅうき関東かんとう地方ちほう発祥はっしょうで、江戸えど料理りょうり調味ちょうみりょうとして発達はったつした。関東かんとう最古さいこ醸造じょうぞうぎょうであるヒゲタ醤油じょうゆが、醤油じょうゆだま醤油じょうゆ)の原料げんりょう小麦こむぎ配合はいごうするなどして改良かいりょうし、現在げんざいのこいくち醤油じょうゆ醸造じょうぞうほう確立かくりつしたとわれている。特有とくゆうかおりがたかく、たまり醤油じょうゆのようにいろつ。全国ぜんこくてきもっと一般いっぱんてき醤油じょうゆであり、食堂しょくどうにある醤油じょうゆは、まずこれとおもってよい。様々さまざま料理りょうり味付あじつけに使つかわれ、色付いろづけ・かおけにも使つかわれる。原料げんりょう大豆だいず小麦こむぎ比率ひりつ半々はんはん程度ていどである。北海道ほっかいどうから沖縄おきなわまで各地かくち生産せいさんされるが、関東かんとう地方ちほうにおける生産せいさんりょうとくおおい。とく有名ゆうめい産地さんちとして、利根川とねがわ水運すいうん利用りようできた千葉ちばけん野田のだ銚子ちょうし最適さいてき気候きこう風土ふうど香川かがわけん小豆島しょうどしまがある。
うすくち(あわこう
汁物しるもの煮物にものかけうどんつゆなどの料理りょうりように、とく近畿きんき地方ちほう多用たようされる。近畿きんき料理りょうり昆布こぶ出汁だし多用たようし、昆布こぶ風味ふうみうしなわれないようかおりのうすいものがもとめられた。また濃口こいくち醤油じょうゆ使つかうと料理りょうりいろくろくなる(うどんじる大阪おおさかではすすきしょくで、東京とうきょうくろっぽくなるのは醤油じょうゆいろちがいである)ので、素材そざいいろどりをかすきょう料理りょうりなどに透明とうめいなものがこのまれた。塩分えんぶん濃度のうど濃口こいくちより1わりほどたかい。濃口こいくちよりも原料げんりょうむぎあさり、さけくわえる。仕込しこには、こうじりょうすくなく、仕込しこ塩水えんすい比率ひりつたかくする。圧搾あっさくまえ甘酒あまざけくわえることもある。酸化さんかしてくろみがると価値かちひくいとされているために濃口こいくち醤油じょうゆより賞味しょうみ期限きげんみじかい。
さいしこみ(さい仕込しこみ)
さしみ醤油じょうゆ甘露かんろ醤油じょうゆともばれる、風味ふうみいろともに濃厚のうこうなもの。天明てんめい年間ねんかん周防すおうこく柳井やない考案こうあんされたとつたえられる。仕込しこみ工程こうていにて、塩水えんすいのかわりに生醤油きじょうゆ醤油じょうゆもちいてつくる。一般いっぱんてきにはあわこう醤油じょうゆ諸味もろみもちいられる。刺身さしみ寿司すしなどにく。
しろ(しろ醤油じょうゆ
いろうすく、醤油じょうゆというよりナンプラーのようなあわ琥珀こはくしょくをしている。あじ淡泊たんぱくながら甘味あまみつよいのが特徴とくちょうである。茶碗蒸ちゃわんむもの、うどんのつゆ、煮物にものなどにく。原料げんりょう大豆だいずすくなく、あるいはまった使つかわず、小麦こむぎ中心ちゅうしんである。つまり上述じょうじゅつのたまりとぎゃくおもえばよい。あわこう醤油じょうゆよりいろあわさがとく重要じゅうようなため、あわこうよりさらに賞味しょうみ期限きげんみじかくなる。愛知あいちけん碧南へきなん原産げんさんで、現在げんざいでも愛知あいちけんおも産地さんちとするが、関東かんとうなど地域ちいきでも生産せいさんされている。

以下いかはJAS規格きかくじょう上記じょうき5つにふくまれる。

げんしおしょうゆ・うすじおしょうゆ
塩分えんぶん割合わりあい通常つうじょうひんよりらしたもの。げんしおしょうゆは高血圧こうけつあつ心臓しんぞうびょう腎臓じんぞうびょうなどのひと対象たいしょうに、厚生こうせい労働省ろうどうしょうの「特別とくべつ用途ようと食品しょくひん」(ていナトリウム食品しょくひん)に指定していされ、塩分えんぶんは9 %で通常つうじょうひん半分はんぶん程度ていど。うすじおしょうゆの塩分えんぶんは13 %で通常つうじょうひんの8わり程度ていど製造せいぞう方法ほうほうは、イオン交換こうかんほう通常つうじょうひんから塩分えんぶん除去じょきょする方法ほうほうと、濃厚のうこうつくったものを希釈きしゃくする方法ほうほうの2とおりがある。製品せいひんのラベルをれば、醸造じょうぞうまたは酸味さんみりょう添加てんかされている製品せいひんおおいことがかる。
昆布こぶしょうゆ、刺身さしみしょうゆ、だししょうゆ、土佐とさしょうゆとう
醤油じょうゆ原料げんりょうに、昆布こぶだしやカツオだし、えきとうステビアひとし甘味あまみりょう添加てんかし、うまみ強化きょうかした液体えきたい調味ちょうみりょう公的こうてき基準きじゅんはなく、メーカーごとに風合ふうあいはことなる。げんしお醤油じょうゆ昆布こぶ醤油じょうゆなどをひとくくりにし、これらはしょうゆ加工かこうひん表記ひょうき法令ほうれいじょう醤油じょうゆとは表記ひょうきはできない。醤油じょうゆとしょうゆ加工かこうひん区別くべつするため、加工かこうひんはひらがな表記ひょうきである。
新式しんしき醤油じょうゆ
醸造じょうぞうちゅう醤油じょうゆもろみにアミノ酸あみのさんくわえる方法ほうほう醤油じょうゆかす塩酸えんさんくわえソーダはい中和ちゅうわこうじくわ熟成じゅくせいさせる方法ほうほうや、タンパク質たんぱくしつ原料げんりょう塩酸えんさん加水かすい分解ぶんかいしソーダはい中和ちゅうわさせこうじれて熟成じゅくせいさせる方法ほうほうなどの製法せいほうがある[60]
生醤油きじょうゆ
かたによりまったちがうものであるので注意ちゅうい必要ひつようである[61]
「きじょうゆ」と場合ばあい、だしやみりんなどで味付あじつけしていない、純粋じゅんすい醤油じょうゆという意味いみなま(き)としょうし、元々もともと料理りょうり業界ぎょうかい用語ようごであった。JASの規定きていじょうは、この呼称こしょう使用しようできるのはしお添加てんかまでで、原材料げんざいりょうめい大豆だいず小麦こむぎ食塩しょくえん表記ひょうきのあるもの(いわゆるほん醸造じょうぞう醤油じょうゆ)のみが使用しようできる。
「なましょうゆ、なまじょうゆ」と場合ばあい製造せいぞう工程こうていこう詳細しょうさいゆずるが、もろみをしぼったのち、火入ひいれをせず(この段階だんかいのものをとくに「生揚なまあげ醤油じょうゆ(きあげしょうゆ)」とぶ)、ろにより、酵母こうぼなどの微生物びせいぶつ除去じょきょおこなったもの。かおりやあじおだやか。加熱かねつしたさいかおりのちが通常つうじょうひんより際立きわだっているが、保管ほかん流通りゅうつう手間てまがかかるため、ひろ出回でまわらなかったが、そそいだあとの醤油じょうゆ空気くうきれないようそと容器ようき内部ないぶ醤油じょうゆふくろめした酸化さんか防止ぼうし容器ようき(パック・ボトル)が考案こうあんされたことで流通りゅうつうりょうえた[62][63]

地域ちいきせい

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なが歴史れきしなかで、地方ちほうごとのしょく文化ぶんかてきしたものがこのまれ、つくられてきたため、地方ちほうごとに物性ぶっせいめん官能かんのうめん傾向けいこうことなる。このような地域ちいきせいは、地方ちほうしょく文化ぶんか密接みっせつ関連かんれんしたものであり、歴史れきし関係かんけいしている。

東日本ひがしにっぽん

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北海道ほっかいどう東北とうほく関東かんとう甲信越こうしんえつをはじめとする東日本ひがしにっぽんでは、もっぱら濃口こいくち醤油じょうゆ使つかうことがおおい。そのため、濃口こいくち醤油じょうゆ品質ひんしつたいする要求ようきゅうきびしくなった結果けっか中間ちゅうかんてきんだ色調しきちょうかおたかく、旨味うまみんだ濃口こいくち醤油じょうゆ発達はったつした。濃口こいくち醤油じょうゆをベースとした蕎麦そばつゆ[64]割下わりしたが、鍋物なべものやつけじるとしてよく使つかわれる。今日きょう日本にっぽん料理りょうり代表だいひょうとされる蕎麦そばてんぷら、うなぎ蒲焼かばやきにぎ寿司ずしは、濃口こいくち醤油じょうゆつくげた、東日本ひがしにっぽん発祥はっしょうしょく文化ぶんかである。ダシ濃口こいくち醤油じょうゆけないように「けずぶし」をおお使用しようする。
江戸えど参勤交代さんきんこうたい地方ちほうからの出稼でかせひとにより、ひとともしょく文化ぶんか交流こうりゅう多彩たさいとなっており、料理りょうりみせによっては薄口うすくちしょうゆも使用しようされる。地域ちいきによっては秋田あきたしょっつる伊豆諸島いずしょとうくさやしるのような、さかなひしお利用りようする文化ぶんかがある。1770ねんごろから、「地回じまわ醤油じょうゆ」とばれる関東かんとうさん濃口こいくち醤油じょうゆ上方かみがたからのくだりもの凌駕りょうが醤油じょうゆ代表だいひょうとなった[65]小麦こむぎ名産めいさんおお気候きこうことから常陸ひたち下総しもうさ上総かずさ相模さがみ醸造じょうぞうさかんとなり、銚子ちょうし野田のだ[65] には江戸えど時代じだい初期しょきさかのぼ老舗しにせブランドがおおい。いまでも関東かんとう地方ちほう日本にっぽんにおける生産せいさんりょうもっとおおく、キッコーマンヤマサ醤油じょうゆヒゲタ醤油じょうゆ正田醤油しょうだしょうゆなど全国ぜんこくてきによくられたメーカーがある。

ちゅう日本にっぽん

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東海とうかい地方ちほう
愛知あいちけん岐阜ぎふけんまでは、一般いっぱん家庭かてい醤油じょうゆ使つかける地域ちいきひがしげんわれる。この地方ちほう特徴付とくちょうづけるのは濃厚のうこうあじわいをつ「たまり醤油じょうゆ」(たまり)であり、まめ味噌みそ文化ぶんかふか関係かんけいがある。他方たほう前述ぜんじゅつ碧南へきなんのようにしろ醤油じょうゆ生産せいさんおお地域ちいきもある。このことから、煮物にものものようふく一般いっぱんてき用途ようとに、関東かんとうふう濃口こいくち醤油じょうゆもちい、刺身さしみなどのかけ・つけ醤油じょうゆとしてたまり醤油じょうゆもちいる家庭かていと、煮物にものものようにはとくしろ醤油じょうゆもちい、その用途ようとにはひろくたまり醤油じょうゆもちいる家庭かていがある。濃厚のうこうあじわいをこのむところから、一般いっぱんけには、みりん添加てんかされていることもある。ヤマシン醤油じょうゆイチビキサンビシ盛田もりたサンジルシ醸造じょうぞう日東にっとう醸造じょうぞうヤマミ醸造じょうぞうななぶく醸造じょうぞうなどのメーカーがある。
北陸ほくりくさんけん
北陸ほくりくさんけんも、東日本ひがしにっぽんくらべればうまみのつよ濃厚のうこうあじわいを、近畿きんき以西いせいくらべると塩分えんぶんつよあじこの傾向けいこうがある。この要求ようきゅうたすために混合こんごう醸造じょうぞう方式ほうしき比率ひりつたかく、九州きゅうしゅうほどではないがあまみのつよいものがおお出回でまわっている。たとえば、ちょくみなもと醤油じょうゆヤマト醤油じょうゆ味噌みそなど複数ふくすう醤油じょうゆ会社かいしゃあつまる金沢かなざわ海岸かいがん大野おおの醤油じょうゆ大野おおのむらさき)は、「甘口あまくち」といて「うまくち」をあじわいをものにしており[66]醤油じょうゆぞう観光かんこうきゃく誘致ゆうちしている。他方たほう濃口こいくち醤油じょうゆいろかならずしもくない(関東かんとう濃口こいくち近畿きんきあわこう中間ちゅうかんといえる)。他方たほう上方かみがた影響えいきょうからあわこう醤油じょうゆ使用しようされる。上記じょうき以外いがいでは山元やまもと醸造じょうぞうちゅうろく醸造じょうぞうもと、トナミ醤油じょうゆ飯田いいだ醤油じょうゆ富士ふじきく醤油じょうゆしつといったメーカーがある。

西日本にしにほん

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あわこう醤油じょうゆと、濃口こいくち醤油じょうゆとをメリハリをけ、両者りょうしゃ使つかけることが一般いっぱんてきである。煮物にものもの味付あじつけにはあわこう醤油じょうゆもちい、いろけず素材そざい色合いろあいをかす一方いっぽう濃口こいくち醤油じょうゆのコクをアクセントとして調味ちょうみすることがある。

近畿きんき地方ちほうおよび中国ちゅうごく四国しこく地方ちほう
近畿きんき地方ちほうは、煮物にものものようにはあわこう醤油じょうゆまたはしろ醤油じょうゆもちいて、食材しょくざいいろ出汁だし風合ふうあいをこわさないように調理ちょうりすることがいとされる一方いっぽう刺身さしみようをはじめとするつけ・かけ醤油じょうゆについては、濃口こいくち醤油じょうゆ(またはたまり醤油じょうゆ)が使つかわれる。とりわけ煮物にものものようあわこう醤油じょうゆ需要じゅようたかい。西日本にしにほんられたあわこう醤油じょうゆ中心ちゅうしん有名ゆうめいなメーカーとして、ヒガシマル醤油ひがしまるしょうゆがある。一方いっぽうで、和歌山わかやまけんではふるくから濃口こいくち醤油じょうゆ主流しゅりゅうとなっている。

みなみ日本にっぽん

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この地域ちいきでは、地域ちいきことなる利用りよう文化ぶんかられる。

九州きゅうしゅう地方ちほう山口やまぐちけんふくむ)
南蛮なんばん貿易ぼうえき甘蔗かんしゃ(サトウキビ)栽培さいばい江戸えど時代じだいごろからおこなわれていた影響えいきょう砂糖さとう比較的ひかくてきはいりやすく、料理りょうり甘味あまみもとめる傾向けいこうがある[67][68][69]。このため北陸ほくりく同様どうよう混合こんごう醸造じょうぞう方式ほうしき比率ひりつたかいが、糖分とうぶんやうまみ成分せいぶんなどは北陸ほくりくのものにくらおおめに添加てんかされており、あまみが一層いっそうっている。また濃口こいくち醤油じょうゆでも、九州きゅうしゅうではいろかおりに濃厚のうこう風合ふうあいがこのまれる傾向けいこうにあることから関東かんとうのものにくらべていろくろい。さらにあまみやうまみをおお添加てんかしたどろっとした風合ふうあいの「さしみ醤油じょうゆ」も使用しようされる(とくあぶらおお刺身さしみへの「のり」がい)。フンドふんどキン醤油きんしょうゆニビシ醤油じょうゆ富士甚醤油ふじじんしょうゆフンドーダイチョーコー醤油じょうゆホシサンなどのメーカーがある。
沖縄おきなわ地方ちほう
沖縄おきなわでは、古来こらい、うまるためには昆布こぶさかなぶた出汁だし利用りようすることがおおく、調味ちょうみりょう味噌みそしお主流しゅりゅうで、醤油じょうゆはかつて高級こうきゅうひんあつかいであり[70]戦後せんごしょく文化ぶんか変化へんかともない、一般いっぱんてきもちいられるようになった[70]
沖縄おきなわ販売はんばいされているものはキッコーマンやヤマサ醤油じょうゆとうけんさんのものがおおいが、県内けんないにもあかマルソウなど、小規模しょうきぼメーカーはある。材料ざいりょうシークヮーサーもちいた醤油じょうゆも、沖縄おきなわではられた調味ちょうみりょうひとつとなっている[71]

大豆だいず以外いがいおも原料げんりょうとする醤油じょうゆけい調味ちょうみりょう

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大豆だいず以外いがい食材しょくざい発酵はっこうさせた醤油じょうゆちかかけ・用法ようほう調味ちょうみりょう日本にっぽん国内外こくないがいにある。伝統でんとう食品しょくひんとして古来こらいつくられてきたもの(前述ぜんじゅつの「起源きげん参照さんしょう以外いがいに、醤油じょうゆとはちがったあじやコクを商品しょうひんとして復活ふっかつ開発かいはつする企業きぎょうもある。比較的ひかくてき有名ゆうめいなのはさかなひしおで、このほかに大豆だいず以外いがい穀物こくもつからつくこくひしお椎茸しいたけなどキノコ野菜やさいからつくくさひしおにわとりモツなどをもちいたにくひしおなどがある。いちれいとして、まるはら(大分おおいたけん日田にった)は『和名わみょう類聚るいじゅうしょう』を参考さんこう大豆だいず以外いがい原料げんりょうとした調味ちょうみりょうを4種類しゅるいをブレンドした商品しょうひん販売はんばいしている[72]。また、のだみそ愛知あいちけん豊田とよだ)は2020ねん11月1にちから、コオロギ主原あるじはらりょう醸造じょうぞうした「こおろぎ醤油じょうゆ」の販売はんばい開始かいしした。

キッコーマンでは大豆だいず小麦こむぎのアレルギーにより醤油じょうゆ利用りようできない顧客こきゃくけとして、えんどうまめ濃口こいくち醤油じょうゆあじ再現さいげんした製品せいひん販売はんばいしている。

各国かっこく醤油じょうゆ

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日本にっぽんのものの普及ふきゅう

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健康けんこうしょくとして日本にっぽんしょく世界せかい各地かくちこのまれるようになってから、日本にっぽん製品せいひん世界せかい各地かくちれることができるようになった。現在げんざい発展はってん途上とじょうこく中心ちゅうしんに100かこく以上いじょうくに輸出ゆしゅつされており、生産せいさんとし14まんキロリットルにもたっする。大手おおてメーカーでは現地げんち生産せいさんおこなっている。

類似るいじする調味ちょうみりょう

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瓶詰びんづめのなま

アジアほか国々くにぐににも醤油じょうゆ調味ちょうみりょう存在そんざいする。英語えいごでは産地さんち種類しゅるいにかかわらず "Soy sauce" とばれている。

醤油じょうゆ中国ちゅうごく
中国ちゅうごく大陸たいりくにおいては大豆だいず由来ゆらいひしおすで前漢ぜんかんだい遺跡いせきから出土しゅつどしており、こうかん時代じだいになると文献ぶんけんじょうにもあらわれる。きただい6世紀せいき文献ぶんけんには「まめひしお」「きよしひしお」についての製法せいほうのこされている[73]。11世紀せいきそうだい文献ぶんけんには「醤油じょうゆ」(チャンユー)の表記ひょうきられる[74]。また、すでこうかん時代じだいにはたまり醤油じょうゆ利用りようされていたが、その利用りようきわめてかぎられていた。一般いっぱんしたのは明代あきよはいってからとされる[75]現代げんだい中国ちゅうごくの「醤油じょうゆ」(標準ひょうじゅん中国語ちゅうごくご酱油 (jiàngyóu))は、ていしお固体こたい発酵はっこうほうというはや醸法でつくられるものがおおい。この「醤油じょうゆ」はゆたかによる着色ちゃくしょくいちじるしく、日本にっぽん醤油じょうゆとはことなる。近年きんねん日本にっぽん醤油じょうゆメーカーの技術ぎじゅつ指導しどうによって、日本にっぽんしき醤油じょうゆ製造せいぞうえている[76]日本にっぽん中華ちゅうか料理りょうりのレシピではたんに「しょうゆ」とのみ記述きじゅつされ、日本にっぽん醤油じょうゆ代用だいようする場合ばあいがほとんどである。中国ちゅうごく料理りょうりにおける醤油じょうゆ用途ようとは、かおりやあじよりいろづけに重点じゅうてんいているため、色調しきちょうい。カラメル糖蜜とうみつなどをくわえ、どろっとしてマイルドな「ろう」、しおっていろあわめの「なま」がある。
かげ台湾たいわん
醤油じょうゆ原材料げんざいりょう大豆だいずのほか小麦こむぎしおくわえている。1895ねん日本にっぽん統治とうち時代じだい以前いぜん台湾たいわんでは「かげ」が製造せいぞうされていた。かげ黒豆くろまめなど原材料げんざいりょうまめしおをまぜて自然しぜん発酵はっこうさせたもので、小麦こむぎやもろみは使用しようしない[77]台湾たいわんかげは閩南地方ちほう中国ちゅうごく福建ふっけんしょう南部なんぶ伝統でんとうのものだが、現在げんざい台湾たいわん一部いちぶでつくられているものの[78]台湾たいわんでも中国ちゅうごく大陸たいりくでもこの製法せいほうをほとんどおこなわなくなった。
カンジャンをたした
分離ぶんりしたカンジャンとテンジャン
カンジャン(韓国かんこく
韓国かんこくでは「カンジャン」(간장塩辛しおからひしお)は日本にっぽんのものと比較ひかくして色調しきちょうくろくされ、韓国かんこくじん使用しようほうおも調味ちょうみりょうとブレンドし、わせ調味ちょうみりょうヤンニョムとして利用りようする用途ようともちいる。家庭かていつく伝統でんとうてき製法せいほうとしてのカンジャンはチョソンカンジャン(朝鮮ちょうせんカンジャン)・チェレシッカンジャン(従来じゅうらいしきカンジャン)とばれており、メジュ味噌みそだま)をなか塩水えんすい発酵はっこうさせることで液体えきたい部分ぶぶんがカンジャン、固体こたい部分ぶぶんテンジャンとして利用りようしていた[79]現代げんだい韓国かんこく市場いちば流通りゅうつうしているカンジャン製品せいひん製造せいぞうほうは、日本にっぽん統治とうち時期じき導入どうにゅうされた製法せいほうウェカンジャン(やまと醤油じょうゆ)・ケリャンカンジャン(改良かいりょう醤油じょうゆ)がおおくをめている。売上うりあげだかとしてはジンカンジャン(じんカンジャン、ホナプカンジャン(混合こんごう醤油じょうゆ)とも)がもっとおおく、ヤンジョカンジャン(醸造じょうぞう醤油じょうゆ)、スープようであるクッカンジャン(しるカンジャン、伝統でんとうてき製法せいほうつくられている)がつづ[80]
ケチャップマニス(ひだり)とケチャップアシン
ケチャップマニスとケチャップアシン(インドネシアマレーシア
インドネシアやマレーシアでも、歴史れきしてき大豆だいず原料げんりょうとした液体えきたい調味ちょうみりょう使つかわれている。代表だいひょうてきなものとして「ケチャップマニス」(Kecap manis, manis=「あまい」)、「ケチャップアシン」(Kecap asin, asin=「塩辛しおからい」)がもちいられている。ケチャップマニスは、物性ぶっせいてきには、色調しきちょうくろく、甘辛あまからくどろっとした調味ちょうみりょうである。ケチャップアシンは、比較的ひかくてきいろうすく、しおつさっぱりした調味ちょうみりょうである。
トヨ(フィリピン
フィリピンではトヨばれるソイソースがぜん世帯せたいの30 %ほどで使用しようされている。
シーユー(タイ
タイでは一般いっぱんてきさかなひしおである「ナンプラー」がよく使つかわれているが、大豆だいずからつくられた「シーユー」も、いたぶつ味付あじつけなどに使つかわれる。甘味あまみがある「シーユー・ダム」と、辛口からくちの「シーユー・カオ」が一般いっぱんてき
ショーユ(ハワイ
かつて日本人にっぽんじんおお移民いみんし、現在げんざい日系にっけいじん多数たすう在住ざいじゅうしているハワイでも独自どくじのものが生産せいさんされている。日本にっぽん醤油じょうゆ系統けいとうぞくするあじではあるが、大豆だいず風味ふうみうすくさらっとした塩味しおあじになっているてん特徴とくちょうである。メーカーとして1946ねん創業そうぎょうのアロハ醤油じょうゆがある。
シジャウ(ペルー
ペルーにおいても日系にっけいじん多数たすう在住ざいじゅうしており、日本にっぽんのものをした醤油じょうゆつくられている。カラメルによりいろがつけられており、日本にっぽん醤油じょうゆくらべるとドロッとした調味ちょうみりょうである。ペルー大手おおて醤油じょうゆメーカーとして1957ねん創業そうぎょうのキッコーしゃがある。(日本にっぽんキッコーマン商標しょうひょう類似るいじしているが、直接ちょくせつ関係かんけいはない。)

醤油じょうゆ製造せいぞうほう

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醤油じょうゆこうじまめこうじむぎこうじ

基本きほんてき製造せいぞうほうほん醸造じょうぞう・こいくちしょうゆ)

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現在げんざい国内こくない生産せいさんされているものの大半たいはんほん醸造じょうぞうであり、またこの濃口こいくち醤油じょうゆ大半たいはんめる。「ほん醸造じょうぞう」の条件じょうけんは、大豆だいずむぎべいとう穀物こくもつふけし、麹菌こうじきんもちいて作成さくせいしたこうじに、塩水えんすいまたは生揚なまあげを混合こんごうして発酵はっこう熟成じゅくせいさせたものをす。こうじに、したべい甘酒あまざけ添加てんかしたり、分解ぶんかい促進そくしんするための、セルラーゼひとし酵素こうそ添加てんかすることもゆるされている。ただしプロテアーゼをのぞ[81]JAS特級とっきゅう条件じょうけんには「ほん醸造じょうぞうであること」という項目こうもくふくまれているため、特級とっきゅう醤油じょうゆであればつねほん醸造じょうぞう醤油じょうゆである。

以下いか近代きんだいてき製造せいぞう工程こうていれいしめす。

  • 原料げんりょう工程こうてい
    大豆だいず(または脱脂だっし加工かこう大豆だいず)は浸水しんすいし、膨潤したところで圧力あつりょくをかけてふけする。小麦こむぎあぶせんじし、わり砕してあら粉末ふんまつじょうにする。加熱かねつ条件じょうけんには留意りゅういする。これは、せい大豆だいずタンパク質たんぱくしつ最終さいしゅう工程こうていのこると製品せいひん加熱かねつ)のにごりにつながり、小麦こむぎなまデンプンは、一般いっぱんてき醤油じょうゆ酵母こうぼではできないためである。
  • 製造せいぞう工程こうてい
    1. せいこうじ(せいきく)工程こうてい: ふけ大豆だいずわり砕小むぎやく1:1で混合こんごうしたものにたねこうじくわえてぜ、こう湿度しつどで3 - 4にち程度ていど培養ばいようおこな醤油じょうゆこうじつくる。麹菌こうじきんには、おもショウユコウジカビもちいられ、ニホンコウジカビ使用しようされることもある。
    2. 仕込しこみ工程こうてい前期ぜんき): 醤油じょうゆこうじしおみずくわえ、こうじかたまりくずして混合こんごうしながら醸造じょうぞうタンク(または、おけ)に移送いそうすることを「仕込しこみ工程こうてい」とび、こうじ塩水えんすい混合こんごうぶつもろみぶ。こうじ由来ゆらい酵素こうそにより蛋白質たんぱくしつアミノ酸あみのさんに、デンプンしつとう分解ぶんかいされる。
    3. 仕込しこみ工程こうてい中期ちゅうき): もろみないにて微生物びせいぶつによる発酵はっこうきる。まずは乳酸菌にゅうさんきんテトラジェノコッカスぞくTetragenococcus halophilusにより乳酸にゅうさんつくられもろみ全体ぜんたい酸性さんせいかたむく。つぎに、たい塩性えんせい酵母こうぼZygosaccharomyces rouxiiにより、アルコール発酵はっこうきる[82]かおりの成分せいぶんおおくはこの工程こうてい発生はっせいする。
    4. 仕込しこみ工程こうてい後期こうき): 「じゅく工程こうてい」ともばれ、かおり・あじ熟成じゅくせいさせる工程こうてい活発かっぱつ発酵はっこうおこなわれず、アミノグリコシド反応はんのうひとしの、比較的ひかくてきしずかな反応はんのうつづく。この時期じきにはCandidaぞく酵母こうぼによる香気こうき成分せいぶん生成せいせいおこなわれる[82]あわこう醤油じょうゆ場合ばあい仕込しこみ工程こうてい末期まっき甘酒あまざけべいこうじ添加てんかすることがある。
    5. 圧搾あっさく工程こうてい: 合成ごうせい樹脂じゅしとう丈夫じょうぶ素材そざいつくられた「圧搾あっさくぬの」にもろみをつつんで加重かじゅうし、固体こたい液体えきたい分離ぶんりする。液体えきたいが「生揚なまあ醤油じょうゆ」、固体こたいが「醤油じょうゆかす」である。このさいおも大豆だいず由来ゆらい油脂ゆし分離ぶんりしてえきめんかぶ。これを「醤油じょうゆ(しょうゆあぶら)」とぶ。醤油じょうゆ微生物びせいぶつによる分解ぶんかい酸化さんかのため、食用しょくよう油脂ゆしとしての利用りようはできない。また、醤油じょうゆかす利用りよう価値かちひくいことから、メーカーは処分しょぶん苦慮くりょすることがおおい。なお圧搾あっさく技術ぎじゅつ未熟みじゅくだったむかしにおいては、醤油じょうゆかす塩水えんすいれてぜ、醤油じょうゆ再度さいど抽出ちゅうしゅつしてしぼること(ばん醤油じょうゆ)もおこなわれていた[83]
    6. 火入ひいれ工程こうてい: 圧搾あっさく工程こうていられた生揚なまあ醤油じょうゆには、醸造じょうぞう工程こうていふくまれた各種かくしゅ酵素こうそなどのタンパク質たんぱくしつおおふくまれている。これを加熱かねつすると、タンパク質たんぱくしつねつ変性へんせいして不溶化ふようかし、沈殿ちんでんする。また、製品せいひんげたくさい()をつけ、微生物びせいぶつころす。一般いっぱんてきにはプレートヒーターとうもちい、ねつがかかりすぎないように留意りゅういする。ねつ履歴りれきたか場合ばあい製品せいひんいろ黒色こくしょくていし、つよくなりすぎることになる。
    7. 清澄きよすみ濾過ろか工程こうてい: 沈殿ちんでん除去じょきょ珪藻土けいそうど濾過ろか精密せいみつ濾過ろかなどをもちい、ふくまれる変性へんせいタンパク質たんぱくしつなど不溶性ふようせい固形こけいぶん除去じょきょする。完成かんせいひんにごりは品質ひんしつてきには製品せいひん事故じことなる。ここで生揚なまあ醤油じょうゆは、「火入ひいれ醤油じょうゆ」と、沈殿ちんでんぶん濾過ろか除去じょきょされたぶんの「おり」(おり)とにけられる。火入ひいれをせず精密せいみつ濾過ろか酵母こうぼその異物いぶつのぞいたものがひろ市販しはんされている生醤油きじょうゆ(なましょうゆ)である[注釈ちゅうしゃく 14]
    8. つめ工程こうてい: 火入ひいれ醤油じょうゆ適切てきせつ成分せいぶん調整ちょうせいくわえ、容器ようきめて製品せいひんとする。
しょうゆの製造せいぞう工程こうてい
原料げんりょうとしての大豆だいず
脱脂だっし加工かこう大豆だいず」がおおもちいられる。これは、醸造じょうぞうよう加工かこう大豆だいずばれることもあるが、一般いっぱんてきには大豆だいず原料げんりょうヘキサン溶剤ようざいとしてだい豆油抽出ちゅうしゅつしたさいふく生産せいさんぶつだい豆粕まめかす)である。残留ざんりゅうヘキサンの毒性どくせい神経しんけいどくであるが、ヘキサンは減圧げんあつ加熱かねつにより容易ようい揮発きはつし、脱脂だっし加工かこう大豆だいずには残留ざんりゅうしないので醤油じょうゆ醸造じょうぞうにはまった影響えいきょうがないばかりか、大豆だいず油脂ゆし成分せいぶん本質ほんしつてき醤油じょうゆ醸造じょうぞう必要ひつようないため、かえって好都合こうつごうである。もちろんだい豆油メーカーもだい豆油だい豆粕まめかすからヘキサンを回収かいしゅうさい利用りようしているため、脱脂だっし加工かこう大豆だいず安全あんぜんせい問題もんだいはないとしている[84]製品せいひん一括いっかつ表示ひょうじない原材料げんざいりょう大豆だいず」と表示ひょうじされているものは、加工かこう大豆だいずであるまる大豆だいず使用しようしていることをあらわし、脱脂だっし加工かこう大豆だいず使用しようされている場合ばあいは「脱脂だっし加工かこう大豆だいず」と表示ひょうじされる。原料げんりょうまる大豆だいず使用しようする場合ばあい仕込しこみ工程こうてい説明せつめいのように、まる大豆だいずには処理しょりあぶら大量たいりょうふくまれているため、これらの油分ゆぶん仕込しこみ工程こうていちゅう分離ぶんりして、もろみのうえかんであぶらそうつくる。
まる大豆だいず醤油じょうゆ支持しじする製造せいぞうしゃは、
  • 油脂ゆしそうによりもろみの酸化さんかふせげる」
  • 油脂ゆしから分解ぶんかいされたグリセリン風合ふうあいをえる」
ひとし主張しゅちょうがある。一方いっぽう分析ぶんせきおよび官能かんのう試験しけんでは有意ゆういがないという意見いけんもあり「まる大豆だいずだから美味おいしい」とは一概いちがいえず、議論ぎろん発生はっせいする。
ヒゲタ醤油じょうゆもと技術ぎじゅつしゃによれば、脱脂だっし加工かこう大豆だいず仕込しこんだ場合ばあいは、まる大豆だいず仕込しこんだ場合ばあいより、うまていするグルタミン酸ぐるたみんさんさんせいおお[85]。また、脱脂だっし加工かこう大豆だいず仕込しこんだ醤油じょうゆほうが、まる大豆だいず醤油じょうゆくらべ、かおりがゆたかである[85]一方いっぽうまる大豆だいず醤油じょうゆは、あぶら分解ぶんかいによりしょうじたグリセリンおおふくみ、そのあまみがあじをまろやかにし、グルタミン酸ぐるたみんさんすくないという欠点けってんをカバーする[85]
酵素こうそ添加てんかによるはや醸法
仕込しこみ工程こうてい初期しょき酵素こうそざい添加てんかすることで醸造じょうぞう期間きかん短縮たんしゅくする技術ぎじゅつがある[86]。しかし、この場合ばあい醤油じょうゆぎょう中央ちゅうおう公正こうせい取引とりひき協議きょうぎかい業界ぎょうかい基準きじゅんにより、製品せいひん表示ひょうじに「天然てんねん」「せいとう用語ようご利用りようすることができない。

混合こんごう醸造じょうぞう方式ほうしき混合こんごう方式ほうしき

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混合こんごう醸造じょうぞう方式ほうしき混合こんごう方式ほうしきともに、塩酸えんさん原料げんりょう処理しょりおこない、水酸化すいさんかナトリウム中和ちゅうわしてられたアミノ酸あみのさんえき利用りようしている。2004ねん平成へいせい16ねん)のJAS日本にっぽん農林のうりん規格きかく)の改正かいせいともない、旧名きゅうめい新式しんしき醸造じょうぞう」のうち混合こんごうさきがもろみのものが「混合こんごう醸造じょうぞう方式ほうしき」となり、混合こんごうさきがもろみではなく生揚なまあ醤油じょうゆのものと旧名きゅうめいアミノ酸あみのさん添加てんかほう」が「混合こんごう方式ほうしき」と変更へんこうされた。現在げんざい醤油じょうゆ生産せいさんは、ほん醸造じょうぞうがそのおおくをめるが、アミノ酸あみのさんえきには独特どくとくかおりとあじがあり、とくにそれがこのまれる地域ちいきにおいて混合こんごう醸造じょうぞう混合こんごう方式ほうしきのこっている。

混合こんごう醸造じょうぞう方式ほうしき
原料げんりょう塩酸えんさん添加てんかすると加水かすい分解ぶんかいしてアミノ酸あみのさんえきられる。これを水酸化すいさんかナトリウムで中和ちゅうわし、もろみとともに仕込しこ熟成じゅくせい方法ほうほうを「混合こんごう醸造じょうぞう」と[87]
混合こんごう方式ほうしき
生揚なまあ醤油じょうゆ(もろみをしぼったえき)に、アミノ酸あみのさんえき混合こんごうして製品せいひんとする手法しゅほう熟成じゅくせい有無うむわない。

添加てんかぶつ

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保存ほぞんりょう
一般いっぱんてきに、ぼうかび効果こうかたか安息香あんそくこうさんナトリウムまたはパラオキシ安息香あんそくこうさんナトリウム使用しようする。こう付加ふか価値かち商品しょうひんでは安息香あんそくこうさん添加てんかしない製品せいひんもある。
アルコール(酒精しゅせい
保存ほぞんりょうとして安息香あんそくこうさん利用りようしない場合ばあい、アルコールのぼうかび作用さよう利用りようすることがある。アルコールを添加てんかしてぼうかび作用さようたせる場合ばあいは、安息香あんそくこうさん添加てんかした場合ばあい比較ひかくし、品質ひんしつ保持ほじ期間きかんみじかくなる傾向けいこうにある。
甘味あまみりょう
一般いっぱんてきに、甘草かんぞうステビア果糖かとうブドウ糖ぶどうとうえきとうサッカリンひとし使用しようされる。しおつらさをやわらげ、マイルドなあじわいとなる。
カラメル色素しきそ
カラメル色素しきそ黒色こくしょくていしょくさせる場合ばあい添加てんかする。また、独特どくとくあまさとかおりも追加ついかされる。
調味ちょうみりょうアミノ酸あみのさんとう
グルタミン酸ぐるたみんさんナトリウム核酸かくさんけい調味ちょうみりょう添加てんかして、うまみを強化きょうかする場合ばあいがある。「調味ちょうみりょうアミノ酸あみのさんとう)」と表記ひょうきされる。

使用しよう器具きぐ

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かいぼう
醤油じょうゆさけなどをつくさいたるないをかきぜるために使用しようするぼうのことをす。

販売はんばい形態けいたい

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卓上たくじょうよう醤油じょうゆ

ガラス瓶がらすびん、ペットボトル容器ようきタレびんおも弁当べんとうよう小型こがたプラスチック容器ようき)、プラスチックせいパック(おも弁当べんとうよう)などのかたち販売はんばいされている。卓上たくじょうよう製品せいひん場合ばあい容器ようきがそのまま卓上たくじょうよう醤油じょうゆれとしてもちいることができるようになっているものもある。

保存ほぞん

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少量しょうりょうのアルコールと塩分えんぶんおおふく発酵はっこう食品しょくひんであるために、冷暗所れいあんしょにおいて品質ひんしつ劣化れっかおそい。ただし開封かいふうは、極力きょくりょく酸素さんそけて密封みっぷうし、冷蔵れいぞう保存ほぞんすることがのぞましい。酸素さんそ存在そんざい放置ほうちすると、揮発きはつせい成分せいぶん揮発きはつしてかおりが減少げんしょうするほか、とくぼうかびざいとして安息香あんそくこうさんふくまれない場合ばあいは、えきめん酵母こうぼさんまく酵母こうぼ)がしろまくじょう繁殖はんしょくする[88] ことがある。そのため醤油じょうゆがわ空気くうきはいらなくてもげる容器ようきがワインのBag-In-BoxりゃくしてBIB)を応用おうようして商品しょうひんされている。

このようなさんまく酵母こうぼ実態じったいは、醤油じょうゆしゅ発酵はっこう酵母こうぼ同種どうしゅZygosaccharomyces rouxiiであり、いわゆる「醤油じょうゆえるカビ」である。がいいがかおりはわるくなり、とう消費しょうひするためあじ劣化れっかする。さらに、酸化さんかによりメイラード反応はんのうすすみ、いろくろくなる。なお、醸造じょうぞう期間きかんにも劣化れっか平行へいこうして進行しんこうするため、単純たんじゅんに「長期ちょうき醸造じょうぞう」がこう品質ひんしつというわけではない。

メーカー

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日本にっぽん国内こくない醤油じょうゆメーカーは、日本にっぽん各地かくち存在そんざいする。大正たいしょう時代じだいには1まんしゃ以上いじょう[89]、1980年代ねんだいには2,000しゃ以上いじょう存在そんざいしたが[90]年々ねんねん減少げんしょう傾向けいこうであり、1990年代ねんだいに2,000しゃ[90]2000年代ねんだい中盤ちゅうばんではやく1,500[90][91] - 1,600しゃ[89][92] 程度ていどとなっている。これは、価格かかく低迷ていめいしているうえ大手おおてメーカーの地方ちほう進出しんしゅつくわえ、ふくせい産物さんぶつ廃棄はいきコストや設備せつび維持いじ高騰こうとうのため、地方ちほう零細れいさい小規模しょうきぼメーカーが廃業はいぎょうつづけているためである。なお、現存げんそんするもっとふるいメーカーは、しつ福井ふくいけん福井ふくい)である。

商品しょうひんとしてはコモディティすすんでおり、食品しょくひん比較ひかくして利益りえき一般いっぱんてきひくい。その一方いっぽうで、年々ねんねん衛生えいせいめんでの要求ようきゅうきびしくなり、廃棄はいきぶつたいする規制きせいつよくなっている。とくに、エネルギーコストが必要ひつようせいこうじ工程こうてい人的じんてき場所ばしょてきコストが必要ひつようで、醤油じょうゆ醤油じょうゆかすなどの廃棄はいきコストが必要ひつよう仕込しこみ工程こうてい省略しょうりゃくし、ぜん工程こうてい独力どくりょくおこなわない製造せいぞうしゃ増加ぞうかしている。せいこうじ工程こうていまでを外部がいぶ依存いぞんするケース、仕込しこみ工程こうていまでをおこなわずに大手おおて生産せいさんしゃより生醤油きじょうゆ購入こうにゅうし、火入ひいれつめ工程こうていおこなうケース、OEMスーパー生協せいきょうなどのプライベートブランドとして大手おおて製造せいぞうしゃ発注はっちゅうするケースがある。また、協業きょうぎょう組合くみあいとして複数ふくすう生産せいさんしゃが、せいこうじ仕込しこみ工程こうていまでをおこな工場こうじょうつくるケースもある。地方ちほう中小ちゅうしょうメーカーの存在そんざいは、地域ちいきしょく文化ぶんか密接みっせつ関係かんけいするもののため、文化ぶんか保全ほぜん意味いみふくめて、「のこってしい」としまれている[よう出典しゅってん]

都道府県とどうふけんべつ生産せいさんりょうでは、2018ねん統計とうけいでキッコーマン(野田のだ)、ヤマサ、ヒゲタ(いずれも銚子ちょうしとう大手おおて存在そんざいする千葉ちばけんやく34 %[93][94]、ヒガシマル(たつの)が存在そんざいする兵庫ひょうごけんやく16 %[93][94]上位じょうい2けん半数はんすうめている。

メーカーの名称めいしょう縁起えんぎい「亀甲きっこう(きっこう)」に由来ゆらいする「キッコー○○」、醤油じょうゆ味噌みそ寺院じいんつくられていたことにちなむ「ヤマ○○」の商標しょうひょうめい各地かくちおおい。

ハラール認証にんしょう

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醤油じょうゆもろみ発酵はっこうにおいて、味噌みそ同様どうようアルコール発酵はっこう同時どうじきる。また仕上しあげにアルコールを少量しょうりょうくわえるのも一般いっぱんてき製法せいほうである。日本にっぽんしょく国際こくさいけ、イスラム文化ぶんかけんへの食品しょくひん食材しょくざい輸出ゆしゅつムスリムけの食事しょくじ提供ていきょう必要ひつようから、ちょうていアルコール発酵はっこうプロセスによる醤油じょうゆ醸造じょうぞうこころみられ、ハラール認証にんしょうけた醤油じょうゆすうしゃから製品せいひんされた[95]。なお、一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじんハラル・ジャパン協会きょうかい認証にんしょうハラールしょうゆはマレーシア政府せいふイスラムほうファトワ委員いいんかいの「しょうゆをふく果物くだもの、ナッツ、シリアルなどにおいて、製造せいぞう発生はっせいする自然しぜん発酵はっこうしたアルコール成分せいぶんはナジャス(イスラムほうにおいて不浄ふじょうなもの)ではないとする。」の見解けんかいをもとに、自然しぜん発酵はっこうしたアルコール成分せいぶんであればハラール認証にんしょうさい使用しようみとめる、として、醸造じょうぞうようアルコール一切いっさい添加てんかぶつふくまないしょうゆにハラール認証にんしょうあたえることとした。このため旧来きゅうらい製法せいほうによるアルコールその添加てんかぶつ使つかっていない添加てんかしょうゆのいくつかが、ハラル・ジャパン認証にんしょうのハラールしょうゆ認証にんしょうけている[96]

評価ひょうかほう

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品質ひんしつは「いろ」「かおり」「あじ」で評価ひょうかされる。こう品質ひんしつ製造せいぞうをするためにはたか醸造じょうぞう技術ぎじゅつ醸造じょうぞう管理かんり衛生えいせい管理かんり保存ほぞん管理かんり必要ひつようとなる。

いろ
熟成じゅくせい期間きかん温度おんど経過けいかによってことなり、無色むしょくちかあわ褐色かっしょくから、くろちかくら赤褐色せきかっしょくまで存在そんざいする。アミノ酸あみのさんとうむため、酸化さんか加熱かねつ成分せいぶん揮発きはつのほか、メイラード反応はんのうすすむことでさんされるメラノイジンによりいろくなる傾向けいこうにある。
一般いっぱんてきには淡色たんしょくあか色調しきちょうのものがいとされ、製造せいぞう/管理かんりてき高度こうど技術ぎじゅつ必要ひつようだが、地方ちほうせいにより、とく濃口こいくち醤油じょうゆにおいてはむしろしょくいものがこのまれる場合ばあいもある。
かお
はなにおいをかぐときにかんじる「トップノート」と、くちふくんでからかんじる「フレーバー」がある。香気こうき成分せいぶんおおくはアルコールをはじめとする酵母こうぼ発酵はっこう生産せいさんぶつであり、メイラード反応はんのうから、ストレッカー分解ぶんかい産出さんしゅつされる有機ゆうき化合かごうぶつ加熱かねつ工程こうていにてさんされるも、特徴付とくちょうづける重要じゅうよう要素ようそである。
長期間ちょうきかん保存ほぞんすると酸化さんかすすみ、n-酪酸(ノルマル酪酸)、イソ酪酸、イソよしくささん[88] などの「劣化れっかしゅう」といわれるにおいがつくこともある。また、製造せいぞう工程こうていにおける衛生えいせい管理かんり問題もんだいにより、Bacillusぞく細菌さいきん[88] などによる腐敗ふはいしゅうや、味噌みそのようなにおいがつくこともある。
あじ
塩辛しおからさ、うまみ、あまみをつよつ。塩辛しおからさは原料げんりょうしおから、うまみはおもアミノ酸あみのさんあまみはとうによる。アミノ酸あみのさんは、こうじによりさんされたプロテアーゼアミラーゼひとし酵素こうそによって大豆だいず由来ゆらいタンパク質たんぱくしつ分解ぶんかいされたもの、とうおなじく小麦こむぎ由来ゆらいのデンプンが分解ぶんかいされたものである。

官能かんのう評価ひょうか

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「ききあじ」により、おもいろかおり・あじ評価ひょうかされる。「いろ淡色たんしょくあかみがある色調しきちょうで、かつかおたかく、あじい」ものが良質りょうしつとされる。

はなのようなあまかおりやさわやかにはなけるこう一般いっぱんてきしとされるが、製品せいひんによっては生乾なまがわきの雑巾ぞうきんのようなくさい、あせのようなくさいなど「わるこう」をていするものもある。また、「こうじこう」「味噌みそこう」「アルコールにおい」などのかおりがくわわっているものもある。

「よいこう」とされるこうつよすぎると問題もんだいとなるため、それらのバランスにおいて製造せいぞうしゃごとに特徴とくちょうる。

JASによる格付かくづ

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JAS(日本にっぽん農林のうりん規格きかく)では、品質ひんしつ基準きじゅんに、含有がんゆうする窒素ちっそぶんしお可溶性かようせい固形こけいぶん(エキスぶん)、アルコールのりょうしたがって格付かくづけされている。そのなかでもっとも重要じゅうようとされるのが、「うま」の指標しひょうとなるぜん窒素ちっそぶんである。

  • 標準ひょうじゅん」(濃口こいくち: 1.2 %以上いじょうあわこう: 0.95 %)
  • 上級じょうきゅう」(濃口こいくち: 1.35 %以上いじょうあわこう: 1.05 %)
  • 特級とっきゅう」(濃口こいくち: 1.5 %以上いじょうあわこう: 1.15 %)

また、JASのほか日本にっぽん醤油じょうゆ協会きょうかいさだめている基準きじゅんがある。

  • 特選とくせん」: 特級とっきゅうの10 %ぞうし(濃口こいくち: 1.65 %、あわこう: 1.265 %)
  • ちょう特選とくせん」: 特級とっきゅうの20 %ぞうし(濃口こいくち: 1.8 %、あわこう: 1.38 %)

また、醤油じょうゆぎょう中央ちゅうおう公正こうせい取引とりひき協議きょうぎかいさだめるものとして、以下いか表示ひょうじ利用りようすることができる。

  • 上級じょうきゅう醤油じょうゆは「うえせん」、「吟醸ぎんじょう」、「ゆうせん」、「優良ゆうりょう
  • 特級とっきゅう醤油じょうゆは「とくぎん」や「特製とくせい
  • 日本にっぽん醤油じょうゆ協会きょうかいうところの「ちょう特選とくせん」(特級とっきゅうの1.2ばい)の場合ばあい、「濃厚のうこう

醤油じょうゆ微生物びせいぶつ

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麹菌こうじきん

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カビのなかで、こうじつくさいもちいられるきん麹菌こうじきんである。ニホンコウジカビAspergillus oryzae)および、ショウユコウジカビAspergillus sojae)は、ともに醤油じょうゆ醸造じょうぞうもちいられている。

酵母こうぼ

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仕込しこみ中期ちゅうきにアルコール発酵はっこうおこな酵母こうぼを「しゅ発酵はっこう酵母こうぼ」とぶ。過去かこしゅ発酵はっこう酵母こうぼたい塩性えんせいサッカロミセスぞく分類ぶんるいされていたが、現在げんざいはジゴサッカロミセス・ルーキシー(Zygosaccharomyces rouxii) と分類ぶんるいされている。ふるくなった醤油じょうゆえるしろいカビじょうのものも同種どうしゅのもの。また、仕込しこみ後期こうきおだやかに香気こうき成分せいぶん生産せいさんする酵母こうぼを「じゅく酵母こうぼ」とぶ。Candida versatilisひとしおもカンジダぞく酵母こうぼである。

乳酸菌にゅうさんきん

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過去かこPediococcusぞく乳酸菌にゅうさんきんかんがえられており、Pediococcus halophilusPediococcus sojae分類ぶんるいされていたが、DNAあい同性どうせいによる分類ぶんるい結果けっかアンチョビキムチから分離ぶんりされたたい塩性えんせい乳酸菌にゅうさんきん同種どうしゅであることが判明はんめいし、現在げんざいではTetragenococcus halophilus分類ぶんるいされている。また、塩分えんぶん減少げんしょうさせたげんしお醤油じょうゆではたい塩性えんせい乳酸菌にゅうさんきん増殖ぞうしょくしやすく、たい塩性えんせい乳酸菌にゅうさんきんによる"腐敗ふはい"がしょうじることがある[97]

健康けんこうへの影響えいきょう

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醤油じょうゆなどの大豆だいず発酵はっこう食品しょくひんふくまれる微生物びせいぶつ認知にんち機能きのう低下ていか防止ぼうし役立やくだ可能かのうせいがある[98]

醤油じょうゆ日本にっぽん料理りょうり

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日本にっぽん料理りょうりにはかせない調味ちょうみりょうであるが、江戸えど時代じだいにおける濃口こいくち醤油じょうゆ発明はつめいはその日本にっぽん料理りょうり発展はってんにおいて重要じゅうよう役割やくわりたした。にぎ寿司ずし蕎麦そば蒲焼かばやきてんぷらといった江戸えどまれた料理りょうり濃口こいくち醤油じょうゆ誕生たんじょうなくしては存在そんざいしていなかったとっても過言かごんではない。今日きょう日本にっぽん料理りょうり代表だいひょうとなっているおおくの江戸えど料理りょうり濃口こいくち醤油じょうゆ密接みっせつ関係かんけいしている。江戸えど時代じだい料理りょうりしょである『料理りょうり指南しなん』には、味噌汁みそしるましじるあじてるためにたまりをすこすとの解説かいせつがある。これを「かげとす」と表現ひょうげんするとされ、すでにうまあたえる調味ちょうみりょうとしての醤油じょうゆ性格せいかく認識にんしきされていることが理解りかいされる[99]

醤油じょうゆかんする諸説しょせつ

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ひとかみからつくられている
日本にっぽんでは、大正たいしょう時代じだいから昭和しょうわ初期しょき太平洋戦争たいへいようせんそう終戦しゅうせんからすう年間ねんかんにかけ、物資ぶっし不足ふそく解消かいしょうのため、様々さまざま原料げんりょうから食品しょくひん製造せいぞうするこころみがおこなわれていた。醤油じょうゆ原料げんりょうとしても様々さまざま原料げんりょう検討けんとうされ、それぞれ長所ちょうしょ短所たんしょがある独特どくとく製品せいひんつくられた。これを代用だいよう醤油じょうゆぶ。原料げんりょうとしては、魚介ぎょかいるい海藻かいそうカイコさなぎくじらひげ[100] などがもちいられた。製造せいぞうほう代表だいひょうてきなものとして、タンパク質たんぱくしつ原料げんりょう塩酸えんさん加水かすい分解ぶんかいしたものを中和ちゅうわしてアミノ酸あみのさんえきるものである。また、はい毛髪もうはつ[101] や、うし血液けつえきもちいたという俗説ぞくせつ[よう検証けんしょう]もある。
2017ねん7がつ現在げんざい日本にっぽんでも、都市とし伝説でんせつとして、醤油じょうゆ原料げんりょうひと由来ゆらいアミノ酸あみのさん使つかわれているといううわさがあるが、[よう出典しゅってん]2017ねん7がつ現在げんざいではキャリーオーバーのぞきJASほう品質ひんしつ表示ひょうじ基準きじゅんによって植物しょくぶつせいたんしろしつ使用しようしかみとめられておらず、かみのような動物どうぶつせいたんしろしつ使用しよう禁止きんしされている。また、2017ねん7がつ現在げんざい日本にっぽんにおいて、かり毛髪もうはつ由来ゆらいアミノ酸あみのさん原料げんりょうとして醤油じょうゆつくった場合ばあい法的ほうてきにそれを「しょうゆ」とぶことはできない。コストめんにおいては、毛髪もうはつ収集しゅうしゅう必要ひつようなコストは大半たいはん人件じんけんであり、脱脂だっし加工かこう大豆だいず購入こうにゅう価格かかくがそれよりも大幅おおはばやすいため、毛髪もうはつからアミノ酸あみのさん生産せいさんするのは経済けいざいてきである。また、あじ非常ひじょうわるいため、素人しろうと興味きょうみ本位ほんいつくることはあっても、一般いっぱん出回でまわることはまずかんがえられない。なお、中国ちゅうごくでは一部いちぶ業者ぎょうしゃによりアミノ酸あみのさん基準きじゅんりょうたす目的もくてきひと由来ゆらいアミノ酸あみのさん添加てんかした醤油じょうゆ製造せいぞうされているとの報道ほうどうが2004ねん1がつにあったため、中国ちゅうごく政府せいふによってひと原料げんりょうとする醤油じょうゆ製造せいぞうきんじられた。[よう出典しゅってん]
めば兵隊へいたいられない
かつて徴兵ちょうへい制度せいど実施じっしされていた時代じだいに、検査けんさ前日ぜんじつ大量たいりょう醤油じょうゆむことによって体調たいちょうくず合格ごうかくとなるといったことが、兵役へいえきのがれる目的もくてき実際じっさいおこなわれていたとされる。醤油じょうゆこう濃度のうど塩分えんぶんふく液体えきたいのため、一時いちじ大量たいりょう摂取せっしゅすればじん機能きのうかん機能きのう検査けんさ異常いじょうをきたすことは確実かくじつだが、こうした無茶むちゃ行為こういによって可逆かぎゃくてき疾病しっぺいわずらったり、急性きゅうせい症状しょうじょうによっていたれいもあったとつたえられている。徴兵ちょうへい制度せいど導入どうにゅう初期しょきには免役めんえきりつが80 %以上いじょうたかく、徴兵ちょうへいされる場合ばあいのほうが不運ふうんかんがえられたため、このような徴兵ちょうへいのが行為こうい横行おうこうしたが、その改訂かいてい国民こくみん皆兵かいへい義務ぎむづけられ免役めんえきりつがると、むしろ免役めんえきされるほうが不名誉ふめいよかんがえられるようになり、徴兵ちょうへいのが行為こうい下火したびとなった。
醤油じょうゆ使つかうとガンになる
昭和しょうわ40年代ねんだいひろまっていた俗説ぞくせつ。はっきりとした根拠こんきょ不明ふめいだが、麹菌こうじきんアフラトキシン生産せいさんする、といううわさ一人ひとりあるきしたものに、「大量たいりょう醤油じょうゆ摂取せっしゅした場合ばあいには塩分えんぶん過剰かじょう摂取せっしゅによる体調たいちょう不良ふりょうきる」ことが付与ふよされてつくられた俗説ぞくせつかんがえられる。
大手おおてメーカーの特売とくばいひんは2週間しゅうかん醤油じょうゆ模造もぞうひんつくっている
ほん醸造じょうぞう醤油じょうゆ場合ばあいは、混合こんごう醸造じょうぞう方式ほうしき混合こんごう方式ほうしき利用りようすることができないため、理論りろんてきに2週間しゅうかんでは不可能ふかのうってよい。仕込しこ開始かいしから2週間しゅうかん比較的ひかくてき高温こうおん推移すいいさせた場合ばあいは、麹菌こうじきん酵素こうそによりもろみは一応いちおう液化えきかするが、微生物びせいぶつによる発酵はっこう過程かていないため、かおりはたず、いろくろく、歩留ぶどまりはわるくなるとおもわれる[よう出典しゅってん]。また、さきげた酵素こうそ添加てんかによるはや醸法をもちいることで、1かげつ程度ていど醸造じょうぞう期間きかん短縮たんしゅくすることができる。しかし醤油じょうゆ醸造じょうぞう酵素こうそ反応はんのう原料げんりょう分解ぶんかいされれば終了しゅうりょうという単純たんじゅんなものではなく、ひろ使つかわれてはいない。農林水産省のうりんすいさんしょうのウェブサイトによると、日本にっぽん生産せいさんの8わりめるほん醸造じょうぞう醤油じょうゆかせる期間きかんだけでも6 - 8かげつである。
英語えいごのSoyの語源ごげん薩摩さつまべんである
幕末ばくまつ薩摩さつまはん輸出ゆしゅつしていたこと、薩英戦争せんそうのちにイギリスときゅう接近せっきんしたこと、1867ねんのパリ万博ばんぱく出展しゅってんしたことなどから、英語えいごのsoyの語源ごげん当時とうじ薩摩さつまべん醤油じょうゆす「そい」であるという俗説ぞくせつがある。しかし、カリブの海賊かいぞくであったウィリアム・ダンピアが1688ねん太平洋たいへいよう航海こうかいしたとき記録きろくには、すでにsoyという単語たんご使つかわれている。また、パリ万博ばんぱくしょうったのは、幕府ばくふがわ代表だいひょうだった水戸みとはん領内りょうないつくられたものである[102]

醤油じょうゆかんする言葉ことば

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さしすせそ (調味ちょうみりょう)
味付あじつけの基本きほんとなる5種類しゅるい調味ちょうみりょう意味いみする語呂合ごろあわせ。4番目ばんめの「せ」が「せうゆ」、つまり醤油じょうゆ意味いみする。
醤油じょうゆ
醤油じょうゆう」という意味いみ中国ちゅうごくだが、2008ねん以降いこう中国語ちゅうごくごけんで「自分じぶんとは関係かんけいい」という意味いみインターネットスラングとなっている。

博物館はくぶつかんとう施設しせつ

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脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 紀元前きげんぜん8世紀せいきころの『しゅうあや』で、「ひしお」という漢字かんじはじめて使つかわれた。
  2. ^ もろみいちかいしかしぼるのではなく、しぼかすしょく塩水えんすいぜて醤油じょうゆ抽出ちゅうしゅつふたたしぼること(ばん醤油じょうゆ)は、圧搾あっさく技術ぎじゅつ未熟みじゅくだったむかしにおいてはしばしばおこなわれていた[32]
  3. ^ 当初とうしょ大都市だいとしおよび近郊きんこう都市としかぎ配給はいきゅうおこなわれることとなっており、具体ぐたいてき対象たいしょう地域ちいき東京とうきょう神奈川かながわけんの7愛知あいちけんの6大阪おおさかの71まち京都きょうと兵庫ひょうごけんの821町村ちょうそんであった。割当わりあてりょう年齢ねんれいわず関東かんとう地方ちほうでは1人ひとり3.5ごう/がつ関西かんさい地域ちいきでは4.5ごう/つきとなっていた。
  4. ^ 醤油じょうゆ業界ぎょうかいがわ醸造じょうぞう醤油じょうゆ日本人にっぽんじん食生活しょくせいかつにおいていかに重要じゅうよう地位ちいめているかを強調きょうちょうしたが、GHQは当時とうじ窮迫きゅうはくした食糧しょくりょう事情じじょうから、どちらが援助えんじょ物資ぶっし有効ゆうこう活用かつようできるかを判断はんだんしたのであった。
  5. ^ 85 - 90 ℃で、45 - 50あいだ処理しょり[35]
  6. ^ 醤油じょうゆ業界ぎょうかいのミセス・アップルトンへの評価ひょうか従来じゅうらい大変たいへんきびしいものであったが、調査ちょうさ彼女かのじょ醸造じょうぞう醤油じょうゆ理解りかいしゃであり、当初とうしょ配分はいぶん比率ひりつ上司じょうしつよ指示しじこうしきれず提案ていあんしたものであったようである。再度さいど上申じょうしんは、彼女かのじょ日本にっぽん伝統でんとうてき醸造じょうぞう醤油じょうゆへのふか理解りかいおもれによるものであったとかんがえられる。また「わたしがおいしいとおもうのですもの、アメリカはもちろんヨーロッパの主婦しゅふだって、使つかってみればしょうゆの素晴すばらしさがわかるとおもうの」と、みずからも醤油じょうゆでステーキソースをつくきゃくにふるまうほどの愛用あいようしゃであった。
  7. ^ 消費しょうひしゃの8わりしん製造せいぞうほう醤油じょうゆ支持しじした。
  8. ^ 醤油じょうゆ醸造じょうぞう協会きょうかい正田しょうだぶんみぎ衛門えもん正田醤油しょうだしょうゆ)とアミノ酸あみのさん業界ぎょうかい大内おおうちこう太郎たろうあじもと)。
  9. ^ なお、価格かかくについては1950ねん以降いこうもしばらくのあいださい上品じょうひんよんしゃヤマサ醤油じょうゆキッコーマンヒゲタ醤油じょうゆ丸金醤油まるきんしょうゆ)の製品せいひんは、一律いちりつきゅう公定こうてい価格かかくの1わり7ふんだかいちだる中身なかみ640えん)とする自粛じしゅく価格かかく設定せっていおこなわれた。
  10. ^ 野田のだ醤油じょうゆ新式しんしき2ごう、NKしきタンパク質たんぱくしつ処理しょりほうだけでなく、新式しんしき1ごうという技術ぎじゅつ無償むしょう公開こうかいしている。これら技術ぎじゅつ共通きょうつうすることは小規模しょうきぼ醤油じょうゆぞうでも容易ようい適用てきようできることである。伝統でんとう醤油じょうゆ醸造じょうぞうのこれるように、出来できかぎ伝統でんとうまもれるよう各種かくしゅ特許とっきょ公開こうかいつづけたのである。
  11. ^ 野田のだ醤油じょうゆ発明はつめいした新式しんしき2ごう醤油じょうゆ製造せいぞうほうがこれ。
  12. ^ 諸味もろみしぼったままの生揚なまあ醤油じょうゆ(きあげしょうゆ)のこと(後述こうじゅつ)。
  13. ^ 当時とうじ公文書こうぶんしょには小書こが仮名がなもちいなかったため。その一般いっぱんてき表記ひょうきである「しうゆ」に変更へんこうされた。
  14. ^ 生揚なまあ醤油じょうゆたん濾過ろかしただけの生醤油きじょうゆも、一部いちぶでは市販しはんされている。

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参考さんこう文献ぶんけん・リンク

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関連かんれん文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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