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きむ無双むそう」のはんあいだ差分さぶん

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現代げんだい将棋しょうぎでは、きむ無双むそうあい飛車ひしゃ以外いがいではあまりされない時期じきがあった。
現代げんだい将棋しょうぎでは、きむ無双むそうあい飛車ひしゃ以外いがいではあまりされない時期じきがあった。

2021ねん3がつ13にち (土) 11:26時点じてんにおけるはん

987654321 
         いち
         
         さん
         よん
         
         ろく
    なな
    きむきむたまぎん はち
       かつらこうきゅう
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         いち
         
         さん
        よん
         
       ぎんろく
     なな
    きむきむたま  はち
       かつらこうきゅう

きむ無双むそう(きんむそう、えい: Peerless Golds, Gold Unparalleled[2])は、将棋しょうぎあい飛車ひしゃもちいられるがこである。飛車ひしゃがこいの一種いっしゅたまよこに2まいかねならんでいることから名称めいしょうがつけられた[3]まいきん(にまいきん)ともばれる[4]

名称めいしょう由来ゆらい

かつて、飛車ひしゃたま右側みぎがわかこがこいは、そうじてみぎだまがこいとばれていたという(そのみぎだまという名称めいしょうは、一般いっぱんてき飛車ひしゃ戦法せんぽうひとつを用語ようごとなった)。大山おおやま康晴やすはる著書ちょしょなかには、「かねまいよこならぶところからきむ無双むそう名付なづけたい」と提案ていあんしている記述きじゅつがある[3]。そのきむ無双むそうまいきんという名称めいしょう一般いっぱんてき名称めいしょうとなった。

概要がいよう

先手せんてでいえば、たまを3はちに、ひだりきむを5はちに、みぎきんを4はちうごかしてつくられる。かねよこに2まいならんだかたち最大さいだい特徴とくちょうであり、きむ無双むそうおよまいきんという名称めいしょう由来ゆらいとなっている。この特徴とくちょうゆえに、飛車ひしゃを5すじちゅう飛車ひしゃひだりきんうごかす位置いち飛車ひしゃがあるため、ひだりきんかこいに参加さんかさせにくいという欠点けってんがある。一般いっぱんてきには、上部じょうぶからの主体しゅたいあい飛車ひしゃでの採用さいようおおいことから、上部じょうぶまもりを優先ゆうせんするためにみぎぎんを2はち位置いちがる。ただし、側面そくめんからのめにたいしては「かべぎん」となりだまみちがなくなってしまう。

がこいとの比較ひかく

きむ無双むそう美濃みのがこくらべて上部じょうぶからのめ(とくに1・2すじ)につよい。しかし側面そくめんからのめにたいしては若干じゃっかんよわい。また4すじからのめにもよわく、4すじは「うさぎみみ」ともばれている。

たいきょ飛車ひしゃ飛車ひしゃ場合ばあい側面そくめんからのめが主体しゅたいとなるので、美濃みのがこいでい。それにたいしてあい飛車ひしゃでは、上部じょうぶからのめが主体しゅたいとなるので、きむ無双むそうほうい。しかし最近さいきんでは「かべぎん」などがきらわれ、矢倉やくらがこにしたり、あい飛車ひしゃでも美濃みのがこいにする場合ばあいおおい。美濃みのがこいは1・2すじとくよわいため、かい飛車ひしゃたいしては危険きけんであるが、よんあいだ飛車ひしゃさんあいだ飛車ひしゃには優秀ゆうしゅうなようである。

そのちがいとして、ぎんげないかたち場合ばあい美濃みのがこいより1はやめるため(あい飛車ひしゃでは美濃みのがこいもたまを3きゅうめる場合ばあいおおい)、急戦きゅうせん仕掛しかける場合ばあいにもきむ無双むそう有効ゆうこうである。また、矢倉やくらがこいにえる場合ばあいきむ無双むそうだとかた矢倉やぐらすきなくえられるが、きむ矢倉やぐらまでむと1そんをする。美濃みのがこいだとえる途中とちゅう、どうしてもすきしょうじる。きむ無双むそうだと1ななぎんがる手順てじゅんもありえやすい、などのちがいがある。

たい飛車ひしゃ急戦きゅうせんよう

ごま なし
987654321 
こうかつらおうきむ   かつらこういち
  ぎん きむ   
 ぎんかく さん
     よん
        
   ろく
  ぎんかつら  なな
 かくたまきむきむ    はち
こうかつらぎん     こうきゅう
ごま なし
987654321 
こう     ぎんかつらこういち
   きむきむおうかく 
  かつら ぎん  さん
    よん
       
    ろく
 かくぎん  なな
こう  きむ ぎん  はち
 かつら   きむたまかつらこうきゅう

コンピュータ将棋しょうぎponanzaが、よんあいだ飛車ひしゃたいしてきょ飛車ひしゃきむ無双むそうんで急戦きゅうせんから持久じきゅうせんまで臨機応変りんきおうへん仕掛しかける戦術せんじゅつ使用しようして実績じっせきげていた。アマチュアのあいだでははやくからこのPonanzaの戦法せんぽう研究けんきゅうされていた。プロ棋士きし書籍しょせきでは、所司しょしかずはるちょ『AI時代じだいしん手法しゅほうたい飛車ひしゃきん無双むそう急戦きゅうせん』(マイナビ出版しゅっぱん、2020ねん)がこの戦法せんぽう一部いちぶ紹介しょうかいしている。

現代げんだい将棋しょうぎでは、きむ無双むそうあい飛車ひしゃ以外いがいではあまりされない時期じきがあった。 過去かこにはたい飛車ひしゃきん無双むそう腰掛こしかぎんが、1958ねん1がつ5にちのNHKはい、▲はな村元むらもとつかさ vs.△升田ますだ幸三こうぞうせんでみられた。

エルモがこ場合ばあいふねがこ特有とくゆうじゅんのひとつである一段いちだん飛車ひしゃから△8はちX(▲2X)どうたまで6きゅう(4いち)のかねいてせられるというリスクを回避かいひしている。
しかしながら、エルモがこいの場合ばあい、△8はちかくなりを▲どうかねるとがこいが一気いっき弱体じゃくたいする、上部じょうぶからの攻撃こうげきよわい、伸展しんてんせいがない、たまあたませんになった場合ばあい攻撃こうげきりょくひくい、がこいを発展はってんさせると同時どうじめるのがむずかしいという弱点じゃくてんもあった。これにたいし、金立きんりゅう美濃みのでは△8はちかくなりかたちよく▲どうぎんれる、上部じょうぶからの攻撃こうげきつよい、伸展しんてんせいたかい、たまあたませんになった場合ばあい攻撃こうげきりょくたかい、がこいを発展はってんさせながらめることかできるといった利点りてんがある[5]
そして、きょ飛車ひしゃみぎかつら攻撃こうげき参加さんかさせる場合ばあいに▲3ななかつらねたのちかつらあたま弱点じゃくてんになるため、▲2ろくなどうわ飛車ひしゃかまえると、従来じゅうらいひだりぎん移動いどうさせたふねがこいでは、仕掛しかけたときに△4からかく交換こうかんさいに△8はちかくなりを▲どうたま一手いってとなって△4よんかく王手おうて飛車ひしゃのリスクがしょうじるが、△8八角やすみしげる(▲2かくなり)にどうぎんることが可能かのうとなる(エルモがこいではどうかね)。

急戦きゅうせんのみならず、持久じきゅうせんへの移行いこう可能かのうである。この場合ばあいがこいをこう金立きんりゅう美濃みのから松尾まつおりゅう穴熊あなぐまへと発展はってんさせていくのが一般いっぱんてきであり、非常ひじょう優秀ゆうしゅうである。

こうしてその優秀ゆうしゅうさとして、きょ飛車ひしゃぶねがこ急戦きゅうせんちがって、かくぎんかつら理想りそうてき攻撃こうげきじんられやすくなっているといえる。

ぼうぎんについてはかく交換こうかんの▲7一角いっかく(△3きゅうかく)のすじがあるので、あまり利用りようされていないが、いままで飛車ひしゃぶねがこ急戦きゅうせん利用りようされてきた4ろくぎんみぎ戦法せんぽう(△6よんぎん急戦きゅうせん)△6・▲4はや仕掛しかポンポンかつらなど、5ななぎんみぎ陣形じんけいひしがたふねがこい)での戦術せんじゅつは、ほぼ実戦じっせん応用おうよう可能かのうとなっている。

脚注きゃくちゅう

  1. ^ 日本にっぽん将棋しょうぎ用語ようご事典じてん』p.67
  2. ^ Kawasaki, Tomohide (2013). HIDETCHI Japanese-English SHOGI Dictionary. Nekomado. p. 33. ISBN 9784905225089 
  3. ^ a b 快勝かいしょう/将棋しょうぎかた/初段しょだんへの基礎きそづくり』(大山おおやま康晴やすはる
  4. ^ 原田はらだ泰夫やすお (監修かんしゅう)、荒木あらき一郎いちろう (プロデュース)、森内もりうち俊之としゆきら(へん)、2004、『日本にっぽん将棋しょうぎ用語ようご事典じてん』、東京とうきょうどう出版しゅっぱん ISBN 4-490-10660-2
  5. ^ 将棋しょうぎ世界せかいspecial(藤井ふじいさとしふとし、マイナビ出版しゅっぱん

関連かんれん項目こうもく

外部がいぶリンク