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装身具そうしんぐ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
装飾そうしょくひんから転送てんそう
ブレスレット首飾くびかざイヤリングをつけてかざって創作そうさく活動かつどうをする女性じょせい

装身具そうしんぐ(そうしんぐ、えい: personal ornament あるいはちいさなものはtrinket[1])とは、装飾そうしょくつまり「かざり」のために身体しんたい衣服いふくにつける服飾ふくしょく付属ふぞくひん[1]。より魅力みりょくてきせるために使つかわれるもので、通常つうじょう実用じつようてき目的もくてきいもの[2]

概要がいよう

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歴史れきし

装身具そうしんぐは、もともとは呪術じゅじゅつてき意味合いみあいをっていた、とも推測すいそくされている。支配しはいしゃ階級かいきゅう出現しゅつげんすると自分じぶん余力よりょく財力ざいりょくしめすことで自分じぶん権勢けんせいなどを他者たしゃしめ目的もくてきにつけた。

装身具そうしんぐ基本きほんかたのほとんどは先史せんし時代じだい確立かくりつしていた[1]元々もともとはな貝殻かいがら動物どうぶつきばかくなどを加工かこうわせてつくっていた。

日本にっぽんでは縄文じょうもん時代じだい使つかわれていたみみかざり腕輪うでわなどの装身具そうしんぐ出土しゅつどしており、古墳こふん時代じだいには鍍金めっきほどこされたあざやかな金銅かなどうせい装身具そうしんぐつくられた。

装身具そうしんぐもちいて着飾きかざることは一部いちぶ民族みんぞく文化ぶんかからひろまったのではなく、世界中せかいじゅうられる現象げんしょうである。それらは埋葬まいそうされているもの壁画へきが伝統でんとうてき装飾そうしょくひんなどからもうかがうことができる。

西洋せいようかんむりおうしゃくなどは権力けんりょく象徴しょうちょうであるが、同時どうじ装飾そうしょく役割やくわりたした。 ヨーロッパの貴族きぞく男性だんせい女性じょせいもさかんに装身具そうしんぐけた。ベルト実用じつよう装飾そうしょくねていた。

中世ちゅうせい西にしヨーロッパはキリスト教きりすときょう 一色いっしょく社会しゃかいになったが、十字架じゅうじか首飾くびかざりは信仰しんこうのシンボルであり、イエスのちょう自然しぜんてきちからまもられたいというクリスチャンねがいもこめられていたが、同時どうじ装飾そうしょく役割やくわりたした。カトリック教会きょうかい人々ひとびといのりに使つかロザリオ同様どうようである。

なお広義こうぎには錫杖しゃくじょう神社じんじゃまも登山とざんしゃけるくまけのすず、さらには社員しゃいん名札なふだ腕章わんしょうも、(すべてではないが)ものによっては装身具そうしんぐふくまれる。

現代げんだい素材そざい製造せいぞうほう多様たよう

20世紀せいきには、工業こうぎょう技術ぎじゅつによりさまざまな素材そざいあらたに開発かいはつされたので、現代げんだい装身具そうしんぐ素材そざい多様たようしている。製造せいぞう機械きかい使つかわれるようになり安価あんか大量たいりょう生産せいさんすることも可能かのうになった。合成ごうせい樹脂じゅしるいプラスチックるい)も安価あんか大量たいりょう生産せいさん可能かのうにし、ちいさな子供こどもでも購入こうにゅうしてもらいやすくなりにつけられるものがえた。リボンるいぬののものばかりでなくプラスチックるいのものが登場とうじょうした。

高価こうか宝石ほうせきわりに工業こうぎょう技術ぎじゅつでつくりだした模倣もほう宝石ほうせきクリスタルガラス使つかうことも一般いっぱんした。一方いっぽう先史せんし時代じだい以来いらい使つかわれた素材そざいおおくも、現在げんざいわらず使つかわれつづけている。宝石ほうせき貴金属ききんぞくもちいられる。その結果けっか現代げんだい装身具そうしんぐ素材そざいは、たとえばぬのひもゴム合成ごうせい樹脂じゅし天然てんねん樹脂じゅし鉱物こうぶつ金属きんぞくメッキしな貴金属ききんぞく)、セラミックるい七宝しっぽうエナメルなど)、クリスタルガラスひとしのガラスるい海産物かいさんぶつ貝殻かいがら珊瑚さんご)、木材もくざい化石かせき動植物どうしょくぶつからだ組織そしき...といったようにげきれないほどに多種たしゅ多様たようしている。つまり、日常にちじょう環境かんきょうによる変化へんか比較的ひかくてきけにくく、金属きんぞくアレルギーなどで人体じんたいがいおよぼさないとかんがえられるものであれば、どのような素材そざいでも使用しようされる状態じょうたいになっている。

種類しゅるい

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  • アームバンド - シャツのそで袖丈そでたけ調整ちょうせいするバンド袖丈そでたけながすぎる場合ばあいカフ手首てくびからしたちないよう上膊じょうはく適切てきせつ位置いちめるためのもの。
アンクレット
かんざし
  • かんざし(かんざし)- おも女性じょせい頭髪とうはつしてもちいる装身具そうしんぐ
    • 根掛ねがけ
    • 手絡てがら
    • くし - かみかすほか装身具そうしんぐとしてももちいるくし
    • - かたな一緒いっしょあるいた棒状ぼうじょう装身具そうしんぐ
    • ながれ - 中国ちゅうごく装身具そうしんぐ
    • だいひしげ - 清朝せいちょう後期こうき満州まんしゅうぞく宮廷きゅうてい婦女ふじょなか流行はやった一種いっしゅかみかざり。
    • リボン - 頭部とうぶえりけるちいさな帯状おびじょうぬの
    • シュシュ - 環状かんじょう薄手うすでぬのにゴムをとおしてちぢませたかみかざり。
    • バレッタ - かみをはさむためのちいさなひとくみぼうなど。
    • ヘアゴム - かみをまとめるために使つかうゴムひも
    • ヘアバンド -(カチューシャ頭部とうぶにつけるバンド。
    • ヘアピン - かみ固定こていするためのピン
  • カラーステイ - ワイシャツのえりかたち見栄みばえをくするためにえり裏側うらがわれるちいさなパーツ。
  • カラーピン - ネクタイのかたちせるためにワイシャツのえりすピン。
  • キーホルダー - かぎをまとめるためにもちいる実用じつようひんではあるが、装飾そうしょくてきなものもある。
肩章けんしょう
  • かかあきら(けんしょう)- 軍服ぐんぷくかたからこしにかけて「たすき」じょうななめにかけるかざり。
    • 肩章けんしょう(けんしょう、かたしょう)- かたけるひもんだかざり。
    • かざりいとぐち(しょくしょ、しょくちょ、かざりお)- かたかたから前部ぜんぶにかけてるされるかざひも
    • たすき - 着物きものかたまわりにななめにむすひもじょうのもので、実用じつよう目的もくてきがあるが、装飾そうしょく役割やくわりになっていることもある。
  • チェーン - 本来ほんらい財布さいふ盗難とうなん防止ぼうしなどに使用しようされていたが、今日きょうではくびくなどする。また、材質ざいしつもシルバーなどがえてきている。
  • きくつづり - はかまける装身具そうしんぐ
  • 首輪くびわ - くびまわりにつけるたまき)。
  • ひも - んだひも
  • グローブホルダー - 手袋てぶくろける金具かなぐ
  • コッドピース - 14世紀せいきから16世紀せいきまつにかけてヨーロッパで流行りゅうこうした、男性だんせい股間こかんおおいつつもひとにあえて意識いしきさせるぬの
  • しもいとぐち - 装飾そうしょくのために日本にっぽんがたなさやけるひも
  • スタッドボタン - ワイシャツむねボタンのわりにもちいるもの。
シューズマーカー
  • スニーカーアクセサリー - くつひもけるかざり。
  • ティアラ - 女性じょせいがもっぱら装飾そうしょく目的もくてきでつけるかんむり一種いっしゅ。クラウン(王冠おうかん)より下位かい
ネクタイ、およびそのかたちうつくしくせるためのカラーピン。どちらもあくまで装飾そうしょくであり、実用じつよう目的もくてきまったく、着用ちゃくようしゃはたいていくびめられてくるしくかんじている。
スカーフ
ロザリオ
  • ネックレス - くびまわりにつけるかざり。真珠しんじゅネックレスの場合ばあいながさによってわる。環状かんじょうになっていない、くびうしろで交差こうさするようにき、まえかるむすものラリエットという。また装飾そうしょく「ペンダントトップ」(―ヘッド)を追加ついか出来できものペンダントぶ。
    • SOSカプセル - 緊急きんきゅうよう名前なまえ住所じゅうしょ病気びょうきひとししるすもの。キーホルダーやネックレスとして使つかうことがおおい。
    • グラスホルダー - 眼鏡めがねくびからひっさげるためのものでネックレスをねている。はずしが頻繁ひんぱん老眼鏡ろうがんきょうサングラスける。近視きんしひと眼鏡めがねつね装用そうようしているので必要ひつようない。
    • コンボスキニオン - 数珠じゅずじょういのりの用具ようぐ
    • ドッグタグ - 認識にんしきひょうとしてもちいる装身具そうしんぐ。ネックレスとして使つかうことがおおい。SOSカプセルと用途ようとている。
    • トルク - ネックレスの一種いっしゅだが、指輪ゆびわやピアスにももちいる。
    • 数珠じゅず -本来ほんらい僧侶そうりょマントラとなえた回数かいすうなどをかぞえるための道具どうぐ計数けいすう器具きぐ)だが、くび装飾そうしょくてき役割やくわりになう。
    • 勾玉まがたま - 縄文じょうもん時代じだいからもちいられていたくびける装身具そうしんぐ
    • ミスバハ - 数珠じゅずじょういのりの用具ようぐ
    • ループタイ - ネックレスのひとつ。かつてはネクタイのだい用品ようひんとして使つかわれた。
    • ロケット - 写真しゃしんおさめる装身具そうしんぐ
    • ロザリオ - カトリック教会きょうかい一般いっぱんした数珠じゅずいのりの回数かいすうかぞえる道具どうぐ)と十字架じゅうじか一体化いったいかしたもの。
  • 根付ねつけ - おびける装身具そうしんぐ
  • 羽織はおりひも - 羽織はおりけるひもじょう装身具そうしんぐ
  • バッグハンガー - かばんにつける装身具そうしんぐ
  • バッジ - ふくえりむねかばんなどにける装身具そうしんぐ
    • ピンズ - バッジに酷似こくじした装身具そうしんぐ
  • ハットピン帽子ぼうしめ) - 帽子ぼうし紛失ふんしつ防止ぼうしけた装身具そうしんぐ
  • はんえり - 襦袢じばんけるかざようえり
  • ピアス - みみにあけたちいさなあなとおして着用ちゃくようするみみかざり。「ピアスド・イヤリング」のりゃく
    • イヤリング - ピアスがみみあなけるものにたいし、イヤリングはみみたぶなどをはさんで着用ちゃくようする装身具そうしんぐ。スクリューしきやクリップしきがある。
  • ファスナー
  • フェロニエール - がくかざり。がくにつけるくさりかわのアクセサリーで、がく中央ちゅうおう宝石ほうせきひとし装飾そうしょくがセットされる。フェロニエール(Ferronnière)の名称めいしょうレオナルド・ダ・ヴィンチの「ラ・ベル・フェロニエール(La belle Ferronnière)」伯爵はくしゃく夫人ふじん肖像しょうぞう由来ゆらいする。
  • ブレスレット - 腕輪うでわ手首てくび着用ちゃくようする装身具そうしんぐ
    • アームレット -ひじうえからける装身具そうしんぐ
    • 腕輪うでわ念珠ねんじゅ - 数珠じゅずじょうのブレスレット。
    • シュシュ - ゴムで出来でき装身具そうしんぐ。ブレスレット以外いがいにもかみめにも使つかう。
    • バングル - 手首てくび着用ちゃくようするCがた装身具そうしんぐ
  • ブローチ - ふくむね部分ぶぶんなどにつける装身具そうしんぐ
  • ベルト - ズボンける装身具そうしんぐ
ポケットチーフ
真珠しんじゅ耳飾みみかざりの少女しょうじょ同名どうめい小説しょうせつ題材だいざいにもなった。あおターバン少女しょうじょ、とも。

ジュエリー(宝飾ほうしょくひん

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装身具そうしんぐのうち、宝石ほうせき貴金属ききんぞくせいのものをとくに英語えいごで「ジュエリー jewelryあるいはjewellery」、フランス語ふらんすごでは「ビジュー bijou」とよんで、装身具そうしんぐ区別くべつしている[1]

一般いっぱんてき装身具そうしんぐのうち、あくまで宝石ほうせき貴金属ききんぞくもちいてつくられたのみ宝飾ほうしょくひんジュエリー えい:Jewelry)とぶ。「ジュエリー(宝飾ほうしょくひん)」という用語ようごは、装身具そうしんぐ全般ぜんぱんさない。

語法ごほう下位かい分類ぶんるい

なおジュエリーを広義こうぎもちいたうえで、それを下位かい分類ぶんるいし、宝石ほうせき貴金属ききんぞくもちいてつくられた装身具そうしんぐのほうをファイン・ジュエリー (Fine Jewelry)と下位かい分類ぶんるいし、それ以外いがい貴石たかいしなどの素材そざい使つかったものや安価あんかなものはコスチューム・ジュエリー (Costume Jewelry) と下位かい分類ぶんるいする分類ぶんるい方法ほうほう語法ごほうもある。

ジュエリーの歴史れきし

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マ帝国まていこく時代じだいからある出来でき財産ざいさん動産どうさん)として宝石ほうせき重宝ちょうほうされていたが、鍛冶たんや技術ぎじゅつ進歩しんぽにより、中世ちゅうせいルネサンスかねとの融合ゆうごう可能かのうとなったことにともない、かね宝石ほうせき融合ゆうごうした動産どうさんジュエリーがされた。かねある出来でき財産ざいさん動産どうさん)として当時とうじから重宝ちょうほうされていたが、宝石ほうせきとの融合ゆうごうにより宝飾ほうしょくひんとして姿すがたえることにより、財産ざいさんまたは担保たんぽとなり動産どうさんとしての資産しさん価値かちたかまり、欧州おうしゅう宮廷きゅうてい文化ぶんかまれ、今日きょういた[3][4]


貴金属ききんぞく装身具そうしんぐ製法せいほう、および製品せいひん区別くべつ

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金属きんぞく工芸こうげいの3大技おおわざほう彫金ちょうきん鍛造たんぞう鋳造ちゅうぞうといわれ、貴金属ききんぞく装身具そうしんぐ制作せいさくもこのすべてがおこなわれる。装身具そうしんぐ分野ぶんやではこれらを「彫金ちょうきんきたえきん鋳金ちゅうきん」としょうする。一般いっぱんてきにはこれら貴金属ききんぞく装身具そうしんぐ制作せいさく技法ぎほう総称そうしょうして「彫金ちょうきん」とぶ。また、キャスト製品せいひん区別くべつするために「彫金ちょうきんきたえきん」の技法ぎほうのみをして「彫金ちょうきん」とぶこともある。厳密げんみつにはこのみっつのなかいち技法ぎほうのみ、鏨(たがね)などを使用しようして金属きんぞく直接ちょくせつ切削せっさくしたり文様もんよう文字もじりこむことが本来ほんらいの「彫金ちょうきん」の意味いみである。

金属きんぞくせい装身具そうしんぐには量産りょうさんひんと、いわゆる彫金ちょうきんによる製品せいひんがある。現在げんざいられるほとんどの製品せいひん量産りょうさん製品せいひんであり、これは紀元前きげんぜんより存在そんざいするろうがた鋳造ちゅうぞうをルーツとするロストワックス鋳造ちゅうぞうほう(ロストワックスキャスティング、インヴェストメントキャスティング)とばれる方法ほうほう金属きんぞく加工かこうされているものが主流しゅりゅうである。金属きんぞく工芸こうげい全体ぜんたいればロストワックスほう大変たいへん歴史れきしふるいが、貴金属ききんぞく装身具そうしんぐ分野ぶんやでは200ねんたないあたらしい技法ぎほうである。 これはつくられるものがちいさいために、重力じゅうりょくによる溶解ようかい金属きんぞくながみ(鋳込いこみ)ができなかったことがひとつの理由りゆうである。なが金属きんぞくりょうすくないと、溶解ようかいした金属きんぞくつよ表面張力ひょうめんちょうりょく影響えいきょう金属きんぞく鋳型いがたながれない。この問題もんだい解決かいけつしたのがガスあつ鋳造ちゅうぞうおよび遠心えんしん鋳造ちゅうぞうである。ロストワックス精密せいみつ鋳造ちゅうぞうほうは、遠心えんしん鋳造ちゅうぞう方式ほうしき発明はつめいされた20世紀せいき初頭しょとうより、とくに「原型げんけい正確せいかく転写てんしゃ」と「大量たいりょう生産せいさん」を目的もくてきとして発展はってんした。技法ぎほうてきには、金属きんぞく複雑ふくざつ形態けいたい付与ふよできることが技法ぎほうもっとことなるてんであり、発明はつめいそのものの目的もくてきは「複雑ふくざつ形態けいたい原型げんけいをそのまま金属きんぞく転写てんしゃすること」である。このため精密せいみつ鋳造ちゅうぞうともばれる。

彫金ちょうきんきたえきん鋳金ちゅうきんさん技法ぎほう以外いがいには、機械きかいプレスによる製品せいひんがある。また近年きんねんでは趣味しゅみせいたかものとしてぎん粘土ねんどさかんである。その現在げんざいではあまりおおつくられない伝統でんとうてき技法ぎほうとしてつぶきん技法ぎほう(グラニュレーションen:granulation)などがある。

鍍金めっき(メッキ)も重要じゅうよう技法ぎほうである。鍍金めっきには安物やすもの誤魔化ごまかしというようなわるいイメージがきまとうために「コーティング」とかたえることおおくなっている。ぎんやホワイトゴールドせいのジュエリーによくほどこされるロジウムコーティングとは、ロジウムメッキとまったくの同義どうぎである。メッキも「彫金ちょうきんきたえきん鋳金ちゅうきん」となら伝統でんとうてき金属きんぞく工芸こうげい技法ぎほうのひとつだが、現在げんざいでは軽視けいしされる傾向けいこうである。

ロストワックス精密せいみつ鋳造ちゅうぞうほう台頭たいとうする以前いぜんには、現在げんざい「ハンドメイド」と区別くべつされる製法せいほう、すなわち彫金ちょうきん鍛造たんぞう世界中せかいじゅう主流しゅりゅうだった。 なかでもインディアンジュエリーや東南とうなんアジアのジュエリーの人気にんき根強ねづよい。これらの制作せいさく技術ぎじゅつはヨーロッパの宝飾ほうしょく技術ぎじゅつだい航海こうかい時代じだい以降いこう各地かくちへとつたわったことにより発展はってんしたとされる。日本にっぽんでの錺(かざり)は、廃刀はいとうれいしょくうしなった刀剣とうけんたちがルーツのひとつともわれる。一説いっせつには刀剣とうけん鍛造たんぞう装飾そうしょく技法ぎほうやその伝統でんとうてき金属きんぞく工芸こうげい技法ぎほうにヨーロッパの宝飾ほうしょく技術ぎじゅつ、デザインをれたものが現在げんざいにもつたわる錺職とわれているが、実際じっさいには伝統でんとうてき金属きんぞく工芸こうげいすべてにかかわりがあるとかんがえられる。

またロストワックスキャスト製品せいひんにもハンドメイドが存在そんざいする。キャスト製品せいひんは「ハンドメイド」でないという見方みかたがあるが、実際じっさいにはキャスト製品せいひんであればすべて「ハンドメイド」でないとなすことは出来できない。個人こじん制作せいさく小規模しょうきぼ工房こうぼうでは、ロストワックスほうにしかできない造形ぞうけいかしたいちてん作品さくひんもよくつくられており、また本体ほんたい鋳造ちゅうぞう金属きんぞく直接ちょくせつ切削せっさくする彫金ちょうきん併用へいようして制作せいさくされる場合ばあいなどもおおい。これらは量産りょうさんひんとはべつのものとしてあつかわれるべきであろう。

装身具そうしんぐ製作せいさく世界せかいで「ハンドメイド」という言葉ことばなにすのかには、まりきった傾向けいこう定義ていぎなどは存在そんざいせず、混乱こんらんられる。彫金ちょうきんきたえきん鋳金ちゅうきんとうは、このすべてが貴金属ききんぞく装身具そうしんぐ製作せいさくになくてはならないものであり、人類じんるい歴史れきしなかではきわめて普遍ふへんてき伝統でんとうてき工芸こうげい技法ぎほうである。その意味いみではそのすべてが重要じゅうようといえよう。近年きんねんでは3次元じげんCADきゃどひかり造形ぞうけいシステムにロストワックスほう併用へいようされた技術ぎじゅつ発達はったつすすんでいる。

アンモライト中心ちゅうしんきむダイヤモンドつくったイヤリング(みぎ)とペンダント


脚注きゃくちゅう

[編集へんしゅう]
  1. ^ a b c d 日本にっぽんだい百科全書ひゃっかぜんしょ装身具そうしんぐ
  2. ^ [1]
  3. ^ American Chemical Society, Ancient technology for metal coatings 2,000 years ago can't be matched even today, ScienceDaily, ScienceDaily, July 24, 2013,
  4. ^ Gabriel Maria Ingo, Giuseppe Guida, Emma Angelini, Gabriella Di Carlo, Alessio Mezzi, Giuseppina Padeletti, Ancient Mercury-Based Plating Methods: Combined Use of Surface Analytical Techniques for the Study of Manufacturing Process and Degradation Phenomena, Accounts of Chemical Research, 2013; 130705111206005 DOI: 10.1021/ar300232e

関連かんれん項目こうもく

[編集へんしゅう]
ジュエリー
金属きんぞく加工かこう関連かんれん職業しょくぎょう

脚注きゃくちゅう

[編集へんしゅう]
  1. ^ 山梨やまなしけんジュエリーマスター認定にんてい制度せいど