衛まもる所しょ制せい

明代あきよ《筹海图编》卷まき一浙江沿海山沙图局部，示しめせ浙江せっこう台うてな州しゅう府ふ周しゅう边的卫所城市じょうし。

衛まもる所しょ制せい為ため明朝みょうちょう的てき最さい主要しゅよう軍事ぐんじ制度せいど，為ため明太めんたい祖そ所ところ創立そうりつ，其構想こうそう來らい自じ於隋ずい唐とう時代じだい的てき府ふ兵制へいせい。

明あかり政權せいけん在ざい與あずか元朝がんちょう及元もと末すえ群雄ぐんゆう爭そう戰せん期間きかん，軍制ぐんせい不定ふてい。其按照あきら軍隊ぐんたい的てき來らい源げん區分くぶん，有ゆう諸しょ將しょう原はら有ゆう之これ兵へい（即そく所謂いわゆる從したがえ征せい），有元ありもと兵へい及群雄ぐんゆう敗はい兵へい歸き附ふ成なり軍ぐん，有ゆう獲え罪ざい而謫發はつ的てき罪人ざいにん成なり軍ぐん，而最主要しゅよう的てき來らい源みなもと則そく是ぜ由ゆかり戶籍こせき中ちゅう抽丁成なり軍ぐん，稱たたえ為ため籍せき選せん，亦また即そく垛集軍ぐん。垛集法ほう传承自じ元もと代だい的てき正せい軍ぐん、貼は户制，為ため按人口じんこう一家五丁或三丁抽一之原則所徵之兵。除じょ此之外がい尚なお有ゆう簡拔かんばつ、投とう充たかし及收集しゅうしゅう等とう軍制ぐんせい；明朝みんちょう中期ちゅうき以後いご又また有ゆう強つよ使つかい民みん為ため軍ぐん的てき方式ほうしき，不ふ過か都と屬ぞく於少數すう；就有明ありあけ一朝いっちょう而言，衛まもる所しょ制せい是ぜ明朝みんちょう廷最主要しゅよう的てき軍制ぐんせい。

衛まもる所しょ的てき設立せつりつ及軍戶ど制度せいど

前ぜん元朝がんちょう户部尚なお书张昶在ざい朱しゅ元もと璋あきら建立こんりゅう的てき吴国中書ちゅうしょ省しょう參まいり知ち政事せいじ任にん內最早もはや提出ていしゅつ衛まもる所しょ。明あきら洪ひろし武たけ十じゅう七なな年ねん（1384年ねん），在ざい全國ぜんこく的てき各かく軍事ぐんじ要地ようち，設立せつりつ軍ぐん衛まもる。一いち郡ぐん者しゃ設しつらえ所しょ，連れん郡ぐん者しゃ設しつらえ衛まもる。大約たいやく以5600人為じんい一衛かずえ，1120人為じんい千せん戶こ所しょ，112人為じんい百ひゃく戶こ所しょ。所ところ設しつらえ總そう旗はた二に，小しょう旗はた十じゅう，大小だいしょう聯れん比ひ成なり軍ぐん ，其下依よ序じょ有ゆう千せん戶こ所ところ、百ひゃく戶こ所しょ、總そう旗はた及小旗はた等とう單位たんい，各かく衛まもる所しょ都と隸屬れいぞく於五ご軍ぐん都と督とく府ふ，亦また隸屬れいぞく於兵部ひょうぶ，有事ゆうじ調ちょう發はつ從したがえ征せい，無事ぶじ則そく還かえ歸かえり衛まもる所しょ。此法的てき實行じっこう，須有一いち套能保障ほしょう軍隊ぐんたい數すう目的もくてき戶籍こせき制度せいど配合はいごう，來らい維持いじ衛まもる所しょ制せい的てき運行うんこう。

明代あきよ的てき卫所兵制へいせい，實じつ乃吸取すいと中國ちゅうごく历史屯田とんでん经验，参照さんしょう唐から朝あさ“府ふ兵制へいせい”创建的てき，一いち种“寓ぐう兵へい于农”，守まもり屯たむろ结合的てき建けん军制度せいど。明太めんたい祖そ誇ほこ口說くぜつ：“吾われ養やしなえ兵へい百ひゃく萬まん，不ふ費ひ百姓ひゃくしょう一いち粒つぶ米まい。”

軍ぐん戶ど即そく戶籍こせき種類しゅるい屬ぞく軍籍ぐんせき之の戶と，初期しょき的てき來らい源みなもと有二ゆうじ，一いち是ぜ元もと代だい原本げんぽん的てき軍ぐん戶と，二に是ぜ現役げんえき軍人ぐんじん之これ戶こ，這在洪ひろし武たけ二に十じゅう一いち年ねん（1388年ねん）黃き冊さつ編へん造づくり之これ後ご更さら加か以確立かくりつ。軍ぐん戶ど為ため世襲せしゅう，且管理かんり頗嚴格げんかく，除籍じょせき十じゅう分ふん困難こんなん，大だい致上除じょ非ひ丁ひのと盡つき戶ど絕ぜっ、家中いえじゅう有人ゆうじん成なり為ため高官こうかん或ある是ぜ皇帝こうてい敕免まぬかれ，是ぜ無法むほう除じょ軍籍ぐんせき的てき。儘管如此，日にち久ひさ軍ぐん戶と仍日漸やや減少げんしょう，庞尚鹏主しゅ张：“清きよし查隐占うらない，均ひとし平ひら粮额，开垦抛ほう荒あら最さい为目前ぜん急きゅう务”，因いん此後來こうらい有ゆう使し因いん犯罪はんざい而充たかし軍ぐん者もの入にゅう軍籍ぐんせき之の方法ほうほう，被ひ稱しょう作さく恩おん軍ぐん或ある長生ちょうせい軍ぐん。

元もと代だい禁衛きんえい軍制ぐんせい，每まい三軍戶擇一丁正軍，其他兩りょう戶と的てき丁ひのと男おとこ稱しょう作さく「餘丁よちょう」或ある「軍ぐん餘あまり」，餘丁よちょう平時へいじ與あずか軍ぐん餘あまり狩獵しゅりょう、遊牧ゆうぼく，戰時せんじ與あずか正せい軍ぐん出征しゅっせい，明朝みんちょう則そく改あらため為ため耕こう種しゅ軍ぐん屯田とんでん，日にち久ひさ軍ぐん官かん累るい功こう策さく封ふう頗多，所領しょりょう祿ろく田た多た由よし兵へい丁ちょう耕こう種しゅ，原はら設計せっけい支ささえ撐戰時じ軍ぐん糧かて的てき軍ぐん屯たむろ產出さんしゅつ，都と拿來發はつ放ひ世襲せしゅう軍ぐん官かん俸祿，軍ぐん戶と役やく男おとこ屯田とんでん勤務きんむ，日にち益えき沉重，相對そうたい其他四民しみん丁ひのと役やく，不ふ謂いい不ふ重じゅう。

《明あかり史し》〈兵へい志こころざし〉：「明あきら以武功こう定てい天下てんか，革かわ元もと舊制きゅうせい，自じ京師けいし達たち於郡縣けん，皆みな立りつ衛まもる所しょ，外そと統みつる之の都みやこ司つかさ ，內統於五軍ぐん都と督とく府ふ，而十じゅう三衛為天子親軍者不與焉。征伐せいばつ，則のり命いのち將はた充たかし總そう兵へい官かん，調しらべ衛まもる所しょ軍ぐん領りょう之の。既すんで旋，則のり將はた上所かみところ佩印，官軍かんぐん皆みな回かい衛まもる所しょ。蓋ぶた得とく唐から府ふ兵へい遺のこ意い」

軍ぐん戶ど負擔ふたん和わ生活せいかつ

明代あきよ對たい於民戶ど“三さん十じゅう稅ぜい一いち（相當そうとう於3.33％）”的てき低てい稅ぜい賦ふ社會しゃかい，完全かんぜん建立こんりゅう在ざい對たい於軍戶ど勞ろう動力どうりょく的てき剝削之の上うえ，原因げんいん是ぜ軍ぐん戶と以自身じしん勞ろう動力どうりょく承うけたまわ擔了幾いく乎全部ぶ的てき軍隊ぐんたい養護ようご消耗しょうもう。建たて文あや及永樂えいらく削そぎ藩はん之これ後ご，洪ひろし武たけ年間ねんかん建立こんりゅう的てき作為さくい配はい套措施ほどこせ的てき“藩はん王おう及公侯こう監かん軍ぐん制度せいど”被ひ破壞はかい，新しん制度せいど一いち直ちょく未完みかん善ぜん，軍ぐん戶ど負擔ふたん益えき重じゅう、生活せいかつ水平すいへい愈いよいよ加か低落ていらく。軍ぐん戶ど的てき主要しゅよう義務ぎむ，包括ほうかつ出で一いち丁ちょう男おとこ赴衛所作しょさ正せい軍ぐん，正せい軍ぐん以外いがい的てき子弟してい稱しょう作さく餘丁よちょう或ある軍ぐん餘あまり，至いたり少しょう要よう出で一名餘丁隨行正軍赴衛所，以給養きゅうよう其生活せいかつ，類似るいじ軍ぐん伕。由よし於軍戶ど承うけたまわ擔了義務ぎむ兵役へいえき以及給養きゅうよう正せい軍ぐん的てき勞役ろうえき，故こ得とく由よし國家こっか授予田地でんち，且免除めんじょ正せい軍ぐん、在ざい營餘丁ひのと及在原籍げんせき一いち丁ちょう的てき差さ役やく，以保障ほしょう軍ぐん戶と生活せいかつ並なみ供給きょうきゅう正せい軍ぐん。然しか而沒有ゆう充分じゅうぶん的てき監督かんとく，導しるべ致軍戶ど權益けんえき日び益えき被ひ侵犯しんぱん，負擔ふたん沉重、生活せいかつ困苦こんく。正せい軍ぐん赴衛所しょ的てき發はつ派は地點ちてん，多た以距離きょり原籍げんせき地ち遙遠ようえん且分散ぶんさん的てき方式ほうしき，以防止ぼうし逃兵，但ただし長途ちょうと的てき跋涉ばっしょう加か上水じょうすい土ど不服ふふく，給きゅう役やく卒そつ帶たい來らい不ふ少額しょうがく外的がいてき消費しょうひ及病痛つう之の苦く。正せい軍服ぐんぷく役やく於衛所しょ，必須ひっす帶たい妻つま同行どうこう，以安定あんてい生活せいかつ並なみ生せい兒じ育そだて女おんな，每まい一いち軍人ぐんじん有ゆう房ぼう屋や、田地たじ，每月まいつき有ゆう固定こてい的てき月がつ糧かて，武器ぶき由よし國家こっか雇傭こよう工匠こうしょう生產せいさん；但ただし實際じっさい情じょう形がた則そく常つね分配ぶんぱい不足ふそく，只ただ有ゆう行軍こうぐん時どき發給はっきゅう口糧こうりょう，衣裝いしょう仍須自じ備。軍ぐん士し在ざい營，分ふん成なり守備しゅび和わ屯田とんでん二に種しゅ義務ぎむ，比例ひれい不定ふてい、按時輪わ流りゅう，屯田とんでん者しゃ須固定こてい上じょう交糧食しょく以供給きょうきゅう守備しゅび軍ぐん及官吏かんり，其目標もくひょう在ざい養やしなえ兵へい而不耗國家こっか財力ざいりょく。但ただし明あかり宣せん宗むね以後いご，卫所官かん侵おかせ占うらない军屯田地でんち、私わたし役やく军士耕こう种之事ごと，已やめ經常けいじょう发生，該目標もくひょう變へん得難えがた以達到いた、軍ぐん戶と制せい也失去さ了りょう公正こうせい性せい和わ有效ゆうこう性せい。

一般いっぱん正せい軍ぐん身み死し，即そく以戶中ちゅう壯丁そうてい補充ほじゅう，但ただし由よし於軍人じん生活せいかつ困苦こんく，逃兵甚多，洪ひろし武ぶ初年しょねん即そく有ゆう逃兵，至いたり洪ひろし武ぶ三さん年ねん十じゅう一いち月がつ，逃亡とうぼう者しゃ计47,986人にん，因いん此有根ね補ほ、勾補等とう方法ほうほう。“根ね補ほ”即そく抓つめ回かい逃軍，“勾補”則のり由よし其戶中ちゅう以丁補おぎなえ，但ただし此舉既すんで擾民又また擾官，縣けん裡うら承うけたまわ擔追捕と的てき任務にんむ、增加ぞうか了りょう公務こうむ負擔ふたん，亦また有ゆう軍ぐん官かん藉此貪污、為ため害がい鄉里きょうり，而且逃兵數量すうりょう有ゆう增ぞう無む減げん。正せい统三さん年ねん（1438年ねん），逃亡とうぼう官かん军竟达1,633,664人にん；此時明あかり朝廷ちょうてい開始かいし有ゆう募兵ぼへい之の舉。正德しょうとく十じゅう四年吏部尚书王おう琼上うえ疏：“天下あもり都と司つかさ卫所每ごと岁差去さ勾军官かん旗はた不ふ下した一いち万まん六ろく七なな千せん名めい，计所勾之军，百无一二到卫。有ゆう自じ洪ひろし武たけ、永えい乐年间差出で，到いた今こん三さん十じゅう餘よ年ねん，在外ざいがい娶めと妻つま生子おいご，住じゅう成家なるいえ业，通つう同どう军户，窝藏不ふ回かい。”嘉よしみ靖やすし八はち年ねん，桂かつら萼がく公布こうふ天下でんか兵籍へいせき，仅有兵士へいし九きゅう十じゅう七なな万まん。軍ぐん士し的てき逃亡とうぼう，除じょ生活せいかつ上じょう的てき因いん素もと外がい，與あずか其社會かい地位ちい的てき低落ていらく亦また有ゆう關せき，明あきら初はつ因いん需要じゅよう武力ぶりょく，故こ較重視し軍人ぐんじん，其後承うけたまわ平日へいじつ久ひさし，武力ぶりょく不ふ再さい重要じゅうよう，軍人ぐんじん地位ちい就大為ため降くだ低てい，加か上じょう以罪犯はん充たかし軍ぐん，使つかい得とく軍人ぐんじん的てき形象けいしょう更さら為ため低下ていか。嘉よしみ靖やすし年ねん间，有ゆう些衛所しょ逃亡とうぼう军士达到在籍ざいせき军士70%左右さゆう。至いたり16世せい纪初，一些卫所的逃亡军士已达其总数的80％，许多边地驻军只ただ剩あま下しも一半いっぱん。

嘉よしみ靖やすし时期，边患严重，急きゅう需兵力りょく，朝廷ちょうてい改あらため採と募兵ぼへい制せい，至いたり此 ，衛まもる所しょ制せい已やめ形がた同どう被ひ廢止はいし。募兵ぼへい不同ふどう于卫所しょ军，不ふ世よ袭，来き去ざ相あい对自由じゆう。但ただし由よし於募兵制へいせい破壞はかい了りょう早期そうき衛まもる守もり制せい“兵へい帥そち分離ぶんり”的てき構想こうそう，內閣必須ひっす将兵しょうへい权下放かほう於將領しょうりょう，明あきら朝廷ちょうてい無法むほう完全かんぜん掌てのひら控ひかえ募兵ぼへい制せい制度せいど下か的てき兵權へいけん，尤ゆう以戚继光こう的てき“戚家军”更さら为有名めい，有利ゆうり于鞏固きょうこ中央ちゅうおう集しゅう权的てき國家こっか軍ぐん隊形たいけい制せい逐漸转变成なり为了分散ぶんさん中央ちゅうおう集權しゅうけん、軍隊ぐんたい從屬じゅうぞく于個別べつ軍ぐん官かん的てき子弟してい兵へい勢力せいりょく。另外，由ゆかり於施行しこう募兵ぼへい制せい，導しるべ致軍費ひ直線ちょくせん上じょう升ます，也導致明末まつ因いん軍ぐん餉長年ねん不足ふそく，甚至經常けいじょう譁變，最後さいご為ため明あかり亡ほろび埋うめ下伏げぶせ筆ひつ。

衰弱すいじゃく

衛まもる所しょ制せい代だい有ゆう世よ兵制へいせい及屯たむろ兵へい性質せいしつ，指揮しき使し以下いか世襲せしゅう，日にち久則ひさのり軍ぐん官かん、將官しょうかん眾多，底そこ層そう軍ぐん戶ど無論むろん生活せいかつ壓力あつりょく，或ある戰せん事ごと兵役へいえき皆みな遭遇そうぐう壓迫あっぱく，終おわり難なん避免歷代れきだい兵制へいせい的てき輪わ迴。明あきら初はつ舉國衛まもる軍ぐん270萬まん，不ふ費ひ百姓ひゃくしょう一いち粒つぶ米まい，但ただし最終さいしゅう仍如王おう船山ふなやま評ひょう斷だん府ふ兵制へいせい之の言げん：「府ふ兵へい者しゃ猶なお之これ無む兵へい也。」

清きよし初はつ衛まもる所しょ

因よし衛まもる所しょ並なみ非ひ單純たんじゅん的てき軍事ぐんじ組織そしき，也同時じ是ぜ地方ちほう行政ぎょうせい組織そしき，清きよし初はつ繼承けいしょう了りょう衛まもる所しょ制度せいど，到いた雍正年間ねんかん改革かいかく行政ぎょうせい區劃くかく，才さい完全かんぜん被ひ淘汰とうた。衛まもる所しょ或ある被ひ廢除はいじょ，或ある改あらため設しつらえ為ため府ふ、廳ちょう、州しゅう、縣けん。

参考さんこう文献ぶんけん

书籍

• 陳ちん文ぶん石せき〈明代あきよ衛まもる所しょ的てき兵へい〉，《史し語ご所しょ集しゅう刊かん》，48：2(1977)，頁ぺーじ177-203。

参まいり见

• 明朝みょうちょう都と司つかさ卫所列れつ表ひょう
• 都と指ゆび挥使司し
• 军家话
• 明朝みょうちょう兵制へいせい
• 于志嘉よしみ：〈犬いぬ牙きば相しょう制せい──以明清きよし時代じだい的てき潼關衛まもる為ため例れい （页面存そん档备份，存そん于互联网档案あん馆）〉。