インドの地理 ちり (インドのちり)は多様 たよう 性 せい に富 と み、その景色 けしき も冠 かんむり 雪 ゆき した山岳 さんがく 地帯 ちたい ・砂漠 さばく ・平野 へいや ・雨林 うりん ・丘陵 きゅうりょう ・高原 こうげん とさまざまである。インド はゴンドワナ大陸 たいりく のインド=オーストラリアプレート の北側 きたがわ が分離 ぶんり 移動 いどう したインドプレート 上 うえ に位置 いち するインド亜 あ 大陸 たいりく のほぼ全域 ぜんいき を占 し める。インドの陸地 りくち はほとんどがインド洋 いんどよう に突 つ き出 だ した南 みなみ アジア の半島 はんとう 上 うえ にあり、南西 なんせい をアラビア海 かい に、南東 なんとう をベンガル湾 わん に区切 くぎ られて7000kmの海岸 かいがん 線 せん をもつ。
北 きた インド ・中央 ちゅうおう インドはほぼ全域 ぜんいき に肥沃 ひよく なヒンドゥスターン平野 へいや が広 ひろ がり、南 みなみ インド のほぼ全域 ぜんいき はデカン高原 こうげん が占 し める。国土 こくど の西部 せいぶ には岩 いわ と砂 すな のタール砂漠 さばく があり、東部 とうぶ と北東 ほくとう 部 ぶ の国境 こっきょう 地帯 ちたい は峻険 しゅんけん なヒマラヤ山脈 ひまらやさんみゃく が占 し める。インドが主張 しゅちょう するインド最高 さいこう 点 てん はパキスタン と係争 けいそう 中 ちゅう のカシミール地方 ちほう にあるK2 峰 みね (標高 ひょうこう 8,611m)である。確定 かくてい した領土 りょうど の最高 さいこう 点 てん はカンチェンジュンガ 峰 みね (同 どう 8,598m)である。気候 きこう は南端 なんたん の赤道 あかみち 地帯 ちたい からヒマラヤ の高山 たかやま 地帯 ちたい まで多様 たよう 性 せい に富 と む。
インドは北西 ほくせい 部 ぶ でパキスタンやアフガニスタン と国境 こっきょう で接 せっ し[ 注釈 ちゅうしゃく 1] 、北部 ほくぶ では中華人民共和国 ちゅうかじんみんきょうわこく ・ブータン ・ネパール 、東部 とうぶ ではミャンマー と国境 こっきょう を接 せっ し、バングラデシュ はインドの西 にし ベンガル州 しゅう と国境 こっきょう を画 かく する。インド南方 なんぽう の島嶼 とうしょ 国家 こっか のスリランカ ・モルジブ ・インドネシア とは領海 りょうかい を接 せっ する。スリランカは狭 せま いポーク海峡 かいきょう とマンナル湾 わん でインドと隔 へだ てられる。インドは28の州 しゅう と7の連邦 れんぽう 直轄 ちょっかつ 地 ち に分割 ぶんかつ される。この行政 ぎょうせい 区画 くかく は地理 ちり 的 てき 条件 じょうけん より言語 げんご や民族 みんぞく による境界 きょうかい に根 ね ざしている。
カンニヤークマリ はインド本土 ほんど の最南端 さいなんたん である。
インドは北緯 ほくい 8度 ど 4分 ふん -37度 ど 6分 ふん 、東経 とうけい 68度 ど 7分 ふん -97度 ど 25分 ふん に位置 いち する[ 1] 。陸地 りくち 総 そう 面積 めんせき 3,287,263平方 へいほう kmは世界 せかい 第 だい 7位 い である[ 2] 。国土 こくど の北端 ほくたん から南端 なんたん までの距離 きょり は3,214km、東端 ひがしばた から西端 せいたん までは2,993kmである。国境 こっきょう 線 せん は総 そう 延長 えんちょう 15,200km、海岸 かいがん 線 せん は同 どう 7,517kmである[ 3] 。
インド本土 ほんど は南東 なんとう 側 がわ をベンガル湾 わん 、南側 みなみがわ をインド洋 いんどよう 、南西 なんせい 側 がわ をアラビア海 かい に囲 かこ まれる。コモリン岬 みさき はインド半島 はんとう の最南端 さいなんたん にあり、ここで細 ほそ くなった陸地 りくち はインド洋 いんどよう に消 き える。インド領 りょう の最南端 さいなんたん はベンガル湾 わん に浮 う かぶアンダマン・ニコバル諸島 しょとう のインディラ岬 みさき である[ 3] 。インドの領海 りょうかい は領土 りょうど が確定 かくてい した基線 きせん から12海 うみ 里 さと である[ 4] 。
インドは28州 しゅう と7連邦 れんぽう 直轄 ちょっかつ 地 ち に分割 ぶんかつ され、州 しゅう はさらに県 けん に細分 さいぶん 化 か される。各州 かくしゅう は選挙 せんきょ による議会 ぎかい 制 せい の政府 せいふ をもつが、連邦 れんぽう 直轄 ちょっかつ 地 ち は連邦 れんぽう 政府 せいふ が指名 しめい した知事 ちじ が統治 とうち する。
インドとパキスタンはジャンムー・カシミール州 しゅう の領有 りょうゆう を主張 しゅちょう し、それぞれ一部 いちぶ を統治 とうち している。インドはまた中国 ちゅうごく が実効 じっこう 支配 しはい するアクサイチン というラダック の一部 いちぶ 地域 ちいき の領有 りょうゆう も主張 しゅちょう している。一方 いっぽう 中国 ちゅうごく は、インドのアルナーチャル・プラデーシュ州 しゅう の主権 しゅけん を主張 しゅちょう している。
地形 ちけい 学 がく 上 うえ インドは次 つぎ の7地域 ちいき に分類 ぶんるい される。
カラコルム山脈 さんみゃく 、東西 とうざい のヒマラヤ山脈 ひまらやさんみゃく など北部 ほくぶ 山岳 さんがく 地帯 ちたい
ヒンドゥスターン平野 へいや
タール砂漠 さばく
中央 ちゅうおう 高地 こうち とデカン高原 こうげん
東海岸 ひがしかいがん
西海岸 にしかいがん
領海 りょうかい と島嶼 とうしょ 部 ぶ [ 3]
シッキムにあるヒマラヤ山脈 ひまらやさんみゃく は世界 せかい 最高峰 さいこうほう
ヒマラヤ山脈 ひまらやさんみゃく ・ヒンドゥークシュ山脈 さんみゃく ・パトカイ山脈 さんみゃく が一 いち 繋 つな がりとなった弧状 こじょう の褶曲 しゅうきょく 山脈 さんみゃく でユーラシア大陸 たいりく から区切 くぎ られた地域 ちいき がインド亜 あ 大陸 たいりく である。この山岳 さんがく 地帯 ちたい は、ゴンドワナ大陸 たいりく の一部 いちぶ が分離 ぶんり したインドプレートが移動 いどう してユーラシアプレート に衝突 しょうとつ してはじまった造山 つくりやま 運動 うんどう により、中生代 ちゅうせいだい 末 すえ から更新 こうしん 世 よ (50万 まん 年 ねん 前 まえ )にかけて形成 けいせい されてきた。この山脈 さんみゃく に連 つら なる世界 せかい の最高峰 さいこうほう 級 きゅう の山々 やまやま は冷 つめ たい季節風 きせつふう を遮断 しゃだん し、モンスーン を生 しょう じてインドの気候 きこう を特徴付 とくちょうづ けている。この山地 さんち を水源 すいげん 地 ち とする河川 かせん は肥沃 ひよく なヒンドゥスターン平野 へいや を流 なが れる。 生物 せいぶつ 地理 ちり 学 がく 者 もの はこの山地 さんち を、ユーラシアのほぼ全域 ぜんいき にわたる温帯 おんたい 旧 きゅう 北 きた 区 く と、インド亜 あ 大陸 たいりく から東南 とうなん アジア ・インドネシア へと続 つづ く熱帯 ねったい ・亜熱帯 あねったい インドマラヤ区 く という2大 だい 生態 せいたい 圏 けん の境界 きょうかい とみなしている。歴史 れきし 上 じょう この山脈 さんみゃく は侵入 しんにゅう 者 しゃ にとって障壁 しょうへき であった。
インドには最高 さいこう 点 てん の標高 ひょうこう が1,000mを超 こ える山脈 さんみゃく が次 つぎ のように8つある。ヒマラヤ山脈 ひまらやさんみゃく は唯一 ゆいいつ 万年雪 まんねんゆき を頂 いただ く。
アラーヴァリー山脈 さんみゃく
東 ひがし ガーツ山脈 さんみゃく
ヒマラヤ山脈 ひまらやさんみゃく
パトカイ山脈 さんみゃく
ヴィンディヤ山脈 さんみゃく
西 にし ガーツ山脈 さんみゃく (またはサーヤドリ山脈 さんみゃく )
サトプラ山脈 さんみゃく
カラコルム山脈 さんみゃく
ヒマラヤ山脈 ひまらやさんみゃく には世界 せかい 最高峰 さいこうほう 級 きゅう の山々 やまやま が連 つら なる[ 5] 。この山脈 さんみゃく はインド北東 ほくとう 部 ぶ で隣国 りんごく との国境 こっきょう となる。またヒマラヤ山脈 ひまらやさんみゃく は世界 せかい でもっとも新 あたら しい山脈 さんみゃく にあたる。西 にし はジャンムー・カシミール州 しゅう から東 ひがし はアルナーチャル・プラデーシュ州 しゅう に至 いた り、50万 まん 平方 へいほう kmの地域 ちいき で標高 ひょうこう が2,500mを超 こ える[ 5] 。ヒマチャル・プラデーシュ州 しゅう ・ウッタルアーカンド州 しゅう ・シッキム州 しゅう では行政 ぎょうせい 区域 くいき のほとんどがこの山 やま 域 いき にあるといってよい。ヒマラヤ山脈 ひまらやさんみゃく には標高 ひょうこう 7,000mを超 こ える峰 みね が多数 たすう あり、雪線 せっせん はシッキム地方 ちほう の6,000mからカシミール地方 ちほう の3,000m位 くらい までと幅 はば がある。確定 かくてい したインド領 りょう の最高峰 さいこうほう はシッキム州 しゅう と隣国 りんごく ネパールの国境 こっきょう にあるカンチェンジュンガ である。ヒマラヤ山脈 ひまらやさんみゃく の峰 みね の多 おお くが万年雪 まんねんゆき を冠 かん している。
シワリク丘陵 きゅうりょう あるいは小 しょう ヒマラヤは、ヒマラヤ山脈 ひまらやさんみゃく のインド側 がわ 最 さい 前衛 ぜんえい に中 ちゅう 低 てい 山 やま が連 つら なったものである。ほとんどが岩 いわ 稜 りょう で山稜 さんりょう としては新 あたら しいため、雨季 うき には崖崩 がけくず れが頻発 ひんぱつ する。在 ざい 印 しるし ヨーロッパ人 じん の避暑 ひしょ 地 ち はこの一帯 いったい に多 おお い。山麓 さんろく では亜熱帯 あねったい 気候 きこう だが高度 こうど が上 あ がると高山 たかやま 気候 きこう になる。
インド東部 とうぶ のミャンマー国境 こっきょう にはパトカイ山脈 さんみゃく (またはPurvanchal )がある。この山脈 さんみゃく はヒマラヤと同 おな じ造山 ぞうざん 活動 かつどう で形成 けいせい された。パトカイ山脈 さんみゃく は円錐 えんすい 形 かたち の峰 みね と急斜面 きゅうしゃめん 、および深 ふか い谷 たに が特徴 とくちょう である。この山脈 さんみゃく はヒマラヤほどの高度 こうど はない。パトカイ山脈 さんみゃく はPatkai-Bum、Garo –Khasi –Jaintia 、Lushai hills という3つの中 なか ・低 てい 山 やま 帯 たい からなる。このうちGaro–Khasi山脈 さんみゃく はメーガーラヤ州 しゅう 内 うち にあり、モンスーンが吹 ふ き上 あ げる南 みなみ 斜面 しゃめん のチェラプンジ は世界 せかい でもっとも年間 ねんかん 降水 こうすい 量 りょう が多 おお いことで知 し られる[ 6] 。
インド中央 ちゅうおう に連 つら なるヴィンディヤ山脈 さんみゃく
ヴィンディヤ山脈 さんみゃく はインド中部 ちゅうぶ にある総 そう 延長 えんちょう 1,050kmの中 なか 低 てい 山 やま 帯 たい で、山 やま 峰 ほう の平均 へいきん 標高 ひょうこう は約 やく 3,000フィート(=914.4m)である[ 5] (最高 さいこう 1113m)。この山脈 さんみゃく は古 こ アラーヴァリー山脈 さんみゃく を造 つく った残滓 ざんし で形成 けいせい されたといわれる。この山脈 さんみゃく は 北 きた インドと南 みなみ インドの地理 ちり 的 てき 境界 きょうかい になる。山脈 さんみゃく はグジャラート州 しゅう の東部 とうぶ マディヤ・プラデーシュ州 しゅう との州 しゅう 境 さかい 付近 ふきん から隆起 りゅうき して東漸 とうぜん し、ガンジス川 がわ 流域 りゅういき のミルザプール付近 ふきん で消滅 しょうめつ する。
サトプラ山脈 さんみゃく はインド中部 ちゅうぶ にある低 てい 山 やま 帯 たい である。グジャラート州 しゅう 東部 とうぶ のアラビア海岸 かいがん 地方 ちほう からマハーラーシュトラ州 しゅう 、マディヤ・プラデーシュ州 しゅう を横断 おうだん してチャッティースガル州 しゅう で終 お わる。総 そう 延長 えんちょう は約 やく 900km、標高 ひょうこう 1,000mを超 こ える峰 みね は多数 たすう ある[ 5] 。北 きた を流 なが れるナルマダ川 がわ と南 みなみ を流 なが れるタプティ川 がわ が縁 えん 取 と る山 やま 域 いき は細長 ほそなが い三角形 さんかっけい をしている[ 7] 。この山脈 さんみゃく と北側 きたがわ のヴィンディヤ山脈 さんみゃく は並 なみ 走 そう しており、東西 とうざい に走 はし るこの2つの山脈 さんみゃく が北 きた のヒンドゥスターン平野 へいや と南 みなみ のデカン高原 こうげん の境界 きょうかい になっている。ナルマダ川 がわ はサトプラ山脈 さんみゃく とヴィンディヤ山脈 さんみゃく に挟 はさ まれた最深 さいしん 部 ぶ を流 なが れ、サトプラ山脈 さんみゃく の北 きた 斜面 しゃめん を洗 あら い流 なが して西 にし のアラビア海 かい へと注 つ ぎ込 こ む。
アラーヴァリー山脈 さんみゃく はインド西部 せいぶ のラージャスターン州 しゅう を北東 ほくとう から南西 なんせい に横断 おうだん し、総 そう 延長 えんちょう は約 やく 500kmである。デリー 近 ちか くのハリヤーナー州 しゅう が北東 ほくとう 端 はし となりこの辺 あたり で山脈 さんみゃく は途切 とぎ れて低 ひく い独立 どくりつ 峰 ほう や岩 いわ 稜 りょう になる。最高峰 さいこうほう は山脈 さんみゃく のほぼ南西 なんせい 端 はし でグジャラート州 しゅう との州 しゅう 境 さかい 付近 ふきん にあるアブー山 さん (標高 ひょうこう 1722m)である。この山脈 さんみゃく はアラヴァリ=デリー造山 つくりやま 運動 うんどう と呼 よ ばれる先カンブリア時代 せんかんぶりあじだい の地殻 ちかく 変動 へんどう で生 しょう じたインド最古 さいこ の山脈 さんみゃく である。北西 ほくせい 側 がわ のマルワルセグメントと南東 なんとう 側 がわ のブンデルカンドセグメントという、先史 せんし 時代 じだい のセグメント 2つがこの山脈 さんみゃく で結合 けつごう してインド剛 つよし 塊 かたまり を形成 けいせい する。
インドにある山脈 さんみゃく 、高原 こうげん 、丘陵 きゅうりょう
西 にし ガーツ山脈 さんみゃく (またはサーヤドリ山脈 さんみゃく )はデカン高原 こうげん の西 にし 縁 えん に沿 そ い、海岸 かいがん 線 せん をわずかに残 のこ して高原 こうげん 地帯 ちたい とアラビア海 かい の境界 きょうかい をなす。グジャラート州 しゅう とマハーラーシュトラ州 しゅう の州 しゅう 境 さかい に近 ちか いタプティ川 がわ の左岸 さがん (南側 みなみがわ )がこの山脈 さんみゃく の北端 ほくたん であり、マハーラーシュトラ州 しゅう 、ゴア州 しゅう 、カルナータカ州 しゅう 、ケーララ州 しゅう 、タミル・ナードゥ州 しゅう を南下 なんか してインド半島 はんとう の最南端 さいなんたん に達 たっ する。総 そう 延長 えんちょう は約 やく 1,600kmである[ 7] 。平均 へいきん 標高 ひょうこう は約 やく 1,000mで[ 7] 、ケーララ州 しゅう のカルダモン丘陵 きゅうりょう にあるアナイムディ山 やま が最高峰 さいこうほう (標高 ひょうこう 2,695m)である。この山脈 さんみゃく はアラビア海 かい とベンガル湾 わん へ流入 りゅうにゅう する河川 かせん を分 わ ける分水 ぶんすい 界 かい である。
東 ひがし ガーツ山脈 さんみゃく はインド南部 なんぶ にあり、ゴーダーヴァリ川 がわ ・マハーナディー川 がわ (英語 えいご 版 ばん ) ・クリシュナ川 がわ ・カヴェリ川 がわ という四 よっ つの河川 かせん によって寸断 すんだん され不連続 ふれんぞく である。この山脈 さんみゃく は、北 きた は西 にし ベンガル州 しゅう からオリッサ州 しゅう ・アーンドラプラデーシュ州 しゅう を経 へ て南 みなみ はタミル・ナードゥ州 しゅう まで、ベンガル湾 わん の海岸 かいがん 線 せん に沿 そ って連 つら なる。西 にし ガーツ山脈 さんみゃく ほど標高 ひょうこう は高 たか くないが、1,000mを超 こ える峰 みね は複数 ふくすう ある[ 7] 。西 にし ガーツ山脈 さんみゃく と東 ひがし ガーツ山脈 さんみゃく はタミル・ナードゥ州 しゅう のニルギリ丘陵 きゅうりょう で合流 ごうりゅう する。
ヒンドゥスターン平野 へいや
ヒンドゥスターン平野 へいや はインダス川 がわ 、ガンジス川 がわ 、ブラフマプトラ川 がわ の3水系 すいけい が生 う んだ広大 こうだい な沖積 ちゅうせき 地 ち である。 それぞれヒンドゥークシュ山脈 さんみゃく やヒマラヤ山脈 ひまらやさんみゃく に平行 へいこう に流 なが れ、西 にし はジャンムー・カシミール州 しゅう 、東 ひがし はアッサム州 しゅう を源流 げんりゅう にしてパンジャーブ州 しゅう 、ハリヤーナー州 しゅう 、ラージャスターン州 しゅう の一部 いちぶ 、ウッタル・プラデーシュ州 しゅう 、ビハール州 しゅう 、ジャールカンド州 しゅう 、西 にし ベンガル州 しゅう を貫流 かんりゅう する。この平野 へいや の面積 めんせき は約 やく 70万 まん 平方 へいほう kmで、幅 はば は数 すう 百 ひゃく キロメートルである。この水系 すいけい を構成 こうせい する主要 しゅよう 河川 かせん はガンジス川 がわ 、インダス川 がわ とその支流 しりゅう 、ビアス川 がわ 、ヤムナー川 がわ 、ゴマティ川 がわ (英語 えいご 版 ばん ) 、ラーヴィー川 がわ (英語 えいご 版 ばん ) 、チャンバル川 かわ 、サトレジ川 かわ 、チェナブ川 がわ である。
この大 だい 平野 へいや を4地域 ちいき に分割 ぶんかつ することもある。
ババール・ベルトはヒマラヤ山麓 さんろく に続 つづ く一帯 いったい で、河川 かせん 流 りゅう によって上流 じょうりゅう から運 はこ ばれた巨 きょ 礫 つぶて ・中 ちゅう 礫 つぶて からなるこの地帯 ちたい の間隙 かんげき 率 りつ は非常 ひじょう に高 たか く河川 かせん は伏流 ふくりゅう 水 すい になる。ババール・ベルトは通常 つうじょう 幅 はば が狭 せま く7-15kmである。
テライ・ベルトは、ババール・ベルトのすぐ下流 かりゅう で比較的 ひかくてき 新 あたら しい沖積 ちゅうせき 土 ど からなる。ここで伏流 ふくりゅう 水 すい は地上 ちじょう に現 あらわ れる。この地域 ちいき は湿度 しつど が非常 ひじょう に高 たか く密林 みつりん になっている。一 いち 年 ねん を通 つう じて雨量 うりょう が多 おお く野生 やせい 生物 せいぶつ の楽園 らくえん である。
バンガール・ベルトは比較的 ひかくてき 古 ふる い沖積 ちゅうせき 土 ど が形成 けいせい した台地 だいち である。ヒンドゥスターン平野 へいや ではラテライト の堆積 たいせき 物 ぶつ に覆 おお われている。
カダール・ベルトはバンガール・ベルトの下流 かりゅう の低地 ていち 帯 たい である。河川 かせん が運 はこ んだ沖積 ちゅうせき 土 ど でできたもの。
ヒンドゥスターンベルトは多数 たすう の河川 かせん が運 はこ ぶシルト が堆積 たいせき した、世界 せかい でもっとも広大 こうだい な沖積 ちゅうせき 平野 へいや である。平野 へいや は平坦 へいたん で樹木 じゅもく が少 すく なく運河 うんが による灌漑 かんがい が容易 ようい である。この地域 ちいき は地下水 ちかすい も豊富 ほうふ である。
この平野 へいや は世界 せかい でもっとも集約 しゅうやく 的 てき に農業 のうぎょう がおこなわれる地域 ちいき である。主要 しゅよう 作物 さくもつ は米 べい や小麦 こむぎ で輪作 りんさく をおこなう。その他 た トウモロコシ 、サトウキビ 、綿花 めんか の栽培 さいばい も多 おお い。またこの平野 へいや は世界 せかい で最 もっと も人口 じんこう 密度 みつど が高 たか い地域 ちいき にランクされる。
ラージャスターンにあるジャイサルメール はタール砂漠 さばく の中心 ちゅうしん に位置 いち する。
タール砂漠 さばく は大 だい インド砂漠 さばく とも呼 よ ばれ、インド西部 せいぶ にある熱 ねつ 砂漠 さばく である。パンジャーブ州 しゅう 、ハリヤーナー州 しゅう 、ラージャスターン州 しゅう 、グジャラート州 しゅう の4州 しゅう にまたがり、総 そう 面積 めんせき は約 やく 208,110平方 へいほう キロメートルである。このうち61%はラージャスターン州 しゅう にある。砂漠 さばく は国境 こっきょう を越 こ えてパキスタンまで続 つづ き、チョリスタン砂漠 さばく とよばれる。砂漠 さばく は最 さい 西端 せいたん の一部 いちぶ 地域 ちいき では砂 すな の砂漠 さばく だが残 のこ りの地域 ちいき では岩 いわ だらけである。
タール砂漠 さばく の成 な り立 た ちはよくわかっていない。ある地質 ちしつ 学者 がくしゃ は砂漠 さばく の歴史 れきし を4千 せん 年 ねん から1万 まん 年 ねん と見積 みつ もっているが、別 べつ の者 もの はこの地域 ちいき の不毛 ふもう 化 か はもっと昔 むかし に遡 さかのぼ るという。この地域 ちいき の温度 おんど 差 さ は極端 きょくたん で夏 なつ は摂氏 せっし 45度 ど 以上 いじょう 、冬 ふゆ は氷点下 ひょうてんか になる。年間 ねんかん 降雨 こうう 量 りょう は最 さい 西端 せいたん で120mm、東部 とうぶ で375mmである。降雨 こうう の少 すく なさが目立 めだ つが、この一帯 いったい はそもそもベンガル湾 わん のモンスーン(南西 なんせい 風 ふう )の通 とお り道 みち ではない。アラビア海 かい からの南西 なんせい 風 ふう もアラーヴァリー山脈 さんみゃく に遮 さえぎ られて沙漠 さばく に降雨 こうう をもたらさない。
不毛 ふもう な地域 ちいき の土壌 どじょう は砂地 すなじ かローム質 しつ である。その硬度 こうど や深度 しんど は地形 ちけい によってさまざまである。低地 ていち のローム層 そう は比重 ひじゅう が大 おお きく、粘土 ねんど ・炭酸 たんさん カルシウム ・石膏 せっこう などからなる硬 かた 盤 ばん があろう。人口 じんこう 密度 みつど が低 ひく いためインドの他 た 地域 ちいき と比 くら べると人口 じんこう が与 あた える環境 かんきょう への影響 えいきょう は少 すく ない。
中央 ちゅうおう 高地 こうち は西部 せいぶ のマールワ 高原 こうげん ・南部 なんぶ のデカン高原 こうげん (インド半島 はんとう の大半 たいはん を占 し める)・東方 とうほう ジャールカンド州 しゅう 一帯 いったい のチョーター・ナーグプル高原 こうげん の3高原 こうげん で構成 こうせい される。
デカン高原 こうげん の衛星 えいせい 写真 しゃしん
デカン高原 こうげん は大 おお きな三角形 さんかっけい をしており、北辺 ほくへん はヴィンディヤ山脈 さんみゃく 、東西 とうざい 端 はし はそれぞれ東 ひがし ガーツ山脈 さんみゃく ・西 にし ガーツ山脈 さんみゃく である。総 そう 面積 めんせき は190万 まん 平方 へいほう km、ほぼ平坦 へいたん で標高 ひょうこう は300m-600mである[ 8] 。
『デカン』の名称 めいしょう はサンスクリット語 ご で『南 みなみ 』を意味 いみ するdakshina に由来 ゆらい する。高原 こうげん は西 にし から東 ひがし に緩 ゆる く傾斜 けいしゃ しており、ゴーダーヴァリ川 がわ ・クリシュナ川 がわ ・カヴェリ川 がわ ・ナルマダ川 がわ などの河川 かせん がある。この高原 こうげん は両 りょう ガーツ山脈 さんみゃく の風下 かざしも になるため半 はん 乾燥 かんそう 地帯 ちたい である。植生 しょくせい は一部 いちぶ に落葉 らくよう 広葉樹 こうようじゅ 林 りん があるが、ほぼ全域 ぜんいき を針 はり 葉 は 低木 ていぼく 林 りん が覆 おお う。夏 なつ の気候 きこう は暑 あつ く冬 ふゆ は暖 あたた かい。
チョーター・ナーグプル高原 こうげん はインド東部 とうぶ の高原 こうげん でジャールカンド州 しゅう のほぼ全域 ぜんいき とオリッサ州 しゅう 、ビハール州 しゅう 、チャッティースガル州 しゅう の一部 いちぶ にまたがる。チョーター・ナーグプル高原 こうげん の総 そう 面積 めんせき は約 やく 65,000平方 へいほう kmであるが、これを地域 ちいき 別 べつ (県 けん と州都 しゅうと に対応 たいおう )にラーンチー・ハザーリーバーグ・コーダルマーという3高原 こうげん に細分 さいぶん 化 か する。このうちラーンチー高原 こうげん はもっとも広 ひろ く、平均 へいきん 海抜 かいばつ は700mほどである。ほぼ全域 ぜんいき がチョーター・ナーグプル乾燥 かんそう 落葉 らくよう 樹林 じゅりん という森林 しんりん に覆 おお われている。この高原 こうげん は各種 かくしゅ 鉱物 こうぶつ や石炭 せきたん の埋蔵 まいぞう 量 りょう が多 おお い。
大 だい インド半島 はんとう に次 つ いで大 おお きな半島 はんとう はグジャラート州 しゅう のカティアーワール半島 はんとう である。
東海岸 ひがしかいがん 平野 へいや は東 ひがし ガーツ山脈 さんみゃく とベンガル湾 わん に挟 はさ まれた細長 ほそなが い平野 へいや で、南 みなみ はタミル・ナードゥ州 しゅう から北 きた は西 にし ベンガル州 しゅう まで広 ひろ がる。マハーナディー川 がわ 、ゴーダーヴァリ川 がわ 、カヴェリ川 がわ 、クリシュナ川 がわ などの河川 かせん の三角州 さんかくす はこの平野 へいや に大 おお きな面積 めんせき を占 し める。この地域 ちいき はモンスーンの北東 ほくとう 風 ふう と南西 なんせい 風 ふう の影響 えいきょう を受 う けて雨 あめ が多 おお く、年間 ねんかん 降雨 こうう 量 りょう は1,000mm-3,000mmである。平野 へいや の幅 はば は場所 ばしょ により異 こと なるが100km-130kmである[ 9] 。
平野 へいや は次 つぎ の6地域 ちいき に分類 ぶんるい することができる。マハーナディーデルタ地帯 ちたい 、アーンドラプラデーシュ南部 なんぶ 平野 ひらの 、クリシュナ・ゴーダーヴァリデルタ地帯 ちたい 、カーニャクマーリ海岸 かいがん 、コロマンデル海岸 かいがん 、砂浜 すなはま 海岸 かいがん 。
インド西海岸 にしかいがん にあるゴアの海岸 かいがん 線 せん
西海岸 にしかいがん 平野 へいや は西 にし ガーツ山脈 さんみゃく とアラビア海 かい に挟 はさ まれた狭 せま い地域 ちいき である。北 きた はグジャラート州 しゅう から始 はじ まり、マハーラーシュトラ州 しゅう 、ゴア州 しゅう 、カルナータカ州 しゅう 、ケーララ州 しゅう を縦断 じゅうだん する。幅 はば は場所 ばしょ によるが50km-100kmである。
小 しょう 河川 かせん と沼沢 ぬまさわ が多 おお く氾濫 はんらん しやすい。西 にし ガーツ山脈 さんみゃく を水源 すいげん 地 ち にアラビア海 かい に流 なが れる河川 かせん は流速 りゅうそく が高 たか く、一 いち 年 ねん を通 つう じて水量 すいりょう が豊富 ほうふ である。河川 かせん が急流 きゅうりゅう であるため三角州 さんかくす ではなく三角 みすみ 江 こう ができやすい。アラビア海 かい に流入 りゅうにゅう する主要 しゅよう 河川 かせん にはタプティ川 がわ ・ナルマダ川 がわ ・マンドヴィ川 がわ ・ズアーリ川 がわ などがある。
この海岸 かいがん は3地域 ちいき で名称 めいしょう が違 ちが う。北部 ほくぶ マハーラーシュトラ州 しゅう とゴア州 しゅう ではコンカン海岸 かいがん 、中部 ちゅうぶ カルナータカ州 しゅう ではカナラ海岸 かいがん 、南部 なんぶ ケーララ州 しゅう ではマラバール海岸 かいがん とよばれる。落葉樹 らくようじゅ が多 おお いことはこの地域 ちいき の植生 しょくせい の特徴 とくちょう である。マラバール海岸 かいがん にはマラバール海岸 かいがん 湿潤 しつじゅん 林 りん という珍 めずら しい生態 せいたい 圏 けん がある。
インドはラッカディブ諸島 しょとう とアンダマン・ニコバル諸島 しょとう という2島嶼 とうしょ を領有 りょうゆう する。いずれもインド連邦 れんぽう 政府 せいふ が連邦 れんぽう 直轄 ちょっかつ 地 ち として統治 とうち する。
ラッカディブ諸島 しょとう は、ケーララ州 しゅう の沖合 おきあい 200km-300kmのアラビア海 かい に浮 う かぶ。12の環礁 かんしょう ・3の珊瑚礁 さんごしょう ・5の小島 こじま からなる。このうち10島 とう は有人 ゆうじん である。アンダマン・ニコバル諸島 しょとう は、北緯 ほくい 6度 ど -14度 ど 、東経 とうけい 92度 ど -94度 ど に位置 いち する[ 10] 。
ミャンマーの海岸 かいがん から近 ちか いベンガル湾 わん に572島 とう が点在 てんざい する。コルカタ から1,255km、ミャンマーの首都 しゅと ヤンゴン から約 やく 500kmであり、至近 しきん のミャンマー領 りょう の島 しま まで193kmである[ 10] 。
アンダマン諸島 しょとう は、352kmの範囲 はんい に点在 てんざい する204の群島 ぐんとう である。ニコバル諸島 しょとう は、アンダマン諸島 しょとう の南 みなみ に点在 てんざい する22の島 しま で総 そう 面積 めんせき は1,841平方 へいほう kmである。最高 さいこう 点 てん はThullier山 やま で標高 ひょうこう 642mである。インド最南端 さいなんたん のインディラ岬 みさき は、このニコバル諸島 しょとう にあり、インドネシアのスマトラ島 すまとらとう まで189kmである。
インド半島 はんとう の海岸 かいがん に近 ちか い島 しま で、主要 しゅよう なものは旧 きゅう ポルトガル 領 りょう のディーウ 島 しま 、ムンバイ 市街 しがい がありインド最大 さいだい の人口 じんこう を擁 よう するサーシュティー島 とう 、ボンベイ港 こう のエレファンタ島 とう 、アーンドラプラデーシュ州 しゅう のシュリーハリコータ 砂洲 さす 島 しま がある。アッサム州 しゅう のマジュリ島 とう は、ブラフマプトラ川 がわ に浮 う かぶ巨大 きょだい な中州 なかす である。
インドにおける河川 かせん
インドの主要 しゅよう 河川 かせん は次 つぎ の3分水 ぶんすい 界 かい を水源 すいげん 地 ち にする[ 7] 。
ヒマラヤ山脈 ひまらやさんみゃく ・カラコルム山脈 さんみゃく
ヴィンディヤ山脈 さんみゃく ・サトプラ山脈 さんみゃく
西 にし ガーツ山脈 さんみゃく
ヒマラヤ水系 すいけい は氷河 ひょうが の融解 ゆうかい 水 すい で年間 ねんかん を通 つう じて水流 すいりゅう がある。他 た の2水系 すいけい はモンスーン次第 しだい で乾季 かんき には流量 りゅうりょう が極端 きょくたん に減少 げんしょう する。
12の河川 かせん を主要 しゅよう 河川 かせん と分類 ぶんるい し、その総 そう 流域 りゅういき 面積 めんせき は2,528,000平方 へいほう km以上 いじょう になる[ 7] 。
ヒマラヤからジャンムー・カシミール州 しゅう を経 へ てパキスタンへと流 なが れるのはインダス川 がわ とその支流 しりゅう のビアス川 がわ ・チェナブ川 がわ ・ラーヴィー川 がわ ・サトレジ川 がわ ・ジェラム川 がわ である[ 11] 。
ガンジス・ブラフマプトラ・メガナ水系 すいけい の流域 りゅういき 面積 めんせき は1,100,000平方 へいほう kmでインド最大 さいだい である[ 7] 。ガンジス川 がわ の源流 げんりゅう はウッタラーカンド州 しゅう のガンゴトリ氷河 ひょうが で[ 11] 、ヒンドゥスターン平野 へいや を南東 なんとう へ流 なが れたあとバングラデシュに入 はい る[ 7] 。ヤムナー川 がわ とゴマティ川 かわ もヒマラヤ西部 せいぶ にはじまりヒンドゥスターン平野 へいや でガンジス川 がわ に合流 ごうりゅう する[ 7] 。ガンジス川 がわ の別 べつ の支流 しりゅう ブラフマプトラ川 がわ は水源 すいげん 地 ち のチベット からインド最 さい 東 ひがし 端 はし のアルナーチャル・プラデーシュ州 しゅう に流入 りゅうにゅう する。その後 ご 西 にし に方向 ほうこう を変 か えバングラデシュでガンジス川 がわ に合流 ごうりゅう する[ 7] 。
ガンジス川 がわ のもうひとつの支流 しりゅう チャンバル川 がわ はヴィンディヤ・サトプラ分水 ぶんすい 界 かい を水源 すいげん に東 ひがし へ流 なが れる。この分水 ぶんすい 界 かい から西 にし に流 なが れるのはナルマダ川 がわ とタプティ川 がわ であり、グジャラート州 しゅう でアラビア海 かい に流入 りゅうにゅう する。東 ひがし から西 にし にアラビア海 かい へと流 なが れる河川 かせん 水系 すいけい はインドの河川 かせん の総 そう 流量 りゅうりょう の10%である。
西 にし ガーツ山脈 さんみゃく はデカン高原 こうげん を流 なが れるすべての河川 かせん の水源 すいげん 地 ち である。主要 しゅよう 河川 かせん はマハーナディー河口 かこう 三角州 さんかくす を形成 けいせい するマハーナディー川 がわ 、ゴーダーヴァリ川 がわ 、クリシュナ川 がわ 、カヴェリ川 がわ などで、すべてベンガル湾 わん に流入 りゅうにゅう する。その総 そう 流量 りゅうりょう はインド全域 ぜんいき の20%を占 し める[ 11] 。
ベンガル北西 ほくせい 部 ぶ を潤 うるお すタプティ川 かわ
主要 しゅよう な湾 わん にはグジャラート州 しゅう の東西 とうざい にカンバト湾 わん とカッチ湾 わん が、タミル・ナードゥ州 しゅう にマンナル湾 わん がある。海峡 かいきょう にはインドとスリランカを隔 へだ てるポーク海峡 かいきょう 、アンダマン諸島 しょとう とニコバル諸島 しょとう を隔 へだ てるテンディグリー海峡 かいきょう 、アラビア海 かい のラッカディブ諸島 しょとう とアミンディヴィ諸島 しょとう を隔 へだ てるナインディグリー海峡 かいきょう がある。岬 みさき にはインド半島 はんとう の最南端 さいなんたん コモリン岬 みさき (Kanniya kumari)、インド領 りょう の最南端 さいなんたん インディラ岬 みさき 、その他 た スリランカに近 ちか いラームセトゥ(ラーマの橋 はし )、コロマンデル海岸 かいがん のカヴェリ川 がわ 河口 かわくち デルタのカリメレ岬 みさき (Kodikkari)がある。アラビア海 かい はインド半島 はんとう の西 にし に、ベンガル湾 わん はインド半島 はんとう の東 ひがし に、インド洋 いんどよう はインド半島 はんとう の南 みなみ にあたる。
小規模 しょうきぼ な海域 かいいき にはラッカディブ海 うみ やアンダマン海 かい がある。珊瑚礁 さんごしょう はアンダマン・ニコバル諸島 しょとう 、マンナル湾 わん 、ラッカディブ諸島 しょとう 、カッチ湾 わん の4海域 かいいき にみられる[ 12] 。
主要 しゅよう な湖沼 こしょう には、オリッサ州 しゅう にあるインド最大 さいだい の塩水 えんすい 湖 みずうみ チルカ湖 こ 、アーンドラプラデーシュ州 しゅう のKolleru湖 こ 、マニプル州 しゅう のLoktak湖 こ 、ジャンムー・カシミール州 しゅう のダル湖 こ 、ラージャスターン州 しゅう のSambhar湖 こ 、ケーララ州 しゅう のSasthamkotta湖 みずうみ がある。
湿地 しっち 帯 おび は水系 すいけい と陸 りく 系 けい の中 なか 間 あいだ 的 てき 存在 そんざい で、地下水 ちかすい 位 い が高 たか く地表 ちひょう が薄 すすき ら水 すい に覆 おお われている[ 13] 。海岸 かいがん 線 せん にあっては海 うみ 波 は による侵食 しんしょく や土壌 どじょう 流出 りゅうしゅつ を防 ふせ ぐ働 はたら きがあるので、熱帯 ねったい 性 せい の暴風雨 ぼうふうう による破滅 はめつ 的 てき 被害 ひがい を和 やわ らげる緩衝 かんしょう 帯 たい になる。インドの湿原 しつげん 生態 せいたい 系 けい は冷涼 れいりょう 性 せい から乾燥 かんそう 性 せい まで、またジャンムー・カシミール州 しゅう のラダック地方 ちほう からインド半島 はんとう の高温 こうおん 高 だか 湿 しめ のものまで幅広 はばひろ く分布 ぶんぷ している。湿地 しっち 帯 たい のほとんどは直接 ちょくせつ ・間接 かんせつ に河川 かせん と関係 かんけい がある。1987年 ねん には政府 せいふ 湿原 しつげん 保護 ほご 計画 けいかく を策定 さくてい し、71の湿原 しつげん を保護 ほご 対象 たいしょう に指定 してい した[ 13] 。
マングローブ 林 はやし は三角 さんかく 江 え や小 しょう 河川 かせん 、沼沢 しょうたく 地 ち など汽水域 すいいき となるインドの海岸 かいがん 線 せん のいたるところで見 み られる。インドのマングローブ林 りん は総 そう 面積 めんせき 4,461kmで世界 せかい のマングローブ林 りん の7%を占 し める[ 14] 。アンダマン・ニコバル諸島 しょとう やガンジス河口 かこう のスンダルバンデルタ、カッチ湾 わん 、マハーナディー川 がわ 、ゴーダーヴァリ川 がわ 、クリシュナ川 がわ の河口 かこう デルタ地帯 ちたい をはじめ、マハーラーシュトラ州 しゅう 、カルナータカ州 しゅう 、ケーララ州 しゅう では広大 こうだい なマングローブ林 りん が見 み られる[ 12] 。
確認 かくにん された湿地 しっち 帯 たい の多 おお くはその全域 ぜんいき または一部 いちぶ が保護 ほご 区 く や国立 こくりつ 公園 こうえん に指定 してい された。
インドとバングラデシュに広 ひろ がるガンジス川 がわ デルタ
シュンドルボン の河口 かこう デルタ は世界 せかい 最大 さいだい のマングローブ林 りん である。ガンジス川 がわ の河口 かこう にあり、バングラデシュからインドの西 にし ベンガル州 しゅう に亘 わた って広 ひろ がる。バングラデシュ側 がわ とインド側 がわ でそれぞれシュンドルボンとシュンドルボン国立 こくりつ 公園 こうえん としてユネスコ の世界 せかい 遺産 いさん に登録 とうろく されているが、もとは一 いち 続 つづ きの密林 みつりん である。スンダルバンは潮汐 ちょうせき の水路 すいろ となる汽水域 すいいき と干潟 ひかた 、小島 こじま からなるマングローブ林 りん であり、生態 せいたい 系 けい の観察 かんさつ には最適 さいてき である。
この一帯 いったい は豊 ゆた かな動物 どうぶつ 相 しょう で知 し られる。有名 ゆうめい なベンガルトラ のほか鳥 とり やヘビ の種類 しゅるい は多 おお く、ワニ やシカ も生息 せいそく する。現在 げんざい ベンガルトラは約 やく 400頭 とう 、シカは約 やく 3万 まん 頭 とう が生息 せいそく すると推計 すいけい されている。
カッチ湿地 しっち (Rann of Kutch )はグジャラート州 しゅう とシンド州 しゅう (パキスタン)にまたがる大 だい 汽水沼沢 しょうたく である。その名称 めいしょう にあるrann はヒンディー語 ご で『汽水沼沢 しょうたく 』を意味 いみ する。総 そう 面積 めんせき は27,900平方 へいほう kmである[ 15] 。
この一帯 いったい はもともとアラビア海底 かいてい で、地殻 ちかく 変動 へんどう により隆起 りゅうき して広大 こうだい な汽水干潟 ひがた になったらしいが、その後 ご 徐々 じょじょ にシルトが流入 りゅうにゅう して通年 つうねん 干潟 ひがた は姿 すがた を消 け した。現在 げんざい 、モンスーンの季 き 節 ぶし には膝 ひざ の深 ふか さほどに水 みず が溢 あふ れる沼沢 しょうたく 地 ち と化 か し、モンスーンの季 き 節 ぶし が終 お わると乾燥 かんそう した土壌 どじょう が現 あらわ れる。
インドの土壌 どじょう は、沖積 ちゅうせき 土 ど 、黒土 こくど 、赤土 あかつち 、ラテライト 土 ど 、森林 しんりん 土 ど 、乾燥 かんそう 砂漠 さばく 土 ど 、アルカリ塩土 しおど 、泥炭 でいたん 有機 ゆうき 土 ど の8種類 しゅるい に分類 ぶんるい される[ 16] [ 17] 。このうちはじめの4種類 しゅるい が国土 こくど の80%を覆 おお う。沖積 ちゅうせき 土 ど はインドでもっともふんだんに見 み られるが[ 17] 、これは数々 かずかず の河川 かせん が運 はこ ぶシルト が細 ほそ 粒 つぶ 化 か したものである[ 17] 。沖積 ちゅうせき 土 ど は肥沃 ひよく だが腐植 ふしょく 土 ど (有機 ゆうき 土 ど )や窒素 ちっそ が少 すく ない[ 17] 。この土壌 どじょう はひろくパンジャーブ地方 ちほう からアッサム渓谷 けいこく に至 いた る大 だい 平野 へいや でみられる。
黒土 こくど はマハーラーシュトラ州 しゅう 、グジャラート州 しゅう 、マディヤ・プラデーシュ州 しゅう のデカン洪水 こうずい 玄武岩 げんぶがん 地帯 ちたい によくみられる[ 18] 。粘土 ねんど の含有 がんゆう 率 りつ が高 たか く保水 ほすい 力 りょく に優 すぐ れる[ 17] 。この特性 とくせい から乾燥 かんそう 地 ち 農業 のうぎょう に適 てき し綿花 めんか や亜麻仁 あまに などが栽培 さいばい される。
赤土 あかつち は鉄分 てつぶん を多 おお く含有 がんゆう し、タミル・ナードゥ州 しゅう ・カルナータカ高原 こうげん ・アーンドラ高原 こうげん にみられる[ 18] 。アラーヴァリー山脈 さんみゃく からチョーター・ナーグプル高原 こうげん に至 いた る高 こう 地帯 ちたい では赤土 あかつち がよく見 み られる。窒素 ちっそ ・リン ・腐植 ふしょく 土 ど (有機 ゆうき 土 ど )に乏 とぼ しい[ 17] [ 18] 。
ラテライト土 ど は激 はげ しい降雨 こうう に見舞 みま われる熱帯 ねったい 地方 ちほう で形成 けいせい される。激 はげ しい降雨 こうう が土壌 どじょう 表層 ひょうそう の水溶 すいよう 性 せい 物質 ぶっしつ を洗 あら い流 なが すと、土壌 どじょう 中 ちゅう の鉄 てつ やアルミニウム の水酸化 すいさんか 反応 はんのう が進行 しんこう してケイ酸 けいさん が少 すく ない赤色 あかいろ 土壌 どじょう が出現 しゅつげん する。この土壌 どじょう は西 にし ガーツ山脈 さんみゃく 地域 ちいき 、東 ひがし ガーツ山脈 さんみゃく 地域 ちいき 、北東 ほくとう 州 しゅう の高地 こうち など降水 こうすい 量 りょう が多 おお い地域 ちいき に見 み られる。
森林 しんりん 土 ど はヒマラヤ山脈 ひまらやさんみゃく 、西 にし ガーツ山脈 さんみゃく 、東 ひがし ガーツ山脈 さんみゃく など山岳 さんがく 地帯 ちたい の斜面 しゃめん に見 み られる。落葉 らくよう や腐植 ふしょく 土 ど などに由来 ゆらい する有機 ゆうき 質 しつ に富 と む。ここでは茶 ちゃ やコーヒー が栽培 さいばい される。
地理 ちり 的 てき に広大 こうだい で地形 ちけい も多様 たよう であるためインドの気候 きこう を一般 いっぱん 化 か することはできない。ケッペンの気候 きこう 区分 くぶん によれば、インドは6つの気候 きこう 区分 くぶん で分割 ぶんかつ される。西部 せいぶ の乾燥 かんそう 砂漠 さばく 気候 きこう 、北部 ほくぶ の高山 こうざん 性 せい ツンドラ 氷河 ひょうが 気候 きこう 、さらに南西 なんせい 部 ぶ や島嶼 とうしょ 部 ぶ の雨林 うりん を涵養 かんよう する湿潤 しつじゅん 熱帯 ねったい 気候 きこう まで幅広 はばひろ い。各地 かくち にそれぞれ局地 きょくち 的 てき 気候 きこう がある。国家 こっか 的 てき 単位 たんい では次 つぎ のような四季 しき がある。冬 ふゆ (1-2月 がつ )、夏 なつ (3-5月 がつ )、モンスーン(または雨季 うき :6-9月 がつ )、モンスーン明 あ け(10月 がつ -12月)[ 11] 。モンスーン以外 いがい の季 き 節 ぶし を乾季 かんき とみることもできる。
インドの地理 ちり や地質 ちしつ は気候 きこう に大 おお きく影響 えいきょう しているが、これは北 きた のヒマラヤ山脈 ひまらやさんみゃく や北西 ほくせい のタール砂漠 さばく に顕著 けんちょ に見 み られる。厳寒 げんかん 期 き に中央 ちゅうおう アジア から南下 なんか する季節風 きせつふう はヒマラヤ山脈 ひまらやさんみゃく に遮 さえぎ られ、北 きた インドに吹 ふ き降 お ろす頃 ころ には暖 あたた まり冬 ふゆ の寒 さむ さは厳 きび しくない。夏 なつ には同 おな じ事情 じじょう でインドは暑 あつ くなる。北回帰線 きたかいきせん がインドの中央 ちゅうおう 部 ぶ を通過 つうか するが、気候 きこう 的 てき には国 くに 全体 ぜんたい が熱帯 ねったい 地方 ちほう とみるものもある。
インド各地 かくち の平均 へいきん 気温 きおん
インドのほぼ全域 ぜんいき で3月 がつ から5月 がつ は夏 なつ になる。内陸 ないりく では日 にち 中 ちゅう の最高 さいこう 気温 きおん が40℃を超 こ える。海岸 かいがん 部 ぶ では30℃を超 こ えて湿度 しつど が高 たか い。タール砂漠 さばく では気温 きおん が45℃を超 こ える。
夏 なつ に続 つづ いて南西 なんせい モンスーンがインドのほぼ全域 ぜんいき に雨 あめ を降 ふ らせる。雨雲 あまぐも はタール砂漠 さばく にできる低 てい 気圧 きあつ がもたらす。ケララ海岸 かいがん を季節風 きせつふう が渡 わた る時 とき がモンスーン入 い りとされ、例年 れいねん 6月1日 にち 頃 ころ になる。南西 なんせい モンスーンはベンガル湾 わん 風 ふう とアラビア海風 かいふう の二 ふた つに分類 ぶんるい される。ベンガル湾 わん 風 ふう は北上 ほくじょう すると6月 がつ 上旬 じょうじゅん 頃 ごろ にはインド北東 ほくとう 部 ぶ に吹 ふ き始 はじ める。そしてデリーが雨季 うき に入 はい るのは例年 れいねん 6月29日 にち 頃 ころ である。アラビア海風 かいふう が北上 ほくじょう すると西 にし ガーツ山脈 さんみゃく の西側 にしがわ 斜面 しゃめん に大量 たいりょう の雨 あめ を降 ふ らせる。7月 がつ 上旬 じょうじゅん にはインドのほぼ全域 ぜんいき が雨季 うき に入 はい る。
北 きた インドでは8月 がつ 、ケーララ州 しゅう では10月 がつ にはモンスーンは終了 しゅうりょう する。モンスーン後 ご の短 みじか い期間 きかん は穏 おだ やかな天気 てんき が続 つづ く。北部 ほくぶ では11月に冬 ふゆ が始 はじ まる。
冬 ふゆ は北 きた インドでは11月、南 みなみ インドでは12月下旬 げじゅん にはじまる。インド半島 はんとう の冬 ふゆ は、日 にち 中 ちゅう 暖 あたた かく夜間 やかん は涼 すず しい。北 きた へ行 い くほど気温 きおん は下 さ がる。平野 へいや の一部 いちぶ では氷点下 ひょうてんか になることがある。この時期 じき 北 きた インドでは霧 きり がかかりやすい。
インドのこれまでの最高 さいこう 気温 きおん は1955年 ねん にラージャスターン州 しゅう アルワルで記録 きろく された50.6℃である。最低 さいてい 気温 きおん はカシミール州 しゅう で記録 きろく された-45℃である。近年 きんねん オリッサ州 しゅう で計測 けいそく されたという55℃はインドの気象 きしょう 当局 とうきょく により疑問 ぎもん が呈 てい されている。
インドの地質 ちしつ 学 がく 的 てき 区分 くぶん 更新 こうしん 世 よ 以降 いこう に形成 けいせい (黄 き 緑 みどり )、第 だい 三紀 みき に形成 けいせい (黄 き )、中生代 ちゅうせいだい 白 はく 亜紀 あき 末 まつ から新生代 しんせいだい 第 だい 三紀 みき 初期 しょき に及 およ ぶデカントラップ (薄紫 うすむらさき )、先 さき カンブリア代 だい を主 おも とし一部 いちぶ が二 に 畳 じょう 紀 き と三 さん 畳 じょう 紀 き に由来 ゆらい するゴンドワナ地域 ちいき とビンドヤ山地 さんち (濃緑 こみどり )、先 さき カンブリア代 だい に形成 けいせい (紫 むらさき )
ヒマラヤ山脈 ひまらやさんみゃく はインド=オーストラリアプレートの一部 いちぶ とユーラシアプレートが衝突 しょうとつ した結果 けっか 生 しょう じたものである。この衝突 しょうとつ は現在 げんざい も進行 しんこう 中 ちゅう で山脈 さんみゃく は毎年 まいとし 1cm隆起 りゅうき し続 つづ けている。インドには地質 ちしつ 学 がく 的 てき 年代 ねんだい の全 ぜん 時代 じだい にわたる地層 ちそう が見 み られるが大 だい 部分 ぶぶん の基盤 きばん となるのは25億 おく 年 ねん 前 まえ に出来 でき た片 かた 麻 あさ 岩 がん と花崗岩 かこうがん で、この時 とき はパンゲア の一部 いちぶ としてアフリカ大陸 たいりく にあった。1億 おく 6千 せん 万 まん 年 ねん 前 まえ のジュラ紀 じゅらき にパンゲアの分裂 ぶんれつ でゴンドワナ大陸 たいりく が生 しょう じ、1億 おく 2千 せん 5百 ひゃく 万 まん 年 ねん 前 まえ の白 はく 亜紀 あき にインド亜 あ 大陸 たいりく がマダガスカルと共 とも に分裂 ぶんれつ 、9千 せん 万 まん 年 ねん 前 まえ にさらにマダガスカルから分裂 ぶんれつ し北上 ほくじょう 移動 いどう を始 はじ め、1千 せん 万 まん 年 ねん 前 まえ にはほぼ現在 げんざい 位置 いち に達 たっ したとプレートテクトニクス は推定 すいてい する。
インドの地質 ちしつ を形成 けいせい 年代 ねんだい によって分類 ぶんるい すると以下 いか のようになる[ 19] 。
先カンブリア時代 せんかんぶりあじだい のクダッパ・ヴィンディヤ系 けい 地層 ちそう の形成 けいせい は東部 とうぶ ・南部 なんぶ 州 しゅう に広 ひろ くみられる。この時代 じだい の地層 ちそう は西部 せいぶ ・中央 ちゅうおう 州 しゅう にもわずかにみられる[ 19] 。
古生代 こせいだい のカンブリア紀 き ・オルドビス紀 き ・シルル紀 おさむ ・デボン紀 き に形成 けいせい された地層 ちそう はジャンムー・カシミール州 しゅう やヒマチャルプラデーシュ州 しゅう のヒマラヤ山脈 ひまらやさんみゃく 西部 せいぶ にみられる[ 19] 。
石炭 せきたん 紀 き ・ペルム紀 き および中生代 ちゅうせいだい 三 さん 畳 じょう 紀 き ・ジュラ紀 じゅらき の地層 ちそう はヒマラヤ山脈 ひまらやさんみゃく 西部 せいぶ で見 み られる。ジュラ系 けい 地層 ちそう はラージャスターン州 しゅう でもみられる。
デカントラップ はデカン高原 こうげん で総 そう 面積 めんせき 50万 まん 平方 へいほう kmを占 し める溶岩 ようがん 台地 だいち で、中生代 ちゅうせいだい 白 はく 亜紀 あき 以後 いご の火山 かざん 活動 かつどう と地 ち 塊 かたまり 運動 うんどう により形成 けいせい された[ 19] 。トラップの土壌 どじょう は黒色 こくしょく で農耕 のうこう に適 てき している。
新生代 しんせいだい 第 だい 三紀 みき の地層 ちそう はマニプール州 しゅう とナガランド州 しゅう の一部 いちぶ とアルナーチャル・プラデーシュ州 しゅう のヒマラヤベルト地帯 ちたい で見 み ることができる。白亜 はくあ 系 けい はインド中部 ちゅうぶ のヴィンディヤ山脈 さんみゃく とヒンドゥスターン平野 へいや の一部 いちぶ でみられる[ 19] 。
このゴンドワナ系 けい 地層 ちそう はヴィンディヤ山脈 さんみゃく とサトプラ山脈 さんみゃく に挟 はさ まれたナルマダ川 がわ 流域 りゅういき でもみられる。始 はじめ 新 しん 世 よ の地層 ちそう はヒマラヤ山脈 ひまらやさんみゃく 西部 せいぶ とアッサム州 しゅう でみられる。漸 やや 新 しん 世 よ の地層 ちそう はグジャラート州 しゅう のカッチ地方 ちほう とアッサム州 しゅう でみられる[ 19] 。
更新 こうしん 世 よ の地層 ちそう はインド中央 ちゅうおう 部 ぶ でみられる。鉱物 こうぶつ 資源 しげん に恵 めぐ まれ褐炭 かったん 、鉄鉱 てっこう 石 せき 、マグネシウム 、ボーキサイト が豊富 ほうふ である。アンダマン・ニコバル諸島 しょとう はこの時代 じだい の火山 かざん 活動 かつどう で形成 けいせい されたと考 かんが えられている[ 19] 。
インドは天然 てんねん 資源 しげん に恵 めぐ まれている。国土 こくど の56%が耕作 こうさく 可能 かのう であるほか、地下 ちか 資源 しげん も石炭 せきたん (世界 せかい 第 だい 4位 い の埋蔵 まいぞう 量 りょう )、鉄鉱 てっこう 石 せき 、マンガン 、雲母 うんも 、ボーキサイト、チタン 鉱石 こうせき 、クロム 、天然 てんねん ガス 、ダイアモンド 、石油 せきゆ 、石灰石 せっかいせき などがある[ 20] 。ケーララ州 しゅう の海岸 かいがん 沿 ぞ いにはトリウム 鉱脈 こうみゃく があるが、採算 さいさん ベースに見合 みあ う世界 せかい のトリウム資源 しげん の24%を埋蔵 まいぞう する[ 21] 。
石油 せきゆ はマハーラーシュトラ州 しゅう とグジャラート州 しゅう の沖合 おきあい で生産 せいさん されており、ラージャスターン州 しゅう とアッサム州 しゅう で油田 ゆでん が確認 かくにん されているが、国内 こくない 需要 じゅよう の40%を満 み たすのみである。アーンドラプラデーシュ州 しゅう の沖合 おきあい では天然 てんねん ガス田 た が相次 あいつ いで発見 はっけん されている。アーンドラプラデーシュ州 しゅう にはウラン 鉱 こう が、カルナータカ州 しゅう には金 きむ 鉱 こう がある。
インドにおける自然 しぜん 災害 さいがい
インドでは自然 しぜん 災害 さいがい により多 おお くの人命 じんめい と財産 ざいさん が失 うしな われてきた。旱魃 かんばつ ・突発 とっぱつ 的 てき 洪水 こうずい ・サイクロン ・崖崩 がけくず れ・集中 しゅうちゅう 豪雨 ごうう による土砂崩 どしゃくず れ ・豪雪 ごうせつ が脅威 きょうい である。これ以外 いがい には夏 なつ に頻発 ひんぱつ する砂塵 さじん 嵐 あらし があるが、これは北部 ほくぶ で発生 はっせい して南部 なんぶ まで移動 いどう しながら乾燥 かんそう 地方 ちほう の砂塵 さじん を大量 たいりょう に撒 ま き散 ち らし、北 きた インドを中心 ちゅうしん に深刻 しんこく な被害 ひがい を与 あた える[ 22] 。霰 もインド各地 かくち で発生 はっせい し、収穫 しゅうかく 前 まえ のコメ やコムギ に深刻 しんこく な打撃 だげき となる。
小 しょう ヒマラヤでは地滑 じすべ り が多発 たはつ する。この地域 ちいき の山稜 さんりょう は地質 ちしつ が新 あたら しく不安定 ふあんてい であるため地滑 じすべ りしやすい。西 にし ガーツ山脈 さんみゃく の一部 いちぶ 地域 ちいき でも地滑 じすべ りが多発 たはつ する。カシミール州 しゅう ・ヒマチャルプラデーシュ州 しゅう ・シッキム州 しゅう では崖崩 がけくず れが発生 はっせい しやすい。洪水 こうずい はインドでもっともよく知 し られた自然 しぜん 災害 さいがい である。モンスーンの南西 なんせい 風 ふう が大量 たいりょう の雨 あめ をもたらし、 ブラフマプトラ川 がわ や他 た の河川 かせん が急激 きゅうげき に増水 ぞうすい しては頻繁 ひんぱん に流域 りゅういき にあふれ出 だ し、付近 ふきん 一帯 いったい を水没 すいぼつ させる。洪水 こうずい は天然 てんねん の灌漑 かんがい と土壌 どじょう の肥沃 ひよく 化 か をいう恩恵 おんけい をもたらすが、千 せん を超 こ える生命 せいめい と数 すう 百 ひゃく 万 まん 人 にん の住居 じゅうきょ を奪 うば う一 いち 面 めん もある。季節外 きせつはず れの豪雨 ごうう も災害 さいがい を起 お こし農作物 のうさくもつ に被害 ひがい を与 あた える[ 23] [ 24] 。洪水 こうずい はインドのほぼ全域 ぜんいき で発生 はっせい し、インド中央 ちゅうおう 部 ぶ では鉄砲水 てっぽうみず や集中 しゅうちゅう 豪雨 ごうう などがここ数 すう 十 じゅう 年間 ねんかん で増加 ぞうか 傾向 けいこう にあるが、これは偶然 ぐうぜん にも気温 きおん の上昇 じょうしょう と軌 き を一 いつ にしている。一方 いっぽう ほどよい雨 あめ を降 ふ らせる気圧 きあつ 配置 はいち の頻度 ひんど は低下 ていか しており、平均 へいきん 年間 ねんかん 降水 こうすい 量 りょう にはあまり変化 へんか がない[ 25] 。
赤道 せきどう 低圧 ていあつ 帯 たい で発生 はっせい するサイクロンは海岸 かいがん 地方 ちほう に大 おお きな被害 ひがい をもたらす。サイクロンの大雨 おおあめ ・高潮 こうちょう ・強風 きょうふう により被災 ひさい 地 ち はしばしば孤立 こりつ し救援 きゅうえん や補給 ほきゅう を断 た たれる。北 きた インド洋 いんどよう では4月 がつ から12月がサイクロンの季 き 節 ぶし で、5月から11月 がつ にかけて活動 かつどう が活発 かっぱつ 化 か する[ 26] 。例年 れいねん 、風速 ふうそく 63km/h(17.5m/s)以上 いじょう のサイクロンが約 やく 8個 こ 発生 はっせい し、うち約 やく 2個 こ が風速 ふうそく 117km/h(32.5m/s)以上 いじょう の強 つよ いサイクロンに発達 はったつ する。毎年 まいとし のように勢力 せいりょく の強 つよ い(カテゴリー3 以上 いじょう )サイクロンが発生 はっせい するが[ 26] [ 27] 、被害 ひがい や死亡 しぼう 者 しゃ 数 すう では1999年 ねん 10月29日 にち にオリッサ州 しゅう を襲 おそ った超 ちょう 大型 おおがた のサイクロン は20世紀 せいき 末 まつ の四半世紀 しはんせいき で最悪 さいあく のものである。
インドの農業 のうぎょう は農業 のうぎょう 用水 ようすい をモンスーンに大 おお きく依存 いぞん している。インドの一部 いちぶ 地域 ちいき ではモンスーンの異常 いじょう で水 みず が不足 ふそく すると、穀物 こくもつ 収穫 しゅうかく 量 りょう が平年 へいねん を下回 したまわ る。マハーラーシュトラ州 しゅう の南部 なんぶ と東部 とうぶ 、カルナータカ州 しゅう 北部 ほくぶ 、アーンドラ・プラデーシュ州 しゅう 、オリッサ州 しゅう 、グジャラート州 しゅう 、ラージャスターン州 しゅう など旱魃 かんばつ が頻発 ひんぱつ する地域 ちいき では収量 しゅうりょう 減少 げんしょう もしばしば起 お きる。過去 かこ に旱魃 かんばつ は周期 しゅうき 的 てき に起 お こりたびたびインドは大 だい 規模 きぼ 飢饉 ききん に襲 おそ われた。1770年 ねん のベンガル飢饉 ききん では旱魃 かんばつ 地帯 ちたい の人口 じんこう の3分 ぶん の1、1876年 ねん -1877年 ねん 飢饉 ききん では500万 まん 人 にん 以上 いじょう 、1899年 ねん の飢饉 ききん で450万 まん 人 にん 以上 いじょう 、1943年 ねん のベンガル飢饉 ききん では500万 まん 人 にん 以上 いじょう が飢餓 きが とこれに起因 きいん する病気 びょうき で死亡 しぼう した[ 28] [ 29] 。
インドの地震 じしん 多発 たはつ 地帯 ちたい を調査 ちょうさ した結果 けっか 、地球 ちきゅう 表面 ひょうめん のプレート運動 うんどう がヒマラヤベルトや北東 ほくとう インドで毎年 まいとし のように発生 はっせい する地震 じしん の原因 げんいん であることがわかった。インドの気象 きしょう 当局 とうきょく はインド全域 ぜんいき を地震 じしん の危険 きけん 度 ど (頻度 ひんど ・強度 きょうど )別 べつ に分類 ぶんるい し、この地域 ちいき を最 もっと も危険 きけん 度 ど が高 たか い『第 だい V地域 ちいき 』に分類 ぶんるい した。またグジャラート州 しゅう のカッチ地方 ちほう やマハーラーシュトラ州 しゅう のコイナ付近 ふきん を危険 きけん 度 ど が高 たか い『第 だい IV地域 ちいき 』に分類 ぶんるい した。その他 た の地域 ちいき の地震 じしん 発生 はっせい の危険 きけん 度 ど は中 なか ないし低 てい 程度 ていど である[ 30] 。
2004年 ねん のスマトラ沖 おき 地震 じしん による津波 つなみ はアンダマン・ニコバル諸島 しょとう とインド東海岸 ひがしかいがん を襲 おそ い、推計 すいけい 1万 まん 人 にん の死者 ししゃ を出 だ した。
火山 かざん はすべてアンダマン諸島 しょとう にある。活火山 かっかざん はバレン島 とう にひとつあり、2005年 ねん 5月 に噴火 ふんか した。その他 た ナルコンダム山 さん という休火山 きゅうかざん 、バラタン島 とう の泥火山 でいかざん がある。
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