12気筒 きとう ディーゼルエンジンの列 れつ 型 がた 噴射 ふんしゃ ポンプ
噴射 ふんしゃ ポンプ (ふんしゃポンプ、英 えい : Injection Pump )はディーゼルエンジン の燃焼 ねんしょう 室 しつ 内 うち に噴射 ふんしゃ する燃料 ねんりょう を高 こう 圧 あつ で送 おく り出 だ す部品 ぶひん である。
1938年 ねん のボッシュ 製 せい 噴射 ふんしゃ ポンプ(ダイムラー・ベンツ 90馬力 ばりき /1700rpm 6気筒 きとう エンジン)
圧縮 あっしゅく 点火 てんか 内燃 ないねん 機関 きかん であるディーゼルエンジン には噴射 ふんしゃ ポンプは必要 ひつよう 不可欠 ふかけつ なものであり、その歴史 れきし はディーゼルエンジンの開発 かいはつ とともにあったといっても過言 かごん ではない。圧縮 あっしゅく 行程 こうてい で高 こう 圧 あつ となった燃焼 ねんしょう 室 しつ 内 ない で燃料 ねんりょう を霧 きり 化 か するには高度 こうど な技術 ぎじゅつ が必要 ひつよう で、当初 とうしょ は霧吹 きりふ きやスプレーのように空気 くうき の力 ちから を借 か りて行 い っていた[ 1] 。
近年 きんねん までは噴射 ふんしゃ ポンプはクランクシャフト やカムシャフト 、OHCエンジンの場合 ばあい にはタイミングチェーン やタイミングベルト からエンジンの駆動 くどう 力 りょく を受 う け取 と って機械 きかい 的 てき に動作 どうさ するものが主流 しゅりゅう であった。4ストローク機関 きかん の場合 ばあい には噴射 ふんしゃ ポンプはクランク回転 かいてん 数 すう の半分 はんぶん の速度 そくど で駆動 くどう されることになる。噴射 ふんしゃ ポンプはピストンの圧縮 あっしゅく 上 じょう 死 し 点 てん の手前 てまえ でシリンダー 内部 ないぶ に軽油 けいゆ を噴射 ふんしゃ させるため、その噴射 ふんしゃ 圧力 あつりょく はガソリンエンジンの燃料 ねんりょう ポンプと比較 ひかく して非常 ひじょう に高 たか く、200MPaを超 こ える圧力 あつりょく が掛 か かることが一般 いっぱん 的 てき である。
しかし近年 きんねん では各国 かっこく で強化 きょうか されつつある自動車 じどうしゃ 排出 はいしゅつ ガス規制 きせい への対応 たいおう のために、ディーゼルエンジンも高度 こうど な燃料 ねんりょう 制御 せいぎょ が必要 ひつよう となり、電子 でんし 制御 せいぎょ 式 しき のコモンレールディーゼルエンジンが主流 しゅりゅう となってきている。コモンレール式 しき も当初 とうしょ は機械 きかい 式 しき の噴射 ふんしゃ ポンプに電子 でんし 制御 せいぎょ 式 しき 燃料 ねんりょう 噴射 ふんしゃ 装置 そうち を組 く み合 あ わせることが一般 いっぱん 的 てき であったが、最新 さいしん 式 しき の噴射 ふんしゃ ポンプは電動 でんどう ポンプに置 お き換 か わりつつある。
機械 きかい 式 しき 噴射 ふんしゃ ポンプはその構造 こうぞう 上 じょう 内部 ないぶ 部品 ぶひん の摩耗 まもう を防 ふせ ぐために軽油 けいゆ にある程度 ていど 以上 いじょう 硫黄 いおう 分 ぶん が含 ふく まれていることが必須 ひっす であった。しかし、日本 にっぽん におけるディーゼル車 しゃ 規制 きせい 条例 じょうれい や平成 へいせい 17年 ねん 排出 はいしゅつ ガス規制 きせい などをクリアするためには軽油 けいゆ の脱 だつ 硫化 りゅうか を行 おこな うことが不可避 ふかひ な情勢 じょうせい となったため、こうした事情 じじょう も噴射 ふんしゃ ポンプの電磁 でんじ ポンプ化 か の流 なが れに拍車 はくしゃ を掛 か ける要因 よういん [ 注釈 ちゅうしゃく 1] となっている。
噴射 ふんしゃ ポンプは、ガソリンエンジンにおいても極 きわ めて初期 しょき の機械 きかい 式 しき 燃料 ねんりょう 噴射 ふんしゃ 装置 そうち にディーゼルエンジンと同 おな じ動作 どうさ 原理 げんり のものが用 もち いられた例 れい がある。歴史 れきし 上 うえ 初 はつ のガソリンエンジン用 よう 噴射 ふんしゃ ポンプは1951年 ねん 、ドイツのGoliath GP 700 E で初 はじ めて用 もち いられ、その3年 ねん 後 ご の1954年 ねん にはメルセデス・ベンツ ・300SL にも搭載 とうさい された。しかし、機械 きかい 式 しき 燃料 ねんりょう 噴射 ふんしゃ 装置 そうち は機構 きこう が複雑 ふくざつ なことと、ガソリン自体 じたい に軽油 けいゆ 程 ほど の潤滑 じゅんかつ 能力 のうりょく がないことなどから、製造 せいぞう コストと信頼 しんらい 性 せい の面 めん でキャブレター を完全 かんぜん に置 お き換 か えるには至 いた らなかった。
噴射 ふんしゃ ポンプの圧力 あつりょく と安全 あんぜん 性 せい [ 編集 へんしゅう ]
噴射 ふんしゃ ポンプは圧縮 あっしゅく 行程 こうてい にあるシリンダー 内 うち の高 こう 圧 あつ に打 う ち勝 か って燃料 ねんりょう の噴射 ふんしゃ を行 おこな う必要 ひつよう があるため、ポンプや配管 はいかん 自体 じたい に極 きわ めて高 たか い圧力 あつりょく が掛 か かることになる。通常 つうじょう のもので平均 へいきん 15,000Psi(100MPa)、圧縮 あっしゅく 比 ひ が高 たか いエンジンの場合 ばあい には200MPaを超 こ える圧力 あつりょく が掛 か かる。この圧力 あつりょく は衣服 いふく や皮膚 ひふ を容易 ようい に切断 せつだん 出来 でき る程 ほど のもの のため、噴射 ふんしゃ ポンプや分配 ぶんぱい パイプには概 おおむ ね非常 ひじょう に強固 きょうこ な構造 こうぞう を持 も つことが求 もと められている。そのため、ディーゼルエンジンのシステム全体 ぜんたい が大型 おおがた 化 か し、小型車 こがたしゃ やオートバイ への搭載 とうさい が困難 こんなん ともなる大 おお きな要因 よういん となっている。[ 2]
列 れつ 型 がた 噴射 ふんしゃ ポンプの一 いち 例 れい ヂーゼル機器 きき 製 せい 6気筒 きとう 用 よう
列 れつ 型 がた 噴射 ふんしゃ ポンプ (Inline Injection Pump)は、比較的 ひかくてき 古 ふる くから存在 そんざい するタイプで、日本 にっぽん ではボッシュA型 がた に代表 だいひょう され、エンジンの気筒 きとう 数 すう 分 ぶん のカム とプランジャー が一 いち 列 れつ に並 なら んだ、直列 ちょくれつ エンジン のような外観 がいかん を特徴 とくちょう とする。構造 こうぞう 上 じょう 、部品 ぶひん 点数 てんすう が多 おお く高価 こうか で大型 おおがた 化 か する傾向 けいこう があるが、噴射 ふんしゃ 量 りょう が多 おお く気筒 きとう 数 すう の制約 せいやく もないため、大型 おおがた 車両 しゃりょう や船舶 せんぱく 、産業 さんぎょう 用 よう の定置 ていち 型 がた エンジンなどに使 つか われている。
ガバナー からポンプ内 ない に伸 の びるラック が、カムとプランジャーの間 あいだ に置 お かれた、外周 がいしゅう に斜 なな めの溝 みぞ を持 も つスリーブを回転 かいてん (正 せい 転 てん ・逆転 ぎゃくてん )させることで、溝 みぞ に組 く み合 あ わされたプランジャーの位置 いち が変化 へんか (上下 じょうげ )し、その圧縮 あっしゅく ストロークの変化 へんか で噴射 ふんしゃ 量 りょう の制御 せいぎょ (増減 ぞうげん )を行 おこな う。
噴射 ふんしゃ 時期 じき の制御 せいぎょ は、エンジンの回転 かいてん を利用 りよう した遠心 えんしん 式 しき のタイマーが、噴射 ふんしゃ ポンプ内 ない のカムシャフト の位相 いそう を変化 へんか させることで行 おこな う。
このように、噴射 ふんしゃ 量 りょう や噴射 ふんしゃ 時期 じき の制御 せいぎょ は、スプリングやカム、おもり等 とう を組 く み合 あ わせた機械 きかい 制御 せいぎょ が中心 ちゅうしん だが、一部 いちぶ に電子 でんし 制御 せいぎょ を取 と り入 い れたタイプも存在 そんざい する。
カム周 まわ りの潤滑 じゅんかつ にはエンジンオイル が使 つか われており、燃料 ねんりょう と潤滑油 じゅんかつゆ が分離 ぶんり されているため、重油 じゅうゆ や粗悪 そあく 燃料 ねんりょう にも対応 たいおう できる。インジェクター(噴射 ふんしゃ ノズル)にはニードルバルブ(針 はり 弁 べん )型 がた が組 く み合 あ わされ、副 ふく 室 しつ 式 しき では単 たん 孔 あな 型 がた 、直接 ちょくせつ 噴射 ふんしゃ 式 しき では多孔 たこう 型 がた が用 もち いられる。
分配 ぶんぱい 型 がた 噴射 ふんしゃ ポンプの一 いち 例 れい ボッシュ製 せい 6気筒 きとう 用 よう
分配 ぶんぱい 型 がた 噴射 ふんしゃ ポンプ (Distributor Injection Pump)は、列 れつ 型 がた に次 つ いで古 ふる くから存在 そんざい するタイプで、日本 にっぽん ではボッシュVE型 がた に代表 だいひょう される。海外 かいがい ではロータリーポンプ (Rotary Pump)とも呼 よ ばれ、1組 くみ の波 なみ 型 がた カム(フェイスカム)、プランジャー、スピル弁 べん のみで構成 こうせい され、各 かく 気筒 きとう に燃料 ねんりょう を分配 ぶんぱい する。各 かく 気筒 きとう への高 こう 圧 あつ 配管 はいかん が同心円 どうしんえん 上 じょう に並 なら び、ガソリンエンジンのディストリビューター に似 に た外観 がいかん を持 も つ。
部品 ぶひん 点数 てんすう が圧倒的 あっとうてき に少 すく なく、全 すべ ての潤滑 じゅんかつ を燃料 ねんりょう でまかなうなど、シンプルかつ合理 ごうり 的 てき な基本 きほん 構造 こうぞう を持 も ち、小型 こがた で安価 あんか である。乗用車 じょうようしゃ からピックアップトラック 、それらをベースとしたSUV のエンジンなどに使 つか われている。構造 こうぞう 上 じょう 、噴射 ふんしゃ 量 りょう や気筒 きとう 数 すう には限界 げんかい があるが、中 ちゅう 排気 はいき 量 りょう の6気筒 きとう 程度 ていど までなら十分 じゅうぶん 対応 たいおう できる。
噴射 ふんしゃ 量 りょう の制御 せいぎょ はスピル弁 べん の開 ひらき 弁 べん 時期 じき の変化 へんか で行 おこな い、噴射 ふんしゃ 時期 じき の制御 せいぎょ はフェイスカムの軸 じく を平行 へいこう 移動 いどう させて行 おこな う。インジェクターはニードルバルブ型 がた が組 く み合 あ わされる。VE型 がた の改良 かいりょう 版 ばん で、内接 ないせつ カムと2つのプランジャーを組 く み合 あ わせたものもある。
潤滑 じゅんかつ を燃料 ねんりょう に依存 いぞん する構造 こうぞう 上 じょう 、燃料 ねんりょう の性状 せいじょう に敏感 びんかん で、特 とく に水分 すいぶん や灯油 とうゆ (炭素 たんそ )分 ぶん の多 おお い不正 ふせい 軽油 けいゆ を使用 しよう すると潤滑 じゅんかつ 不良 ふりょう による故障 こしょう を招 まね きやすい。
列 れつ 型 がた と同様 どうよう に機械 きかい 制御 せいぎょ が中心 ちゅうしん であるが、より厳 きび しい排出 はいしゅつ ガス規制 きせい に適合 てきごう させるため、スピル弁 べん に応答 おうとう 性 せい に優 すぐ れるソレノイド アクチュエータ を組 く み込 こ み、電子 でんし 制御 せいぎょ に対応 たいおう したものもある。
電磁 でんじ スピル弁 べん が組 く み込 こ まれた電子 でんし 制御 せいぎょ 式 しき 分配 ぶんぱい 型 がた 噴射 ふんしゃ ポンプ
日本 にっぽん に於 お いては過去 かこ 光化学 こうかがく スモッグ が社会 しゃかい 問題 もんだい 化 か した事 こと から、1992年 ねん に制定 せいてい された自動車 じどうしゃ NOx・PM法 ほう に基 もと づき、段階 だんかい 的 てき にNOx とPM を低減 ていげん させるべく政策 せいさく を取 と っており、その集大成 しゅうたいせい を平成 へいせい 10年 ねん 排出 はいしゅつ ガス規制 きせい (一部 いちぶ の大型 おおがた 車 しゃ は平成 へいせい 11年 ねん 規制 きせい )とした。以前 いぜん の規制 きせい 値 ち では機械 きかい 式 しき 噴射 ふんしゃ ポンプと噴射 ふんしゃ ノズルの改良 かいりょう 、噴射 ふんしゃ 時期 じき の遅 おそ 角 かく でクリアする事 こと が可能 かのう であったが、この規制 きせい では当時 とうじ のガソリン車 しゃ と同 どう 程度 ていど 以下 いか のNOx排出 はいしゅつ 量 りょう が求 もと められた。
車両 しゃりょう 総 そう 重量 じゅうりょう 3,500 kg以上 いじょう の商用 しょうよう 車 しゃ では、従前 じゅうぜん のエンジンをベースとしつつ、噴射 ふんしゃ ポンプを電子 でんし 制御 せいぎょ 化 か して噴射 ふんしゃ 量 りょう と噴射 ふんしゃ 時期 じき を緻密 ちみつ 化 か する事 こと で乗 の り切 き るメーカーが多 おお く、この程度 ていど の改良 かいりょう で規制 きせい への適合 てきごう と出力 しゅつりょく 向上 こうじょう を両立 りょうりつ できるケースも多 おお かった。
これ以降 いこう に制定 せいてい された排出 はいしゅつ ガス規制 きせい では、各地 かくち でディーゼル車 しゃ 規制 きせい 条例 じょうれい が制定 せいてい された事 こと から(条例 じょうれい に追随 ついずい する形 かたち で)PM低減 ていげん も同時 どうじ に求 もと められることとなり、平成 へいせい 10年 ねん 規制 きせい 車 しゃ を基本 きほん としたエンジンの改良 かいりょう と酸化 さんか 触媒 しょくばい の取付 とりつ けだけでは対応 たいおう が難 むずか しくなり、ユニットインジェクター式 しき やコモンレール式 しき を採用 さいよう する新型 しんがた エンジンへと移行 いこう して行 い った。
各 かく シリンダー毎 ごと に個別 こべつ の噴射 ふんしゃ ポンプが設 もう けられているタイプ。
加圧 かあつ や噴射 ふんしゃ 量 りょう 制御 せいぎょ はカムとプランジャーによるもので、単 たん 気筒 きとう 用 よう の列 れつ 型 がた と同様 どうよう の構成 こうせい であり、ポンプ自体 じたい の駆動 くどう 力 りょく もカムシャフトによって行 おこな う。この形式 けいしき の利点 りてん は列 れつ 型 がた と同等 どうとう の特徴 とくちょう を持 も ちながらもシリンダー数 すう の増大 ぞうだい に合 あ わせてポンプを追加 ついか することで、エンジンに合 あ わせて容易 ようい に噴射 ふんしゃ 量 りょう を拡張 かくちょう できるという点 てん にある。船舶 せんぱく や産業 さんぎょう 用 よう の大型 おおがた ディーゼルエンジンは、単 たん 気筒 きとう エンジンを繋 つな ぎあわせて多 た 気筒 きとう 化 か するモジュラー 設計 せっけい が多 おお いことや、各 かく 気筒 きとう の噴射 ふんしゃ 特性 とくせい の均一 きんいつ 化 か のため燃料 ねんりょう 配管 はいかん を等 ひとし 長 ちょう にする必要 ひつよう があるため、大型 おおがた エンジンではポンプを集約 しゅうやく しても燃料 ねんりょう 配管 はいかん が不用 ふよう に長 なが くなることなどから、このような方式 ほうしき が定着 ていちゃく している。
気筒 きとう 数 すう 別 べつ に複数 ふくすう の噴射 ふんしゃ ポンプを作 つく り分 わ ける必要 ひつよう が無 な いことから、共通 きょうつう 化 か によって部品 ぶひん の種類 しゅるい を削減 さくげん でき、整備 せいび や交換 こうかん も個別 こべつ に行 おこな えるなど、メーカーとユーザーの双方 そうほう にコスト低減 ていげん のメリットがある。
小型 こがた のものではメルセデス・ベンツ が製造 せいぞう して各社 かくしゃ にOEM 供給 きょうきゅう されているOM900 (直 ちょく 6 )やOM500 (V6 、V8 )シリーズエンジンで用 もち いられており、噴射 ふんしゃ 圧力 あつりょく は最大 さいだい 1,850バールに達 たっ する。
ユニットインジェクタ式 しき 噴射 ふんしゃ ポンプは、シリンダー上部 じょうぶ に注射 ちゅうしゃ 器 き のように取 と り付 つ け、パスカルの原理 げんり を応用 おうよう し、カムによって噴射 ふんしゃ する。
電子 でんし 制御 せいぎょ は、噴射 ふんしゃ 量 りょう を減 へ らす操作 そうさ を行 おこな う。カムによる圧縮 あっしゅく で2,000気圧 きあつ の高 こう 圧 あつ 噴射 ふんしゃ を可能 かのう にしている。
メインポンプからインジェクタまでは低圧 ていあつ のパイプでつながっている。インジェクタごとに加圧 かあつ 機構 きこう を持 も つため、従来 じゅうらい 型 がた の噴射 ふんしゃ ポンプでは不可能 ふかのう な高 こう 圧 あつ が簡単 かんたん に得 え られることから、燃料 ねんりょう の微粒 びりゅう 化 か による完全 かんぜん 燃焼 ねんしょう が行 おこな え、燃費 ねんぴ の改善 かいぜん に効果 こうか がある。フォルクスワーゲン・アウディグループ(現 げん ・フォルクスワーゲングループ )が燃費 ねんぴ 最 さい 優先 ゆうせん の考 かんが えでこの方式 ほうしき を選 えら んだ。また、ランドローバー ・Td5エンジン にも、このユニットインジェクタ式 しき が採用 さいよう されている。なお、このTd5エンジンを搭載 とうさい したディフェンダー 110は、2002年 ねん (平成 へいせい 14年 ねん )から2005年 ねん (平成 へいせい 17年 ねん )の間 あいだ 、日本 にっぽん にも正規 せいき 輸入 ゆにゅう されていた。
日本 にっぽん では、日産 にっさん ディーゼル(現 げん ・UDトラックス) 1社 しゃ のみが開発 かいはつ を続 つづ け、尿素 にょうそ SCRシステム との組 く み合 あ わせで、平成 へいせい 17年 ねん 排出 はいしゅつ ガス規制 きせい (新長 しんちょう 期 き 規制 きせい )への適合 てきごう を、大幅 おおはば な前倒 まえだお しで果 は たしている。尿素 にょうそ SCRシステムは、排気 はいき に尿素 にょうそ 水 すい を噴射 ふんしゃ し、過 か 酸素 さんそ 完全 かんぜん 燃焼 ねんしょう の結果 けっか 発生 はっせい するNOxを、アンモニア と水 みず によって窒素 ちっそ と水 みず に還元 かんげん するもので、大型 おおがた 車 しゃ 用 よう を始 はじ め、一部 いちぶ の乗用車 じょうようしゃ ・商用 しょうよう 車 しゃ のディーゼルエンジンにとって、排出 はいしゅつ ガスの浄化 じょうか に欠 か かせない装備 そうび となっている。
コモンレール(Common rail 〈英語 えいご 版 ばん 〉 )システムは、従来 じゅうらい のディーゼルエンジンにおける燃料 ねんりょう 噴射 ふんしゃ の仕組 しく みとは全 まった く異 こと なり、ガソリンエンジンで培 つちか われた電磁 でんじ 式 しき 燃料 ねんりょう 噴射 ふんしゃ 装置 そうち の技術 ぎじゅつ を応用 おうよう し、超 ちょう 高圧 こうあつ に耐 た えられるように変更 へんこう したものである。コモンレールは「全 ぜん 気筒 きとう に共通 きょうつう なレール」と言 い う意味 いみ であるが、ここでのレールは「軌条 きじょう 」ではなく、中空 なかぞら の「管 かん 」状 じょう の金属 きんぞく 製 せい の丈夫 じょうぶ な容器 ようき で、ガソリンエンジンの燃料 ねんりょう 噴射 ふんしゃ 装置 そうち における「デリバリパイプ」の役割 やくわり に近 ちか い。この中 なか に燃料 ねんりょう を圧 あつ 送 おく して高 こう 圧 あつ のまま一時 いちじ 的 てき に蓄 たくわ えるため、コモンレールは一種 いっしゅ の蓄圧 ちくあつ 器 き とも言 い える。
噴射 ふんしゃ ポンプは無 な く、燃料 ねんりょう の加圧 かあつ は「サプライポンプ」が行 おこな い、噴射 ふんしゃ 制御 せいぎょ はECU による「電磁 でんじ 式 しき インジェクタ」が行 おこな う、分業 ぶんぎょう 方式 ほうしき の燃料 ねんりょう 噴射 ふんしゃ 方式 ほうしき である。噴射 ふんしゃ 制御 せいぎょ は加圧 かあつ とは別 べつ に各 かく インジェクタで行 おこな われるため、ポンプは無理 むり なカムリフトや噴射 ふんしゃ 制御 せいぎょ から解放 かいほう された。
最新 さいしん の排出 はいしゅつ ガス規制 きせい に対応 たいおう したディーゼルエンジン(クリーンディーゼル)において、噴射 ふんしゃ 量 りょう ・噴射 ふんしゃ タイミングともに精密 せいみつ に制御 せいぎょ を行 おこな い、燃焼 ねんしょう 時 じ の温度 おんど と圧力 あつりょく を自在 じざい に制御 せいぎょ できる方式 ほうしき として主流 しゅりゅう になっている。
ディーゼルエンジンの歴史 れきし にコモンレールの名前 なまえ が現 あらわ れたのは、1910年代 ねんだい 終盤 しゅうばん のボッシュ によるものが最初 さいしょ であるが、当時 とうじ の開 ひらき 弁 べん 圧 あつ は90 bar程度 ていど と低 ひく く、インジェクタ の開 ひらき 弁 べん も圧縮 あっしゅく 空気 くうき によるもので、そのためのエアーコンプレッサー を必要 ひつよう とした。1,800 barを超 こ える開 ひらき 弁 べん 圧 あつ と電子 でんし 制御 せいぎょ によるソレノイド やピエゾ素子 そし を用 もち いたインジェクタを備 そな えた現在 げんざい のコモンレールとは文字通 もじどお り隔世 かくせい の感 かん があるが、基本 きほん 原理 げんり は同 おな じである。
近代 きんだい 的 てき なコモンレールは、1960年代 ねんだい 後半 こうはん にスイス のロベルト・フーバー(英語 えいご 版 ばん )がその原型 げんけい を開発 かいはつ 、スイス工科 こうか 大学 だいがく が中心 ちゅうしん となり研究 けんきゅう が進 すす んだ[ 3] [ 4] 。環境 かんきょう 対策 たいさく としての現在 げんざい のコモンレール方式 ほうしき を初 はじ めて実用 じつよう 化 か したのは日本 にっぽん のデンソー であり、伊藤 いとう 昇平 しょうへい 、宮木 みやぎ 正彦 まさひこ を中心 ちゅうしん として、ECD-U2という名称 めいしょう で開発 かいはつ され、1995年 ねん 末 すえ に日野 ひの ・ライジングレンジャー に搭載 とうさい された。
マニエッティ・マレリ では1990年 ねん より、フィアットリサーチセンター(伊 い 語 ご 版 ばん )、エラシス(伊 い 語 ご 版 ばん )と共 とも にコモンレール方式 ほうしき の開発 かいはつ を続 つづ けていたが、フィアット の経営 けいえい 不振 ふしん により該当 がいとう 技術 ぎじゅつ と特許 とっきょ は1994年 ねん にボッシュに売却 ばいきゃく された。その後 ご 1997年 ねん にボッシュが実用 じつよう 化 か し、アルファロメオ ・156 2.4 JTD に乗用車 じょうようしゃ 用 よう として初 はつ 搭載 とうさい され[ 5] 、翌 よく 1998年 ねん にはメルセデス・ベンツ が OM611 エンジン(独語 どくご 版 ばん ・英語 えいご 版 ばん )をC200 CDI/C220 CDI とE200 CDI/E220 CDI に搭載 とうさい した。
コモンレール用 よう サプライポンプ
現在 げんざい の電磁 でんじ 式 しき インジェクタは開 ひらけ 弁 べん 行為 こうい のみを受 う け持 も つため、従来 じゅうらい の噴射 ふんしゃ 方式 ほうしき と比 くら べ噴射 ふんしゃ 時期 じき の自由 じゆう 度 ど が大幅 おおはば に向上 こうじょう し、また電子 でんし 制御 せいぎょ 技術 ぎじゅつ の向上 こうじょう によって1行程 こうてい 中 ちゅう にパイロット、プレ、メイン、アフター1、アフター2、ポストのような6分割 ぶんかつ 噴射 ふんしゃ も可能 かのう となっており、燃料 ねんりょう 消費 しょうひ を抑 おさ えつつ、燃焼 ねんしょう 室 しつ 内 ない の急激 きゅうげき な温度 おんど と圧力 あつりょく の上昇 じょうしょう を防 ふせ ぐことができるなど、NOx の発生 はっせい を抑 おさ え、かつ、PMも少 すく ない、完全 かんぜん 燃焼 ねんしょう のための理想 りそう 的 てき な噴射 ふんしゃ を実現 じつげん する制御 せいぎょ が可能 かのう となった。
ただし、超 ちょう 高圧 こうあつ 噴射 ふんしゃ のため、サプライポンプ・インジェクター共 ども 、噴射 ふんしゃ ポンプ式 しき 以上 いじょう の内部 ないぶ 潤滑 じゅんかつ 性能 せいのう が要求 ようきゅう されるが、脱硫 だつりゅう の進 すす んだ現在 げんざい の軽油 けいゆ では(必要 ひつよう な潤滑 じゅんかつ 性能 せいのう を保 たも つ為 ため の添加 てんか 剤 ざい は使用 しよう しているものの)度々 たびたび 潤滑 じゅんかつ 不足 ふそく が生 しょう じ、通常 つうじょう 運転 うんてん の範囲 はんい でも故障 こしょう が生 しょう じるケースがある。特 とく に灯油 とうゆ 分 ぶん の多 おお い「寒冷 かんれい 地 ち 用 よう 軽油 けいゆ 」を使用 しよう する機会 きかい の多 おお い車両 しゃりょう に多 おお い。
近年 きんねん の車種 しゃしゅ は排出 はいしゅつ ガス浄化 じょうか のための酸化 さんか 触媒 しょくばい やNOx吸蔵還元 かんげん 触媒 しょくばい 、ディーゼル微粒子 びりゅうし 捕 と 集 あつまり フィルター を装備 そうび しており、定期 ていき 的 てき にこれらに蓄積 ちくせき したススを焼 や き払 はら う必要 ひつよう があるが、専用 せんよう の燃料 ねんりょう 添加 てんか 弁 べん を持 も たないシステムの場合 ばあい は意図 いと 的 てき にアフターファイアー を発生 はっせい させ排気 はいき シャッターを絞 しぼ る事 こと で燃焼 ねんしょう 機構 きこう を作動 さどう させる(ポスト噴射 ふんしゃ と呼 よ ばれ、これらの浄化 じょうか 装置 そうち を持 も つエンジンにおけるエンジンオイルの希釈 きしゃく の原因 げんいん でもある)。これらの場合 ばあい 、硫黄 いおう 分 ぶん の多 おお い従来 じゅうらい の軽油 けいゆ や、灯油 とうゆ (炭素 たんそ )分 ぶん の多 おお い不正 ふせい 軽油 けいゆ を使用 しよう すると短時間 たんじかん に故障 こしょう を招 まね く原因 げんいん となる。
インジェクターには製造 せいぞう 上 じょう 避 さ けられない個体 こたい 差 さ があるが、その内容 ないよう は本体 ほんたい に印字 いんじ されており、故障 こしょう 整備 せいび などでインジェクターを交換 こうかん した場合 ばあい 、その特性 とくせい をエンジン制御 せいぎょ コンピューター に記憶 きおく させる必要 ひつよう がある[ 6] 。
ディーゼルエンジンの燃料 ねんりょう 噴射 ふんしゃ には高 こう 圧 あつ が必要 ひつよう となり、噴射 ふんしゃ される液体 えきたい はせん断 だん にさらされる。これを利用 りよう し粘 ねば 度 たび 指数 しすう 向上 こうじょう 剤 ざい のせん断 だん 安定 あんてい 性 せい をディーゼルの燃料 ねんりょう 噴射 ふんしゃ 装置 そうち を用 もち いて計測 けいそく する試験 しけん 方法 ほうほう も存在 そんざい する。この試験 しけん 方法 ほうほう は世界 せかい 的 てき に使 つか われておりASTM やDIN 、CEC、JPIなど多 おお くの規格 きかく で採用 さいよう されている。
この試験 しけん にはボッシュ製 せい の燃料 ねんりょう 噴射 ふんしゃ 装置 そうち を使用 しよう するためボッシュインジェクタ試験 しけん などと呼 よ ばれる事 こと もある。また国内 こくない ではあまり使 つか われないが海外 かいがい ではKurt Orbahn試験 しけん などとも言 い う場合 ばあい もある。
試験 しけん 内容 ないよう は測定 そくてい する液体 えきたい を30サイクル噴射 ふんしゃ させて計測 けいそく するのが基本 きほん となるが過酷 かこく な条件 じょうけん を想定 そうてい した場合 ばあい は90サイクルなど回数 かいすう を増 ふ やして行 おこな う事 こと もある。
^ なお、旧来 きゅうらい の機械 きかい 式 しき 噴射 ふんしゃ ポンプの潤滑 じゅんかつ 対策 たいさく として、ガソリンスタンド では専用 せんよう の潤滑 じゅんかつ 添加 てんか 剤 ざい を用 もち いることで対処 たいしょ を行 おこな っている。
Richard van Basshuysen, Fred Schäfer: Handbuch Verbrennungsmotor Grundlagen, Komponenten, Systeme, Perspektiven. 3. Auflage, Friedrich Vieweg & Sohn Verlag/GWV Fachverlage GmbH, Wiesbaden, 2005, ISBN 3-528-23933-6
Hans Jörg Leyhausen: Die Meisterprüfung im Kfz-Handwerk Teil 1. 12 Auflage, Vogel Buchverlag, Würzburg, 1991, ISBN 3-8023-0857-3
Max Bohner, Richard Fischer, Rolf Gscheidle: Fachkunde Kraftfahrzeugtechnik. 27.Auflage, Verlag Europa-Lehrmittel, Haan-Gruiten, 2001, ISBN 3-8085-2067-1
Klaus D Linsmeier, Achim Greis: Elektromagnetische Aktoren. Physikalische Grundlagen, Bauarten, Anwendungen. In: Die Bibliothek der Technik, Band 197. Verlag Moderne Industrie, ISBN 3-478-93224-6
Erklärung und Quelle zur Common Rail Hochdruck-Pumpe
自動車 じどうしゃ 部品 ぶひん
エンジン
方式 ほうしき 内部 ないぶ 構成 こうせい 部品 ぶひん 補 ほ 機 き 類 るい
足 あし 回 まわ り部品 ぶひん
緩衝 かんしょう 装置 そうち 制動 せいどう 装置 そうち 車輪 しゃりん
照明 しょうめい ・灯火 ともしび 装置 そうち 関連 かんれん
その他 た の部品 ぶひん ・関連 かんれん 項目 こうもく
安全 あんぜん 装置 そうち 安全 あんぜん 技術 ぎじゅつ ミラー セキュリティ常 つね 備品 びひん オプション部品 ぶひん 空調 くうちょう 設備 せつび 関連 かんれん 項目 こうもく
方式 ほうしき 搭載 とうさい 方式 ほうしき 冷却 れいきゃく 方式 ほうしき 内部 ないぶ 構成 こうせい 部品 ぶひん 補 ほ 機 き 類 るい
照明 しょうめい ・灯火 ともしび 装置 そうち 関連 かんれん
その他 た
安全 あんぜん 装置 そうち ・安全 あんぜん 技術 ぎじゅつ 常 つね 備品 びひん ・オプション部品 ぶひん ・アクセサリー 関連 かんれん 項目 こうもく 油脂 ゆし 類 るい