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BT-2

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
BT-2
BT-2(37mmほう搭載とうさいがた
性能せいのうしょもと
全長ぜんちょう 5.50 m
車体しゃたいちょう 5.50 m
全幅ぜんぷく 2.23 m
ぜんこう 2.20 m
重量じゅうりょう 11.0 t
懸架けんか方式ほうしき クリスティー方式ほうしき
速度そくど そう軌52 km/h
そう72 km/h
行動こうどう距離きょり そう軌120~150 km
そう200~250 km
主砲しゅほう 37 mm B-3(5K) (砲弾ほうだん96はつ
ふく武装ぶそう 7.62 mm DT (銃弾じゅうだん2079はつ
装甲そうこう 砲塔ほうとう
ぜんしゅう13 mm 上面うわつら10 mm
車体しゃたい
前面ぜんめん13 mm 先端せんたん40 mm
側面そくめん13+4 mm めん10~13 mm
上面うわつら10~13 mm 底面ていめん6 mm
エンジン M-5 4ストロークVがた12気筒きとう水冷すいれいガソリンエンジン
400 HP
乗員じょういん 3 めい
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BT-2(ベテー・ドゥヴァー、ロシア:БТ-2)はソ連それん開発かいはつされた快速かいそく戦車せんしゃБыстроходный танк)である。

概要がいよう

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ほんしゃアメリカクリスティーM1940(=M1930)戦車せんしゃをベースにした、BTシリーズはつ量産りょうさんがたである。そのすぐれた機動きどうせいかし、騎兵きへい部隊ぶたい支援しえんや、長距離ちょうきょり侵攻しんこう目的もくてき開発かいはつされた。クリスティー戦車せんしゃきびしいみちがい走行そうこう試験しけんちゅうとがった形状けいじょう車体しゃたいぜんはし損傷そんしょうしたため、そこをあつさ40mmのちいさな台形だいけい装甲そうこうばん変更へんこう強化きょうか新型しんがた砲塔ほうとう搭載とうさいするなどの改良かいりょうほどこされている。

しゅ武装ぶそうである37mmほうは、もとドイツ開発かいはつしてソ連それん国内こくない実験じっけんおこない、のち3.7 cm PaK 36として採用さいようされた対戦たいせんしゃほうであった。これはM1930(1K)と命名めいめいされて赤軍せきぐんでも採用さいよう戦車せんしゃほうけに改修かいしゅうされたものはB-3(5K)とばれた。ドイツぐんIIIごう戦車せんしゃ初期しょきがた搭載とうさいされたほう基本きほんてきおなじものであるが、BT-2の場合ばあい砲手ほうしゅかたけして人力じんりき旋回せんかい俯仰ふぎょうさせる簡易かんいほうとなっていた。

当初とうしょ武装ぶそうがこの戦車せんしゃほうのみでそとぼうたていタイプが60りょうのみ生産せいさんされたが、のちにその右側みぎがわ7.62mm DT機関きかんじゅうのボールマウントしきじゅう追加ついかしたタイプが120りょうつくられた。しかし新型しんがたの20K 45mm戦車せんしゃほうへの移行いこうのために37mm戦車せんしゃほう生産せいさんられてしまい、これを搭載とうさいできたのは前述ぜんじゅつけい180りょうぎなかった。45mmほうへのかわそうかんがえられたが、BT-2の砲塔ほうとうではせまいこともあり、1933ねんなつ少数しょうすう改造かいぞうされたにまったとする資料しりょうもある[よう出典しゅってん]

演習えんしゅうちゅうのBT-2機銃きじゅう搭載とうさいがた

やむをず、のこりの車輌しゃりょうわりにDA-2連装れんそう機関きかんじゅう搭載とうさい、こちらのほうが440りょう生産せいさんすうおおかった。しかしこれにより、同時どうじ使用しようができないのに連装れんそうじゅうとボールマウントじゅうならんで装備そうびされるという、実用じつようじょう無意味むいみ配置はいちとなったため後者こうしゃ撤去てっきょされている。

なおふる資料しりょうでは、ほう搭載とうさいがた機銃きじゅう搭載とうさいがた目的もくてきべつ生産せいさんされ、機銃きじゅうがたほうさき生産せいさん終了しゅうりょうし、ほう搭載とうさいがたほう生産せいさんすうおおいという認識にんしきであったが、あらたな資料しりょうつかり、あらためられた[1]おなじく機銃きじゅう搭載とうさいがたBT-1ばれたとされていたがこれもあやまりで、実際じっさい輸入ゆにゅうされたクリスティー戦車せんしゃ名称めいしょうである[2]。このタイプでは63はつりのパン(さらがた)マガジンが43、7.62 mm銃弾じゅうだん2709はつ搭載とうさいされていた。

クビンカ戦車せんしゃ博物館はくぶつかんにおけるBT-2

エンジンは、オリジナルのクリスティーとおなじVがた12気筒きとうリバティ L-12輸入ゆにゅう最初さいしょの100りょう暫定ざんていてき使つかっている。しかし、1932ねん軍事ぐんじパレードに参加さんかした10りょうのうち、途中とちゅうで2りょう故障こしょうして回収かいしゅうしゃ撤去てっきょされるというハプニングが発生はっせい、これが問題もんだいとなった。あらたにディーゼルエンジンであるD-300を搭載とうさいすることも検討けんとうされたが、L-12よりパワーが不足ふそくしていることもあり、結局けっきょくリバティの国産こくさんばんであり、複葉ふくよう偵察ていさつポリカルポフR-1/R-2(エアコーDH.9Aのライセンス生産せいさんがた)での使用しよう実績じっせきもあるM-5がつづ搭載とうさいされた。

原型げんけいのクリスティー戦車せんしゃ同様どうようくつたいはず後部こうぶ起動きどう最後さいご接地せっちてん接続せつぞく、ステアリングを装着そうちゃく最前さいぜん接地せっちてん方向ほうこう転換てんかんし、そう走行そうこう可能かのうとなる方式ほうしきであったが、BT-2として生産せいさんされるにあたり、動力どうりょく伝達でんたつ方式ほうしきはチェーン連結れんけつしきからギア連結れんけつしき変更へんこうされている。この場合ばあい駆動くどうするのはりんのみであり、みちがい性能せいのうたかくはない。

クリスティー戦車せんしゃでは、うたてけい合金ごうきんせいをプレス加工かこうしたディスクがたであったが、BT-2では鋳鋼ちゅうこうせいのスポークがた変更へんこうされた。のちにスチールせいでプレス加工かこうのディスクがたうたて装備そうびかたつくられ、設計せっけい局内きょくないではBT-3ともばれたが、マイナーチェンジにすぎないため正式せいしき名称めいしょうにはならなかった。

車体しゃたい後部こうぶ排気はいきかんは、クリスティー同様どうよう車体しゃたい後部こうぶまるあなひらいただけのものや、そこにはこがたマフラー(消音しょうおん)を追加ついかしたものだった。これはのちに、BT-5同様どうよう大型おおがた円筒えんとうがたマフラーに変更へんこうされた。しかしこれは火炎瓶かえんびん(ガソリンをれたびん同様どうよう)を投擲とうてきされると、エンジンに発火はっか撃破げきはされることが判明はんめいし、その対策たいさくとしてエンジングリルからびる単純たんじゅんながつつがた排気はいきかん改修かいしゅうされたものもある。エンジングリルの排気はいきこうまいいたななめにかたむ単純たんじゅんもので、当初とうしょクリスティー戦車せんしゃ同様どうようにむきしであったが、まもなく異物いぶつ混入こんにゅう防止ぼうしよう金網かなあみせいカバーが装着そうちゃくされた。これらは基本きほんてきT-34までおなじような構造こうぞうであった。

運用うんよう

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BT-2は1931ねん5月23にち試作しさくしゃ完成かんせいたずしてソ連邦それんぽう革命かくめい軍事ぐんじ会議かいぎにて採用さいよう決定けっていされた。試作しさくしゃ武装ぶそう状態じょうたいで10がつ完成かんせい翌月よくげつ7にちモスクワ軍事ぐんじパレード一般いっぱん公開こうかいされた。生産せいさんソビエト・ウクライナ共和きょうわこくのハリコフ機関きかんしゃ工場こうじょうげんV・O・マールィシェウ記念きねん工場こうじょう)でおこなわれた。1932ねんぐんへの引渡ひきわたしが開始かいしされ機械きかい旅団りょだん配備はいびされた。これはT-26T-27といった数種類すうしゅるい戦車せんしゃはしほう編成へんせいされており、BT-2はいち大隊だいたい32りょうふくまれていた。

BT-2は火砲かほう搭載とうさい予定よていどおりにいかなかったせいもあり、BT-5より実戦じっせん投入とうにゅうおそくなった。たいフィンランドせんであるふゆ戦争せんそう初陣ういじんとなったが、雪原せつげんこおりついてすべりやすい路面ろめんでは機動きどうせい発揮はっきできないことにくわえ、装甲そうこう貧弱ひんじゃくなこともあり活躍かつやくできなかった。

のち1939ねんポーランド侵攻しんこう参加さんか。1940ねんちゅう退役たいえきする予定よていであったが、1941ねんバルバロッサ作戦さくせん開始かいしにはまだ549りょう配備はいびされており、ドイツぐんむかったが旧式きゅうしきしていたこともあり、のBTシリーズとともに多数たすううしなわれた。なお包囲ほういのレニングラードにおいて、そうほう搭載とうさいがたのT-26けい戦車せんしゃ戦闘せんとうしつ上面うわつらかわそうし、ほんしゃの37mm砲塔ほうとう搭載とうさいできるようにした現地げんち改造かいぞうがた複数ふくすうつくられている。

またT-38ようじゅうとう変更へんこうし、木製もくせい架橋かきょう搭載とうさいしたものが3りょう製作せいさくされ、これはふゆ戦争せんそうカレリア地峡ちきょう実戦じっせん投入とうにゅうされた。

その

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前述ぜんじゅつのレニングラードでの改造かいぞう車輌しゃりょうとはぎゃくに、BT-2にそう砲塔ほうとう搭載とうさいするBT-4計画けいかくされた。これは試験しけんてきに20りょうつくられたにまっている。

登場とうじょう作品さくひん

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World of Tanks』(オンラインゲーム
ソ連それんけい戦車せんしゃとして登場とうじょう

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ きゅう資料しりょう・グランドパワー No.013、しん資料しりょう・グランドパワー No.101
  2. ^ グランドパワー No.013

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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