甘酒あまざけといえば、「寒さむい冬ふゆに体からだを温あたためてくれる飲のみ物もの」というイメージの方ほうも多おおいでしょう。実際じっさい、初詣はつもうでの頃ころ、ご参拝さんぱいの皆様みなさまに暖だんを取とってもらおうと振ふる舞まう神社じんじゃも多おおくあります。
ところがこの甘酒あまざけ、俳句はいくの世界せかいでは夏なつの季語きごだという事ことをご存知ぞんじでしょうか。甘酒あまざけの原料げんりょうは、神道しんとうでは神かみさまから授さずかったとされる「お米べい」です。このお米べいから作つくられる甘酒あまざけは、栄養えいよう価かが高たかく胃腸いちょうにも優やさしいことから、江戸えど時代じだいには夏なつの栄養えいようドリンクとして親したしまれていました。
酒粕さけかすからつくる甘酒あまざけもありますが、米べい麹こうじからつくる甘酒あまざけにはアルコールが含ふくまれず、お子様こさまでも安心あんしんして飲のむことができます。ビタミンB群ぐんやアミノ酸あみのさんがバランスよく含ふくまれ、胃腸いちょうに優やさしく、お通つうじも良よくなり、お肌はだにも良よい。さらに、加糖かとうせず自然しぜんの甘あまみで低ていカロリー、点滴てんてきと成分せいぶんが似にていることから「飲のむ点滴てんてき」とまでいわれ、まさに良よい事ことずくめなのです。また、その起原きげんは古墳こふん時代じだいまで遡さかのぼるそうで、一説いっせつには歴史れきし書しょ『日本書紀にほんしょき』に記載きさいされている「天てん甜酒あまのたむさけ」が起源きげんではないかとも言いわれています。この「天てん甜酒」は、新嘗祭にいなめさいで神様かみさまにお供そなえされたと記しるされており、甘酒あまざけは神社じんじゃとの関かかわりも深ふかいようです。
栄養えいよう豊富ほうふな甘酒あまざけを、歴史れきしや文化ぶんかの香かおりも感かんじつつ召めし上あがってみてはいかがでしょう。
