神社じんじゃにおける普通ふつうの参拝さんぱいは、神社じんじゃの前まえに進すすみ、お賽銭さいせんを上あげて拝礼はいれいをすればよいのですが、特別とくべつなご祈願きがんや、社殿しゃでんに上あがって参拝さんぱいする場合ばあい(昇殿しょうでん参拝さんぱい)には、神社じんじゃに申込もうしこみをする必要ひつようがあります。
神社じんじゃに着つきましたら、まず社務しゃむ所しょ(神社じんじゃの事務所じむしょ)または授与じゅよ所しょ(お神かみ札さつやお守まもりを授与じゅよする所ところ)に初穂はつほ料りょうを差さし出だし、所定しょていの用紙ようしなどに住所じゅうしょ、氏名しめい、ご祈願きがんの内容ないよう(願ねがい事ごと)を書かいて参拝さんぱいの申込もうしこみをしましょう。申込もうしこみ受付うけつけを済すませると、神職しんしょくまたは巫女ふじょが社殿しゃでんにご案内あんないします。ほどなくして、ご祈願きがんのお祭まつりが始はじまります。
元来がんらい、神社じんじゃでは国家こっかの安全あんぜんや風雨ふうう順じゅん時じ、五穀豊穣ごこくほうじょうなど、公共こうきょう性せいの強つよい祈願きがんを行おこなっていました。一方いっぽう現在げんざいのような個人こじんのために行おこなう個人こじん祈願きがんは、平安へいあん中期ちゅうき頃ごろの陰陽いんよう師しによる陰陽いんよう祓はらいの活動かつどうによって始はじめられたと考かんがえられます。これが神道しんとう信仰しんこうのなかに入はいってくるのは平安へいあん後期こうき頃ごろのことで、御ご祈祷きとう師しの活動かつどうによるとされています。それ以来いらい、個人こじん祈願きがんは歴史れきし的てきに様々さまざまな変遷へんせんを見みせながら、現在げんざいのように神社じんじゃの神職しんしょくによるご祈願きがんが一般いっぱん的てきな形かたちになっています。その内容ないようは合格ごうかく、安産あんざん、病気びょうき平癒へいゆ、商売しょうばい繁盛はんじょう、寿命じゅみょう長ちょう遠とお、子孫しそん繁栄はんえいなど多種たしゅ多様たようです。