神饌しんせんとは、御ご饌みけとも言いって、お祭まつりなどで神様かみさまに献上けんじょうするお食事しょくじのことです。神様かみさまにお食事しょくじを差さし上あげておもてなしをして、そのお下さがりを参列さんれつした人ひとたちでいただく行為こうい・「神人しんじん共食ともぐいしんじんきょうしょく」が、日本にっぽんの祭まつりの特徴とくちょうであるとも言いわれています。
お供そなえする品目ひんもくは、主食しゅしょくとしてのお米こめを始はじめ、お酒さけ、お餅もち、海うみ魚ぎょ、川かわ魚ぎょ、野鳥やちょう、水鳥みずとり、海うみ菜さい、野菜やさい、お菓子かし、お塩しお、お水みずを基本きほんとしつつ、地元じもとの産物さんぶつが捧ささげられたり、お祭まつりの軽重けいちょうによって種類しゅるい・数かずが増減ぞうげんしたりもします。また地域ちいきによっては、歴史れきし的てきに特別とくべつな由来ゆらいのある神饌しんせんが捧ささげられなど、我々われわれが長ながい歴史れきしの中なかで育はぐくんできた食しょく文化ぶんかが反映はんえいされているのです。また神饌しんせんには、生せいのまま供そなえられる生なま饌せいせんと、調理ちょうりしたものをお供そなえする熟じゅく饌じゅくせんがあります。
神社じんじゃでは、定期ていき的てきな大おおきなお祭まつり以外いがいにも、お日にち供きょうとして毎日まいにち、神饌しんせんを捧ささげるお祭まつりが行おこなわれています。家庭かていでの神棚かみだなへのお供そなえも、これに準じゅんじて、お米べい、お酒さけ、お塩しお、お水みずを基本きほんとして、その時々ときどきに応おうじて餅もちやお菓子かし、魚さかなや野菜やさいを供そなえてみてはいかがでしょう。
(『お宮みやと私わたしたち』135頁ぺーじ・『神道しんとう辞典じてん』205頁ぺーじ参照さんしょう)