石井いしい遊ゆう佳けい

石井いしい 遊ゆう佳けい（いしい ゆうか、1963年ねん11月 - ）は日本にっぽんの小説しょうせつ家か、日本語にほんご教師きょうし。

略歴りゃくれき

大阪おおさか府ふ枚方ひらかた市し生うまれ。大阪府立大おおさかふりつだい手前てまえ高等こうとう学校がっこう、早稲田大学わせだだいがく法学部ほうがくぶ卒業そつぎょう。

大学だいがく在学ざいがく中ちゅう、文学ぶんがく研究けんきゅう会かいに所属しょぞくして「小菅こすが陽子ようこ」の筆名ひつめいでいくつかの小説しょうせつを書かいた。卒業そつぎょう後ごはアルバイトの傍かたわら習作しゅうさくを書かき、20代だいの後半こうはんから投稿とうこうを始はじめた。草津くさつ温泉おんせんで仲居なかいをしていた33歳さいのときに文學ぶんがく界かい新人しんじん賞しょうの最終さいしゅう選考せんこうに残のこったことから、その後ご大阪おおさかに戻もどって投稿とうこう生活せいかつを送おくる。36歳さいのとき、仏教ぶっきょうを学まなぼうと東京大学とうきょうだいがく文学部ぶんがくぶインド哲学てつがく仏教ぶっきょう学がく専修せんしゅう課程かていに学士がくし入学にゅうがくし、中国ちゅうごく仏教ぶっきょうを専攻せんこう。修士しゅうし3年ねんのときにインド文学ぶんがく研究けんきゅう室しつの男性だんせいと結婚けっこん。その後ご、同どう大学院だいがくいん（人文じんぶん社会しゃかい系けい研究けんきゅう科か）の博士はかせ課程かていに進すすみ、学会がっかい発表はっぴょうを終おえるなどしたが、インドへの留学りゅうがくが決きまった夫おっと（サンスクリット語ご研究けんきゅう者しゃ石井いしい裕ひろし）に帯同たいどうするため、5年ねん半はんの研究けんきゅうを絶たって満期まんき退学たいがく。その後ごは暑あつ季きを除のぞき、3年ねんほどヴァーラーナシーで暮くらした。

2009年ねんに帰国きこくして1年ねん半はんから2年ねん弱じゃくほど朝日あさひカルチャーセンターの小説しょうせつ講座こうざに通かよい、『海燕うみつばめ』・『野性やせい時代じだい』の元もと編集へんしゅう長ちょう・根本ねもと昌夫まさおの指導しどうを受うけた。東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいのあと避難ひなんしたネパールのカトマンドゥで、日本語にほんご学校がっこう校長こうちょうに頼たのまれて1年間ねんかんにわか日本語にほんご教師きょうしを務つとめた。帰国きこく後ご、夫おっとが日本語にほんご教師きょうしの学校がっこうに通かよい資格しかくを取得しゅとく。2015年ねんからは、求人きゅうじんがあった南みなみインドのチェンナイにあるIT企業きぎょうで、夫おっととともに日本語にほんご教師きょうしとして働はたらいた。

2017年ねん、『百ひゃく年ねん泥どろ』で第だい49回かい新潮しんちょう新人しんじん賞しょうを受賞じゅしょう。2018年ねん、同どう作さくで第だい158回かい芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけ賞しょうを受賞じゅしょう。なお同時どうじ受賞じゅしょうの若竹わかたけ千佐子ちさこも、同おなじく根本ねもと昌夫まさおが教おしえていた別べつの小説しょうせつ講座こうざ（早稲田大学わせだだいがくエクステンションセンター小説しょうせつ講座こうざ）の受講じゅこう生せいだった。

芥川賞あくたがわしょう受賞じゅしょうののち、チェンナイより帰国きこくして作家さっかに専念せんねん、2020年ねん頃ごろより大阪おおさか市し内うちに在住ざいじゅう。

作品さくひんリスト

単行本たんこうぼん

• 『百ひゃく年ねん泥どろ』（新潮社しんちょうしゃ、2018年ねん1月がつ / 新潮しんちょう文庫ぶんこ、2020年ねん7月がつ）
  • 初出しょしゅつ:『新潮しんちょう』2017年ねん11月がつ号ごう
• 『象ぞう牛うし』（新潮社しんちょうしゃ、2020年ねん9月がつ）
  • 象ぞう牛うし - 『新潮しんちょう』2018年ねん10月がつ号ごう
  • 星ほし曝さらし - 『新潮しんちょう』2020年ねん4月がつ号ごう

単行本たんこうぼん未み収録しゅうろく

小説しょうせつ

• 「水みず妖生死し奇き譚たん」 - 『新潮しんちょう』2022年ねん12月がつ号ごう
• 「網あみダナの上うえに」 - 『すばる』2023年ねん1月がつ号ごう
• 「ティータイム」 - 『すばる』2024年ねん4月がつ号ごう
• 「奇遇きぐう」 - 『すばる』2024年ねん10月がつ号ごう
• 「かけこみ一いち番ばん」 - 『新潮しんちょう』2024年ねん11月がつ号ごう

エッセイ・書評しょひょう・その他た

• 「百ひゃく年ねん泥々どろどろ」 - 『すばる』2018年ねん2月がつ号ごう
• 「時じならぬ事々ことごと──挿話そうわ」 - 『群像ぐんぞう』2018年ねん2月がつ号ごう
• 「〈教訓きょうくん〉について」 - 『文学ぶんがく界かい』2018年ねん3月がつ号ごう
• 「東大とうだいで仏教ぶっきょうを学まなび、夫おっととインドへ」 - 『文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう』2018年ねん3月がつ号ごう
• 「ダブル受賞じゅしょう者しゃは同おなじ先生せんせいの生徒せいとだった 先生せんせい、私わたしたち芥川賞あくたがわしょう獲えりました！」（若竹わかたけ千佐子ちさこ、根本ねもと昌夫まさおとの鼎談ていだん） - 『文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう』2018年ねん4月がつ号ごう
• 「こんなことしてていいのか日記にっき」 - 『すばる』2018年ねん7月がつ号ごう - 9月がつ号ごう
• 「ベジ/ノンベジ話ばなし二に題だい」 - 『新潮しんちょう』2018年ねん12月がつ号ごう
• 「言葉ことばの無力むりょくを打うち立たてる、常軌じょうきを逸いっした言葉ことばの力ちから」（吉村よしむら萬まん壱いち『前世ぜんせいは兎うさぎ』書評しょひょう） - 『文學ぶんがく界かい』2019年ねん1月がつ号ごう
• 「Amyいわく 十じゅう九きゅう人にんの心しんに響ひびいた恋愛れんあいにまつわる一いち節せつ」 - 『文學ぶんがく界かい』2019年ねん11月がつ号ごう
• 「インドねこ女神めがみさま」 - 『文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう』2019年ねん12月がつ号ごう
• 「私わたしと受験じゅけん 小説しょうせつ家かへの夢ゆめ、インドとの因縁いんねん、呪のろわれた執拗しつようさは入試にゅうしで養やしなわれた」 - 『中央公論ちゅうおうこうろん』2020年ねん2月がつ号ごう
• 「三島みしまのロマン主義しゅぎに思おもいを馳はせる」（三島みしま由紀夫ゆきお『手長てなが姫ひめ 英霊えいれいの声こえ 1938-1966』書評しょひょう） - 『波なみ』2020年ねん11月がつ号ごう
• 「読書どくしょ日び録ろく」 - 『すばる』2021年ねん1月がつ号ごう - 3月がつ号ごう
• 「旅たびのおわり・小説しょうせつのはじまり」 - 『新潮しんちょう』2021年ねん9月がつ号ごう
• 「新あたらしい神話しんわ」（村田むらた喜代子きよこ『姉あねの島しま』書評しょひょう） - 『文學ぶんがく界かい』2021年ねん10月がつ号ごう
• 「〈楽園らくえん〉のありか」（李り琴こと峰ほう『彼岸花ひがんばなが咲さく島しま』書評しょひょう） - 『新潮しんちょう』2021年ねん11月がつ号ごう
• 「古井ふるい由吉よしきちの文ぶん 三さん回忌かいきに寄よせて」 - 『新潮しんちょう』2022年ねん3月がつ号ごう
• 「輪廻りんね・唯識ゆいしき・世界せかい――「『豊饒ほうじょうの海うみ』論ろん」を中心ちゅうしんに」（平野ひらの啓一郎けいいちろう『三島みしま由紀夫ゆきお論ろん』書評しょひょう） - 『すばる』2023年ねん9月がつ号ごう
• 「世界せかいは小説しょうせつを書かくために」（田中たなか慎まき弥わたる『流ながれる島しまと海うみの怪物かいぶつ』書評しょひょう） - 『新潮しんちょう』2023年ねん10月がつ号ごう
• 「〈影響えいきょう〉という名なの翼つばさ」（伊い良りょう刹那せつな『海うみを覗のぞく』書評しょひょう） - 『波なみ』2024年ねん4月がつ号ごう
• 「創作そうさく縁起えんぎ――「百ひゃく年ねん泥どろ」のるつぼ」 - 『新潮しんちょう』2024年ねん6月がつ号ごう
• 「〈孤独こどく〉について」 - 『新潮しんちょう』2024年ねん8月がつ号ごう

関連かんれん項目こうもく

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