海辺うみべのカフカ

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海辺うみべのカフカ
著者ちょしゃ 村上むらかみ春樹はるき
発行はっこう日び 2002年ねん9月12日にち
発行はっこう元もと 新潮社しんちょうしゃ
ジャンル 小説しょうせつ
国くに 日本の旗 日本にっぽん
言語げんご 日本語にほんご
形態けいたい 上うえ製本せいほん
ページ数すう 上うえ：397
下した：429
コード 上うえ：ISBN 4-10-353413-3
下した：ISBN 4-10-353414-1
ウィキポータル 文学ぶんがく
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『海辺うみべのカフカ』（うみべのカフカ）は、村上むらかみ春樹はるきの10作さく目めの長編ちょうへん小説しょうせつ。 ギリシア悲劇ひげきと日本にっぽんの古典こてん文学ぶんがくを下敷したじきにした長編ちょうへん小説しょうせつであり、フランツ・カフカの思想しそう的てき影響えいきょうのもと[注ちゅう 1]ギリシア悲劇ひげきのエディプス王おうの物語ものがたりと、『源氏物語げんじものがたり』や『雨月物語うげつものがたり』などの日本にっぽんの古典こてん小説しょうせつが物語ものがたりの各所かくしょで用もちいられている。15歳さいの少年しょうねん「僕ぼく」が、不思議ふしぎな世界せかいを自みずから行いき来きしながら、心しんの成長せいちょうを遂とげていく物語ものがたりである。また本ほん作さくは『ねじまき鳥とりクロニクル』からの暴力ぼうりょく、戦争せんそうといったテーマが引ひき継つがれており、生々なまなましい残虐ざんぎゃくなシーンも同様どうように登場とうじょうする。

2002年ねん9月12日にち、新潮社しんちょうしゃより上下じょうげ二に分冊ぶんさつで刊行かんこうされ、2005年ねん3月2日にち、新潮しんちょう文庫ぶんことして文庫ぶんこ化かされた。2005年ねんにフィリップ・ガブリエルにより訳やくされた英語えいご版ばん『Kafka on the Shore』は、「ニューヨーク・タイムズ」紙しで年間ねんかんの「ベストブック10冊さつ」および世界せかい幻想げんそう文学ぶんがく大賞たいしょうに選出せんしゅつされた[2][3]。演出えんしゅつ家かの蜷川にながわ幸雄ゆきおによってこれまでに2度ど舞台ぶたい化かされた。

概要がいよう[編集へんしゅう]

本ほん作さくは、20代だい後半こうはんから30代だい前半ぜんはんの主人公しゅじんこうが多おおい村上むらかみ小説しょうせつにしては珍めずらしく、15歳さいの少年しょうねん「僕ぼく」が主人公しゅじんこうとなっている。「僕ぼく」の章しょうは一人称いちにんしょうおよび二人称ににんしょう現在げんざい形かたち、「ナカタさん」の章しょうは三人称さんにんしょう過去かこ形がたで物語ものがたられる。

世界せかい背景はいけいは『世界せかいの終おわりとハードボイルド・ワンダーランド』と『ねじまき鳥とりクロニクル』を融合ゆうごうしたものを下地したじにしている。例れいとして、読よみ進すすめていくうちに謎なぞの全貌ぜんぼうが明あきらかにされていくといった推理すいり小説しょうせつ風ふうの手法しゅほうと世界せかいを異ことにした2人ふたりの主人公しゅじんこうによって語かたられるパラレル（平行へいこう）進行しんこう、村上むらかみ春樹はるきの作風さくふうでもある「非ひ現実げんじつ」の舞台ぶたい回まわしとしての「夢ゆめ」や戦後せんご世代せだい的てきな戦争せんそう観かんからくる「暴力ぼうりょく」「旧きゅう日本にっぽん軍ぐん」「絶対ぜったい悪わる」ほか「森もり」「影かげ」などのキーワード、物語ものがたりの終盤しゅうばんで姿すがたを現あらわした「森もりの中枢ちゅうすうの世界せかい」の『世界せかいの終おわりとハードボイルド・ワンダーランド』にある「世界せかいの終おわり」の街まちとの類似るいじ性せい、などが挙あげられる。

『海辺うみべのカフカ』のホームページが2002年ねん9月がつ12日にちから2003年ねん2月がつ14日にちまで設もうけられた。その間あいだ、13歳さいから70歳さいまで、アメリカ、韓国かんこくなど世界せかい各国かっこくからも寄よせられた感想かんそうや質問しつもんはのちに『少年しょうねんカフカ』（新潮社しんちょうしゃ、2003年ねん6月がつ10日刊にっかん）に収録しゅうろくされた。多様たような解釈かいしゃくが許ゆるされるストーリーが展開てんかいされており、『少年しょうねんカフカ』では物語ものがたりの内容ないように関かんする多おおくの質問しつもんが寄よせられているが、村上むらかみは読者どくしゃそれぞれの解釈かいしゃくを重要じゅうよう視ししており、答こたえを明示めいじしていない[4]。

あらすじ[編集へんしゅう]

「僕ぼく」田村たむらカフカは東京とうきょう都と中野なかの区く野方のかたに住すむ15歳さいの中学ちゅうがく3年生ねんせいである。父親ちちおやにかけられた呪のろいから逃のがれるために家出いえでを決心けっしんし、東京とうきょう発はつの深夜しんやバスを四国しこくの高松たかまつで降おりる。

カフカは高松たかまつの私立しりつ図書館としょかんに通かようようになるが、ある日ひ目覚めざめると、自分じぶんが森もりの中なかで血ちだらけで倒たおれていた。カフカはその晩ばん、深夜しんやバスで出会であった姉あねのように思おもうさくらの家いえに一泊いっぱくさせてもらい、翌日よくじつから図書館としょかんで寝泊ねとまりするようになる。そこでカフカは、なんとなく自分じぶんの母親ははおやなのではないかと思おもっていた館長かんちょうの佐伯さえきと関係かんけいを持もつようになる。

ナカタもまた野方のかたに住すむ、知的ちてき障害しょうがいのある老人ろうじんであった。通称つうしょう「猫ねこ殺ごろし」の男おとこを殺害さつがいし、東京とうきょうを離はなれた。ナカタはトラック運転うんてん手しゅの星野ほしのの力ちからを借かりて「入いり口くちの石いし」を探さがしはじめた。その頃ころちょうどカフカは、図書館としょかんの司書ししょの大島おおしまから父親ちちおやが自宅じたくで殺ころされたニュースを知しらされる。やがて警察けいさつの手てがのび、カフカは大島おおしまが提供ていきょうしてくれた森もりの隠かくれ家がに移うつる。

一方いっぽう、「入いり口くちの石いし」を探さがすナカタは図書館としょかんにたどり着つき、そこで佐伯さえきに会あう。そしてナカタが帰かえった後のち、佐伯さえきは机つくえに突つっ伏ぷすように死しんでいた。

森もりの奥おくでカフカは、旧きゅう帝国ていこく陸軍りくぐんの軍服ぐんぷくを着きた2人ふたりの兵隊へいたいと出会であい、彼かれらに導みちびかれて森もりを抜ぬけ川かわのある小ちいさな町まちにたどり着つく。そこで佐伯さえきに会あったカフカは、彼女かのじょから元もとの世界せかいに戻もどるように言いわれる。

マンションに隠かくれ住すんでいたナカタは「入いり口くちの石いし」を開ひらいた後のち、客死かくしし、ナカタを失うしなった星野ほしのは黒くろ猫ねこの助言じょげんを受うけナカタがやり残のこした「入いり口くちの石いし」を閉とじる仕事しごとにとりかかった。

最終さいしゅう的てきにカフカは現実げんじつへ戻もどることを決意けついし、岡山おかやまから新幹線しんかんせんに乗のって東京とうきょうへの帰途きとにつく。

登場とうじょうする人物じんぶつ・動物どうぶつ[編集へんしゅう]

僕ぼく（田村たむらカフカ）
父親ちちおやから「母ははと交まじわり父ちちを殺ころし、姉あねとも交まじわる」という呪のろいをかけられたため、家出いえでを決意けついする。読書どくしょ好すき。自立じりつ心しん・自制心じせいしんに優すぐれるが、反面はんめん、抑制よくせい的てきで孤独こどく癖へきのある少年しょうねん。「田村たむら」は本姓ほんせいだが、「カフカ」は偽名ぎめいである[5]。これはフランツ・カフカからの借用しゃくようであると共ともに、チェコ語ごでカラスという意味いみをあらわす。四国しこくで数々かずかずの試練しれんに立たち向むかう。
カラスと呼よばれる少年しょうねん
カフカにアドバイスを与あたえる謎なぞの少年しょうねん。この人物じんぶつのセリフは太字ふとじで書かかれることが多おおい。
大島おおしま（おおしま）
高松たかまつの甲かぶと村むら記念きねん図書館としょかんの司書ししょ。21歳さい[6]。血友病けつゆうびょう患者かんじゃで性的せいてき少数しょうすう者しゃである[7]。泊とまる場所ばしょのないカフカに「なら、ここ（図書館としょかん）に泊とまればいい」と言いう[8]。
佐伯さえき（さえき）
甲かぶと村むら記念きねん図書館としょかんの館長かんちょうをしている女性じょせい[9]。50歳さいを過すぎている[10]。19歳さいのときに自作じさくした曲きょく『海辺うみべのカフカ』が大だいヒットした[11]。20歳さいの時ときに恋人こいびとを東京とうきょうの大学だいがく紛争ふんそうで殺ころされている[12][注ちゅう 2]。カフカに母親ははおやではないかと思おもわれるとともに肉体にくたい関係かんけいを持もつようになる。
さくら
カフカが、夜行やこうバスが高松たかまつに着つく前まえに休憩きゅうけいしたサービスエリアで出会であった若わかい女性じょせい美容びよう師し[13]。カフカは彼女かのじょを夢ゆめの中なかで強姦ごうかんする。
ナカタ（ナカタサトル）
もう一人ひとりの主人公しゅじんこう。中野なかの区くに住すむ60代だい半なかばの男性だんせいで、知的ちてき障害しょうがいがあり、生活せいかつ保護ほごを受うけている[14]。かつては民芸みんげい家具かぐの職人しょくにんであった[15]。猫ねこ探さがしを得意とくいとする。一人称いちにんしょうは「ナカタ」であり、「ナカタは〜であります」「ナカタは〜なのです」と特徴とくちょう的てきな喋しゃべり方かたをする。国民こくみん学校がっこう生せいのとき、疎開そかい先さきの山梨やまなし県けんで「お椀わん山やま事件じけん」に遭遇そうぐうして、全すべての記憶きおくと読よみ書かきの能力のうりょくを失うしなった。猫ねこと会話かいわができる。
星野ほしの（ほしの）
ナカタと道中どうちゅうを共ともにすることになったトラック運転うんてん手しゅの青年せいねん。20代だい半なかば[16]。岐阜ぎふ県けんの山やまの中なかで育そだち[17]、高校こうこうを出でたあと自衛隊じえいたいに入隊にゅうたいした。中日ちゅうにちドラゴンズのファン。数すう年ねん前まえに亡なくした祖父そふと似にた雰囲気ふんいきを持もつナカタに、親したしみをおぼえる。
ジョニー・ウォーカー
ウィスキーのブランドの一ひとつジョニー・ウォーカーのロゴマークとして描えがかれている人物じんぶつに扮ふんした謎なぞの人物じんぶつ。近辺きんぺんの猫ねこをさらって殺ころしていた、通称つうしょう「猫ねこ殺ごろし」。またカフカに予言よげんを伝つたえた張本人ちょうほんにん。
カーネル・サンダーズ
ケンタッキー・フライド・チキンの創業そうぎょう者しゃの扮装ふんそうをした謎なぞの人物じんぶつ。星野ほしのに「入いり口くちの石いし」のありかを教おしえる。
岡持おかもち節子せつこ
山梨やまなし県けんの国民こくみん学校がっこうの教師きょうしで、少年しょうねん時代じだいのナカタの担任たんにんであった。1944年ねん11月7日にち、野外やがい実習じっしゅう時じに「お椀わん山やま事件じけん」（児童じどうの集団しゅうだん昏睡こんすい事件じけん）[注ちゅう 3]に遭遇そうぐうする。
大島おおしまの兄あに
高知こうち県けんでサーフショップを営いとなんでいる。
オオツカ
年老としおいた大おおきな黒くろ猫ねこ。ナカタの影かげの濃こさが半分はんぶんになっていることを指摘してきする。
ゴマ
行方ゆくえ不明ふめいの猫ねこ。三毛みけ猫ねこで1歳さいのオス[19]。この迷まよい猫ねこの捜索そうさくからナカタは数奇すうきな運命うんめいへ導みちびかれる。
ミミ
上品じょうひんなシャム猫ねこ。名前なまえの由来ゆらいはプッチーニのオペラ『ラ・ボエーム』の中なかの「私わたしの名なはミミ」より。
トロ
高松たかまつで星野ほしのと出会であう黒くろ猫ねこ。星野ほしのに対たいし、入いり口くちの石いしに入はいりこもうとするものを「圧倒的あっとうてきな偏見へんけんでもって強固きょうこに抹殺まっさつするんだ」と諭さとす[注ちゅう 4]。

登場とうじょうする文化ぶんか・風俗ふうぞく[編集へんしゅう]

  • 『流刑りゅうけい地ちにて』 - フランツ・カフカの短編たんぺん小説しょうせつ。「不思議ふしぎな処刑しょけい機械きかいの出でてくる話はなし」（田村たむらカフカ談だん）。田村たむらカフカはこう述のべている。「その複雑ふくざつで目的もくてきのしれない処刑しょけい機械きかいは、現実げんじつの僕ぼくのまわりに実際じっさいに存在そんざいしたのだ。それは比喩ひゆとか寓話ぐうわとかじゃない。」[23]
  • レディオヘッド - 本文ほんぶん中ちゅうの表記ひょうきは「レイディオヘッド」[24]。イギリスのロックバンド。1997年ねんに発表はっぴょうした『OK コンピューター』、2000年ねんに発表はっぴょうした『キッド A』により、世界せかい的てきな評価ひょうかを受うけた。カフカがホテルで日誌にっしをつける際さい、ウォークマンで聴きいている。なお同どうバンドのボーカルであるトム・ヨークは村上むらかみ作品さくひんの愛読あいどく者しゃを公言こうげんしている。
  • ボクサーブリーフ - 男性だんせい用よう下着したぎの一種いっしゅ。1992年ねんにカルバン・クラインが発表はっぴょうし、それまで一般いっぱん的てきだったブリーフとトランクスを折衷せっちゅうしたデザインが人気にんきとなり、2000年代ねんだい以降いこう飛躍ひやく的てきに普及ふきゅうした。カフカが夢ゆめの中なかでさくらと性行為せいこういに及およぶ際さい、着用ちゃくようしている描写びょうしゃがある。なお本文ほんぶん中ちゅうの表記ひょうきは「ボクサーショーツ」[25]。
  • 『虞美人草ぐびじんそう』 - 夏目なつめ漱石そうせきの長編ちょうへん小説しょうせつ。大島おおしまに図書館としょかんに来きてからどんなものを読よんだのかと問とわれ、カフカは「今いまは『虞美人草ぐびじんそう』、その前まえは『坑夫こうふ』です」と答こたえる[26]。
  • 『坑夫こうふ』 - 夏目なつめ漱石そうせきの長編ちょうへん小説しょうせつ。カフカは大島おおしまに向むかって『坑夫こうふ』の所感しょかんを述のべる。その感想かんそうは長ながく、話はなし終おわるまでに文庫ぶんこ版ばんで3ページ費ついやされている[26]。
  • ウィリアム・バトラー・イェイツ - アイルランドの詩人しじん、劇げき作家さっか。1923年ねんにノーベル文学ぶんがく賞しょう受賞じゅしょう。大島おおしまが本ほんに記しるしたメモに「僕ぼくらの責任せきにんは想像そうぞう力りょくの中なかから始はじまる。イェーツが書かいている。In dreams begin the responsibilities――まさにそのとおり。」と書かかれてある[28]。ただし大島おおしまは正確せいかくには引用いんようしていない。この言葉ことばは詩集ししゅう『Responsibilities』（1914年ねん）のエピグラフ「In dreams begins responsibility」からとられている。
  • 「リトル・レッド・コルヴェット」 - 米国べいこくのミュージシャン・プリンスの作品さくひん。1982年ねん発表はっぴょうのアルバム『1999』に収おさめられている。翌年よくねんシングルカットされ全米ぜんべいチャート6位いを記録きろくした。カフカはプリンスの音楽おんがくを「奇妙きみょうに切きれ目めのない音楽おんがく」と評ひょうする。なお本文ほんぶん中ちゅうの表記ひょうきは「リトル・レッド・コーヴェット」[30]。
  • T・S・エリオット - イギリスの詩人しじん、劇げき作家さっか。エリオットの詩し「The Hollow Men」を大島おおしまは引ひき合あいに出だす。「ただね、僕ぼくがそれよりも更さらにうんざりさせられるのは、想像そうぞう力りょくを欠かいた人々ひとびとだ。T・S・エリオットの言いう〈うつろな人間にんげんたち〉だ。」[31]。エリオットのこの詩しは長編ちょうへん『騎士きし団長だんちょう殺ごろし』でも引用いんようされる[32]。
  • アントン・チェーホフ - ロシアの劇げき作家さっか、短編たんぺん小説しょうせつ家か。カーネル・サンダーズは星野ほしのに向むかって次つぎのように話はなす。
「ロシアの作家さっかアントン・チェーホフがうまいことを言いっている。『もし物語ものがたりの中なかに拳銃けんじゅうが出でてきたら、それは発射はっしゃされなくてはならない』ってな。どういうことかわかるか？」「チェーホフが言いいたいのはこういうことだ。必然ひつぜん性せいというのは、自立じりつした概念がいねんなんだ。」「お前まえの抱かかえている石いしは、チェーホフの言いうところの『拳銃けんじゅう』なんだ」[34]。
村上むらかみは『1Q84』の登場とうじょう人物じんぶつにも同様どうようのことを言いわせている。拳銃けんじゅうをひとつ用意よういしてほしいと頼たのむ青豆あおまめにタマルは次つぎのように言いう。「チェーホフがこう言いっている。物語ものがたりの中なかに拳銃けんじゅうが出でてきたら、それは発射はっしゃされなくてはならない、と。」「物語ものがたりの中なかに、必然ひつぜん性せいのない小道具こどうぐは持もち出だすなということだよ」[35]
  • スペイン内戦ないせん - 1936年ねんから1939年ねんにかけてスペインで勃発ぼっぱつした内戦ないせん。大島おおしまとカフカとの間あいだで次つぎのような会話かいわが交かわされる。「いつかスペインに行いきたい」「どうしてスペインなの？」「スペイン戦争せんそうに参加さんかするんだ」「スペイン戦争せんそうはずっと前まえに終おわったよ」「知しってるよ。ロルカが死しんで、ヘミングウェイが生いき残のこった」[36]
  • 生いき霊りょう - カフカは「人ひとが生いきながら幽霊ゆうれいになることってあるの？」と大島おおしまに尋たずねる。大島おおしまは「たとえば『源氏物語げんじものがたり』の世界せかいは生いき霊りょうで満みちている」「紫式部むらさきしきぶの生いきていた時代じだいにあっては、生いき霊りょうというのは怪奇かいき現象げんしょうであると同時どうじに、すぐそこにあるごく自然しぜんな心しんの状態じょうたいだった。そのふたつの種類しゅるいの闇やみをべつべつに分わけて考かんがえることは、当時とうじの人々ひとびとにはたぶん不可能ふかのうだっただろうね。」と答こたえている[37]。
村上むらかみ自身じしんも河合かわい隼雄はやおと1995年ねんに行いった対談たいだんの中なかで、同おなじような質問しつもんをしている。「『源氏物語げんじものがたり』の中なかにある超ちょう自然しぜん性せいというのは、現実げんじつの一部いちぶとして存在そんざいしたものなんでしょうかね」という問といかけに対たいする河合かわいの返答へんとうは、「あんなの（注ちゅう・怨霊おんりょう等ひとし）はまったく現実げんじつだとぼくは思おもいます」「もう全部ぜんぶあったことだと思おもいますね」[38]
  • 『大人おとなは判わかってくれない』 - フランソワ・トリュフォー監督かんとくの最初さいしょの長編ちょうへん映画えいが。高松たかまつ市内しないの映画えいが館かんで星野ほしのが見みる映画えいが[39]。また兵隊へいたいたちに連つれられた建物たてものの中なかでカフカはこの映画えいがの一いちシーンを思おもい出だす[40]。
  • 『ピアニストを撃げきて』 - トリュフォーの2作さく目めの長編ちょうへん映画えいが。高松たかまつ市内しないの映画えいが館かんで星野ほしのが見みる映画えいが[39]。
  • ロシア遠征えんせい - 1812年ねんにフランス帝国ていこくのナポレオン1世せいがロシアに侵攻しんこうし、敗北はいぼく、退却たいきゃくするまでの一連いちれんの歴史れきし的てき事件じけん。山やまのキャビンでカフカ少年しょうねんはロシア遠征えんせいについて書かかれた本ほんを読よむ。カフカ自身じしんによる説明せつめいが本書ほんしょに記しるされている。「この実質じっしつ的てきな意味いみをほとんど持もたない戦争せんそうのおかげで、おおよそ40万まん人にんのフランス軍ぐん兵士へいしが見知みしらぬ広大こうだいな土地とちで命いのちを落おとすことになった。戦闘せんとうはもちろん残酷ざんこくですさまじいものだった。医師いしの数かずがじゅうぶんではなく、医薬品いやくひんも不足ふそくしていたために、深ふかい傷きずを負おった兵士へいしのおおかたは、そのまま苦痛くつうの中なかで死しんだ。」[41]

初版しょはんと現行げんこう版ばんの本文ほんぶん異同いどう[編集へんしゅう]

以下いかは単行たんこう本初ほんしょ版ばん（2002年ねん9月がつ10日とおか発行はっこう）と文庫本ぶんこぼん（2005年ねん3月がつ1日にち発行はっこう）との本文ほんぶん異同いどうである。

初版しょはん 現行げんこう版ばん
上巻じょうかん
p100 		（月曜日げつようびはべつだ。月曜日げつようびは甲かぶと村むら図書館としょかんが休やすみなので、かわりに大おおきな公立こうりつの図書館としょかんに行いった） 削除さくじょ
上巻じょうかん
p227 		テルアビブの法廷ほうていの防弾ぼうだんガラス張がらすばりの被告ひこく席せきにあって[注ちゅう 6] エルサレムの法廷ほうていの防弾ぼうだんガラス張がらすばりの被告ひこく席せきにあって
上巻じょうかん
p270 		マクドナルド、セブン-イレブン、ローソン、すかいらーく、デニーズ……、騒音そうおんに満みちた現実げんじつが僕ぼくらを取とりかこんでいく。 マクドナルド、ファミリーマート、ローソン、吉野家よしのや……、騒音そうおんに満みちた現実げんじつが僕ぼくらを取とりかこんでいく。
上巻じょうかん
p275 		二人ふたりが過失かしつ致死ちし罪ざいで、短みじかい懲役ちょうえき刑けいを宣告せんこくされた。 二人ふたりが傷害しょうがい致死ちし罪ざいで、短みじかい懲役ちょうえき刑けいを宣告せんこくされた。
上巻じょうかん
p309 		大島おおしまさんはチノパンツのポケットから財布さいふを出だし、そこからプラスチックの運転うんてん免許めんきょ証しょうを抜ぬきだして彼女かのじょに渡わたす。 大島おおしまさんはチノパンツのポケットから財布さいふを出だし、プラスチックのカードをとって彼女かのじょに渡わたす。写真しゃしん入いりのIDカード。たぶん何なにか病院びょういんの関係かんけいのものだろう。
上巻じょうかん
p368 		市内しないに計理士けいりしの事務所じむしょを持もっている経営けいえい者しゃの息子むすこには 市内しないに税理士ぜいりしの事務所じむしょを持もっている経営けいえい者しゃの息子むすこには
下巻げかん
p247 		僕ぼくは夜中よなかに激はげしい喉のどの渇かわきで目めを覚さまし、寝袋ねぶくろから出でて水道すいどうの水みずを飲のむ。 僕ぼくは夜中よなかに激はげしい喉のどの渇かわきで目めを覚さまし、寝袋ねぶくろから出でて水みずを飲のむ。
下巻げかん
p337 		台所だいどころには電気でんき冷蔵庫れいぞうこがある。東芝とうしば製せいの、それほど大おおきくない古ふるい型かたの電気でんき冷蔵庫れいぞうこだ。 台所だいどころには電気でんき冷蔵庫れいぞうこがある。それほど大おおきくない古ふるい型かたの電気でんき冷蔵庫れいぞうこだ。
下巻げかん
p341 		古ふるいかたちの三菱みつびし製せいのカラーテレビがこの部屋へやにあるただひとつの家具かぐだ。 古ふるいかたちのカラーテレビがこの部屋へやにあるただひとつの家具かぐだ。

翻訳ほんやく[編集へんしゅう]

翻訳ほんやく言語げんご タイトル 翻訳ほんやく者しゃ 発行はっこう日び 発行はっこう元もと
英語えいご Kafka on the Shore フィリップ・ガブリエル 2005年ねん1月がつ6日にち Harvill Press（英国えいこく）
2005年ねん1月がつ26日にち Knopf（米国べいこく）
フランス語ふらんすご Kafka sur le rivage Corinne Atlan 2005年ねん12月がつ20日はつか Belfond
ドイツ語ご Kafka am Strand Ursula Gräfe 2004年ねん2月がつ25日にち DuMont Buchverlag
イタリア語ご Kafka sulla spiaggia ジョルジョ・アミトラーノ 2008年ねん3月がつ Einaudi
スペイン語ご Kafka en la orilla Lourds Porta Fuentes 2006年ねん11月 Tusquest Editores
カタルーニャ語ご Kafka a la platja Albert Nolla 2006年ねん Labutxaca
ポルトガル語ご Kafka à beira-mar Maria João Lourenço 2006年ねん Casa das Letras （ポルトガル）
Kafka à beira-mar Leiko Gotoda 2008年ねん3月がつ10日とおか Alfaguara（ブラジル）
オランダ語ご Kafka op het strand ヤコバス・ウェスタホーヴェン 2009年ねん9月がつ Atlas
スウェーデン語ご Kafka på stranden Eiko Duke, デューク・雪子ゆきこ 2006年ねん Norstedts
デンマーク語ご Kafka på stranden Mette Holm 2007年ねん Klim
ノルウェー語ご Kafka på stranden Ika Kaminka 2005年ねん Pax forlag
フィンランド語ご Kafka rannalla Juhani Lindholm 2009年ねん3月がつ Tammi
ポーランド語ご Kafka nad morzem Anna Zielińska-Elliott 2007年ねん Wydawnictwo MUZA SA
チェコ語ご Kafka na pobřeží Tomáš Jurkovič 2006年ねん Odeon
スロベニア語ご Kafka na obali Aleksander Mermal 2007年ねん Mladinska knjiga
ハンガリー語ご Kafka a tengerparton Erdős György 2006年ねん Geopen Könyvkiadó Kft.
ルーマニア語ご Kafka pe malul mării Iuliana Oprina 2006年ねん Polirom
ブルガリア語ご Кафка на плажа Людмил Люцканов 2006年ねん Колибри
ロシア語ご Кафка на пляже Иван Логачев,
Сергей Логачев		 2004年ねん Eksmo
エストニア語ご Kafka mererannas Kati Lindström 2008年ねん8月がつ Varrak
ラトビア語ご Kafka liedagā Ingūna Bek̦ere 2012年ねん Zvaigzne ABC
リトアニア語ご Kafka pakrantėje Ieva Stasiūnaitė 2007年ねん Baltos lankos
トルコ語ご Sahilde Kafka Hüseyin Can Erkin 2009年ねん11月 Doğan Kitap
ヘブライ語ご קפקא על החוף Einat Cooper 2007年ねん Keter Publishing House
中国ちゅうごく語ご (繁体字はんたいじ) 海邊うみべ的てき卡夫卡 頼よりゆき明あきら珠たま 2003年ねん 時報じほう文化ぶんか（台湾たいわん）
中国ちゅうごく語ご (簡体字かんたいじ) 海うみ边的卡夫卡 林はやし少しょう華はな 2003年ねん4月がつ 上海しゃんはい訳文やくぶん出版しゅっぱん社しゃ（中国ちゅうごく）
韓国かんこく語ご 해변의 카프카 金きむ春美はるみ（キム・チュンミ） 2003年ねん7月がつ 文学ぶんがく思想しそう社しゃ
モンゴル語ご Эрэг дээрх Кафка Ц.Онон 2017年ねん Монсудар
アラビア語ご كافكا على الشاطئ إيمان حرز الله 2007年ねん المركز الثقافي العربي
ベトナム語ご Kafka bên bờ biển Dương Tường 2007年ねん Nhã Nam

舞台ぶたい（2008年ねんアメリカ版ばん）[編集へんしゅう]

アメリカ・シカゴのステッペンウルフ・シアター・カンパニーが英えい題だい“Kafka on the Shore”[45]として同どう劇団げきだん所属しょぞくでブロードウェイで2度どのトニー賞しょうを受賞じゅしょうしているフランク・ギャラティの脚本きゃくほん・演出えんしゅつで世界せかい初演しょえん（英語えいご上演じょうえん）。人名じんめい、地名ちめいとも原作げんさくの通とおりで日本にっぽんが舞台ぶたいとなっている。フランク・ギャラティは2005年ねんに同どう劇団げきだんで村上むらかみ春樹はるきの『神かみの子こどもたちはみな踊おどる』（英えい題だい after the quake）も世界せかい初演しょえんしている。

日程にってい・会場かいじょう[編集へんしゅう]

  • 2008年ねん9月がつ18日にち - 11月16日にち （アメリカ・シカゴのステッペンウルフ・シアター[46]）

キャスト[編集へんしゅう]

  • 田村たむらカフカ：Christopher Larkin[47]
  • 佐伯さえき：Lisa Tejero
  • 大島おおしま：Gerson Dacanay
  • カラス：Jon Michael Hill
  • さくら：Aiko Nakasone
  • 星野ほしの：Andrew Pang
  • カーネル・サンダーズ：Francis Guinan
  • ナカタ：David Rhee

舞台ぶたい（2012年版ねんばん）[編集へんしゅう]

フランク・ギャラティの脚本きゃくほん、蜷川にながわ幸雄ゆきおの演出えんしゅつ。日本人にっぽんじん演出えんしゅつ家かによる村上むらかみ春樹はるき作品さくひんの初はじめての舞台ぶたい化か。主人公しゅじんこうのカフカ役やくは、舞台ぶたい初はつ出演しゅつえんの柳やなぎ楽らく優ゆう弥わたる。

日程にってい・会場かいじょう[編集へんしゅう]

キャスト[編集へんしゅう]

舞台ぶたい（2014年版ねんばん）[編集へんしゅう]

脚本きゃくほん、演出えんしゅつは2012年版ねんばんと同おなじ。主人公しゅじんこうのカフカ役やくは、オーディションで抜擢ばってきされた新人しんじんの古畑ふるはた新しん之これ。2015年ねん、蜷川にながわ幸雄ゆきお生誕せいたん80周年しゅうねんを記念きねんしてワールドツアーを開催かいさい、ロンドン、ニューヨーク、シンガポールなど世界せかい5都市としで上演じょうえんされた。

日程にってい・会場かいじょう[編集へんしゅう]

2014年ねん

2015年ねん

キャスト[編集へんしゅう]

（記載きさい順序じゅんじょはカルチャーメディアCINRAに掲載けいさいされた公演こうえん情報じょうほうによる[48]）

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 村上むらかみは、たとえばこれを「まわりにある抑圧よくあつ的てきな現実げんじつを冷静れいせいに観察かんさつし、そこから自分じぶんにとっての有効ゆうこうな現実げんじつを真摯しんしに、物静ものしずかに追求ついきゅうしていく」こととしている[1]。
  2. ^ 殺ころされ方かたが、川口かわぐち大だい三郎さぶろう君くん事件じけんをモデルにしているという説せつが、松井まつい今いま朝子あさこ『師父しふの遺言ゆいごん』、瀬戸せと宏ひろし「川口かわぐち君くん事件じけんの記憶きおく－松井まつい今いま朝子あさこ『師父しふの遺言ゆいごん』と村上むらかみ春樹はるき『海辺うみべのカフカ』」で述のべられている。
  3. ^ 集団しゅうだん昏睡こんすい事件じけんに関かんして、オーストラリア映画えいが『ピクニックatハンギング・ロック』を何なん度ども思おもい出だすという読者どくしゃからの手紙てがみに対たいし、村上むらかみはこう答こたえている。「"Picnic at Hanging Rock"は僕ぼくの大好だいすきな映画えいがのひとつです。この小説しょうせつを書かいているときにももちろんあの映画えいがのことを思おもい出だしました。（中略ちゅうりゃく）僕ぼくらはたぶん巨大きょだいな虚無きょむの暗黒あんこくと近接きんせつして生いきているのではないかという気きがしてきます。そういう潜在せんざい的てきな不安ふあん感かんも、もちろん『海辺うみべのカフカ』のアンダートーンになっています」[18]
  4. ^ トロのこの言葉ことばについて村上むらかみは次つぎのように述のべている。「『圧倒的あっとうてきな偏見へんけんをもって断固だんこ抹殺まっさつする』というトロくんの台詞せりふは、『地獄じごくの黙示録もくしろく』の中なかの台詞せりふを引用いんようしました。『地獄じごくの黙示録もくしろく』のあのシーンは僕ぼくがいちばん好すきなシーンです。まだ無名むめいだったハリソン・フォードが出でているシーン。思おもい出だしただけでわくわくしちゃいます」[20]
  5. ^ 森もりを歩あるきながらカフカはこう述のべる。「いつのまにかジョン・コルトレーンはソプラノ・サックスのソロを吹ふきやめている。そして今いまではマッコイ・タイナーのピアノ・ソロが、耳みみの奥おくで鳴なり響ひびいている。左手ひだりてが刻きざむ単調たんちょうなリズムのパターンと、右手みぎてが積つみかさねるぶ厚あついダークなコード。」[43]
  6. ^ ヘブライ語ご版はんは訂正ていせい前まえの単行本たんこうぼんを底本ていほんとしたため「テルアビブ」のまま訳やくされた。この間違まちがいにつきイスラエルの読者どくしゃから抗議こうぎの手紙てがみが来きたという[44]。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ 『「これだけは、村上むらかみさんに言いっておこう」と世間せけんの人々ひとびとが村上むらかみ春樹はるきにとりあえずぶっつける330の質問しつもんに果はたして村上むらかみさんはちゃんと答こたえられるのか?』朝日新聞社あさひしんぶんしゃ、2006年ねん3月がつ、200頁ぺーじ。
  2. ^ “The 10 Best Books of 2005”. New York Times (2005年ねん12月11日にち). 2008年ねん12月17日にち閲覧えつらん。
  3. ^ Dirda, Michael (2007年ねん5月がつ20日はつか). “A surreal novel of suspense from one of Japan's most exciting writers”. Washington Post. 2008年ねん12月17日にち閲覧えつらん。
  4. ^ 『少年しょうねんカフカ』新潮社しんちょうしゃ、2003年ねん6月がつ、125-126頁ぺーじ、ほか。
  5. ^ 新潮しんちょう文庫ぶんこ版ばん上巻じょうかん、pp.335 - 336
  6. ^ 新潮しんちょう文庫ぶんこ版ばん下巻げかん、p.36
  7. ^ 新潮しんちょう文庫ぶんこ版ばん上巻じょうかん、pp.228, 378 - 379
  8. ^ 新潮しんちょう文庫ぶんこ版ばん上巻じょうかん、p.224
  9. ^ 新潮しんちょう文庫ぶんこ版ばん下巻げかん、p.332
  10. ^ 新潮しんちょう文庫ぶんこ版ばん下巻げかん、pp.89, 141
  11. ^ 新潮しんちょう文庫ぶんこ版ばん上巻じょうかん、pp.333 - 335
  12. ^ 新潮しんちょう文庫ぶんこ版ばん上巻じょうかん、p.336
  13. ^ 新潮しんちょう文庫ぶんこ版ばん上巻じょうかん、pp.40 - 44
  14. ^ 新潮しんちょう文庫ぶんこ版ばん下巻げかん、pp.225 - 226
  15. ^ 新潮しんちょう文庫ぶんこ版ばん上巻じょうかん、pp.449 - 451
  16. ^ 新潮しんちょう文庫ぶんこ版ばん上巻じょうかん、p.410
  17. ^ 本書ほんしょ、上巻じょうかん、新潮しんちょう文庫ぶんこ、411頁ぺーじ。
  18. ^ 『少年しょうねんカフカ』前掲ぜんけい書しょ、73頁ぺーじ。
  19. ^ 新潮しんちょう文庫ぶんこ版ばん上巻じょうかん、p.155
  20. ^ 『少年しょうねんカフカ』前掲ぜんけい書しょ、255頁ぺーじ。
  21. ^ 本書ほんしょ、上巻じょうかん、新潮しんちょう文庫ぶんこ、88頁ぺーじ。
  22. ^ 本書ほんしょ、上巻じょうかん、新潮しんちょう文庫ぶんこ、113頁ぺーじ。
  23. ^ 本書ほんしょ、上巻じょうかん、新潮しんちょう文庫ぶんこ、119頁ぺーじ。
  24. ^ 本書ほんしょ、上巻じょうかん、新潮しんちょう文庫ぶんこ、123頁ぺーじ。
  25. ^ 本書ほんしょ、上巻じょうかん、新潮しんちょう文庫ぶんこ、187頁ぺーじ。
  26. ^ a b 本書ほんしょ、上巻じょうかん、新潮しんちょう文庫ぶんこ、220-222頁ぺーじ。
  27. ^ 本書ほんしょ、上巻じょうかん、新潮しんちょう文庫ぶんこ、235頁ぺーじ。
  28. ^ 本書ほんしょ、上巻じょうかん、新潮しんちょう文庫ぶんこ、277頁ぺーじ。
  29. ^ 本書ほんしょ、上巻じょうかん、新潮しんちょう文庫ぶんこ、283頁ぺーじ。
  30. ^ 本書ほんしょ、上巻じょうかん、新潮しんちょう文庫ぶんこ、291頁ぺーじ。
  31. ^ 本書ほんしょ、上巻じょうかん、新潮しんちょう文庫ぶんこ、384頁ぺーじ。
  32. ^ 『騎士きし団長だんちょう殺ごろし 第だい2部ぶ 遷ろうメタファー編へん』 新潮社しんちょうしゃ、2017年ねん2月がつ24日にち、269頁ぺーじ。
  33. ^ 『1Q84』BOOK 3、新潮社しんちょうしゃ、126頁ぺーじ。
  34. ^ 本書ほんしょ、下巻げかん、新潮しんちょう文庫ぶんこ、127-128頁ぺーじ。
  35. ^ 『1Q84』BOOK 2、新潮社しんちょうしゃ、33頁ぺーじ。
  36. ^ 本書ほんしょ、下巻げかん、新潮しんちょう文庫ぶんこ、146頁ぺーじ。
  37. ^ 本書ほんしょ、上巻じょうかん、新潮しんちょう文庫ぶんこ、474-476頁ぺーじ。
  38. ^ 『村上むらかみ春樹はるき、河合かわい隼雄はやおに会あいにいく』新潮しんちょう文庫ぶんこ、143頁ぺーじ。
  39. ^ a b 本書ほんしょ、下巻げかん、新潮しんちょう文庫ぶんこ、215頁ぺーじ。
  40. ^ 本書ほんしょ、下巻げかん、新潮しんちょう文庫ぶんこ、423-424頁ぺーじ。
  41. ^ 本書ほんしょ、下巻げかん、新潮しんちょう文庫ぶんこ、264頁ぺーじ。
  42. ^ 本書ほんしょ、下巻げかん、新潮しんちょう文庫ぶんこ、278-279頁ぺーじ。
  43. ^ 本書ほんしょ、下巻げかん、新潮しんちょう文庫ぶんこ、343頁ぺーじ。
  44. ^ 「村上むらかみ朝日あさひ堂どうホームページ」 読者どくしゃ＆村上むらかみ春樹はるきフォーラム48・2006年ねん4月がつ28日にち〜30日にち。
  45. ^ KAFKA ON THE SHORE SEPTEMBER 18 - NOVEMBER 16, 2008 - STEPPENWOLF THEATRE COMPANY
  46. ^ STEPPENWOLF - STEPPENWOLF THEATRE COMPANY
  47. ^ CHRISTOPHER LARKIN
  48. ^ “村上むらかみ春樹はるき×蜷川にながわ幸雄ゆきおの舞台ぶたい『海辺うみべのカフカ』が再演さいえん、新しんキャストに宮沢みやざわりえ、藤木ふじき直人なおと”. CINRA (2014年ねん2月がつ5日にち). 2022年ねん10月がつ4日にち閲覧えつらん。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

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