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避妊ひにん

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避妊ひにん
治療ちりょうほう
避妊用ピルのパッケージ
シノニム 避妊ひにん
MeSH D003267
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避妊ひにん(ひにん、えい: Birth control/Fertility control/Contraception/Anticonception)は、のぞまない妊娠にんしんふせぐこと。また、その手法しゅほうやそれに使つか医薬品いやくひん器具きぐ使用しようすることである[1]避妊ひにん計画けいかく準備じゅんび避妊ひにん利用りよう家族かぞく計画けいかく産児さんじ制限せいげん(family planning)と[2][3]

避妊ひにん古代こだいからおこなわれており、20世紀せいきになってから効果こうかてき安全あんぜん避妊ひにん手法しゅほう利用りようできるようになった[4]

一部いちぶ人々ひとびと避妊ひにん倫理りんりてき宗教しゅうきょうてき、または政治せいじてきのぞましくないことだとかんがえ、避妊ひにん手段しゅだんへのアクセスを制限せいげんしたり阻止そししたりしている[4]

概要がいよう

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世界せかい保健ほけん機関きかん(WHO)とアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく疾病しっぺい予防よぼうセンター(CDC)は、特定とくてい病状びょうじょう女性じょせい避妊ひにん手法しゅほう安全あんぜんせいかんするガイダンスを提供ていきょうしている[5][6]もっと効果こうかてき避妊ひにん方法ほうほうは、男性だんせいせいかん結紮けっさつじゅつおよび女性じょせい卵管らんかん結紮けっさつじゅつ子宮しきゅうない避妊ひにん器具きぐ(IUD)、避妊ひにんインプラント英語えいごばんによるにん手術しゅじゅつである[7]。これにつづいて効果こうかてき方法ほうほうは、経口けいこう避妊ひにんやく避妊ひにんパッチ英語えいごばんちつリング英語えいごばん注射ちゅうしゃ可能かのう避妊ひにんやく英語えいごばんなど、ホルモン避妊ひにんやく英語えいごばんがいくつかある[7]効果こうかひく避妊ひにん方法ほうほうには、コンドームダイヤフラム英語えいごばん避妊ひにんようスポンジ英語えいごばんなどの物理ぶつりてき障壁しょうへき導入どうにゅうする方法ほうほうや、生理せいりてき変化へんか利用りようした方法ほうほうFertility awareness英語えいごばん)がある[7]もっと効果こうかひく避妊ひにん方法ほうほうは、ころせ精子せいしざいちつがい射精しゃせいである[7]男性だんせいせいかん切除せつじょ非常ひじょう効果こうかてきであるが、通常つうじょうもと状態じょうたいもどすことができない[7]男性だんせいようコンドームや女性じょせいようコンドームなど使用しようしたセーフセックス英語えいごばんは、せい感染かんせんしょう予防よぼうにもやく[8]避妊ひにん方法ほうほうは、せい感染かんせんしょう予防よぼうできない[9]緊急きんきゅう避妊ひにんやくもちいると、避妊ひにんせずにおこなわれた性交せいこうから72〜120時間じかん以内いない服用ふくようした場合ばあいに、妊娠にんしんふせぐことができる[10][11]性的せいてき禁欲きんよく英語えいごばん避妊ひにんいち形態けいたいであると主張しゅちょうするひともいるが、純潔じゅんけつのみの性教育せいきょういく英語えいごばんは、避妊ひにん教育きょういくなしで実施じっしされた場合ばあいに、10代の妊娠にんしん増加ぞうかさせる可能かのうせいがある[12][13]

10代の若者わかもの場合ばあい妊娠にんしんわる結果けっかにつながるリスクがたかくなる。包括ほうかつてき性教育せいきょういく避妊ひにんへのアクセスにより、この年齢ねんれいそうのぞまない妊娠にんしん英語えいごばん割合わりあいらすことができることかっている[14][15]一般いっぱん若年じゃくねんそうはどのような避妊ひにん手法しゅほう利用りようできるが、インプラント、IUD、またはちつリングなどの長時間ちょうじかん作用さようがた可逆かぎゃくてき避妊ひにん方法ほうほう英語えいごばんは、10代の妊娠にんしんりつらせる可能かのうせいがよりたかいとされる[15]出産しゅっさん母乳ぼにゅうだけで子供こどもそだてていない女性じょせいは、わずか4〜6週間しゅうかんふたた妊娠にんしんする可能かのうせいがある[16]避妊ひにん方法ほうほうなかには、出生しゅっしょう直後ちょくご開始かいしできるものもあれば、開始かいし出産しゅっさん最大さいだい6かげつおくらせる必要ひつようがあるものもある[16]母乳ぼにゅう育児いくじをしている女性じょせいには、ふくあい経口けいこう避妊ひにんやくをよりもプロゲスチンのみを使用しようする方法ほうほうこのまれる[16]閉経へいけいたっした女性じょせいは、最後さいご月経げっけいから1年間ねんかん避妊ひにん継続けいぞくすることが推奨すいしょうされている[16]

開発途上国かいはつとじょうこくでは、避妊ひにんのぞんでいる女性じょせいやく2おく2200まんにん現代げんだい避妊ひにん手法しゅほう利用りようできない[17][18]途上とじょうこくでの避妊ひにん利用りようにより、妊娠にんしんちゅうまたは妊娠にんしん前後ぜんこう死亡しぼう英語えいごばんかずは40%減少げんしょうし(2008ねんにはやく270,000にん死亡しぼうふせげた)、避妊ひにん完全かんぜん需要じゅようたされれば、死亡しぼうすうを70%防止ぼうしできる[19][20]避妊ひにんおこなって妊娠にんしんあいだ期間きかんながくすることで、成人せいじん女性じょせい出産しゅっさん結果けっか子供こども生存せいぞんりつ改善かいぜんすることができる[19]途上とじょうこくでは、女性じょせい収入しゅうにゅう資産しさん体重たいじゅう子供こども学校がっこう教育きょういく健康けんこうのすべては、避妊ひにんへのアクセスが改善かいぜんすることで向上こうじょうすることがわかっている[21]避妊ひにんにより扶養ふようされる子供こどもすくなくなり、労働ろうどう参加さんかする女性じょせいおおくなり、希少きしょう資源しげん利用りようらすことができるため、経済けいざい成長せいちょう促進そくしん貢献こうけんできる[21][22]

避妊ひにんそのものは、世界せかい各地かくちふるくからおこなわれているが、だい世界せかい大戦たいせん以前いぜん日本にっぽんにおいては避妊ひにん知識ちしきすくなく、確実かくじつせいひくかった。ようやく戦後せんご普及ふきゅうはじめ、教育きょういく機関きかんでは性教育せいきょういく一環いっかんとして避妊ひにんおしえるところもあるが、これには賛否さんぴ両論りょうろんがある[よう出典しゅってん]

アフリカなどでは、児童じどう就労しゅうろう目的もくてきとした出産しゅっさん医療いりょう進歩しんぽ戦争せんそう部族ぶぞくあいだこうそう減少げんしょう一方いっぽうで、避妊ひにん知識ちしき避妊ひにん普及ふきゅうおくれているため、人口じんこう急激きゅうげき増加ぞうか原因げんいんひとつになっているとされる。また、元々もともとアフリカでは貧困ひんこん家庭かていおおく、避妊ひにん高価こうかであるがゆえに、その普及ふきゅうおくらせている要因よういんひとつになっている[よう出典しゅってん]

パールインデックス(PI)

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前述ぜんじゅつのとおり、完全かんぜん避妊ひにんほう存在そんざいしないが、よく議論ぎろんされるのが「避妊ひにん効果こうか」である。その避妊ひにん効果こうかしめ一般いっぱんてき指標しひょうが、パールインデックスPI、パール指数しすう)である。パールインデックスとは、ある避妊ひにんほうを1年間ねんかんもちいた場合ばあいに、避妊ひにん失敗しっぱいするかくりつ厳密げんみつ定義ていぎではないが、妊娠にんしんするかくりつともいえる)をしめすものである。名称めいしょうは、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく生物せいぶつ学者がくしゃ生物せいぶつ遺伝いでん学者がくしゃのレイモンド・パール(Raymond Pearl)の名前なまえにちなむ。

たとえば、ある避妊ひにんほうのパールインデックスが3の場合ばあい、その避妊ひにんほうのみを1年間ねんかん使つかった女性じょせいのうち3%の人数にんずう妊娠にんしんするということになる。避妊ひにんをしなかった場合ばあいのパールインデックスは85程度ていどといわれている。これは、避妊ひにんをまったくしなかった(もしくは妊娠にんしんのぞんでいる)カップルの女性じょせいが1ねん妊娠にんしんしているりつが85%程度ていどであることをしめす。

PIの計算けいさんほう

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PIは「100にん女性じょせいが1年間ねんかん避妊ひにん」または「10にん女性じょせいが10年間ねんかん避妊ひにん」した場合ばあいの「100女性じょせいねん」をもちいて算出さんしゅつされる。PIはあくまで避妊ひにん方法ほうほう数値すうちし、各々おのおの避妊ひにん効果こうか比較ひかくするための数値すうちであり、避妊ひにん効果こうか自体じたい算出さんしゅつするものではない。

PIの算出さんしゅつには3つの数値すうち必要ひつようである。

  • なんヶ月かげつあいだ避妊ひにん検証けんしょうおこなわれたか、または避妊ひにんちゅう月経げっけい回数かいすう
  • 妊娠にんしん回数かいすう
  • 検証けんしょう完了かんりょう理由りゆう妊娠にんしんが0、そのが1。下記かきBを参照さんしょう)。

PIの算出さんしゅつには2つの方法ほうほうがある。

  • 妊娠にんしん回数かいすう避妊ひにん検証けんしょう合計ごうけいがつり、1200をける。
  • 妊娠にんしん回数かいすう月経げっけい回数かいすうり、1300をける(1300をけるのは月経げっけい平均へいきんてき期間きかんが28日間にちかん年間ねんかん13かいほどだからである)。

一般いっぱんてき検証けんしょう結果けっかには2つのPIが表示ひょうじされる。

  • (A)じつ使用しようれい:すべての妊娠にんしん回数かいすう検証けんしょう期間きかんふくまれる。
  • (B)完璧かんぺき使用しようれい検証けんしょうちゅう避妊ひにん方法ほうほうあやまり、妊娠にんしんしてしまったれい除外じょがいして計算けいさん

PIの信憑しんぴょうせい

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統計とうけいてきにPIは0 - 100のあいだではあるものの、科学かがくてきに「実験じっけん失敗しっぱい」のかくりつふくめるとPIはパーセントであらわせない数値すうちであることがわかる。避妊ひにん方法ほうほう検証けんしょう参加さんかした女性じょせいたちみな1かげつ妊娠にんしんしてしまったら、PIは1200 - 1300のパーフェクトな数値すうちとなってしまう。これはPIがパーセントであらわすPearl Rate(パールりつ)からそうでないPearl Index(パール指数しすう)とばれるようになった由来ゆらいでもある。

また避妊ひにん実験じっけんおこな被験者ひけんしゃ国柄くにがら人種じんしゅ年齢ねんれい学歴がくれきなどにより避妊ひにん失敗しっぱいりつ激変げきへんし、PIにもおおきく影響えいきょうする。もちろん健康けんこうてき妊娠にんしんしやすいカップルから妊娠にんしんし、不健康ふけんこうにんせいのカップルは避妊ひにんしなくても妊娠にんしんできないこと、避妊ひにん道具どうぐ使用しよう方法ほうほう練習れんしゅうするほど効果こうかがることなどは数値すうちされていない。さらには避妊ひにん方法ほうほうへの不満ふまん妊娠にんしん願望がんぼう避妊ひにん方法ほうほう副作用ふくさよう後日ごじつ検証けんしょうあらわれない被験者ひけんしゃなどはPIに反映はんえいすることができない。

だからといってPIに信憑しんぴょうせいがなくなるわけではない。科学かがくてき根拠こんきょにだけもとづいた指数しすうであることをまえたうえ避妊ひにん検証けんしょう実験じっけん状況じょうきょう勘案かんあんして、PIをどれだけ重視じゅうしすべきかを検討けんとうすべきである。

避妊ひにん方法ほうほう

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使用しよう開始かいし1年間ねんかん妊娠にんしんするかくりつ[23][24]
避妊ひにん方法ほうほう 典型てんけいてき使用しよう場合ばあい 完璧かんぺき使用しようした場合ばあい
避妊ひにんをしない 85% 85%
ふくあい経口けいこう避妊ひにんやく 9% 0.3%
プロゲスチンのみのピル 13% 1.1%
にん手術しゅじゅつ女性じょせい 0.5% 0.5%
にん手術しゅじゅつ男性だんせい 0.15% 0.1%
コンドーム(女性じょせい 21% 5%
コンドーム(男性だんせい 18% 2%
どう子宮しきゅうない避妊ひにん器具きぐ(IUD) 0.8% 0.6%
ホルモンの子宮しきゅうない避妊ひにん器具きぐ(IUD) 0.2% 0.2%
避妊ひにんパッチ 9% 0.3%
ちつリング 9% 0.3%
MPA注射ちゅうしゃ 6% 0.2%
避妊ひにんようインプラント 0.05% 0.05%
ダイヤフラムとさつ精子せいしざい 12% 6%
生理せいりてき変化へんか利用りようした方法ほうほう(Fertility awareness) 24% 0.4–5%
ちつがい射精しゃせい 22% 4%
泌乳せい月経げっけいほう (6ヶ月かげつ失敗しっぱいりつ 0–7.5%[25] <2%[26]

避妊ひにん使用しよう

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コンドーム

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使用しようまえのコンドーム(突起とっき精液せいえきまり)

コンドームはラテックスポリウレタン薄膜うすまくをサックじょうにした避妊ひにんで、ちつ挿入そうにゅうするまえ勃起ぼっきした状態じょうたいペニスかぶせて使用しようする。避妊ひにんなかではもっと一般いっぱんてき使用しようされる(PI:3 - 14%程度ていど)。確実かくじつ避妊ひにんのためには、勃起ぼっき直後ちょくご装着そうちゃくすることがすすめられる。また、勃起ぼっきしたペニスのおおきさに適応てきおうしたコンドームを使用しようしないと行為こういちゅうはずれる可能かのうせいがあるため、自身じしん(パートナー)の勃起ぼっきしたペニスのおおきさを測定そくていしたうえで、おおきさにおうじたコンドームを装着そうちゃくしなければならない。

勃起ぼっきのペニスの参考さんこうサイズは、コンドーム参照さんしょうのこと。ペニスのふとさにあわせて多様たようなサイズが用意よういされており、SSやLLは店頭てんとうになくともECサイト気軽きがる購入こうにゅうできる。効果こうか確実かくじつにするために、適切てきせつなサイズのコンドームを選択せんたくすることがのぞまれる。

大鵬薬品工業たいほうやくひんこうぎょうから2004ねん4がつ30にちまで発売はつばいされていた女性じょせいようコンドーム「マイフェミィ」

たんに「コンドーム」とうと男性だんせい装着そうちゃくする避妊ひにんすが、女性じょせい装着そうちゃくする女性じょせいようコンドームも市販しはんされている。

ペッサリー

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ペッサリーの装着そうちゃく位置いち

避妊ひにんようのペッサリーはちつより挿入そうにゅうするゴムじょう避妊ひにんで、本来ほんらい子宮しきゅう位置いちなおすための道具どうぐである。子宮しきゅうこうかぶせるようにゆび挿入そうにゅうし、通常つうじょうころせ精子せいしざい併用へいようするが現在げんざいではほとん使つかわれていない。ちつないはいった精子せいし子宮しきゅうたっせず避妊ひにんすることができる。装着そうちゃく状態じょうたいえないためにまさしく装着そうちゃくするのがむずかしい。

装着そうちゃく方法ほうほうについては指導しどう必要ひつようであり、避妊ひにんかくりつもあまりたかくなく(PI:6 - 20%程度ていど単独たんどくではあまり使用しようされない。また、ひとによっててきしたサイズ・形状けいじょうなどがことなるために薬局やっきょくでは販売はんばいされておらず、入手にゅうしゅするためには産婦人科さんふじんか診察しんさつける必要ひつようがある。ペッサリーは避妊ひにん目的もくてき以外いがいにも、膀胱ぼうこうだっ子宮しきゅう下垂かすい子宮しきゅうだっ矯正きょうせいにも使用しようされる。

子宮しきゅうない避妊ひにん用具ようぐ(IUD)

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どう付加ふかIUDパラガード英語えいごばん」T 380A

子宮しきゅうない避妊ひにん用具ようぐにはリングじょう・ループじょう・コイルじょうなど様々さまざまかたちがある。これを病院びょういんにおいて子宮しきゅううち挿入そうにゅうしておくとからだ機能きのうとしての異物いぶつ排除はいじょ機能きのうはたらき、受精卵じゅせいらんちゃくゆかさまたげることで妊娠にんしんふせぐ。避妊ひにんかくりつはあまりたかくなかったが、近年きんねん改良かいりょうにより徐々じょじょかくりつたかくなっているとされる。日本にっぽんでは単純たんじゅんタイプにくわえ、どう付加ふかタイプ(PI:0.6 - 0.8%程度ていど)がみとめられている。Intra-uterine (Contraceptive) Deviceの頭文字かしらもじをとってIUD(あるいはIUCD)ともばれる。日本にっぽんではリングじょうのものがはやくから普及ふきゅうしたため「避妊ひにんリング」とばれることもおおい。

月経げっけい終了しゅうりょうしてから、 4 - 5にちあいだ装着そうちゃくする。副作用ふくさようとして月経げっけい出血しゅっけつりょう増加ぞうか期間きかん延長えんちょう下腹かふくつう不正ふせい性器せいき出血しゅっけつきる場合ばあいがある。ある製品せいひんではそう症例しょうれい1,047れいちゅう602れい(57.5%)に使用しよう関係かんけいする副作用ふくさようみとめられ、おも副作用ふくさようとしては月経げっけい異常いじょう269けん)(25.7%)、過多かた月経げっけい136けん(13.0%)、月経げっけい中間なかま出血しゅっけつ120けん(11.5%)、腹痛はらいた116けん(11.1%)、疼痛とうつう111けん(10.6%)、白帯下はくたいげ108けん(10.3%)とうであった[27]。また、IUDが子宮しきゅうからしてくる滑脱かつだつ子宮しきゅうかべやぶ穿孔せんこう骨盤こつばんない炎症えんしょうせい疾患しっかん(PID)、挿入そうにゅう子宮しきゅう卵管らんかん感染かんせんなどの有害ゆうがい事象じしょうがある。だれでも使用しようできるわけではなく、先天せんてんせいこころ疾患しっかんまた心臓しんぞう弁膜べんまくしょう患者かんじゃには慎重しんちょう使用しようもとめられる。また使用しようができないケースとしては通常つうじょう出血しゅっけつせい素因そいんのある女性じょせい診断しんだん確定かくていしていない異常いじょう性器せいき出血しゅっけつのあるひと妊娠にんしんのしたことのないひと子宮しきゅうがい妊娠にんしんをしたことがあるひと貧血ひんけつともな過多かた月経げっけいのあるひとせい感染かんせんしょう性器せいき感染かんせんしょうのあるひと、頸管えんまたちつえん患者かんじゃ産婦人科さんふじんか領域りょういきがいであってもじゅうあつし疾患しっかんのある患者かんじゃ先天せんてんせい後天こうてんせい子宮しきゅう形体けいたい異常いじょうのある女性じょせいなどがある。また普通ふつう妊娠にんしんふせげても、子宮しきゅうがい妊娠にんしんふせげない。また、定期ていき検診けんしんすうねんいち取替とりかえが必要ひつようである。

ミレーナ

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子宮しきゅうない避妊ひにんシステム「ミレーナ」

挿入そうにゅう方法ほうほう形状けいじょうはIUDとおなじだが、中央ちゅうおう部分ぶぶんから黄体おうたいホルモン女性じょせいホルモン一種いっしゅ)が持続じぞくてき子宮しきゅうない放出ほうしゅつされるのが特徴とくちょうであることから、「レボノルゲストレル放出ほうしゅつ子宮しきゅうない避妊ひにんシステム」とばれることとなった。黄体おうたいホルモンは子宮しきゅう頸管子宮しきゅうくち)の粘膜ねんまく変化へんかさせ精子せいし侵入しんにゅうふせぎ、また子宮しきゅうないまく増殖ぞうしょく抑制よくせいし、受精卵じゅせいらんゆかふせ作用さようがある。それにともな倫理りんりてき問題もんだい子宮しきゅうない避妊ひにん用具ようぐ(IUD)とおなじである。ミレーナは1970年代ねんだい開発かいはつはじまり1990ねんにフィンランドではじめて承認しょうにん発売はつばいされた。月経げっけい終了しゅうりょうしてから4、5にちあいだ装着そうちゃくする。ただし使つかつづけていると月経げっけいになる可能かのうせいもあるが、除去じょきょすればぐに月経げっけいもど妊娠にんしん可能かのうとなる。過多かた月経げっけい女性じょせいには推奨すいしょうできないIUDとことなり、ミレーナでは月経げっけい出血しゅっけつりょう軽減けいげんされる。また、IUDと同様どうよう子宮しきゅうからしてくる滑脱かつだつ子宮しきゅうかべやぶ穿孔せんこうのリスクがある。

副作用ふくさようとしては、そう症例しょうれい482れいちゅう428れい(88.8%)に副作用ふくさようみとめられ、おも副作用ふくさよう月経げっけい異常いじょう長月ながつきけい月経げっけい周期しゅうき異常いじょうとう)379れい (78.6%)、卵巣らんそう嚢胞のうほう61れい(12.7%)、除去じょきょしょう退出たいしゅつ57れい (11.8%)、月経げっけい中間なかま出血しゅっけつ48れい(10.0%)、腹痛はらいた38れい(7.9%) とう[28]だれでも使用しようできるわけではなく、性器せいきがんおよびそのうたがいのあるひと黄体おうたいホルモン依存いぞんせい腫瘍しゅようおよびそのうたがいのあるひと診断しんだん確定かくていしていない異常いじょう性器せいき出血しゅっけつのあるひと先天せんてんせい後天こうてんせい子宮しきゅう形態けいたい異常いじょう子宮しきゅう腔の変形へんけいきたしているような子宮しきゅう筋腫きんしゅふくむ)、せい感染かんせんしょうになったことがあるまた性器せいき感染かんせんしょうのあるひと、頸管えんまたちつえん患者かんじゃ再発さいはつせいまた現在げんざいPIDの患者かんじゃ子宮しきゅうがい妊娠にんしん分娩ぶんべん子宮しきゅうないまくえんまた感染かんせんせい流産りゅうざんになったことのあるひとじゅうあつしかん障害しょうがいまたきも腫瘍しゅよう患者かんじゃ妊婦にんぷまた妊娠にんしんしている可能かのうせいのある女性じょせいには使用しようできない。また、先天せんてんせいこころ疾患しっかんまた心臓しんぞう弁膜べんまくしょう患者かんじゃ糖尿とうにょうびょう患者かんじゃかん障害しょうがいのある患者かんじゃには副作用ふくさようがあるため、慎重しんちょう使用しようもとめられる。使つかはじめてからすうヶ月かげつあいだ子宮しきゅうないまくへの刺激しげきなどで月経げっけい以外いがいにも少量しょうりょう出血しゅっけつつづ場合ばあいもあり、出産しゅっさん経験けいけんひと子宮しきゅうこうひらいていないため挿入そうにゅういたむこともある。IUDと同様どうよう定期ていきてき検診けんしんすうねんいち取替とりかえが必要ひつようである。

薬品やくひん使用しよう

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ピル(避妊ひにんようピル)

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内服ないふくよう避妊ひにんよう女性じょせいホルモンざいのこと。経口けいこう避妊ひにんやく(OC)ともばれる。

ピルを女性じょせい服用ふくようすることにより、人工じんこうてき排卵はいらん終了しゅうりょう黄体おうたい同様どうよう内分泌ないぶんぴつ状態じょうたい持続じぞくさせることで排卵はいらん停止ていしさせる。まさしく服用ふくようした場合ばあい避妊ひにんかくりつはそれなりにある(PI:0.1-5程度ていど)。避妊ひにん以外いがいにも生理せいり時期じき調整ちょうせい月経げっけい困難こんなんしょう生理せいりともなおも症状しょうじょう)の緩和かんわ子宮しきゅうないまくしょう治療ちりょうなどに使つかわれる。一方いっぽうひとにより血栓けっせんしょう肥満ひまんなどの副作用ふくさよう場合ばあいもあるので入手にゅうしゅには医療いりょう機関きかん受診じゅしん必要ひつようである。

副作用ふくさようとしては、体重たいじゅう増加ぞうか(肥満ひまん)、偏頭痛へんずつう嘔吐おうと、イライラ、性欲せいよく減退げんたいむくみちつえんかん機能きのう障害しょうがい長期ちょうき服用ふくようによる発癌はつがんせいなどの可能かのうせい指摘してきされている。子宮しきゅう筋腫きんしゅ糖尿とうにょうびょう悪化あっかさせる可能かのうせいもある。ピルの主要しゅよう副作用ふくさようとしては血栓けっせんしょうがあげられる。

ピルは、血栓けっせんこるリスクを3 - 5ばいげるとされ、イギリスでは10年間ねんかんに104にん血栓けっせんしょう死亡しぼうした。日本にっぽんでも、医薬品いやくひん安全あんぜん管理かんりする独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん医薬品いやくひん医療いりょう機器きき総合そうごう機構きこう集計しゅうけいによると、2008ねん - 2013ねん上半期かみはんきに、日本にっぽん使用しようされたピルにかんして、かたまりが血管けっかんをふさぐ血栓けっせんじゅう症例しょうれい361けん副作用ふくさようとして報告ほうこくされていた。そのなか死亡しぼうれいは11けんあり10代1にん、20だい2にん、30だい4にん、40だい1にん、50だい2にん不明ふめい1にんだった[29]

発癌はつがんせいかんしては、国際こくさいがん研究けんきゅう機関きかんによるIARCはつがんせいリスク一覧いちらんで、「経口けいこう避妊ひにんやく常用じょうよう」にかんして「Group1 ヒトにたいする発癌はつがんせいみとめられる」と評価ひょうかされている。また、喫煙きつえんともなうと心臓しんぞう循環じゅんかんけいへの副作用ふくさようたかまるため、ピルを服用ふくようするなら喫煙きつえんをしないことがのぞましい。

ピルを服用ふくようできない場合ばあいとしては、にゅうがん子宮しきゅうたいがん子宮しきゅう頸がん子宮しきゅう筋腫きんしゅ患者かんじゃおようたがいのあるひと原因げんいん不明ふめい出血しゅっけつ血栓けっせんしょうこしたことがあるがあるひとおよはいふさがせんしょう冠動脈かんどうみゃく疾患しっかん血栓けっせんしょう静脈じょうみゃくえんのう血管けっかん障害しょうがい患者かんじゃやこれらの病気びょうきにこれまでにかかったことがある、そのうたがいのあるひとかた頭痛ずつう患者かんじゃ糖尿とうにょうびょう患者かんじゃ高血圧こうけつあつひと、35さい以上いじょうで1にち15ほん以上いじょうのタバコをひと、コレステロール中性ちゅうせい脂肪しぼうたかひと腎臓じんぞう肝臓かんぞう病気びょうきのあるひと以前いぜん妊娠にんしんしたとき持続じぞくてきなかゆみまたは黄疸おうだん妊娠にんしんヘルペス症状しょうじょうたことのあるひと

また肥満ひまんや40さい以上いじょうひと子宮しきゅう筋腫きんしゅのあるひとなどには慎重しんちょう投与とうよもとめられる。かつてはちゅう用量ようりょうピルがもちいられていたが、副作用ふくさようのリスクの低減ていげん目的もくてきとしててい用量ようりょうピル、ちょうてい用量ようりょうピルが開発かいはつされた。

日本にっぽんでのピルの承認しょうにんは、先進せんしんこく比較ひかくしてひどおくれ、ピルの発見はっけんから40年間ねんかん年月としつき必要ひつようとした(アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくでは1960年代ねんだい認可にんかされている)。日本にっぽんでは、まず最初さいしょ治療ちりょう目的もくてきなか用量ようりょうピルが最初さいしょ認可にんかされたが、避妊ひにん目的もくてきとしたものではなく、副作用ふくさようつよかった。1998ねんやっと避妊ひにん目的もくてきてい用量ようりょうピルが認可にんかされた。2010ねんちょうてい用量ようりょうピルが月経げっけい困難こんなんしょう治療ちりょうやくとして認可にんかされたが、避妊ひにんようとしてはてい用量ようりょうピルが主流しゅりゅうになっている。

インプラント

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プロゲステロン含有がんゆうしたじょせいのスティックを女性じょせい上腕じょうわん皮下ひか埋没まいぼつさせ、長期間ちょうきかんにわたって避妊ひにん効果こうか発揮はっきさせるもの[30]処置しょち局所きょくしょ麻酔ますい簡便かんべん実施じっしできる。アメリカでは1かい挿入そうにゅうによって3年間ねんかん避妊ひにん効果こうかられる。避妊ひにん効果こうかもピルよりたかい。3ねんあるいは妊娠にんしんのぞとき切開せっかいしてスティックを必要ひつようがあるのが欠点けってんであり、挿入そうにゅうよりも手間てまがかかる[30]日本にっぽんでは認可にんか

皮膚ひふパッチざい

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エブラ (EVRA) 避妊ひにんパッチなど。エストロゲンとプロゲステロンを含有がんゆうしたパッチざい女性じょせい皮膚ひふることによって避妊ひにん効果こうか発揮はっきする[30]。1まいのパッチざいで1週間しゅうかん避妊ひにん出来でき[30]日本にっぽんでは認可にんかであるが、個人こじん責任せきにん自己じこ使用しようできる避妊ひにんやくなので[ちゅう 1]個人こじん輸入ゆにゅうされている。

注射ちゅうしゃざい

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プロゲステロンを皮下ひかないし筋肉きんにく注射ちゅうしゃする避妊ひにんほう[30]。3かげつごと注射ちゅうしゃ必要ひつよう[30]注射ちゅうしゃ中止ちゅうしによって、半分はんぶん女性じょせい半年はんとし以内いない生殖せいしょく能力のうりょく回復かいふくするが、最長さいちょう1ねんかかる場合ばあいもあるとされる[30]日本にっぽんでは認可にんか

ころせ精子せいしざい

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大鵬薬品工業たいほうやくひんこうぎょうが2001ねんまで発売はつばいしていたマイルーラ(フィルムタイプ)

精子せいしころ作用さようのある薬剤やくざい性交せいこう一定いってい時間じかんまえちつない挿入そうにゅうし、避妊ひにんおこなう。ピルのような全身ぜんしん副作用ふくさようがなく、女性じょせい自身じしん避妊ひにんできるという利点りてんがある。欠点けってん錠剤じょうざいやフィルムじょう製品せいひんちつ内奥ないおう留置りゅうちするのにコツが必要ひつようであり、溶解ようかいするのに時間じかんかるので、初心者しょしんしゃでは失敗しっぱいしやすく、避妊ひにんかくりつはあまりたかくない(PI:6-26程度ていど)。すなわち、精子せいしすべぬわけではなく、のこった精子せいし受精じゅせいすることも非常ひじょうおおい。そのため、避妊ひにん方法ほうほう併用へいようすべきである。

また、性交せいこう薬剤やくざいなが下着したぎやシーツがよごれやすいという欠点けってんや、薬剤やくざいによるアレルギーそと陰部いんぶえんこすケースもある。スポンジ以外いがい製品せいひんは、1かい射精しゃせいにつき1つ使用しようする必要ひつようがあり、2かい以降いこう射精しゃせいでは追加ついか投与とうよ必要ひつようである。

日本にっぽんではかつマイルーラ大鵬薬品工業たいほうやくひんこうぎょう)やサンプーンエーザイとう国内こくないけに販売はんばいされていたが(くわしくは後述こうじゅつ)、 2015ねんまでにすべ販売はんばい終了しゅうりょうとなっている。 ただ認可にんかはされているので、世界せかいからの個人こじん輸入ゆにゅうせることは可能かのう

以下いかの5種類しゅるいのタイプが存在そんざいする。

錠剤じょうざい
けるのに時間じかんがかかり即効そっこうせいでなく、行為こういのちなが薬剤やくざい下着したぎやシーツをよごしやすいのが欠点けってん反面はんめん携帯けいたい便利べんりという利点りてんもある。薬剤やくざいちつえきえず希釈きしゃくされ体外たいがい流出りゅうしゅつすることもあるので射精しゃせいのたびに追加ついか使用しようする必要ひつようがある。日本にっぽんではエーザイからメンフェゴール主成分しゅせいぶんとする「ネオサンプーン ループじょう」が製造せいぞう販売はんばいされていたが、原料げんりょう入手にゅうしゅなんにより2011ねん3がつ製造せいぞう終了しゅうりょうした。トローチじょうのリング形状けいじょうをした白色はくしょく錠剤じょうざいであり、ちつおくれるとちつえき溶解ようかい発泡はっぽうして効果こうか発揮はっきする仕組しくみであった。アメリカでははん固形こけい坐薬ざやくじょう形状けいじょうのものが「Encare」(エンケア)の商品しょうひんめい販売はんばいされている(エンケアの主成分しゅせいぶんノノキシノール-9)。
ゼリー
海外かいがいではペッサリー塗布とふして使用しようする薬剤やくざいや、アプリケーターでちつない注入ちゅうにゅうする製品せいひん販売はんばいされている。使用しよう直後ちょくごから効果こうか発揮はっきするのが利点りてんであるが、アプリケーターが必要ひつようであり、使用しよう洗浄せんじょうなどの手間隙てまひま必要ひつようなのが欠点けってん充填じゅうてんみの使つかてアプリケーター形式けいしき製品せいひん海外かいがいでは販売はんばいされている。アプリケーターに充填じゅうてんしてから使用しようする商品しょうひんでは、アプリケーターはさい使用しようするために使用しよう洗浄せんじょう必要ひつようである。日本にっぽんではかつてFPゼリー:発売はつばい/日本にっぽん家族かぞく計画けいかく協会きょうかい製造せいぞう/だいいち薬品やくひん産業さんぎょう株式会社かぶしきがいしゃ)が販売はんばいされていた。FPゼリーの成分せいぶんポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルであったが、発売はつばい中止ちゅうしされている。アメリカではOrtho(Ortho Options Vaginal Contraceptive Jelly)やOptions Conceptrolという製品せいひん販売はんばいされている。
フィルム
3cm四方しほうはん透明とうめいのフィルムじょう薬剤やくざいりたたんでちつおく留置りゅうちし、ちつえき溶解ようかいして効果こうか発揮はっきするもの。携帯けいたい便利べんりであるがりたたんだ薬剤やくざいちつおく留置りゅうちするのがむずかしいという欠点けってんがある。錠剤じょうざいおなじく即効そっこうせいではない。日本にっぽんではマイルーラという製品せいひん大鵬薬品工業たいほうやくひんこうぎょうから販売はんばいされていたが、そと陰部いんぶ刺激しげき症状しょうじょうのトラブル報告ほうこくなどもあり、2001ねん3がつ販売はんばい中止ちゅうしされた。マイルーラの成分せいぶんもFPゼリーとおなじく、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルである。アメリカではおな成分せいぶんの「VCF」という製品せいひん販売はんばいされている(VCF Dissolving Vaginal Contraceptive Films)。
スポンジ
ころせ精子せいしざいませたポリウレタンせいのスポンジをちつ円蓋えんがい留置りゅうちして避妊ひにんするもの。精子せいし物理ぶつりてき化学かがくてき阻止そしする。妊娠にんしん阻止そしりつは89% - 91%でアメリカの「トゥデイ・スポンジ」(Today Sponge) が代表だいひょうてき商品しょうひん。24あいだ効果こうか持続じぞくするのが特徴とくちょうで2かい以降いこう射精しゃせいたいしても追加ついか使用しようする必要ひつようい。せい交渉こうしょうのち6あいだちつないにスポンジを留置りゅうちする必要ひつようがある。最大さいだい留置りゅうち時間じかんは30あいだとされている。スポンジは使用しようまえみずふくませてからちつない挿入そうにゅうする。タンポン使用しよう経験けいけん女性じょせいにはただしい位置いちにスポンジを留置りゅうちするのはむずかしいとされ、使用しようけるべきと説明せつめいしょには勧告かんこくされている。スポンジには子宮しきゅう頚部けいぶにフィットするように凹部がもうけられており、またすときにゆびけやすいようにバンドがけられている。スポンジのかたさはちつ組織そしきおなかたさに設定せっていされており、性交せいこう男性だんせいがわ違和感いわかん緩和かんわする工夫くふうがなされている。1995ねん製造元せいぞうもと設備せつび劣化れっかのために販売はんばい中止ちゅうしとなり、在庫ざいこめぐってさわぎになった。映画えいがとなりのサインフェルド』では、主人公しゅじんこうがスポンジを愛用あいようしていたが製造せいぞう中止ちゅうしによって手持てもちがすくなくなり、使つか相手あいて厳選げんせんするというエピソードが紹介しょうかいされている[31]。2005ねん製造せいぞう権利けんりった新興しんこう企業きぎょうアレンデール・ファーマスーティカルズしゃからさい発売はつばいされた[32][33]
フォーム
ころせ精子せいしざいあわじょうにしたもの。スプレーかん充填じゅうてんされており、使用しようまえにアプリケーターにあわじょうころせ精子せいしざい充填じゅうてんし、アプリケーターをちつない挿入そうにゅうして注入ちゅうにゅうする。特徴とくちょうはゼリーとほぼおなじで即効そっこうせい。アプリケーターはさい使用しようするために使用しよう洗浄せんじょう必要ひつようである。2000年代ねんだいまでアメリカで流通りゅうつうしていたが、その発売はつばい中止ちゅうしとなっている。

生理せいりてき変化へんか利用りようした避妊ひにん

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オギノしき

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女性じょせい月経げっけい周期しゅうきもとづいて妊娠にんしん可能かのう期間きかん計算けいさん予測よそくし、その期間きかんちゅう性行為せいこういかぎ避妊ひにんおこな方法ほうほう(PI:9程度ていど)。周期しゅうきほうともばれる。簡便かんべん方法ほうほうであるが、排卵はいらんみだれなどにより予測よそく失敗しっぱいしてしまう可能かのうせいもある。にん治療ちりょうのため日本人にっぽんじん産婦人科さんふじんか荻野おぎの久作きゅうさく発見はっけんした、月経げっけい周期しゅうきかんする「荻野おぎの学説がくせつ」が避妊ひにんほう応用おうようされたものである。

なお、荻野おぎの本人ほんにん自分じぶん学説がくせつ避妊ひにんほうとして利用りようされることについて、より確実かくじつ避妊ひにんほう存在そんざいするうえ中絶ちゅうぜつ増加ぞうかつながるとしておおいに反対はんたいしていた。「おんな身体しんたいには1にちたりとも『安全あんぜん』などありはしない」「迷惑めいわくだ。むしろにん治療ちりょう役立やくだ学説がくせつだ」と主張しゅちょうしつづけた。

カトリック教会きょうかい教学きょうがくじょうひとのいのちをはぐく家庭かていのいしずえとして、夫婦ふうふ本来ほんらいせいのありかたまもるため)、排卵はいらんほう(ビリングス・メソッド)とともみとめられている、受胎じゅたい調節ちょうせつほう自然しぜん家族かぞく計画けいかく)のひとつである。

基礎きそ体温たいおんほう

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女性じょせい月経げっけい周期しゅうきのうち、基礎きそ体温たいおん計測けいそくして低温ていおんしょうから高温こうおんしょうわった排卵はいらん)をり、それから4にち以降いこう性行為せいこういおこな方法ほうほう(PI:3程度ていど)。毎日まいにち規則正きそくただしい生活せいかつおこない、かつ定時ていじ基礎きそ体温たいおんはかつづける必要ひつようがある。

上記じょうきのオギノしき併用へいようすることで、より避妊ひにん成功せいこうりつたかめることができる。

長期ちょうき授乳じゅにゅう

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妊娠にんしん可能かのう年齢ねんれい女性じょせいには、母体ぼたい必要ひつようなエネルギーを脂肪しぼうとしてたくわえないと妊娠にんしん可能かのうとはならない生理せいりてきメカニズムがある[34]女性じょせい正常せいじょう妊娠にんしんには平均へいきんてきに27,000カロリーのエネルギーを必要ひつようとし、出産しゅっさん体重たいじゅうたいする脂肪しぼう割合わりあいが20から25パーセント程度ていど水準すいじゅんまで脂肪しぼうたくわえないと排卵はいらん再開さいかいされない。嬰児えいじへの授乳じゅにゅうは1にちやく1,000カロリーを必要ひつようとするため、授乳じゅにゅうによって子育こそだてをおこな環境かんきょうでは排卵はいらん再開さいかいおそくなる。動物どうぶつせい蛋白質たんぱくしつおも栄養えいようげんとし、日常にちじょうてき移動いどうする狩猟しゅりょう採集さいしゅうみんサンぞく女性じょせいは、授乳期じゅにゅうきあいだながくすることで意図いとてき妊娠にんしん間隔かんかくを4ねん以上いじょうばすことを可能かのうとしている[34]

その方法ほうほう

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このほか子宮しきゅうけいかん粘液ねんえき状態じょうたい排卵はいらん確認かくにんするけいかん粘液ねんえきほうもある(PI:2程度ていどとしているが、くわしく検証けんしょうされているかなど不明ふめいである)。

外科げかてき手法しゅほう

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にん手術しゅじゅつ

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にん手術しゅじゅつ (sterilization) とは卵管らんかん、またはせいかん外科げか手術しゅじゅつによってしばり(結紮けっさつ)、卵子らんし精子せいし通過つうかめることによって避妊ひにんする方法ほうほうである。卵管らんかん結紮けっさつには、けいはらまたはけいちつによる腹腔ふくこうきょう手術しゅじゅつ必要ひつようとなるために、帝王切開ていおうせっかいじゅつ同時どうじおこなわれることがある。せいかん結紮けっさつじゅつは、外来がいらい局所きょくしょ麻酔ますいのみで簡単かんたん実施じっし出来できるが、結紮けっさつしたせいかんさい癒合ゆごうしやすいために術後じゅつご精液せいえきちゅう精子せいし検出けんしゅつされなくなるか確認かくにん必要ひつようである。またすでせい貯留ちょりゅうしている精子せいしくなるまでは受精じゅせい能力のうりょくうしなっておらず、術後じゅつごにただちににんになるわけではない。一度いちどこれら手術しゅじゅつおこなってしまうと妊娠にんしんのためには再度さいど手術しゅじゅつおこなわねばならないが、さい手術しゅじゅつ難易なんいたか人工じんこう授精じゅせい必要ひつようになる場合ばあいもある。妊娠にんしんつよのぞまない夫婦ふうふや、妊娠にんしんすることで女性じょせい母体ぼたい胎児たいじたいして深刻しんこく問題もんだいきる可能かのうせいがある場合ばあいなどにもちいられる(PI:男性だんせい0.10% - 0.15%程度ていど女性じょせい0.5%程度ていど)。子宮しきゅうぜん摘についても、子宮しきゅう筋腫きんしゅ子宮しきゅうないまくしょうなどの合併症がっぺいしょう程度ていどによっては、避妊ひにん目的もくてきふくめて実施じっしされることもある。

ちつがい射精しゃせい

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性交せいこうとき射精しゃせい寸前すんぜん陰茎いんけいちつからいてちつがい射精しゃせいおこなうこと。アダルトビデオなどで頻繁ひんぱん描写びょうしゃされるため、避妊ひにんほうとして認識にんしきされている場合ばあいすくなくないが、精子せいし射精しゃせい精液せいえきだけでなく、ぜん段階だんかい分泌ぶんぴつされるカウパーせんえきちゅうにもわずかに存在そんざいする場合ばあいがあるため避妊ひにんほうとはえず通常つうじょう避妊ひにんほうとしてカウントされない(PIは4-19程度ていど)。性交せいこうビデなどみずなどを使用しようしてあらながすことも、一部いちぶ精子せいし子宮しきゅうはいってしまうため、通常つうじょう避妊ひにんほうとしてカウントされない。

性行為せいこうい制限せいげん

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性交せいこうともなわない性行為せいこういで、ペッティングばれている。以下いかもペッティングのなかふくまれる。

オーラルセックス
男性だんせい女性じょせい挿入そうにゅうすることなく、女性じょせいくち使つか射精しゃせいさせる性行為せいこうい
肛門こうもん性交せいこう
男性だんせいちつわりに肛門こうもん挿入そうにゅう射精しゃせいする性行為せいこういちつ挿入そうにゅうしていないので通常つうじょう妊娠にんしんすることはないが、ちつ肛門こうもんちかいため肛門こうもんへの精液せいえきちつながることによる妊娠にんしんがありうる(その問題もんだいについては「アナルセックス」のこう参照さんしょう)。

緊急きんきゅう避妊ひにん

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避妊ひにん失敗しっぱいした可能かのうせいがある、強姦ごうかんなどによってのぞまぬ妊娠にんしん可能かのうせい直面ちょくめんした場合ばあいなどは、性交せいこう内服ないふくして妊娠にんしん回避かいひする緊急きんきゅう避妊ひにんやく使用しようされている。アフターピル、モーニングアフターピル、エマージェンシーピル、EC(Emergency Contraception)などばれる。

1970年代ねんだいよりYuzpe(ヤッペ)ほうばれる緊急きんきゅう避妊ひにん欧米おうべい実施じっしされており、日本にっぽんでも「医師いし判断はんだん責任せきにん」によって緊急きんきゅう避妊ひにんほうとしてホルモン配合はいごうざい転用てんようした避妊ひにんおこなわれていた。これらは効果こうかひく副作用ふくさようつよなか容量ようりょうピルを使つかったものであった。1999ねん副作用ふくさようすくなく効果こうかたかレボノルゲストレルじょうが "NorLevo" としてフランスで正式せいしき商品しょうひんされた。WHOもレボノルゲストレルの導入どうにゅう後押あとおししたが、ピルと同様どうよう日本にっぽんでは導入どうにゅうおくれ2011ねん2がつ23にち緊急きんきゅう避妊ひにんやくノルレボRとして承認しょうにんされた(アジアで認可にんかしていないのは日本にっぽん北朝鮮きたちょうせんだけであった)。

性交せいこう72時間じかん以内いない内服ないふくする必要ひつようがある。レボノルゲストレルは、排卵はいらん抑制よくせい作用さようにより避妊ひにん効果こうかしめすことが示唆しさされ,その受精じゅせい阻害そがい作用さようおよ受精卵じゅせいらんゆか阻害そがい作用さよう関与かんよする可能かのうせいかんがえられており、そのことに倫理りんりてき批判ひはん存在そんざいする。日本にっぽん国内こくないではノルレボじょうとして流通りゅうつうしている[35]医療いりょう機関きかんによって処方しょほうされる。現在げんざいでは、直接ちょくせつ対面たいめんではなく、コロナ影響えいきょうによりオンライン診療しんりょうおよびオンライン処方しょほう研修けんしゅうけた医師いし薬剤師やくざいし処方しょほうすることが可能かのうとなっている。産婦人科さんふじんかだけではなく総合そうごう病院びょういん脳神経のうしんけい外科げか眼科がんか医師いし処方しょほう可能かのうリストにつらねている[36]

産婦人科さんふじんか調査ちょうさでは10代の妊娠にんしん分娩ぶんべん希望きぼう)の場合ばあい妊娠にんしんちゅう自殺じさつ願望がんぼうった患者かんじゃ全体ぜんたいの15.6%であり、7.2%は自殺じさつこころみている。一般いっぱんせい感染かんせんしょう患者かんじゃ緊急きんきゅう避妊ひにんやく処方しょほう患者かんじゃは、デートDV 被害ひがいしゃせい虐待ぎゃくたい被害ひがいしゃ場合ばあいおおく、自殺じさつ願望がんぼうみとめられると報告ほうこくされている。また中絶ちゅうぜつ患者かんじゃ人工じんこう妊娠にんしん後遺症こういしょう(PAS)になやんでいるケースは76.2%であり,48.3%が自殺じさつ願望がんぼうち12.2%が実際じっさい自殺じさつこころみている状況じょうきょうにある。このことから、若年じゃくねんそう妊娠にんしん分娩ぶんべん希望きぼう場合ばあいでも精神せいしん不安ふあんおちいりやすいこと、また年齢ねんれいかかわらず緊急きんきゅう避妊ひにんやくもとめる女性じょせいせい被害ひがいしゃおおく、中絶ちゅうぜつ処置しょちをした患者かんじゃについてはそのおもなや自殺じさつ企画きかくおおいことがれる[37]わかすぎる妊娠にんしんや、のぞまない妊娠にんしん自殺じさつのリスクをたかめ、出産しゅっさん0にち嬰児えいじ殺害さつがいにもつながっている。海外かいがいでは後述こうじゅつ緊急きんきゅう避妊ひにんやくでその妊娠にんしんおおくが容易ようい回避かいひできる状況じょうきょうにあるが、日本にっぽん国内こくないでは実現じつげんしておらず結果けっかとして女性じょせいのぞまない妊娠にんしん出産しゅっさん負担ふたんうことになり日本にっぽん国内こくない女性じょせいたい憲法けんぽうさだめるほうした平等びょうどう生存せいぞんけんあやぶまれるものとなっている。

ノルレボじょう国内こくないだいそう臨床りんしょう試験しけんにおいて、性交せいこう72時間じかん以内いないにノルレボを1かい経口けいこう投与とうよした結果けっか解析かいせき対象たいしょうれい63れいのうち、妊娠にんしんれいは1れいで、妊娠にんしん阻止そしりつは81.0%であった[38]すべての妊娠にんしんふせげるわけではなく、性交せいこう72あいだえてほんざい服用ふくようした場合ばあいには63%であり、妊娠にんしん阻止そしりつげんじゃくする傾向けいこうがみられた[39]。なお、どう付加ふか子宮しきゅうない避妊ひにん器具きぐIUDは避妊ひにんをしなかった性行為せいこういのち、5にち以内いない子宮しきゅうない挿入そうにゅうすると、緊急きんきゅう避妊ひにん方法ほうほうとしてほぼ100%の効果こうかがあり、希望きぼうがあれば長期ちょうきてき避妊ひにん手段しゅだんとしてれたままにしておくことも可能かのうである[40]

海外かいがいでは30ねん以上いじょうまえから使用しようされ、安全あんぜん中絶ちゅうぜつ流産りゅうざん方法ほうほうとしてWHOの必須ひっす医薬品いやくひんにも指定していされている経口けいこう中絶ちゅうぜつやく(ミフェプリストン、ミソプロストール)は日本にっぽんでは中絶ちゅうぜつ流産りゅうざんたいしての適応てきおう許可きょかされていない[41]。『フランス・ジャポン・エコー』編集へんしゅうちょうレジス・アルノーからは、経口けいこう妊娠にんしん中絶ちゅうぜつやくはすべての先進せんしんこく、それに発展はってん途上とじょうこくおおくでも認可にんかされ中国ちゅうごくやウズベキスタンの女性じょせいれているにもかかわらず厚生こうせい労働省ろうどうしょうは、経口けいこう妊娠にんしん中絶ちゅうぜつやくについてFDAのふる危険きけんという、あやまった見解けんかい情報じょうほうはっつづけてリンクれをこしている[42][43]、ことを指摘してきしており、認可にんかされていない状況じょうきょううれいている[44]厚生こうせい労働省ろうどうしょうは2018ねん、インターネットでインドせい表示ひょうじされた経口けいこう妊娠にんしん中絶ちゅうぜつやく個人こじん輸入ゆにゅう服用ふくようした20だい女性じょせいに、多量たりょう出血しゅっけつやけいれん、腹痛はらいたなどの健康けんこう被害ひがいきていたと発表はっぴょうし、個人こじん輸入ゆにゅう規制きせい強化きょうかはかった[45]

レボノルゲストレルを使用しようしてはいけない場合ばあいは、ほんざい成分せいぶんたいする過敏かびんしょう既往きおうがある場合ばあいじゅうあつしかん機能きのう障害しょうがいのある場合ばあいにん[35]、そのかん障害しょうがいこころ疾患しっかんじん疾患しっかんまたはその既往きおうれきのある場合ばあいにも慎重しんちょうようする[35]。また、重度じゅうど消化しょうかかん障害しょうがいあるいは消化しょうかかん吸収きゅうしゅう不良ふりょう症候群しょうこうぐんがある場合ばあいほんざい有効ゆうこうせい期待きたいできないおそれがある[35]副作用ふくさようとしては、きえ退ずさ出血しゅっけつ(46.2%)、不正ふせい子宮しきゅう出血しゅっけつ(13.8%)、頭痛ずつう(12.3%)、悪心あくしん(9.2%)、倦怠けんたいかん(7.7%)などがあり、そのにめまい、腹痛はらいた嘔吐おうと下痢げり乳房ちぶさいたみ、月経げっけい遅延ちえん月経げっけい過多かた疲労ひろうなどがある[35]妊娠にんしん回避かいひ効果こうかは100%ではなく、排卵はいらん付近ふきんせい交渉こうしょうではレボノルゲストレルを使つかっても81% - 84%である[35]。その方法ほうほうとして少量しょうりょうミフェプリストン(10mg程度ていど)を使用しようする方法ほうほうがある。ミフェプリストンが受精卵じゅせいらんちゃくゆか阻害そがいするためとかんがえられていたが、その研究けんきゅうにより卵巣らんそうからの排卵はいらん抑制よくせい効果こうかによるものと判明はんめいしている。

性交せいこう72あいだぎた場合ばあいは、IUDやミレーナによって妊娠にんしん阻止そしする。

日本にっぽんにおいても、世界せかい承認しょうにんされている、子宮しきゅうない避妊ひにんシステムのちいさいものの利用りよううでれるインプラント、皮膚ひふるシールの利用りようふくめ「む・まない」の選択せんたく女性じょせい自身じしんめる「リプロダクティブ・ヘルス・ライツ」の権利けんり尊重そんちょうされる必要ひつようがある[46]

避妊ひにんについての論争ろんそう

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避妊ひにんつよ非難ひなんする意見いけんぎゃく積極せっきょくてきひろめようとする意見いけんがあり、論争ろんそうつづいている。

推進すいしんろん

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一方いっぽう避妊ひにんとは女性じょせいのみに妊娠にんしんという母体ぼたい負担ふたんけることから解放かいほうして自由じゆうたかめ、男女だんじょ平等びょうどうせい謳歌おうかすることを可能かのうとする手段しゅだんともえ、性的せいてき快楽かいらくとしてあまり罪悪ざいあくしない人々ひとびとあいだには賛成さんせいするこえおおい。[よう出典しゅってん]また発展はってん途上とじょうこくでの人口じんこう調節ちょうせついて、避妊ひにん推奨すいしょう切実せつじつ問題もんだいとなっており、1994ねん国際こくさい人口じんこう開発かいはつ会議かいぎ(ICPD/カイロ会議かいぎ)では、女性じょせい出産しゅっさんする時期じきどものかず出産しゅっさん間隔かんかく自由じゆう決定けっていでき、そのための情報じょうほう手段しゅだんることができるという、基本きほんてき権利けんり「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」っているという概念がいねん国際こくさいてき提唱ていしょうされている[47]国際こくさい家族かぞく計画けいかく連盟れんめい(IPPF)事務じむ局長きょくちょうジル・グリアはだいいち出産しゅっさんする年齢ねんれい女性じょせい自身じしんめられるということがとく重要じゅうようであるとしている[47]

反対はんたいろん

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避妊ひにんとはうなれば生殖せいしょくという生物せいぶつがくてき由来ゆらいり、完全かんぜん個人こじん快楽かいらくとく男性だんせい)のための性行為せいこうい可能かのうにする手段しゅだんであるとえる。せい建前たてまえじょう罪悪ざいあくする人々ひとびとにとってはこれは「性行為せいこういみとめるべき唯一ゆいいつ理由りゆう生殖せいしょく)」がけたということであり、かれらは避妊ひにんともな性行為せいこうい否定ひていしている。宗教しゅうきょう熱心ねっしん信者しんじゃにとって、避妊ひにんせい本来ほんらいのありかたはんするとされる。古来こらいからカトリック教会きょうかいでは夫婦ふうふあい姿すがたとしてせいとらえており、避妊ひにん本来ほんらいぜん人的じんてきせいのありかたはんし、結局けっきょく夫婦ふうふあいかげとし、そこなうものとして、つみとされる。一方いっぽう自然しぜん受胎じゅたい調節ちょうせつみとめられており、人工じんこうてき器具きぐなどを使つかわない荻野おぎの久作きゅうさく博士はかせによる研究けんきゅうや、より最近さいきんではビリングス博士はかせ夫妻ふさいによる非常ひじょう有効ゆうこう排卵はいらんほう(ビリングス・メソッド)は、カトリック教かとりっくきょうかいによって推奨すいしょうされている。国民こくみんだい多数たすうがカトリック教徒きょうとで、教会きょうかい影響えいきょうりょくアイルランドでは避妊ひにん中絶ちゅうぜつとも異端いたんされている。離婚りこんは1990年代ねんだい合法ごうほうされ、避妊ひにん普通ふつう商店しょうてんられるようになった[48]

宗教しゅうきょう理由りゆうとする以外いがい批判ひはんとしては、緊急きんきゅう避妊ひにんやIUD、ミレーナの使用しようによって、受精卵じゅせいらんちゃくゆか阻止そしする作用さようがあるため、これらはいのち受精卵じゅせいらん)を強制きょうせいてきころすこと、妊娠にんしん中絶ちゅうぜつおろし)であるとして非難ひなんする人々ひとびともいる。

フィクション作品さくひんじょう避妊ひにん描写びょうしゃ

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ほとんどすべての小説しょうせつ映画えいが、ビデオそのなか避妊ひにん措置そち当然とうぜんなされるであろうとおもわれるいわゆる和姦わかん描写びょうしゃにおいて、その描写びょうしゃはリアリズムが標榜ひょうぼうされる場合ばあいにおいてさえ、意図いとてき回避かいひされる。このことを問題もんだいする作家さっか姫野ひめのカオルコなどがいる[49]

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 薬事やくじほう自分じぶん使用しようするぶんかぎっては例外れいがいてき医薬品いやくひん個人こじん輸入ゆにゅうみとめているとされている。出典しゅってん;[特集とくしゅう生活せいかつ改善かいぜんやくだいブーム--生活せいかつ改善かいぜんやくだいブーム--インポ、薄毛うすげつぎ肥満ひまん朗報ろうほう!?1999ねん07がつ17にち 週刊しゅうかん東洋とうよう経済けいざい だい5570ごう 118ぺーじ - 123ぺーじ 6ぺーじ うつし図表ずひょうゆう (ぜん7,581)

出典しゅってん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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