辛からし毗

辛からし毗（2世紀せいき—235年ねん？），字じ佐治さじ，潁川陽ひ翟（今いま河南かなん禹州市し）人にん。東ひがし漢かん末すえ及三さん國こく時期じき人物じんぶつ，原はら属ぞく袁绍部下ぶか，后きさき来らい归顺曹操そうそう，为曹魏重臣じゅうしん。

生平おいだいら

辛からし毗的先祖せんぞ於東ひがし漢かん光武みつたけ帝みかど建たて武たけし年間ねんかん，自じ隴西東遷とうせん。辛からし毗起初はつ跟隨其兄辛からし評ひょう跟隨袁紹。曹操そうそう任つとむ司つかさ空そら時とき，請辛毗仕官しかん，但ただし辛からし毗不應おう。

建たて安やすし七なな年ねん（202年ねん）袁紹死後しご，袁譚及袁尚兄弟きょうだい內訌，當とう袁尚攻おさむ袁譚於平原ひらはら時とき，袁譚戰敗せんぱい，後ご命いのち辛からし毗為使し向こう曹操そうそう求もとむ和わ。當時とうじ曹操そうそう正せい欲よく攻おさむ荊州，聽辛毗陳述ちんじゅつ來意らいい後ご大だい感かん喜悅きえつ，更さら望もち先攻せんこう克かつ荊州，其間任にん由よし二に袁相鬥。辛からし毗卻認みとめ為ため現在げんざい是ぜ消滅しょうめつ袁尚及袁氏し殘餘ざんよ勢力せいりょく的てき最さい佳けい時機じき，建議けんぎ曹操そうそう應おう先さき平河ひらかわ北きた；否ひ則そく若わか袁尚日び後ご實力じつりょく變へん強きょう，就白白しろ失しつ去さ了りょう平定へいてい河北かほく的てき最さい佳けい機會きかい。辛からし毗最終さいしゅう說せつ服ふく曹操そうそう，翌年よくねん曹操そうそう攻おさむ打だ袁尚據よりどころ守もり的てき鄴，攻おさむ克かつ後ご表おもて辛からし毗為議ぎ郎ろう，辛からし毗就此跟隨ずい曹操そうそう。

另一方面ほうめん，辛からし評ひょう一家因為辛毗投奔曹操而被審しん配はい收おさむ斬き，辛からし毗聽說せつ鄴城城門じょうもん打開だかい後ご直接ちょくせつ衝去監獄かんごく找辛評ひょう一家いっか，發現はつげん他た們全數すう被ひ殺ころせ。審しん配はい成なり為ため俘虜ふりょ後ご，辛からし毗還用よう馬ば鞭むち怒いか鞭むち審しん配はい的てき頭あたま，接せっ著ちょ兩人りょうにん對たい罵ののし。原本げんぽん曹操そうそう為ため審しん配はい的てき忠ちゅう烈れつ所しょ動どう，想そう釋放しゃくほう他た，但ただし辛からし毗等人じん痛哭つうこく，要求ようきゅう曹操そうそう將しょう審しん配はい處決しょけつ，於是曹操そうそう同意どうい。

後來こうらい，曹操そうそう遣や都みやこ護まもる曹洪平定へいてい下した辯べん（漢かん中之なかの戰せん），命いのち辛からし毗和曹休參戰さんせん，戰せん事ごと結束けっそく後ご，升ます辛からし毗為丞相じょうしょう長ちょう史し。次つぎ年ねん，魏ぎ文ぶん帝みかど即位そくい後ご辛からし毗遷任にん侍さむらい中ちゅう，賜たまもの爵關せき內侯。後こう作為さくい曹真的まと大將軍だいしょうぐん軍師ぐんし，征せい朱しゅ然しか，回かい軍ぐん後ご，進しん封ふう廣平ひろへい亭ちん侯こう。

魏ぎ明あかり帝みかど即位そくい後ご，進しん封ふう辛からし毗為潁鄉侯こう（屬ぞく本郡ほんぐ潁陰縣けん），賜たまもの食しょく邑三さん百ひゃく戶こ。後こう出で任にん衛まもる尉じょう。

青あお龍りゅう二に年ねん（234年ねん）諸しょ葛かずら亮あきら率りつ兵へい伐き魏ぎ，試ためし著ちょ去さ挑釁大將軍だいしょうぐん司馬しば懿，司馬しば懿數すう度ど奏請そうせい明あかり帝みかど出で戰せん抵抗ていこう，但ただし明あきら帝みかど不ふ從したがえ，以辛毗為大將軍だいしょうぐん軍師ぐんし，持じ節ぶし。史ふみ載の司馬しば懿曾數すう度ど欲よく進攻しんこう，但ただし辛からし毗均不ふ許もと，致司馬ば懿不能ふのう出で戰せん。後こう諸しょ葛かずら亮あきら病びょう逝於五丈原ごじょうげん，辛からし毗復任にん衛まもる尉じょう。青あお龍りゅう三さん年ねん（235年ねん）仍在世ざいせい，後こう死し，諡おくりな肅侯。

性格せいかく特徵とくちょう

• 辛からし毗為人じん直じき率りつ，如在魏ぎ文ぶん帝みかど曹丕在位ざいい時じ曾多次じ對たい他た作出さくしゅつ勸すすむ諫：有ゆう一いち次じ曹丕打算ださん遷移せんい冀州士し家か十じゅう萬まん戶こ到いた河南かなん，但ただし當時とうじ群臣ぐんしん以連年ねん蝗いなご災わざわい、飢かつえ荒あら嚴重げんじゅう為ため由よし反對はんたい，但ただし曹丕仍執意い徙民。辛からし毗於是ぜ與あずか群臣ぐんしん求もとめ見み曹丕，曹丕一看就知道他們要進諫，便びん率先そっせん擺臉色しょく發はつ脾氣給きゅう他た們看，讓ゆずる群臣ぐんしん都と不ふ敢講話こうわ，只ただ有ゆう辛からし毗說：「陛下へいか您有什麼いんも具體ぐたい的てき辦法來らい遷徙士民しみん呢？」曹丕說せつ：「你是說せつ我わが這樣做不對たい？」辛からし毗說：「還かえ真しん的てき不ふ對たい。」曹丕說せつ：「我わが不ふ跟你說せつ了りょう！」辛からし毗說：「陛下へいか您不嫌いや棄我，任用にんよう我わが在ざい您身邊べ做事，讓ゆず我わが為ため您籌劃謀議ぼうぎ，怎能不ふ跟我討論とうろん呢？我わが又また不ふ是ぜ出で於私心しん，是ぜ為ため了りょう國家こっか社稷しゃしょく著ちょ想おもえ，您怎能生のう我が的てき氣き呢？」曹丕無言むごん，站起來らい就要走はし人ひと，辛からし毗追上じょう去さ扯住曹丕的てき衣ころも袖そで不ふ讓ゆずる他た走はし，曹丕把わ他た的てき手て甩開就躲進しん房ぼう裡うら，過か了りょう很久才ざい又また出來でき，對たい辛からし毗說：「佐治さじ，你幹嘛這樣さま逼我！」辛からし毗說道どう：「現在げんざい若わか是ぜ徙民，就會失しつ去さ民心みんしん，又また沒ぼっ有ゆう足あし夠的糧食りょうしょく養やしなえ他た們，我わが也是不ふ得とく已やめ啊。」曹丕於是折衷せっちゅう只ただ徙五萬まん。
• 某ぼう次つぎ文ぶん帝みかど曹丕打だ獵りょう射しゃ雉雞，對たい著ちょ隨行ずいこう的てき群臣ぐんしん說せつ：「射い雞好開ひらく心こころ啊！」辛からし毗卻說せつ：「你開心しん，我わが們可不ふ開ひらき心しん。」被ひ澆了一頭冷水的曹丕無言以對，後來こうらい也因此較少しょう打だ獵りょう了りょう。
• 某ぼう次つぎ文ぶん帝みかど曹丕有意ゆうい攻おさむ伐き東ひがし吳くれ，辛からし毗諫說せつ不可ふか，認みとめ為ため時間じかん並なみ不適合ふてきごう，但ただし文ぶん帝みかど不ふ聽，終おわり無む功こう而還。
• 辛からし毗亦很重視し氣節きせつ，不ふ願ねがい向こう奸佞かんねい小人こども卑躬屈こごめ膝ひざ。如魏明あかり帝みかど時じ，中書ちゅうしょ監かん劉りゅう放ひ和わ中書ちゅうしょ令れい孫まご資し受明帝みかど寵ちょう信しんじ，獨どく覽らん朝政ちょうせい，兒じ子こ辛からし敞たかし勸すすむ他た應おう像ぞう朝あさ中ちゅう其他官員かんいん般和他た們住來らい。但ただし辛からし毗認為ため不ふ與あずか他た們交好このみ，頂いただき多た當とう不ふ了りょう三公みつきみ，沒ぼつ有ゆう其他危害きがい，用もちい不ふ著ちょ因いん為ため他た們而放棄ほうき氣節きせつ。冗從僕ぼく射しゃ畢軌一いち次じ推薦すいせん辛からし毗任尚書しょうしょ僕ぼく射しゃ，劉りゅう放ひ及孫資し卻向明あかり帝みかど說せつ他た「性せい剛つよし而專」，令れい明あかり帝みかど不ふ任用にんよう他た，反はん讓ゆずる他出たしゅつ任にん衛まもる尉じょう。

軼事いつじ

• 先さき前まえ曹植與あずか曹丕爭奪そうだつ太子たいし之の位くらい，曹丕在ざい確立かくりつ後ご喜き極ごく失態しったい，抱だき著ちょ辛からし毗的脖子說せつ：「辛からし君くん您知道どう我わが有ゆう多た開ひらく心こころ嗎？」後來こうらい辛からし毗將這件事ごと告訴こくそ女兒じょじ憲けん英えい，時じ年ねん二に十多歲的憲英便感歎地說：「太子たいし是ぜ代替だいたい君王くんのう主ぬし理り宗廟そうびょう社稷しゃしょく的てき人物じんぶつ。代だい君王くんのう行事ぎょうじ不可ふか以不懷ふところ著ちょ憂慮ゆうりょ之の心しん，主持しゅうもち國家こっか大事だいじ亦また不可ふか以不保持ほじ戒懼之の心しん，在ざい應おう該憂戚的時候じこう反はん而感到いた喜悅きえつ，又また怎會長久ちょうきゅう呢？魏ぎ國こく又また怎能昌あきら盛もり？」
• 三さん國こく演義えんぎ第だい一いち百ひゃく零れい三さん回かい，魏ぎ將しょう皆みな知ち孔明こうめい以巾幗女衣ころも辱はずかしめ司馬しば懿，司馬しば懿卻受之不戰ふせん。眾將俱忿，司馬しば懿說：「我わが不ふ是ぜ甘あま願ねがい受辱而不敢出戰せん，而是因いん為ため受天子てんし明あかり詔みことのり堅守けんしゅ此處ここら」、「汝なんじ等とう既すんで要よう出だし戰せん，待まて我わが奏そう淮天子こ，同どう力ちから赴敵，何なに如？」曹叡收おさむ到いた信しん件けん後ご，疑惑ぎわく地ち詢問眾下官かん：「司馬しば懿堅守けんしゅ不出ふしゅつ，為ため何なん現在げんざい又また上書うわがき求もとめ戰せん？」辛からし毗答覆くつがえ：「司馬しば懿本無む戰せん心こころ，這次必定ひつじょう是ぜ因いん為ため諸しょ葛かずら亮あきら恥辱ちじょく而讓眾將忿怒ふんど之の故こ，所以ゆえん才ざい特とく意い上書うわがき乞求天子てんし明あかり旨むね，以遏諸しょ將之まさゆき心耳しんじ。」曹叡恍とぼけ然しか大悟たいご，即そく令れい辛からし毗持節ぶし至いたり渭北寨傳諭さとし，傳令でんれい眾將切きり勿出戰せん。司馬しば懿也不ふ得とく不ふ佩服地ち跟辛毗說：「公おおやけ真知まち我わが心しん也。」

親おや屬ぞく

兄あに

• 辛からし評ひょう，曾任韓かん馥和わ袁紹部下ぶか，後ご跟隨袁譚，最終さいしゅう被ひ審しん配はい誅殺ちゅうさつ。

子女しじょ

• 辛からし憲けん英えい，辛からし毗之女おんな，嫁よめ給きゅう太ふとし常つね羊ひつじ耽ふけ。
• 辛からし敞たかし，辛からし毗之子こ，繼嗣けいし都と鄉ごう侯こう，官かん至いたり衛まもる尉じょう。

評價ひょうか

陳ちん壽ひさし：“辛からし毗、杨阜，刚亮公こう直じき，正せい谏匪躬，亚乎汲黯之これ高だか风焉。”（傳記でんき評ひょう）；“初はつ，(趙ちょう)俨与あずか同どう郡ぐん辛からし毗、陈群、杜もり袭并知名めい，号ごう曰‘辛からし、陈、杜もり、赵’云うん。”（《三國志さんごくし·魏ぎ志こころざし·趙ちょう儼げん傳でん》）

參考さんこう資料しりょう

• 《三國志さんごくし·魏ぎ書しょ·辛からし毗傳》

延伸えんしん阅读

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《三國志さんごくし/卷まき25》，出自しゅつじ陳ちん壽ひさし《三國志さんごくし》