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日本酒 - Wikipedia

日本酒にほんしゅ

日本にっぽん起源きげんとする醸造じょうぞうしゅのひとつ
清酒せいしゅから転送てんそう

日本酒にほんしゅ(にほんしゅ)、またはしゅ(わしゅ)は、通常つうじょうべいおもさけまい)とこうじみずおも原料げんりょうとする清酒せいしゅ(せいしゅ)をす。日本にっぽん特有とくゆう製法せいほう醸造じょうぞうされたさけで、醸造じょうぞうしゅ分類ぶんるいされる。

さけまれた日本酒にほんしゅさかずきひだり)、猪口ちょこ中央ちゅうおう)、ますみぎ)。
いちごう徳利とっくりひだり)、さけさかな中央ちゅうおうじょう)、お猪口ちょこみぎ)。
日本酒にほんしゅ
100 gあたりの栄養えいよう
エネルギー 561 kJ (134 kcal)
5 g
糖類とうるい 0 g
食物しょくもつ繊維せんい 0 g
0 g
飽和ほうわ脂肪酸しぼうさん 0 g
一価いっか飽和ほうわ 0 g
あたい飽和ほうわ 0 g
0.5 g
ビタミン
ビタミンA相当そうとうりょう
(0%)
0 µg
(0%)
0 µg
0 µg
チアミン (B1)
(0%)
0 mg
リボフラビン (B2)
(0%)
0 mg
ナイアシン (B3)
(0%)
0 mg
ビタミンB6
(0%)
0 mg
葉酸ようさん (B9)
(0%)
0 µg
ビタミンB12
(0%)
0 µg
コリン
(0%)
0 mg
ビタミンC
(0%)
0 mg
ビタミンD
(0%)
0 IU
ビタミンE
(0%)
0 mg
ビタミンK
(0%)
0 µg
ミネラル
ナトリウム
(0%)
2 mg
カリウム
(1%)
25 mg
カルシウム
(1%)
5 mg
マグネシウム
(2%)
6 mg
リン
(1%)
6 mg
鉄分てつぶん
(1%)
0.1 mg
亜鉛あえん
(0%)
0.02 mg
セレン
(2%)
1.4 µg
成分せいぶん
水分すいぶん 78.4 g
アルコール (エタノール)
16.1 g
%はアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにおける
成人せいじん栄養えいよう摂取せっしゅ目標もくひょう (RDI割合わりあい
出典しゅってん: USDA栄養えいようデータベース英語えいご

呼称こしょう名称めいしょう

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日本にっぽん古語こごでは「さけ々(ささ)」、仏教ぶっきょう僧侶そうりょ隠語いんごで「般若はんにゃ(はんにゃとう)」、江戸えど時代じだいころより、「きちがいみず」という別称べっしょう使つかわれる。現代げんだいでは「ポンしゅ(ぽんしゅ[注釈ちゅうしゃく 1])」とばれることもある。

アメリカでは「sake(サーキー)」とばれることがおお[1]

酒税しゅぜいほうによる定義ていぎとアルコール度数どすう

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日本にっぽんでは、酒類しゅるい[注釈ちゅうしゃく 2]かんしては酒税しゅぜいほう包括ほうかつてき法律ほうりつとなっている。どうほうにおいて「清酒せいしゅ」とは、つぎ要件ようけんたした酒類しゅるいで、アルコールぶんが22未満みまんのものをいう(3じょう7ごう[2]

  1. べいべいこうじみずおよ清酒せいしゅかすその政令せいれいさだめる物品ぶっぴん[注釈ちゅうしゃく 3][注釈ちゅうしゃく 4]原料げんりょうとして発酵はっこうさせて、こしたもの
  2. 清酒せいしゅきよしさけかすくわえて、こしたもの

なお、日本酒にほんしゅ類似るいじする酒類しゅるいとして「その香味こうみいろさわその性状せいじょう清酒せいしゅ類似るいじする」混成こんせいしゅである「合成ごうせい清酒せいしゅ」(どうじょう8ごう)や、どぶろく[注釈ちゅうしゃく 5]など一部いちぶの「その醸造じょうぞうしゅ」(どうじょう19ごう)がある。

一般いっぱんてき日本酒にほんしゅアルコール度数どすうは15~16%と醸造じょうぞうしゅとしてはたか部類ぶるいになる。女性じょせい若者わかものなどかるさけこの消費しょうひしゃや、輸出ゆしゅつふくめた洋酒ようしゅとの競争きょうそう対応たいおうするため、アルコール度数どすうビールよりややたか程度ていどの6~8%たいや、ワインどう程度ていど(10%たい前半ぜんはん)のていアルコール日本酒にほんしゅ相次あいつ開発かいはつ販売はんばいされている[3]発泡はっぽう日本酒にほんしゅでは5%という製品せいひんもある[4]

ぎゃくに、清酒せいしゅ類似るいじ原材料げんざいりょう製法せいほう酒税しゅぜいほうじょう定義ていぎよりたかいアルコール度数どすう(22以上いじょう)のさけ製造せいぞうすることも技術ぎじゅつてきには可能かのうである。「越後えちごさむらい」(玉川たまがわ酒造しゅぞう)のように、清酒せいしゅ製法せいほう醸造じょうぞうした原酒げんしゅにアルコール添加てんか加水かすいしての製造せいぞう)で製造せいぞうされながらアルコール度数どすうが46たっするさけ存在そんざいする(酒税しゅぜいほうじょうは3じょう21ごうリキュールあつかい)。

クラフトサケ(クラフト日本酒にほんしゅ

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日本酒にほんしゅてきかつ個性こせいてきさけを、ときにはべいみず以外いがい原料げんりょうくわえて少量しょうりょう醸造じょうぞうするうごきもあり、2022ねん6がつには「クラフトサケブリュワリー協会きょうかい」が6つの醸造じょうぞうしょにより設立せつりつされた(製品せいひん酒税しゅぜいほうでは「その醸造じょうぞうしゅ」「ざつしゅ」となる)[5]。「クラフト」をかんした酒類しゅるいについては「クラフトビール参照さんしょう

分類ぶんるい

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特定とくてい名称めいしょう分類ぶんるい

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普通ふつうしゅ

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普通ふつうしゅとは、後述こうじゅつ特定とくてい名称めいしょうしゅ以外いがい清酒せいしゅである。一般いっぱん流通りゅうつうしているだい部分ぶぶん日本酒にほんしゅ普通ふつうしゅ分類ぶんるいされる。

べいべいこうじみずのほか、きよしさけかす(酒粕さけかす)、政令せいれいさだめる物品ぶっぴん原料げんりょうふく原料げんりょう)として製造せいぞうされる。この物品ぶっぴんには、醸造じょうぞうアルコール焼酎しょうちゅうぶどうとうその糖類とうるい有機ゆうきさんアミノ酸あみのさんしおうま調味ちょうみりょうなど)または清酒せいしゅがある(酒税しゅぜいほう施行しこうれい2じょう)。これらのふく原料げんりょうは、その重量じゅうりょうべいべいこうじの重量じゅうりょうを50%をえない範囲はんいという条件じょうけんつきで使用しようみとめられている(酒税しゅぜいほう3じょう7ごうロ)。

さんばいぞう醸清しゅ、またはそれをブレンドしたさけは、2006ねん平成へいせい18ねん)の酒税しゅぜいほう改正かいせい清酒せいしゅ範疇はんちゅうにはふくまれなくなった。合成ごうせい清酒せいしゅもとより清酒せいしゅではないので、普通ふつうしゅではない。

製法せいほう品質ひんしつ特定とくてい名称めいしょうしゅ相当そうとうする日本酒にほんしゅであっても、特定とくてい名称めいしょう表示ひょうじせず、普通ふつうしゅとして販売はんばいする場合ばあいもある[6][7]

製品せいひんとしてはかくメーカーが独自どくじ名称めいしょう、ランクけをもちいて表記ひょうきされる[8]

特定とくてい名称めいしょうしゅ

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清酒せいしゅ要件ようけんたしたもののうち、原料げんりょう製法せいほう一定いってい基準きじゅんたすものは、国税庁こくぜいちょう告示こくじ[9]さだめられた特定とくてい名称めいしょう容器ようきまた包装ほうそう表示ひょうじすることができる。特定とくてい名称めいしょう表示ひょうじした清酒せいしゅ特定とくてい名称めいしょうしゅという。

特定とくてい名称めいしょうしゅは、農産物のうさんぶつ検査けんさほうもとづく米穀べいこく検査けんさ[10]により3とう以上いじょう格付かくづけされた玄米げんまいまたはこれに相当そうとうする玄米げんまい精米せいまいした白米はくまいもちい、こうじまい使用しよう割合わりあい白米はくまい重量じゅうりょうたいするこうじまい重量じゅうりょう割合わりあい)が、15%以上いじょうのものにかぎられる。

特定とくてい名称めいしょうしゅ表示ひょうじは、当該とうがい特定とくてい名称めいしょうによることとされ、これと類似るいじする用語ようごまた特定とくてい名称めいしょうあわせて「極上ごくじょう」「優良ゆうりょう」「高級こうきゅうとう品質ひんしつすぐれている印象いんしょうあたえる用語ようごもちいることができない。ただし、特定とくてい名称めいしょう清酒せいしゅふくめて自社じしゃ製品せいひんのランクけとしてのみであれば、表示ひょうじすることができる(「特別とくべつ」をのぞく)。

特定とくてい名称めいしょうしゅは、原料げんりょう精米せいまい歩合ぶあいにより、ほん醸造じょうぞうしゅじゅんべいしゅ吟醸ぎんじょうしゅ分類ぶんるいされる。

特定とくてい名称めいしょう清酒せいしゅ表示ひょうじ[11]
特定とくてい名称めいしょう 使用しよう原料げんりょう 精米せいまい歩合ぶあい 香味こうみとう要件ようけん こうじまい使用しよう割合わりあい
ほん醸造じょうぞうしゅ べいべいこうじ、みず醸造じょうぞうアルコール 70%以下いか 香味こうみいろさわ良好りょうこう 15%以上いじょう
特別とくべつほん醸造じょうぞうしゅ 60%以下いかまた特別とくべつ製造せいぞう方法ほうほうよう説明せつめい表示ひょうじ 香味こうみいろさわとく良好りょうこう
じゅんべいしゅ べいべいこうじ、みず 香味こうみいろさわ良好りょうこう
特別とくべつじゅんべいしゅ 60%以下いかまた特別とくべつ製造せいぞう方法ほうほうよう説明せつめい表示ひょうじ 香味こうみいろさわとく良好りょうこう
吟醸ぎんじょうしゅ べいべいこうじ、みず醸造じょうぞうアルコール 60%以下いか 吟醸ぎんじょうづくり、固有こゆう香味こうみいろさわ良好りょうこう
じゅんべい吟醸ぎんじょうしゅ べいべいこうじ、みず
だい吟醸ぎんじょうしゅ べいべいこうじ、みず醸造じょうぞうアルコール 50%以下いか 吟醸ぎんじょうづくり、固有こゆう香味こうみいろさわとく良好りょうこう
じゅんべいだい吟醸ぎんじょうしゅ べいべいこうじ、みず
特定とくてい名称めいしょう規則きそくせいひょう
吟醸ぎんじょうづく
かつ
精米せいまい歩合ぶあい50%以下いか
吟醸ぎんじょうづく
かつ
精米せいまい歩合ぶあい60%以下いか
特別とくべつ製造せいぞう方法ほうほう
また
精米せいまい歩合ぶあい60%以下いか
醸造じょうぞうアルコール:なしじゅんまい じゅんべいだい吟醸ぎんじょうしゅ じゅんべい吟醸ぎんじょうしゅ 特別とくべつじゅんべいしゅ じゅんべいしゅ
醸造じょうぞうアルコール:あり(アル添) だい吟醸ぎんじょうしゅ 吟醸ぎんじょうしゅ 特別とくべつほん醸造じょうぞうしゅ ほん醸造じょうぞうしゅ
精米せいまい歩合ぶあい70%以下いか
ほん醸造じょうぞうしゅ
ほん醸造じょうぞうしゅとは、精米せいまい歩合ぶあい70%以下いか白米はくまいべいこうじ、醸造じょうぞうアルコールおよみず原料げんりょうとして製造せいぞうした清酒せいしゅで、香味こうみおよいろさわ良好りょうこうなものにもちいることができる名称めいしょうである。使用しようする白米はくまい重量じゅうりょうの10%未満みまん白米はくまい1トンにつきおよそ120リットル以下いか)のりょうかぎ醸造じょうぞうアルコールを添加てんかすることができる。
特別とくべつほん醸造じょうぞうしゅ
特別とくべつほん醸造じょうぞうしゅとは、ほん醸造じょうぞうしゅのうち、香味こうみおよいろさわが「とく良好りょうこう」であり、かつ、そのむね使用しよう原材料げんざいりょう製造せいぞう方法ほうほうその客観きゃっかんてき事項じこうをもって当該とうがい清酒せいしゅ容器ようきまた包装ほうそう説明せつめい表示ひょうじするもの(精米せいまい歩合ぶあいをもって説明せつめい表示ひょうじする場合ばあいは、精米せいまい歩合ぶあい60%以下いか場合ばあいかぎる)にもちいることができる名称めいしょうである。
じゅんべいしゅ
じゅんべいしゅとは、白米はくまいべいこうじおよみずのみを原料げんりょうとして製造せいぞうした清酒せいしゅで、香味こうみおよいろさわ良好りょうこうなものにもちいることができる名称めいしょうである。ただし、その白米はくまいは、特定とくてい名称めいしょうしゅ同様どうよう、3とう以上いじょう格付かくづけた玄米げんまいまたはこれに相当そうとうする玄米げんまい使用しようし、さらにべいこうじのそう重量じゅうりょうは、白米はくまいそう重量じゅうりょうたいして15%以上いじょう必要ひつようである。
特別とくべつじゅんべいしゅ
特別とくべつじゅんべいしゅとは、じゅんべいしゅのうち、香味こうみおよいろさわが「とく良好りょうこう」であり、かつ、そのむね使用しよう原材料げんざいりょう製造せいぞう方法ほうほうその客観きゃっかんてき事項じこうをもって当該とうがい清酒せいしゅ容器ようきまた包装ほうそう説明せつめい表示ひょうじするもの(精米せいまい歩合ぶあいをもって説明せつめい表示ひょうじする場合ばあいは、精米せいまい歩合ぶあい60%以下いか場合ばあいかぎる)にもちいることができる名称めいしょうである。
じゅんべいしゅは、特定とくてい名称めいしょうしゅなかでも(じゅんまいのものをふくむ)吟醸ぎんじょうけいさけほん醸造じょうぞうしゅくらべて濃厚のうこうあじわいがあり、ぞうごとの個性こせいつよいといわれる。
1991ねん平成へいせい3ねん)に日本酒にほんしゅきゅうべつ制度せいど廃止はいしされて以降いこう2003ねん平成へいせい15ねん)12月31にちまでのあいだは、「じゅんべいしゅ」の品位ひんい一定いってい以上いじょうたもつため、「精米せいまい歩合ぶあい70%以下いかのもの」と法的ほうてき規制きせいされていた。当時とうじ精米せいまい歩合ぶあいひくい(玄米げんまいをよりおおけずる)ほど高級こうきゅうしゅであるという通念つうねんがあったからである。
しかし、近年きんねん規制きせい緩和かんわ一環いっかんとして、この規定きてい2004ねん平成へいせい16ねん)1がつ1にち削除さくじょされ、べいだけでつくってあれば、たとえ食用しょくようまいなみ精米せいまい歩合ぶあいであっても「じゅんべいしゅ」の名称めいしょうみとめることとなった。この改正かいせいかんしては、評価ひょうか消費しょうひしゃ選択せんたくまかせるべきで「消費しょうひしゃ権利けんり拡大かくだいである」と賛成さんせいする立場たちばと「酒造しゅぞう技術ぎじゅつ低下ていかまねくもの」と批判ひはんする立場たちばがある。
この規制きせい緩和かんわによって、醸造じょうぞうアルコール添加てんかでもべいなどを使用しようしていたために「じゅんべいしゅ」を名乗なのれなかった銘柄めいがらが、数多かずおお格上かくあげされるのではないかという疑念ぎねんがあったが、実際じっさいには先述せんじゅつのように「こうじ歩合ぶあい15%以上いじょう」「規格きかくまい使用しよう」といった制約せいやくがあり、こうじ歩合ぶあい15%未満みまんさけ規格きかく外米がいまい屑米くずまいべい使用しようしたさけは「じゅんべいしゅ」をしょうすることはできない。
一方いっぽう上記じょうき条件じょうけんたしたうえで、かつて普通ふつうしゅにももちいられなかったようなたか精米せいまい歩合ぶあいえてすることで、独特どくとくさけしつてい精白せいはくしゅなどのあたらしいじゅんべいしゅ開発かいはつすすんだ。
吟醸ぎんじょうしゅ
吟醸ぎんじょうしゅとは、精米せいまい歩合ぶあい60%以下いか白米はくまいべいこうじおよみずまたはこれらと醸造じょうぞうアルコールを原料げんりょうとし、吟醸ぎんじょうづくによって製造せいぞうした清酒せいしゅで、固有こゆう香味こうみおよいろさわ良好りょうこうなものにもちいることができる名称めいしょうである。低温ていおん長時間ちょうじかんかけて発酵はっこうさせてつくられ、吟醸ぎんじょうばれるリンゴバナナメロンおもわせるはなやかな香気こうき成分せいぶん酢酸さくさんイソアミルカプロンさんエチルなど)を特徴とくちょうとする[12]吟醸ぎんじょうづくりでは、もろみをしぼ直前ちょくぜん醸造じょうぞうアルコールを添加てんかすることで、芳香ほうこう成分せいぶん酒粕さけかすがわから日本酒にほんしゅがわ移行いこうさせることができる。なお、添加てんかできる醸造じょうぞうアルコールのりょうは、白米はくまい重量じゅうりょうの10%未満みまん白米はくまい1トンにつきおよそ120リットル以下いか)とさだめられている。
じゅんべい吟醸ぎんじょうしゅ
じゅんべい吟醸ぎんじょうしゅとは、吟醸ぎんじょうしゅのうち、醸造じょうぞうアルコールを添加てんかせず、べいべいこうじおよみずのみを原料げんりょうとして製造せいぞうしたものにとくもちいることができる名称めいしょうである。一般いっぱん醸造じょうぞうアルコールを添加てんかした吟醸ぎんじょうしゅくらべてかおりはおだやか(ひかえめ)になり、あじあつみのあるものとなる。
ほん記事きじふくめて一般いっぱん吟醸ぎんじょうけい(のさけ表現ひょうげんする場合ばあいは、吟醸ぎんじょうしゅじゅんべい吟醸ぎんじょうしゅだい吟醸ぎんじょうしゅじゅんべいだい吟醸ぎんじょうしゅなどのさけ総称そうしょうしている。
元々もともとかんひょうかいけのとくに「吟味ぎんみしてかもしたさけ」を意味いみした。1920年代ねんだいから開発かいはつ着手ちゃくしゅされ、1930年代ねんだい精米せいまい技術ぎじゅつ向上こうじょう1950年代ねんだい以降いこう吟醸ぎんじょうしゅ製造せいぞうによりてきした酵母こうぼ頒布はんぷ1970年代ねんだい温度おんど管理かんり技術ぎじゅつこうじおよび酵母こうぼ選抜せんばつ育種いくしゅ技術ぎじゅつ進歩しんぽうながされて品質ひんしつ向上こうじょうするとともに、やがて一般いっぱん市場いちば出回でまわるだけの生産せいさんりょう確保かくほできるようになった。吟醸ぎんじょうけいさけ日本にっぽん国内こくない市場いちば流通りゅうつうするようになったのは1980年代ねんだい以降いこうであり、2000年代ねんだい以降いこうでは日本にっぽん国外こくがいでも日本にっぽんしょくブームともなって需要じゅようたかまっている(参照さんしょう吟醸ぎんじょうしゅ誕生たんじょう)。
だい吟醸ぎんじょうしゅ
だい吟醸ぎんじょうしゅとは、吟醸ぎんじょうしゅのうち、精米せいまい歩合ぶあい50%以下いか白米はくまい原料げんりょうとして製造せいぞうし、固有こゆう香味こうみおよいろさわとく良好りょうこうなものにもちいることができる名称めいしょうである。吟醸ぎんじょうしゅよりさらに徹底てっていして低温ていおん長期ちょうき発酵はっこうする。最後さいご吟醸ぎんじょうすために少量しょうりょう醸造じょうぞうアルコールを添加てんかする。添加てんかできる醸造じょうぞうアルコールのりょうは、吟醸ぎんじょうしゅおなじく白米はくまい重量じゅうりょうの10%未満みまんである。
 
じゅんべいだい吟醸ぎんじょうしゅ福井ふくいけん
じゅんべいだい吟醸ぎんじょうしゅ
じゅんべいだい吟醸ぎんじょうしゅとは、だい吟醸ぎんじょうしゅのうち、醸造じょうぞうアルコールを添加てんかせず、べいべいこうじおよみずのみを原料げんりょうとして製造せいぞうしたものにとくもちいることができる名称めいしょうである。一般いっぱん醸造じょうぞうアルコールを添加てんかしただい吟醸ぎんじょうしゅくらべておだやかなかおりであじわいぶかい。

分類ぶんるい

編集へんしゅう

特定とくてい名称めいしょう以外いがいにも特徴とくちょうてき原料げんりょう製法せいほうによって様々さまざま分類ぶんるいがあるが、これらは国税庁こくぜいちょう告示こくじ清酒せいしゅ製法せいほう品質ひんしつ表示ひょうじ基準きじゅん)によるものと、酒造しゅぞうメーカーや業界ぎょうかい団体だんたいによって伝統でんとうてき慣用かんようてきもちいられるものがある。前者ぜんしゃは、特定とくてい名称めいしょうといくつかの記載きさい事項じこう任意にんい記載きさい事項じこう記載きさい禁止きんし事項じこうさだめている。後者こうしゃは、付加ふか価値かちたかめるための、前者ぜんしゃにおいて定義ていぎされていない多様たよう分類ぶんるいられるが、同意どうい分類ぶんるいでも地方ちほう世代せだいなどによってことなる用語ようごもちいられることがあり(ちゅうり/ちゅうとう)、統一とういつされていない。「とくせん」「うえせん」「けいせん」といった呼称こしょうも、酒造しゅぞうメーカー独自どくじのランクけとして一部いちぶ使つかわれているものである。

特定とくてい名称めいしょう使用しようさだめられる以前いぜんは、「特級とっきゅう(さけ)」」「いちきゅう(さけ)」「きゅう(さけ)」というきゅうべつ制度せいど存在そんざいした(くわしくは「日本酒にほんしゅ歴史れきし」を参照さんしょう)。

表示ひょうじ

編集へんしゅう
 
いちはい日本酒にほんしゅ
 
たるしゅ

ラベル表示ひょうじ用語ようご

編集へんしゅう

任意にんい記載きさい事項じこう

編集へんしゅう

国税庁こくぜいちょう清酒せいしゅ製法せいほう品質ひんしつ表示ひょうじ基準きじゅんによる任意にんい記載きさい事項じこうは、以下いかとおり。

原料げんりょうまい品種ひんしゅめい
酒造しゅぞう好適こうてきまいなど、特定とくてい品種ひんしゅ原料げんりょうまいの50%以上いじょう使用しようした場合ばあい品種ひんしゅめいとその使用しよう割合わりあい表示ひょうじできる。
清酒せいしゅ産地さんちめい
単一たんいつ産地さんち製造せいぞうされた場合ばあい産地さんちめい表示ひょうじできる。
貯蔵ちょぞう年数ねんすう
いちねん以上いじょう貯蔵ちょぞう熟成じゅくせいされた清酒せいしゅには、貯蔵ちょぞう年数ねんすう表示ひょうじできる。酒造しゅぞうメーカーによっては、1ねん以上いじょうさけさけいにしえさけ大古おおこさけ熟成じゅくせいしゅ熟成じゅくせいさけ秘蔵ひぞうしゅなどの名称めいしょうかんして販売はんばいすることがある。年数ねんすう用語ようごかんする統一とういつされた基準きじゅんはないが、酒蔵さかぐら酒販しゅはんてん組織そしきする長期ちょうき熟成じゅくせいしゅ研究けんきゅうかいによれば3ねん以上いじょうかせたさけすことがおお[13]
原酒げんしゅ
うえこげわりすいもしくは加水かすい調整ちょうせい(アルコールぶん1%未満みまん範囲はんいない加水かすい調整ちょうせいのぞく)をしない清酒せいしゅ
生酒きざけ
せいなり加熱かねつ処理しょり火入ひい)をいちもしない清酒せいしゅ酵母こうぼなどの微生物びせいぶつ酵素こうそのこっており品質ひんしつ変化へんかしやすいので、鮮度せんどには注意ちゅうい必要ひつようであり、冷蔵れいぞう保存ほぞんする必要ひつようがある。
なま貯蔵ちょぞうしゅ
せいなり火入ひいれをしないで貯蔵ちょぞうし、製造せいぞうじょうから移出いしゅつするさい火入ひいれした清酒せいしゅ貯蔵ちょぞう期間きかんについては規定きていされていない。
生一本きいっぽん
清酒せいしゅ製法せいほう品質ひんしつ表示ひょうじ基準きじゅん単一たんいつ製造せいぞうじょうのみで醸造じょうぞうしたじゅんべいしゅである場合ばあい」とさだめられている。表示ひょうじ基準きじゅんなどが制限せいげんされる以前いぜんは、「なだしゅ」が生一本きいっぽん代名詞だいめいしとしてばれていた。[14]
たるしゅ
木製もくせいたる貯蔵ちょぞうし、のついた清酒せいしゅびんその容器ようきえたものをふくむ)。

その表示ひょうじ

編集へんしゅう
 
にござけ
なまつめしゅ
なま貯蔵ちょぞうしゅとはぎゃくに、せいなり火入ひいをしてから貯蔵ちょぞうし、製造せいぞうじょうから移出いしゅつするさいには火入ひいれをおこなわない清酒せいしゅ
ひやおろし
冬季とうき醸造じょうぞうしたのちはるなつあいだすずしい酒蔵さかぐら貯蔵ちょぞう熟成じゅくせいさせ、気温きおんがるあき瓶詰びんづめして出荷しゅっかされた清酒せいしゅほんページ「ひやおろし参照さんしょう

以下いか3項目こうもくは、うえそうときしぼりがほどこされているあいだ時期じき前期ぜんき中期ちゅうき後期こうきなど)で分類ぶんるいされるが、明確めいかく基準きじゅんはない。

あらはしり(あらばしり)
うえそう、すなわちふねというしぼ使つかってもろみ(もろみ)をしぼるときに、最初さいしょにほとばしるようにてくる部分ぶぶんさけのこと。圧力あつりょくくわえないで、最初さいしょまれたさけぶくろおもみだけで自然しぜんてくるもの。一般いっぱん固形こけいぶんであるかす(おり)がおおく、アルコール比較ひかくてきひくめで、かおりもたかあじい。
ちゅうり(なかどり)、ちゅうみ(なかぐみ)、ちゅうれ(なかだれ)
うえそうあらはしりのつぎに、中間なかまそうとしててくる部分ぶぶん。アルコールあじは、ほどほどのなかあいだてんあじかおりのバランスがもっとい、あるいはあらはしりよりられたあじだ、ともひょうされる。厳密げんみつには、このなかり、もしくはちゅうみ、ちゅうれというひとつの段階だんかいなかにも、さけぶくろふねいちはいになるまでまれたときにさけぶくろやま自重じちょうてきたものと、自重じちょうくわえてさらに圧力あつりょくけたときにてきたものの段階だんかいがある。
め(せめ)・り(おしきり)
うえそう最後さいごてくる部分ぶぶんとくふねしぼりにおいて、圧搾あっさくしててきた部分ぶぶん。アルコールたかく、かなりられたあじ
ふくろり、ふくろしぼり、しずくしぼり、首吊くびつ
うえそう、もろみをふくろめ、ふくろげてそこからしだれてくるさけをとる方法ほうほう出品しゅっぴんしゅなどの高級こうきゅうしゅおおもちいられる。こうしてられたさけしずくしゅ(しずくざけ)とばれることもある。
びんり、びんがこ
うえそうてきたさけびん(18リットルびん単位たんいけ、そこからいものをえら方法ほうほう出品しゅっぴんしゅとう高級こうきゅうしゅおおもちいられる。
濾過ろか
濾過ろか」については酒税しゅぜいほうじょう明確めいかく定義ていぎはなく、製造せいぞうしゃによって使つかわれかたことなる。「一切いっさい濾過ろか行為こういをしない」「不要ふよう固形こけいぶつのぞくためのあらのフィルター以外いがいには濾過ろかをしない」「活性炭かっせいたん濾過ろかによる香味こうみ調整ちょうせいをしない」などの意味合いみあいとして表示ひょうじされる[15]
にござけ、おりがらみ
にござけは、うえそうさいあらぬのなどでして、意図いとてきかすのこしたもの。火入ひいれをしない場合ばあいびん内部ないぶ発酵はっこう持続じぞくし、発泡はっぽうせいのものになる。おりがらみは、かすげをしないままのもの。どちらも、かすふくまれているやうまみ、もろみ独特どくとく濃厚のうこうかおりやあじわいをたのしむためにつくられる。「にごりざけ」と表示ひょうじされていても、清酒せいしゅかすかなかすただよっているものから、びんこうがわえないどぶろくじょう商品しょうひんまで、にごりの度合どあいは幅広はばひろい。
発泡はっぽう日本酒にほんしゅ
発酵はっこう封入ふうにゅうによる炭酸たんさんガスあわちをたのしめる発泡はっぽう日本酒にほんしゅもあり、製造元せいぞうもと酒蔵さかぐらあつまって2016ねんに「awaしゅ協会きょうかい」を設立せつりつした[16]
地理ちりてき表示ひょうじ
国税庁こくぜいちょう酒類しゅるい地理ちりてき表示ひょうじかんする表示ひょうじ基準きじゅんさだめるけん平成へいせい27ねん国税庁こくぜいちょう告示こくじだい19ごうにより、国税庁こくぜいちょう長官ちょうかん指定していけた地域ちいきにおいてはその表示ひょうじできるとともに、産地さんち特長とくちょうかすよう原料げんりょう製法せいほうとう制限せいげんされる。また、「清酒せいしゅ産地さんちのうち国税庁こくぜいちょう長官ちょうかん指定していするものを表示ひょうじする地理ちりてき表示ひょうじは、当該とうがい産地さんち以外いがい地域ちいき産地さんちとする清酒せいしゅについて使用しようしてはならない」ため、地域ちいき製造せいぞうされた清酒せいしゅには類似るいじ表示ひょうじ(「○○ふう仕込しこみ」「○○しき清酒せいしゅ」)が禁止きんしされ、地域ちいきブランドを保護ほごできる。2020ねん現在げんざい清酒せいしゅでは以下いかの5地域ちいき

指定していけているほか、日本にっぽん国内こくない全体ぜんたい産地さんちとして保護ほごする「日本酒にほんしゅ」も指定していされている[17]

外国がいこくさん清酒せいしゅ表示ひょうじ

編集へんしゅう

上述じょうじゅつとおり「日本酒にほんしゅ」または「Japanese Sake」の表示ひょうじは、地理ちりてき表示ひょうじ保護ほご制度せいどによって日本にっぽん国内こくないにおいて製造せいぞうされた清酒せいしゅにのみみとめられている。日本にっぽん国外こくがい製造せいぞうされた清酒せいしゅは「日本酒にほんしゅ」と呼称こしょうすることができないほか、「日本にっぽんふう」「日本にっぽんしき製法せいほう」などとラベルや広告こうこく店頭てんとうポップひとし表示ひょうじすることもできない。

また、外国がいこくさん日本酒にほんしゅについては、「さけ」「清酒せいしゅ」「〇〇さん清酒せいしゅ」としてのみ販売はんばいできる。日本にっぽん以外いがいつくられた「外国がいこくさん清酒せいしゅ」を日本にっぽん国内こくない販売はんばいする場合ばあいには、原産げんさん国名こくめいおよび外国がいこくさん清酒せいしゅ使用しようしたことの表示ひょうじ必要ひつようとなる[18]。アメリカなどでは「SAKE(サーキー)」が一般いっぱんてきであり、こちらでばれることがおおい。

かた料理りょうりへの利用りよう

編集へんしゅう

日本酒にほんしゅは、シャーベットじょうなかこおらせた「みぞれさけ」から常温じょうおんの「や」、やく60℃程度ていどまでの「熱燗あつかん」と、幅広はばひろ温度おんどたいまれる。同種どうしゅのアルコール飲料いんりょうおな地域ちいきで、ことなる温度おんどによりあじわうのが常態じょうたいであるれいは、中国ちゅうごく紹興酒しょうこうしゅなどがある程度ていどであり、比較的ひかくてきめずらしい(熱燗あつかんについて「燗酒かんざけ」も参照さんしょう)。

悪酔わるよいをふせぎ、心身しんしん健康けんこうたもつため、食事しょくじや「かず(やわ)らぎすい」とばれるみず[19]一緒いっしょむことを、日本酒にほんしゅ関連かんれん団体だんたいなどが推奨すいしょうしている。

いずれの温度おんどたいでも日本酒にほんしゅをそのままむことがおおいが、熱燗あつかんでは、とおしたさかなひたしてあじけるほねしゅひれしゅ伝統でんとうもある。さらに現代げんだいでは、はいこおりれるオン・ザ・ロック水割みずわりやおりとかた多様たようした。ハイボール[20]カクテル素材そざいにもなる。にち欧文おうぶん比較ひかくによれば江戸えど時代じだいごろには通年つうねんかんをつけてむのが普通ふつうであり、また水割みずわり(正確せいかくえば水増みずまし)のさけおおかったとされる。

日本酒にほんしゅは、魚介ぎょかいるいくさしのほか、煮物にものなどをふくめたあじかおけなどの調味ちょうみりょうとして、調理ちょうり使用しようされる。調理ちょうり専用せんよう料理りょうりしゅ製造せいぞう販売はんばいされる。日本酒にほんしゅ製造せいぞう過程かていしょうじる酒粕さけかす(さけかす)は酒粕さけかす焼酎しょうちゅう原料げんりょうになるほか甘酒あまざけなどにして飲用いんようしたり、粕漬かすづ粕汁かすじるなどの料理りょうりもちいたりされる。

せいなり販売はんばい数量すうりょう製造せいぞう業者ぎょうしゃすう産地さんち

編集へんしゅう

2018年度ねんど平成へいせい30年度ねんど)における清酒せいしゅせいなり数量すうりょうは40まん6,064キロリットル、販売はんばい消費しょうひ数量すうりょうは48まん8,696キロリットルである[21]名産めいさんなだがあり大手おおて日本酒にほんしゅメーカーの集中しゅうちゅうする兵庫ひょうごけんやく26%)、おなじく伏見ふしみのある京都きょうとやく22%)がおおい。これに、新潟にいがたけんやく8%)、埼玉さいたまけんやく4%)、秋田あきたけんやく4%)とつづ[22]成人せいじんいちにんたりの日本酒にほんしゅ販売はんばい消費しょうひ数量すうりょうは、新潟にいがたけんもっとおおく、東北とうほく北陸ほくりく地方ちほうかくけんがこれにつづ[21]

2017年度ねんど平成へいせい29年度ねんど)の清酒せいしゅ製造せいぞう業者ぎょうしゃすうは1,371業者ぎょうしゃで、そのうち中小ちゅうしょう企業きぎょうが99.6%をめている[22]

蔵元くらもと所在しょざいする地域ちいき地方自治体ちほうじちたいにとって、日本酒にほんしゅ重要じゅうよう地場じば産業さんぎょうひとつである。このため、東京とうきょうなどに出店しゅってんしたアンテナショップ地酒じざけ販売はんばいしたり、宴会えんかいなどでまず地元じもとさん日本酒にほんしゅむことをすすめる乾杯かんぱい条例じょうれい制定せいていしたりと、様々さまざま振興しんこうさく展開てんかいしている。

清酒せいしゅ酒類しゅるい製造せいぞう免許めんきょあらたに取得しゅとくできるのは、既存きそん清酒せいしゅ製造せいぞうしゃが、企業きぎょう合理ごうりはかるためあらたに製造せいぞうじょう設置せっちして清酒せいしゅ製造せいぞうしようとする場合ばあいとうかぎられており[23]新規しんき参入さんにゅう制限せいげんされている[24][25]新規しんき参入さんにゅうには、休廃業きゅうはいぎょうした酒造しゅぞう会社かいしゃ買収ばいしゅう酒蔵さかぐら免許めんきょ移転いてんする方法ほうほう使つかわれる(北海道ほっかいどう上川かみかわ大雪おおゆき酒造しゅぞうれい[26]。2021ねんには海外かいがいへの輸出ゆしゅつ後押あとおしするため、輸出ゆしゅつよう清酒せいしゅ製造せいぞう免許めんきょ設定せっていされた[27][24]だい1ごう福島ふくしまけんのねっかに交付こうふされた[28]

原料げんりょう

編集へんしゅう

日本酒にほんしゅおも原料げんりょうは、べいみずこうじべいこうじ)である。広義こうぎには、日本酒にほんしゅ醸造じょうぞうささえる酵母こうぼ乳酸菌にゅうさんきんなどのすべてを「日本酒にほんしゅ原料げんりょう」とぶこともある。専門せんもんてきには、香味こうみ調整ちょうせい使つかわれる醸造じょうぞうアルコール酸味さんみりょう調味ちょうみりょうアミノ酸あみのさん糖類とうるいなどはふく原料げんりょうんで区別くべつする。

用途ようとによって、こうじまい(こうじまい)ようまい(かけまい)ようの2種類しゅるいがある。

こうじまいには通常つうじょうさけまい酒造しゅぞう好適こうてきまい)が使つかわれる。まいには全部ぜんぶまたは一部いちぶ一般いっぱんまいうるちまい)が使つかわれるが、特定とくてい名称めいしょうしゅ場合ばあいにはさけまいのみが使つかわれることがおおい。普通ふつうしゅこうじまいまいともにすべて一般いっぱんまいつくられるのがほとんどである。

原料げんりょうまいえらかた使つかかたは、かつては特定とくてい名称めいしょうしゅなどの高級こうきゅうしゅともなると代表だいひょうてきさけまい山田やまだにしき一辺倒いっぺんとう傾向けいこうすらあったが、今日きょうでは一般いっぱんまいからもたか評価ひょうかさけつくられており、近年きんねん新種しんしゅ開発かいはつなどにより変化へんかいちじるしい。

べい豊作ほうさくとしには、べいしつ関係かんけいから、醸造じょうぞう失敗しっぱいしやすいこともある。これは豊作ほうさくとしべい比較的ひかくてきかたいため、酵母こうぼ充分じゅうぶん繁殖はんしょくするのに時間じかんがかかり、そのあいだ雑菌ざっきん繁殖はんしょくしてしまうのだという。大正たいしょう4ねん1915ねん)には、この現象げんしょうのちに「大正たいしょうだいくさみやつこ」ともばれたという)により日本にっぽん各地かくち醸造じょうぞう失敗しっぱい酒造しゅぞうぎょう全体ぜんたい深刻しんこくなダメージをこうむったとされている。

みず日本酒にほんしゅの80%をめる成分せいぶんで、品質ひんしつ左右さゆうするおおきな要因よういんとなる。このためなだみやすいなど、地域ちいきによっては特別とくべつ名称めいしょうばれる場合ばあいもある。水源すいげんはほとんどが伏流ふくりゅうすい地下水ちかすいなどの井戸水いどみずである。条件じょうけんところでは、これらを水源すいげんとする水道すいどうすい使つかわれることもあるが、醸造じょうぞうしょによって専用せんよう水源すいげん確保かくほすることがおおい。都市とし醸造じょうぞうしょなどでは、水質すいしつ悪化あっかのために遠隔えんかくからみず輸送ゆそうしたり、良質りょうしつ水源すいげんもとめて移転いてんしたりすることもある。酒造さけづくりに使つかわれるみず酒造しゅぞう用水ようすいばれ、仕込しこすいとして、またびん製造せいぞう設備せつびなどの洗浄せんじょう用水ようすいとして利用りようされる。蔵元くらもと一部いちぶは、仕込しこすい商品しょうひんとして販売はんばいしている。

東京とうきょう都心としん立地りっちする東京とうきょうこう醸造じょうぞうえて水道すいどうすい使つかっている。その理由りゆうとしては、東京とうきょう水道局すいどうきょく取水しゅすいする利根川とねがわ荒川あらかわ水系すいけいちゅう軟水なんすいで、酒造さけづくりに不適ふてき一部いちぶミネラル鉄分てつぶんマンガン)がすくないのと、安全あんぜん衛生えいせいてき殺菌さっきんよう塩素えんそ製造せいぞう工程こうていけるため支障ししょうがないことをげている[29]

硬度こうど
みず硬度こうどは、さけあじ影響えいきょうする要素ようそひとつである。おおざっぱにえば、軟水なんすいつくれば醗酵はっこうゆるいソフトなさけ硬水こうすいつくれば醗酵はっこうすすんだハードなさけになる。理由りゆうは、醸造じょうぞう過程かてい硬水こうすい使用しようするとミネラルが酵母こうぼはたらきを活発かっぱつにしてアルコール発酵はっこうすなわちとう分解ぶんかいはやすすみ、ぎゃく軟水なんすい使用しようするとミネラルがすくないため酵母こうぼはたらきが低調ていちょうになり発酵はっこうがなかなかすすまないからである。
江戸えど時代じだい以来いらいなだではみやすいばれる硬水こうすい使用しようされていたが、1897ねん明治めいじ30ねん)には広島ひろしまけん三浦みうらせん三郎さぶろうにより軟水なんすい醸造じょうぞうほう開発かいはつされた。
硬度こうど測定そくていには、日本にっぽん日常にちじょう生活せいかつではアメリカ硬度こうどもちいられるが、醸造じょうぞう業界ぎょうかいではながらくドイツ硬度こうどもちいられている(アメリカ硬度こうど使用しようされる)[30]
水質すいしつ
酒造しゅぞう用水ようすいせられている水質すいしつ基準きじゅんは、水道すいどうすいなどとくらべるとはるかに厳格げんかくである。酒蔵さかぐらは、使用しようするみず事前じぜんにそれぞれの地域ちいき保健所ほけんじょ食品しょくひん試験しけんしょ酒造しゅぞう指導しどう機関きかんなどにおくって検査けんさけなくてはならない。
検査けんさ以下いかのような項目こうもくおこなわれる。
日本にっぽんみずは、各地かくちによって小差しょうさはあるもののほとんどがちゅう硬水こうすいであり、香味こうみそこねる鉄分てつぶんやマンガンの含有がんゆうりょうすくないので、醸造じょうぞうてきしているといえる。太平洋戦争たいへいようせんそうまえ満州まんしゅうわた在留ざいりゅう日本人にっぽんじんのために清酒せいしゅ現地げんち生産せいさんはかるも、当地とうちみず硬水こうすい醸造じょうぞうてきしておらず、安定あんていして製造せいぞうすることは困難こんなんだった[33]
なお、発酵はっこう助成じょせい促進そくしんまたは安全あんぜん醸造じょうぞうのための必要ひつよう最小限さいしょうげん塩類えんるい酸性さんせいりんさんカリウム酸性さんせいりんさんカルシウム塩化えんかマグネシウムひとし)については、仕込しこすい添加てんかすることができる[34]
みず用途ようと
酒造さけづくりにもちいられる酒造しゅぞう用水ようすいは、以下いかのように分類ぶんるいされる。
  • 醸造じょうぞう用水ようすい - 醸造じょうぞう作業さぎょう最中さいちゅうさけなか成分せいぶんとしてりこまれるみず
    • 洗米せんまい浸漬しんせき用水ようすい - べいあらい、ひたしておくみず仕込しこみのまえべいなか吸収きゅうしゅうされるみずでもある。
    • 仕込しこ用水ようすい - 醸造じょうぞうしゅ原料げんりょうとしてくわえるみず
    • 雑用ざつよう用水ようすい - 洗浄せんじょうボイラーもちいられるみず。これにも水質すいしつこうべられているようなきびしい基準きじゅん通過つうかした酒造しゅぞう用水ようすいもちいられる。
  • 瓶詰びんづめ用水ようすい
    • あらいびん用水ようすい - びんあらみずである。
    • 加水かすい調整ちょうせい用水ようすい - アルコール度数どすう調整ちょうせいするためにくわえるみず醸造じょうぞうさけまれる。
    • 雑用ざつよう用水ようすい - タンクやバケツ清掃せいそうもちいるみず。これにも水質すいしつこうべられているようなきびしい基準きじゅん通過つうかした酒造しゅぞう用水ようすいもちいられる。

こうじ正字せいじは「」)

編集へんしゅう

日本酒にほんしゅもちいるこうじは、一般いっぱんてきしたべい麹菌こうじきんニホンコウジカビ胞子ほうし)をりかけてそだてたものであり、そのいろからニホンコウジカビはこうじともいわれ、べいこうじ(こめこうじ)ともいう。これがべいデンプンブドウ糖ぶどうとうえる糖化とうかはたらきをする。だだし21世紀せいきからは日本酒にほんしゅ醸造じょうぞうにおいても、焼酎しょうちゅう泡盛あわもり醸造じょうぞう使つかわれていたしろこうじくろこうじアワモリコウジカビ)が使つかわれはじめており。しろこうじくろこうじアルビノ突然変異とつぜんへんいたい)を醸造じょうぞう使用しようしたさけは、2009ねん新政しんせい酒造しゅぞうの「亜麻あまねこ」の発売はつばい以来いらい普及ふきゅうした。しろこうじおおくのクエン酸くえんさん生成せいせいするため、微生物びせいぶつ繁殖はんしょくふせ能力のうりょくたかく、クエン酸くえんさん由来ゆらい酸味さんみつよ風味ふうみ傾向けいこう仕上しあがりやすい。さけははつく伝統でんとうてき方法ほうほうであるなま酛づくりややまはいづくりにおいても、より近代きんだいてき方法ほうほうはや醸なみのはやさででき、それらははや醸とちが人工じんこうてきつくられた乳酸にゅうさん添加てんかしないため「添加てんか」の表示ひょうじができ、とく輸出ゆしゅつするさいのマーケティングの観点かんてんから有利ゆうりである[35]

日本酒にほんしゅ原料げんりょうとするべい主成分しゅせいぶん糖類とうるいであるデンプンだが、そのままでは酵母こうぼがエネルギーげんとして利用りようできない(デンプンから直接ちょくせつアルコール発酵はっこうおこなえない)ので、まずこうじはたらきによって分子ぶんしりょうちいさなとうへと分解ぶんかいする必要ひつようがある。つまり、酵母こうぼブドウ糖ぶどうとうからアルコールを生成せいせいできるように、したごしらえとしてデンプンを糖化とうかしてブドウ糖ぶどうとう生成せいせいする役割やくわりになうのがべいこうじである。べいこうじは、コウジカビが生成せいせいするデンプンの分解ぶんかい酵素こうそであるαあるふぁ-アミラーゼグルコアミラーゼふくみ、これらのはたらきによって糖化とうかおこなわれる。ほかにタンパク質たんぱくしつ分解ぶんかい酵素こうそふくんでおり、タンパク質たんぱくしつ分解ぶんかいしてしょうじるアミノ酸あみのさんペプチドは、酵母こうぼ生育せいいく完成かんせいしたさけ風味ふうみ影響えいきょうする(参照さんしょう#こうじづく)。

洋酒ようしゅ代表だいひょうするワインでは、原料げんりょうであるブドウ果汁かじゅうなかすでブドウ糖ぶどうとうふくまれているので、こうした糖化とうか工程こうていらないたん発酵はっこう文化ぶんかけんとなった。東洋とうようにおいては、日本酒にほんしゅだけでなく、酒類しゅるい味噌みそ味醂みりん醤油じょうゆなどおおくの食品しょくひんこうじ使つかわれ、しょく文化ぶんかてきふく発酵はっこう文化ぶんかけんカビ文化ぶんかけんなどともばれる。これは東南とうなんアジアからひがしアジアにかけてのなか高温こうおん湿潤しつじゅん地帯ちたいという気候きこううえ特性とくせいから可能かのうであった、微生物びせいぶつとしてのカビの効果こうか利用りようした醸造じょうぞうほうである。東洋とうよう使つかわれる麹菌こうじきんにはさまざまな種類しゅるいがあり、焼酎しょうちゅうにはしろこうじくろこうじくろ麹菌こうじきん)・こうじ泡盛あわもりにはくろこうじ紹興酒しょうこうしゅにはあかこうじもちいられるのが通常つうじょうだが、日本酒にほんしゅ場合ばあい味噌みそ味醂みりん醤油じょうゆおなじく一般いっぱんてきこうじ(きこうじ、麹菌こうじきん黄色おうしょく麹菌こうじきん)がもちいられる。ただし、「」とっても実際じっさいいろ緑色みどりいろ緑色みどりいろちかい。

酒造しゅぞう会社かいしゃ使つかこうじ酒蔵さかぐら以前いぜんから定着ていちゃくしている微生物びせいぶつ以外いがい納豆なっとうきん雑菌ざっきんなどは、さけ悪影響あくえいきょうあたえる。とく納豆なっとうきんこうじまい繁殖はんしょくすると、スベリこうじばれるヌルヌルした納豆なっとうのようなこうじになる。このため見学けんがくしゃらに来訪らいほう直前ちょくぜん納豆なっとうべないようもとめるつく酒屋ざかやもあり[36]、また酒造しゅぞう蔵人くろうど納豆なっとうくえさないところもある[37]

日本にっぽんもちいられるこうじは、肉眼にくがんかぎべいつぶそのままの形状けいじょうをしており、こうじ(ばらこうじ)とばれる。それにたいして、中国ちゅうごくなど東洋とうよう諸国しょこくもちいられるこうじもちこうじ(もちこうじ)とばれ、原料げんりょうとなるべいむぎなど穀物こくもつこなみずくわえてがためたものに自然しぜんかい存在そんざいするクモノスカビケカビ胞子ほうし付着ふちゃく繁殖はんしょくしてできるものである。

こうじなかべいのデンプンから生成せいせいされたブドウ糖ぶどうとうは、酵母こうぼによって分解ぶんかいされ、エタノール二酸化炭素にさんかたんそ生成せいせいされる。酵母こうぼ菌類きんるいぞくする単細胞たんさいぼう生物せいぶつであって原料げんりょうではないが、これがおこなアルコール発酵はっこう日本酒にほんしゅづくりの過程かていにおいておおきな要素ようそであるためここにしるす(詳細しょうさい清酒せいしゅ酵母こうぼ参照さんしょう)。多種たしゅ多様たよう酵母こうぼなか日本酒にほんしゅ醸造じょうぞうもちいられるものを清酒せいしゅ酵母こうぼといい、たねは80%以上いじょうSaccharomyces cerevisiae出芽しゅつが酵母こうぼ)である。なにじゅうまんもの種類しゅるい自然しぜんかいひろ存在そんざいしており、それぞれことなった資質ししつっている。酵母こうぼ多様たようせいさけあじかおりやしつ決定けっていける重要じゅうようかぎとなる。

ぜん近代きんだいには、こうじみずわせる過程かていにおいて空気くうきちゅう自然しぜん存在そんざいする酵母こうぼんだり、酒蔵さかぐらみついた「ぞうつき酵母こうぼ」(いえつき酵母こうぼ)にたよったりするなど、その時々ときどきうんまかせであった。このため、科学かがくてき再現さいげんせいけており、醸造じょうぞうされるさけ品質ひんしつ安定あんていしなかった。

明治めいじ時代じだいになると微生物びせいぶつがく導入どうにゅうによって有用ゆうよう菌株きんしゅ分離ぶんり養育よういくおこなわれ、それが配布はいふされることによって日本酒にほんしゅ全体ぜんたい品質ひんしつ安定あんてい向上こうじょうはかられた。1911ねん明治めいじ44ねんだい1かい全国ぜんこく新酒しんしゅかんひょうかいひらかれ、日本にっぽん醸造じょうぞう協会きょうかい全国ぜんこくレベルで有用ゆうよう酵母こうぼ収集しゅうしゅうするようになり、かんひょうかいで1となるなど客観きゃっかんてき優秀ゆうしゅう評価ひょうかされた酵母こうぼ純粋じゅんすい培養ばいようして頒布はんぷした。頒布はんぷされた酵母こうぼ協会きょうかいけい酵母こうぼまたは協会きょうかい酵母こうぼ)には、日本にっぽん醸造じょうぞう協会きょうかいちなんで「協会きょうかいごう」(nには番号ばんごうはいる)というけられている。アルコール発酵はっこう二酸化炭素にさんかたんそあわあわあり酵母こうぼ協会きょうかい1ごうから協会きょうかい15ごうなど)と、さないあわなし酵母こうぼ大別たいべつされる。あわなし酵母こうぼ突然変異とつぜんへんいによりまれた発酵はっこうあわさない酵母こうぼで、酒造さけづくりの過程かていにおいてあわまもり(あわもり)が不要ふようであるなど利点りてんおおいために研究けんきゅうすすみ、従来じゅうらいあわあり酵母こうぼのなかで優良ゆうりょうたねかぶあわなしばんおおつくられていった。

元々もともと日本酒にほんしゅにはこめ地味じみかおりだけがあり、ワインのようなフルーティーなかおりはかったが、かんひょうかいけにすぐれたかおりをさけ醸造じょうぞうする工夫くふうかさねられて吟醸ぎんじょうしゅ誕生たんじょうし、各地かくちぞう吟醸ぎんじょうづくりがおこなわれるようになった。これにおおきな役割やくわりたしたのが協会きょうかいけい酵母こうぼなか協会きょうかい7ごう真澄ますみ酵母こうぼ協会きょうかい9ごうこう酵母こうぼ熊本くまもと酵母こうぼであった。1980年代ねんだい吟醸ぎんじょうしゅ一般いっぱんそうにもひろれられて消費しょうひびてくると、このほかにもしょう酸性さんせい酵母こうぼこうエステル生成せいせい酵母こうぼリンゴさんこう生産せいさんせいさん酵母こうぼといったたかかおりをあわなし酵母こうぼつくられ、1990年代ねんだい以降いこうはそれぞれ開発かいはつ地名ちめいかんする静岡しずおか酵母こうぼ山形やまがた酵母こうぼ秋田あきた酵母こうぼ福島ふくしま酵母こうぼなどが登場とうじょうし、吟醸ぎんじょうづくりにもちいられる酵母こうぼ多様たようしていった。

最近さいきんでは、アルプス酵母こうぼ代表だいひょうされるカプロンさんエチルこう生産せいさんせい酵母こうぼや、東京農業大学とうきょうのうぎょうだいがくなでしこベコニアツルバラはなから分離ぶんりしたはな酵母こうぼなど、つよ吟醸ぎんじょうすものが注目ちゅうもくあつめており、いま大手おおてメーカーやバイオ研究所けんきゅうじょ大学だいがくなどで様々さまざま酵母こうぼつくられている。協会きょうかいけい酵母こうぼとして現在げんざい頒布はんぷされているものの70%ちかくはあわなし酵母こうぼである。

一方いっぽうあらたに開発かいはつされた酵母こうぼによっては吟醸ぎんじょう不自然ふしぜんつよすぎてさけあじそこなうなど、かえってこのまれない場合ばあいもあるため、一概いちがいかおりをつよあざやかにすることがのぞましいわけではない。

乳酸にゅうさん

編集へんしゅう

乳酸にゅうさんは、雑菌ざっきん繁殖はんしょくしないようにするために、とく仕込しこみの初期しょき重要じゅうようである。また、乳酸にゅうさんはじめとする有機ゆうきさんが、さけに“こし”をあたえる。酛立てさい醸造じょうぞうよう乳酸にゅうさんくわえる場合ばあいと、乳酸菌にゅうさんきん乳酸にゅうさんつくらせる場合ばあいがあり、前者ぜんしゃはや醸(そくじょう)けい後者こうしゃなま酛(きもと)けいぶ。

正式せいしきにはふく原料げんりょう区分くぶんされるもの。

〈ラベルに表示ひょうじされる項目こうもく

  • 醸造じょうぞうアルコール - すっきりしたあじわいにするため、あるいはかおりをのこすためにもろみくわえられる。くわえられたものは「アル添酒」とばれる。
  • 糖類とうるい - さけ甘味あまみくわえる。精米せいまい副産物ふくさんぶつである米糠こめぬかのデンプンを糖化とうか精製せいせいしたもの(米糠こめぬか糖化とうかえき)をべい代替だいたいとしてくわえ、発酵はっこうさせる場合ばあいもある[38]
  • アミノ酸あみのさん - さけうまみをくわえる。
  • 酸味さんみりょう - さけ酸味さんみくわえる。

<ラベルに表示ひょうじされない項目こうもく

  • 酵素こうそざい - 麹菌こうじきんつく酵素こうそおぎなうためなどに「酵素こうそざい」を使用しようすることがある。原料げんりょう重量じゅうりょうの 1,000ぶんの1 以下いか場合ばあい原料げんりょうとしてあつかわれない。
  • 活性炭かっせいたん - さけざつあじる。使つかいすぎるとさけ自体じたいあじうすくなる。
  • 清澄せいちょうざい
  • すけざい

日本酒にほんしゅ製法せいほう

編集へんしゅう

日本酒にほんしゅビールやワインとおなじく醸造じょうぞうしゅ分類ぶんるいされ、原料げんりょう発酵はっこうさせてアルコールをる。発酵はっこうでは酵母こうぼたん糖類とうるい利用りようする。ブドウを原料げんりょうとするワインなどは、ふくまれるとうしつたんとうなため、そのまま利用りようされる。しかし、アルコール醸造じょうぞう原料げんりょうとうしつたんとうのまま利用りようされるばかりではない。日本酒にほんしゅやビールの原材料げんざいりょうであるべいむぎでは糖類とうるい(でんぷんなど)として貯蔵ちょぞうされたかたちになっている。そのため含有がんゆうされる糖類とうるいたんとうにする糖化とうかという過程かてい必要ひつようである。ビールの場合ばあいは、アミラーゼにより完全かんぜんむぎじる糖化とうかさせたのち発酵はっこうさせる。日本酒にほんしゅ糖化とうか発酵はっこう並行へいこうしておこな工程こうていがあることがおおきな特徴とくちょうである。並行へいこうふく発酵はっこうばれるこの日本酒にほんしゅ独特どくとく醸造じょうぞう方法ほうほうが、醸造じょうぞうしゅくらべてたかいアルコール度数どすうることができる要因よういんになっている。日本酒にほんしゅ糖化とうか工程こうてい利用りようされるのがこうじになる。

日本酒にほんしゅは、つぎ過程かてい醸造じょうぞうされる。

精米せいまい

編集へんしゅう

玄米げんまいからぬか胚芽はいがのぞき、あわせて胚乳はいにゅうけず[注釈ちゅうしゃく 6]けずられた割合わりあい精米せいまい歩合ぶあいによってあらわされる。

べいふくまれるタンパク質たんぱくしつ脂肪しぼうは、べいつぶ外側そとがわおお存在そんざいする。醸造じょうぞう過程かていにおいて、タンパク質たんぱくしつ脂肪しぼうざつあじ原因げんいんとなるため[注釈ちゅうしゃく 7]べいくだけないよう慎重しんちょうけずとされ、それにより洗練せんれんされたあじすことができる。その反面はんめん精米せいまい歩合ぶあいひくくなればなるほどべい品種ひんしゅ個性こせいかしにくくなり、発酵はっこううながすミネラルぶんビタミンるいうしなわれるので、工程こうていでの高度こうど技術ぎじゅつ要求ようきゅうされることになる。

精米せいまい速度そくどはやすぎると、べいねつをもって変質へんしつしたりくだけたりするので、細心さいしん注意ちゅういをもってゆっくりおこなわなくてはならない。吟醸ぎんじょうだい吟醸ぎんじょうとなると、けずりこむ部分ぶぶんおおきいだけでなく、そのぶん対象たいしょうぶつちいさくなって神経しんけい使つかうので、精米せいまいようする時間じかんまるにちえることもある。

1930ねん昭和しょうわ5ねんごろ以降いこうたてがた精米せいまい出現しゅつげんにより、より高度こうど迅速じんそく精米せいまい作業さぎょう可能かのうになり、ひいてはのちの吟醸ぎんじょうしゅ大量たいりょう生産せいさん可能かのうにした(参照さんしょう吟醸ぎんじょうしゅ誕生たんじょう)。最近さいきんではこのたてがた精米せいまいコンピュータ制御せいぎょして精米せいまいしている大手おおてメーカーもある。

2023ねん時点じてんもっと精米せいまいされている日本酒にほんしゅは、新澤にいざわ醸造じょうぞうてんの「れいひびき Crystal 0」(137まん5せんえん)であり、精米せいまい歩合ぶあい0.85%以下いか(99.15%以上いじょう除去じょきょ)の記録きろく[39]

ひやらし

編集へんしゅう

精米せいまい白米はくまいさけははこうじこうじつぎ工程こうてい使用しようされるまで放置ほうちすること。

精米せいまいされたべいはかなりの摩擦まさつねつびている。精米せいまい歩合ぶあいひくく、精米せいまい時間じかんければながいほど、びる熱量ねつりょうおおきくなる。そのままではつぎ工程こうていすすむにはべいしつ安定あんていしていない(杜氏とうじぞうじん言葉ことばでは「べいがおちついていない」)ため、ふくろれて倉庫そうこなかでしばらくますことになる。また、摩擦まさつねつによって蒸発じょうはつした水分すいぶんもともどす。これをつめた(ほうれい)、また杜氏とうじ蔵人くろうど言葉ことばではらし(からし)という。「しばらく」とっても数時間すうじかん単位たんい作業さぎょうではなく、摩擦まさつねつ放散ほうさんしきって完全かんぜんこめくまで通常つうじょう3週間しゅうかんから4週間しゅうかんかる。

洗米せんまい

編集へんしゅう

精米せいまいされたべいは、精米せいまい過程かてい表面ひょうめんいたぬかべいくずを徹底的てっていてき除去じょきょされる。これが洗米せんまい(せんまい)である。

普通ふつうしゅつくべいなどは、機械きかいいち大量たいりょう洗米せんまいされる。他方たほう高級こうきゅうしゅつくこめは、手作業てさぎょうでおよそ10キログラムぐらいずつ、5前後ぜんご冷水れいすいで、ながれる水圧すいあつ利用りようしてすこしずつあらわれる。あらっているあいだにもこめ必要ひつよう水分すいぶん吸収きゅうしゅうはじめており、「だい精米せいまい作業さぎょう」とわれるほどに、細心さいしん注意ちゅういはら工程こうていである。こうしてあらわれたべい浸漬しんせきまわされる。

浸漬しんせき

編集へんしゅう

洗米せんまいされたべいは、みずけられ、水分すいぶんわされる。これを浸漬しんせき(しんせき、しくは、しんし)という。

浸漬しんせきは、のちのちしあがったべいにムラができないように、べいつぶ全般ぜんぱん水分すいぶんわたらせるためにほどこされる工程こうていである。みずが、べいつぶ外側そとがわから、中心ちゅうしんこころしろ杜氏とうじ蔵人くろうど言葉ことばでは「んたま」)とばれるデンプンしつおお部分ぶぶん浸透しんとうしていくと、べいつぶ文字通もじどおとおってくる。べいの搗(つ)きかた、その天候てんこう気温きおん湿度しつど水温すいおんなど様々さまざま条件じょうけんによって、浸漬しんせき必要ひつよう時間じかん精緻せいちことなる。

このとき、べいにどれだけみずわせるかによって、できあがりのさけあじいちじるしくちがってくる。べい品種ひんしゅや、目指めざさけしつによって、浸漬しんせき時間じかんすうふんから数時間すうじかん幅広はばひろい。精米せいまい歩合ぶあいひくこめほど、そのちがいがおおきく結果けっか左右さゆうするので、高級こうきゅうしゅ場合ばあいはストップウォッチを使つかってびょう単位たんいまで厳密げんみつ浸漬しんせき時間じかん管理かんりする。べいみずからげたのちもしばらく吸水きゅうすいつづけるので、その時間じかん計算けいさんれたうえ浸漬しんせき時間じかん判断はんだんされる。

なお、できあがりのさけしつのコンセプトによっては、意図いとてき途中とちゅうみずからげるなど、ある一定いってい時間じかんだけべい吸水きゅうすいさせる。これを限定げんてい吸水きゅうすい(げんていきゅうすい)という。

蒸気じょうきこめふけまいをつくる。ふけまいは、こうじさけははもろみつくかく工程こうていもちいられる。

浸漬しんせきべいひろげて、湿度しつどたもたせる。このあいだこめ水分すいぶん吸収きゅうしゅうつづける。

そのこうじ酵素こうそべいのデンプンを分解ぶんかいしやすくさせるために、こめふかす。この工程こうてい正式せいしきにはふけきょう(じょうきょう:「きょう」は「しょくへんにつよし」)、もしくは杜氏とうじ蔵人くろうど言葉ことばという。普通ふつうしゅなどでは自動じどうふけべい(じどうじょうまいき)という機械きかいで、高級こうきゅうしゅなどではがませたこしき(こしき)というおおきなふけごも(せいろ)にうつして、40ふんから1あいだほどふかす。

がったべいは、「そとかたうち軟」といって、外側そとがわがパサパサとしていて内側うちがわやわらかいのがよいとされている。工程こうていべいかたちがある程度ていどのこかたさをたもち、また効果こうかてきにコウジカビの生育せいいくうなが意味いみつ。外側そとがわけていると、コウジカビの定着ていちゃくまえ腐敗ふはいはじまるおそれがあり、また、内側うちがわしんのこっていると、菌糸きんし成長せいちょうおさえられまい一番いちばん良質りょうしつのデンプンしつふくんだ部分ぶぶんが、糖化とうか発酵はっこうしない可能かのうせいがあるからである。

なお、酒造しゅぞう最後さいごしがわり、かずがまからこしきはずすことをこしきだお(こしきだおし)という。

こうじづく

編集へんしゅう
 
日本酒にほんしゅこうじづくり(おく飛騨ひだ酒造しゅぞう

こうじとは、したべい麹菌こうじきんというコウジカビの胞子ほうしをふりかけてそだてたもので、べいデンプンしつブドウ糖ぶどうとうえる糖化とうかはたらきをする(くわしくはこうじ参照さんしょう)。こうじづくりは正式せいしきにはせいこうじ(せいきく、せいぎく)という。

くち製法せいほうかもされていた原初げんしょ酒造さけづくりをのぞいて、奈良なら時代じだいはじめにはすでこうじもちいた製法せいほう確立かくりつしていたとかんがえられる。以来いらいながらくこうじづくりは、酒造さけづくりの工程こうていめる重要じゅうようせいと、味噌みそ醤油じょうゆなど食品しょくひんへの供給きょうきゅう需要じゅようから、酒屋さかやぎょうとは別個べっこ専門せんもんしょくとして室町むろまち時代ときよまでいとなまれてきたのだが、1444ねんぶんやすこうじ騒動そうどうによって酒屋さかやぎょう一部いちぶへと武力ぶりょく吸収きゅうしゅう合併がっぺいされた(参照さんしょう日本酒にほんしゅ歴史れきし - 室町むろまち時代ときよ)。

現在げんざい、たいてい酒蔵さかぐらにはこうじしつ(こうじむろ)とばれる特別とくべつ部屋へやがあり、そこでこうじづくりがおこなわれている。ゆか暖房だんぼうエアコンなどで温度おんどは30℃ちかく、湿度しつどは60%にたもたれている。温度おんどたかいのは、そうしないと麹菌こうじきん培養ばいようされないからであり、また湿度しつどかんしては、それ以上いじょうたかいと麹菌こうじきん以外いがいのカビや雑菌ざっきん繁殖はんしょくしてしまうからである。雑菌ざっきん侵入しんにゅうふせぐために入室にゅうしつには手洗てあらいやくつえをおこない、関係かんけいしゃ以外いがいれないのが普通ふつうである。それにくわえ、室外しつがいから雑菌ざっきんまないようにじゅうとびら密閉みっぺいまど断熱だんねつかべなど、かなりの資本しほんをかけて念入ねんいりにつくられている。よく「こうじしつ酒蔵さかぐら財産ざいさん」とわれる。

こうじ」のこうくわしくべられているように、こうじからは糖化とうか作用さようのためのデンプン分解ぶんかい酵素こうそのほか、タンパク質たんぱくしつ分解ぶんかい酵素こうそなどもており、これらがまいかし、なおかつさけしちしゅあじめていく。あまり酵素こうそすぎると目指めざさけしつにならないため、べい具合ぐあいがちょうどいところでまるようにこうじつく必要ひつようがある。

やぶせい具合ぐあい
それを見極みきわめるのに着目ちゃくもくされるのが、べいのところどころにしょうじるやぶせい(はぜ)である。ちょうど植物しょくぶつ土中どちゅうやすように、コウジカビふけまいなか菌糸きんしばしていくことをやぶせい(はぜこみ)といい、その態様たいようやぶせい具合ぐあい(はぜこみぐあい)という。こうじは、やぶせい具合ぐあいによって突破とっぱせいがた(つきはぜがた)、そうやぶせいがた(そうはぜがた)、やぶせいがた(ぬりはぜがた)、馬鹿ばかやぶせいがた(ばかはぜがた)に分類ぶんるいされる。
突破とっぱせいがたは、コウジカビ菌糸きんしふけまい表面ひょうめん全体ぜんたいおおうことなく、やぶせい部分ぶぶんとそうでない部分ぶぶんがはっきりかれており、なおかつ菌糸きんしふけまい内部ないぶ奥深おくふかくへしっかりいこみびている状態じょうたいつよ糖化とうかりょくと、適度てきどタンパク質たんぱくしつ分解ぶんかいりょく理想りそうてきこうじとなり、あわうらら上品じょうひんさけしつ仕上しあがるため、一般いっぱんてき傾向けいこうとしては吟醸ぎんじょうしゅによく使つかわれる。
そうやぶせいがたは、コウジカビの菌糸きんしふけまい表面ひょうめん全体ぜんたいおおい、内部ないぶにもふか菌糸きんしんでいる状態じょうたい糖化とうかりょくタンパク質たんぱくしつ分解ぶんかいりょくともにつよいが、使用しようするりょうによってはあじおおさけになりやすい。あつしでどっしりしたさけしつ仕上しあがるため一般いっぱんじゅんべいしゅこのんで使つかわれる。
やぶせいがたは、コウジカビの菌糸きんしふけまい表面ひょうめん全体ぜんたいおおっているが、内部ないぶには菌糸きんしふかいこんでいない状態じょうたい糖化とうかりょくタンパク質たんぱくしつ分解ぶんかいりょくともによわく、かす歩合ぶあいたかく、ちからのないさけになりやすい。
馬鹿ばかやぶせいがたは、まえ工程こうてい段階だんかい手加減てかげん間違まちがえたため、ふけまいやわらかすぎて、表面ひょうめんにも内部ないぶにも菌糸きんしいこみすぎ、グチャグチャになった状態じょうたい。こうなると雑菌ざっきん汚染おせんされている危険きけんもある。酒造さけづくりには通常つうじょう使つかえない。

杜氏とうじぞうじんあいだではよく「いちこうじ(いちこうじ)、(にもと)、さんづくり(さんつくり)」とわれる。「こうじができればさけななわりできたも同然どうぜん」という杜氏とうじ蔵人くろうどもいるくらいで、酒造さけづくりの根本こんぽんとして重要じゅうようされる。

目指めざさけしつによって、こうじづくりには以下いかのような方法ほうほうがある。

ぶたこうじほう
ぶたこうじほう(ふたこうじほう)は、おも吟醸ぎんじょうしゅかそれ以上いじょう高級こうきゅうしゅのための方法ほうほうであり、こうじづくりにようする時間じかんまる2にち以上いじょう、だいたい50あいだで、おおかた以下いかのような順番じゅんばん作業さぎょうおこなわれる。
  1. たね 35℃ちかくのまいうすめ、ふるい(ふるい)からたねこうじ(たねこうじ)、すなわちこなじょう麹菌こうじきんりかけていく。わるとこめおおきな饅頭まんじゅうのように中央ちゅうおうあつめてぬのつつむ。
  2. かえ たねりから8 - 9時間じかんつと、麹菌こうじきん繁殖はんしょくねつにより水分すいぶん蒸発じょうはつまいかたくなっているので、いったんひろげてねつ放散ほうさんさせたうえで、ふたたびおおきな饅頭まんじゅうにしてつつむ。
  3. よくあたりになると麹菌こうじきん活動かつどうさかんになり、べい温度おんど上昇じょうしょういちじるしい。そこでおおきな饅頭まんじゅうき、こうじぶた(こうじぶた)またはもろぶたばれるちいさなはここめやく1.5kgから2.5kgずつ小分こわけにしていき、このはこめられたスペースにかさねて管理かんりする。こうじぶたこめりつけることからこの工程こうていぶ。
  4. りから3 - 4時間じかんつとふたたまいねつってくるので、こうじぶた上下じょうげえて温度おんどげる。
  5. なか仕事しごと(なかしごと) ふたたびねつらすためにこめひろげて温度おんどげる。
  6. 仕舞しま仕事しごと(しまいしごと) またねつらすため、こめひろげる。これでべいねつらす作業さぎょうわりという意味いみから仕舞しま仕事しごとぶのだが、実際じっさいじょうはこれが最後さいごではない。
  7. 最高さいこう 仕舞しま仕事しごとのあともべい温度おんどはさらにがる。温度おんど最高さいこうになったときに、最後さいご温度おんど調整ちょうせいのためにこうじぶた上下じょうげえをおこなう。温度おんど最高さいこうになったときにおこなうので最高さいこうという。こののちなんかいべい温度おんどて、適宜てきぎえをして温度おんどげる作業さぎょうつづく。
  8. こうじ(でこうじ) 50あいだほど経過けいかしたころになると、ぐりいたようなこうばしいにおいがしてくる。これがこうじができたサインとなる。こうなったらこうじしつからこうじす。
はここうじほう
はここうじほう(はここうじほう)は、ぶたこうじほうから「3. り」以降いこう簡略かんりゃくする手法しゅほうで、こうじぶたわりにこめやく15kgから30kgずつこうじばこる。いちまいれるりょうえるためしょうスペース、省力しょうりょくになる。
ゆかこうじほう
ゆかこうじほう(とここうじほう)は、こうじぶたこうじばこもちいずに、こうじゆか(こうじどこ)などとばれる、べいこうじりかけるだいべいねつ放散ほうさんさせてつく方法ほうほうである。普通ふつうしゅ中心ちゅうしんとしたさけしつもちいられる。
機械きかいせいこうじほう
機械きかいせいこうじほう(きかいせいぎくほう)は、機械きかいもちいてこうじ大量たいりょう生産せいさんできる方法ほうほう手間てまがかからず生産せいさんコストはおさえられるが、できるさけしつには限界げんかいがあるので、高級こうきゅうしゅにはてきさないとされる。普通ふつうしゅ中心ちゅうしんとしたさけしつもちいられる。最近さいきんではわか杜氏とうじちいさなぞうでの少量しょうりょうだか品質ひんしつさけようへのみが注目ちゅうもくされている。ひとはいることによる雑菌ざっきん混入こんにゅうこす酸度さんど予期よきせぬ上昇じょうしょうおさえるというメリットがあり、すくない人員じんいんでより効率こうりつてきこうじ生育せいいくじょうきょう厳密げんみつ管理かんりできることにくわえ、同時どうじにデータの収集しゅうしゅう蓄積ちくせき出来できる。いままで経験けいけんたよりでムラのある作業さぎょうではない、正確せいかく無比むひねらどおりのこうじつくれることから、積極せっきょくてき小規模しょうきぼ機械きかいせいこうじによるプレミアム日本酒にほんしゅづくりがおこなわれている。

さけははづく

編集へんしゅう

酵母こうぼやす工程こうていのこと。杜氏とうじ蔵人くろうど言葉ことばでは「」(もとだて)という。

酵母こうぼにはブドウ糖ぶどうとうアルコールえるはたらき、すなわち発酵はっこう作用さようがあるものの、酒蔵さかぐらあつかうような大量たいりょうこめ発酵はっこうさせるためには、微生物びせいぶつである酵母こうぼいちひきひきではまったく不十分ふじゅうぶんで、べいりょう見合みあっただけの大量たいりょう酵母こうぼ必要ひつようとなる。

こうした状況じょうきょうなか酒蔵さかぐらでは、アンプルにはいっている少量しょうりょう優良ゆうりょう酵母こうぼ特定とくてい環境かんきょう大量たいりょうそだてることになる。このように大量たいりょう培養ばいようされたものをさけはは(しゅぼ / もと)または(もと)という。

作業さぎょうとしては、まずおけ(もとおけ)とばれるたかさ1mほどのおけもしくはタンクに、こうじつめたいみずれ、それらをよくぜる。これをみずこうじ(みずこうじ)とぶ。おけは、最近さいきんではこう品質ひんしつステンレスこうなど表面ひょうめん琺瑯ほうろう(ほうろう)加工かこうした金属きんぞくせいタンクが使つかわれることがおおいが、醸造じょうぞうとしてはあくまでも「おけ」とばれる。一方いっぽうで、さけははづくりの前後ぜんご工程こうてい使つかわれるこしきたるふくめて、木製もくせい道具どうぐ使つかつづけたり、復活ふっかつさせたりする酒蔵さかぐらもある[40]

そのあとすいこうじ醸造じょうぞうよう乳酸にゅうさんと、採用さいようするとめた酵母こうぼ少量しょうりょうだけれる。採用さいようする酵母こうぼは、多種たしゅ多様たよう清酒せいしゅ酵母こうぼから、つくしゅ目指めざさけしつてきするとかんがえるものが通常つうじょういち種類しゅるいだけえらばれるが、その酵母こうぼがあまりにもつよ特性とくせい場合ばあいなどには、それを緩和かんわするためにもういち種類しゅるい酵母こうぼをブレンドしてれることもおおい。

上記じょうきのものにまいくわえるとさけははづくりの仕込しこみは完成かんせいする。あとは製法せいほうによって2週間しゅうかんから1ヶ月かげつつと、仕込しこまれたおけなか酵母こうぼ大量たいりょう培養ばいようされさけははすなわち完成かんせいとなる。

さけははづくりの場所ばしょは、さけははしつ(しゅぼしつ)もしくは(もとば)とばれ、雑菌ざっきん野生やせい酵母こうぼまないように室温しつおんは5℃ぐらいにたもたれている。しかしこうじしつくらべると管理かんり厳重げんじゅうさを必要ひつようとしないので、酒蔵さかぐらによっては見学けんがくしゃれてくれるところもある。さけははしつなかでは、酵母こうぼ発酵はっこうするちいさな独特どくとくおとひびいている。

さけははづくりのさいには、タンクのぶたはなしの状態じょうたいになるから、空気くうきちゅうからタンクないにたくさんの雑菌ざっきん野生やせい酵母こうぼ容易よういはいんでくる。そのため硝酸しょうさん還元かんげんきん乳酸菌にゅうさんきんくわえ、乳酸にゅうさん生成せいせいさせることによって雑菌ざっきん野生やせい酵母こうぼ死滅しめつさせ駆逐くちくすることが必要ひつようとなる。この乳酸にゅうさんを、どのようにくわえるかによって、さけははづくりはおおきくせいけい(きもとけい)とはや醸系(そくじょうけい)の2つに分類ぶんるいされる。

なま酛系(きもとけい)のさけははづくりは現在げんざいおおきくなまやまはい(やまはいもと)にけられる。

なま
なま(きもと)とは、現在げんざいでももちいられるなかもっとふるくからつづ製法せいほうで、乳酸菌にゅうさんきん空気くうきちゅうからんで乳酸にゅうさんつくらせ、雑菌ざっきん野生やせい酵母こうぼ駆逐くちくするものである。さけははになるまでの所要しょよう期間きかんやく1かげつ所要しょよう期間きかんながいのは、工程こうていおお手間てまかるのと、醗酵はっこう段階だんかい完全かんぜん醗酵はっこうさせるからである。現在げんざいでも時間じかん労力ろうりょくかるので敬遠けいえんされる傾向けいこうにあるが、成功せいこうすればしっかりとしたさけしつとなるため、伝統でんとう復活ふっかつのためにんでいる酒蔵さかぐらえてきている。おも工程こうてい以下いかとおり。
べいこうじみずおけ(タンク)に投入とうにゅう > やまおろし > 温度おんど管理かんり > 酵母こうぼ添加てんか > 温度おんど管理かんり > さけはは完成かんせい
しかし、くさみやつこ酸敗さんぱいのリスクがおおきかったことから明治めいじ42ねん1909ねん)に国立こくりつ醸造じょうぞう試験しけんしょ現在げんざい独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん酒類しゅるい総合そうごう研究所けんきゅうじょ)によってやまはい開発かいはつされた。次項じこう参照さんしょう
やまはい
やまはい(やまはいもと)とは、せいけいぞくする仕込しこかたひとつでやまおろし廃止はいし(やまおろしはいしもと)のりゃくである。この方法ほうほう醸造じょうぞうしたさけのことを やまはい仕込しこ(やまはいしこみ / -じこみ)あるいはたんやまはい(やまはい)という。おおざっぱにえば、なまづくりの工程こうていからやまおろしのぞいたものとなるが、たんやまおろし省略しょうりゃくしたものではなく、関連かんれんするその細部さいぶ作業さぎょうもいろいろことなる。「やまおろし」とはこめこうじみずかいぜる作業さぎょうのことで「酛すり」ともいう。

はや醸系(そくじょうけい)は、雑菌ざっきん野生やせい酵母こうぼによる汚染おせん防止ぼうしするために必要ひつよう乳酸にゅうさん人工じんこうてきくわえる製法せいほう現在げんざいつくられている日本酒にほんしゅのほとんどははや醸系である。

はや
明治めいじ43ねん1910ねん)に考案こうあんされた。仕込しこすい醸造じょうぞうよう乳酸にゅうさんくわえ、十分じゅうぶんわせたうえで、まいこうじ投入とうにゅうしておこなわれる。後述こうじゅつ高温こうおん糖化とうか酛と区別くべつするために普通ふつうそくともばれる。所要しょよう期間きかんやく2週間しゅうかん工程こうてい以下いかとおり。
べいこうじみず乳酸にゅうさんぜる > 酵母こうぼ添加てんか > 温度おんど管理かんり > さけはは完成かんせい
高温こうおん糖化とうか
さけははづくりの最初さいしょ段階だんかい高温こうおん(55℃から58℃程度ていど)にすることで糖化とうか急速きゅうそく進行しんこうさせる方法ほうほう甘酒あまざけ製法せいほうおな原理げんりである。所要しょよう時間じかんやく1週間しゅうかんなま酛系や普通ふつうそく醸ではさけははを10℃以下いかまで冷却れいきゃくする必要ひつようがあるのにたいし、高温こうおん糖化とうか酛は20℃程度ていどまでげられればよいので、西日本にしにほん九州きゅうしゅうとう冬場ふゆば気温きおん比較的ひかくてきたか地域ちいきでのさけははづくりにいているとされる[41][42]工程こうてい以下いかとおり。
べいこうじくわ糖化とうか > 乳酸にゅうさんぜる > 酵母こうぼ添加てんか > 温度おんど管理かんり > さけはは完成かんせい

菩提ぼだい酛や酛などがある。

菩提ぼだい
菩提ぼだい(ぼだいもと)は、べいみずなどの環境かんきょうちゅうから乳酸菌にゅうさんきんむという意味いみではなま酛系にちかく、さけはは仕込しこ時点じてん仕込しこすい乳酸にゅうさんふくまれているというめんからははや醸系にちかい。

もろみ(もろみ)つく

編集へんしゅう
 
もろみ

材料ざいりょうさけははこうじふけまいみず)を3かいけてタンクにれてもろみつく発酵はっこうさせる。

もろみ(もろみ)とは、仕込しこみにもちいるタンクのなかさけははこうじふけまい一体化いったいかした、しろにごって泡立あわだちのあるねばたびたか液体えきたいのことである。もろみづくりは、たんに「つくり」ともばれる。「いちこうじさんづくり」というときの「つくり」はこれを意味いみしている。つくりをおこな場所ばしょ仕込しこじょう(しこみば)という。

もろみづくりの工程こうていにおいては、こうじによってべいのデンプンがとうわり、同時どうじに、酵母こうぼとう分解ぶんかいしアルコール(と炭酸たんさんガス)を生成せいせいする。この同時どうじ並行へいこうてき変化へんか日本酒にほんしゅ特徴とくちょうてき並行へいこうふく発酵はっこうである。

もろみ仕込しこむとき、さんかいけてふけまいこうじくわえる。この仕込しこ方法ほうほうだん仕込しこもしくはさんだん仕込しこばれ、室町むろまち時代じだい記録きろく御酒みき日記にっき』にもすで記載きさいがある。もしふけまいこうじとを全量ぜんりょういち混合こんごうして発酵はっこう開始かいしさせると、さけはは酸度さんど酵母こうぼ密度みつどおおきくがり、雑菌ざっきん野生やせい酵母こうぼ繁殖はんしょくもろみづくりは失敗しっぱいしやすくなる。だん仕込しこみは、発酵はっこう環境かんきょう安定あんていさせ雑菌ざっきん繁殖はんしょくふせぎつつ酵母こうぼ増殖ぞうしょくさせ、その状態じょうたいたもちつつ酵母こうぼのアルコール発酵はっこう材料ざいりょうであるとうべいこうじふけまい状態じょうたい最終さいしゅう投入とうにゅうりょうまで投入とうにゅうできる仕込しこ方法ほうほうである。これにより酵母こうぼ活性かっせいうしなうことなく発酵はっこうすすめられるため、もろみづくりの最後さいごにはアルコール度数どすう20えるアルコールが生成せいせいされる。これは醸造じょうぞうしゅとしてはまれたかいアルコール度数どすうであり、日本酒にほんしゅならではの特異とくい方法ほうほうで、世界せかいほこれる技術ぎじゅつてき遺産いさんといえる。

なおだん仕込しこみの1かいはつ(はつぞえ 略称りゃくしょう「添」)、おどばれるなかいちにちけて、2かいなか(なかぞえ 略称りゃくしょうなか」)、3かいとめ(とめぞえ 略称りゃくしょうとめ」)という。20 - 30にちかけて発酵はっこうさせる。

あわじょう
温度おんどけいもセンサーもなかった時代じだいから、杜氏とうじ蔵人くろうどたちはもろみ(もろみ)表面ひょうめん泡立あわだちの様子ようす観察かんさつし、いくつかの段階だんかい区分くわけすることによって、内部ないぶ発酵はっこう進行しんこうじょうきょう把握はあくしてきた。このもろみ表面ひょうめん泡立あわだちの状態じょうたいあわの)じょう(じょうぼう)といい、以下いかのようにしめされる。
  1. すじあわ(すじあわ) とめから2 - 3にちほどつとしょうじてくるすじのようなあわで、もろみ内部ないぶでの発酵はっこうはじまりをげる。
  2. 水泡すいほう(みずあわ) すじあわからさらに2にちほどったころカニくちからくようなしろあわもろみなか糖分とうぶん頂点ちょうてんたっしている。
  3. いわあわ(いわあわ) 水泡すいほうからさらに2にちほどったころいわのようなかたちとなるあわ発酵はっこうともなって放熱ほうねつされるので温度おんど上昇じょうしょういちじるしいころである。
    転覆てんぷく とめ添から5にちくらいで、仕込しこみタンク上面うわつらおおあわ全体ぜんたい上下じょうげ反転はんてんすることがある[43]
  4. こうあわ(たかあわ) いわあわからさらに2にちほどったころとめから通算つうさんすると1週間しゅうかんから10にち前後ぜんこういわあわ全体ぜんたいがりをせる。化学かがくてきには発酵はっこう糖化とうかいつこうとしている状態じょうたいあわあり酵母こうぼあわなし酵母こうぼ区別くべつは、このこうあわ有無うむめられることがおおい。
  5. 落泡(おちあわ) とめ添から12にち前後ぜんこうったころあわがりがいてくる。化学かがくてきには発酵はっこう糖化とうかいついた状態じょうたい
  6. たまあわ(たまあわ) さらに2にちほど、またとめ添から通算つうさんで2週間しゅうかんほどったころくわしくは大玉おおたまあわ中玉なかたまあわ小玉こだまあわけられる。あわたまかたちになってどんどんちいさくなっていく。ちいさければちいさいほど発酵はっこうはだいぶいてきている。
  7. (じ) さらに5にちほど、またはとめ添から通算つうさん3週間しゅうかんちかったころたまあわちいさくなりきって、今度こんどえていく。発酵はっこう終盤しゅうばんちかいことをしめす。だが、どの段階だんかいで「もろみづくり」のぜん工程こうてい終了しゅうりょうとみなすかは、杜氏とうじ判断はんだんまかされている。目的もくてきとするさけしつによっては、このままなんにち時間じかんいたほうがよく、また吟醸ぎんじょうけい場合ばあいはさらにその状態じょうたい持続じぞくさせることがこのましいとされるからである。
近年きんねんあわなし酵母こうぼおお開発かいはつされてきたが、今日きょうでもあわあり酵母こうぼ使つかった醸造じょうぞうでは、仕込しこみタンクのなか日々ひび刻々こくこく上記じょうきのようなじょう貌の推移すいいることができる。

アルコール添加てんか

編集へんしゅう

うえそうやく2にちまえから2あいだまえにかけて、30%程度ていどうすめた醸造じょうぞうアルコール添加てんかしていくこと。

「アルコール添加てんか」またはりゃくして「アル添(アルてん)」という語感ごかんから、工業こうぎょうてきなに不純ふじゅん添加てんかぶつくわえるかのようなイメージをもたれることがおおい(参照さんしょうとう記事きじない美味おいしんぼ』)が、ふるくは江戸えど時代じだいはしら焼酎しょうちゅうという技法ぎほうさかのぼる、伝統でんとうてき工程こうていひとつである。また日本にっぽん国内こくない製造せいぞう日本酒にほんしゅ全体ぜんたい製造せいぞうりょうの76.9%がアル添であり、日本にっぽん最大さいだい日本酒にほんしゅコンテストの「全国ぜんこく新酒しんしゅかんひょうかい出品しゅっぴんさくの78.3%がアル添であり、入賞にゅうしょうさくの91.1%がアル添であるため、てい品質ひんしつ意味いみするものではない[44]。アル添にはつぎのような目的もくてきがある。

  1. 防腐ぼうふ効果こうか 現在げんざいのアルコール添加てんか起源きげんである江戸えど時代じだいはしら焼酎しょうちゅうは、さけくさづくふせぐため焼酎しょうちゅうくわえる技法ぎほうであった。かつては防腐ぼうふ効果こうかがアルコール添加てんかもっと重要じゅうよう目的もくてきであった。衛生えいせい管理かんりすすんだ現代げんだいでは、こうした意味合いみあいはうすれてきている。シェリーポートワインひとし酒精しゅせい強化きょうかワインも、おな目的もくてきでアルコール添加てんかおこなっている。
  2. 香味こうみ調整ちょうせい 現在げんざいのアルコール添加てんか目的もくてきだいいちはこれである。適切てきせつなアルコール添加てんかは、もろみからあがった原酒げんしゅ潜在せんざいしているかおりをす。とく吟醸ぎんじょうけいさけ香味こうみ成分せいぶんは、みずにはけないものがおおく、それをかしすためにアルコール添加てんか必要ひつようとなる。そもそも吟醸ぎんじょうしゅ自体じたいが、アルコール添加てんか前提ぜんていとして開発かいはつされたさけしゅであった(参照さんしょう日本酒にほんしゅ歴史れきし#吟醸ぎんじょうしゅ誕生たんじょう)。吟醸ぎんじょうしゅ生産せいさんする酒蔵さかぐらでは、アルコール添加てんかさけしつたかめるために必須ひっすかんがえているところがおおい。
  3. あじ軽快けいかい 現在げんざいのアルコール添加てんか目的もくてきだいもろみ(もろみ)なかには、発酵はっこう過程かてい生成せいせいされたとうさんおおふくまれており、これらを放置ほうちしておくと、完成かんせいしたさけが、えば重厚じゅうこうわるえば鈍重どんじゅうあじわいになる。ここでアルコール添加てんかおこなっておくと、それらが調整ちょうせいされる。またじゅんべいしゅはその性質せいしつじょうおおかれすくなかれ酸味さんみんだのちのこる。アルコール添加てんかにより酸味さんみおさえられ、こうがまろやかになる。さらに、現代げんだい食生活しょくせいかつではうまみ・あぶら多用たようされ、飲料いんりょうとしては軽快けいかいあじわいのものがもとめられるようになってきたために、さけあじくするために、アルコール添加てんか活用かつようされている側面そくめんもある。
  4. 増量ぞうりょう 三増みませしゅ全盛ぜんせい時代じだいには、さけりょう水増みずましするためにおこなわれた。「『アル添』という工程こうていが、一般いっぱんてきわるいイメージをたれるのには、おもにそうしたまえ時代じだいまけ遺産いさんである」といいわけされることもあるが、「実際じっさいに『アル添』されたさけは、くさみがす」とのこえもある。

添加てんかするアルコールの原料げんりょう日本にっぽん国内産こくないさんさけまいかぎり、品質ひんしつたかさやトレーサビリティをアピールするみもある[45]

うえそう

編集へんしゅう
 
つく酒屋ざかや玄関げんかんるされたすぎたま

うえそう(じょうそう)とは、もろみもろみ)から生酒きざけ(なまざけ)をしぼ工程こうていである。杜氏とうじ判断はんだんで「熟成じゅくせいした」と判断はんだんされたもろみへ、アルコール添加てんかふく原料げんりょう投入とうにゅうされ、これをしぼって、白米はくまいべいこうじなどの固形こけいぶんと、生酒きざけとなる液体えきたいぶんとに分離ぶんりする。杜氏とうじ蔵人くろうど言葉ことばではしぼ(しぼり)、うえそう(あげふね)ともいう。

なお、固形こけいぶんがいわゆる酒粕さけかす(さけかす)になる。原材料げんざいりょう白米はくまいたいする酒粕さけかす割合わりあいを、かす歩合ぶあい(かすぶあい)という。

うえそうおこな場所ばしょうえそうじょう(じょうそうば)またはふねじょう(ふなば)という。おおくの場合ばあいは、「ヤブタしき」などの自動じどう圧搾あっさくしぼられるが、「佐瀬させしき」などのふねしぼりを採用さいようする酒蔵さかぐらもある[46][47]だい吟醸ぎんじょうしゅのように繊細せんさいさけは、もろみかる圧力あつりょくちいさいふくろ遠心えんしん分離ぶんりなどの方法ほうほうしぼられる[48]

しぼりだされたさけてくるところをふねこう(ふなくち)という。

また酒蔵さかぐらでは、そのとしはじめてのさけうえそうされると、軒下のきしたすぎたま(すぎたま)もしくはさけりん(さかばやし)をるし、新酒しんしゅができたことをらせるならわしがある。るしたばかりのすぎだま蒼々あおあおとしているが、やがてれて茶色ちゃいろがかってくる。このいろ変化へんかがまた、その酒蔵さかぐら新酒しんしゅ熟成じゅくせい具合ぐあい人々ひとびとらせる役割やくわりをしている。

かす

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かす(おりさげ)とは、うえそうえたさけにごりをのぞくために、つことをす。ふねこう(ふなくち)からしぼされたばかりのさけは、まだ炭酸たんさんガスをふくむものもおおく、酵母こうぼ、デンプンの粒子りゅうしタンパク質たんぱくしつ糖類とうるいなどがただよい、にごった黄金おうごんしょくをしている。このにごりの成分せいぶんかす(おり)といい、これらを沈澱ちんでんさせるため、さけはしばらくタンクのなか放置ほうちされる。かすげによる効果こうかは、たんにごりをとることにまらず、余分よぶん蛋白質たんぱくしつ除去じょきょすることで、瓶詰びんづめ温度おんど変化へんか経時きょうじ変化へんかによってこされる蛋白たんぱく変性へんせいでのにごりの予防よぼうや、こう工程こうていとなる濾過ろか負担ふたん軽減けいげんへも影響えいきょうおよぼす。

かすげをほどこした上澄うわずみの部分ぶぶんを「生酒きざけ」(なましゅ)という。「生酒きざけ」(なまざけ)とはべつ概念がいねんなので注意ちゅういようする。

完成かんせいしゅ生酒きざけ(なまざけ)や濾過ろかさけ(むろかしゅ)に仕立したてる場合ばあいなどはことなるが、だい多数たすう一般いっぱんてきさけ場合ばあいうえそうから出荷しゅっかまでにはほどかすげをほどこすことがおおい。だいいちかいかすげをおこなったあとの生酒きざけ(なましゅ)にも、まだ酵母こうぼやデンプン粒子りゅうしなどのかすのこっているのが普通ふつうで、ざつあじもかなりあり、これらをるために濾過ろか工程こうてい必要ひつようとなってくる。

近年きんねんでは、消費しょうひしゃの「せい志向しこうじょうじて、かす以降いこう工程こうていほどこさず「濾過ろかせい原酒げんしゅ」として出荷しゅっかする酒蔵さかぐらあらわれてきている。

なお、かすげと混同こんどうされやすいものに「かすき」という用語ようごがあるが、かすげとはまたべつ概念がいねんなので注意ちゅういようする。かすきはかすげをえた上澄うわず部分ぶぶんすことをう。

濾過ろか(ろか)とは、かすげのほどこされた生酒きざけ(なましゅ)のなかにまだのこっているこまかいかす(おり)やざつあじのぞくことである。液体えきたいいろを、黄金おうごんしょくから無色むしょく透明とうめいにできるだけちかづける目的もくてきもある。なお、この工程こうていをあえて省略しょうりゃくして、濾過ろかしゅとして出荷しゅっかする場合ばあいおおい。

  1. 活性炭かっせいたん濾過ろか 生酒きざけ(なましゅ)のなかに、粉末ふんまつじょう活性炭かっせいたん投入とうにゅうしておこなわれる濾過ろか炭素たんそ濾過ろか(たんそろか)もしくは活性炭かっせいたん濾過ろか(かっせいたんろか)ともいう。この活性炭かっせいたん粉末ふんまつを、酒蔵さかぐらではたんすみ(すみ)ぶ。基本きほんてきには一般いっぱん家庭かてい冷蔵庫れいぞうこなどで使つかわれる脱臭だっしゅうずみや、煙草たばこフィルターはいっているくろ粉末ふんまつおなじものである。生酒きざけ(なましゅ)に活性炭かっせいたん投入とうにゅうし、のぞきたい成分せいぶんいろをそのすみ吸着きゅうちゃくさせて沈澱ちんでんさせる。その不要ふよう成分せいぶんごとすみ脱去だっきょする。活性炭かっせいたん投入とうにゅうするといっても、たんれるだけではなく、活性炭かっせいたん種類しゅるいくわえるりょうによってける成分せいぶんいろことなるところにこの工程こうていむずかしさがある。このように、すみ加減かげん(すみかげん)が大変たいへん微妙びみょうであることから、地酒じざけ本場ほんばでは蔵人くろうどあいだ炭屋すみや(すみや)とばれる、この工程こうていだけの専門せんもんおお存在そんざいした。活性炭かっせいたんをあまりれすぎるとさけんでくるが、あじいろかおりもすべして面白おもしろくもなんともない完成かんせいしゅになってしまう。かつては生酒きざけ(なましゅ)1キロリットルにつきすみ1キログラムを投入とうにゅうする、通称つうしょう「キロキロ」が目安めやすとされていたが、現在げんざいでは活性炭かっせいたん使用しようりょう減少げんしょう傾向けいこうにあり、使用しようしないこともえ、炭屋すみやなる専門せんもんしょく減少げんしょう傾向けいこうにある[49]。また活性炭かっせいたん使用しようしてから方法ほうほう濾過ろかする場合ばあいおおいので、「活性炭かっせいたん使用しよう」の有無うむと「濾過ろか」の有無うむは、ちがはなしである。
  2. 珪藻土けいそうど濾過ろか 精製せいせいされた珪藻土けいそうどそうもちいた濾過ろかおこない、夾雑きょうざつぶつを、そして活性炭かっせいたん濾過ろかおこなったあとであれば活性炭かっせいたんそのものをのぞく。珪藻土けいそうどとは珪藻けいそうるい化石かせきで、非常ひじょうちいさなあな多数たすう形状けいじょうをしており、いろもととなる物質ぶっしつざつあじ物質ぶっしつかお物質ぶっしつもある程度ていど除去じょきょする。この濾過ろか技術ぎじゅつ進歩しんぽは、活性炭かっせいたん使用しよう減少げんしょう一助いちじょともなっている。
  3. 濾紙こしがみによる濾過ろか 特殊とくしゅ濾紙こしがみもちいて濾過ろかをする場合ばあいもある。
  4. フィルター濾過ろか 最近さいきんとみに増加ぞうかしてきた。カートリッジしきのフィルターをもちいて濾過ろかする方法ほうほう。カートリッジしきなのでえが可能かのうで、手軽てがるさがメリットである。とく生酒きざけ(なまざけ)として出荷しゅっかする場合ばあいは、こう精度せいどな(0.22 - 0.5μみゅーm程度ていどの)濾過ろかおこなうことできんふく微生物びせいぶつ除去じょきょすることがある[50]

ふねこう(ふなくち)からしぼられたばかりの日本酒にほんしゅは、たいていあき稲穂いなほのようにうつくしい黄金おうごんしょくをしている。かつての全国ぜんこく新酒しんしゅかんひょうかいでは、さけいろがついた出品しゅっぴんしゅ減点げんてん対象たいしょうにしていた時代じだいがあった。そのため酒蔵さかぐらはどこも懸命けんめい活性炭かっせいたん濾過ろかいろき、みずのような無色むしょく透明とうめい状態じょうたいにして出荷しゅっかすることがおおかった。

いわゆる「清酒せいしゅ」という言葉ことばから一般いっぱんてき連想れんそうされる無色むしょく透明とうめい色調しきちょうは、そのような時代じだい名残なごりともいえる。現在げんざいでは、ざつあじざつはともかくいろ抜去ばっきょもとめられなくなってきたので、いろのついたまま流通りゅうつうするさけ復活ふっかつし、自然しぜんいろのついたさけ素朴そぼくさをこの消費しょうひしゃえてきている。

火入ひい(ひいれ)とは、醸造じょうぞうしたさけ加熱かねつして殺菌さっきん処理しょりほどこすこと。(ひあて)ともいう。火入ひいれされるまえさけは、まだなか酵母こうぼきて活動かつどうしている。また、こうじにより生成せいせいされた酵素こうそもその活性かっせいたもっているためさけしつ変化へんかしやすい。また、乳酸菌にゅうさんきん一種いっしゅである落菌混入こんにゅうしているおそれもある。これを放置ほうちするとさけしろにごってしまう(ち)。そこで火入ひいれにより、これら酵母こうぼ酵素こうそ落菌を殺菌さっきんあるいはしつかつさせてさけしつ安定あんていさせる。これによりさけ常温じょうおんにおいても長期間ちょうきかん貯蔵ちょぞう可能かのうになる。しかし、あまり加熱かねつぎれば、アルコールぶん揮発きはつせい香気こうき成分せいぶん蒸発じょうはつしてんでしまいさけしつそこなう。そのため、これも加減かげんむずかしく、62℃ - 68℃程度ていどおこなわれる[51]。なお、65℃の温度おんどで23秒間びょうかん加熱かねつすれば乳酸菌にゅうさんきん殺菌さっきんできることがられている[52]吟醸ぎんじょうしゅなどはかおりがばないように瓶詰びんづめしてから火入ひいれすることもある。(びんかん火入ひいれ)

火入ひいれの技法ぎほうは、室町むろまち時代ときよかれた醸造じょうぞう技術ぎじゅつしょ御酒みき日記にっき』にもすで記載きさいされ、平安へいあん時代じだい後期こうきから畿内きない中心ちゅうしんおこなわれていたことがかる。これはすなわち、西洋せいようにおける細菌さいきんがくルイ・パスツール1866ねんパスチャライゼーションによる加熱かねつ殺菌さっきんほうをワイン製造せいぞう導入どうにゅうするより500ねんまえに、日本にっぽんではそれが酒造さけづくりにおいて一般いっぱんおこなわれていたことになる[注釈ちゅうしゃく 8]

明治めいじ時代じだい来日らいにちしたイギリスじんアトキンソンは、1881ねん各地かくち酒屋さかや視察しさつして「さけ表面ひょうめんに“の”のがやっとける」程度ていど適温てきおんやく130°F(55℃))であるとして、温度おんどけいのない環境かんきょう寸分すんぶんちがわぬ温度おんど管理かんりおこなっている様子ようす観察かんさつし、おどろきをもってしるしている。

火入ひいれと「生酒きざけ」の関係かんけい
火入ひいれをしていないさけは「生酒きざけ」「濾過ろかせい原酒げんしゅ」などとして人気にんきがある。そういう「せいけいさけ瑞々みずみずしく、かおりもわかやいではなやかであり、また残存ざんそんするほろ発泡はっぽうかんはのどしもよい。火入ひいれをするとそれらのさけ繊細せんさいさがうしなわれるため、保存ほぞん管理かんりさえ徹底てっていされていれば「生酒きざけ」には火入ひいれしたさけにはないあじわいがある。
従来じゅうらい低温ていおんでの保存ほぞん流通りゅうつう管理かんりするのはむずかしく「生酒きざけ」が市場いちばるのはまれだった。保存ほぞん管理かんりとどくようになった近年きんねんは「生酒きざけ」が市場いちば出回でまわるようになり、日本酒にほんしゅなかで「生酒きざけ」があたらしいたのしみかたひとつとなっている。
ただし、日本酒にほんしゅ火入ひいれをしなければ劣化れっかはやく、すぐに生老しょうろこうはっするため、生酒きざけとくただしい保存ほぞん管理かんりをしなければならない。
また「せいけいさけあじ荒々あらあらしく、貯蔵ちょぞう熟成じゅくせいさけうまみやまろみ、ふかみにけるため、従来じゅうらいどおりの火入ひいれの工程こうていさけ日本酒にほんしゅとしての魅力みりょくうしなうわけではない。
生酒きざけ」をめぐる表示ひょうじ問題もんだい
なま貯蔵ちょぞうしゅ(なまちょぞうしゅ)やなまつめしゅ(なまづめしゅ)に仕立したてる場合ばあいなどをのぞいて、だい多数たすう一般いっぱんてきさけ場合ばあいうえそうから出荷しゅっかまでのあいだ火入ひいれはほどおこなわれる。すなわち、1かい貯蔵ちょぞうして熟成じゅくせいさせるまえ、2かい瓶詰びんづめして出荷しゅっかする直前ちょくぜんである。とくに1かい火入ひいれは、成分せいぶんきをあたえ、そのさき貯蔵ちょぞうちゅうにどのように熟成じゅくせいしていくかの方向ほうこうせい左右さゆうする。これをかりやすくチャートにすると以下いかのようになる。

うえそうかすげ1かい濾過ろか1かい火入ひいれ1かい貯蔵ちょぞう熟成じゅくせいかすげ2かい濾過ろか2かいわりすい火入ひいれ2かい瓶詰びんづ出荷しゅっか

  • なま貯蔵ちょぞうしゅ 火入ひいれ1かいをしない。杜氏とうじ蔵人くろうど言葉ことばでは「先生せんせい」(さきなま)、「なま貯」(なまちょ)などという。
  • なまつめしゅ 火入ひいれ2かいをしない。杜氏とうじ蔵人くろうど言葉ことばでは「後生ごしょう」(あとなま)などという。
  • 生酒きざけ(なまざけ) 火入ひいれ1かいも2かいもしない。杜氏とうじ蔵人くろうど言葉ことばでは「生生せいせい」(なまなま)、「ほんせい」(ほんなま)などという。
  • 原酒げんしゅ かすげ1かいほどこされた上澄うわず部分ぶぶんさけのこと。
以上いじょうのような前提ぜんていなかで、なま貯蔵ちょぞうしゅなまつめしゅは、すくなくとも1かい火入ひいれをしていて本当ほんとうは「せい」ではないわけだから、せい」を名称めいしょうふくめるのは妥当だとうではない、という議論ぎろんがなされている。
また、「せいこのみの消費しょうひしゃ心理しんり利用りようし、なま貯蔵ちょぞうしゅなまつめしゅの「せい」のだけをおおきく、あるいは目立めだ色彩しきさいでラベルに印刷いんさつし、その文字もじちいさく地味じみえるなどして、あたかもなま貯蔵ちょぞうしゅなまつめしゅが「せい」のさけであるかのようにイメージを演出えんしゅつして流通りゅうつうさせている蔵元くらもともある。一方いっぽうでは、吟醸ぎんじょうしゅじゅんべいしゅなかには「なまつめ」と表示ひょうじしているだけでも、本当ほんとう生酒きざけ(なまざけ)、いうならば「生生せいせい」も流通りゅうつうされるようになってきた。

貯蔵ちょぞう熟成じゅくせい

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熟成じゅくせい概要がいよう

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熟成じゅくせい(じゅくせい)とは、貯蔵ちょぞうされているあいだ進行しんこうする、さけしつ成長せいちょう完成かんせいへの過程かていをいう。うえそうかすのあと、濾過ろか生酒きざけとして出荷しゅっかするために、濾過ろか火入ひいないものもあるが、そうでないせいなりしゅ通常つうじょうそれらの工程こうていのちに、さらにさけうまみ、まろみ、あじふかみなどをすためにしばらく貯蔵ちょぞうされる。

熟成じゅくせいによる具体ぐたいてき変化へんかは、

  1. 色調しきちょう - 緑色みどりいろ褐色かっしょく赤褐色せきかっしょくくろ赤色あかいろ
  2. かおり - 黒糖こくとうこう蜂蜜はちみつこうキャラメルこう老酒ろうしゅ
  3. あじ醇化じゅんか - あじはばひろがり、苦味にがみ増加ぞうかげんあじ調和ちょうわ
  4. 触感しょっかん - まるろやかさ、なめらかさの増大ぞうだい
  5. 物性ぶっせい - オリの生成せいせい

とされている[53]

吟醸ぎんじょうけいさけは、かおりやあじわいを安定あんていさせるために、半年はんとしかそれ以上いじょう熟成じゅくせい期間きかんたせるものもおおい。しかし、いちいちさけいにしえさけといった表示ひょうじをするのは、吟醸ぎんじょう品格ひんかくからして無粋ぶすいであるというような感覚かんかくから、そういった表示ひょうじはラベルにされないのが通常つうじょうである。

吟醸ぎんじょうけいであっても、ほん醸造じょうぞうしゅじゅんべいしゅでは、酒蔵さかぐらのある風土ふうど自然しぜん条件じょうけん仕込しこすい特徴とくちょう杜氏とうじ目的もくてきとするコンセプトなど様々さまざま理由りゆうから、長期間ちょうきかん貯蔵ちょぞうして熟成じゅくせいさせるものがある。

熟成じゅくせいのメカニズム

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火入ひいれを経過けいかさせないさけにおいては発酵はっこうまっておらず、調しらべじゅく作用さよう(ちょうじゅくさよう)といって、アミノ酸あみのさん分解ぶんかい糖化とうかにより風味ふうみ自然しぜん調和ちょうわつづいている。そのため、調しらべじゅく作用さようによって最終さいしゅうてきにそのさけあじしている銘柄めいがらでは、すぐに出荷しゅっかせず貯蔵ちょぞう熟成じゅくせいさせるのは、かすことのできない工程こうてい一部いちぶである。一般いっぱんてき完全かんぜん醗酵はっこうさせたじゅんべいしゅ熟成じゅくせいがゆっくりとすすみ、劣化れっかしにくい。不完全ふかんぜん醗酵はっこうせいなりしゅは、アルコールに分解ぶんかいされていない成分せいぶんおおふくまれるため、さけしつ変化へんかはやいが劣化れっかしやすいとわれている。

熟成じゅくせい原因げんいんは、おおきくけて外部がいぶからくわわるねつ酸素さんそになどによる物理ぶつりてき要因よういんと、内部ないぶこるアミノ酸あみのさんはじめとする窒素ちっそ酸化さんかぶつアルデヒドなどによる化学かがくてき原因げんいんとにかれるが、具体ぐたいてき理論りろんかんしては解明かいめい部分ぶぶんおおい。たとえば、廃坑はいこうはいせんになったトンネルなどある特定とくてい場所ばしょ貯蔵ちょぞうすると、いくら温度おんど湿度しつどなど科学かがくてき条件じょうけんおなじにしても、場所ばしょ貯蔵ちょぞうするよりもあきらかにあじがまろやかになる、といったれいがある[54]化学かがくてき原因げんいんくわしくると、保存ほぞんちゅうアミノ酸あみのさんタンパク質たんぱくしつとう窒素ちっそ化合かごうぶつは、残存ざんそんしている糖分とうぶん作用さようしてメイラード反応はんのう(アミノカルボニル反応はんのう)をこし褐変化へんかこす。一方いっぽう酵母こうぼ生成せいせいする含硫黄いおうアミノ酸あみのさん硫黄いおう化合かごうぶつ[55]由来ゆらいとする揮発きはつせい硫黄いおう化合かごうぶつ香気こうき特性とくせい悪化あっかさせるジメチルジスルフィド(DMDS)、ジメチルトリスルフィド(DMTS)、メチルメルカプタンメチオナールなどの物質ぶっしつ増加ぞうか原因げんいんとなる[56]

すべては原料げんりょうまい依存いぞんするが、タンパク質たんぱくしつ精米せいまい歩合ぶあいたかくした原料げんりょう使つかこと減少げんしょうさせること可能かのうであるが、硫黄いおうは、原料げんりょうまい含有がんゆう成分せいぶんおおきく影響えいきょうおよぼしている。

しょくとの相互そうご補完ほかん

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滋賀しがけんふな寿司ずしのように、その地方ちほう基本きほんてき食品しょくひんがある一定いってい期間きかん貯蔵ちょぞう熟成じゅくせいてからべられる土地とちなどにおいては、食品しょくひん熟成じゅくせいする時間じかんおなじだけの時間じかんが、さけしつ完成かんせいにももとよりかかるように醸造じょうぞうされるさけもある。つまりしょくさけおな時期じき仕込しこみ、おな年月としつきへだてて同時どうじべるわけである。こういった熟成じゅくせいは、まさにしょく文化ぶんか基礎きそにある相互そうご補完ほかんという地酒じざけ原点げんてん物語ものがたるものである。

新酒しんしゅさけ秘蔵ひぞうしゅ

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日本酒にほんしゅは、毎年まいとし7がつから翌年よくねん6がつ製造せいぞう年度ねんどさだめられており、通常つうじょう製造せいぞう年度内ねんどない出荷しゅっかされたものが新酒しんしゅばれる。 しかし最近さいきんは、うえそうしたとしあきたず6がつよりまえ出荷しゅっかするさけに「新酒しんしゅ」というラベルをって、ひやおろしから差別さべつして新鮮しんせんさをアピールするさけえたために、「新酒しんしゅ」の定義ていぎ混乱こんらんしょうじつつある。

ふゆからはるにかけては「しぼりたて」「新酒しんしゅ」「生酒きざけ」などとして、フレッシュさをものにする酒蔵さかぐら酒販しゅはんてん飲食いんしょくてんおお[57]新酒しんしゅ鮮度せんど強調きょうちょうしたかたとしては、酒蔵さかぐら酒販しゅはんてんでつくる日本にっぽん名門めいもんしゅかいが1998ねんから、立春りっしゅんの2がつ4にちわせて「立春りっしゅんあさしぼり」の出荷しゅっかはじめている。未明みめいからうえそう瓶詰びんづめをおこない、ぞうによっては縁起物えんぎものとして近隣きんりん神社じんじゃ無病むびょう息災そくさい家内かない安全あんぜん祈祷きとうをしてから出荷しゅっかする。2018ねんは34都道府県とどうふけんの43蔵元くらもと参加さんかし、やく31まんほんしぼ予定よていである[58]

ぎゃく製造せいぞう年度内ねんどないでなく、貯蔵ちょぞう期間きかんのち出荷しゅっか提供ていきょうする日本酒にほんしゅ熟成じゅくせいしゅさけいにしえさけまたは秘蔵ひぞうしゅぶこともある。さけメイラード反応はんのうにより[13]褐色かっしょくわるまで長期ちょうき保管ほかんしたり、あかワインシェリーれていたたるれてかおりをうつしたりする酒造しゅぞう会社かいしゃもある。酒販しゅはんてん飲食いんしょくてん仕入しいれた日本酒にほんしゅかせてさけにするケースもある。蔵元くらもとによっては、西洋せいようワインにおけるヴィンテージというかんがかた導入どうにゅうし、ラベルにさけ製造せいぞう年度ねんど明記めいきしている。熟成じゅくせいすることによってあじ奥行おくゆきがるようにつくるこうしたヴィンテージけい日本酒にほんしゅは、熟成じゅくせい期間きかんながいものでは20 - 40年間ねんかんにもおよ[59]酒造しゅぞう会社かいしゃなどでつくる長期ちょうき熟成じゅくせいしゅ研究けんきゅうかいは「まん3ねん以上いじょう蔵元くらもと熟成じゅくせいさせた、糖類とうるい添加てんかしゅのぞ清酒せいしゅ」を熟成じゅくせいさけ定義ていぎしている[60]

大古おおこさけ

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大古おおこさけ(だいこしゅ / おおこしゅ)というかたりかんして、現在げんざいのところ明確めいかくには定義ていぎされていない。しかしがいして「だい」がくにふさわしい、桁違けたちがいの熟成じゅくせいもとめられる。1968ねん昭和しょうわ43ねん)に開封かいふうされた元禄げんろく大古おおこさけのように279ねんまでかなくとも、熟成じゅくせい期間きかん100ねんした年代ねんだいものは一般いっぱん大古おおこさけばれる。

ひやおろしとは、冬季とうき醸造じょうぞうしたあとはるからなつにかけてすずしい酒蔵さかぐら貯蔵ちょぞう熟成じゅくせいさせ、気温きおんがるあき瓶詰びんづめして出荷しゅっかするさけのことである。そのさい火入ひいれをしない(えたままでおろす)ことから、この名称めいしょうができた。醸造じょうぞう年度ねんどして出荷しゅっかされるという意味いみでは、本来ほんらいさけ区分くぶんされることになるが、慣行かんこうてき新酒しんしゅ一種いっしゅとしてあつかわれる。

わりすい

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わりすい(わりみず)とは、熟成じゅくせいのための貯蔵ちょぞうタンクからされたさけへ、出荷しゅっか直前ちょくぜんみずを、より正確せいかくには加水かすい調整ちょうせい用水ようすいくわえる作業さぎょうをいう。「加水かすい調整ちょうせい」あるいはたんに「加水かすい」ともばれる。ちなみに焼酎しょうちゅう製造せいぞう過程かていでは、まったくおな工程こうていを「和水わすい」(わすい)とんでいる。

この工程こうてい目的もくてきは、さけのアルコール度数どすうげることにある。もろみ(もろみ)ができた直後ちょくごには、ほとんどのさけ並行へいこうふく発酵はっこうにより20ちかアルコール度数どすうとなっている。アルコール度数どすうたかいほうが腐敗ふはい危険きけんすくないので、貯蔵ちょぞう熟成じゅくせいもこの20ちかいアルコールのままおこなわれるため、出荷しゅっかするときには目的もくてきとするアルコール度数どすうまでげる必要ひつようがある。(「てい濃度のうどしゅ参照さんしょう。)

いっぽう、わりすいをしないで、もろみができた時点じてんのアルコールのまま出荷しゅっかしたさけのことを原酒げんしゅという(ただし、アルコール度数どすう変化へんかが1%未満みまん加水かすいみとめられている)。原酒げんしゅというと、一般いっぱんてきにはそのさけもととなったもろみ酵母こうぼ使つかった本源ほんげんてきさけ、あるいはなにかどろっとしたいエキスのようなさけがイメージされるようであるが、実際じっさいはそういうものではない。ただ、わりすいをしていないぶん一般いっぱんしゅよりもアルコール度数どすうたかく、比較ひかくして濃厚のうこうであることはたしかである。

複数ふくすう蔵元くらもと製造せいぞうしたさけぜたブレンド日本酒にほんしゅ販売はんばいされることもある。新型しんがたコロナウイルス感染かんせんしょう影響えいきょう日本酒にほんしゅ需要じゅよう減少げんしょうした2020ねん以降いこう各地かくち企画きかくされた[61][62]

瓶詰びんづめ・出荷しゅっか

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こうしてわりすいなど最後さいご調整ちょうせいたしたさけは、あらいびん用水ようすい洗浄せんじょうされたびんなか瓶詰びんづめされて出荷しゅっかされ、各自かくじ蔵元くらもとがそれぞれ独自どくじひらいている流通りゅうつう販路はんろる。

製法せいほう用語ようご表現ひょうげん

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現在げんざい使つかわれていない、歴史れきしじょう製法せいほうにかかわる表現ひょうげんふくむ。

歩合ぶあい

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「 - 歩合ぶあい(ぶあい)」でわる用語ようごには、つぎのものがある。

仕込しこみ」「つくり」

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学問がくもんてき専門せんもんてきにではなく、あくまでも一般いっぱんてき理解りかいのためという前提ぜんてい補足ほそくすると、日本酒にほんしゅ製法せいほうという文脈ぶんみゃくかぎっては、

仕込しこむ」=「つくる」、「仕込しこみ」=「つくり」

というように、ほぼ同義語どうぎごとしてかんがえてよい。

「 - 仕込しこみ」または「 - つくり」でわる用語ようごには、つぎのものがある。

「酛」「さけはは

編集へんしゅう

学問がくもんてき専門せんもんてきにではなく、あくまでも一般いっぱんてき理解りかいのためという前提ぜんてい補足ほそくすると、日本酒にほんしゅ製法せいほうという文脈ぶんみゃくかぎっては、

  • 「酛(もと)」=「さけはは(もと/しゅぼ)」

はほぼ同義語どうぎごとしてかんがえてよい。

「 - 酛」または「 - さけはは」でわる用語ようごには、つぎのものがある。

以上いじょう分類ぶんるいてはまらない用語ようごには、つぎのものがある。

日本酒にほんしゅ評価ひょうか基準きじゅん用語ようご表現ひょうげん

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日本酒にほんしゅ

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計量けいりょうほうは、物象ぶっしょう状態じょうたいりょうひとつである比重ひじゅう計量けいりょう単位たんいとして、「日本酒にほんしゅ」をさだめている[63]。そののとおり、清酒せいしゅ比重ひじゅう計測けいそくするための単位たんいであるが、測定そくてい対象たいしょう清酒せいしゅにはかぎらない。

計量けいりょうほうでは、日本酒にほんしゅつぎのように定義ていぎされている[64]。ここで、清酒せいしゅ比重ひじゅうは、101325 Paの圧力あつりょく標準ひょうじゅん気圧きあつ意味いみする。)、4 ℃の条件下じょうけんか計測けいそくしたものである。

  • 日本酒にほんしゅ = (1/清酒せいしゅ比重ひじゅう - 1)×1443

これを逆算ぎゃくさんすると、以下いかしきられる。

  • 清酒せいしゅ温度おんどを15 ℃にしたとき比重ひじゅう = 1443/(1443 + 日本酒にほんしゅ

計測けいそく方法ほうほう

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日本酒にほんしゅ実際じっさい計測けいそく方法ほうほうは2種類しゅるいある[65]

  • 浮ひょうほう[66]
 対象たいしょうとする清酒せいしゅを15℃にし、規定きていの浮秤(ふひょう en:hydrometer)をかべて計測けいそくする。そのときに、4℃の蒸留じょうりゅうすいおな質量しつりょうさけ日本酒にほんしゅを0とする。
  • 振動しんどうしき密度みつどけいほう

振動しんどうしき密度みつどけいもちいて15℃における検体けんたい密度みつど測定そくていし、0.99997でじょして比重ひじゅう(15/4℃)とし、つぎしきにより換算かんさんして検体けんたい日本酒にほんしゅとする。

日本酒にほんしゅ=1443/S-1443 (ただし、Sは比重ひじゅう(15/4℃))

日本酒にほんしゅしめ比重ひじゅうかるいものは+(プラス)のおもいものは - (マイナス)のをとる。日本酒にほんしゅたかい(+のおおきい)ほど辛口からくちになる傾向けいこうがあり、あじ目安めやすとしてラベルに表示ひょうじされることがおおい。より厳密げんみつさけ辛口からくち甘口あまくちしめ指標しひょうとして甘辛あまからたび(あまからど)がある。

清酒せいしゅ10ミリリットルを中和ちゅうわするのにようする、0.1モル/リットルの水酸化すいさんかナトリウム溶液ようえきしずくじょうミリリットルすうのこと。このおおきければ「さっぱり」、ちいさければ「こくがある」といった表現ひょうげん使つかわれる。しかし、これも日本酒にほんしゅ同様どうように、ひと味覚みかくは、かおり、べあわせ、体調たいちょうなどによりおおきく変動へんどうする。

甘辛あまからたび

編集へんしゅう

甘辛あまからたびは、清酒せいしゅ甘辛あまから度合どあいをしめ清酒せいしゅブドウ糖ぶどうとう濃度のうど酸度さんどからつぎのように計算けいさんされる。

  • 甘辛あまからたび = 0.86×ブドウ糖ぶどうとう濃度のうど - 1.16 × 酸度さんど - 1.31

また、ブドウ糖ぶどうとう濃度のうどわりに日本酒にほんしゅもちいて、

  • 甘辛あまからたび = {193 593 ÷(1443 + 日本酒にほんしゅ)} - 1.16 × 酸度さんど - 132.57

とすることもできる。

このしきによって人間にんげんさけあまつらいとかんじる感覚かんかくの81%が説明せつめいできる。清酒せいしゅ甘辛あまから程度ていど甘辛あまからたび関連かんれん下記かきとおり。

非常ひじょうつら -3
かなりつら -2
すこしつら -1
どちらでもない 0
すこしあま 1
かなりあま 2
非常ひじょうあま 3

濃淡のうたん

編集へんしゅう

濃淡のうたん(のうたんど)は、清酒せいしゅあじ濃淡のうたん度合どあいをしめ清酒せいしゅブドウ糖ぶどうとう濃度のうど酸度さんどからつぎのように計算けいさんされる。

  • 濃淡のうたん = 0.42×ブドウ糖ぶどうとう濃度のうど - 1.88 × 酸度さんど - 4.44

ブドウ糖ぶどうとう濃度のうど直接ちょくせつ還元かんげんとうであり、分子ぶんし構造こうぞうおおきなデキストリンのぞいたのこりの糖分とうぶんりょうす。濃淡のうたんがプラスになるほどあじい。

甘辛あまからたび濃淡のうたん表示ひょうじすくないものの、あじ指標しひょうとしては日本酒にほんしゅよりは信頼しんらいせいがある。

アミノ酸あみのさん

編集へんしゅう

清酒せいしゅ10ミリリットルを酸度さんど場合ばあい同様どうように0.1モル/リットルの水酸化すいさんかナトリウム中和ちゅうわしたのち中性ちゅうせいホルマリンえきを5ミリリットルくわ再度さいど0.1モル/リットルの水酸化すいさんかナトリウムで中和ちゅうわしたのにようしたしずくじょうミリリットルすうのこと(ホルモールほうによる測定そくてい)。後者こうしゃ水酸化すいさんかナトリウムしずく定数ていすうりょうひとしい。おおきいとあつしちいさいとあわうらら傾向けいこうがある。これも日本酒にほんしゅ酸度さんど場合ばあいおなじで、一般いっぱんひと味覚みかくは、かおり、べあわせ、体調たいちょうなどによりおおきく変動へんどうするものである。

一般いっぱんせいけいやまはいけいではアミノ酸あみのさんおおくなる傾向けいこうがある。たとえなまやまはいでもアミノ酸あみのさんひくおさえるのが、名人めいじんわれる杜氏とうじたちのつくかたともいわれるが、アミノ酸あみのさんおおくなったせいやまはいのどっしりしたあじわいをこの愛飲あいいんおおいこともまた事実じじつである。

アミノ酸あみのさん生成せいせいされるおも原因げんいんタンパク質たんぱくしつ分解ぶんかい酵素こうそ酸性さんせいプロテアーゼであり、こうじづくなか仕事しごとから仕舞しま仕事しごとあいだに、34℃から38℃の温度おんどたいでほとんどが生成せいせいされる。したがって最終さいしゅうてき仕上しあがりをかるあじにしたい杜氏とうじは、こうじまいかわかないようにしながらやぶせいすすませ、できるだけ敏速びんそくにこの工程こうていける。ぎゃくおもあじ仕上しあげたい場合ばあい時間じかんける。

あじ表現ひょうげん

編集へんしゅう
辛口からくち
日本酒にほんしゅ味覚みかく評価ひょうかも、基本きほんてき五味ごみさん甘辛あまから鹹)であるが、料理りょうりのそれとおな言葉ことば使つかっていても概念がいねんおおきくことなる。「つらい」といっても、料理りょうりにおけるからしトウガラシコショウのようなあじ)や塩辛しおからさ)ではない。また、した表面ひょうめんにあるあじつぼみ(みらい)でキャッチされのうおくられる味覚みかく甘味あまみ酸味さんみ塩味しおあじ苦味にがみ、うまのみであり、あじ細胞さいぼうには辛味からみ受容じゅようたいはないため、「さけつらい」とかんじるのは、したひょう痛覚つうかくがアルコールに刺激しげきされているだけだとかんがえられる。
そのため一般いっぱんに、アルコール日本酒にほんしゅたかければそれだけ辛口からくちかんじる。また、「あわうらら辛口からくちすぐれたさけ基本きほん条件じょうけんである」かのようなかたよった認識にんしき参照さんしょう辛口からくちブーム)が蔓延まんえんしていたころもあったが、辛口からくちには辛口からくちさ、むねこうにはむねこうさがあり、「このさけ甘口あまくちだ/辛口からくちだ」というだけの品評ひんぴょうにはあまり意味いみはない(参照さんしょう日本酒にほんしゅ甘辛あまからたびアミノ酸あみのさん)。
甘口あまくち
むねこう(うまくち)と混同こんどうされることがおおいので注意ちゅうい必要ひつようである。日本酒にほんしゅ比重ひじゅうおおきくする成分せいぶんのほとんどが糖分とうぶんであるため、一般いっぱんには「日本酒にほんしゅひくければ甘口あまくち」といえる。
しかしながら、にござけ(にごりざけ)やおりがらみのように固形こけいぶんふく日本酒にほんしゅ比重ひじゅうおおきく、日本酒にほんしゅひくくなるが、かならずしも甘口あまくちになるとはかぎらない。
むねこう(うまくち)
一般いっぱん清酒せいしゅかんして「甘口あまくち」と表現ひょうげんされるのは、じつはこのむねこうである場合ばあいがほとんどである。相対そうたいてき辛味からみ刺激しげきされないため「甘口あまくち」と間違まちがえられやすいのである。むねこうは、辛口からくち要素ようそとなりやすいキレよりも、コクと奥行おくゆきのある馥郁ふくいく(ふくいく)たるあじわいである。目指めざ仕上しあがりへっていくためには、アルコール度数どすうたかさでごまかせないため、つくしゅにとってはある意味いみでいっそうむずかしいあじともいわれる。
端麗たんれい / あわうらら(たんれい)
くちふくんだときに、きれいでなめらかなかんじをけたときにもちいる表現ひょうげんである。日本語にほんごとしては本来ほんらい端麗たんれい」がただしいのだが、1980年代ねんだいはじまる辛口からくちブームあいだ商標しょうひょうなどをつうじて「あわうらら」とかれはじめ、現在げんざいではさけあじかんしては「あわうらら」とくようになった。
芳醇ほうじゅん / ゆたかあつし(ほうじゅん)
かおりがたかあじがよいこと。本来ほんらい芳醇ほうじゅん」がただしい(日本語にほんご辞書じしょなかには「芳醇ほうじゅん」がなく、「よしじゅん」「よしじゅん」ともある)表記ひょうきであるが、商標しょうひょうさけめいなどで一般いっぱんし「ゆたかあつし」とも表記ひょうきされる。
あつし(のうじゅん)
あじいこと。「あわうらら」の対極たいきょくにあるのはむしろこのあつしである。
ピン
後味あとあじまったかんじをす。からしあまむねあじのバランスによってされる。そのバランスがさけあじのアウトラインをめるといってもよい。
キレ
後味あとあじがすっきりして軽快けいかい場合ばあいに「キレがある」と表現ひょうげんする。地方ちほうによっては「サバケがよい」と表現ひょうげんする。
あら
くちふくんだときに、口中くちじゅう刺激しげきける状態じょうたいす。よくえば元気げんきのある若々わかわかしいあじ、わるくえば熟成じゅくせいかんけるあじである。
吟味ぎんみ(ぎんあじ)
なが時間じかんをかけて低温ていおん熟成じゅくせいしたさけまれる、あっさりとしたうまみをす。
ふくらみ
口中くちじゅうひろがる、バランスのいしっかりとしたコクのあるあじす。「ゴクあじ」「あじはば」などとも表現ひょうげんされる。
ゴクあじ
さけ五味ごみがほどよく調和ちょうわして、バランスのいコクがかんじられる状態じょうたいを「ゴクあじがある」と表現ひょうげんする。
収斂しゅうれんあじ(しゅうれんみ)
さけがまだわかいときにかんじられる、おもわずくちをすぼめたくなるようなしぶみのこと。たいていはさけ熟成じゅくせいとともに自然しぜんえていく。ぎゃくに、これがえていくのを以ってさけ熟成じゅくせいしたはかることもできる。
あじ
さけいたあとの後味あとあじにふくらみがあり、安定あんていして余韻よいんひびかせているようなあじ
コシ
あじがあって、安定あんていしたあじわいのこすときにはを「コシがある」「コシがつよい」といい、反対はんたい後味あとあじがぼけたかんじがするときは「コシがない」「コシがよわい」という。
どっしり
ふくらみとコシのある、容易よういかんくずれのしない、丹念たんねんつくりのあじもちいられる表現ひょうげん
しっかり
安定あんていかんとコシのある、容易よういかんくずれのしない、丹念たんねんつくりのあじもちいられる表現ひょうげん。ある意味いみでは「どっしり」よりも頻繁ひんぱん使つかわれる「しっかり」だが、しっかりかどうかを判断はんだんするのは初心者しょしんしゃにはむずかしいのもまた現実げんじつである。初心者しょしんしゃにもかりやすい手軽てがる判断はんだん方法ほうほうとしては、さけをアルコール14くらいにまでみずってぬるかんにしてあじわってみることである。そのときにあじれがさけは「しっかり」したつくりである。さけちゅう分解ぶんかい成分せいぶんおおかったり、もろみ末期まっき急激きゅうげき酵母こうぼ死滅しめつしてしまうと、酵母こうぼから余計よけいアミノ酸あみのさんることによって、あじれがわるくなることがある。こういうさけがいして完全かんぜん醗酵はっこうさせたさけくらべて劣化れっかはやく、あじも「しっかりしている」とはわない。こういうことは個々人ここじん主観しゅかん、すなわち味覚みかく判断はんだんするのが一番いちばんで、うらラベルに表示ひょうじされているアミノ酸あみのさんなどてもかることではない。
あじ/かおりが)ひら
やでは、そのさけしつ本来ほんらいあじかおりがつめたさのおくめられてしまい、官能かんのうとしてかんじられないことがあるが、それらを人肌ひとはだかんぬるかんあたりまであたためると、はながゆっくりひらくようにそれらがかんじられてくる。そのようなときもちいる表現ひょうげんである。しかしあまりねっすると、かえってかんじられなくなる。
ちなみに日本にっぽんさけたくみ研究けんきゅうかいでは、「あまい/つらい」「あわうらら/あつし」を座標軸ざひょうじくとするあじ分類ぶんるいには実用じつようせいがないとして、飲用いんよう温度おんど料理りょうりうつわ連想れんそうしやすい「かおりがたかい/ひくい」「あじい/あわい」をあらたな座標軸ざひょうじくとし、つぎのようなよんふんほうもちいている。
じゅくしゅ(じゅくしゅ)
かおりがたかく、あじさけ時間じかんをかけて熟成じゅくせいされた濃厚のうこうあじわい。熟成じゅくせいしゅさけ秘蔵ひぞうしゅなど。
あつししゅ(じゅんしゅ)
かおりがひくく、あじさけ。いわゆるコクがかんじられるあじわい。じゅんべいしゅせいけい(きもとけい)など。
かおるしゅ(くんしゅ)
かおりがたかく、あじあわさけ吟醸ぎんじょうかた鑑賞かんしょうできるもの。だい吟醸ぎんじょうなど。
爽酒(そうしゅ)
かおりがひくく、あじあわさけ軽快けいかいでなめらかなもの。生酒きざけなま貯蔵ちょぞうしゅていアルコールしゅなど。

いろ表現ひょうげん

編集へんしゅう

酒蔵さかぐらふねこうからてくる、できたてのさけ本来ほんらいあき稲穂いなほのような黄金おうごんしょくちかいろである。また熟成じゅくせいすすむとふか茶色ちゃいろへとすすんでいったり、すこしばかりみどりがかってくる。あるいは精米せいまい歩合ぶあいたかく、つくりがしっかりしているだい吟醸ぎんじょうなどは、ダイヤモンドのようにあざやかにきらめく光沢こうたくつ。

しかし全国ぜんこく新酒しんしゅかんひょうかいでは過去かこに、いろのついたまま出品しゅっぴんされているさけ減点げんてん対象たいしょうとしていた時代じだいがあり、それゆえ酒蔵さかぐらでは活性炭かっせいたん濾過ろかなどで必死ひっしいろいていた。その結果けっか今日きょう清酒せいしゅ」という言葉ことばから一般いっぱんてきにイメージされるみずのような無色むしょく透明とうめいである。

昨今さっこん天然てんねんいろのまま販路はんろせる酒蔵さかぐらえてきたので、さけいろふたたたのしめるようになった。

え(さえ)
うつくしくとおった光沢こうたくとくに、ややあおみがかってえる状態じょうたいあお(あおざえ)といい、たか評価ひょうかされる。
り(てり)
うっすら山吹やまぶきしょくつや状態じょうたい。たいていこのまれる。
ぼけ
少々しょうしょう混濁こんだくして、色彩しきさいがぼやけていること。
透明とうめい
どれだけ透明とうめいせいされたかをかた指標しひょう
澄明ちょうめい
自然しぜんつくられたんだみずみずしいきらめき。
黄金おうごんしょく(こがねいろ)
りのなかでももっとこのまれる色調しきちょう
番茶ばんちゃしょく(ばんちゃいろ)
さけなどにおおい、やや熟成じゅくせいした色調しきちょう黄金おうごんしょくほどは、いろ鑑賞かんしょう対象たいしょうとはならないことがおおい。
いろさわ良好りょうこう(しきたくりょうこう)
かんひょうかいなどでかたられる、色合いろあいがこのましいさまをかた定番ていばん表現ひょうげん
いろさわ濃厚のうこう(しきたくのうこう)
かなりいろがついている状態じょうたいこのましいとものおおい。
混濁こんだく
いろいろな色調しきちょうにごっていること。としては評価ひょうかがたいが、こうしたさけ一概いちがいあじもまずいとはかぎらない。

かおりの用語ようご表現ひょうげん

編集へんしゅう

これも製法せいほうかかわる用語ようご表現ひょうげんおなじく、時代じだい世代せだい地方ちほうによって様々さまざまであるが、標準ひょうじゅんてきなものをしめしておく。

熟成じゅくせい
熟成じゅくせいによってしょうじるこのましいかおりで、つよいものは「さけ」ともばれる。かおりの様態ようたい様々さまざまで、それぞれ紹興酒しょうこうしゅシェリーさけカラメルししいたけしブドウなどにたとえて表現ひょうげんされる。
吟醸ぎんじょう(ぎんじょうこう / ぎんじょうか)
「ぎんじょうこう」がただしいかたとよくわれるが、専門せんもんなかでもわざわざ「ぎんじょうか」とルビを読者どくしゃ注意ちゅういうながものもいる[67]ので注意ちゅういようする。
吟醸ぎんじょうしゅだい吟醸ぎんじょうしゅ特有とくゆう芳香ほうこうリンゴバナナのようなかおりがもっと一般いっぱんてきだが、さけによってはマロン、クリーム、チョコレートのような吟醸ぎんじょうしているものもある。けっして香料こうりょうくわえているのではなく、吟醸ぎんじょうづくりのような低温ていおん発酵はっこう酵母こうぼエステルるいとくカプロンさんエチル酢酸さくさんイソアミル起因きいんするかおりである(参照さんしょうもろみ(もろみ))。つくりのじゅんべいしゅなど、吟醸ぎんじょうしゅ以外いがいにもかんじられることはおおい。なお、生成せいせいされた吟醸ぎんじょうすべてがもろみなかまるわけではなく、おおくは大気たいきちゅう放散ほうさんされる。このため、ヤコマン装置そうちによりそれを回収かいしゅう液化えきかして、もろみなかもどしたり、あるいはもともろみ以外いがい日本酒にほんしゅ添加てんかしたりすることもかつておこなわれていた。最近さいきん新型しんがた酵母こうぼ開発かいはつにより、そういう必要ひつようはなくなってきたといわれる。
リンゴ
吟醸ぎんじょう一種いっしゅで、カプロンさんエチル起因きいんするデリシャスリンゴのような芳香ほうこう適度てきどなリンゴ吟醸ぎんじょうしゅ気品きひんあたえるとされる。
バナナ
吟醸ぎんじょう一種いっしゅで、酢酸さくさんイソアミル起因きいんするバナナのような芳香ほうこう適度てきどなバナナ日本酒にほんしゅあまくフルーティーなかおりのあつみをくわえるものとしてこのまれるが、つよすぎると異臭いしゅうかんじられ「酢酸さくさんエチルしゅう」「セメダインしゅう」とばれて減点げんてん対象たいしょうとなる。ヤコマン装置そうちによって回収かいしゅうされるおもかお成分せいぶんでもある。
新酒しんしゅばな
おもこうじ由来ゆらいする新酒しんしゅ特有とくゆう若々わかわかしいかおりで、熟成じゅくせいするにしたがってえていく。燗酒かんざけ#温度おんど表現ひょうげん飲用いんよう温度おんどこの熟達じゅくたつしたは、かんによってつよめられた新酒しんしゅばなを敬遠けいえんすることがおおい。
アルコールしゅう
アルコール添加てんかがうまくかなかったときにしょうじる薬品やくひんのようなくさい。醗酵はっこうによってしょうじるアルコール成分せいぶんちがって、さけそのものと一体化いったいかしていない、添加てんかしたアルコールがいたかんじになってこる。
ろう(ひねか)
熟成じゅくせいすすみすぎた(じゅく)」「熟成じゅくせいしないうちに劣化れっかした」「保存ほぞん方法ほうほうただしくなかった」などの理由りゆうで、さけ酸化さんかしてしまったときにしょうじるこう熟成じゅくせい紙一重かみひとえで、不快ふかいであればろうこうとされる。それゆえごくまれに、すこしばかりのろうこうはかえってさけはくをつけるものとしてプラスに評価ひょうかされる場合ばあいもある。
生老しょうろこう(なまひねか)
生酒きざけふるくなった」「保存ほぞん方法ほうほうただしくなかった」などの理由りゆうから、酵素こうそはたらきからしょうじる、れたような猛烈もうれつ悪臭あくしゅう活性炭かっせいたん濾過ろかでも除去じょきょできず、出荷しゅっかまえ発生はっせいするとぞうにとって致命傷ちめいしょうとなるが、実際じっさいには出荷しゅっか流通りゅうつう小売こうり業者ぎょうしゃ、あるいは購入こうにゅう消費しょうひしゃの、保存ほぞん方法ほうほう温度おんど管理かんりのまずさによるところがおおきい。「生酒きざけべい牛乳ぎゅうにゅう」とおもっておけば、まず間違まちがいない。
つわり
もろみ醗酵はっこう失敗しっぱいなどに起因きいんする、乳製品にゅうせいひんくさったようなにおいで、もよおさせることからこうばれる。専門せんもんてきには「ダイアセチルにおい」とばれ、「しゅう」とている。
しゅう
きん繁殖はんしょくすることによってしょうじるにおいで、きん種類しゅるいによって様態ようたいことなるが、おおむねつわりている。
濾過ろかしゅう(ろかしゅう)
濾過ろか工程こうてい異臭いしゅう総称そうしょう和紙わしみずらしたときのにおいにているとされる。
すみしゅう(すみしゅう)
活性炭かっせいたん濾過ろか工程こうていで、しつわるすみ使つかったり、すみれすぎたときに異臭いしゅうすみ自体じたい臭気しゅうき吸収きゅうしゅうしやすいので、保存ほぞんちゅうすみ外部がいぶから吸収きゅうしゅうしたくさ成分せいぶんを、さけ投入とうにゅうされたときにさけなか放出ほうしゅつしてしょうじることもおおい。
酸敗さんぱいしゅう(さんぱいしゅう)
くさみやつこきんという雑菌ざっきんもろみ汚染おせんし、酢酸さくさんなどが生成せいせいされてきわめて不快ふかいくさい。
ふくろしゅう(ふくろしゅう)
もろみをしぼるさけぶくろにおいがさけうつったもの。さけぶくろ管理かんりただしくなく、酸化さんかした付着ふちゃくぶつがあったときなどにしょうじる。
日光にっこうしゅう
ひかりにさらされて発生はっせいする、刺激しげきせいのある異臭いしゅう。「ひなたにおい」「けものしゅう」ともいう。室内しつない蛍光けいこうとうなど、日光にっこう以外いがい光線こうせん長時間ちょうじかんさらされていても発生はっせいする。出荷しゅっか流通りゅうつう小売こうり業者ぎょうしゃ、あるいは購入こうにゅう消費しょうひしゃの、保存ほぞん方法ほうほうのまずさに起因きいんすることがおおい。びん新聞紙しんぶんしなどにくるんでおくとふせげる。かつてはびんにおいがさけについたものとかんがえられ「びんしゅう」というかたりがあったが、現在げんざいではそれは日光にっこうしゅうおいこうじった臭気しゅうきとされている。
(きか / きが / もくが / もくか / もっか)
「きか」がただしいかたとよくわれるが、専門せんもんなかでも、わざわざ「きが」とルビを読者どくしゃ注意ちゅういうながものもいる[68]ので注意ちゅういようする。
スギなどたる木材もくざいかおりがさけうつったもの。かおりの程度ていどさけしつによってはプラスに評価ひょうかされることもあるが、かんひょうかいなどでは「しゅう(きがしゅう)がする」というと往々おうおうにしてマイナスてんである。ちなみに醗酵はっこう最中さいちゅうアルコール添加てんかすると生成せいせいされることがある、のようなにおいを「さましゅう」といい、本質ほんしつてきには別物べつものであるが混同こんどうされやすい。

また、さけってからむまでのかく段階だんかいにおいてかんじられるかおりは以下いかのようにばれる。

うえ立香たつか(うわだちか)
まださけくちふくまず、さけ表面ひょうめんから鼻先はなさきにおこうさけ猪口ちょこそそいで、まるらしたときにがってくる揮発きはつせい芳香ほうこう吟醸ぎんじょうおもきをさけや、かんひょうかい出品しゅっぴんされるさけでは、とかく重視じゅうしされる。
ふく(ふくみか)
さけくちふくみ、舌先したさきころがしたときに、はなけていくこうかおりの成分せいぶんとしては、うえ立香たつかほど揮発きはつせいたかくないので、くちふくむまではかんじられない。
吟香ぎんこう(ぎんか)
さけみこむとき、のどぎるときにかんじられるこうかんひょうかいなどでしゅをするときは、さけみこまず、あじわったあとはしてしまうので、吟香ぎんこうあじわえない。よってかんひょうかいでの評価ひょうか対象たいしょうになりえないという問題もんだいがある。いまではほとんど「吟醸ぎんじょう」とおなじものをす。
がえ(かえりか)
んだあとに、はらからはなけるようにかんじられるこう。これもかんひょうかいなどでは評価ひょうか対象たいしょうかられてしまうとして問題もんだいする識者しきしゃおおい。

温度おんど表現ひょうげん飲用いんよう温度おんど

編集へんしゅう

これも統一とういつされた用語ようごというわけではないが標準ひょうじゅんてきなものをしめしておく。ただし、2000年代ねんだい初頭しょとうでは「や」が拡大かくだい解釈かいしゃくされ、常温じょうおんよりもやしたものをしてもちいられていることもある[69]

日本酒にほんしゅ温度おんど表現ひょうげん
名称めいしょう 飲用いんよう温度おんど 備考びこう
かん(とびきりかん) 55前後ぜんこう かおりが凝縮ぎょうしゅくし、もっと辛口からくちかんじられる。
熱燗あつかん(あつかん) 50前後ぜんこう かおりはシャープに、あじわいはキレがよくなる。
うえかん 45前後ぜんこう かおりがきりっとまり、あじわいはやわらかさとまりがる。
ぬるかん 40前後ぜんこう かおりがもっとおおきくなり、あじわいにふくらみがる。
人肌ひとはだかん 37前後ぜんこう べいこうじかおりがちサラサラとしたあじわい。
日向ひなたかん(ひなたかん) 33前後ぜんこう かおりがってくる。なめらかなあじわい。
常温じょうおん 冷蔵庫れいぞうこなどでやしたものが「や」ではない。
すずしえ(すずびえ) 15前後ぜんこう フルーティーさやフレッシュさがかんじられる。
花冷はなび 10前後ぜんこう 最近さいきんは「や」と区別くべつするために「やして」などともいう。
ゆき 5前後ぜんこう いわゆる「キンキンにやした」もの。
(霙(みぞれ)) -10前後ぜんこう 冷凍庫れいとうこ短時間たんじかんしずかにやしたのちそそぐと透明とうめいからシャーベットじょう変化へんかする。

一般いっぱん温度おんど上昇じょうしょうによって、したかんじられる酸味さんみ相対そうたいてきがり、旨味うまみがることから、「や」から「熱燗あつかん」くらいまでの温度おんどたいかぎっておおざっぱにいうならば、うえくほどコクとふかみをったあじになり、またつらさをかんじるようになる。せいけいじゅんべいけいなど、むかしからある製法せいほうつくっているさけでは、やでんでもさほど印象いんしょうてきでなかったさけが、かんにすると本領ほんりょう発揮はっきし、奥深おくふかあじ展開てんかいすることがおおい。そういうさけは「かん(かんばえ)する」という。またかんをしたときに、あたたかさがほんのりさけ全域ぜんいき均等きんとうわたり、そのさけさがうまくされることを「かんがり(かんあがり)する」という。うまくかんがりさせるのにもっと確実かくじつ方法ほうほうは、徳利とっくりれて湯煎ゆせんすることである。猪口ちょこれて電子でんしレンジであたためるのも多少たしょう有効ゆうこうだが、なかにムラができやすい。いちどかんをしたさけがふたたびえることを「燗冷かんざまし(かんざまし)になる」という。ていねいにつくってあるさけは、燗冷かんざましになってもそれなりにあじわいがあるが、そうでないものは風味ふうみのバランスがくずれ、薬品やくひんのようなアルコールしゅううえ立香たつかとしてのぼってくる。これを「かんくず(かんくずれ)」という。

日本酒にほんしゅかんする単位たんい

編集へんしゅう
 
酒樽さかだる鶴岡つるおか八幡宮はちまんぐう
1ます(しょう)=10ごう(ごう)=1.8リットル
1いし(こく)=10(と)=100ます
これらの容積ようせき単位たんいすべ日本にっぽん単位たんいけいである尺貫法しゃっかんほう一部いちぶである。
1しょうとは、酒屋さかやなどでごく普通ふつうにする日本酒にほんしゅ大瓶おおびん、すなわち一升瓶いっしょうびんはい容量ようりょうである。1901ねん明治めいじ34ねん)にしろづる一升瓶いっしょうびん日本酒にほんしゅ販売はんばいするようになって以来いらいひゃくねんあまりにわたって主流しゅりゅうめてきた。近年きんねんでは、そのおおきさやつきまとうイメージの泥臭どろくささなどが消費しょうひ減退げんたい理由りゆうだととなえる人々ひとびとがおり、小型こがたする傾向けいこうもある(参照さんしょう#日本酒にほんしゅ製法せいほう)。
いわゆるなかびんよんごうびんで、文字通もじどおり4ごう(720ミリリットル)はいる。
酒蔵さかぐらでは、18リットルはいびん使つかっており、消費しょうひしゃ販売はんばいてんる「びんがこい」といった記載きさい表示ひょうじはそれに由来ゆらいする(参照さんしょう#その表示ひょうじ)。
いし(こく)は、おも酒蔵さかぐら生産せいさんりょうしめすのにもちいられる。これもきわめておおざっぱな目安めやすであるが、一般いっぱんちいさな酒蔵さかぐらだと年間ねんかん500せき大手おおて酒蔵さかぐら年間ねんかん5,000せき以上いじょうといったところである。
当然とうぜんではあるが、生産せいさん石高こくだか生産せいさんされるさけしつにはなん相関そうかん関係かんけいもない。
(か)
」は、おもさけ陸上りくじょう輸送ゆそう使つかわれた単位たんいである。人足ひとあし酒樽さかだる天秤棒てんびんぼう(てんびんぼう)で前後ぜんご1個いっこずつかついだことに由来ゆらいする。
」の表現ひょうげん中世ちゅうせい公家くげ僧侶そうりょ日記にっき頻出ひんしゅつ表現ひょうげんであり、「たるいち」でさけたる意味いみするようになった[70]近世きんせいごろまで使用しようされた表現ひょうげんで、江戸えど時代じだいにはだる2つをいちとした[71]
(だ)
江戸えど時代じだい酒樽さかだる大型おおがたし、「伝馬てんませい」の駄馬だうま積載せきさいりょう上限じょうげんであるよんじゅうかんわせ、よんだる2たる駄馬だうま積載せきさいし、これをいちとした。以降いこう10いち単位たんいとしてさけとう表示ひょうじすることが慣例かんれいした。半分はんぶんいちたるかたうましょうした[72]近世きんせいから明治めいじ以降いこう近代きんだいいたるまで使用しようされた単位たんいである。
さかずき(はい)
ごうしゃくあらわ[73]いちしょう半量はんりょうであるごうを「なから(なから)」とび、ごうしゃくはその半量はんりょうであるため「小半こなからら(こなから)」としょうされることもある。たちばなみなみ谿の『西遊せいゆう』においては、西国さいこくではいっぱいをよんごうさんしゃく程度ていどとしてさけっていたとしており、この呼称こしょう琉球りゅうきゅうまで同様どうようであったとしている。また、オランダのまるがたフラスコもその容量ようりょういちはいどう容量ようりょうであったと記述きじゅつしている[74]
けんじ(こん)
現在げんざいでは「一献いっこんやりましょう」というように、「一緒いっしょさけむ」という意味いみもちいられる。ふるくはいちさかずきになみなみとさけたし、酒席しゅせきをぐるりとひとまわりするのが「一献いっこん」であった。たとえば「うたげ三献さんこんほどしたら」というような表現ひょうげんがあった。
しゃく(しゃく)
1しょう=10ごう=100しゃく
1しゃくやく18ミリリットル。

日本酒にほんしゅメーカーと売上うりあげだかランキング

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帝国ていこくデータバンク統計とうけい調査ちょうさによると、2017ねん平成へいせい29ねん)12がつ時点じてん日本にっぽん全国ぜんこく日本酒にほんしゅ製造せいぞうするメーカーが1,254しゃ存在そんざいし、都道府県とどうふけんべつ所在地しょざいちると、首位しゅい新潟にいがたけんで84しゃ、2長野ながのけんで64しゃ、3兵庫ひょうごけんで57しゃとなっている。創業そうぎょう100ねん以上いじょう老舗しにせ企業きぎょうが903しゃと7わりめ、創業そうぎょう時代じだいべつると、首位しゅい明治めいじ時代じだいで431しゃ、2江戸えど時代じだいで399しゃ、3昭和しょうわ時代じだいで266しゃであった。このうち日本酒にほんしゅ製造せいぞうおもぎょうとするのは1,077しゃで、2016ねん平成へいせい28ねんそう売上うりあげだかは4,416おく900まんえんで、2012ねん平成へいせい24ねんから2016ねん平成へいせい28ねんまで5ねん連続れんぞくそう売上うりあげだか小幅こはば上昇じょうしょうしている。とく売上うりあげだか増加ぞうか顕著けんちょなのがあさひ酒造しゅぞうで、「うそさい」ブランドの海外かいがい展開てんかいにより前年度ぜんねんど6わり増収ぞうしゅうとなっている[75]。なおうそさいようするあさひ酒造しゅぞう積極せっきょくてき海外かいがい展開てんかいなどのおかげで2023ねん9がつに174おくえんげを達成たっせいしており、これを2016年度ねんどのランキングにてはめると4となる[76]

日本酒にほんしゅ蔵元くらもとつく酒屋ざかや)を酒蔵さかぐらぶこともある。酒類しゅるい製造せいぞう免許めんきょ酒蔵さかぐらのうち、1000程度ていど実際じっさい営業えいぎょうしていると推測すいそくされている[13]

以下いかに2016年度ねんど売上うりあげだか上位じょうい20しゃまでをしる[75]


2016年度ねんど 日本酒にほんしゅメーカー売上うりあげだか
順位じゅんい 社名しゃめい 所在地しょざいち 主要しゅよう銘柄めいがら 16年度ねんど売上うりあげだか
ひゃくまんえん
参考さんこう最新さいしん売上うりあげだか
ひゃくまんえん
1 しろづる酒造しゅぞう 兵庫ひょうごけん しろづる 34,808 27,300[77](23ねん3がつ
2 月桂冠げっけいかん 京都きょうと 月桂冠げっけいかん 27,387 17,300[78](23ねん3がつ
3 たからホールディングス 京都きょうと 松竹梅しょうちくばい 24,822 12,145[79](23ねん3がつ
4 大関おおぜき 兵庫ひょうごけん 大関おおぜき 16,376
5 日本にっぽんもり 兵庫ひょうごけん 日本にっぽんもり 14,770 13,230[80](19ねん3がつ
6 小山こやま本家ほんけ酒造しゅぞう 埼玉さいたまけん 金紋きんもん世界せかいたか 11,358 12,400[81](22ねん9がつ
7 きく正宗まさむね 兵庫ひょうごけん きく正宗まさむね 11,018 9,700[82](22ねん3がつ
8 あさひ酒造しゅぞう 山口やまぐちけん うそさい 10,803 17,400[76](23ねん9がつ
9 さくら 京都きょうと さくら 10,000 9,500[83](20ねん9がつ
10 オエノンホールディングス 東京とうきょう 大雪おおゆき乃蔵、福徳ふくとくちょう 9,105
11 朝日酒造あさひしゅぞう 新潟にいがたけん 久保田くぼた 8,589 6,247[84](20ねん9がつ
12 はちうみ醸造じょうぞう 新潟にいがたけん 八海山はっかいさん 6,169 6,380[85](23ねん8がつ
13 辰馬本家酒造たつうまほんけしゅぞう 兵庫ひょうごけん しろ鹿しか 6,063
14 菊水きくすい酒造しゅぞう 新潟にいがたけん 菊水きくすい 5,452 4,400[86](21ねん9がつ
15 加藤かとう吉平きちへい商店しょうてん 福井ふくいけん 4,829
16 けんひし酒造しゅぞう 兵庫ひょうごけん けんひし 4,300 2,030[87](22ねん3がつ
17 小西酒造こにししゅぞう 兵庫ひょうごけん はくゆき 4,085 2,200[88](21ねん3がつ
18 さわづる 兵庫ひょうごけん さわづる 3,980
19 ちゅうもく酒造しゅぞう 愛知あいちけん くにもり 3,700 4,000[89]
20 清州きよすさくら醸造じょうぞう 愛知あいちけん 清州きよすさくら 3,500

日本にっぽん国外こくがいでの人気にんき

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日本にっぽん国外こくがいへの輸出ゆしゅつ

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近年きんねん日本にっぽんではビールウイスキーふくめたアルコール飲料いんりょう全般ぜんぱん消費しょうひりょう減少げんしょうしており、日本酒にほんしゅもそのれいれない[90]

一方いっぽう日本にっぽん国外こくがいでは21世紀せいきはいってから日本酒にほんしゅ人気にんき拡大かくだいしており、日本酒にほんしゅ日本語にほんごの「さけ」にちなみ「sake(サケ、英語えいごみはサキィ)」とぶ。(参照さんしょう:「日本酒にほんしゅ歴史れきし」- 昭和しょうわ時代じだい以降いこう)。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくフランス市場いちばでは日本酒にほんしゅとく吟醸ぎんじょうしゅ消費しょうひ拡大かくだいし、イギリスでも2007ねんから国際こくさいワインコンテスト日本酒にほんしゅ部門ぶもん設置せっちされた。アジアけんにおいても日本酒にほんしゅ消費しょうひりょう以前いぜんくらべて拡大かくだいし、2015ねんにはとりわけ和食わしょく普及ふきゅうするソウル香港ほんこん台北たいぺいシンガポールにおいてたかしめ[91]タイ王国おうこくでは日本酒にほんしゅ需要じゅよう急増きゅうぞう日本にっぽん蔵元くらもとこぞって市場いちば参入さんにゅうし、競争きょうそう激化げきかした[92]。また訪日ほうにち外国がいこくじん観光かんこうきゃくによる、高級こうきゅう日本酒にほんしゅのまとめいもえている[93]

日本酒にほんしゅ輸出ゆしゅつがくは、2013ねんはじめて100おくえんえた[94]。2020ねん日本酒にほんしゅ輸出ゆしゅつがくは241おくえんで、酒類しゅるい輸出ゆしゅつ総額そうがく710おくえんの34%をめたが、輸出ゆしゅつがく急増きゅうぞうするジャパニーズ・ウイスキー(271おくえん、38.2%)に20ねんぶりにかれて、酒類しゅるいにおける最多さいた輸出ゆしゅつがく品目ひんもく地位ちいから陥落かんらくした[95]

2023ねん日本酒にほんしゅ輸出ゆしゅつがく前年ぜんねん13%げんの410.8おくえんであり13ねん連続れんぞくつづいていた前年ぜんねんぞう記録きろく途絶とだえた。中国ちゅうごくとアメリカへの輸出ゆしゅつ減少げんしょうがしたことがしゅ要因よういんであり、中国ちゅうごく景気けいき減速げんそく日本にっぽんさん水産物すいさんぶつ輸入ゆにゅういち停止ていしとう措置そちともな高級こうきゅう日本にっぽんしょくレストランの不振ふしん、アメリカは前年ぜんねん入庫にゅうこ在庫ざいこ調整ちょうせい人員じんいん不足ふそくとインフレにともな消費しょうひマインドの低迷ていめい原因げんいんとみられた。輸出ゆしゅつさき順位じゅんい5かこく地域ちいき)は、中国ちゅうごく124.7おくえん、アメリカ90.9おくえん香港ほんこん60.2おくえん韓国かんこく29おくえん台湾たいわん26.7おくえんじゅんであった[96]。2023ねん輸出ゆしゅつがく410.8おくえんは、同年どうねん酒類しゅるい輸出ゆしゅつ総額そうがく1,350おくえんやく30.4%をめ、酒類しゅるい品目ひんもくべつうとジャパニーズ・ウイスキーの501おくえんいで2であった[97]

このように日本酒にほんしゅ輸出ゆしゅつ好調こうちょう推移すいいしているが、フランスのワイン輸出ゆしゅつがくやく2ちょうえん(155おくユーロ、2021ねん[98]英国えいこく北部ほくぶスコットランドスコッチ輸出ゆしゅつがくやく5,600おくえん(38おくポンド、2020ねん[99]と、日本酒にほんしゅ輸出ゆしゅつがくの12ばいから42ばいがある。また日本酒にほんしゅ最大さいだい市場いちばとなりえるアメリカの2020ねんのアルコール飲料いんりょう消費しょうひりょうのうち、日本酒にほんしゅはわずか0.2%にすぎず(ビール・ウイスキー・ワインのさんだいアルコールで60%)、そのうち流通りゅうつうりょう換算かんさんでいえば8わり安価あんか現地げんち生産せいさん日本酒にほんしゅである[100]

なお、さけかんする規制きせい税制ぜいせい各国かっこくことなる。たとえば、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくではアルコール添加てんかおこなった日本酒にほんしゅは、税制ぜいせいじょう蒸留酒じょうりゅうしゅ同一どういつ区分くぶんとなり、じゅんべいしゅより酒税しゅぜい大幅おおはばたかくなるため、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく輸出ゆしゅつされる日本酒にほんしゅおおくがじゅんべいしゅとなっている[101]

こう価格かかくたい輸出ゆしゅつ後押あとおしするため輸出ゆしゅつ専用せんよう免許めんきょ設定せっていされている[24]

日本にっぽん国外こくがいにおけるSAKE生産せいさん

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清酒せいしゅ海外かいがいつくみは、明治めいじ時代じだいハワイに移住いじゅうした日本人にっぽんじんおこなって以来いらい歴史れきしがある。現代げんだいにおいては地理ちりてき表示ひょうじ(GI)の規制きせいにより「日本酒にほんしゅ」を名乗なのることはできないため「SAKE」などの名称めいしょう販売はんばいしている。

海外かいがい生産せいさんされたさけみずべいちがいから日本にっぽんさんとはあじことなるためライバルとはならず、日本酒にほんしゅファンをやす可能かのうせい指摘してきされている[1]

各国かっこくでのSAKEづくりは、以下いかのような状況じょうきょうである[102]

大手おおて日本酒にほんしゅメーカーの大関おおぜき松竹梅しょうちくばい月桂冠げっけいかんなどは80年代ねんだいから進出しんしゅつしており現地げんち生産せいさんしているが、アメリカじん経営けいえいする少量しょうりょう生産せいさんのクラフト・サケも増加ぞうかしている[103][1]。2023ねんにはうそさいブランドをようするあさひ酒造しゅぞうニューヨークぞう建設けんせつして操業そうぎょう開始かいしした。「DASSAI BLUE」ブランドで日本酒にほんしゅ販売はんばい開始かいしする[104]同年どうねんには南部なんぶ美人びじんで2年間ねんかん修行しゅぎょうしたアメリカじんらがアーカンソーしゅうホットスプリングスに「Origami Sake」銘柄めいがら日本酒にほんしゅ製造せいぞうするくら設立せつりつした。アーカンソーしゅうコシヒカリ生産せいさんするなどアメリカでのべい生産せいさんの5わりめており、あさひ酒造しゅぞうや「Origami Sake」はどうしゅうさん山田やまだにしき使用しようする[105][104]

このほかメキシコオーストラリアニュージーランドかく1しゃ酒造さけづくりをしている。

日本酒にほんしゅかんする道具どうぐ

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かよ徳利とっくりたるがた徳利とっくり

さけむときやきょうするときにもちいられる道具どうぐ[107]

醸造じょうぞう

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さけつくるためにもちいる道具どうぐ

日本酒にほんしゅかんする施設しせつ

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宗教しゅうきょう施設しせつ

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ほとんどが神道しんとうけいで、神社じんじゃほこら(ほこら)である。日本にっぽん全国ぜんこくさけかんする神社じんじゃは40しゃちかくあり、全部ぜんぶで55以上いじょうかみがまつられる。なかにはこうじ仕込しこすいなどまつ対象たいしょうとくする神社じんじゃもある。日本にっぽんにおいては、ヨーロッパのバッカス中国ちゅうごくもりやすしのように、さけのみのかみとして特定とくていできる神様かみさまはいないとわれている。

まつられているおもかみ

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興味深きょうみぶかいことに、日本酒にほんしゅかんする神社じんじゃは、千葉ちばけんから福岡ふくおかけんあいだだけに位置いちするという[108]なかでも京都きょうと奈良なら集中しゅうちゅうしている。

おも神社じんじゃ

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大神神社おおみわじんじゃ
奈良ならけん桜井さくらいさけかみとして大物おおもの主神しゅしん高橋たかはしかついのちたてまつられている。三輪さんりん明神みょうじんとも。
松尾まつお大社たいしゃ
京都きょうと醸造じょうぞうかみとして信仰しんこうされ、おさけ資料しりょうかん併設へいせつされている[109]
弓弦ゆづる神社じんじゃ
なだ五郷いさと古社ふるやしろ
梅宮うめみや大社たいしゃ
京都きょうと。ここのご祭神さいじんはなひらき耶姫(このはなさくやひめ)とそのちちしん大山おおやま祇神(おおやまつみのかみ)で、「日本書紀にほんしょき」では『はなひらき耶姫がせま名田なだいねを以って てん甜酒 を醸んで嘗す』とあり、くに最初さいしょさけつくられた神様かみさまとされています。[110]
出雲いずも大社たいしゃ
島根しまねけん出雲いずも
神社じんじゃ
島根しまねけん出雲いずも島根しまねけん開発かいはつしたさけまいにしき名称めいしょう由来ゆらいともなった。
日吉ひよし大社たいしゃ
滋賀しがけん大津おおつ
きば神社じんじゃ
京都きょうと京田辺きょうたなべきばわたるまめ男神おかみきばわたるまめ女神めがみまつる。
つぼしん神社じんじゃ
奈良ならきばわたるまめ男神おかみきばわたるまめ女神めがみまつる。
酒見さかみ神社じんじゃ
愛知あいちけん一宮いちのみやきばわたるまめ男神おかみきばわたるまめ女神めがみまつる。
御酒みき殿どのしん
三重みえけん伊勢いせ祭神さいじん社名しゃめいおな御酒みき殿どのしん

神社じんじゃ以外いがい

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菩提山ぼだいせん正暦寺しょうれきじ
奈良なら。かつて僧坊そうぼうしゅつくっていた中心ちゅうしんてき寺院じいんであった。はじめて清酒せいしゅがここで醸造じょうぞうされたという伝承でんしょうがあり、「日本にっぽん清酒せいしゅ発祥はっしょう」のいしぶみつ。(参照さんしょう:清酒せいしゅ起源きげん

博物館はくぶつかん資料しりょうかん

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日本酒にほんしゅかんする文化ぶんか行事ぎょうじ

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家庭かてい行事ぎょうじ

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日本酒にほんしゅについての学術がくじゅつ研究けんきゅう

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日本酒にほんしゅ醸造じょうぞう技術ぎじゅつについては、かく蔵元くらもと工夫くふう継承けいしょうされる以外いがいに、日本にっぽん最初さいしょ醸造じょうぞう科学かがく設立せつりつした東京農業大学とうきょうのうぎょうだいがく[113]などで研究けんきゅう教育きょういくおこなわれている。

地酒じざけどころとしてられる新潟にいがたけんは、都道府県とどうふけんりつ研究けんきゅう機関きかんでは唯一ゆいいつ日本酒にほんしゅ専門せんもんとする醸造じょうぞう試験場しけんじょうつ。どうけんにある国立こくりつ新潟大学にいがただいがくけん酒造しゅぞう組合くみあい連携れんけい協定きょうていむすび、2018ねんに「日本酒にほんしゅがくセンター」を設立せつりつ。さらにワインがくをモデルに、日本酒にほんしゅ製造せいぞう技術ぎじゅつだけでなく流通りゅうつうなど経済けいざいてき側面そくめん心身しんしん健康けんこうへの影響えいきょう歴史れきし文化ぶんか芸術げいじゅつとのかかわりを学際がくさいてき研究けんきゅうする全国ぜんこく組織そしき日本酒にほんしゅがく研究けんきゅうかい発足ほっそく(2019ねん)を主導しゅどうし、学会がっかいへの移行いこうをめざしている[114]

日本酒にほんしゅがく(Sakeology)

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日本酒にほんしゅがくとは、醸造じょうぞう発酵はっこうなどのつくりの領域りょういきから、流通りゅうつう流通りゅうつう販売はんばいなどの消費しょうひ関係かんけいする領域りょういき、さらには健康けんこう酒税しゅぜい地域ちいきせい歴史れきし文化ぶんか法律ほうりつなどのよりひろ観点かんてん領域りょういき内包ないほうした総合そうごう科学かがくとしてのあたらしい学問がくもん分野ぶんやである[115]海外かいがいにおいては「ワインがく」という学問がくもん分野ぶんや確立かくりつされており、ペアリングのような感性かんせいてき領域りょういきおもわれるものでも、科学かがくてき根拠こんきょもとづいて議論ぎろんされている。

2018ねん4がつ1にち新潟大学にいがただいがく日本酒にほんしゅがくセンターを設置せっちした新潟大学にいがただいがくでは、新潟にいがたけん新潟にいがたけん酒造しゅぞう組合くみあいとの3しゃあいだ協力きょうりょくのもと、ぜん学部がくぶ学生がくせい対象たいしょうとした「日本酒にほんしゅがくA-1、A-2」を開講かいこうしている。また、当初とうしょ予定よていしていた200めい定員ていいん大幅おおはば上回うわまわ受講じゅこう希望きぼうしゃ殺到さっとうしたため、300めい変更へんこうするなどした。

日本酒にほんしゅ関連かんれんプロジェクトをおこな大学だいがく

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日本酒にほんしゅ題材だいざいにした作品さくひん

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文芸ぶんげい漫画まんが映像えいぞう作品さくひん

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音楽おんがく演劇えんげき舞踊ぶよう落語らくご

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  • えびす飲酒いんしゅ』(こんじゅ)(雅楽ががく) - 唐楽とうがくで、天平てんぺい年間ねんかんはやしそうふつあきらつたえた「はやし邑楽おうらはちきょく」のひとつ。えびす西域せいいきにんさけってこのきょく演奏えんそうするようまいにした、一人ひとりまい舞楽ぶがくでもある。
  • 猩々しょうじょう』(しょうじょう)(のう
  • 安宅あたか』(あたか)(のう) - 山伏やまぶしをやつした義経よしつね主従しゅうじゅう奥州おうしゅう平泉ひらいずみげのびるさい北陸ほくりくどう安宅あたかせきとおろうとすると、あやしまれてめられる。弁慶べんけい関守せきもり富樫とかし山伏やまぶしについて問答もんどうをし、にせ勧進かんじんちょうげ、必死ひっし危機ききえようとする。その姿すがた感銘かんめいけた富樫とかしは、義経よしつね主従しゅうじゅうとはりつつもせき通過つうかゆるし、びのしるしとしていちぎょうさけう。そのさけ豪快ごうかいした弁慶べんけいは、おれいにとのべねんまい披露ひろうしつついちぎょうをせきたてて、奥州おうしゅうびていく。歌舞伎かぶき勧進かんじんちょう』の原作げんさく
  • ぼうばく』(ぼうしばり)(狂言きょうげん) - おも留守るすに、家来けらい太郎たろう冠者かんじゃ次郎じろう冠者かんじゃさけぬすみするので、ある主人しゅじん外出がいしゅつさいして、太郎たろう冠者かんじゃぼうしばけ、また次郎じろう冠者かんじゃうししばってかける。二人ふたりしばられたまま、なにとかさけもうと色々いろいろ工夫くふうしてついにさけのふたをけ、たがいにませい、すっかりってうたうはうはのさわぎとなり、おも悪口わるぐちをいいあっているところとう主人しゅじんかえってくる。歌舞伎かぶきにもほぼおな筋書すじがきのままれられたほか、宝塚たからづか少女しょうじょ歌劇かげき最初さいしょ飲酒いんしゅがテーマになった演目えんもくとしても著名ちょめい
  • ささ』(地歌じうた箏曲そうきょく) - 文化ぶんか文政ぶんせい時代じだいに、京都きょうと活躍かつやくした盲人もうじん音楽家おんがくか菊岡きくおか検校けんぎょう地歌じうたとして作曲さっきょく八重やえさき検校けんぎょうそう手付てつきをした手事てごともの(てごともの)の大曲おおまがり和漢わかん様々さまざま故事こじから、さけにまつわる箇所かしょ色々いろいろいてさけとくたたえたきょく。「ささ」とはさけ美称びしょうでもあり、またこのきょく別名べつめいを「さけ」ともいう。2ヶ所かしょ長大ちょうだい手事てごと楽器がっきだけでそうされるなが器楽きがく間奏かんそう) は技巧ぎこうむかたわら、三味線しゃみせんそういが非常ひじょうおおく、これはさけしつされつするさまをあらわしているといわれる。
  • 勧進かんじんちょう』(歌舞伎かぶきおよび長唄ながうた) - 1840ねん天保てんぽう11ねん初演しょえんよんせいきねろくさんろう作曲さっきょく歌舞伎かぶきじゅうはちばんひとつで人気にんきたかい。内容ないようのうの『安宅あたか』におなじ。また長唄ながうたきょくとしてもられ、演奏えんそうかい長唄ながうたのみ演奏えんそうされることもおおい。
  • 新版しんぱんしゅもち合戦かっせん』(しんぱんさかもちがっせん)(長唄ながうた常磐津ときわづたかし義太夫ぎだゆうぶし きょく) - 昭和しょうわ40年代ねんだい現代げんだい邦楽ほうがく作曲さっきょくきね正邦まさくに作品さくひんさけをはじめとする食品しょくひん擬人ぎじんしたきょくきな元年がんねんあずきすえ自慢じまんのしいがもとで、さけ一族いちぞくもち一族いちぞく座敷ざしきはら合戦かっせんひろげる。それをきつけたしろ大根だいこん練馬ねりまかい台所だいどころ白妙しろたえほうが、人参にんじんあかひめゴボウ黒姫くろひめなどのおんな武者むしゃれて仲裁ちゅうさいはいり、あらそいもおさまり平和へいわになる。
  • 黒田くろだたかし』(福岡ふくおかけん民謡みんよう
  • 禁酒きんしゅ番屋ばんや』(落語らくご) - さけ持込もちこめ禁止きんしをするためにもうけられた番屋ばんやをごまかそうと努力どりょくする様子ようす面白おもしろい。
  • ためしゅ』(落語らくご) - 「うちの下男げなん久蔵きゅうぞうだい酒飲さけのみで5しょうせる」と自慢じまんする近江おうみ主人しゅじんに、尾張おわり主人しゅじん本当ほんとう久蔵きゅうぞうが5しょうめるかどうかのけをちかける。とう久蔵きゅうぞう戸惑とまどって「すこかんがえるのでっていてほしい」といいのこしてひょうく。しばらくしてもどって久蔵きゅうぞう見事みごとに5しょうさけを1しょうずつしてみせる。けにけた尾張おわりが「どうしてそんなにさけめるのか。さっきったときなにかしたのか」とたずねると、久蔵きゅうぞうは「さけを5しょうんだことがなかったので、ひょう酒屋さかやためしに5しょうんできた」
  • 親子おやこしゅ』(落語らくご) - 酒好さけずきの親子おやこ息子むすこ酒癖さけぐせわるいのをうれえた父親ちちおや提案ていあんでが二人ふたり禁酒きんしゅするが、ある息子むすこかけているあいだ父親ちちおやさけはじめてしまう。そこにかえってきた息子むすこ取引とりひきさきすすめられるままにさけんでっている。口論こうろん挙句あげく父親ちちおや女房にょうぼうかって「ばあさん、こいつのかおはさっきからいくつにもえる。こんなもの身代しんだいわたせない」。息子むすこけずに「おれだって、こんなぐるぐるまわいえらねぇ」。
  • 二番煎にばんせん』(落語らくご) - さむふゆばん夜回よまわ当番とうばん面々めんめん番小屋ばんごやなべをつつきながら禁止きんしされているさけんでいると突然とつぜんまわかた同心どうしんさむらい)がそこをおとずれる。あわてた一同いちどうなべさけかくそうとするがさけだけはかくれない。とっさに「これはせんぐすりでございます。」というと「そうか、ども(わたし)もここのところ風邪かぜ気味きみじゃ。町人ちょうにんくすり吟味ぎんみしたい」といってさけくちにする。「うむ、結構けっこうくすりだ。もう一杯いっぱいふるまわんか」と、結局けっきょく同心どうしんなべつけ、さけなべもすっかりたいらげてしまう。「もうせんぐすりがございません」とげると「しからば、いま町内ちょうないをひとまわりしてまいる。ばんせんじておけ」。
  • しばはま』(落語らくご) - 魚屋さかなやかちだい酒好さけずきで仕事しごともろくにしない。あるあさ女房にょうぼうたたこされて渋々しぶしぶ市場いちばかったが、浜辺はまべ大金たいきんはいったかわ財布さいふつけ、んでかえってだい宴会えんかいひらく。翌日よくじつ二日酔ふつかよしたがち女房にょうぼうに、こんなにんで支払しはらいをどうするかとわれる。ひろった財布さいふかねのことをうったえるが女房にょうぼうは、そんなものはらない、かねしさのあまりにってゆめたんだろとう。かち愕然がくぜんとするがついに納得なっとく。つくづく反省はんせいしてだんしゅ決意けついにものぐるいではたらはじめる。さんねん大晦日おおみそかばんいまでは表通おもてどおりにみせかまえ、生活せいかつ安定あんていするまでになった。つまは「はなしがある」と、さんねんまえ財布さいふけんについて真相しんそうかちはなした。じゅうりょうぬすめばくびぶといわれた当時とうじひろったかね横領おうりょう露見ろけんすれば死刑しけいだ。かちつぶれているあいだ長屋ながや大家たいか相談そうだんし、大家たいか財布さいふ役所やくしょとどけ、つまかち泥酔でいすいじょうじて「財布さいふなぞ最初さいしょからひろってない」といくるめることにした。としぬしあらわれなかったために役所やくしょからわたされた財布さいふせられたがちは、みちはずしそうになった自分じぶん立直たちなおらせてくれたつま機転きてんつよ感謝かんしゃする。つま懸命けんめい頑張がんばってきたおっとをねぎらい、ひさりにさけでもとすすめる。はじめはこばんだがちだったが、やがておずおずとはいにする。「うん、そうだな、じゃあ、むとするか」といったんははい口元くちもとはこぶが、やはりまずにはいいてしまう。「どうしたの?」「よそう。またゆめになるといけねえ」

芸能げいのう

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  • 一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじんミス日本酒にほんしゅ主宰しゅさいするミス・コンテストミス日本酒にほんしゅ」では、伝統でんとうある日本酒にほんしゅ日本にっぽん文化ぶんか魅力みりょく日本にっぽん国内外こくないがい発信はっしんする美意識びいしき知性ちせいにつけたアンバサダーを選出せんしゅつする目的もくてき毎年まいとしコンテストを開催かいさいしている。選出せんしゅつされたMiss SAKEは、国内外こくないがいのイベントとうにて日本酒にほんしゅのピーアール活動かつどうおこなっている。

日本酒にほんしゅかんする参考さんこうほん

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脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 日本にっぽんをニッポンとんで、ニッポンしゅりゃく
  2. ^ 酒税しゅぜいほう2じょう1こうは「酒類しゅるい」について、「アルコールぶん1以上いじょう飲料いんりょう…をいう。」と定義ていぎしている。
  3. ^ 酒税しゅぜいほう施行しこうれい2じょうは「清酒せいしゅ原料げんりょうとしてさだめる物品ぶっぴん」として、アルコール、焼酎しょうちゅうぶどうとうその財務省ざいむしょうれいさだめる糖類とうるい有機ゆうきさんアミノ酸あみのさんしお清酒せいしゅさだめる。
  4. ^ この政令せいれいさだめる物品ぶっぴん重量じゅうりょう合計ごうけいは、べいべいこうじの重量じゅうりょうの50%をえないものにかぎられる(酒税しゅぜいほう3じょう7ごうロ)。
  5. ^ 酒税しゅぜいほうじょうは「その醸造じょうぞうしゅ」(3じょう19ごう)、構造こうぞう改革かいかく特別とくべつ区域くいきほうでは「酒税しゅぜいほうだい3じょうだい19ごう規定きていするその醸造じょうぞうしゅべい…、べいこうじおよみずまたべいみずおよむぎその財務ざいむ省令しょうれいさだめる物品ぶっぴん原料げんりょうとして発酵はっこうさせたもので、こさないものにかぎる。)」(28じょう1こう2ごう)、酒税しゅぜい保全ほぜんおよ酒類しゅるいぎょう組合くみあいとうかんする法律ほうりつ施行しこう規則きそくでは「濁酒にごりざけ」(11じょうの5、「べいべいこうじおよみず原料げんりょうとして発酵はっこうさせたもので、こさないもの」)と定義ていぎされる。
  6. ^ けずられた部分ぶぶんべい、あるいは飼料しりょうよう転用てんようされてさい利用りようされている。
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参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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