日本酒
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/c/c8/Sake_set.jpg/220px-Sake_set.jpg)
100 gあたりの | |
---|---|
エネルギー | 561 kJ (134 kcal) |
5 g | |
0 g | |
0 g | |
0 g | |
0 g | |
0 g | |
0 g | |
0.5 g | |
ビタミン | |
ビタミンA |
(0%) 0 µg(0%) 0 µg0 µg |
チアミン (B1) |
(0%) 0 mg |
リボフラビン (B2) |
(0%) 0 mg |
ナイアシン (B3) |
(0%) 0 mg |
ビタミンB6 |
(0%) 0 mg |
(0%) 0 µg | |
ビタミンB12 |
(0%) 0 µg |
コリン |
(0%) 0 mg |
ビタミンC |
(0%) 0 mg |
ビタミンD |
(0%) 0 IU |
ビタミンE |
(0%) 0 mg |
ビタミンK |
(0%) 0 µg |
ミネラル | |
ナトリウム |
(0%) 2 mg |
カリウム |
(1%) 25 mg |
カルシウム |
(1%) 5 mg |
マグネシウム |
(2%) 6 mg |
リン |
(1%) 6 mg |
(1%) 0.1 mg | |
(0%) 0.02 mg | |
セレン |
(2%) 1.4 µg |
78.4 g | |
アルコール (エタノール) | 16.1 g |
| |
%は |
定義
呼称 ・名称
アメリカでは「sake(サーキー)」と
酒税 法 による定義 とアルコール度数
なお、
クラフトサケ(クラフト日本酒 )
分類
特定 名称 分類
普通 酒
特定 名称 酒
こうじ | ||||
---|---|---|---|---|
70% |
15% | |||
60% |
||||
- | ||||
60% |
||||
60% |
||||
50% |
||||
かつ |
かつ |
- | ||
( |
本 醸造 酒 本 醸造 酒 とは、精米 歩合 70%以下 の白米 、米 こうじ、醸造 アルコール及 び水 を原料 として製造 した清酒 で、香味 及 び色 沢 が良好 なものに用 いることができる名称 である。使用 する白米 の重量 の10%未満 (白米 1トンにつきおよそ120リットル以下 )の量 に限 り醸造 アルコールを添加 することができる。特別 本 醸造 酒 特別 本 醸造 酒 とは、本 醸造 酒 のうち、香味 及 び色 沢 が「特 に良好 」であり、かつ、その旨 を使用 原材料 、製造 方法 その他 の客観 的 事項 をもって当該 清酒 の容器 又 は包装 に説明 表示 するもの(精米 歩合 をもって説明 表示 する場合 は、精米 歩合 が60%以下 の場合 に限 る)に用 いることができる名称 である。
純 米 酒 純 米 酒 とは、白米 、米 こうじ及 び水 のみを原料 として製造 した清酒 で、香味 及 び色 沢 が良好 なものに用 いることができる名称 である。ただし、その白米 は、他 の特定 名称 酒 と同様 、3等 以上 に格付 けた玄米 又 はこれに相当 する玄米 を使用 し、さらに米 こうじの総 重量 は、白米 の総 重量 に対 して15%以上 必要 である。特別 純 米 酒 特別 純 米 酒 とは、純 米 酒 のうち、香味 及 び色 沢 が「特 に良好 」であり、かつ、その旨 を使用 原材料 、製造 方法 その他 の客観 的 事項 をもって当該 清酒 の容器 又 は包装 に説明 表示 するもの(精米 歩合 をもって説明 表示 する場合 は、精米 歩合 が60%以下 の場合 に限 る)に用 いることができる名称 である。
純 米 酒 は、特定 名称 酒 の中 でも(純 米 のものを含 む)吟醸 系 の酒 や本 醸造 酒 に比 べて濃厚 な味 わいがあり、蔵 ごとの個性 が強 いといわれる。- 1991
年 (平成 3年 )に日本酒 級 別 制度 が廃止 されて以降 、2003年 (平成 15年 )12月31日 までの間 は、「純 米 酒 」の品位 を一定 以上 に保 つため、「精米 歩合 が70%以下 のもの」と法的 に規制 されていた。当時 は精米 歩合 が低 い(玄米 をより多 く削 る)ほど高級 酒 であるという通念 があったからである。 - しかし、
近年 の規制 緩和 の一環 として、この規定 は2004年 (平成 16年 )1月 1日 に削除 され、米 だけで造 ってあれば、たとえ食用 米 並 の精米 歩合 であっても「純 米 酒 」の名称 を認 めることとなった。この改正 に関 しては、評価 は消費 者 の選択 に任 せるべきで「消費 者 の権利 拡大 である」と賛成 する立場 と「酒造 技術 の低下 を招 くもの」と批判 する立場 がある。 - この
規制 緩和 によって、醸造 アルコール無 添加 でも米 粉 などを使用 していたために「純 米 酒 」を名乗 れなかった銘柄 が、数多 く格上 げされるのではないかという疑念 があったが、実際 には先述 のように「麹 歩合 15%以上 」「規格 米 使用 」といった制約 があり、麹 歩合 15%未満 の酒 や規格 外米 ・屑米 ・米 粉 を使用 した酒 は「純 米 酒 」を称 することはできない。 一方 で上記 の条件 を満 たした上 で、かつて普通 酒 にも用 いられなかったような高 い精米 歩合 に敢 えてすることで、独特 の酒 質 を引 き出 す低 精白 酒 などの新 しい純 米 酒 の開発 も進 んだ。吟醸 酒 吟醸 酒 とは、精米 歩合 60%以下 の白米 、米 こうじ及 び水 、又 はこれらと醸造 アルコールを原料 とし、吟醸 造 りによって製造 した清酒 で、固有 の香味 及 び色 沢 が良好 なものに用 いることができる名称 である。低温 で長時間 かけて発酵 させて造 られ、吟醸 香 と呼 ばれるリンゴやバナナ、メロンを思 わせる華 やかな香気 成分 (酢酸 イソアミルやカプロン酸 エチルなど)を特徴 とする[12]。吟醸 造 りでは、もろみを絞 る直前 に醸造 アルコールを添加 することで、芳香 成分 を酒粕 側 から日本酒 側 に移行 させることができる。なお、添加 できる醸造 アルコールの量 は、白米 の重量 の10%未満 (白米 1トンにつきおよそ120リットル以下 )と定 められている。純 米 吟醸 酒 純 米 吟醸 酒 とは、吟醸 酒 のうち、醸造 アルコールを添加 せず、米 、米 こうじ及 び水 のみを原料 として製造 したものに特 に用 いることができる名称 である。一般 に醸造 アルコールを添加 した吟醸 酒 に比 べて香 りは穏 やか(控 えめ)になり、味 は厚 みのあるものとなる。
本 記事 を含 めて一般 に吟醸 系 (の酒 )と表現 する場合 は、吟醸 酒 、純 米 吟醸 酒 、大 吟醸 酒 、純 米 大 吟醸 酒 などの酒 を総称 している。元々 は鑑 評 会 向 けの特 に「吟味 して醸 した酒 」を意味 した。1920年代 から開発 に着手 され、1930年代 の精米 技術 の向上 、1950年代 以降 の吟醸 酒 製造 により適 した酵母 の頒布 、1970年代 の温度 管理 技術 と麹 および酵母 の選抜 育種 技術 の進歩 に促 されて品質 が向上 するとともに、やがて一般 市場 に出回 るだけの生産 量 が確保 できるようになった。吟醸 系 の酒 が日本 国内 の市場 に流通 するようになったのは1980年代 以降 であり、2000年代 以降 では日本 国外 でも日本 食 ブームに伴 って需要 が高 まっている(参照 :「吟醸 酒 の誕生 」)。大 吟醸 酒 大 吟醸 酒 とは、吟醸 酒 のうち、精米 歩合 50%以下 の白米 を原料 として製造 し、固有 の香味 及 び色 沢 が特 に良好 なものに用 いることができる名称 である。吟醸 酒 よりさらに徹底 して低温 長期 発酵 する。最後 に吟醸 香 を引 き出 すために少量 の醸造 アルコールを添加 する。添加 できる醸造 アルコールの量 は、吟醸 酒 と同 じく白米 の重量 の10%未満 である。
純 米 大 吟醸 酒 純 米 大 吟醸 酒 とは、大 吟醸 酒 のうち、醸造 アルコールを添加 せず、米 、米 こうじ及 び水 のみを原料 として製造 したものに特 に用 いることができる名称 である。一般 に醸造 アルコールを添加 した大 吟醸 酒 に比 べて穏 やかな香 りで味 わい深 い。
他 の分類
表示
ラベル表示 用語
任意 記載 事項
原料 米 の品種 名 酒造 好適 米 など、特定 の品種 を原料 米 の50%以上 使用 した場合 、品種 名 とその使用 割合 を表示 できる。清酒 の産地 名 単一 の産地 で製造 された場合 、産地 名 を表示 できる。貯蔵 年数 一 年 以上 貯蔵 ・熟成 された清酒 には、貯蔵 年数 を表示 できる。酒造 メーカーによっては、1年 以上 経 た酒 に古 酒 、古 々酒 、大古 酒 、熟成 酒 、熟成 古 酒 、秘蔵 酒 などの名称 を冠 して販売 することがある。年数 と用語 に関 する統一 された基準 はないが、酒蔵 や酒販 店 で組織 する長期 熟成 酒 研究 会 によれば3年 以上 寝 かせた酒 を指 すことが多 い[13]。原酒 上 漕 後 、割 水 もしくは加水 調整 (アルコール分 1%未満 の範囲 内 の加水 調整 を除 く)をしない清酒 。生酒 製 成 後 、加熱 処理 (火入 れ)を一 度 もしない清酒 。酵母 などの微生物 や酵素 が残 っており品質 が変化 しやすいので、鮮度 には注意 が必要 であり、冷蔵 保存 する必要 がある。生 貯蔵 酒 製 成 後 、火入 れをしないで貯蔵 し、製造 場 から移出 する際 に火入 れした清酒 。貯蔵 期間 については規定 されていない。生一本 清酒 の製法 品質 表示 基準 「単一 の製造 場 のみで醸造 した純 米 酒 である場合 」と定 められている。表示 基準 などが制限 される以前 は、「灘 酒 」が生一本 の代名詞 として呼 ばれていた。[14]樽 酒 木製 の樽 で貯蔵 し、木 香 のついた清酒 (瓶 その他 の容器 に詰 め替 えたものを含 む)。
その他 の表示
生 詰 酒 生 貯蔵 酒 とは逆 に、製 成 後 、火入 れをしてから貯蔵 し、製造 場 から移出 する際 には火入 れを行 わない清酒 。- ひやおろし
冬季 に醸造 した後 に春 ・夏 の間 涼 しい酒蔵 で貯蔵 ・熟成 させ、気温 の下 がる秋 に瓶詰 めして出荷 された清酒 。本 ページ「ひやおろし」参照 。
荒 走 り(あらばしり)上 槽 時 、すなわち槽 という搾 り器 を使 って醪 (もろみ)を搾 るときに、最初 にほとばしるように出 てくる部分 の酒 のこと。圧力 を加 えないで、最初 に積 まれた酒 袋 の重 みだけで自然 に出 てくるもの。一般 に固形 分 である滓 (おり)が多 く、アルコール度 は比較 的 に低 めで、香 りも高 く切 れ味 が良 い。中 取 り(なかどり)、中 汲 み(なかぐみ)、中 垂 れ(なかだれ)上 槽 時 、荒 走 りの次 に、中間 層 として出 てくる部分 。アルコール度 や味 は、ほどほどの中 間 点 。味 と香 りのバランスが最 も良 い、あるいは荒 走 りより練 られた味 だ、とも評 される。厳密 には、この中 取 り、もしくは中 汲 み、中 垂 れという一 つの段階 の中 にも、酒 袋 が槽 一 杯 になるまで積 まれたときに酒 袋 の山 の自重 で出 てきたものと、自重 に加 えてさらに圧力 を掛 けたときに出 てきたものの二 段階 がある。責 め(せめ)・押 し切 り(おしきり)上 槽 時 、最後 に出 てくる部分 。特 に槽 搾 りにおいて、圧搾 して出 てきた部分 。アルコール度 は高 く、かなり練 られた濃 い味 。袋 吊 り、袋 しぼり、雫 しぼり、首吊 り上 槽 時 、もろみを袋 に詰 め、袋 を吊 り下 げてそこから垂 れてくる酒 をとる方法 。出品 酒 などの高級 酒 に多 く用 いられる。こうして採 られた酒 は雫 酒 (しずくざけ)と呼 ばれることもある。斗 瓶 取 り、斗 瓶 囲 い上 槽 時 、出 てきた酒 を斗 瓶 (18リットル瓶 )単位 に分 け、そこから良 いものを選 ぶ方法 。出品 酒 等 の高級 酒 に多 く用 いられる。無 濾過 - 「
無 濾過 」については酒税 法 上 の明確 な定義 はなく、製造 者 によって使 われ方 が異 なる。「一切 濾過 行為 をしない」「不要 な固形 物 を取 り除 くための粗 い目 のフィルター以外 には濾過 をしない」「活性炭 濾過 による香味 調整 をしない」などの意味合 いとして表示 される[15]。 濁 り酒 、おりがらみ濁 り酒 は、上 槽 の際 に粗 い目 の布 などで濾 して、意図 的 に滓 を残 したもの。火入 れをしない場合 は瓶 内部 で発酵 が持続 し、発泡 性 のものになる。おりがらみは、滓 下 げをしないままのもの。どちらも、滓 に含 まれているや旨 み、醪 独特 の濃厚 な香 りや味 わいを楽 しむために造 られる。「にごり酒 」と表示 されていても、清酒 に微 かな滓 が漂 っているものから、瓶 の向 こう側 が見 えないどぶろく状 の商品 まで、濁 りの度合 いは幅広 い。発泡 日本酒 発酵 や封入 による炭酸 ガスの泡 立 ちを楽 しめる発泡 日本酒 もあり、製造元 の酒蔵 が集 まって2016年 に「awa酒 協会 」を設立 した[16]。地理 的 表示 国税庁 の酒類 の地理 的 表示 に関 する表示 基準 を定 める件 (平成 27年 国税庁 告示 第 19号 )により、国税庁 長官 の指定 を受 けた地域 においてはその表示 できるとともに、産地 の特長 を生 かすよう原料 や製法 等 が制限 される。また、「清酒 の産地 のうち国税庁 長官 が指定 するものを表示 する地理 的 表示 は、当該 産地 以外 の地域 を産地 とする清酒 について使用 してはならない」ため、他 地域 で製造 された清酒 には類似 表示 (「○○風 仕込 み」「○○式 清酒 」)が禁止 され、地域 ブランドを保護 できる。2020年 現在 、清酒 では以下 の5地域 。
白山 (白山 菊 酒 ):石川 県 白山 市 、2005年 12月指定 山形 :山形 県 、2016年 12月指定 灘 五郷 :兵庫 県 神戸 市 灘 区 ・東灘 区 、芦屋 市 、西宮 市 、2018年 6月 指定 - はりま:
兵庫 県 姫路 市 、相生 市 、加古川 市 、赤穂 市 、西脇 市 、三木 市 、高砂 市 、小野 市 、加西 市 、宍粟 市 、加東 市 、たつの市 、明石 市 、多可 町 、稲美 町 、播磨 町 、市川 町 、福崎 町 、神 河 町 、太子 町 、上郡 町 、佐用 町 、2020年 3月 指定 三重 :三重 県 、2020年 6月 指定
が
外国 産 清酒 の表示
また、
飲 み方 と料理 への利用
いずれの
歴史
製 成 ・販売 数量 と製造 業者 数 、産地
2018
2017
原料
米
水
硬度 水 の硬度 は、酒 の味 に影響 する要素 の一 つである。おおざっぱに言 えば、軟水 で造 れば醗酵 の緩 いソフトな酒 、硬水 で造 れば醗酵 の進 んだハードな酒 になる。理由 は、醸造 過程 で硬水 を使用 するとミネラルが酵母 の働 きを活発 にしてアルコール発酵 すなわち糖 の分解 が速 く進 み、逆 に軟水 を使用 するとミネラルが少 ないため酵母 の働 きが低調 になり発酵 がなかなか進 まないからである。
検査 は以下 のような項目 で行 われる。
臭気 味 色 度 濁 度 - pH
塩素 イオン- カルシウム
総 硬度 - マグネシウム
- トリクロロエチレン
全 燐 亜 硝酸 性 窒素 および硝酸 性 窒素 -不 検出 でなければならない。過 マンガン酸 カリウム消費 量 一般 細菌 数 -不 検出 でなければならない。大腸菌 群 -不 検出 でなければならない。水銀 鉄 -許容 範囲 は 0.02mg/L以下 (水道 水 では 0.3mg/L以下 )。鉄分 は日本酒 の着色 の原因 となるほか、香味 を低下 させる[31][32]。- マンガン -
許容 範囲 は 0.02mg/L以下 (水道 水 では 0.3mg/L以下 )。
日本 の水 は、各地 によって小差 はあるもののほとんどが中 硬水 であり、香味 を損 ねる鉄分 やマンガンの含有 量 が少 ないので、醸造 に適 しているといえる。太平洋戦争 前 に満州 へ渡 り在留 日本人 のために清酒 の現地 生産 を図 るも、当地 の水 は硬水 で醸造 に適 しておらず、安定 して製造 することは困難 だった[33]。
- なお、
発酵 の助成 促進 または安全 醸造 のための必要 最小限 の塩類 (酸性 りん酸 カリウム、酸性 りん酸 カルシウム、塩化 マグネシウム等 )については、仕込 み水 に添加 することができる[34]。
水 の用途 酒造 りに用 いられる酒造 用水 は、以下 のように分類 される。
醸造 用水 -醸造 作業 の最中 に酒 の中 に成分 として取 りこまれる水 。瓶詰 用水 洗 瓶 用水 -瓶 を洗 う水 である。加水 調整 用水 - アルコール度数 を調整 するために加 える水 。醸造 後 に酒 に取 り込 まれる。雑用 用水 - タンクやバケツの清掃 に用 いる水 。これにも水質 の項 で述 べられているような厳 しい基準 を通過 した酒造 用水 が用 いられる。
麹 (正字 は「麴」)
酵母
乳酸
その他
〈ラベルに
醸造 アルコール - すっきりした味 わいにするため、あるいは香 りを残 すためにもろみに加 えられる。加 えられたものは「アル添酒」と呼 ばれる。糖類 -酒 に甘味 を付 け加 える。精米 の副産物 である米糠 のデンプンを糖化 、精製 したもの(米糠 糖化 液 )を米 の代替 として加 え、発酵 させる場合 もある[38]。アミノ酸 -酒 に旨 みを付 け加 える。酸味 料 -酒 に酸味 を付 け加 える。
<ラベルに
日本酒 の製法
精米
1930
2023
放 冷 ・枯 らし
洗米
浸漬
このとき、
なお、できあがりの
蒸 し
その
なお、
麹 造 り
「
破 精 込 み具合 - それを
見極 めるのに着目 されるのが、米 のところどころに生 じる破 精 (はぜ)である。ちょうど植物 が土中 へ根 を生 やすように、コウジカビが蒸 米 の中 へ菌糸 を伸 ばしていくことを破 精 込 み(はぜこみ)といい、その態様 を破 精 込 み具合 (はぜこみぐあい)という。麹 は、破 精 込 み具合 によって突破 精 型 (つきはぜがた)、総 破 精 型 (そうはぜがた)、塗 り破 精 型 (ぬりはぜがた)、馬鹿 破 精 型 (ばかはぜがた)に分類 される。
突破 精 型 は、コウジカビの菌糸 は蒸 米 の表面 全体 を覆 うことなく、破 精 の部分 とそうでない部分 がはっきり分 かれており、なおかつ菌糸 は蒸 米 の内部 奥深 くへしっかり喰 いこみ伸 びている状態 。強 い糖化 力 と、適度 なタンパク質 分解 力 を持 つ理想 的 な麹 となり、淡 麗 で上品 な酒 質 に仕上 がるため、一般 的 な傾向 としては吟醸 酒 によく使 われる。
総 破 精 型 は、コウジカビの菌糸 が蒸 米 の表面 全体 を覆 い、内部 にも深 く菌糸 が喰 い込 んでいる状態 。糖化 力 、タンパク質 分解 力 ともに強 いが、使用 する量 によっては味 の多 い酒 になりやすい。濃 醇 でどっしりした酒 質 に仕上 がるため一般 に純 米 酒 に好 んで使 われる。
塗 り破 精 型 は、コウジカビの菌糸 は蒸 米 の表面 全体 を覆 っているが、内部 には菌糸 が深 く喰 いこんでいない状態 。糖化 力 、タンパク質 分解 力 ともに弱 く、粕 歩合 が高 く、力 のない酒 になりやすい。
馬鹿 破 精 型 は、前 の工程 、蒸 しの段階 で手加減 を間違 えたため、蒸 米 が柔 らかすぎて、表面 にも内部 にも菌糸 が喰 いこみすぎ、グチャグチャになった状態 。こうなると雑菌 に汚染 されている危険 もある。酒造 りには通常 使 えない。
蓋 麹 法 蓋 麹 法 (ふたこうじほう)は、主 に吟醸 酒 かそれ以上 の高級 酒 のための方法 であり、麹 造 りに要 する時間 は丸 2日 以上 、だいたい50時 間 で、おおかた以下 のような順番 で作業 が行 われる。
種 切 り 35℃近 くの蒸 し米 を薄 く敷 き詰 め、篩 (ふるい)から種 麹 (たねこうじ)、すなわち粉 状 の黄 麹菌 を振 りかけていく。終 わると米 を大 きな饅頭 のように中央 に集 めて布 で包 む。切 り返 し種 切 りから8 - 9時間 経 つと、黄 麹菌 の繁殖 熱 により水分 が蒸発 し米 が固 くなっているので、いったん広 げて熱 を放散 させたうえで、ふたたび大 きな饅頭 にして包 む。盛 り翌 日 あたりになると黄 麹菌 の活動 が盛 んになり、米 の温度 も上昇 が著 しい。そこで大 きな饅頭 を解 き、麹 蓋 (こうじぶた)またはもろ蓋 と呼 ばれる小 さな箱 に米 を約 1.5kgから2.5kgずつ小分 けにしていき、この箱 を決 められたスペースに積 み重 ねて管理 する。麹 蓋 に米 を盛 りつけることからこの工程 を盛 りと呼 ぶ。積 み替 え盛 りから3 - 4時間 経 つと再 び米 が熱 を持 ってくるので、麹 蓋 を上下 に積 み替 えて温度 を下 げる。仲 仕事 (なかしごと) ふたたび熱 を散 らすために米 を広 げて温度 を下 げる。仕舞 い仕事 (しまいしごと) また熱 を散 らすため、米 を広 げる。これで米 の熱 を散 らす作業 は終 わりという意味 から仕舞 い仕事 と呼 ぶのだが、実際 上 はこれが最後 ではない。最高 積 み替 え仕舞 い仕事 のあとも米 の温度 はさらに上 がる。温度 が最高 になったときに、最後 の温度 調整 のために麹 蓋 の上下 積 み替 えを行 う。温度 が最高 になったときに行 うので最高 積 み替 えという。この後 も何 回 か米 の温度 を見 て、適宜 に積 み替 えをして温度 を下 げる作業 が続 く。出 麹 (でこうじ) 50時 間 ほど経過 した頃 になると、栗 を焼 いたような香 ばしい匂 いがしてくる。これが麹 ができたサインとなる。こうなったら麹 室 から麹 を出 す。
床 麹 法 床 麹 法 (とここうじほう)は、麹 蓋 や麹 箱 を用 いずに、麹 床 (こうじどこ)などと呼 ばれる、米 に黄 麹 を振 りかける台 で米 の熱 を放散 させて造 る方法 である。普通 酒 を中心 とした酒 質 に用 いられる。
機械 製 麹 法 機械 製 麹 法 (きかいせいぎくほう)は、機械 を用 いて麹 を大量 生産 できる方法 。手間 がかからず生産 コストは抑 えられるが、できる酒 質 には限界 があるので、高級 酒 には適 さないとされる。普通 酒 を中心 とした酒 質 に用 いられる。最近 では若 い杜氏 の小 さな蔵 での少量 高 品質 の酒 用 への取 り組 みが注目 されている。人 の手 が入 ることによる雑菌 混入 が引 き起 こす酸度 の予期 せぬ上昇 を抑 えるというメリットがあり、少 ない人員 でより効率 的 に麹 の生育 状 況 を厳密 に管理 できることに加 え、同時 にデータの収集 ・蓄積 も出来 る。今 まで経験 頼 りでムラのある作業 ではない、正確 無比 な狙 い通 りの麹 が造 れることから、積極 的 に小規模 な機械 製 麹 機 によるプレミアム日本酒 造 りが行 われている。
酒 母 造 り
こうした
そのあと
生 酛系
生 酛生 酛(きもと)とは、現在 でも用 いられる中 で最 も古 くから続 く製法 で、乳酸菌 を空気 中 から取 り込 んで乳酸 を作 らせ、雑菌 や野生 酵母 を駆逐 するものである。酒 母 になるまでの所要 期間 は約 1か月 。所要 期間 が長 いのは、工程 が多 く手間 が掛 かるのと、醗酵 段階 も完全 醗酵 させるからである。現在 でも時間 や労力 が掛 かるので敬遠 される傾向 にあるが、成功 すればしっかりとした酒 質 となるため、伝統 の復活 のために取 り組 んでいる酒蔵 も増 えてきている。主 な工程 は以下 の通 り。
米 、麹 、水 を桶 (タンク)に投入 >山 卸 >温度 管理 >酵母 添加 >温度 管理 >酒 母 完成
山 廃 酛山 廃 酛(やまはいもと)とは、生 酛系 に属 する仕込 み方 の一 つで山 卸 廃止 酛(やまおろしはいしもと)の略 である。この方法 で醸造 した酒 のことを山 廃 仕込 み(やまはいしこみ / -じこみ)あるいは単 に山 廃 (やまはい)という。おおざっぱに言 えば、生 酛造 りの工程 から山 卸 を除 いたものとなるが、単 に山 卸 を省略 したものではなく、関連 するその他 の細部 の作業 もいろいろ異 なる。「山 卸 」とは米 と麹 と水 を櫂 で混 ぜる作業 のことで「酛すり」ともいう。
速 醸系
速 醸酛明治 43年 (1910年 )に考案 された。仕込 み水 に醸造 用 の乳酸 を加 え、十分 に混 ぜ合 わせた上 で、掛 け米 と麹 を投入 して行 われる。後述 の高温 糖化 酛と区別 するために普通 速 醸とも呼 ばれる。所要 期間 は約 2週間 。工程 は以下 の通 り。
米 、麹 、水 、乳酸 を混 ぜる >酵母 添加 >温度 管理 >酒 母 完成
高温 糖化 酛酒 母 造 りの最初 の段階 を高温 (55℃から58℃程度 )にすることで糖化 を急速 に進行 させる方法 。甘酒 の製法 と同 じ原理 である。所要 時間 は約 1週間 。生 酛系や普通 速 醸では酒 母 を10℃以下 まで冷却 する必要 があるのに対 し、高温 糖化 酛は20℃程度 まで下 げられればよいので、西日本 や九州 等 、冬場 の気温 が比較的 高 い地域 での酒 母 造 りに向 いているとされる[41][42]。工程 は以下 の通 り。
- お
湯 に米 、麹 を加 え糖化 >乳酸 を混 ぜる >酵母 添加 >温度 管理 >酒 母 完成
その他
菩提 酛菩提 酛(ぼだいもと)は、米 や水 などの環境 中 から乳酸菌 を取 り込 むという意味 では生 酛系に近 く、酒 母 を仕込 む時点 で仕込 み水 に乳酸 が含 まれているという面 からは速 醸系に近 い。
煮 酛
醪 (もろみ)造 り
なお
泡 の状 貌温度 計 もセンサーもなかった時代 から、杜氏 や蔵人 たちは醪 (もろみ)の表面 の泡立 ちの様子 を観察 し、いくつかの段階 に区分 けすることによって、内部 の発酵 の進行 状 況 を把握 してきた。この醪 の表面 の泡立 ちの状態 を(泡 の)状 貌(じょうぼう)といい、以下 のように示 される。
筋 泡 (すじあわ)留 添から2 - 3日 ほど経 つと生 じてくる筋 のような泡 で、醪 の内部 での発酵 の始 まりを告 げる。水泡 (みずあわ)筋 泡 からさらに2日 ほど経 った頃 。カニが口 から吹 くような白 い泡 。醪 の中 の糖分 は頂点 に達 している。岩 泡 (いわあわ)水泡 からさらに2日 ほど経 った頃 。岩 のような形 となる泡 。発酵 に伴 って放熱 されるので温度 上昇 も著 しい頃 である。転覆 留 添から5日 くらいで、仕込 みタンク上面 を覆 う泡 全体 の上下 が反転 することがある[43]。
高 泡 (たかあわ)岩 泡 からさらに2日 ほど経 った頃 。留 添から通算 すると1週間 から10日 前後 。岩 泡 全体 が盛 り上 がりを見 せる。化学 的 には発酵 が糖化 に追 いつこうとしている状態 。泡 あり酵母 と泡 なし酵母 の区別 は、この高 泡 の有無 で決 められることが多 い。- 落泡(おちあわ)
留 添から12日 前後 経 った頃 。泡 の盛 り上 がりが落 ち着 いてくる。化学 的 には発酵 が糖化 に追 いついた状態 。 玉 泡 (たまあわ) さらに2日 ほど、また留 添から通算 で2週間 ほど経 った頃 。詳 しくは大玉 泡 →中玉 泡 →小玉 泡 に分 けられる。泡 は玉 の形 になってどんどん小 さくなっていく。小 さければ小 さいほど発酵 はだいぶ落 ち着 いてきている。地 (じ) さらに5日 ほど、または留 添から通算 3週間 近 く経 った頃 。玉 泡 が小 さくなりきって、今度 は消 えていく。発酵 も終盤 に近 いことを示 す。だが、どの段階 で「醪 造 り」の全 工程 の終了 とみなすかは、杜氏 の判断 に任 されている。目的 とする酒 質 によっては、このまま何 日 か時間 を置 いたほうがよく、また吟醸 系 の場合 はさらにその状態 を持続 させることが好 ましいとされるからである。
アルコール添加
「アルコール
防腐 効果 現在 のアルコール添加 の起源 である江戸 時代 の柱 焼酎 は、酒 の腐 造 を防 ぐため焼酎 を加 える技法 であった。かつては防腐 効果 がアルコール添加 の最 も重要 な目的 であった。衛生 管理 が進 んだ現代 では、こうした意味合 いは薄 れてきている。シェリーやポートワイン等 の酒精 強化 ワインも、同 じ目的 でアルコール添加 を行 っている。香味 の調整 現在 のアルコール添加 の目的 の第 一 はこれである。適切 なアルコール添加 は、醪 からあがった原酒 に潜在 している香 りを引 き出 す。特 に吟醸 系 の酒 の香味 成分 は、水 には溶 けないものが多 く、それを溶 かし出 すためにアルコール添加 が必要 となる。そもそも吟醸 酒 自体 が、アルコール添加 を前提 として開発 された酒 種 であった(参照 :日本酒 の歴史 #吟醸 酒 の誕生 )。吟醸 酒 を生産 する酒蔵 では、アルコール添加 は酒 質 を高 めるために必須 と考 えているところが多 い。味 の軽快 化 現在 のアルコール添加 の目的 の第 二 。醪 (もろみ)の中 には、発酵 の過程 で生成 された糖 や酸 が多 く含 まれており、これらを放置 しておくと、完成 した酒 が、良 く言 えば重厚 、悪 く言 えば鈍重 な味 わいになる。ここでアルコール添加 を行 っておくと、それらが調整 される。また純 米 酒 はその性質 上 、多 かれ少 なかれ酸味 が飲 んだ後 に残 る。アルコール添加 により酸味 が抑 えられ、飲 み口 がまろやかになる。さらに、現代 の食生活 では旨 み・油 が多用 され、飲料 としては軽快 な味 わいのものが求 められるようになってきたために、酒 の切 れ味 を良 くするために、アルコール添加 が活用 されている側面 もある。増量 三増 酒 の全盛 時代 には、酒 の量 を水増 しするために行 われた。「『アル添』という工程 が、一般 的 に悪 いイメージを持 たれるのには、主 にそうした前 の時代 の負 の遺産 である」とい訳 されることもあるが、「実際 に『アル添』された酒 は、臭 みが増 す」との声 もある。
上 槽
なお、
また
滓 下 げ
なお、
濾過
活性炭 濾過 生酒 (なましゅ)の中 に、粉末 状 の活性炭 を投入 して行 われる濾過 を炭素 濾過 (たんそろか)もしくは活性炭 濾過 (かっせいたんろか)ともいう。この活性炭 粉末 を、酒蔵 では単 に炭 (すみ)と呼 ぶ。基本 的 には一般 家庭 の冷蔵庫 などで使 われる脱臭 炭 や、煙草 のフィルターに入 っている黒 い粉末 と同 じものである。生酒 (なましゅ)に活性炭 を投入 し、取 り除 きたい成分 や色 をその炭 に吸着 させて沈澱 させる。その後 に不要 成分 ごと炭 を脱去 する。活性炭 を投入 するといっても、単 に投 げ入 れるだけではなく、活性炭 の種類 や加 える量 によって取 り除 ける成分 や色 が異 なるところにこの工程 の難 しさがある。このように、炭 加減 (すみかげん)が大変 に微妙 であることから、地酒 の本場 では蔵人 の間 で炭屋 (すみや)と呼 ばれる、この工程 だけの専門 家 が多 く存在 した。活性炭 をあまり入 れすぎると酒 は澄 んでくるが、味 も色 も香 りも全 て無 化 して面白 くも何 ともない完成 酒 になってしまう。かつては生酒 (なましゅ)1キロリットルにつき炭 1キログラムを投入 する、通称 「キロキロ」が目安 とされていたが、現在 では活性炭 の使用 量 は減少 傾向 にあり、使用 しないことも増 え、炭屋 なる専門 職 は減少 傾向 にある[49]。また活性炭 を使用 してから他 の方法 で濾過 する場合 も多 いので、「活性炭 の使用 」の有無 と「濾過 」の有無 は、違 う話 である。珪藻土 濾過 精製 された珪藻土 の層 を用 いた濾過 を行 い、夾雑 物 を、そして活性炭 濾過 を行 ったあとであれば活性炭 そのものを取 り除 く。珪藻土 とは珪藻 類 の化石 で、非常 に小 さな孔 を多数 持 つ形状 をしており、色 の元 となる物質 、雑 味 物質 、香 り物質 もある程度 除去 する。この濾過 技術 の進歩 は、活性炭 の使用 減少 の一助 ともなっている。濾紙 による濾過 特殊 な濾紙 を用 いて濾過 をする場合 もある。- フィルター
濾過 最近 とみに増加 してきた。カートリッジ式 のフィルターを用 いて濾過 する方法 。カートリッジ式 なので取 り替 えが可能 で、手軽 さがメリットである。特 に生酒 (なまざけ)として出荷 する場合 は、高 精度 な(0.22 - 0.5μ m程度 の)濾過 を行 うことで火 落 ち菌 を含 む微生物 を除去 することがある[50]。
いわゆる「
火入 れ
火入 れと「生酒 」の関係 火入 れをしていない酒 は「生酒 」「無 濾過 生 原酒 」などとして人気 がある。そういう「生 」系 の酒 は瑞々 しく、香 りも若 やいで華 やかであり、また残存 する微 発泡 感 はのど越 しもよい。火入 れをするとそれらの酒 の繊細 さが失 われるため、保存 管理 さえ徹底 されていれば「生酒 」には火入 れした酒 にはない味 わいがある。
従来 は低温 での保存 、流通 を管理 するのは難 しく「生酒 」が市場 に出 るのはまれだった。保存 管理 が行 き届 くようになった近年 は「生酒 」が市場 に出回 るようになり、日本酒 の中 で「生酒 」が新 しい楽 しみ方 の一 つとなっている。
- ただし、
日本酒 は火入 れをしなければ劣化 が早 く、すぐに生老 ね香 を発 するため、生酒 は特 に正 しい保存 管理 をしなければならない。
- また「
生 」系 の酒 の味 は荒々 しく、貯蔵 ・熟成 を経 た酒 が持 つ旨 みやまろみ、深 みに欠 けるため、従来 通 りの火入 れの工程 を経 た酒 も日本酒 としての魅力 を失 うわけではない。
- 「
生酒 」をめぐる表示 問題 生 貯蔵 酒 (なまちょぞうしゅ)や生 詰 酒 (なまづめしゅ)に仕立 てる場合 などを除 いて、大 多数 の一般 的 な酒 の場合 、上 槽 から出荷 までの間 に火入 れは二 度 ほど行 われる。すなわち、1回 目 は貯蔵 して熟成 させる前 、2回 目 は瓶詰 めして出荷 する直前 である。特 に1回 目 の火入 れは、成分 に落 ち着 きを与 え、その先 の貯蔵 中 にどのように熟成 していくかの方向 性 を左右 する。これを分 かりやすくチャートにすると以下 のようになる。
生 貯蔵 酒 火入 れ1回 目 をしない。杜氏 蔵人 言葉 では「先生 」(さきなま)、「生 貯」(なまちょ)などという。生 詰 酒 火入 れ2回 目 をしない。杜氏 蔵人 言葉 では「後生 」(あとなま)などという。生酒 (なまざけ)火入 れ1回 目 も2回 目 もしない。杜氏 蔵人 言葉 では「生生 」(なまなま)、「本 生 」(ほんなま)などという。原酒 滓 下 げ1回 目 を施 された上澄 み部分 の酒 のこと。
以上 のような前提 の中 で、生 貯蔵 酒 や生 詰 酒 は、少 なくとも1回 は火入 れをしていて本当 は「生 」ではないわけだから、「生 」を名称 に含 めるのは妥当 ではない、という議論 がなされている。
- また、「
生 」好 みの消費 者 心理 を利用 し、生 貯蔵 酒 や生 詰 酒 の「生 」の字 だけを大 きく、あるいは目立 つ色彩 でラベルに印刷 し、その他 の文字 を小 さく地味 に添 えるなどして、あたかも生 貯蔵 酒 や生 詰 酒 が「生 」の酒 であるかのようにイメージを演出 して流通 させている蔵元 もある。一方 では、吟醸 酒 や純 米 酒 の中 には「生 詰 」と表示 しているだけでも、本当 の生酒 (なまざけ)、いうならば「生生 」も流通 されるようになってきた。
貯蔵 ・熟成
熟成 の概要
色調 -黄 緑色 →褐色 →赤褐色 →黒 赤色 。香 り -黒糖 香 →蜂蜜 香 → キャラメル香 →老酒 香 。味 濃 醇化 -味 幅 の拡 がり、苦味 の増加 、五 原 味 の調和 。触感 -丸 ろやかさ、滑 らかさの増大 。物性 - オリの生成 。
とされている[53]。
熟成 のメカニズム
食 との相互 補完
新酒 、古 酒 ・秘蔵 酒
大古 酒
ひやおろし
ひやおろしとは、
割 水
この
いっぽう、
ブレンド
瓶詰 め・出荷
こうして
製法 の用語 ・表現
「歩合 」
「 -
「仕込 み」「造 り」
「
というように、ほぼ
「 -
山 廃 仕込 み(やまはいじこみ)段 仕込 み(だんじこみ)三 段 仕込 み(さんだんじこみ)四 段 仕込 み寒 仕込 み(かんじこみ) または寒 造 り(かんづくり)十 水仕 込 み(とみずじこみ)宮 水仕 込 み(みやみずじこみ)高熱 液化 仕込 みまたは高温 液化 仕込 み木 桶 仕込 み または木 桶 造 り木 樽 造 り融 米 造 り(ゆうまいづくり)焙 炒 造 り(ばいしょうづくり)姫 飯 造 り(ひめいいづくり)
「酛」「酒 母 」
- 「酛(もと)」=「
酒 母 (もと/しゅぼ)」
はほぼ
「 - 酛」または「 -
菩提 酛(ぼだいもと)煮 酛(にもと)高温 糖化 酛(こうおんとうかもと)または「高温 糖化 酒 母 」速 醸酛(そくじょうもと)中温 速 醸酛(ちゅうおんそくじょうもと) または 「中温 速 醸酒母 」山 廃 酛(やまはいもと)または「山 卸 廃止 酛」生 酛(きもと)
その他
日本酒 の評価 基準 ・用語 ・表現
日本酒 度
日本酒 度 = (1/清酒 の比重 - 1)×1443
これを
清酒 の温度 を15 ℃にした時 の比重 = 1443/(1443 +日本酒 度 )
計測 方法
- 浮ひょう
法 [66]
対象 とする清酒 を15℃にし、規定 の浮秤(ふひょう en:hydrometer)を浮 かべて計測 する。そのときに、4℃の蒸留 水 と同 じ質量 の酒 の日本酒 度 を0とする。
振動 式 密度 計 法
日本酒 度 =1443/S-1443 (ただし、Sは比重 (15/4℃))
酸度
甘辛 度
甘辛 度 = 0.86×ブドウ糖 濃度 - 1.16 ×酸度 - 1.31
また、
甘辛 度 = {193 593 ÷(1443 +日本酒 度 )} - 1.16 ×酸度 - 132.57
とすることもできる。
この
-3 | |
かなり |
-2 |
すこし |
-1 |
どちらでもない | 0 |
すこし |
1 |
かなり |
2 |
3 |
濃淡 度
濃淡 度 = 0.42×ブドウ糖 濃度 - 1.88 ×酸度 - 4.44
アミノ酸 度
味 の表現
辛口 日本酒 の味覚 評価 も、基本 的 に五味 (酸 苦 甘辛 鹹)であるが、料理 のそれと同 じ言葉 を使 っていても概念 は大 きく異 なる。「辛 い」といっても、料理 における辛 (トウガラシやコショウのような味 )や鹹(塩辛 さ)ではない。また、舌 の表面 にある味 蕾 (みらい)でキャッチされ脳 へ送 られる味覚 は甘味 、酸味 、塩味 、苦味 、うま味 のみであり、味 細胞 には辛味 の受容 体 はないため、「酒 が辛 い」と感 じるのは、舌 表 の痛覚 がアルコールに刺激 されているだけだと考 えられる。- そのため
一般 に、アルコール度 や日本酒 度 が高 ければそれだけ辛口 に感 じる。また、「淡 麗 辛口 が優 れた酒 の基本 条件 である」かのような偏 った認識 (参照 :辛口 ブーム)が蔓延 していた頃 もあったが、辛口 には辛口 の良 さ、旨 口 には旨 口 の良 さがあり、「この酒 は甘口 だ/辛口 だ」というだけの品評 にはあまり意味 はない(参照 :日本酒 度 ・甘辛 度 ・アミノ酸 度 )。 甘口 旨 口 (うまくち)と混同 されることが多 いので注意 が必要 である。日本酒 の比重 を大 きくする成分 のほとんどが糖分 であるため、一般 には「日本酒 度 が低 ければ甘口 」といえる。- しかしながら、
濁 り酒 (にごりざけ)やおりがらみのように固形 分 を含 む日本酒 は比重 が大 きく、日本酒 度 は低 くなるが、必 ずしも甘口 になるとは限 らない。 旨 口 (うまくち)一般 に清酒 に関 して「甘口 」と表現 されるのは、じつはこの旨 口 である場合 がほとんどである。相対 的 に辛味 が刺激 されないため「甘口 」と間違 えられやすいのである。旨 口 は、辛口 の要素 となりやすいキレよりも、コクと奥行 きのある馥郁 (ふくいく)たる味 わいである。目指 す仕上 がりへ持 っていくためには、アルコール度数 の高 さでごまかせないため、造 り手 にとってはある意味 でいっそう難 しい味 ともいわれる。端麗 /淡 麗 (たんれい)口 に含 んだときに、きれいで滑 らかな感 じを受 けたときに用 いる表現 である。日本語 としては本来 「端麗 」が正 しいのだが、1980年代 に始 まる辛口 ブームの間 に商標 などを通 じて「淡 麗 」と書 かれ始 め、現在 では酒 の味 に関 しては「淡 麗 」と書 くようになった。芳醇 /豊 醇 (ほうじゅん)香 りが高 く味 がよいこと。本来 「芳醇 」が正 しい(日本語 の辞書 の中 には「芳醇 」がなく、「芳 純 」「芳 潤 」ともある)表記 であるが、商標 や酒 銘 などで一般 化 し「豊 醇 」とも表記 される。濃 醇 (のうじゅん)味 が濃 いこと。「淡 麗 」の対極 にあるのはむしろこの濃 醇 である。- ピン
後味 が引 き締 まった感 じを指 す。辛 ・甘 ・旨 の味 のバランスによって織 り成 される。そのバランスが酒 の味 のアウトラインを決 めるといってもよい。- キレ
後味 がすっきりして軽快 な場合 に「キレがある」と表現 する。地方 によっては「サバケがよい」と表現 する。荒 い口 に含 んだときに、口中 に刺激 を受 ける状態 を指 す。よく言 えば元気 のある若々 しい味 、わるく言 えば熟成 感 に欠 ける味 である。吟味 (ぎんあじ)長 い時間 をかけて低温 熟成 した酒 に生 まれる、あっさりとした旨 みを指 す。- ふくらみ
口中 に広 がる、バランスの良 いしっかりとしたコクのある味 を指 す。「ゴク味 」「味 の幅 」などとも表現 される。- ゴク
味 酒 の五味 がほどよく調和 して、バランスの良 いコクが感 じられる状態 を「ゴク味 がある」と表現 する。収斂 味 (しゅうれんみ)酒 がまだ若 いときに感 じられる、思 わず口 をすぼめたくなるような渋 みのこと。たいていは酒 の熟成 とともに自然 に消 えていく。逆 に、これが消 えていくのを以って酒 の熟成 度 を舌 で測 ることもできる。押 し味 酒 を利 いたあとの後味 にふくらみがあり、安定 して余韻 を響 かせているような味 。- コシ
押 し味 があって、安定 した味 わい残 すときにはを「コシがある」「コシが強 い」といい、反対 に後味 がぼけた感 じがするときは「コシがない」「コシが弱 い」という。- どっしり
- ふくらみとコシのある、
容易 に燗 くずれのしない、丹念 な造 りの味 に用 いられる表現 。 - しっかり
安定 感 とコシのある、容易 に燗 くずれのしない、丹念 な造 りの味 に用 いられる表現 。ある意味 では「どっしり」よりも頻繁 に使 われる「しっかり」だが、しっかりかどうかを判断 するのは初心者 には難 しいのもまた現実 である。初心者 にも分 かりやすい手軽 な判断 方法 としては、酒 をアルコール14度 くらいにまで水 で割 ってぬる燗 にして味 わってみることである。そのときに味 切 れが良 い酒 は「しっかり」した造 りである。酒 中 に未 分解 の成分 が多 かったり、醪 末期 に急激 に酵母 が死滅 してしまうと、酵母 から余計 なアミノ酸 が出 ることによって、味 切 れが悪 くなることがある。こういう酒 は概 して完全 醗酵 させた酒 に比 べて劣化 が早 く、味 も「しっかりしている」とは言 わない。こういうことは個々人 の主観 、すなわち味覚 で判断 するのが一番 で、裏 ラベルに表示 されているアミノ酸 度 など見 ても分 かることではない。- (
味 /香 りが)開 く 冷 やでは、その酒 質 が本来 持 つ味 や香 りが冷 たさの奥 に閉 じ込 められてしまい、官能 として感 じられないことがあるが、それらを人肌 燗 ・ぬる燗 あたりまで温 めると、花 がゆっくり開 くようにそれらが感 じられてくる。そのような時 に用 いる表現 である。しかしあまり熱 すると、却 って感 じられなくなる。- ちなみに
日本 酒 匠 研究 会 では、「甘 い/辛 い」「淡 麗 /濃 醇 」を座標軸 とする味 の分類 には実用 性 がないとして、飲用 温度 や料理 、器 を連想 しやすい「香 りが高 い/低 い」「味 が濃 い/淡 い」を新 たな座標軸 とし、次 のような四 分 法 を用 いている。 熟 酒 (じゅくしゅ)香 りが高 く、味 が濃 い酒 。時間 をかけて熟成 された濃厚 な味 わい。熟成 酒 、古 酒 、秘蔵 酒 など。醇 酒 (じゅんしゅ)香 りが低 く、味 が濃 い酒 。いわゆるコクが感 じられる味 わい。純 米 酒 、生 酛系 (きもとけい)など。薫 酒 (くんしゅ)香 りが高 く、味 が淡 い酒 。吟醸 香 の在 り方 が鑑賞 できるもの。大 吟醸 など。- 爽酒(そうしゅ)
香 りが低 く、味 が淡 い酒 。軽快 でなめらかなもの。生酒 、生 貯蔵 酒 、低 アルコール酒 など。
色 の表現
しかし
冴 え(さえ)美 しく透 き通 った光沢 。特 に、やや青 みがかって見 える状態 を青 冴 え(あおざえ)といい、高 く評価 される。照 り(てり)- うっすら
山吹 色 に艶 の出 た状態 。たいてい好 まれる。 - ぼけ
少々 混濁 して、色彩 がぼやけていること。透明 度 - どれだけ
透明 に製 成 されたかを語 る指標 。 澄明 度 自然 に造 られた澄 んだみずみずしいきらめき。黄金 色 (こがねいろ)照 りの中 でも最 も好 まれる色調 。番茶 色 (ばんちゃいろ)古 酒 などに多 い、やや濃 く熟成 した色調 。黄金 色 ほどは、色 が鑑賞 の対象 とはならないことが多 い。色 沢 良好 (しきたくりょうこう)鑑 評 会 などで語 られる、色合 いが好 ましいさまを語 る定番 の表現 。色 沢 濃厚 (しきたくのうこう)- かなり
色 がついている状態 。好 ましいと受 け取 る者 も多 い。 混濁 - いろいろな
色調 に濁 っていること。見 た目 としては評価 を得 がたいが、こうした酒 が一概 に味 もまずいとは限 らない。
香 りの用語 ・表現
これも
熟成 香 熟成 によって生 じる好 ましい香 りで、強 いものは「古 酒 香 」とも呼 ばれる。香 りの様態 は様々 で、それぞれ紹興酒 、シェリー酒 、カラメル、干 ししいたけ、干 しブドウなどに例 えて表現 される。吟醸 香 (ぎんじょうこう / ぎんじょうか)- 「ぎんじょうこう」が
正 しい読 み方 とよく言 われるが、専門 家 の中 でもわざわざ「ぎんじょうか」とルビを振 り読者 の注意 を促 す者 もいる[67]ので注意 を要 する。 吟醸 酒 や大 吟醸 酒 に特有 の芳香 。リンゴやバナナのような香 りが最 も一般 的 だが、酒 によってはマロン、クリーム、チョコレートのような吟醸 香 を出 しているものもある。決 して香料 を加 えているのではなく、吟醸 造 りのような低温 発酵 時 に酵母 が出 すエステル類 、特 にカプロン酸 エチルや酢酸 イソアミルに起因 する香 りである(参照 :醪 (もろみ))。造 りの良 い純 米 酒 など、吟醸 酒 以外 にも感 じられることは多 い。なお、生成 された吟醸 香 は全 てが醪 の中 に留 まるわけではなく、多 くは大気 中 に放散 される。このため、ヤコマン装置 によりそれを回収 ・液化 して、醪 の中 に戻 したり、あるいは元 の醪 以外 の日本酒 へ添加 したりすることもかつて行 われていた。最近 は新型 酵母 の開発 により、そういう必要 はなくなってきたといわれる。- リンゴ
香 吟醸 香 の一種 で、カプロン酸 エチルに起因 するデリシャスリンゴのような芳香 。適度 なリンゴ香 は吟醸 酒 に気品 を与 えるとされる。- バナナ
香 吟醸 香 の一種 で、酢酸 イソアミルに起因 するバナナのような芳香 。適度 なバナナ香 は日本酒 に甘 くフルーティーな香 りの厚 みを加 えるものとして好 まれるが、強 すぎると異臭 に感 じられ「酢酸 エチル臭 」「セメダイン臭 」と呼 ばれて減点 の対象 となる。ヤコマン装置 によって回収 される主 な香 り成分 でもある。新酒 ばな主 に麹 に由来 する新酒 特有 の若々 しい香 りで、熟成 するにしたがって消 えていく。燗酒 #温度 の表現 (飲用 温度 )を好 む熟達 した飲 み手 は、燗 によって強 められた新酒 ばなを敬遠 することが多 い。- アルコール
臭 - アルコール
添加 がうまく行 かなかったときに生 じる薬品 のような臭 い。醗酵 によって生 じるアルコール成分 と違 って、酒 そのものと一体化 していない、添加 したアルコールが浮 いた感 じになって起 こる。 老 ね香 (ひねか)- 「
熟成 が進 みすぎた(過 熟 )」「熟成 しないうちに劣化 した」「保存 方法 が正 しくなかった」などの理由 で、酒 が酸化 してしまったときに生 じる異 香 。熟成 香 と紙一重 で、不快 であれば老 ね香 とされる。それゆえごく稀 に、少 しばかりの老 ね香 はかえって酒 に箔 をつけるものとしてプラスに評価 される場合 もある。 生老 ね香 (なまひねか)- 「
生酒 が古 くなった」「保存 方法 が正 しくなかった」などの理由 から、酵素 の働 きから生 じる、蒸 れたような猛烈 な悪臭 。活性炭 濾過 でも除去 できず、出荷 前 に発生 すると蔵 にとって致命傷 となるが、実際 には出荷 後 の流通 ・小売 業者 、あるいは購入 後 の消費 者 の、保存 方法 や温度 管理 のまずさによるところが大 きい。「生酒 は米 の牛乳 」と思 っておけば、まず間違 いない。 - つわり
香 醪 の醗酵 の失敗 などに起因 する、乳製品 が腐 ったような臭 いで、吐 き気 を催 させることからこう呼 ばれる。専門 的 には「ダイアセチル臭 」と呼 ばれ、「火 落 ち臭 」と似 ている。火 落 ち臭 火 落 ち菌 が繁殖 することによって生 じる臭 いで、菌 の種類 によって様態 は異 なるが、おおむねつわり香 と似 ている。濾過 臭 (ろかしゅう)濾過 の工程 で付 く異臭 の総称 。和紙 を水 で濡 らしたときの臭 いに似 ているとされる。炭 臭 (すみしゅう)活性炭 濾過 の工程 で、質 の悪 い炭 を使 ったり、炭 を入 れすぎたときに付 く異臭 。炭 自体 が臭気 を吸収 しやすいので、保存 中 に炭 が外部 から吸収 した臭 い成分 を、酒 に投入 されたときに酒 の中 へ放出 して生 じることも多 い。酸敗 臭 (さんぱいしゅう)腐 造 菌 という雑菌 が醪 を汚染 し、酢酸 などが生成 されて付 く極 めて不快 な臭 い。袋 臭 (ふくろしゅう)醪 をしぼる酒 袋 の臭 いが酒 に移 ったもの。酒 袋 の管理 が正 しくなく、酸化 した付着 物 があったときなどに生 じる。日光 臭 光 にさらされて発生 する、刺激 性 のある異臭 。「ひなた臭 」「けもの臭 」ともいう。室内 蛍光 灯 など、日光 以外 の光線 に長時間 さらされていても発生 する。出荷 後 の流通 ・小売 業者 、あるいは購入 後 の消費 者 の、保存 方法 のまずさに起因 することが多 い。瓶 を新聞紙 などにくるんでおくと防 げる。かつては瓶 の臭 いが酒 についたものと考 えられ「瓶 臭 」という語 があったが、現在 ではそれは日光 臭 と老 ね香 の混 じった臭気 とされている。木 香 (きか / きが / もくが / もくか / もっか)- 「きか」が
正 しい読 み方 とよく言 われるが、専門 家 の中 でも、わざわざ「きが」とルビを振 り読者 の注意 を促 す者 もいる[68]ので注意 を要 する。 - スギなど
樽 の木材 の香 りが酒 に移 ったもの。香 りの程度 と酒 質 によってはプラスに評価 されることもあるが、鑑 評 会 などでは「木 香 臭 (きがしゅう)がする」というと往々 にしてマイナス点 である。ちなみに醗酵 の最中 にアルコール添加 すると生成 されることがある、木 香 のような臭 いを「木 香 様 臭 」といい、本質 的 には別物 であるが混同 されやすい。
また、
上 立香 (うわだちか)- まだ
酒 を口 に含 まず、酒 の表面 から鼻先 へ匂 い立 つ香 。酒 を猪口 に注 いで、丸 く揺 らしたときに立 ち上 がってくる揮発 性 の芳香 。吟醸 香 に重 きを置 く酒 や、鑑 評 会 に出品 される酒 では、とかく重視 される。 含 み香 (ふくみか)酒 を口 に含 み、舌先 で転 がしたときに、鼻 へ抜 けていく香 。香 りの成分 としては、上 立香 ほど揮発 性 が高 くないので、口 に含 むまでは感 じられない。吟香 (ぎんか)酒 を呑 みこむとき、喉 を過 ぎるときに感 じられる香 。鑑 評 会 などで利 き酒 をするときは、酒 は呑 みこまず、味 わったあとは吐 き出 してしまうので、吟香 は味 わえない。よって鑑 評 会 での評価 の対象 になりえないという問題 がある。今 ではほとんど「吟醸 香 」と同 じものを指 す。返 り香 (かえりか)呑 んだあとに、腹 から鼻 に抜 けるように感 じられる香 。これも鑑 評 会 などでは評価 の対象 から漏 れてしまうとして問題 視 する識者 も多 い。
温度 の表現 (飲用 温度 )
これも
55 |
||
50 |
||
45 |
||
ぬる |
40 |
|
37 |
||
33 |
||
15 |
フルーティーさやフレッシュさが | |
10 |
||
5 |
いわゆる「キンキンに | |
(霙(みぞれ)) | -10 |
日本酒 に関 する単位
- 1
升 (しょう)=10合 (ごう)=1.8リットル - 1
石 (こく)=10斗 (と)=100升 - これらの
容積 単位 は全 て日本 の単位 系 である尺貫法 の一部 である。 - 1
升 とは、酒屋 などでごく普通 に目 にする日本酒 の大瓶 、すなわち一升瓶 に入 る容量 である。1901年 (明治 34年 )に白 鶴 が一升瓶 で日本酒 を販売 するようになって以来 、百 年 余 りにわたって主流 を占 めてきた。近年 では、その大 きさやつきまとうイメージの泥臭 さなどが消費 減退 の理由 だと唱 える人々 がおり、小型 化 する傾向 もある(参照 :#日本酒 の製法 )。 - いわゆる
中 瓶 は四 合 瓶 で、文字通 り4合 (720ミリリットル)入 る。 酒蔵 では、18リットル入 る斗 瓶 を使 っており、消費 者 が販売 店 で見 る「斗 瓶 囲 い」といった記載 表示 はそれに由来 する(参照 :#その他 の表示 )。石 (こく)は、主 に酒蔵 の生産 量 を示 すのに用 いられる。これも極 めておおざっぱな目安 であるが、一般 の小 さな酒蔵 だと年間 500石 、大手 の酒蔵 で年間 5,000石 以上 といったところである。当然 ではあるが、生産 石高 と生産 される酒 質 には何 の相関 関係 もない。荷 (か)- 「
荷 」は、主 に酒 の陸上 輸送 に使 われた単位 である。人足 が酒樽 を天秤棒 (てんびんぼう)で前後 に1個 ずつ担 いだことに由来 する。 - 「
荷 」の表現 は中世 の公家 や僧侶 の日記 に頻出 の表現 であり、「樽 一 荷 」で酒 二 樽 を意味 するようになった[70]。近世 頃 まで使用 された表現 で、江戸 時代 には二 斗 樽 2つを一 荷 とした[71]。 駄 (だ)江戸 時代 に酒樽 が大型 化 し、「伝馬 の制 」の駄馬 の積載 量 上限 である四 十 貫 に合 わせ、四 斗 樽 2樽 を駄馬 に積載 し、これを一 駄 とした。以降 10駄 を一 単位 として酒 価 等 を表示 することが慣例 化 した。半分 の一 樽 は片 馬 と称 した[72]。近世 から明治 以降 の近代 に至 るまで使用 された単位 である。盃 (はい)二 合 五 勺 を表 す[73]。一 升 の半量 である五 合 を「半 ら(なから)」と呼 び、二 合 五 勺 はその半量 であるため「小半 ら(こなから)」と称 されることもある。橘 南 谿の『西遊 記 』においては、西国 では一 ぱいを四 合 二 三 勺 程度 として酒 を売 っていたとしており、この呼称 は琉球 まで同様 であったとしている。また、オランダの丸 型 フラスコもその容量 が壱 杯 と同 容量 であったと記述 している[74]。献 (こん)現在 では「一献 やりましょう」というように、「一緒 に酒 を飲 む」という意味 で用 いられる。古 くは一 盃 になみなみと酒 を満 たし、酒席 をぐるりとひと回 りするのが「一献 」であった。例 えば「宴 が三献 ほどしたら」というような表現 があった。勺 (しゃく)- 1
升 =10合 =100勺 - 1
勺 は約 18ミリリットル。
日本酒 メーカーと売上 高 ランキング
2016 | |||||
16 ( |
( | ||||
---|---|---|---|---|---|
1 | 34,808 | 27,300[77](23 | |||
2 | 27,387 | 17,300[78](23 | |||
3 | 24,822 | 12,145[79](23 | |||
4 | 16,376 | ||||
5 | 14,770 | 13,230[80](19 | |||
6 | 11,358 | 12,400[81](22 | |||
7 | 11,018 | 9,700[82](22 | |||
8 | 10,803 | 17,400[76](23 | |||
9 | 10,000 | 9,500[83](20 | |||
10 | オエノンホールディングス | 9,105 | |||
11 | 8,589 | 6,247[84](20 | |||
12 | 6,169 | 6,380[85](23 | |||
13 | 6,063 | ||||
14 | 5,452 | 4,400[86](21 | |||
15 | 梵 | 4,829 | |||
16 | 4,300 | 2,030[87](22 | |||
17 | 4,085 | 2,200[88](21 | |||
18 | 3,980 | ||||
19 | 3,700 | 4,000[89] | |||
20 | 3,500 |
日本 国外 での人気
日本 国外 への輸出
2023
このように
なお、
日本 国外 におけるSAKE生産
大手 日本酒 メーカーの大関 、松竹梅 、月桂冠 などは80年代 から進出 しており現地 生産 しているが、アメリカ人 が経営 する少量 生産 のクラフト・サケも増加 している[103][1]。2023年 には獺 祭 ブランドを擁 する旭 酒造 がニューヨークに蔵 を建設 して操業 を開始 した。「DASSAI BLUE」ブランドで日本酒 の販売 を開始 する[104]。同年 には南部 美人 で2年間 修行 したアメリカ人 らがアーカンソー州 ホットスプリングスに「Origami Sake」銘柄 の日本酒 を製造 する蔵 を設立 した。アーカンソー州 はコシヒカリを生産 するなどアメリカでの米 生産 の5割 を占 めており、旭 酒造 や「Origami Sake」は同 州 産 の山田 錦 も使用 する[105][104]。
日本酒 に関 する道具
酒 器
醸造 器
日本酒 に関 する施設
宗教 施設
ほとんどが
祀 られている主 な神 々
少 彦名 神 (すくなひこな)-少 名 毘古那 神 とも。大国 主神 (おおくにぬし)-大 己 貴 神 とも。大物 主神 (おおものぬし)大山 祇神(おおやまつみ)-大 山積 神 、大山 津 見神 とも。木 花咲 耶姫 (このはなさくやひめ)-木 華 佐久 耶姫、木花 之 佐久 夜 毘売、木花 開 耶姫とも。大山 咋神(おおやまくい)佐 牙 弥 豆 男神 と佐 牙 弥 豆 女神 (さかみずお・さかみずめ)-酒 弥 豆 男神 と酒 弥 豆 女神 、酒 美 豆 男 と酒 美 豆 女 とも。
主 な神社
大神神社 奈良 県 桜井 市 。酒 の神 として大物 主神 、高橋 活 日 命 が奉 られている。三輪 明神 とも。松尾 大社 京都 市 。醸造 の神 として信仰 され、お酒 の資料 館 も併設 されている[109]。弓弦 羽 神社 灘 五郷 の古社 。梅宮 大社 京都 市 。ここのご祭神 は木 之 花 開 耶姫(このはなさくやひめ)とその父 神 、大山 祇神(おおやまつみのかみ)で、「日本書紀 」では『木 之 花 開 耶姫が狭 名田 の稲 を以って天 甜酒 を醸んで嘗す』とあり、我 が国 で最初 に酒 を造 られた神様 とされています。[110]出雲 大社 島根 県 出雲 市 。佐 香 神社 島根 県 出雲 市 。島根 県 が開発 した酒 米 佐 香 錦 の名称 由来 ともなった。日吉 大社 滋賀 県 大津 市 。佐 牙 神社 京都 府 京田辺 市 。佐 牙 弥 豆 男神 と佐 牙 弥 豆 女神 を祀 る。壺 神 神社 奈良 市 。佐 牙 弥 豆 男神 と佐 牙 弥 豆 女神 を祀 る。酒見 神社 愛知 県 一宮 市 。佐 牙 弥 豆 男神 と佐 牙 弥 豆 女神 を祀 る。御酒 殿 神 三重 県 伊勢 市 。祭神 は社名 と同 じ御酒 殿 神 。
神社 以外
博物館 ・資料 館
男山 酒造 り資料 館 (北海道 旭川 市 ) - もとは摂 泉 十 二 郷 の銘柄 であった「男山 」340年 の歴史 と江戸 時代 の資料 、文献 、酒 器 などが展示 、公開 されている。南部 杜氏 の里 (岩手 県 花巻 市 石鳥谷 町 ) -南部 杜氏 伝承 館 、南部 杜氏 会館 、南部 杜氏 歴史 民俗 資料 館 、石鳥谷 農業 伝承 館 など多 くの南部 杜氏 に関 する歴史 や文物 の展示 施設 が点在 している。松山 酒 ミュージアム(宮城 県 大崎 市 (旧 志田 郡 松山 町 ))酒造 資料 館 東光 の酒蔵 (山形 県 米沢 市 )-大 吟醸 の試飲 が1000円 で可能 である。[111]月山 の酒造 資料 館 設楽 酒造 店 (山形 県 西村山 郡 西川 町 )秩父 錦 酒 づくりの森 (埼玉 県 秩父 市 ) -秩父 市 矢尾 本店 が開設 している資料 館 で、江戸 時代 の酒造 関係 の文書 や機具 、また全国 に散在 する江 州 蔵 の成 り立 ちについての資料 を展示 している。日本 の酒 情報 館 Sake Plaza(東京 都 港 区 ) -日本酒 造 組合 中央 会 が直営 する日本酒 や焼酎 に関 する資料 館 。各種 展示 のほか、約 6,000冊 の関係 資料 の閲覧 もできる。イベント開催 のため閉館 の日 も多 い。- ぽんしゅ
館 (新潟 県 南魚沼 郡 湯沢 町 ) -上越新幹線 越後 湯沢 駅 構内 に併設 されている小規模 の博物館 だが、新潟 県内 ほぼ全 ての酒 を利 けるコーナーや酒 風呂 などがある。 國 盛 酒 の文化 館 (愛知 県 半田 市 )- キンシ
正宗 堀野 記念 館 (京都 市 中京 区 ) 月桂冠 大倉 記念 館 (京都 市 伏見 区 )- キザクラカッパカントリー(
京都 市 伏見 区 ) - ブルワリーミュージアム(
兵庫 県 伊丹 市 ) 日本 盛 酒蔵 通 り煉瓦 館 (兵庫 県 西宮 市 )白 鹿 記念 酒造 博物館 (兵庫 県 西宮 市 )白鷹 禄 水 苑 (兵庫 県 西宮 市 )酒 匠 館 (兵庫 県 神戸 市 東灘 区 ) - 2009年 運営 蔵元 の廃業 により廃止 。白 鶴 酒造 資料 館 (兵庫 県 神戸 市 東灘 区 )神戸 酒 心 館 (兵庫 県 神戸 市 東灘 区 )沢 の鶴 資料 館 (兵庫 県 神戸 市 東灘 区 )浜 福 鶴 吟醸 工房 (兵庫 県 神戸 市 東灘 区 )櫻 正宗 記念 館 櫻 宴 (兵庫 県 神戸 市 東灘 区 )菊 正宗 酒造 記念 館 (兵庫 県 神戸 市 東灘 区 )明石 江井 島 酒 館 (兵庫 県 明石 市 )西条 酒蔵 通 り(広島 県 東広島 市 )
日本酒 に関 する文化 行事
家庭 行事
屠蘇 (屠蘇散 )別 火 (わかれび)桃 の節句 。燗 を止 めることを指 す。花見 酒 (はなみざけ)菖蒲酒 (しょうぶざけ)五 月 五 日 の端午 の節句 に飲 む。燗 をしたお酒 の中 に菖蒲 の茎 を浸 して味 わうもので、飲 めば邪気 払 いになるという。夏越 酒 (なごしざけ)六 月 の晦日 に、半年 間 の汚 れを流 す意味 から飲 むお酒 。これからの暑 い夏 を乗 り越 えるため、暑気 払 いのお酒 。[112]菊 酒 (きくざけ)菊 の節句 。燗 のつけはじめでもあった。月見 酒 (つきみざけ)雪見 酒 (ゆきみざけ)
祭 り
日本酒 についての学術 研究
日本酒 学 (Sakeology)
2018
日本酒 関連 プロジェクトを行 う大学
日本酒 を題材 にした作品
文芸 ・漫画 ・映像 作品
藏 -宮尾 登美子 作 の小説 。太平洋戦争 前 に新潟 県 の造 り酒屋 の娘 として生 まれた女性 が、障害 を負 いながらも蔵元 として成長 する姿 を描 く。1995年 に松 たか子 主演 でテレビドラマ、浅野 ゆう子 主演 で映画 化 された。夏子 の酒 -尾瀬 あきら作 の漫画 。東京 でOLをしていた新潟 県 の造 り酒屋 の娘 が、兄 の死 をきっかけに蔵 を継 ぎ、様々 な問題 に立 ち向 かう。亀 の尾 復活 をモデルに幻 の酒 米 の復活 の描写 がある。1994年 に和久井 映見 主演 でテレビドラマ化 された。奈津 の蔵 -尾瀬 あきら作 。『夏子 の酒 』の主人公 夏子 の祖母 である奈津 が蔵 に嫁 入 りしてからの半生 を、酒造 技術 の発展 や戦争 などの時代 背景 とともに描 く。美味 しんぼ -雁 屋 哲 原作 ・花咲 アキラ作画 の漫画 ・アニメ。連載 当初 からフランス料理 の「料理 とワインのマリアージュ」に対 し、日本 にも和食 と日本酒 の引 き立 て合 いの文化 があること、あるいは西洋 料理 と日本酒 のマリアージュも紹介 している。一方 、大手 メーカーや非 純 米 酒 に対 して批判 的 な描写 も見 られる。- もやしもん -
石川 雅之 作 の漫画 ・アニメ・ドラマ。麹 や酵母 等 の菌 が見 える主人公 ・沢木 と、周囲 の人間 たちの農業 大学 での生活 を描 く。沢木 は「もやし屋 」こと種 麹屋 の息子 で、共 に上京 入学 した幼馴染 が蔵元 の跡継 ぎなこともあり、また酒造 は発酵 の研究 をしている参加 ゼミの重要 なテーマであることから、日本酒 をはじめとした様々 な酒 が登場 する。 大使 閣 下 の料理人 -西村 ミツル著 の回想 記 、およびこれを原作 として脚色 を加 えたかわすみひろし作画 の漫画 。料理人 である主人公 が雇用 者 である外交 官 に、日本酒 の良 さを説 くものの、日本 国外 での日本酒 の流行 は流行 りに弱 い若 い世代 だけに限 られるとして、取 り合 ってもらえない。最終 的 には、日本酒 の真価 が認 められる、というエピソードがある。酒 のほそ道 - ラズウェル細木 作 。漫画 。東京 でサラリーマン生活 を送 る独身 の岩間 宗達 とその周辺 の飲兵衛 が繰 り広 げる、蘊蓄 とドタバタを季 節 感 たっぷりに紹介 する。蔵人 クロード -尾瀬 あきら作 。漫画 。日系 3世 のアメリカ人 クロードが、造 り酒屋 の蔵人 になり、幻 の酒 を復活 させようとする。- BARレモン・ハート -
古谷 三 敏 作 のバーを舞台 とした漫画 。作中 に日本酒 を含 む多 くの酒 が登場 する。 甘辛 しゃん(1997年度 下期 NHK連続 テレビ小説 )-兵庫 県 篠山 の酒 米 農家 の娘 が台風 災害 と母親 の再婚 によって灘 の造 り酒屋 の家族 となって、生前 の実父 が目指 した純 米 酒 づくりを目指 す物語 。佐藤 夕美子 主演 。恋 のしずく (映画 )(2018年 公開 )-農業 大学 の女子 学生 がインターンシップ先 の広島 市 西条 の造 り酒屋 で日本酒 作 りに奮闘 する物語 。瀬木 直 貴 監督 、川 栄 李 奈主演 。- SAKE NEW WORLD -
テレビ朝日 のミニ番組 。中田 英寿 がナビゲーターを務 める。
音楽 ・演劇 ・舞踊 ・落語
- 『
胡 飲酒 』(こんじゅ)(雅楽 ) -唐楽 で、天平 年間 に林 邑僧 仏 哲 が伝 えた「林 邑楽 八 曲 」の一 つ。胡 (西域 )人 が酒 に酔 ってこの曲 を演奏 する様 を舞 にした、一人 舞 の舞楽 でもある。 - 『
猩々 』(しょうじょう)(能 ) - 『
安宅 』(あたか)(能 ) -山伏 に身 をやつした義経 主従 が奥州 平泉 へ逃 げのびる際 、北陸 道 安宅 の関 を通 ろうとすると、怪 しまれて止 められる。弁慶 は関守 の富樫 と山伏 について問答 をし、偽 の勧進 帳 を読 み上 げ、必死 で危機 を乗 り越 えようとする。その姿 に感銘 を受 けた富樫 は、義経 主従 とは知 りつつも関 の通過 を許 し、詫 びのしるしとして一 行 に酒 を振 る舞 う。その酒 を豪快 に飲 み干 した弁慶 は、お礼 にと延 年 の舞 を披露 しつつ一 行 をせき立 て、奥州 へ落 ち延 びていく。歌舞伎 『勧進 帳 』の原作 。 - 『
棒 縛 』(ぼうしばり)(狂言 ) -主 の留守 に、家来 の太郎 冠者 、次郎 冠者 が酒 を盗 み飲 みするので、ある日 主人 は外出 に際 して、太郎 冠者 を棒 に縛 り付 け、また次郎 冠者 を後 ろ手 に縛 って出 かける。二人 は縛 られたまま、何 とか酒 を飲 もうと色々 と工夫 してついに酒 のふたを開 け、互 いに飲 ませ合 い、すっかり酔 って歌 うは舞 うはの騒 ぎとなり、主 の悪口 をい合 っている所 に当 の主人 が帰 ってくる。歌舞伎 にもほぼ同 じ筋書 きのまま取 り入 れられたほか、宝塚 少女 歌劇 で最初 に飲酒 がテーマになった演目 としても著名 。 - 『
笹 の露 』(地歌 ・箏曲 ) -文化 文政 時代 に、京都 で活躍 した盲人 音楽家 菊岡 検校 が地歌 として作曲 、八重 崎 検校 が箏 の手付 をした手事 もの(てごともの)の大曲 。和漢 の様々 な故事 から、酒 にまつわる箇所 を色々 引 いて酒 の徳 を讃 えた曲 。「笹 の露 」とは酒 の美称 でもあり、またこの曲 の別名 を「酒 」ともいう。2ヶ所 の長大 な手事 (楽器 だけで奏 される長 い器楽 間奏 部 ) は技巧 に富 むかたわら、三味線 と箏 の掛 け合 いが非常 に多 く、これは酒 を差 しつ差 されつするさまを表 しているといわれる。 - 『
勧進 帳 』(歌舞伎 および長唄 ) - 1840年 (天保 11年 )初演 。四 世 杵 屋 六 三 郎 作曲 。歌舞伎 十 八 番 の一 つで人気 が高 い。内容 は能 の『安宅 』に同 じ。また長唄 の曲 としても知 られ、演奏 会 で長唄 のみ演奏 されることも多 い。 - 『
新版 酒 餅 合戦 』(しんぱんさかもちがっせん)(長唄 ・常磐津 節 ・義太夫 節 掛 け合 い曲 ) -昭和 40年代 、現代 邦楽 の作曲 家 、杵 屋 正邦 の作品 。酒 をはじめとする食品 を擬人 化 した曲 。きな粉 元年 あずきの末 、自慢 のし合 いがもとで、酒 一族 と餅 一族 が座敷 が原 で合戦 を繰 り広 げる。それを聞 きつけた白 大根 練馬 介 の御 台所 ・白妙 の方 が、人参 の赤 姫 、ゴボウの黒姫 などの女 武者 を引 き連 れて仲裁 に入 り、争 いも治 まり平和 になる。 - 『
黒田 節 』(福岡 県 民謡 ) - 『
禁酒 番屋 』(落語 ) -酒 の持込 禁止 をするために設 けられた番屋 の目 をごまかそうと努力 する様子 が面白 い。 - 『
試 し酒 』(落語 ) - 「うちの下男 、久蔵 は大 酒飲 みで5升 は飲 み干 せる」と自慢 する近江 屋 の主人 に、尾張 屋 の主人 が本当 に久蔵 が5升 飲 めるかどうかの賭 けを持 ちかける。当 の久蔵 は戸惑 って「少 し考 えるので待 っていてほしい」とい残 して表 に出 て行 く。しばらくして戻 って来 た久蔵 は見事 に5升 の酒 を1升 ずつ飲 み干 してみせる。賭 けに負 けた尾張 屋 が「どうしてそんなに酒 が飲 めるのか。さっき出 て行 った時 に何 かしたのか」と尋 ねると、久蔵 は「酒 を5升 も飲 んだことがなかったので、表 の酒屋 で試 しに5升 飲 んできた」 - 『
親子 酒 』(落語 ) -酒好 きの親子 。息子 の酒癖 の悪 いのを憂 えた父親 の提案 でが二人 で禁酒 するが、ある日 、息子 が出 かけている間 に父親 は酒 を飲 み始 めてしまう。そこに帰 ってきた息子 も取引 先 に勧 められるままに酒 を飲 んで酔 っている。口論 の挙句 、父親 は女房 に向 かって「婆 さん、こいつの顔 はさっきからいくつにも見 える。こんな化 け物 に身代 は渡 せない」。息子 も負 けずに「俺 だって、こんなぐるぐる回 る家 は要 らねぇ」。 - 『
二番煎 じ』(落語 ) -寒 い冬 の晩 、夜回 り当番 の面々 が番小屋 で鍋 をつつきながら禁止 されている酒 を飲 んでいると突然 廻 り方 同心 (侍 )がそこを訪 れる。あわてた一同 は鍋 と酒 を隠 そうとするが酒 だけは隠 し切 れない。とっさに「これは煎 じ薬 でございます。」というと「そうか、身 共 (わたし)もここのところ風邪 気味 じゃ。町人 の薬 を吟味 したい」といって酒 を口 にする。「うむ、結構 な薬 だ。もう一杯 ふるまわんか」と、結局 同心 は鍋 も見 つけ、酒 も鍋 もすっかり平 らげてしまう。「もう煎 じ薬 がございません」と告 げると「しからば、いま町内 をひと回 りしてまいる。二 番 を煎 じておけ」。 - 『
芝 浜 』(落語 ) -魚屋 の勝 は大 の酒好 きで仕事 もろくにしない。ある朝 、女房 に叩 き起 こされて渋々 市場 に向 かったが、浜辺 で大金 の入 った革 の財布 を見 つけ、飛 んで帰 って大 宴会 を開 く。翌日 、二日酔 いで起 き出 した勝 は女房 に、こんなに呑 んで支払 いをどうする気 かと言 われる。拾 った財布 の金 のことを訴 えるが女房 は、そんなものは知 らない、金 欲 しさのあまりに酔 って夢 を見 たんだろと言 う。勝 は愕然 とするがついに納得 。つくづく反省 して断 酒 を決意 し死 にもの狂 いで働 き始 める。三 年 後 の大晦日 の晩 。今 では表通 りに店 を構 え、生活 も安定 するまでになった。妻 は「話 しがある」と、三 年 前 の財布 の件 について真相 を勝 に話 した。十 両 盗 めば首 が飛 ぶといわれた当時 、拾 った金 の横領 が露見 すれば死刑 だ。勝 が酔 い潰 れている間 に長屋 の大家 と相談 し、大家 は財布 を役所 に届 け、妻 は勝 の泥酔 に乗 じて「財布 なぞ最初 から拾 ってない」と言 いくるめることにした。落 とし主 が現 れなかったために役所 から下 げ渡 された財布 を見 せられた勝 は、道 を踏 み外 しそうになった自分 を立直 らせてくれた妻 の機転 に強 く感謝 する。妻 は懸命 に頑張 ってきた夫 をねぎらい、久 し振 りに酒 でもと勧 める。はじめは拒 んだ勝 だったが、やがておずおずと杯 を手 にする。「うん、そうだな、じゃあ、呑 むとするか」といったんは杯 を口元 に運 ぶが、やはり飲 まずに杯 を置 いてしまう。「どうしたの?」「よそう。また夢 になるといけねえ」
芸能
日本酒 に関 する参考 本
脚注
注釈
- ^
日本 をニッポンと読 んで、ニッポン酒 の略 。 - ^
酒税 法 2条 1項 は「酒類 」について、「アルコール分 1度 以上 の飲料 …をいう。」と定義 している。 - ^
酒税 法 施行 令 2条 は「清酒 の原料 として定 める物品 」として、アルコール、焼酎 、ぶどう糖 その他 財務省 令 で定 める糖類 、有機 酸 、アミノ酸 塩 、清酒 を定 める。 - ^ この
政令 で定 める物品 の重量 の合計 は、米 と米 こうじの重量 の50%を超 えないものに限 られる(酒税 法 3条 7号 ロ)。 - ^
酒税 法 上 は「その他 の醸造 酒 」(3条 19号 )、構造 改革 特別 区域 法 では「酒税 法 第 3条 第 19号 に規定 するその他 の醸造 酒 (米 …、米 こうじ及 び水 又 は米 、水 及 び麦 その他 の財務 省令 で定 める物品 を原料 として発酵 させたもので、こさないものに限 る。)」(28条 1項 2号 )、酒税 の保全 及 び酒類 業 組合 等 に関 する法律 施行 規則 では「濁酒 」(11条 の5、「米 、米 こうじ及 び水 を原料 として発酵 させたもので、こさないもの」)と定義 される。 - ^
削 られた部分 は米 粉 、あるいは飼料 用 に転用 されて再 利用 されている。 - ^ しかし、これらの
雑 味 の中 には調理 に有効 な旨味 成分 も多 く含 まれていることから、料理 酒 用 として醸造 される日本酒 の中 にはあえて雑 味 を残 す醸造 方法 をとっているものもある。どちらを使 えばいい?「料理 酒 」と「清酒 」の【5つの違 い】家 のコトで役立 つ東京 ガスくらし情報 サイト ウチコト 2019年 7月 31日 閲覧 - ^
中国 ではパスツールより700年 以上 前 の宋 代 の1117年 (政和 7年 )に序文 が書 かれた醸造 技術 書 『北山 酒 経 』の中 に、「酵」という表現 が見 られ、加熱 殺菌 を意味 する「煮 酒 」の技法 が記載 されている。しかし同書 が室町 時代 頃 までに日本 にもたらされたか否 かについては定 かでないので、日本 の火入 れの技法 が中国 大陸 から伝来 したものか、日本 が独自 で辿 り着 いたのかについては、現在 まだ分 かっていない。
出典
- ^ a b c
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度数 5度 !爽 やかな泡 が心地 よい、ほんのり甘 い発泡 性 清酒 が登場 〜松竹梅 白壁 蔵 「澪 」スパークリング清酒 新 発売 宝酒造 ニュースリリース(2011年 6月 7日 ) - ^ 【TOKYO
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普通 酒 ・一般 酒 とはどのような酒 ですか?「特 撰 」「上 撰 」「佳 撰 」の違 いを教 えてください。 - ^
清酒 の製法 品質 表示 基準 を定 める件 (平成 元年 11月 22日 国税庁 告示 第 8号 ) - ^
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老舗 酒蔵 ×日本酒 ベンチャー×若手 蒸留 家 が共同 開発 楽 しく、美味 しく、学 べる酒 「すごい!!アル添」を2月 12日 販売 開始 . PR Times. 2022年 2月 12日 - ^ 「
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関連 項目
日本酒 の歴史 坂口 謹一 郎 醸造 業 /酒蔵 /蔵元 /酒屋 /造 り酒屋 /杜氏 /蔵人 /杜氏 組合 清酒 酵母 /協会 系 酵母 /蔵 つき酵母 酒 米 /山田 錦 /精米 歩合 /酒粕 醸造 酒 /並行 複 発酵 /完全 醗酵 /健全 醗酵 - どぶろく / どぶろく
裁判 活性 酒 (活性 清酒 /活性 ) /発泡 日本酒 /貴 醸酒 /低 濃度 酒 /低 精白 酒 利 き酒 (唎き酒 ) /全国 新酒 鑑 評 会 煎 り酒 (いりざけ) /練 酒 (ねりざけ) /甘酒 /燗酒 /白酒 濁 り酒 /霞 み酒 (かすみざけ)三 倍 増 醸清酒 (または三 増 酒 ) /合成 清酒 /混和 酒 /柱 焼酎 灰 持 酒 灘 五郷 /灘 目 三郷 /摂 泉 十 二 郷 焼酎 /泡盛 / ワイン / ウイスキー / ビール味醂 /味噌 /醤油 日本 醸造 協会 /酒類 総合 研究所 日本酒 の銘柄 一覧 /日本酒 メーカー一覧 - ライスワイン
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外部 リンク
独立 行政 法人 酒類 総合 研究所 財団 法人 日本 醸造 協会 日本 の酒 -日本 酒造 組合 中央 会 - 「
清酒 の製法 品質 表示 基準 」の概要 -国税庁 日本酒 サービス研究 会 ・酒 匠 研究 会 連合 会 - 『
日本酒 』 - コトバンク