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カリウム - Wikipedia

カリウム

原子げんし番号ばんごう19の元素げんそ
Potassiumから転送てんそう

カリウムドイツ: Kalium [ˈkaːliʊm]しんラテン語らてんご: kalium)は原子げんし番号ばんごう19ばん元素げんそである。ポタシウムへず荅叟ははPotassium [poʊˈtæsiəm]) 、加里かり(カリ)ともいう。元素げんそ記号きごうK原子げんしりょうは39.10。アルカリ金属きんぞく典型てんけい元素げんそのひとつ。生物せいぶつにとって必須ひっす元素げんそである。

アルゴン カリウム カルシウム
Na

K

Rb
外見がいけん
ぎん白色はくしょく


カリウムのスペクトルせん
一般いっぱん特性とくせい
名称めいしょう, 記号きごう, 番号ばんごう カリウム, K, 19
分類ぶんるい アルカリ金属きんぞく
ぞく, 周期しゅうき, ブロック 1, 4, s
原子げんしりょう 39.0983(1) 
電子でんし配置はいち [Ar] 4s1
電子でんしから 2, 8, 8, 1(画像がぞう
物理ぶつり特性とくせい
そう 固体こたい
密度みつど室温しつおん付近ふきん 0.89 g/cm3
融点ゆうてんでの液体えきたい密度みつど 0.828 g/cm3
融点ゆうてん 336.53 K, 63.38 °C, 146.08 °F
沸点ふってん 1032 K, 759 °C, 1398 °F
三重みえてん 336.35 K (63 °C), kPa
臨界りんかいてん 2223 K, 16[1] MPa
融解ゆうかいねつ 2.33 kJ/mol
蒸発じょうはつねつ 76.9 kJ/mol
熱容量ねつようりょう (25 °C) 29.6 J/(mol·K)
原子げんし特性とくせい
酸化さんかすう 1(つよ塩基えんきせい酸化さんかぶつ
電気でんき陰性いんせい 0.82(ポーリングの
イオン化いおんかエネルギー だい1: 418.8 kJ/mol
だい2: 3052 kJ/mol
だい3: 4420 kJ/mol
原子げんし半径はんけい 227 pm
共有きょうゆう結合けつごう半径はんけい 203±12 pm
ファンデルワールス半径はんけい 275 pm
その
結晶けっしょう構造こうぞう からだこころ立方りっぽう
磁性じせい つね磁性じせい
電気でんき抵抗ていこうりつ (20 °C) 72 nΩおめが⋅m
ねつ伝導でんどうりつ (300 K) 102.5 W/(m⋅K)
ねつ膨張ぼうちょうりつ (25 °C) 83.3 μみゅーm/(m⋅K)
おとつたわるはや
微細びさいロッド)
(20 °C) 2000 m/s
ヤングりつ 3.53 GPa
剛性ごうせいりつ 1.3 GPa
体積たいせき弾性だんせいりつ 3.1 GPa
モース硬度こうど 0.4
ブリネル硬度こうど 0.363 MPa
CAS登録とうろく番号ばんごう 7440-09-7
おも同位どういたい
詳細しょうさいカリウムの同位どういたい参照さんしょう
同位どういたい NA 半減はんげん DM DE (MeV) DP
39K 93.26 % 中性子ちゅうせいし20安定あんてい
40K 0.012 % 1.248(3) × 109 y βべーた 1.311 40Ca
εいぷしろん 1.505 40Ar
βべーた+ 1.505 40Ar
41K 6.73 % 中性子ちゅうせいし22安定あんてい

名称めいしょう語源ごげん

編集へんしゅう

英語えいごけんフランス語ふらんすごけんではポタシウムばれる。一方いっぽう、ドイツけんではカリウムばれており、ラテン語らてんごおよ日本語にほんご名称めいしょうもこれにしたがっている[2]国際こくさい純正じゅんせい応用おうよう化学かがく連合れんごう (IUPAC) では、元素げんそ記号きごうはドイツからKとし[3]IUPACめい英語えいごから potassium採用さいようしている。ちなみに、実際じっさい英語えいご発音はつおんは「ポタシム」である。

英語えいごpotassium(ポタシウム)という名称めいしょうは、potash という言葉ことば由来ゆらいする[4]。これは、様々さまざまなカリウムしお抽出ちゅうしゅつする初期しょき方法ほうほうで、やしたはい (ash) をなべ (pot) にれ、みずくわえて加熱かねつし、溶液ようえき蒸発じょうはつさせるというものである。1807ねんにイギリスのハンフリー・デービー電気でんき分解ぶんかいによってカリウム元素げんそたんはなしたさいに、potashちなんで potassium命名めいめいした。

ドイツKalium(カリウム)という名称めいしょうおよ元素げんそ記号きごう"K"は、アルカリ語源ごげんである kali由来ゆらいしており、kali はアラビアで「植物しょくぶつはい」を意味いみする アラビア: القَلْيَه‎ (al-qalyah) に由来ゆらいする[5]。1797ねん、ドイツのマルティン・クラプロートは、リューサイト英語えいごばんリチア雲母うんもという鉱物こうぶつなかpotash発見はっけんし、potash植物しょくぶつ成長せいちょう産物さんぶつではなく、じつあたらしい元素げんそふくんでいることに気付きづき、これを kaliぶことを提案ていあんした[6]。デービーの電気でんき分解ぶんかいによるたんはなれしん元素げんそ発表はっぴょうの1809ねん、ドイツのルートヴィヒ・ヴィルヘルム・ギルバート英語えいごばんがデービーの potassiumたいしてKalium という名前なまえ提案ていあんした[7]。1814ねん、スウェーデンのイェンス・ベルセリウスは、kalium という名称めいしょう元素げんそ記号きごう"K"を提案ていあんした[8]

日本にっぽんでは一般いっぱんにはドイツカリウム定着ていちゃくしているが、日本にっぽん医学いがく薬学やくがく栄養えいようがくなどの分野ぶんやでは、英語えいごポタシウムPotassium [poʊˈtæsiəm])が使つかわれることもある。和名わみょうでは、かつて加里かり(カリ)またはへず荅叟はは(ぽたしうむ)というもちいられた。

カリウム以後いごあらたに発見はっけんされた金属きんぞく元素げんそにはラテン語らてんご派生はせい名詞めいし中性ちゅうせい語尾ごび-ium」をつける習慣しゅうかん一般いっぱんした。非金属ひきんぞくに「-ium」がつけられるのはヘリウムだけである。なお、ヘリウムにたいしてもガス共通きょうつう語尾ごび「-on」になお意見いけんもあったが、見送みおくられた。

単体たんたい特徴とくちょう

編集へんしゅう
 
カリウムのほのおしょく反応はんのう

カリウムの単体たんたい金属きんぞくはげしい反応はんのうせいつ。電子でんし1個いっこうしなってイオンK+になりやすく、自然しぜんかいではそのかたちでのみ存在そんざいする。地殻ちかくちゅうでは2.6 %をめる7番目ばんめ存在そんざいりょうおお元素げんそであり、花崗岩かこうがんカーナライトなどの鉱石こうせきふくまれる。塩化えんかカリウムかたち採取さいしゅされ、そのままあるいは各種かくしゅ加工かこうべつ化合かごうぶつとして、肥料ひりょう食品しょくひん添加てんかぶつ火薬かやくなどさまざまな用途ようと使用しようされている。

物理ぶつりてき性質せいしつ

編集へんしゅう

ぎん白色はくしょく金属きんぞくで、常温じょうおんつねあつ安定あんてい結晶けっしょう構造こうぞうからだこころ立方りっぽう構造こうぞう(BCC)である[9]比重ひじゅうは0.86でみずよりかるく、リチウムいで2番目ばんめ比重ひじゅうかる金属きんぞくである。融点ゆうてん63.7 °C沸点ふってん774 °C[9]ナイフ簡単かんたんれるやわらかい金属きんぞくである。

カリウムの電子でんし配置はいちは[Ar] 4s1であり、電子でんしを1つうしなうことで非常ひじょう安定あんていアルゴンおなまれガスがた電子でんし配置はいちとなる。そのため、カリウムのだい1イオン化いおんかエネルギーは418.8 kJ/molと非常ひじょうひくく、容易ようい電子でんしを1つうしないK+イオンとなる。対照たいしょうてきに、電子でんしを2うしなえば安定あんていまれガスがた電子でんし配置はいちくずれるため、だい2イオン化いおんかエネルギーは3052 kJ/molと非常ひじょうたか[10]、+2酸化さんか状態じょうたい化合かごうぶつ容易よういには形成けいせいされない[11]。このようにカリウムは1イオンに非常ひじょうになりやすい性質せいしつゆうしているが、アルカリドイオンのKられている[11]

ほのおしょく反応はんのうにおいて、カリウムとその化合かごうぶつあわ紫色むらさきいろていする。主要しゅよう輝線きせん波長はちょう404.5 nmの紫色むらさきいろのスペクトルせんおよび、波長はちょう769.9 nmと766.5 nmの赤色あかいろたいとなったスペクトルせん双子ふたごせん)である[12]。ナトリウムと共存きょうぞんしていると、ナトリウムのつよ黄色おうしょく発色はっしょくによっておおかくされることもあるが、コバルトガラス使つかうことでこのナトリウムのつよ黄色きいろほのおしょく除去じょきょすることができる[13]

化学かがくてき性質せいしつ

編集へんしゅう

アルカリ金属きんぞくるい窒素ちっそ以外いがい試薬しやくたいする反応はんのうせい電気でんき陰性いんせいひくいほどたかくなるため、カリウムは、より電気でんき陰性いんせいおおきいリチウムナトリウムよりも反応はんのうせいたかく、より電気でんき陰性いんせいちいさいルビジウムセシウムよりは反応はんのうせいひく[14]切断せつだんしてすぐのカリウムの断面だんめん銀色ぎんいろ外観がいかんをしているが、空気くうきによってただちに酸化さんかされて灰色はいいろへと変色へんしょくしていく[15]

みずハロゲン元素げんそはげしく発火はっかして反応はんのうする。高温こうおんでは水素すいそとも反応はんのう水素すいそカリウム生成せいせいする[16]。カリウムとみずとの反応はんのうにおいては、反応はんのうによって水素すいそ発生はっせいし、さらに発生はっせいした水素すいそ引火いんかするに反応はんのうねつしょうじるため爆発ばくはつ危険きけんがある[17]。そのうえ、水素すいそ燃焼ねんしょうによってしょうじたみずのこったカリウムとふたた反応はんのうして水素すいそをさらに発生はっせいさせるため、金属きんぞくカリウムが消費しょうひされくすまでこの反応はんのう進行しんこうつづける[18]。このカリウムの性質せいしつは、金属きんぞくカリウムやナトリウム-カリウム合金ごうきんとして、蒸留じょうりゅうまえ溶媒ようばい乾燥かんそうさせるための強力きょうりょく乾燥かんそうざいとして利用りようされる[18][19]空気くうきなかにおいても酸素さんそとの接触せっしょくにより反応はんのうねつ自然しぜん発火はっかすることもある[20]。そのため金属きんぞくカリウムの保管ほかん空気くうきみずから遮断しゃだんする必要ひつようがあり、ほかのアルカリ金属きんぞく同様どうよう鉱油こうゆケロシンのようなアルカリ金属きんぞくるい直接ちょくせつ反応はんのうをしない炭化たんか水素すいそなかやアルゴンでたしたガラスアンプルちゅうなどで保管ほかんされる[5]アルコールとも反応はんのうしてアルコキシド生成せいせいする[21]。カリウムは液体えきたいアンモニアたいする溶解ようかい非常ひじょうたかく、0 °Cで1000 gのアンモニアにたいして480 gのカリウムが溶解ようかいする。その溶液ようえきみがかった青色あおいろであり、その電気でんき伝導でんどう液体えきたい金属きんぞく類似るいじしている。純粋じゅんすい液体えきたいアンモニアにたいしては、徐々じょじょ反応はんのうしてKNH2形成けいせいするが、微量びりょう遷移せんい金属きんぞく元素げんそしお存在そんざいしていると反応はんのう加速かそくされる[22]

カリウムの化合かごうぶつは、K+イオンのみずエネルギーのたかさのためみずたいする溶解ようかいせい非常ひじょうたかく、したがってカリウムイオンを沈降ちんこう分離ぶんりさせることは困難こんなんである。かんがえられる沈降ちんこう方法ほうほうとしては、テトラフェニルホウさんナトリウムヘキサクロリド白金はっきん(IV)さん硝酸しょうさんコバルチナトリウムとの反応はんのうげられる[18]

溶液ようえきちゅうのカリウム濃度のうどは、一般いっぱんフレーム測光そっこうほう英語えいごばん原子げんし吸光分析ぶんせきイオンクロマトグラフィーによって測定そくていされる[23][24]誘導ゆうどう結合けつごうプラズマ発光はっこう分光ぶんこう分析ぶんせき[25]イオン選択せんたく電極でんきょく英語えいごばんなども利用りようされる。イオン選択せんたく電極でんきょくもちいて測定そくていする場合ばあいには、イオン選択せんたく電極でんきょくにおいて通常つうじょうもちいられる塩化えんかカリウムをもちいたしおきょう使用しようすると、しおきょうからのカリウムイオンの混入こんにゅうにより分析ぶんせき誤差ごさしょうじるため、カリウムを分析ぶんせきするさいには硝酸しょうさんアンモニウムなどがもちいられる[26]。また、カリウムは非常ひじょうイオン化いおんかしやすいため、原子げんし吸光分析ぶんせきおこなさいにほかの共存きょうぞん元素げんそイオン化いおんか平衡へいこう干渉かんしょうイオン化いおんか干渉かんしょう)して、ほかの元素げんそ測定そくてい影響えいきょうあたえる[27]

カリウムイオンはぎん(1)イオンやタリウム(1)イオンとの“ナイトのうごきの関係かんけいせい”による類似るいじてんがよくられている。“ナイトのうごきの関係かんけいせい”とは、おもぞく元素げんそ後方こうほうにおいて、ある元素げんそと、その元素げんそひと周期しゅうきふたみぎぞくであるような元素げんそあいだ相関そうかんられるという法則ほうそくである。とくにタリウムイオンは生化学せいかがくてき類似るいじせいつよい。[28]

同位どういたい

編集へんしゅう

カリウムは宇宙うちゅうにおいて、よりかる元素げんそから合成ごうせいされる(元素げんそ合成ごうせい)。カリウムの安定あんてい同位どういたいは、超新星ちょうしんせいにおいてよりかる元素げんそ急速きゅうそく中性子ちゅうせいし捕獲ほかくすることによってR過程かてい経由けいゆして形成けいせいされる(超新星ちょうしんせい元素げんそ合成ごうせい[29]

カリウムには24種類しゅるい同位どういたい存在そんざいすることがられている。これらのうち、自然しぜん産出さんしゅつするものはカリウム39(93.3 %)、カリウム40(0.0117 %)、カリウム41(6.7 %)の3つである。

 
カリウム40の崩壊ほうかい

これらのうち、質量しつりょうすう40のカリウム40は放射ほうしゃせい同位どういたいである。半減はんげんはおよそ12.5おくねんである[30]ため、地球ちきゅうそうせいりこまれたものがいまだに自然しぜんかい残存ざんそんしている(もとをただせば超新星ちょうしんせい爆発ばくはつかく反応はんのうこって生成せいせい放出ほうしゅつされたものとされる)。カリウム40のうち11.2 %は、電子でんし捕獲ほかくもしくは陽電子ようでんし放出ほうしゅつβべーた+崩壊ほうかい)によってアルゴン40へと崩壊ほうかいし、88.8 %は陰電子いんでんし崩壊ほうかいβべーた 崩壊ほうかい)によって放射ほうしゃせい安定あんてい同位どういたいであるカルシウム40となる[30]大気たいきなか存在そんざいするアルゴンおおくの部分ぶぶんは、このカリウム40の崩壊ほうかいにより生成せいせいしたものだとかんがえられている。また、大気たいきちゅうのアルゴン40の一部いちぶ宇宙うちゅうせん太陽たいようからの放射線ほうしゃせん)と反応はんのうすることによりカリウム40となる。このためカリウム40は炭素たんそ14とともに常時じょうじ生成せいせいされている。

カリウム40は、カリウムが商用しょうよう代用だいようしおとして大量たいりょうもちいられるほどに自然しぜんかいから十分じゅうぶんりょう産出さんしゅつし、教室きょうしつでの実演じつえんのための放射線ほうしゃせんげんもちいられる。このようにカリウムは大量たいりょう存在そんざいするうえに生体せいたいふくまれるりょうおおいため、健康けんこう動物どうぶつ人間にんげんにとって炭素たんそ14よりもおおきな最大さいだい内部ないぶ被曝ひばくみなもとである。70 kgの体重たいじゅう人間にんげんにおいて、1秒間びょうかんにカリウム40はおよそ4400崩壊ほうかいする[31]天然てんねんカリウムの活性かっせいは31 Bq/gである[32]

産出さんしゅつ

編集へんしゅう
 
カリウムをふくんでいる長石ちょうせき花崗岩かこうがんなどの主成分しゅせいぶん

単体たんたいのカリウムは、カリウムのそのつよ反応はんのうせいのために自然しぜんちゅうからは産出さんしゅつしない[18]。カリウムはさまざまな化合かごうぶつとして地殻ちかくのおよそ2.6 %をめており、地殻ちかくの2.8 %をめるナトリウムにいで地殻ちかくちゅうで7番目ばんめ存在そんざいりょうおお元素げんそである(地殻ちかくちゅう元素げんそ存在そんざい参照さんしょう[33]。たとえば花崗岩かこうがんはカリウムをおおよそ5 %と、地殻ちかく平均へいきんりょう以上いじょうふくんでいる。金属きんぞくカリウムは非常ひじょう電気でんきてき陽性ようせいであり(電気でんき陰性いんせい)、また非常ひじょう反応はんのうせいたかいため、鉱石こうせきから直接ちょくせつ生産せいさんすることはむずかしい[15]

工業こうぎょう原料げんりょうとしてのカリウム資源しげんはほぼすべて塩化えんかカリウムのかたち採取さいしゅされる。年間ねんかん生産せいさんりょうは3500まんトン(K2O換算かんさん、2008ねん)である[34]。2008ねんにおいて、おもな産地さんちはカナダ(30.0 %)、ロシア連邦れんぽう(19.2 %)、ベラルーシ(14.2 %)である[34]推定すいてい埋蔵まいぞうりょうはK2O換算かんさんでおよそ180おくトン[34]。カリウムは植物しょくぶつ成長せいちょう必須ひっすであるため、塩化えんかカリウムの90 %以上いじょうはそのまま、もしくは硫酸りゅうさんカリウムのかたち肥料ひりょうカリ肥料かりひりょう)としてもちいられる[35]のこりは水酸化すいさんかカリウムを経由けいゆして、炭酸たんさんカリウムとなる。

商業しょうぎょう生産せいさん

編集へんしゅう
 
ニューメキシコで産出さんしゅつしたカリ岩塩がんえん

純粋じゅんすいなカリウム金属きんぞく水酸化すいさんかカリウム電気でんき分解ぶんかいという、19世紀せいき初期しょきハンフリー・デービーがカリウムをたんはなした方法ほうほうとほぼおなじプロセスでたんはなれすることができる[15]。この電気でんき分解ぶんかいによる製法せいほうは1920年代ねんだい開発かいはつされ産業さんぎょう規模きぼもちいられていたものの、金属きんぞくナトリウムと塩化えんかカリウムを化学かがく平衡へいこう利用りようして反応はんのうさせることによるねつてき方法ほうほうが1950年代ねんだいには主流しゅりゅうとなった。この方法ほうほう反応はんのう時間じかんおよび反応はんのうもちいるナトリウムのりょうえることでナトリウム-カリウム合金ごうきん生産せいさんすることができる。フッカリウム炭化たんかカルシウム反応はんのう利用りようするグリースハイマーほうもまた、カリウムの生産せいさん利用りようされる[36][37]

 ねつてき方法ほうほう
  (グリースハイマーほう

また、カーナライトラングバイナイト英語えいごばんポリハライト英語えいごばんカリ岩塩がんえんなどカリウム含有がんゆうりょう非常ひじょうたか鉱石こうせきもちいて、商業しょうぎょう生産せいさんできる規模きぼのカリウム塩類えんるい抽出ちゅうしゅつすることもできる[36]世界せかいにおける主要しゅようなカリウムの供給きょうきゅうげんカナダロシアベラルーシドイツイスラエルアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくヨルダンだが、ほかにも世界中せかいじゅうのさまざまな場所ばしょ採掘さいくつされている[38]。カナダの行政ぎょうせいサスカチュワンしゅう地下ちか3000フィートには、地球ちきゅうじょう最大さいだいのカリウム鉱床こうしょう発見はっけんされている。サスカチュワンではだい規模きぼ鉱山こうざんが1960年代ねんだいから操業そうぎょうしており、ブレアモア英語えいごばん地層ちそうにおいて、鉱山こうざん縦穴たてあな貫通かんつうあなとおすために湿しめったすなこおらせる手法しゅほう開発かいはつした。サスカチュワンのおもなカリウム採掘さいくつ会社かいしゃとしてポタッシュ・コープ英語えいごばんがある[39]

うみはもうひとつの主要しゅようなカリウムげんであるが、単位たんいりょうあたりのカリウム含有がんゆうりょうは0.39 g/Lと、ナトリウムが10.8 g/Lであるのとくらべて非常ひじょうひく[40][41][42]。これはカリウムが土壌どじょう吸着きゅうちゃくされやすく、また植物しょくぶつによって吸収きゅうしゅうされるためである[43]

 
カリウム鉱山こうざん採掘さいくつ結果けっかしょうじた、しゅとして塩化えんかナトリウムからなるボタやま(ドイツ)

さまざまな方法ほうほうでカリウム塩類えんるいをナトリウムおよびマグネシウム化合かごうぶつから分離ぶんりし、それによってしょうじたナトリウムやマグネシウムの副産物ふくさんぶつ地下ちか保存ほぞんされるかボタやまげられる。採掘さいくつされたカリウム鉱石こうせきだい部分ぶぶん処理しょりされて最終さいしゅうてき塩化えんかカリウムとなる。塩化えんかカリウムは鉱山こうざん産業さんぎょうにおいて、カリ(potash)、カリのしおmuriate of potash)もしくは単純たんじゅんにMOPとばれる[36]

試薬しやくグレードの金属きんぞくカリウムは、1ポンドあたりおよそ10ドル(1 kgあたり22ドル)でられている。純度じゅんどひくいものは相応そうおうやす販売はんばいされる。カリウム金属きんぞく市場いちばは、金属きんぞくカリウムの長期ちょうき保管ほかん困難こんなんであるために不安定ふあんていである。金属きんぞくカリウムは、その表面ひょうめんちょう酸化さんかカリウム形成けいせいされないように乾燥かんそうした活性かっせいガスもしくは無水むすい鉱油こうゆちゅう保存ほぞんしなければならない。このちょう酸化さんかぶつっかかれたさい爆発ばくはつこす、かんあつせい爆薬ばくやくである。ちょう酸化さんかぶつ形成けいせいこす爆発ばくはつは、とき消火しょうかむずかしい火災かさいこす[44]

キログラム単位たんいよりもおおりょうのカリウムは1 kgあたり700ドルと、非常ひじょうおおきなコストがしょうじる。これは危険きけんぶつ輸送ゆそう必要ひつようなコストのためである[45]

カリウムと人体じんたい

編集へんしゅう

人体じんたいで8番目ばんめもしくは9番目ばんめおおふくまれる元素げんそであり、体重たいじゅうのおよそ0.2 %をめている(すなわち、60 kgの成人せいじんではおよそ120 gのカリウムがふくまれる)[46]。これは硫黄いおう塩素えんそどう程度ていど含有がんゆうりょうであり、主要しゅようミネラルでカリウムよりおおふくまれているのはカルシウムリンのみである[47]

神経しんけい伝達でんたつ

編集へんしゅう
 
ナトリウム-カリウムポンプによるイオンの輸送ゆそう

カリウムは人体じんたい不可欠ふかけつ電解でんかいしつであり、のうおよび神経しんけいなどにおけるニューロン情報じょうほう伝達でんたつ重要じゅうよう役割やくわりたしている。カリウムはイオンイオン)K+としておもに細胞さいぼううち分布ぶんぷしており、その濃度のうど細胞さいぼうないえき100–150 mol/m3こう濃度のうどたもたれているのにたいし、細胞さいぼうがいえき濃度のうどは3.5–4.5 mol/m3程度ていど非常ひじょうちいさくたもたれている。これは、いわゆるナトリウム-カリウムイオンポンプはたらきによるものである[48]。このイオンポンプは、アデノシンさんリンさん(ATP)を1個いっこ消費しょうひして、ナトリウムイオン3細胞さいぼうがいへとはこし、カリウムイオン2細胞さいぼうないへとはこむ。このイオンポンプのはたらきによって細胞さいぼう内外ないがいにイオン濃度のうどしょうじ、細胞さいぼうまくうえ電気でんきてき勾配こうばい発生はっせいさせる。この電気でんき勾配こうばい通常つうじょう静止せいし電位でんいばれるたもたれているが、カリウムイオンチャネルひらくとカリウムイオン濃度のうどたか細胞さいぼうないからカリウムイオン濃度のうどひく細胞さいぼうがいへと濃度のうど勾配こうばい方向ほうこうにカリウムイオンが移動いどうし、また、ナトリウムイオンチャネルがひらくと、同様どうようにナトリウム濃度のうどたか細胞さいぼうがいからナトリウムイオン濃度のうどひく細胞さいぼうないへとナトリウムイオンが移動いどうする。カリウムイオンはナトリウムイオンよりもイオン半径はんけいおおきく、そのちがいによって細胞さいぼうまくのイオンポンプおよびイオンチャネルはこれらを区別くべつすることができ、一方いっぽう通過つうかさせてもう一方いっぽう通過つうかさせないように選択せんたくてき機能きのうすることが可能かのうである[49]。このイオンチャネルの開閉かいへいによる細胞さいぼう内外ないがいのイオン濃度のうどのバランスの変化へんかによってまく電位でんい細胞さいぼうがいたいする細胞さいぼうない電位でんい)が変化へんかし、それによって活動かつどう電位でんい発生はっせい(いわゆる「点火てんか」)する。この活動かつどう電位でんい伝導でんどうすることで情報じょうほう伝達でんたつされていく。活動かつどう電位でんいしょうじて細胞さいぼうまくだつ分極ぶんきょく(ナトリウムイオンの移動いどうによってせいまく電位でんい発生はっせい)している場合ばあいには、カリウムイオンチャネルがひらくことでさい分極ぶんきょくまく電位でんい静止せいし電位でんいもどる)させることになる。

また、みぎ心房しんぼうにあるほらぼう結節けっせつから発生はっせいする活動かつどう電位でんいによって心拍しんぱく調節ちょうせつおこなわれているが、そのためには適切てきせつなカリウムイオン濃度のうど必要ひつようである。静脈じょうみゃく注射ちゅうしゃ、あるいはなんらかの異常いじょうによりカリウムイオンのちゅう濃度のうど過剰かじょうになるこうカリウムしょうとなった場合ばあいほらぼう結節けっせつのペースメーキングに変調へんちょうしょうじさせ、致命ちめいてき不整脈ふせいみゃくこしたり、しん停止ていしいたることもある。また、心臓しんぞうなどの外科げか手術しゅじゅつしん停止ていし必要ひつよう場合ばあいには塩化えんかカリウムがもちいられ、塩化えんかカリウムはアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにおいて薬殺やくさつけいにももちいられる[50]

摂取せっしゅ健康けんこう

編集へんしゅう

経口けいこう摂取せっしゅ場合ばあい吸収きゅうしゅう比較的ひかくてきゆるやかである。また、吸収きゅうしゅう細胞さいぼうすみやかにまれることや、過剰かじょうぶん腎臓じんぞうのK+調節ちょうせつ機能きのうにより排泄はいせつされることなどから、細胞さいぼうがいえきちゅう濃度のうどていレベルに維持いじされる。1981ねんにモネル・ケミカル・センシズ・センターが発表はっぴょうしたアルカリ金属きんぞくのハロゲン化物ばけものたいする味覚みかく調査ちょうさによると、においカリウムおよび塩化えんかカリウムの溶液ようえきたいする味覚みかくは、濃度のうど希薄きはく状態じょうたいでは苦味にがみつよいが、くなるほど苦味にがみよわまって塩味しおあじつよくなる傾向けいこうしめされた[51][52]

いちにち所要しょようりょうやく0.8–1.6 gとされる[53]。2016ねん3がつ更新こうしん厚生こうせい労働省ろうどうしょう日本人にっぽんじん食事しょくじ摂取せっしゅ基準きじゅん」によると、目安めやすりょう男性だんせい3000 mg/にち女性じょせい2600 mg/(いずれも15さい以上いじょう)と勧告かんこくされている[53]が、アメリカイギリスでは生活せいかつ習慣しゅうかんびょう予防よぼう観点かんてんから、男女だんじょともに目安めやすりょう4700 mg/にち推奨すいしょうりょう3500 mg/にちとしている[53]植物しょくぶつ動物どうぶつ細胞さいぼうには豊富ほうふふくまれており、通常つうじょう食事しょくじ生命せいめい維持いじするために必要ひつようなカリウムは十分じゅうぶんまかなわれる。そのため、カリウムのちゅう濃度のうど低下ていかによるていカリウムしょう(カリウム欠乏症けつぼうしょう)の顕著けんちょ徴候ちょうこう症状しょうじょう健康けんこうひとあらわれることはまれである[53]。カリウムの豊富ほうふ食品しょくひんとして、パセリ乾燥かんそうさせたアンズこなミルクチョコレートとくアーモンドピスタチオ)、ジャガイモタケノコバナナアボカドダイズぬかなどにとくおおふくまれるが、だい部分ぶぶん果実かじつ野菜やさいにくさかなにおいて人体じんたい十分じゅうぶんりょうふくまれている[54]。なお、カリウムの最適さいてき摂取せっしゅりょうかんしては、いくつかの議論ぎろん存在そんざいする。たとえば、アメリカ医学いがく研究所けんきゅうじょは2004ねんにカリウムの食事しょくじ摂取せっしゅりょう基準きじゅん英語えいごばんを1にちあたり4000 mg(100 mEq)と指定していしたが、アメリカじん平均へいきんてきカリウム摂取せっしゅりょうはその半分はんぶん程度ていどしかないため、だい部分ぶぶん摂取せっしゅ不足ふそくであることになる[55]同様どうよう欧州おうしゅう連合れんごうとくドイツイタリアにおいても、カリウムは一般いっぱんてき摂取せっしゅ不足ふそく傾向けいこうにあるとかんがえられている[56]

高血圧こうけつあつについての疫学えきがくてき研究けんきゅうおよび動物どうぶつ実験じっけん結果けっか、カリウム含有がんゆうりょうたか食品しょくひん摂取せっしゅによって高血圧こうけつあつのリスクを低減ていげんできることがしめされ、高血圧こうけつあつ原因げんいんとしない脳卒中のうそっちゅうについても低減ていげんされるとかんがえられている。イタリアの研究けんきゅうしゃによるメタアナリシスもとづいた報告ほうこく(2011ねん)によると、いちにちに1.46 g以上いじょうカリウムを摂取せっしゅすると脳卒中のうそっちゅうのリスクが21 %低減ていげんするとされる[57]。また、ラットもちいた研究けんきゅうにおいて、カリウムの欠乏けつぼうチアミン(ビタミンB1)の摂取せっしゅ不足ふそくふくごうすると心臓しんぞうびょう誘発ゆうはつすることがしめされた[58]

サプリメント

編集へんしゅう

医薬いやくてき用途ようとのカリウムサプリメントループ利尿りにょうやくサイアザイド利尿りにょうやく併用へいようして使つかわれることがおおい。これは、利尿りにょうざい薬効やっこうとして尿にょう体外たいがい排出はいしゅつされるさい副作用ふくさようとして排出はいしゅつされてしまうカリウムの補充ほじゅう目的もくてきとしている。典型てんけいてき医薬いやくようサプリメントは、いちかいにつき400 mg(10 mgEq牛乳ぎゅうにゅう250 mLや100 %オレンジジュース200 mLにふくまれるカリウムとほぼ同等どうとう)から800 mg(20 mgEq)の範囲はんい服用ふくようされる。おおくのサプリメントに使つかわれている塩化えんかカリウムは、ちょう粘膜ねんまく刺激しげきあたえるため、消化しょうかかん通過つうか障害しょうがいのある患者かんじゃには禁忌きんきである。また、カリウムイオンがこう濃度のうどとなることで細胞さいぼう破壊はかいこすおそれもあるため、一般いっぱんてきに、浸出しんしゅつゆるやかにするタブレットやカプセルなどの形態けいたい提供ていきょうされる。

医薬いやくてき用途ようととしてもカリウムサプリメントはひろ利用りようされている。塩化えんかカリウムのようなカリウムしおみずによくけるものの、濃度のうどたか溶液ようえきでは味覚みかく苦味にがみ塩味しおあじ)を刺激しげきするため、サプリメント飲料いんりょうなどにおいては、経口けいこう摂取せっしゅ障害しょうがいとならないよう口当くちあたりをよくする研究けんきゅうおこなわれている[59][60]。なお、健康けんこうてき悪影響あくえいきょうけるため、アメリカでは処方箋しょほうせん不要ふようなカリウムじょうのカリウム含有がんゆうりょういちじょうあたり99 mg以下いか法規ほうきせいしている。

過剰かじょう摂取せっしゅ欠乏症けつぼうしょう

編集へんしゅう

体内たいないのカリウム濃度のうどたかまるとこうカリウムしょうこされ、致命ちめいてき不整脈ふせいみゃく誘発ゆうはつする危険きけんがある[61]健康けんこうであれば、カリウムを過剰かじょう摂取せっしゅしても腎臓じんぞう調節ちょうせつ機能きのうによりカリウム濃度のうど抑制よくせいされているが、腎臓じんぞうびょう患者かんじゃにおいては、腎不全じんふぜんによってカリウム濃度のうど制御せいぎょ機能きのう低下ていかしているため対応たいおうできない。このような腎不全じんふぜんによるこうカリウムしょう対症療法たいしょうりょうほうとして、カリウムの摂取せっしゅ制限せいげんやカリウムイオン交換こうかん樹脂じゅしやく服用ふくようなどがおこなわれる[62]

一方いっぽう嘔吐おうと下痢げり尿にょうしょうなどによってこされる体液たいえきちゅうのカリウム不足ふそくは、ていカリウムしょうとしてられる致命ちめいてき状態じょうたいこすことがある[63]。これは、カリウムが生体せいたい神経しんけい伝達でんたつにおいて非常ひじょう重要じゅうよう役割やくわりになっていることと関連かんれんしている。カリウム欠乏けつぼう徴候ちょうこうとしては、筋力きんりょく低下ていかイレウス腸閉塞ちょうへいそく)、心電図しんでんず異常いじょう反射はんしゃ機能きのう低下ていかげられ、重度じゅうど場合ばあいでは呼吸こきゅう困難こんなんアルカローシス不整脈ふせいみゃくみとめられる[64]

カリウムと植物しょくぶつ

編集へんしゅう

植物しょくぶつにとってカリウムは、新陳代謝しんちんたいしゃくし、くき丈夫じょうぶにする不可欠ふかけつ要素ようそである[65]植物しょくぶつ生育せいいくかせないため、窒素ちっそリンさんならんで肥料ひりょうさん要素ようそひとつにかぞえられる。

カリウム不足ふそくになると植物しょくぶつ伸長しんちょうおさえられ、ようあお緑色みどりいろになることがある[65]一方いっぽう、カリウム過多かたになると、窒素ちっそ、カルシウム、マグネシウムの吸収きゅうしゅう阻害そがいされる[65]

カリウムはほかのおおくの元素げんそおなじように、金属きんぞくカリウム単体たんたいとしてよりも、カリウム化合かごうぶつとしての用途ようとのほうが重要じゅうようである。しかし、おなアルカリ金属きんぞくであるナトリウムがカリウムとほぼおなじような用途ようとつため、より安価あんかなナトリウムしお代替だいたい可能かのう用途ようとおおく、コストめんおとるカリウムの用途ようと非常ひじょうかぎられている。たとえば、2008年度ねんど水酸化すいさんかナトリウムの日本にっぽんにおける消費しょうひりょうは98まん6744トンであるが、同年どうねん水酸化すいさんかカリウムの日本にっぽんにおける消費しょうひりょうは2まん8044トンでしかない[66]

肥料ひりょう

編集へんしゅう
 
硫酸りゅうさんカリウムおよび硫酸りゅうさんマグネシウムからなる肥料ひりょう

カリウムイオンは植物しょくぶつにとって重要じゅうよう主要しゅよう栄養えいよう元素げんそのひとつであり、さまざまなタイプの土壌どじょうふくまれている[67]近代きんだいこう収穫しゅうかくりつ農業のうぎょうにおいては、土壌どじょうちゅうのカリウムは自然しぜん供給きょうきゅうされるよりも非常ひじょうはや割合わりあい消費しょうひされるため、肥料ひりょうとしてカリウムを人工じんこうてき土壌どじょう補給ほきゅうする必要ひつようがある。だい部分ぶぶん種類しゅるい農作物のうさくもつふくまれるカリウムりょう通常つうじょう収穫しゅうかくりょうの0.5–2 %の範囲はんいであり、それだけのりょうのカリウムが収穫しゅうかくごとに土壌どじょうからされる。カリウム肥料ひりょう農業のうぎょう園芸えんげいみずこう栽培さいばいなどの耕作こうさく栽培さいばいにおいて、塩化えんかぶつ(KCl)や硫酸りゅうさんしお(K2SO4)、硝酸塩しょうさんえん(KNO3)のようなかたち利用りようされる(また、植物しょくぶつ由来ゆらい肥料ひりょうであるくさ木灰きばいにおいて炭酸たんさんしお(K2CO3)のかたちでの利用りようがある)。世界せかい生産せいさんされるカリウム製品せいひんのおよそ93 %(2005ねん[42])が肥料ひりょうとして消費しょうひされており、そのうち90 %は塩化えんかカリウムとして供給きょうきゅうされている[67]塩化えんかカリウムはカーナライト(KCl、MgCl2、6H2O)鉱石こうせきなどから、塩化えんかカリウムと塩化えんかマグネシウム溶解ようかい利用りようして水中すいちゅう分離ぶんりすることによって製造せいぞうされる[68]塩化えんかぶつ敏感びんかん作物さくもつや、硫黄いおうぶん必要ひつようとするような作物さくもつたいしては硫酸りゅうさんカリウムがもちいられる。硫酸りゅうさんカリウムはラングバイナイト英語えいごばん(MgSO4、KCl、3H2O)やカイナイト英語えいごばん((Mg, K)SO4)のような鉱石こうせきふく分解ぶんかいによって生産せいさんされる[69]硝酸しょうさんカリウムの肥料ひりょうとしての消費しょうひりょう非常ひじょうすくない[70]肥料ひりょう成分せいぶん表記ひょうき通常つうじょう窒素ちっそ、リン、カリウムのじゅんしめされ、カリウムりょうはK2Oとしてあらわされる[71]

食品しょくひん

編集へんしゅう

前述ぜんじゅつのように、カリウムイオンはひと生命せいめい健康けんこうささえるのに重要じゅうよう役目やくめたす栄養素えいようそである。高血圧こうけつあつおさえるためにナトリウムの摂取せっしゅりょう制限せいげんしている人々ひとびとによって、食塩しょくえん代替だいたいとして塩化えんかカリウムがもちいられる(代用だいようしお)。昆布こぶわかめひじきなどの海藻かいそうるいおおふくまれる。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく農務のうむしょうは、トマトペースト、オレンジジューステンサイ、ホワイトビーンズ、ジャガイモ、バナナそのおおくのカリウムをよくふく食品しょくひんをリストアップし、カリウム含有がんゆうりょうをランクけしている[72]一方いっぽう腎臓じんぞうびょう患者かんじゃにはカリウム摂取せっしゅ制限せいげんおこな必要ひつようがあり、近年きんねんみずこう栽培さいばいでカリウム含有がんゆうりょう大幅おおはばおさえたレタスなどのなま野菜やさい生産せいさんおこなわれている。

酒石酸しゅせきさんカリウムナトリウム(KNaC4H4O6、ロッシェルしお)はベーキングパウダー主成分しゅせいぶんであり、かがみぎんメッキをするさいにももちいられる。臭素しゅうそさんカリウム強力きょうりょく酸化さんかざい(E924)であり、パン生地ぱんきじ魚肉ぎょにく製品せいひん改良かいりょうざいとしてもちいられていた[73]。また、亜硫酸ありゅうさん水素すいそカリウム(KHSO3)はワインビールなどの防腐ぼうふざいとしてもちいられていたが、にくにはもちいられなかった[74]亜硫酸ありゅうさん水素すいそカリウムは織物おりものむぎわらの漂白ひょうはくざいとしてや、かわなめしざいとしてももちいられていた。

工業こうぎょう

編集へんしゅう
 
硝酸しょうさんコバルトカリウム(コバルト・イエロー)

純粋じゅんすいなカリウム蒸気じょうき数種類すうしゅるい磁気じきセンサもちいられる[75]。また、ひかり電子でんし素子そしとしてももちいられる。ナトリウムとカリウムの合金ごうきん(NaK、ナトリウムカリウム合金ごうきん)はねつ交換こうかん媒体ばいたいとして原子げんし冷却れいきゃくざいなどにてい融点ゆうてん合金ごうきんとしてもちいられる液体えきたいであり、まれガス溶媒ようばいからわずかにふくまれる二酸化炭素にさんかたんそみず、あるいは酸素さんそ高度こうど除去じょきょするための反応はんのうざい乾燥かんそうざいとしてももちいられる。ナトリウムカリウム合金ごうきんはまた、反応はんのうせい蒸留じょうりゅう英語えいごばんにおいてももちいられる[76]。ナトリウム、カリウム、セシウムをそれぞれ12 %、47 %、41 %ふくんださんげん合金ごうきんは、合金ごうきんとしては最低さいていである融点ゆうてん−78 °C[77]

すべてのカリウム化合かごうぶつつよいイオンせいゆうしているため、カリウムはしばし有用ゆうようかげイオンを保持ほじさせるのにもちいられ、そのいちれいとして、クロムさんカリウム(K2CrO4)がある。クロムさんカリウムは黄色おうしょく染料せんりょうやインク、爆薬ばくやく花火はなびかわなめしざいハエ安全あんぜんマッチ[78]などさまざまな用途ようともちいられるが、これらはカリウムイオンの特性とくせいというよりはむしろクロムさんイオンの特性とくせいであり、カリウムイオンはクロムさんイオンを保持ほじする役目やくめになっている。

 
水酸化すいさんかカリウム

水酸化すいさんかカリウムつよ塩基えんきであり、強酸きょうさん弱酸じゃくさん中和ちゅうわしてpHをコントロールするためにもちいられる。また、カリウム塩類えんるい生産せいさんや、エステル加水かすい分解ぶんかい反応はんのう洗剤せんざい産業さんぎょうにおける油脂ゆしけんなどにももちいられる[79]

 
硝酸しょうさんカリウム

硝酸しょうさんカリウム(KNO3硝石しょうせき)は、火薬かやく黒色こくしょく火薬かやく)において酸化さんかざいとしてはたらき、また肥料ひりょうとしても重要じゅうようである。歴史れきしてきには、チリ硝石ちりしょうせき主成分しゅせいぶんである硝酸しょうさんナトリウム塩化えんかカリウムを反応はんのうさせる「転化てんかほう」とばれる方法ほうほうによって工業こうぎょう生産せいさんされていたが、ハーバー・ボッシュほうによる空気くうきから化学かがくてき窒素ちっそ固定こていする手法しゅほう化学かがくてき窒素ちっそ固定こていほう)が確立かくりつしてからは、炭酸たんさんカリウムもしくは水酸化すいさんかカリウムを硝酸しょうさん溶解ようかいさせる方法ほうほうつくられるようになった[80]。また、グアノ蒸発じょうはつがんなどの天然てんねん鉱石こうせきからもられる。

 
マンガンさんカリウム

シアン化カリウムしあんかかりうむ(KCN、青酸せいさんカリ)はどう貴金属ききんぞくとくきむぎん)を錯体さくたい形成けいせいすることによって溶解ようかいさせる用途ようと使つかわれ、それらの金属きんぞくでん電解でんかいめっききむ鉱山こうざん採掘さいくつにももちいられる。シアン化カリウムしあんかかりうむはまた、有機ゆうき合成ごうせいにおいてニトリルるい合成ごうせいするためにももちいられ、さらには、シアンぎんとともにメッキよくとしてももちいられる[81]シアン化カリウムしあんかかりうむはこのようにおおくの用途ようとゆうする有用ゆうよう化合かごうぶつであるが、生物せいぶつたいして非常ひじょうつよ毒性どくせいしめ[82]炭酸たんさんカリウム(K2CO3、ポタッシュ)はおだやかな乾燥かんそうざいとしてもちいられ、ガラスや石鹸せっけん、カラーテレビブラウン管ぶらうんかん蛍光けいこうとう織物おりもの染料せんりょう顔料がんりょう製造せいぞうにも利用りようされる。マンガンさんカリウム(KMnO4)は酸化さんかざい漂白ひょうはくざい浄化じょうか物質ぶっしつとして利用りようされ、サッカリン製造せいぞうにももちいられる。塩素えんそさんカリウム(KClO3)はマッチや爆薬ばくやくくわえられる。においカリウム(KBr)は、以前いぜん写真しゃしん定着ていちゃくざい医薬品いやくひん鎮静ちんせいざいとしてもちいられていた[67]。また、フェリシアン化カリウムしあんかかりうむフェロシアン化カリウムしあんかかりうむ写真しゃしん作成さくせい利用りようされる。ヘキサフルオロケイさんカリウム(K2SiF6)は琺瑯ほうろう陶器とうきの釉薬、特殊とくしゅガラスなどの用途ようと利用りようされる。ヨウカリウム(KI)は殺菌さっきん消毒しょうどくやくなどに使つかわれる。

ちょう酸化さんかカリウム橙色だいだいいろ固体こたいであり、はこ可能かのう酸素さんそげんとして自給じきゅうしきガスマスクもちいられる。気体きたい酸素さんそよりも使用しようする容積ようせきちいさくてむため、鉱山こうざん潜水せんすいかん宇宙船うちゅうせんにおいて呼吸こきゅうのための酸素さんそ供給きょうきゅうシステムとしてもひろもちいられている[83][84]。また、酸化さんかカリウム二酸化炭素にさんかたんそ吸収きゅうしゅうざいとして利用りようされる。

 

ヘキサニトロコバルト(III)さんカリウム(K3[Co(NO2)6]、硝酸しょうさんコバルトカリウムともばれる)はオーレオリンもしくはコバルトイエローとばれるいろとしてもちいられる[85]

反応はんのう試薬しやく

編集へんしゅう

カリウムアミドは、つよもとめかくせいゆうするアミドアニオン(NH2みなもととして芳香ほうこうぞくもとめかく置換ちかん反応はんのうなどに利用りようされるつよし塩基えんきせい化合かごうぶつであり、液体えきたいアンモニアにカリウムを反応はんのうさせることでられる[86]。また、有機ゆうき金属きんぞく化合かごうぶつであるアルキルカリウムは、しばしはんおうなかあいだたいとして利用りようされている。しかし、たんはなされたアルカリ金属きんぞくのアルキル化合かごうぶつすくなく、その例外れいがいてきなものとしてメチルカリウム(CH3K)がある。これはメチル水銀すいぎんとナトリウム-カリウム合金ごうきんとの反応はんのうによってられ、ふく生成せいせいぶつとしてナトリウムアマルガムが形成けいせいされる。カリウムの金属きんぞく有機ゆうき化合かごうぶつはイオンせい物質ぶっしつであるため炭化たんか水素すいそなどの有機ゆうき溶媒ようばいへの溶解ようかいせいはそれほどたかくない。また、反応はんのうせいつよ空気くうきちゅう発火はっかし、みずはげしく反応はんのうする[87]。カリウムのアルコキシドつよ塩基えんきせいもとめかくざいとしてハロアルカンのだつ離反りはんおうなどに利用りようされる[88]代表だいひょうてきなものにクライゼンちぢみあい利用りようされるカリウム tert-ブトキシドがある。このようなカリウムのアルコキシドは、水素すいそカリウムもしくは金属きんぞくカリウムとアルコールとを反応はんのうさせることによって合成ごうせいされる。水素すいそカリウムは、アルコールのヒドロキシもとからプロトンくことが可能かのうなほどの強力きょうりょく塩基えんきであり、反応はんのうふく生成せいせいぶつ水素すいそしか発生はっせいしない利点りてんゆうしている[89]

化学かがく分析ぶんせき

編集へんしゅう

においカリウムは、あかがい分光ぶんこうほうにおいて分析ぶんせき試料しりょう錠剤じょうざいつくるためのマトリックスとしてもちいられる(においカリウム錠剤じょうざいほう[90]フェリシアン化カリウムしあんかかりうむ(ヘキサシアノてつ(III)さんカリウム、あかしお) K3[Fe(CN)6] は、チオクロームほうばれるチアミン(ビタミンB1)の分析ぶんせきにおいて、チアミンを酸化さんかさせる酸化さんかざいとしてもちいられる[91]。また、フェリシアンカリウムはフェロシアン化カリウムしあんかかりうむ(ヘキサシアノてつ(II)さんカリウム)K4[Fe(CN)6] とともに、てつイオンの定性ていせい分析ぶんせきにももちいられる[92]クロムさんカリウム(K2Cr2O7)やマンガンさんカリウムは、そのつよ酸化さんかりょく利用りようして酸化さんか還元かんげんしずくじょうにおける1標準ひょうじゅん物質ぶっしつとしてもちいられる[93]。また、一価いっかのカリウムイオンのイオン半径はんけいはNH4+のそれと非常ひじょうちかであるので、NH4+置換ちかん可能かのうである。それゆえ、実験じっけんにおいて水素すいそ結合けつごう影響えいきょう有無うむ調しらべたいときに、水素すいそ結合けつごう形成けいせいするNH4+を、水素すいそ結合けつごう形成けいせいしないK+置換ちかんして、結果けっか変化へんかしょうじるかかを観察かんさつするということがおこなわれる。

同位どういたい用途ようと

編集へんしゅう

前述ぜんじゅつのカリウム40がアルゴン40へと崩壊ほうかいする特性とくせいは、一般いっぱんてきいわ放射ほうしゃ年代ねんだい測定そくてい利用りようされている(カリウム-アルゴンほう)。岩石がんせきマグマから形成けいせいされた時点じてんでは岩石がんせきちゅうにアルゴン40はふくまれていないが、岩石がんせき形成けいせいされて以降いこう岩石がんせきちゅうのカリウム40の崩壊ほうかいによってアルゴン40が生成せいせい岩石がんせきちゅう蓄積ちくせきされていく。岩石がんせきちゅうのアルゴン40の存在そんざいりょうは、岩石がんせき形成けいせいされてからの時間じかん比例ひれいして増加ぞうかしていくため、岩石がんせきちゅうのカリウム40の濃度のうど蓄積ちくせきされたアルゴン40のりょう測定そくていすることで岩石がんせき年代ねんだい推定すいていすることができる。年代ねんだい測定そくていにもっともてきした鉱石こうせきには、しろ雲母うんもくろ雲母うんも深成岩しんせいがん/広域こういき変成岩へんせいがんすみ閃石火山岩かざんがん長石ちょうせきなどがある。火山かざんながれあさ貫入かんにゅう由来ゆらいする岩石がんせき試料しりょうもまた、加熱かねつされて試料しりょうちゅうのアルゴンがうしなわれるような変化へんかけていないそのままの状態じょうたい試料しりょうであれば、すべて年代ねんだい測定そくていすることができる[94][30]年代ねんだい測定そくてい以外いがいでは、カリウムの同位どういたい風化ふうか研究けんきゅうにおける放射ほうしゃせいトレーサーとして幅広はばひろもちいられる。また、カリウムが生命せいめい維持いじのために必要ひつようとされる栄養素えいようそであるため、生物せいぶつ地球ちきゅう化学かがくてき循環じゅんかん研究けんきゅうにももちいられる。

カリウム40はフェルミ粒子りゅうしであるため、低温ていおん物理ぶつりがくにおいて使つかわれることがある。2003ねんには50まんのカリウム40原子げんしもちいてフェルミ凝縮ぎょうしゅくによる縮退しゅくたいぶつ生成せいせいすることに成功せいこうし、2013ねんには10まんのカリウム40原子げんしもちいて絶対ぜったいれい下回したまわ温度おんど状態じょうたい実現じつげんすることにはじめて成功せいこうした[95]

 
ハンフリー・デービー

カリウムは、草木くさきいたはいとして古来こらいから利用りようされてきたが、これがナトリウムしおとは根本こんぽんてきことなる物質ぶっしつであるということは理解りかいされていなかった。元素げんそとしてのカリウムや、ほかの塩類えんるいから分離ぶんりされた独立どくりつした要素ようそとしてのカリウム塩類えんるい古代こだいローマ時代じだいにはられておらず、元素げんそラテン語らてんご古典こてんラテン語らてんごでなく、むしろしんラテン語らてんごであった[5]。カリウムは、カノハウサじんによる青色あおいろ織物おりもの生産せいさんするために、はいインディゴわせて使つかわれていた秘密ひみつ成分せいぶんであった[96]

1736ねんゲオルク・シュタールはナトリウムとカリウムのしお重要じゅうよう差異さいについてかれ提唱ていしょうするにいたった実験じっけんてき徴候ちょうこう[97]1736ねんアンリ=ルイ・デュアメル・デュ・モンソーによってそのちがいが証明しょうめいされた[98]1807ねんイギリスハンフリー・デービーあたらしく発見はっけんされたボルタ電池でんちもちいて、水酸化すいさんかカリウム苛性かせいカリ)を電気でんき分解ぶんかい溶融ようゆうしお電解でんかい)することによって金属きんぞくカリウムをはじめてたんはなした。この元素げんそ電気でんき分解ぶんかいによって分離ぶんりされた最初さいしょ金属きんぞくであった[99]植物しょくぶつはほとんどナトリウムを含有がんゆうしないため、potashはおもにカリウムしおであり、のこりの成分せいぶんおも水溶すいようせいひくいカルシウムしおである。

そのすうねん、デービーはカリウムをたんはなしたのと類似るいじした技術ぎじゅつによって、植物しょくぶつしおでない、鉱石こうせきより誘導ゆうどうされた水酸化すいさんかナトリウムから金属きんぞくナトリウムをたんはなし、カリウムとナトリウムの元素げんそ塩類えんるいちが物質ぶっしつであることをしめした[100][101][101][102]。このたんはなされた金属きんぞくナトリウムおよび金属きんぞくカリウムがともに元素げんそであることがしめされたが、この見解けんかい一般いっぱんみとめられるまでにはなが時間じかんがかかった[103]

ながあいだ、カリウムのおおきな用途ようとはガラス、石鹸せっけん漂白ひょうはくざい製造せいぞうかぎられていた[104]動物どうぶつせい油脂ゆしおよび木炭もくたん植物しょくぶつからつくられるカリウム石鹸せっけんは軟石鹸せっけんとしてられ、非常ひじょうみずによくやわらかい傾向けいこうがあり重宝ちょうほうされていた[67][105]。1840ねんドイツユストゥス・フォン・リービッヒによって、カリウムが植物しょくぶつのために必要ひつよう元素げんそであり、しかもだい部分ぶぶん土壌どじょうにおいてカリウムが欠乏けつぼうしていることが発見はっけんされ[106]、カリウム塩類えんるい需要じゅよう急激きゅうげき増加ぞうかした。モミのからつくられるはいがカリウムげんとして使つかわれていたが、ドイツのシュタースフルト英語えいごばん近郊きんこうにおいてカリウムしおふくんだ鉱床こうしょう発見はっけんされ、1868ねんドイツでカリウム肥料ひりょう工業こうぎょう規模きぼ生産せいさんはじまった[107][108][109]。そののカリウム鉱床こうしょうは、1960年代ねんだいまでにカナダでおおきなものが発見はっけんされ、主要しゅよう生産せいさんげんとなった[110][111]

危険きけんせい

編集へんしゅう
金属きんぞくカリウムとみずとの反応はんのう。カリウムとみずとの反応はんのうしょうじた水素すいそがピンクもしくは薄紫うすむらさきしょく燃焼ねんしょうしている(このほのおしょくはカリウムの蒸気じょうきによるものである)。つよアルカリ性あるかりせい水酸化すいさんかカリウムは水溶液すいようえきとして生成せいせいする

単体たんたい金属きんぞくカリウムは消防しょうぼうほうだい2じょうだい7こうおよび別表べっぴょうだいいちだい3るい1ごうによりだい3るい危険きけんぶつ指定していされている[112]。また毒物どくぶつおよげきぶつ取締とりしまりほうさだめるげきぶつ該当がいとうする[113]

カリウムはみずはげしく反応はんのうし、水酸化すいさんかカリウムと水素すいそガスを発生はっせいさせる[17]

 

この反応はんのう発熱はつねつ反応はんのうであり、その発熱はつねつりょう発生はっせいした水素すいそ引火いんかさせるのに十分じゅうぶん熱量ねつりょうである。そのため、酸素さんそ存在そんざいにおいて爆発ばくはつするおそれがある。また、反応はんのうによってしょうじる水酸化すいさんかカリウムは皮膚ひふ炎症えんしょうこし、眼球がんきゅう角膜かくまく可逆かぎゃくてき破壊はかいし、失明しつめいこすほどのつよアルカリである。

カリウムの微細びさい粒子りゅうし空気くうきちゅうにおいて室温しつおん発火はっかし、加熱かねつされれば塊状かいじょう金属きんぞくでも発火はっかする。発火はっかしたカリウムにみずをかけると、カリウムの密度みつどは0.89 g/cm3みずよりかるいため、燃焼ねんしょうしているカリウムがみずかび大気たいきちゅう酸素さんそにさらにさらされることになり、また、みずとカリウムの反応はんのうによって水素すいそ反応はんのうねつ生成せいせいするため、カリウムによる火災かさいはより一層いっそう悪化あっかする。そのため、通常つうじょう消火しょうか活動かつどうではカリウムによるたいして、効果こうかがないか悪化あっかさせることとなる。カリウムの消火しょうかには、乾燥かんそうした塩化えんかナトリウム食卓しょくたくしお)、炭酸たんさんナトリウム(ソーダはい)、および二酸化にさんかケイ素けいそすな)が効果こうかてきである。また、金属きんぞく火災かさいよう設計せっけいされた一部いちぶ粉末ふんまつ消火しょうかや、窒素ちっそおよびアルゴン効果こうかてきである。

カリウムはハロゲンとはげしく反応はんのうし、臭素しゅうそ反応はんのうすると爆発ばくはつする。硫酸りゅうさんともまた爆発ばくはつてき反応はんのうする。燃焼ねんしょうによってカリウムは酸化さんかぶつちょう酸化さんかぶつ形成けいせいし、これらはあぶらのような有機物ゆうきぶつもしくは金属きんぞくカリウムとはげしく反応はんのうする可能かのうせいがある[114]

カリウムは空気くうきちゅう水蒸気すいじょうき反応はんのうするため、通常つうじょう乾燥かんそうした鉱油こうゆちゅう保管ほかんされるが、リチウムやナトリウムとことなり期限きげん鉱油こうゆちゅう保存ほぞんしてはいけない。半年はんとしから1ねん以上いじょう保管ほかんされると、刺激しげき敏感びんかん酸化さんかぶつ金属きんぞくカリウムじょう保管ほかん容器ようきのふたの形成けいせいされ、ふたをけたさい爆発ばくはつする。そのため、カリウムは酸素さんそふくまない活性かっせい気体きたいもしくは真空しんくう保存ほぞんしないかぎり、3かげつ以上いじょう保管ほかんしないことが推奨すいしょうされる[115]

金属きんぞくカリウムは反応はんのうせい非常ひじょうたかいため、あつかひと皮膚ひふ完全かんぜん保護ほごし、カリウムとのあいだぼうばくかべくことがのぞましく、非常ひじょう慎重しんちょうあつかわなければならない。

出典しゅってん

編集へんしゅう
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    La dénomination de Potasche (potasse) que la nouvelle nomenclature françoise a consacrée comme nom de tout le genre, ne sauroit faire fortune auprès des chimistes allemands, qui sentent à quel point la dérivation étymologique en est vicieuse. Elle est prise en effet de ce qu'anciennement on se servoit pour la calcination des lessives concentrées des cendres, de pots de fer (pott en dialecte de la Basse-Saxe) auxquels on a substitué depuis des fours à calciner.
    Je propose donc ici, de substituer aux mots usités jusqu'ici d'alcali des plantes, alcali végétal, potasse, &c. celui de kali, & de revenir à l'ancienne dénomination de natron, au lieu de dire alcali minéral, soude &c."
    (This alkali [i.e., potash] — [which] therefore can no longer be viewed as a product of growth in plants — occupies a proper place in the originally simple series of the mineral realm, and it becomes necessary to assign it a name that is better suited to its nature.
    The name of "potash" (potasse), which the new French nomenclature has bestowed as the name of the entire species [i.e., substance], would not find acceptance among German chemists, who feel to some extent [that] the etymological derivation of it is faulty. Indeed, it is taken from [the vessels] that one formerly used for the roasting of washing powder concentrated from cinders: iron pots (pott in the dialect of Lower Saxony), for which roasting ovens have been substituted since then.
    Thus I now propose to substitute for the until now common words of "plant alkali", "vegetable alkali", "potash", etc., that of kali ; and to return to the old name of natron instead of saying "mineral alkali", "soda", etc.)
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参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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