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唐辛子とうがらし」のはんあいだ差分さぶん

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* 1552ねん ポルトガルじん宣教師せんきょうし[[バルタザール・ガーゴ]]が大友おおとも義鎮よししげたね献上けんじょうしたというせつ{{よう出典しゅってん|date=2021-01}}。
* 1552ねん ポルトガルじん宣教師せんきょうし[[バルタザール・ガーゴ]]が大友おおとも義鎮よししげたね献上けんじょうしたというせつ{{よう出典しゅってん|date=2021-01}}。
* 1577ねん ポルトガルじん宣教師せんきょうし[[ルイス・フロイス]]が来日らいにちする同僚どうりょう宣教師せんきょうしての手紙てがみに、「酢漬すづけトウガラシ」が珍重ちんちょうされることを記述きじゅつ{{よう出典しゅってん|date=2021-01}}。
* 1577ねん ポルトガルじん宣教師せんきょうし[[ルイス・フロイス]]が来日らいにちする同僚どうりょう宣教師せんきょうしての手紙てがみに、「酢漬すづけトウガラシ」が珍重ちんちょうされることを記述きじゅつ{{よう出典しゅってん|date=2021-01}}。
* 1592ねんの[[豊臣とよとみ秀吉ひでよし]]による[[朝鮮ちょうせん出兵しゅっぺい]]のときに朝鮮ちょうせんからつたわったというせつ<ref name="榎戸えのきど2010"/>。[[貝原かいばら益軒えきけん]]の『さい』<ref>中村学園なかむらがくえん貝原かいばら益軒えきけんアーカイブ」ない[https://www.nakamura-u.ac.jp/institute/media/library/kaibara/archive02.html 「貝原かいばら益軒えきけん はなさい」] より{{Cite web|和書わしょ|url=https://www.nakamura-u.ac.jp/institute/media/library/kaibara/pdf/e04.pdf |title=さい上巻じょうかん |format=PDF |publisher=中村学園大学なかむらがくえんだいがく |accessdate=2021-06-17}}「ばんはじかみ たうがらし」PDF38/38</ref>や『[[大和やまと本草ほんぞう]]』<ref>中村学園なかむらがくえん貝原かいばら益軒えきけんアーカイブ」ない[https://www.nakamura-u.ac.jp/institute/media/library/kaibara/table01.html 「大和やまと本草ほんぞう 目次もくじ」] より{{Cite web|和書わしょ|url=https://www.nakamura-u.ac.jp/institute/media/library/kaibara/pdf/b05.pdf |title=大倭おおやまと本草ほんぞうまき くさいち |format=PDF |publisher=中村学園大学なかむらがくえんだいがく |accessdate=2021-06-17}}PDF15/40</ref>などには「むかし日本にっぽんく、秀吉ひでよしおおやけあさ鮮伐のときかれくにより種子しゅしゆえぞく高麗こうらい胡椒こしょうう」などと朝鮮ちょうせんから渡来とらいしたことがかれている。これは「朝鮮ちょうせんへは日本にっぽんから伝来でんらいした」とするせつとは一見いっけん相反あいはんするが、日本にっぽん唐辛子とうがらしつたわった当初とうしょは、西日本にしにほん中心ちゅうしんにしかひろまっておらず、その豊臣とよとみ秀吉ひでよし朝鮮ちょうせん出兵しゅっぺい従事じゅうじした兵士へいしにより日本にっぽん唐辛子とうがらしぎゃく輸入ゆにゅうされたことで、朝鮮ちょうせんから日本にっぽんたものとかんがえた日本人にっぽんじんがいた、という解釈かいしゃくがある<ref name="noppou">2009ねん2がつ19にち『[[中央日報ちゅうおうにっぽう]]』「[http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=111578&servcode=400&sectcode=400 唐辛子とうがらし朝鮮ちょうせん初期しょきにもあった]」{{リンクれ|date=2021ねん1がつ}}</ref><ref>[[朝倉あさくら敏夫としお (人類じんるい学者がくしゃ)|朝倉あさくら敏夫としお]]『世界せかいしょく文化ぶんか 1 韓国かんこく』ISBN 4540050095</ref>。
* 1592ねんの[[豊臣とよとみ秀吉ひでよし]]による[[文禄・慶長ぶんろくけいちょうえき|朝鮮ちょうせん出兵しゅっぺい]]のときに朝鮮ちょうせんからつたわったというせつ<ref name="榎戸えのきど2010"/>。[[貝原かいばら益軒えきけん]]の『さい』<ref>中村学園なかむらがくえん貝原かいばら益軒えきけんアーカイブ」ない[https://www.nakamura-u.ac.jp/institute/media/library/kaibara/archive02.html 「貝原かいばら益軒えきけん はなさい」] より{{Cite web|和書わしょ|url=https://www.nakamura-u.ac.jp/institute/media/library/kaibara/pdf/e04.pdf |title=さい上巻じょうかん |format=PDF |publisher=中村学園大学なかむらがくえんだいがく |accessdate=2021-06-17}}「ばんはじかみ たうがらし」PDF38/38</ref>や『[[大和やまと本草ほんぞう]]』<ref>中村学園なかむらがくえん貝原かいばら益軒えきけんアーカイブ」ない[https://www.nakamura-u.ac.jp/institute/media/library/kaibara/table01.html 「大和やまと本草ほんぞう 目次もくじ」] より{{Cite web|和書わしょ|url=https://www.nakamura-u.ac.jp/institute/media/library/kaibara/pdf/b05.pdf |title=大倭おおやまと本草ほんぞうまき くさいち |format=PDF |publisher=中村学園大学なかむらがくえんだいがく |accessdate=2021-06-17}}PDF15/40</ref>などには「むかし日本にっぽんく、秀吉ひでよしおおやけあさ鮮伐のときかれくにより種子しゅしゆえぞく高麗こうらい胡椒こしょうう」などと朝鮮ちょうせんから渡来とらいしたことがかれている。これは「朝鮮ちょうせんへは日本にっぽんから伝来でんらいした」とするせつとは一見いっけん相反あいはんするが、日本にっぽん唐辛子とうがらしつたわった当初とうしょは、西日本にしにほん中心ちゅうしんにしかひろまっておらず、その豊臣とよとみ秀吉ひでよし朝鮮ちょうせん出兵しゅっぺい従事じゅうじした兵士へいしにより日本にっぽん唐辛子とうがらしぎゃく輸入ゆにゅうされたことで、朝鮮ちょうせんから日本にっぽんたものとかんがえた日本人にっぽんじんがいた、という解釈かいしゃくがある<ref name="noppou">2009ねん2がつ19にち『[[中央日報ちゅうおうにっぽう]]』「[http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=111578&servcode=400&sectcode=400 唐辛子とうがらし朝鮮ちょうせん初期しょきにもあった]」{{リンクれ|date=2021ねん1がつ}}</ref><ref>[[朝倉あさくら敏夫としお (人類じんるい学者がくしゃ)|朝倉あさくら敏夫としお]]『世界せかいしょく文化ぶんか 1 韓国かんこく』ISBN 4540050095</ref>。
* [[奈良なら]]の[[興福寺こうふくじ]]の[[塔頭たっちゅう]]、[[多聞たもんいん]]の住職じゅうしょく日誌にっし『[[多聞たもんいん日記にっき]]』の[[ぶんろく]]2ねん(1593ねん)の記事きじに、こうある。
* [[奈良なら]]の[[興福寺こうふくじ]]の[[塔頭たっちゅう]]、[[多聞たもんいん]]の住職じゅうしょく日誌にっし『[[多聞たもんいん日記にっき]]』の[[ぶんろく]]2ねん(1593ねん)の記事きじに、こうある。
{{Quote|コセウノタネみこと識房ヨリらい茄子なすびタネフエル時分じぶんうえトアルあいだ今日きょううえりょう茄子なすびしゅようしょうひらキ也、とぼけかわアカキぶくろ也。其内ニタネ数多あまたざい也。あかがわノカラサしょうきもりょう。コセウノあじニテモこれからしごと無類むるい。|ちょうみのるぼう英俊えいしゅん|『多聞たもんいん日誌にっし』<ref>鈴木すずき晋一しんいち『たべものばなし』(平凡社へいぼんしゃ、1986ねん)p.70</ref>}}
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2024ねん5がつ10日とおか (金)きん 06:34時点じてんにおける最新さいしんばん

みじんりにした唐辛子とうがらし
乾燥かんそうさせた唐辛子とうがらし
唐辛子とうがらしはたけ

唐辛子とうがらし(とうがらし、唐芥子とうがらし蕃椒とうがらし)は、中南米ちゅうなんべい原産げんさんとする、ナストウガラシぞく (Capsicum) の果実かじつあるいは、それからつくられる辛味からみのある香辛料こうしんりょうである。栽培さいばいしゅだけでなく、野生やせいしゅ香辛料こうしんりょうとして利用りようされることもある。

トウガラシぞく代表だいひょうてきしゅであるトウガラシには様々さまざま品種ひんしゅがあり、ピーマンシシトウガラシ(シシトウ)、パプリカなど辛味からみがないかほとんどない甘味あまみしゅあま唐辛子とうがらし・あまとうがらし)もふくまれるが、ここでは辛味からみのある品種ひんしゅからつくられる香辛料こうしんりょうについてべる。

概要がいよう[編集へんしゅう]

トウガラシぞく中南米ちゅうなんべい原産地げんさんちであり、メキシコでの歴史れきし紀元前きげんぜん6000ねんさかのぼるほど非常ひじょうふるい。しかし、世界せかい各国かっこくひろがるのは15世紀せいきになってからである[1]。トウガラシぞく自生じせいしている南米なんべいでは、ウルピカなどの野生やせいしゅ香辛料こうしんりょうとして使つかわれる。

唐辛子とうがらし辛味からみ成分せいぶんカプサイシンるいであり、いたみをあたえる[2]。このいたみが「辛味からみ」の正体しょうたいであるが、唐辛子とうがらし場合ばあい刺激しげきつよく、ひとによりこのみがかれる。粘膜ねんまくきずつけるため、適量てきりょうえて過剰かじょう摂取せっしゅすれば胃腸いちょうひとし問題もんだいこすこともある。皮膚ひふよわ部分ぶぶん附着ふちゃくするとはげしいいたみをこすことがおおい。唐辛子とうがらし収穫しゅうかく加工かこう料理りょうりのため唐辛子とうがらしさわった粘膜ねんまくれた場合ばあいつよ刺激しげきける。

くような」と形容けいようされる唐辛子とうがらしつらさは激辛げきから料理りょうりという料理りょうりジャンルをんだ。極端きょくたんれいでは唐辛子とうがらしから抽出ちゅうしゅつしたカプサイシンの結晶けっしょう販売はんばいされている[3]

分類ぶんるいがくてき位置いちづけ[編集へんしゅう]

トウガラシぞくにはすうじゅうしゅぞくするが、そのうち栽培さいばいしゅつぎの5しゅである。

日本にっぽん栽培さいばいされているのはおもにトウガラシだが、沖縄おきなわ伊豆諸島いずしょとうではキダチトウガラシの品種ひんしゅしま唐辛子とうがらし栽培さいばいされている。

つら[編集へんしゅう]

品種ひんしゅべつ[編集へんしゅう]

あかブート・ジョロキアあおバード・アイ英語えいごばん
原産げんさんこく地域ちいき 品種ひんしゅめい つらさ(スコヴィル
アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく ペッパーX 318まん[4]
ウェールズ ドラゴンズ・ブレス 248まん[5]
アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく キャロライナ・リーパー 220まん[6]
トリニダード・トバゴ トリニダード・スコーピオン・モルガ英語えいごばん 200まん[7]
インド ブート・ジョロキア 158まん[8]
トリニダード・トバゴ トリニダード・スコーピオン・ブッチ・テイラー 146まん3000[9]
イングランド ナーガ・ヴァイパー英語えいごばん 140まん[10]
イングランド インフィニティ・チリ英語えいごばん 120まん[11]
ユカタン半島はんとう ハバネロ 35まん–85まん5000[12]
西にしアフリカ スコッチ・ボンネット英語えいごばん 35まん–85まん5000[12]
タイ王国おうこく バード・アイ英語えいごばん 35まん–85まん5000[12]
日本にっぽん 熊鷹くまたか 35まん–85まん5000[12]
日本にっぽん はちぼう 10まん–35まん[12]
フランス(ギアナ) カイエンペッパー 5まん–10まん
日本にっぽん 三鷹みたか 5まん–10まん[12]
メキシコ ハラペーニョ 3500-1まん
アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく フレズノ・ペッパー英語えいごばん 3500-1まん

味覚みかく生理せいり[編集へんしゅう]

カプサイシン受容じゅようたいTRPV1はいた関連かんれん受容じゅようたい分類ぶんるいされており[13]唐辛子とうがらし辛味からみ口内こうないの「痛覚つうかく」である[14]

鳥類ちょうるいはカプサイシンをかんるレセプターが存在そんざいせず、唐辛子とうがらしからみをかんじないとかんがえられており、種子しゅし散布さんぷ戦略せんりゃくとしてこのような進化しんかをしたとかんがえられる。野生やせい哺乳類ほにゅうるいなどは一般いっぱんてきにカプサイシンのからみをこのまないが、マウス少量しょうりょうずつカプサイシンりのえさあたえるとぎゃくにカプサイシンのはいったえさこのむとった実験じっけん結果けっか存在そんざいする[15]

名称めいしょう[編集へんしゅう]

唐辛子とうがらし」の漢字かんじは「とうからつたわった辛子からし」の意味いみであるが、歴史れきしてきに、この「とう」は漠然ばくぜんと「外国がいこく」をかたりとされる。同様どうよう南蛮なんばん辛子からし(なんばんがらし)、りゃくした南蛮なんばんというかたもある。

たかつめ」は唐辛子とうがらし総称そうしょうではなくて、いち栽培さいばい品種ひんしゅである[16]

九州きゅうしゅう一部いちぶ長野ながのけん北部ほくぶ地域ちいきなどでは唐辛子とうがらしを「胡椒こしょう」とぶことがある(「柚子ゆず胡椒こしょう」の「胡椒こしょう」も唐辛子とうがらしのことである)。「外来がいらいの」という意味いみ南蛮なんばん胡椒こしょうこううらら胡椒こしょうともばれ、沖縄おきなわけんでは「コーレーグス」という方言ほうげんばれる。一説いっせつには大陸たいりく唐土とうど)との交易こうえきうるおっていた地域ちいきでは「とうらし」におとつうずる「トウガラシ」のけたためともいわれる。また地域ちいきうところの「胡椒こしょう」を、区別くべつのため「よう胡椒こしょう」とぶことがある。

英語えいごでは、産品さんぴんとしては「レッド・ペッパー (red pepper)」あるいは「チリ・ペッパー (chili pepper)」、植物しょくぶつめいとしては「カプシカム・ペッパー (Capsicum peppers)」とばれる[17]胡椒こしょう(コショウコショウぞく)とは関係かんけいいにもかかわらずpepperとばれている理由りゆうは、胡椒こしょう同様どうようつら香辛料こうしんりょうだからである[18]

英語えいごでのいちめい「チリ」(chili, chile, chilli, chille)はメキシコのナワトルでの唐辛子とうがらし呼称こしょうchilli由来ゆらいする。南米なんべい西側にしがわ地名ちめい国名こくめいチリ (Chile)」とは語源ごげんことなる[19]

利用りよう[編集へんしゅう]

みどりからあかへとじゅくしていく唐辛子とうがらし果実かじつ

胡椒こしょう同様どうよう料理りょうりからみをつけるために使つかわれる。また、けん胃薬いぐすり凍瘡とうそう凍傷とうしょう治療ちりょう育毛いくもうなどくすりとしても利用りようされる。果実かじつみどりのままでもべることが出来できる。一般いっぱんに、緑色みどりいろのものはあお唐辛子とうがらしじゅくしたあかいものはあか唐辛子とうがらしばれる。果実かじつ鑑賞かんしょうするためのトウガラシの品種ひんしゅもある。

食用しょくよう[編集へんしゅう]

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なまのままべる場合ばあいと、乾燥かんそうしたのち使つか場合ばあいとがある。チポトレのようにいぶしけむりしてから使つか場合ばあいもある。

醤油じょうゆ食用しょくよう泡盛あわもりなどにむと、それらに辛味からみあたえるので通常つうじょうとはちがった風味ふうみ調味ちょうみりょうとすることができる。かった状態じょうたい唐辛子とうがらしは、してきざサラダなどに利用りようすることもできる。

日本にっぽんでは1960年代ねんだいには年間ねんかん7000トン程度ていど生産せいさんされ、輸出ゆしゅつもされていた。2018ねんにはぎゃく輸入ゆにゅうひんおもで、輸入ゆにゅうりょう1まん4000トンにたいして国産こくさんはその1%程度ていどである。市町村しちょうそんべつでは「栃木とちぎ三鷹みたか(さんたか)」を生産せいさんする栃木とちぎけん大田原おおたわらがほとんどのとし首位しゅいめている[20]料理りょうり唐辛子とうがらしおお使つかわれるようになったのは比較的ひかくてき最近さいきんのことである。1980年代ねんだい以降いこうエスニック料理りょうり浸透しんとうし、「激辛げきからブーム」がこる以前いぜんには、薬味やくみかおけに一味いちみ唐辛子とうがらし日本にっぽん特有とくゆう七味唐辛子しちみとうがらし少量しょうりょう使つかわれる程度ていどであり、市販しはんカレー辛口からくち商品しょうひんかんしては少数しょうすうとどまっていた。いま年配ねんぱいそうには唐辛子とうがらし辛味からみ苦手にがてとするひとおお[よう出典しゅってん]

インド料理りょうりタイ料理りょうり朝鮮ちょうせん料理りょうりなどの唐辛子とうがらし日常にちじょうてき使つかわれる地域ちいきでは、ちいさい子供こどもころから徐々じょじょつらあじらしていき、した胃腸いちょう刺激しげきたいしてつよくしている。一方いっぽう日常にちじょうてき使つか習慣しゅうかんのない場合ばあいは、味覚みかくとしての辛味からみというよりも「いたみ」として認識にんしきされ、敬遠けいえんされる。 このことからも、いたみを味覚みかくとしてこのむということ自体じたい多分たぶん社会しゃかい文化ぶんかてき条件じょうけんけによるものとえる。これらのくに唐辛子とうがらし積極せっきょくてき摂取せっしゅするのは、メキシコ西にしアフリカ中国ちゅうごく四川しせんしょう湖南こなんしょうなどなつあつ地域ちいきおおく、食欲しょくよく増進ぞうしん発汗はっかんうながあつふせぐためであるとわれる。ただし、台湾たいわん沖縄おきなわなどあつぶしながいにもかかわらずさほど唐辛子とうがらしこのまない地域ちいきがある一方いっぽう韓国かんこくブータンなどそれほどあつくない地域ちいき韓国かんこく大陸たいりくせい気候きこう影響えいきょうつよなつあつくなるが、高温こうおんになるぶしながくはない)で唐辛子とうがらしとくこのしょく文化ぶんかもあり、唐辛子とうがらし嗜好しこうたんなる気候きこうてき要因よういんではなく文化ぶんかてき要因よういんによるものがつよいことがうかがえる[よう出典しゅってん]

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唐辛子とうがらし佃煮つくだに

フィリピン中国ちゅうごくなどアジアけんでは唐辛子とうがらし)を青菜あおな同様どうよういためてべたり、汁物しるものとしたりすることもある。日本にっぽんでも唐辛子とうがらしいためてべたり、佃煮つくだににしたりすることもある。

栄養えいよう[編集へんしゅう]

ごく少量しょうりょうふくまれるから成分せいぶんカプサイシンには、唾液だえき分泌ぶんぴつりょうやして食欲しょくよく増進ぞうしんする効果こうかがある[21]ほか、末梢まっしょう血管けっかん拡張かくちょうさせて流量りゅうりょうやしてからだあたためる効果こうか副腎ふくじんホルモンのひとエピネフリン別名べつめい:アドレナリン)の分泌ぶんぴつりょうやして脂肪しぼう燃焼ねんしょう効率こうりつたかめる効果こうかなどがあり、さまざまな機能きのうせい注目ちゅうもくされている[22]。またカプサイシンが食事しょくじ食塩しょくえん使用しようりょうらしても物足ものたりなさかんじることがなくなり満足まんぞくかんやすいので、食塩しょくえん摂取せっしゅりょう減少げんしょうする効果こうかられる[22]

カロテン体内たいないビタミンA変化へんか)とビタミンC豊富ほうふなことから、なつバテ防止ぼうし効果こうかたか[よう出典しゅってん]とくあつ地域ちいきおお使つかわれている。じょちゅう効果こうかもあり、食物しょくもつ保存ほぞん利用りようされたりすることもあるが、サルモネラ菌さるもねらきん大腸菌だいちょうきんなどの食中毒しょくちゅうどく原因げんいんきん殺菌さっきんする作用さよう[23]食中毒しょくちゅうどくふせぐことはできない。

旨味うまみ成分せいぶんであるグルタミン酸ぐるたみんさんおおふくまれている。[よう出典しゅってん]

長寿ちょうじゅいのち[編集へんしゅう]

ハーバード大学だいがく公衆こうしゅう衛生えいせい学部がくぶ研究けんきゅうによると、唐辛子とうがらしをほぼ毎日まいにちべたひとは、死亡しぼうのリスクが14%ひくいことがわかった。研究けんきゅう著者ちょしゃのLu Qiによると、研究けんきゅうからのいくつかの証拠しょうこは、カプサイシンなどの唐辛子とうがらし生物せいぶつ活性かっせい成分せいぶんが「悪玉あくだまコレステロールトリグリセリド低下ていかさせ、炎症えんしょう改善かいぜんする可能かのうせいがあることを示唆しさしている[24]

悪影響あくえいきょう[編集へんしゅう]

唐辛子とうがらしおおくに胃癌いがん食道しょくどうがん発癌はつがんりつたかいといわれている。唐辛子とうがらし過剰かじょう摂取せっしゅ発癌はつがん関連かんれんせい指摘してきされている[25][26][27][28][29]が、国際こくさいがん研究けんきゅう機関きかん (IARC) によるはつがんせい可能かのうせいがある物質ぶっしつとはみとめられていないため、カプサイシン単体たんたい発癌はつがんせいをもつわけではない。

たか発癌はつがんりつは、トウガラシの貯蔵ちょぞうちゅう発生はっせいするカビ生産せいさんするカビどく原因げんいんかんがえられている[30]

食品しょくひん以外いがい利用りよう[編集へんしゅう]

唐辛子とうがらし厄除やくよ
  • 蕃椒とうがらし - 唐辛子とうがらし生薬きぐすりめい蕃椒とうがらし(ばんしょう)という。けん発汗はっかん作用さようなどがある。また外用がいようやくとしてあつし湿布しっぷなどに使つかわれるが、カプサイシンの外用がいよう末梢まっしょう血管けっかん拡張かくちょうする効果こうか[よう検証けんしょう]あたたかみをかんじるのは、カプサイシンが、痛覚つうかく高温こうおんなどのセンサーであるTRPV1刺激しげきすることでこる、擬似ぎじてきなものである。寒冷かんれいではくつなかれてしもやけ凍傷とうしょう予防よぼうとして使つか民間みんかん療法りょうほうがある。
  • トウガラシチンキ医薬品いやくひん
  • 猛獣もうじゅう暴徒ぼうとなどにたいする自衛じえい手段しゅだんとしてもちいられるトウガラシスプレー
  • 農作物のうさくもつししがいからまもるために農地のうち外周がいしゅうえられることがある。イノシシサルしょく試験しけんでは、トウガラシをべないわけではないが嗜好しこうせいひくい。とくタカノツメいやがる[31]
  • 園芸えんげいでは作物さくもつともえて虫害ちゅうがいらす目的もくてき栽培さいばいされる。[よう出典しゅってん]
  • 米櫃こめびつうちむしけとして乾燥かんそう唐辛子とうがらし使用しようされる。
  • 入浴にゅうよくざい
  • 乾燥かんそうさせた唐辛子とうがらしは、室内しつないがい装飾そうしょくにも使つかわれる。
  • 羽黒山はぐろさん修験しゅげんどうでは、唐辛子とうがらしいぶし、そのけむりえる修行しゅぎょうがあった。また、特高警察とっこうけいさつなどで拷問ごうもんにも使つかわれたという。昭和しょうわ初期しょき連続れんぞく殺人さつじん事件じけん一方いっぽう事件じけん岩手いわてけん)では、容疑ようぎしゃさかりにし、そのしたでなんばん(唐辛子とうがらし)をいぶして自白じはくせまったという目撃もくげきだんがあったとされる[32]

伝来でんらい[編集へんしゅう]

原産地げんさんちはメキシコが栽培さいばい起源きげんかんがえられており、もっとふるいものはメキシコ中部ちゅうぶ紀元前きげんぜん6500 - 5000ねんごろの栽培さいばいがた出土しゅつど確認かくにんされている[33]アメリカ大陸あめりかたいりく各地かくちでは、紀元前きげんぜんころから栽培さいばいされていたとみられ、1世紀せいきごろのペルーの遺跡いせきからは唐辛子とうがらし模様もよう織物おりもの発見はっけんされている[33]現在げんざい世界中せかいじゅうくにおお使つかわれているが、アメリカ大陸あめりかたいりく以外いがいにおいては歴史れきしてきあたらしいもので、正確せいかく伝来でんらいねんとヨーロッパないでの伝播でんぱについての詳細しょうさい不明ふめいである。クリストファー・コロンブス1493ねんスペイン最初さいしょ唐辛子とうがらしかえった[33]以降いこう、ヨーロッパ全域ぜんいきひろまっていった[33]

中国ちゅうごく[編集へんしゅう]

現代げんだい中華ちゅうか料理りょうりはトウガラシ(辣椒)を多用たようし、とくに長江ながえちゅう流域りゅういき四川しせん料理りょうり湖南こなん料理りょうり湖北こほく料理りょうりしゅう料理りょうり、陝南料理りょうり陝西せんせいしょう南部なんぶ)はつらいことでられる[34]。しかしトウガラシの伝来でんらいについては不明ふめいてんおおい。3つのルートが推測すいそくされている[35]

  1. 陸路りくろ中央ちゅうおうアジアからシルクロード中国ちゅうごく西部せいぶしんて、西安しーあんにたどりいた。
  2. 海路かいろ原産地げんさんちのメキシコから太平洋たいへいよう横断おうだんし、フィリピン経由けいゆ大陸たいりくにたどりいた。
  3. 海路かいろでポルトガルじん植民しょくみんゴア拠点きょてん東南とうなんアジア、あらたに植民しょくみんにしたマカオて、中国ちゅうごく南部なんぶ広東かんとんしょう広西ひろせチワンぞく自治じちあたりに上陸じょうりくした。

めずらし本草ほんぞう綱目こうもく』(1578ねん完成かんせい)にはまだトウガラシはえず、文献ぶんけんじょうあかりまつこう濂(1620ねんぼつ)の『草花くさばな』および『遵生はち牋』(1591年刊ねんかん[36]、およびしんはつちん淏子はなきょう』(1688年刊ねんかん[37]に「ばんはじかみ」のえるものがふるい。初期しょきにおいてはおも観賞かんしょうようであったらしい[34]四川しせん料理りょうり使つかわれるようになったのはさらに時代じだいおくれる。いぬいたかし年間ねんかん(18世紀せいき)のくすのき調ちょうもと『醒園ろく』は四川しせん料理りょうりかんするもっともふる書物しょもつだが、まだトウガラシは使つかわれておらず、よしみけい年間ねんかん(1796ねん - 1820ねん)になってはじめて四川しせんでトウガラシを栽培さいばいしたという記録きろくられる[34]。したがって、長江ながえちゅう流域りゅういき料理りょうりからくなったのは19世紀せいきはじめとかんがえられる。

日本にっぽん[編集へんしゅう]

鑑賞かんしょうようのトウガラシ

日本にっぽんへの伝来でんらいには諸説しょせつある[38]日本にっぽん伝来でんらいした初期しょき食用しょくようとしてもちいられず、観賞かんしょうよう毒薬どくやく足袋たびのつまさきれて霜焼しもやめとしてもちいられた[よう出典しゅってん]

  • 1542ねんにポルトガルじん宣教師せんきょうし豊後ぶんごこく戦国せんごく大名だいみょう大友おおとも義鎮よししげ(よししげ、出家しゅっけのち宗麟そうりんしょうす)にたね献上けんじょうしたというせつ[38]江戸えど時代じだい後期こうき農政のうせい学者がくしゃ佐藤さとう信淵のぶひろ(のぶひろ)が『草木くさきろくこうしゅほう』(1829) のなかで「蕃椒とうがらし最初さいしょみなみぼく利加りかみなみアメリカ)しゅうひがし海浜かいひんなるはくこく(ブラシリア)よりしょうじたるものにして、天文てんもんじゅういちねん(1542ねん)になみなんじもりかわらなんじ(ポルトガル)にんる」、南瓜かぼちゃ種子しゅしともに「天文てんもん年中ねんじゅう西洋せいようじんはじめて豊後ぶんごこく来航らいこうし...国主こくしゅ大友おおともはじめうろこけんじ」[39]しるしている。ただし、「天文てんもんじゅういちねん」は天文てんもんじゅういちねん」(1552ねん[40]誤記ごきである[独自どくじ研究けんきゅう?]南蛮なんばん胡椒こしょうばれていたのはこのためであるとされる[よう出典しゅってん]
  • 1552ねん ポルトガルじん宣教師せんきょうしバルタザール・ガーゴ大友おおとも義鎮よししげたね献上けんじょうしたというせつ[よう出典しゅってん]
  • 1577ねん ポルトガルじん宣教師せんきょうしルイス・フロイス来日らいにちする同僚どうりょう宣教師せんきょうしての手紙てがみに、「酢漬すづけトウガラシ」が珍重ちんちょうされることを記述きじゅつ[よう出典しゅってん]
  • 1592ねん豊臣とよとみ秀吉ひでよしによる朝鮮ちょうせん出兵しゅっぺいのときに朝鮮ちょうせんからつたわったというせつ[38]貝原かいばら益軒えきけんの『さい[41]や『大和やまと本草ほんぞう[42]などには「むかし日本にっぽんく、秀吉ひでよしおおやけあさ鮮伐のときかれくにより種子しゅしゆえぞく高麗こうらい胡椒こしょうう」などと朝鮮ちょうせんから渡来とらいしたことがかれている。これは「朝鮮ちょうせんへは日本にっぽんから伝来でんらいした」とするせつとは一見いっけん相反あいはんするが、日本にっぽん唐辛子とうがらしつたわった当初とうしょは、西日本にしにほん中心ちゅうしんにしかひろまっておらず、その豊臣とよとみ秀吉ひでよし朝鮮ちょうせん出兵しゅっぺい従事じゅうじした兵士へいしにより日本にっぽん唐辛子とうがらしぎゃく輸入ゆにゅうされたことで、朝鮮ちょうせんから日本にっぽんたものとかんがえた日本人にっぽんじんがいた、という解釈かいしゃくがある[43][44]
  • 奈良なら興福寺こうふくじ塔頭たっちゅう多聞たもんいん住職じゅうしょく日誌にっし多聞たもんいん日記にっき』のぶんろく2ねん(1593ねん)の記事きじに、こうある。
コセウノタネみこと識房ヨリらい茄子なすびタネフエル時分じぶんうえトアルあいだ今日きょううえりょう茄子なすびしゅようしょうひらキ也、とぼけかわアカキぶくろ也。其内ニタネ数多あまたざい也。あかがわノカラサしょうきもりょう。コセウノあじニテモこれからしごと無類むるい
ちょうみのるぼう英俊えいしゅん、『多聞たもんいん日誌にっし[45]

朝鮮ちょうせん[編集へんしゅう]

1592ねん朝鮮ちょうせん出兵しゅっぺいさい武器ぶき目潰めつぶしや毒薬どくやく)またはりゅう増進ぞうしん作用さようによる凍傷とうしょう予防よぼうやくとして日本にっぽんからのへい加藤かとう清正きよまさ)がんだものである。1614ねんの『しばみねるいせつ』では「南蛮なんばんはじかみにはだいどくがあり、倭国わのくにからはじめてきたのでぞくやまと芥子からしやまと辛子からし)といい、ちかごろこれをえているのをかける」とかれており、イ・ソンウ(이성우もり)が『高麗こうらい以前いぜん韓国かんこく食生活しょくせいかつ研究けんきゅう』(1978ねん[46]日本にっぽんからの伝来でんらいせつしめして以降いこう通説つうせつとなっている。

唐辛子とうがらし利用りようした調味ちょうみ食品しょくひんれい[編集へんしゅう]

世界せかい各地かくちでの唐辛子とうがらし利用りよう[編集へんしゅう]

南北なんぼくアメリカ[編集へんしゅう]

メキシコ
トウガラシの原産げんさんこくで、栽培さいばいされる種類しゅるいおおく、せいのまま、乾燥かんそうさせたもの、燻製くんせいにしたものなど様々さまざま使つかかたがされている。有名ゆうめいなのは「ハラペーニョ」や「ハバネロ」と品種ひんしゅ
ボリビア
ボリビアの食卓しょくたくにはロコトアヒ・アマリージョ使つかったヤフア(リャフア)というサルサ(ソース)がかれているのが普通ふつうである。ウルピカも食用しょくようとされる。
ペルー
サルサやパパ・アラワンカイナなど料理りょうり味付あじつけおよび色付いろづけにアヒ・アマリージョが多用たようされる。ロコトにファルスめた料理りょうりもある。
コロンビア
アヒーとばれる薬味やくみ料理りょうり味付あじつけに使つかわれる。唐辛子とうがらしネギトマトのみじんりにしおレモンしるぜてつくる。
アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく
きゅうメキシコりょうであったアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく南西なんせいでは、テクス・メクス料理りょうりなどメキシコけい料理りょうりにトウガラシがよくもちいられる。西にしアフリカの料理りょうり影響えいきょうけたルイジアナしゅうクレオール料理りょうりケイジャン料理りょうり同様どうようで、あかタバスコペッパー(キダチトウガラシの一種いっしゅ)やハラペーニョからつくったタバスコソースはどうしゅう特産とくさんである。また、チリコンカーン味付あじつけにもちいられるチリパウダーしゅ原料げんりょうちゅうからし唐辛子とうがらしである。
ハイチ
ハイチ料理りょうりには、カプシクム・キネンセいち品種ひんしゅピーマン・ブークを野菜やさい一緒いっしょ酢漬すづけにしたものが調味ちょうみりょうとしてよく使つかわれる。

ヨーロッパ[編集へんしゅう]

イタリア
イタリア料理りょうりおもみなみイタリア)で使つかわれることがおおい。くだいたあか唐辛子とうがらし使用しようするのが普通ふつう基本きほんてきスパゲッティ(またはパスタ一般いっぱん)の料理りょうりほうである「アーリオ・オリオ・ペペロンチーノ」のペペロンチーノは唐辛子とうがらし意味いみオリーブオイルに唐辛子とうがらし各種かくしゅハーブなどでかおりづけしペペロンチーニばれるこうくさオイルがある[よう出典しゅってん]
ギリシャ
くだいたあか唐辛子とうがらし家庭かてい野菜やさい料理りょうりによくもちいる。
ハンガリー
じゅくしたパプリカ乾燥かんそうさせてこなにしたものをグヤーシュパプリカーシュなどの煮込にこ料理りょうりもちいる。
イベリア半島はんとう
パプリカにこな唐辛子とうがらしソーセージチョリソなど)の調味ちょうみ煮込にこ料理りょうりもちいる。ポルトガルでは、キダチトウガラシの一種いっしゅ辛味からみつよピリピリもちいられる。
バスク地方ちほう
エスプレットという品種ひんしゅ有名ゆうめい

アジア[編集へんしゅう]

日本にっぽん
日本にっぽん唐辛子とうがらし多種たしゅ[47]である。かつて、日本にっぽんは50種類しゅるい以上いじょう唐辛子とうがらし生産せいさんする辛子からし輸出ゆしゅつ大国たいこくであった[48]が、その輸入ゆにゅうおおくなっている。料理りょうり漬物つけもの薬味やくみなど幅広はばひろ使つかわれており、蕎麦そば店頭てんとうには、七味唐辛子しちみとうがらし一味いちみ唐辛子とうがらしなどがテーブルにかれ、各自かくじこのみにより料理りょうりくわえることができる。沖縄おきなわそばには泡盛あわもりにつけんだ調味ちょうみりょうコーレーグスかせない[49]国民こくみんいちにんたりの消費しょうひりょうはそれほどおおくはい。
朝鮮半島ちょうせんはんとう
キムチチゲなど、唐辛子とうがらし使つかった料理りょうりおおい。唐辛子とうがらしつたわる以前いぜんには、山椒さんしょうがよく使つかわれていた。キムチに使つかわれる唐辛子とうがらしは、韓国かんこく特有とくゆうからみがすくないおおきめの唐辛子とうがらしで、ほんのりとあまみがある。コチュジャン味付あじつけに利用りようされる。また、男児だんじ誕生たんじょうするとなわ唐辛子とうがらしをはさんで戸口とぐちかかげる習慣しゅうかんがある。
中国ちゅうごく
中国ちゅうごく西南せいなん多用たようされる。四川しせん料理りょうり唐辛子とうがらしと「はなはじかみ」とばれる山椒さんしょう一種いっしゅ多用たようする。湖南こなん料理りょうり唐辛子とうがらしで、酸味さんみのあるつらさを特徴とくちょうとしている。とく唐辛子とうがらしあじつよしているのは、しゅう料理りょうり雲南うんなん料理りょうりで、とりわけ雲南うんなんタイぞくなどの少数しょうすう民族みんぞく料理りょうりもっとつらさを強調きょうちょうした料理りょうり特徴とくちょうとしている。ほかにもミャオぞくヤオぞくなども唐辛子とうがらし多用たようしている。広東かんとん料理りょうりはさほど唐辛子とうがらし使つかわないが、「野山のやまはじかみ」とばれるあお唐辛子とうがらし酢漬すづけをこのひともいる。杭州こうしゅうではししとうた「くいはじかみ」をピーマンのようにいたぶつ使つかう。
タイ
タイ料理りょうりにはトムヤムクン(スープ)やグリーンカレーなど、唐辛子とうがらしおお使つかったつら料理りょうりおおい。唐辛子とうがらしつたわるまえ胡椒こしょうタイでプリッタイとばれる)がもちいられていた。「プリッキーヌー」は小粒こつぶ非常ひじょうつら品種ひんしゅで、通常つうじょうあおいまま使つかわれる。
ブータン
唐辛子とうがらしそのものを主要しゅよう野菜やさい做し、調理ちょうりしてべている。したがって、世界せかい最高さいこうつらさをほこ料理りょうりである。唐辛子とうがらしつて以前いぜんには、山椒さんしょう使つかわれていた。唐辛子とうがらし野菜やさいとしてもちいたブータン料理りょうりとしては、エマダツィげられる。
インド、バングラデシュ
香辛料こうしんりょう使つかった料理りょうり歴史れきしながい。地方ちほうによってからみをすのに唐辛子とうがらしおお使つか地域ちいきとそれ以外いがい香辛料こうしんりょうおお使つか地域ちいきがある。また一般いっぱん野菜やさいよりもにく使つかった料理りょうり唐辛子とうがらし多用たようする傾向けいこうがある。唐辛子とうがらし漬物つけものアツァール)もつくられる。ギネスブック世界一せかいいちつら唐辛子とうがらし認定にんていされていた「ブート・ジョロキア」はアッサム地方ちほう原産げんさんである。
スリランカ
スリランカ料理りょうりは、インド料理りょうり同様どうよう唐辛子とうがらしによりからみをつけることがおおい。
トルコアルメニア
パプリカにこな唐辛子とうがらし煮込にこ料理りょうりもちいる。

アフリカ[編集へんしゅう]

マグリブとくチュニジア
唐辛子とうがらしコリアンダー)、クミンなどの香辛料こうしんりょうわせてくだいたハリッサクスクスなどの料理りょうり調味ちょうみりょうとしてえたり、オリーブオイルぜて薄切うすぎりパンに前菜ぜんさいとしたりする。
エチオピアエリトリア
唐辛子とうがらしおも原料げんりょうとした配合はいごう調味ちょうみりょうベルベレワットなどの味付あじつけにもちいる。

ギャラリー[編集へんしゅう]

唐辛子とうがらしをモチーフにしたキャラクター[編集へんしゅう]


出典しゅってん[編集へんしゅう]

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参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

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関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]