ススキティラヌス

ススキティラヌス
生息せいそく年代ねんだい: 白はく亜紀あき後期こうき, 92 Ma PreЄ Є O S D C P T J K Pg N ↓
特別とくべつ展てん『恐竜きょうりゅう王国おうこく2012』のため組くみ立たてられた骨格こっかく
地質ちしつ時代じだい
中生代ちゅうせいだい白はく亜紀あき後期こうき - チューロニアン
分類ぶんるい
ドメイン : 真ま核かく生物せいぶつ Eukaryota 界さかい : 動物界どうぶつかい Animalia 門もん : 脊索せきさく動物どうぶつ門もん Chordata 亜あ門もん : 脊椎動物せきついどうぶつ亜あ門もん Vertebrata 綱つな : 爬虫綱つな Reptilia 亜あ綱つな : 双そう弓ゆみ亜あ綱つな Diapsida 下綱しもつな : 主しゅ竜りゅう形がた下綱しもつな Archosauromorpha 上目うわめ : 恐竜きょうりゅう上目うわめ Dinosauria 目め : 竜りゅう盤ばん目め Saurischia 亜あ目め : 獣しし脚あし亜あ目め Theropoda 階級かいきゅうなし : 鳥とり吻類 Averostra 下目しため : テタヌラ下目しため Tetanurae 階級かいきゅうなし : コエルロサウルス類るい Coelurosauria 階級かいきゅうなし : ティラノラプトラ Tyrannoraptora 上うえ科か : ティラノサウルス上うえ科か Tyrannosauroidea 階級かいきゅうなし : パンティラノサウルス類るい Pantyrannosauria 属ぞく : ススキティラヌス属ぞく Suskityrannus
学名がくめい
Suskityrannus Nesbitt et al., 2019
種たね
Suskityrannus hazelae Nesbitt et al., 2019（模も式しき種しゅ）

ススキティラヌス（学名がくめい：Suskityrannus "(ズニ族ぞくの言葉ことばで)コヨーテの暴君ぼうくん"の意味いみ）は、白はく亜紀あき後期こうきのララミディア大陸たいりくに生息せいそくした小型こがたのティラノサウルス上うえ科かの獣しし脚あし類るいの属ぞく。模かたぎ式しき種しゅススキティラヌス・ハゼラエのみが含ふくまれ、約やく9,200万まん年ねん前まえに生息せいそくしていたと信しんじられている。模かたぎ式しき標本ひょうほんはチューロニアンにあたるニューメキシコ州しゅう西部せいぶのズニ盆地ぼんち Moreno Hill 層そうで発見はっけんされた。

記載きさい

ワイオミング州しゅう恐竜きょうりゅうセンターにて、一般いっぱん的てきなコエルロサウルス類るいとしての特徴とくちょうが多おおい初期しょきの骨格こっかく復元ふくげん

ススキティラヌスの2つの標本ひょうほんは背丈せたけ1メートル全長ぜんちょう3メートルで、体重たいじゅうは20 - 40キログラムだった。いずれも成体せいたいではない可能かのう性せいが高たかく、標本ひょうほんの1つは成長せいちょう輪わに基もとづいて3歳さいと推定すいていされた。ススキティラヌスの頭部とうぶと足あしはティラノサウルスよりも細長ほそながい。アークトメタターサルの系統けいとう発生はっせい学がく的てきに早はやい記録きろくなどススキティラヌスは既すでにティラノサウルス科かのボディープランの主要しゅような特徴とくちょうを持もっており、羽毛うもうが生はえていた可能かのう性せいもある。

発見はっけんと命名めいめい

Wolfe と Kirkland による1998年ねんのズニケラトプスの記載きさいにおいて小型こがたのドロマエオサウルス科かとして最初さいしょに言及げんきゅうされ、科学かがく的てき記載きさいに先立さきだって「ズニのコエルロサウルス類るい」や「ズニのティラノサウルス類るい」あるいは「ズニティラヌス」と非公式ひこうしきに呼称こしょうされていた。ドキュメンタリー『プラネット・ダイナソー』で焦点しょうてんが当あてられた際さいにはズニティラヌスという名称めいしょうが用もちいられ、ティラノサウルス類るいの推論すいろん的てきな傾向けいこうに基もとづき、群むれで狩かりをする捕食ほしょく動物どうぶつとして紹介しょうかいされた。最初さいしょの化石かせきは古こ生物せいぶつ学者がくしゃ Doug Wolfe とともに発掘はっくつに訪おとずれていた当時とうじ16歳さいの博物館はくぶつかんボランティアであるスティーリング・ネスビットが発見はっけんした。ススキティラヌスは2019年ねんに原始げんし的てきなティラノサウルス上うえ科かの属ぞくとして正式せいしきに記載きさいされた。ホロタイプ標本ひょうほん MSM P4754（部分ぶぶん的てきに関節かんせつした頭骨とうこつと少量しょうりょうの胴体どうたいの骨ほね）とパラタイプ標本ひょうほん MSM P6178 （少量しょうりょうの頭骨とうこつと不完全ふかんぜんな胴体どうたいを含ふくむ部分ぶぶん的てきに関節かんせつした骨格こっかく）のどちらもがアリゾナ自然しぜん史し博物館はくぶつかんのコレクションとして保管ほかんされている。

分類ぶんるい

ススキティラヌスに近きん縁えんな属ぞくであるティムルレンギア

以下いかはススキティラヌスの位置いちについての系統けいとう解析かいせき。

	†ティラノサウルス上うえ科か   †プロケラトサウルス科か         †ストケソサウルス     †ジュラティラント     †エオティラヌス         †ススキティラヌス       †ティムルレンギア       †シオングアンロン       †ドリプトサウルス       †アパラチオサウルス       †ビスタヒエヴェルソル     †ティラノサウルス科か

古こ生物せいぶつ学がく

ススキティラヌスが生息せいそくしていたニューメキシコの地域ちいきは化石かせきが豊富ほうふである。白はく亜紀あき前期ぜんきの動物どうぶつ相しょうと白はく亜紀あき後期こうきの動物どうぶつ相しょうの転換期てんかんきにあたり、植物しょくぶつが生おい茂しげり、湿潤しつじゅんで、恐竜きょうりゅうがひしめいていた。この層そうは降雨こううと大だい規模きぼな植生しょくせいに恵めぐまれた湾わんであったと考かんがえられ、モクレンなどの森林しんりんが卓越たくえつしていたとされている。ズニケラトプスやノトロニクスといった他ほかの属ぞくやジェヤワティのわずかな標本ひょうほんなどがこの地域ちいきから知しられており、まだ命名めいめいされていないアンキロサウルス科かの恐竜きょうりゅうもこの層そうに含ふくまれている。ススキティラヌスの記載きさいは、研究けんきゅう者しゃがティラノサウルス上うえ科かの進化しんかを解明かいめいするために埋うめる必要ひつようがあった重要じゅうような系統けいとう学がく的てき・形態けいたい学がく的てきなギャップを埋うめた。ススキティラヌスの脳のうがそのボディープランと比較ひかくして遥はるかに大おおきいと Douge Wolfe は主張しゅちょうしている。

文化ぶんか面めん

前述ぜんじゅつのとおりススキティラヌスは正式せいしきな学名がくめいがつけられる前まえから、様々さまざまな特別とくべつ展てんや映像えいぞう作品さくひんに登場とうじょうしている。

ドキュメンタリー

『恐竜きょうりゅう再生さいせい』ディスカバリーチャンネル制作せいさく

今いま作さくでは発見はっけん当初とうしょのドロマエオサウルス類るい説せつと、やや新あたらしいコエルロサウルス類るい説せつの姿すがたで登場とうじょうした。ドロマエオサウルス類るいとしては度々どどズニケラトプスやノトロニクスと小競こぜり合あいを繰くり広ひろげた。コエルロサウルス類るいとしては鳥類ちょうるいへの進化しんかを解説かいせつする役目やくめを担になった。 制作せいさく年ねんの都合つごうにより、ススキティラヌス自体じたいの名前なまえは言及げんきゅうされていないが、解説かいせつシーンにて実じつ骨ほね標本ひょうほん(頭骨とうこつ)が確認かくにんできる。

『プラネット・ダイナソー』BBC制作せいさく

今いま作さくでは“ズニティラヌス”という仮かりの名前なまえで登場とうじょうした。こちらでもノトロニクスを2度どに渡わたり襲撃しゅうげきしたり、仲間なかまの死骸しがいを漁あさる様子ようすが描写びょうしゃされた。