メトリアカントサウルス

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メトリアカントサウルス
生息せいそく年代ねんだい: 160 Ma
復元ふくげん
地質ちしつ時代じだい
ジュラ紀じゅらき中期ちゅうき
分類ぶんるい
ドメイン : かく生物せいぶつ Eukaryota
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 脊索せきさく動物どうぶつもん Chordata
もん : 脊椎動物せきついどうぶつもん Vertebrata
つな : 爬虫つな Reptilia
つな : そうゆみつな Diapsida
下綱しもつな : しゅりゅうがた下綱しもつな Archosauromorpha
上目うわめ : 恐竜きょうりゅう上目うわめ Dinosauria
: りゅうばん Saurischia
: ししあし Theropoda
下目しため : テタヌラ下目しため Tetanurae
階級かいきゅうなし : カルノサウルスるい Carnosauria
うえ : アロサウルスうえ Allosauroidea
: メトリアカントサウルス Metriacanthosauridae
ぞく : メトリアカントサウルスぞく Metriacanthosaurus
学名がくめい
Metriacanthosaurus
von Huene1923
シノニム
たね
  • Metriacanthosaurus parkeri (von Huene, 1923)

メトリアカントサウルス Metriacanthosaurus (「ほどよいトゲのあるトカゲ」の意味いみ)は、メトリアカントサウルスるい恐竜きょうりゅうぞくひとつ。 イングランドオックスフォード粘土ねんどそうジュラ紀じゅらき(1おく6000まんねんまえ)の地層ちそうから発見はっけんされた。

発見はっけん歴史れきし[編集へんしゅう]

ちょうこつ復元ふくげん

1923ねんドイツ生物せいぶつ学者がくしゃフリードリッヒ・フォン・ヒューネジュラ紀じゅらきはく亜紀あきヨーロッパ肉食にくしょく恐竜きょうりゅうについてまとめた論文ろんぶん発表はっぴょうした。その論文ろんぶんちゅう、OUM J.12144という不完全ふかんぜんこしあし、そして背骨せぼね一部いちぶからなる標本ひょうほんについて記載きさいした。それはメガロサウルス新種しんしゅ分類ぶんるいされ、メガロサウルス・パルケリ Megalosaurus parkeri命名めいめいされた。たね小名しょうみょうは19世紀せいき化石かせきコレクター、 W. Parker へのけんじめいである[1] これらのほねはオックスフォード粘土ねんどそうジュラ紀じゅらき後期こうき地層ちそうからつかった[2]

しかしながら1932ねん、フォン・ヒューネはそれがアルティスピナクスたねであるとかんがなおし、A. parkeriあらためた[3]

1964ねん科学かがくしゃエリック・ウォーカーはこれらの標本ひょうほんが、椎骨ついこつとげ突起とっきながさから、アルティスピナクスとはちがいすぎると判断はんだんした。そしてしんぞくメトリアカントサウルスを提唱ていしょうした[4]ぞくめい古代こだいギリシアmetrikos ("moderate"、ほどよい)と akantha("spine"、トゲ)のわせをもちいており、椎骨ついこつアロサウルスのような典型てんけいてきカルノサウルスるいよりもながく、アクロカントサウルスのようなたか突起とっきをもつものほどにはたかくないことにちなんでいる。

記載きさい[編集へんしゅう]

メトリアカントサウルスは中型ちゅうがたししあしるいで、大腿だいたいこつは80cmである。グレゴリー・ポールは1988ねんに、その体重たいじゅうを10tと見積みつもった[5]。メトリアカントサウルスはたか神経しんけいとげもとづく命名めいめいだが、実際じっさいししあしるいとしてはそこまでたかくはない[2]。その神経しんけいとげはメガロサウルス、シンラプトルケラトサウルスのようなほかししあしるいのものにており、椎骨ついこつ本体ほんたいの1.5ばいほどである[6]

分類ぶんるい[編集へんしゅう]

もともとメガロサウルスぞくたねとして命名めいめいされたため、メガロサウルス分類ぶんるいされていたが、メトリアカントサウルスはよりメトリアカントサウルスのメンバーにている。ヤンチュアノサウルスのようなぞくきんえんであるとかんがえられ、1988ねんにポールはこのぞくをシノニムとした。しかし2007ねんダレン・ネイシュらによるイギリスの恐竜きょうりゅうのレビューによると、それらには差異さいがあるという。メトリアカントサウルスはヨーロッパで発見はっけんされた最初さいしょのシンラプトルるいぞくで、可能かのうせいのあるメンバーとしてはロウリンハノサウルス存在そんざいする[2] 。メトリアカントサウルスはおそらくメトリアカントサウルスのメンバーである[7]

以下いかは2012ねんのMatthew Carranoet al. による簡略かんりゃくされたテタヌラるいクラドグラム[7]

メトリアカントサウルス

ヤンチュアノサウルス・ジゴンゲンシス

CV 00214

ヤンチュアノサウルス・シャンギョウエンシス

メトリアカントサウルス

シダイサウルス

メトリアカントサウルス

シンラプトル・ヘピンゲンシス

シンラプトル・ドンギ

シャモティラヌス

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ von Huene, F. (1923). “Carnivorous Saurischia in Europe since the Triassic”. Bulletin of the Geological Society of America 34: 449–458. doi:10.1130/GSAB-34-449. 
  2. ^ a b c Naish, Darren; Martill, David M. (2007). “Dinosaurs of Great Britain and the role of the Geological Society of London in their discovery: basal Dinosauria and Saurischia”. Quarterly Journal of the Geological Society 164: 493–510. doi:10.1144/0016-76492006-032. 
  3. ^ von Huene, F. (1932). “Die fossile Reptil-Ordnung Saurischia, ihre Entwicklung und Geschichte”. Monographien zur Geologie und Palaeontologie 1 (4): 361. 
  4. ^ Walker, Alick D. (1964). “Triassic reptiles from the Elgin area: Ornithosuchus and the origin of carnosaurs”. Philosophical Transactions of the Royal Society of London, Series B, Biological Sciences 248: 53–134. doi:10.1098/rstb.1964.0009. 
  5. ^ Paul, Gregory S. (1988). Predatory Dinosaurs of the World. New York: Simon & Schuster 
  6. ^ Benson, R. B. J.; Radley, J. D. (2010). “A New Large-Bodied Theropod Dinosaur from the Middle Jurassic of Warwickshire, United Kingdom”. Acta Palaeontologica Polonica 55 (1): 35–42. doi:10.4202/app.2009.0083. http://www.bioone.org/doi/full/10.4202/app.2009.0083. 
  7. ^ a b Carrano, M. T.; Benson, R. B. J.; Sampson, S. D. (2012). “The phylogeny of Tetanurae (Dinosauria: Theropoda)”. Journal of Systematic Palaeontology 10 (2): 211–300. doi:10.1080/14772019.2011.630927. 

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]