ティラノティタン

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ティラノティタン
生息せいそく年代ねんだい: 98–96 Ma
ティラノティタンの組立くみたて骨格こっかく
地質ちしつ時代じだい
やく11,220まんねん- やく11,210まんねんまえ中生代ちゅうせいだいはく亜紀あき前期ぜんきアプチアンw:Aptian〉)
分類ぶんるい
ドメイン : かく生物せいぶつ Eukaryota
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 脊索せきさく動物どうぶつもん Chordata
もん : 脊椎動物せきついどうぶつもん Vertebrata
つな : 爬虫つな Reptilia
つな : そうゆみつな Diapsida
下綱しもつな : しゅりゅうがた下綱しもつな Archosauromorpha
上目うわめ : 恐竜きょうりゅう上目うわめ Dinosauria
: りゅうばん Saurischia
: ししあし Theropoda
下目しため : テタヌラ下目しため Tetanurae
階級かいきゅうなし : カルノサウルスるい Carnosauria
うえ : アロサウルスうえ Allosauroidea
: カルカロドントサウルス Carcharodontosauridae
ぞく : ティラノティタンぞく Tyrannotitan
学名がくめい
Tyrannotitan
Novas et al., 2005
タイプしゅ
T. chubutensis
和名わみょう
ティラノティタン
英名えいめい
Tyrannotitan
下位かい分類ぶんるいたね
  • ティラノティタン・クブテンシス
    T. chubutensis Novas et al., 2005

ティラノティタン Tyrannotitanアルゼンチン・チュブけんはく亜紀あき前期ぜんきアプトかい地層ちそうから発見はっけんされているカルカロドントサウルスぞくするししあしるい恐竜きょうりゅう基盤きばんてきなギガノトサウルスぞくとされる。しきしゅティラノティタン・クブテンシス Tyrannotitan chubutensisのみでられる。ぞくめい古代こだいギリシャで「暴君ぼうくん巨人きょじん」を意味いみし、たね小名しょうみょうチュブけんちなむ。しばしばサブカルチャーの分野ぶんやではティラノサウルス姿すがた復元ふくげんされたりティラノサウルスるいであるかのようにえがかれたりする[1][2]が、系統的けいとうてきには遠縁とおえんである。

説明せつめい[編集へんしゅう]

クブティサウルスむさぼるティラノティタンの復元ふくげん
ヒトとのサイズ比較ひかく

ティラノティタンは地質ちしつがくてき最古さいこ大型おおがたカルカロドントサウルスで、北米ほくべいアクロカントサウルスよりもさらふるいとされる[3][4]既知きちのカルカロドントサウルスるいちがい、この動物どうぶつせんしいの含気孔きこうく。かたかぶと烏口からすぐちこつギガノトサウルスよりも癒合ゆごうしている。うではまだ原始げんしてきちいさかった。かたかぶとこつ関節かんせつおかのほとんどは破損はそんしている。

関節かんせつおかじくから90角度かくどがった隆起りゅうきティラノサウルスるい想起そうきさせる。両者りょうしゃ発見はっけんされている標本ひょうほんすうすくないためタクサあいだ形態けいたい性的せいてき二形ふたなりなのかことなる進化しんかげた別種べっしゅなのかわからないが、おそらく性的せいてき二形ふたなりではないようにおもわれる。一番いちばん手前てまえ骨盤こつばんにはとてもたか神経しんけいとげ発達はったつしている(形状けいじょうから判断はんだんして、しいたい本体ほんたいやく2ばいたかさ)。眼窩がんかまど基部きぶ頬骨ほおぼねに90角度かくどはいむ。ギガノトサウルスの復元ふくげんされたまる基盤きばんとは対照たいしょうてきであり、カルカロドントサウルスとは一致いっちする。またこつチゼルようであり、しわをびたエナメルしつ表面ひょうめんあら鋸歯きょしじょうちかこころおよびとおくらいりゅうじょう、およびがわかた平坦へいたんしたかんむりゆうする。これらはのカルカロドントサウルスるいのものと実際じっさいてきあいどうである[5]。ノバスらによるとパラタイプ大腿だいたいこつは1.40mのながさである。ギガノトサウルスぞく基盤きばんてきメンバーとして復元ふくげんされた。ギガノトサウルスぞくとされる根拠こんきょとなった特徴とくちょうは、ひろ基部きぶをもつ頬骨ほおぼねにおける眼窩がんか後部こうぶ導入どうにゅう、そして弱々よわよわしいだい4てんゆうする大腿だいたいこつおよびとおくらいはしあさひろ伸長しんちょうみぞである[5][6]

発見はっけんたね[編集へんしゅう]

られているほね要素ようそ
脊椎せきつい坐骨ざこつ

ティラノティタン・クブテンシス Tyrannotitan chubutensis は2005ねんに Fernando E. Novas、Silvina de Valais、Pat Vickers-Rich、そして Tom Rich によって記載きさいされた[7]化石かせきアルゼンチン・チュブけんからきたに28kmのフアニタ牧場ぼくじょう発見はっけんされ、その地層ちそうセロバルチーノるいそう (アプトかい、11220まん~11210まんねんまえ)のものとしんじられている。

ホロタイプは MPEF-PV 1156 と記載きさいされ、部分ぶぶんてきこつどうしいだい3~8、だい11~14)、しい最前さいぜんはし肋骨あばらぼね血道ちみちゆみ断片だんぺんてきかたかぶと烏口からすぐちこつ上腕じょうわんこつしゃくこつ部分ぶぶんてきちょうこつ大腿だいたいこつ脛骨けいこつ、2つのちゅうあしこつ構成こうせいされる。

追加ついか標本ひょうほん(MPEF-PV 1157)は頬骨ほおぼねみぎこつだいいち頸椎、頸椎、9どうしい(?)だい7, だい10, だい13、癒合ゆごうした5つのせんしい骨盤こつばんとおくらいあつめ、肋骨あばらぼねみぎ大腿だいたいこつ断片だんぺんてきひだりなかあしこつ2つ、そして趾骨(2-1, 2-2, 3-3)で構成こうせいされる。

全長ぜんちょうは11.4~12.2m以上いじょう推定すいていされる[8][9]。2010ねんグレゴリー・ポールは13mと見積みつもった[10]体重たいじゅうは4.9~7tのあいだ見積みつもられた[4][10]

分類ぶんるい[編集へんしゅう]

以下いかはノバスらによる2013ねんのカルカロドントサウルスるいないにおけるティラノティタンのポジションをしめしたクラドグラム[11]

アロサウルス

カルカロドントサウルス

ネオヴェナトル

エオカルカリア

コンカヴェナトル

アクロカントサウルス

シャオキロン

カルカロドントサウルス

カルカロドントサウルス

ギガノトサウルスぞく

ティラノティタン

マプサウルス

ギガノトサウルス

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ Jurassic Park The Game
  2. ^ Dinomaster Club – Tyrannotitan”. 2017ねん6がつ12にち閲覧えつらん
  3. ^ Bates KT, Manning PL, Hodgetts D, Sellers WI (2009) Estimating Mass Properties of Dinosaurs Using Laser Imaging and 3D Computer Modelling. PLoS ONE 4(2): e4532. doi:10.1371/journal.pone.0004532. 
  4. ^ a b Nicolás E. Campione, David C. Evans, Caleb M. Brown, Matthew T. Carrano (2014). Body mass estimation in non-avian bipeds using a theoretical conversion to quadruped stylopodial proportions. Methods in Ecology and Evolution. doi:10.1111/2041-210X.12226. 
  5. ^ a b Canale, J.I, Novas, F.E, Pol, D. (2015) : "Osteology and phylogenetic relationships of Tyrannotitan chubutensis Novas, de Valais, Vickers-Rich and Rich, 2005 (Theropoda: Carcharodontosauridae) from the Lower Cretaceous of Patagonia, Argentina" ; Historical Biology, Volume 27, Issue 1, 2015, pages 1- 32 Published online: 27 Oct 2014 DOI: 10.1080/08912963.2013.861830. 
  6. ^ Coria R. A. & Currie P. J. 2006. — A new carcharodontosaurid (Dinosauria, Theropoda) from the Upper Cretaceous of Argentina. Geodiversitas 28 (1) : 71-118.. 
  7. ^ Novas, F. E.; S. de Valais; P. Vickers-Rich; T. Rich (2005). “A large Cretaceous theropod from Patagonia, Argentina, and the evolution of carcharodontosaurids”. Naturwissenschaften 92 (5): 226–230. doi:10.1007/s00114-005-0623-3. PMID 15834691. 
  8. ^ Mortimer, M. (2004ねん). “Carnosauria”. The Theropod Database. 2012ねん10がつ24にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2009ねん10がつ22にち閲覧えつらん
  9. ^ Dinosaurs: the most complete, up-to-date encyclopedia for dinosaur lovers of all ages. United States of America: Random House. (2007). ISBN 0-375-82419-7. http://www.geol.umd.edu/~tholtz/dinoappendix/HoltzappendixWinter2011.pdf 
  10. ^ a b Gregory S. Paul (2010). The Princeton Field Guide to Dinosaurs. United States of America: Princeton University Press. ISBN 9780691137209 
  11. ^ Novas, Fernando E. (2013). “Evolution of the carnivorous dinosaurs during the Cretaceous: The evidence from Patagonia”. Cretaceous Research 45: 174–215. doi:10.1016/j.cretres.2013.04.001.