メガラプトル類 るい (学名 がくめい :Megaraptora )は、他 た の獣 しし 脚 あし 類 るい との類縁 るいえん 関係 かんけい に議論 ぎろん のある、動物 どうぶつ 食 しょく 性 せい の獣 しし 脚 あし 類 るい の恐竜 きょうりゅう の分岐 ぶんき 群 ぐん [7] [8] [9] 。
メガラプトル類 るい の理解 りかい は完全 かんぜん ではなく、また完全 かんぜん なメガラプトル類 るい の骨格 こっかく も発見 はっけん されていないが、数 すう 多 おお くの特異 とくい 的 てき な特徴 とくちょう が存在 そんざい する。前肢 ぜんし は大型 おおがた かつ頑強 がんきょう であり、尺 しゃく 骨 こつ はフクイラプトル とプウィアングヴェナトル を除 のぞ くメンバーで特異 とくい 的 てき な形状 けいじょう をなす。第 だい I指 ゆび と第 だい II指 ゆび は長 なが く、鉤 かぎ 爪 つめ は大型 おおがた で湾曲 わんきょく しており、第 だい III指 ゆび は小型 こがた である[8] 。メガラプトル類 るい の頭蓋骨 ずがいこつ 要素 ようそ は非常 ひじょう に不完全 ふかんぜん であるが、2014年 ねん に記載 きさい されたメガラプトル の幼体 ようたい は吻部が保存 ほぞん されており、細長 ほそなが い形状 けいじょう をしたことが判明 はんめい している[9] 。メガラプトル類 るい に分類 ぶんるい された後肢 あとあし の骨 ほね は走行 そうこう 適応 てきおう を果 は たしたコエルロサウルス類 るい のものと同様 どうよう に細長 ほそなが い[8] 。メガラプトル類 るい の体 からだ 幹 みき は太 ふと いが、彼 かれ らの骨 ほね は高度 こうど に含気化 か している。椎骨 ついこつ と肋骨 あばらぼね および腸 ちょう 骨 こつ の含気化 きか の程度 ていど は獣 しし 脚 あし 類 るい の中 なか でも珍 めずら しい水準 すいじゅん に達 たっ しており、他 た の分類 ぶんるい 群 ぐん ではネオヴェナトル科 か にしか見 み られない[7] 。他 た の特徴 とくちょう 的 てき な形質 けいしつ には後 こう 側 がわ が窪 くぼ んだ頸椎 やコンプソグナトゥス科 か のものに類似 るいじ する歯 は が挙 あ げられる[8] 。
メガラプトル類 るい という分岐 ぶんき 群 ぐん は、元々 もともと 2010年 ねん にアロサウルス上 うえ 科 か ・ネオヴェナトル科 か の下位 かい 分類 ぶんるい 群 ぐん として命名 めいめい された[7] 。フェルナンド・ノヴァスらによる2013年 ねん の系統 けいとう 解析 かいせき では、当該 とうがい の分類 ぶんるい は否定 ひてい され、メガラプトル類 るい は新 あら たにティラノサウルス上 うえ 科 か の派生 はせい 的 てき 位置 いち に置 お かれた[8] 。その後 ご 、ノヴァスらの手法 しゅほう に改良 かいりょう がくわえられると、メガラプトル類 るい はグアリコ など系統 けいとう 学 がく 的 てき 位置付 いちづ けに議論 ぎろん のある他 ほか の獣 しし 脚 あし 類 るい と共 とも に非 ひ ティラノサウルス上 うえ 科 か のコエルロサウルス類 るい の基盤 きばん 的 てき 位置 いち に置 お かれ、第 だい 3の位置付 いちづ けが台頭 たいとう した[10] 。どの系統 けいとう 的 てき 位置 いち が正 ただ しいとしても、メガラプトル類 るい がネオヴェナトル科 か 型 がた アロサウルス上 うえ 科 か あるいは基盤 きばん 的 てき コエルロサウルス類 るい のいずれかとの多大 ただい な収斂 しゅうれん 進化 しんか を遂 と げたことは明 あき らかである[7] [8] 。
メガラプトル類 るい の多様 たよう 性 せい は後期 こうき 白 はく 亜紀 あき の南 みなみ アメリカで最 もっと も高 たか く、特 とく にパタゴニア において顕著 けんちょ であった。しかし、彼 かれ らは広 ひろ い分布 ぶんぷ 域 いき も有 ゆう しており、タイ王国 おうこく と日本 にっぽん にはそれぞれプウィアングヴェナトルとフクイラプトルという基盤 きばん 的 てき な属 ぞく が生息 せいそく していた。メガラプトル類 るい の化石 かせき はオーストラリア でも普遍 ふへん 的 てき であり[11] 、同 どう 大陸 たいりく の既知 きち の範囲 はんい 内 ない で最大 さいだい の捕食 ほしょく 性 せい 恐竜 きょうりゅう であるアウストラロヴェナトル もまたメガラプトル類 るい に属 ぞく する[12] 。
メガラプトル類 るい の大 おお きさ比較 ひかく
メガラプトル類 るい とされる獣 しし 脚 あし 類 るい は中型 ちゅうがた から大型 おおがた の属 ぞく であり、全長 ぜんちょう 4.2メートルのフクイラプトル から全長 ぜんちょう 9メートルのアエロステオン がいる。バハリアサウルス (英語 えいご 版 ばん ) も含 ふく めるのであれば、本属 ほんぞく が全長 ぜんちょう 13mで最大 さいだい である[2] 。メガラプトル類 るい の大 だい 多数 たすう は非常 ひじょう に断片 だんぺん 的 てき な骨格 こっかく のみから知 し られているが、複数 ふくすう の属 ぞく 種 しゅ を当該 とうがい 分岐 ぶんき 群 ぐん として同定 どうてい できる確 たし かな形質 けいしつ が存在 そんざい する。ムルスラプトルやアエロステオンといった少 すく なくとも複数 ふくすう のメガラプトル類 るい では、高度 こうど な含気骨 こつ (特 とく に腸 ちょう 骨 こつ や肋骨 あばらぼね )の空洞 くうどう が肺 はい と通 つう じており、現生 げんなま 鳥類 ちょうるい と共通 きょうつう する[13] 。いくつかの種 たね の細長 ほそなが い後肢 あとあし と長 なが い中 ちゅう 足 あし 骨 こつ は、当該 とうがい グループの走行 そうこう 適応 てきおう を示唆 しさ する[7] 。メガラプトル類 るい の大 だい 多数 たすう はメガラプトル科 か を構成 こうせい するが、当該 とうがい 分類 ぶんるい 群 ぐん は2013年 ねん にフェルナンド・ノヴァスらにより命名 めいめい されている。この科 か は基盤 きばん 的 てき なメガラプトル類 るい であるフクイラプトルには存在 そんざい しない、尺 しゃく 骨 こつ や鉤 かぎ 爪 つめ の複数 ふくすう の適応 てきおう により設立 せつりつ された[8] 。
2014年 ねん に記載 きさい された幼体 ようたい の標本 ひょうほん に基 もと づく、メガラプトルの頭部 とうぶ の復元 ふくげん
完全 かんぜん な頭蓋骨 ずがいこつ を保存 ほぞん したメガラプトル類 るい の化石 かせき は発見 はっけん されていないが、複数 ふくすう の分類 ぶんるい 群 ぐん で頭蓋骨 ずがいこつ 要素 ようそ は知 し られている。アエロステオン 、メガラプトル 、オルコラプトル 、ムルスラプトル は頭蓋骨 ずがいこつ の後部 こうぶ を構成 こうせい する複数 ふくすう の骨 ほね が[13] 、アウストラロヴェナトル は下 しも 顎 あご が[12] 、2014年 ねん に記載 きさい された幼体 ようたい メガラプトル標本 ひょうほん は頭頂 とうちょう 骨 こつ 断片 だんぺん と吻部を保存 ほぞん している。また歯 は は多 おお くの属 ぞく で発見 はっけん されている。メガラプトル類 るい の多 おお くの復元 ふくげん では、頭蓋骨 ずがいこつ は長 なが く華奢 きゃしゃ であり、また歯 は は小型 こがた かつ多数 たすう 生 は え並 なら んでいる[9] 。
メガラプトルに基 もと づくと、吻部先端 せんたん の前 ぜん 上顎 じょうがく 骨 こつ は小 ちい さく、長 なが い杖 つえ 状 じょう の枝 えだ が外 そと 鼻孔 びこう 上 うえ に伸 の びる。鼻孔 びこう 自体 じたい は非常 ひじょう に大型 おおがた で長 なが く、初期 しょき のティラノサウルス上 うえ 科 か (ディロング やプロケラトサウルス など)と類似 るいじ する。また、吻部にはカルカロドントサウルス科 か との共通 きょうつう 点 てん も複数 ふくすう 見 み られており、上顎 じょうがく 骨 こつ の直線 ちょくせん 状 じょう の上側 うわがわ 縁 えん や長方形 ちょうほうけい の鼻骨 びこつ が共通 きょうつう する。頭蓋 とうがい 天井 てんじょう の頭頂 とうちょう 骨 こつ はティラノサウルス上 うえ 科 か と同様 どうよう に矢 や 状 じょう 稜 りょう が強固 きょうこ に発達 はったつ する[9] 。頭蓋骨 ずがいこつ の後部 こうぶ は単純 たんじゅん な形状 けいじょう をなしており稜 りょう や突起 とっき を持 も たない一方 いっぽう 、複数 ふくすう の属 ぞく において涙 なみだ 骨 こつ と後 こう 眼窩 がんか 骨 こつ は凹凸 おうとつ を帯 お びる。アエロステオンとムルスラプトルの方形 ほうけい 骨 こつ は含気化 か しており、ごく少数 しょうすう のアロサウルス上 うえ 科 か (シンラプトル やマプサウルス )やティラノサウルス上 うえ 科 か と共通 きょうつう する[13] 。歯 は 骨 こつ はアウストラロヴェナトルのみで知 し られている骨 ほね であるが、当該 とうがい の骨 ほね は長 なが く、ティラノサウルス上 うえ 科 か と同様 どうよう に第 だい I歯 は が他 た の歯 は と比較 ひかく して小型 こがた である。下 した 顎 あご は全体 ぜんたい として単一 たんいつ のメッケル孔 あな を持 も ち、カルカロドントサウルス類 るい やティラノサウルス科 か およびオルニトミムス科 か と共通 きょうつう する[8] 。しかし、ムルスラプトルで見 み られるように、下 しも 顎 あご の後部 こうぶ はティラノサウルス上 うえ 科 か よりも軽量 けいりょう な構造 こうぞう になっている。保存 ほぞん された神経 しんけい 頭蓋 とうがい はカルカロドントサウルス類 るい やティラノサウルス上 うえ 科 か のものに類似 るいじ する[13] 。
メガラプトルの前 ぜん 上顎 じょうがく 骨 こつ 歯 ぱ の形態 けいたい は多岐 たき に亘 わた るが、ティラノサウルス上 うえ 科 か のものに類似 るいじ しており、小型 こがた で、鏨 型 かた をなし、断面 だんめん はD字 じ 型 がた である[9] 。ただし、ムルスラプトルの前 ぜん 上顎 じょうがく 骨 こつ は非 ひ ティラノサウルス上 うえ 科 か 獣 じゅう 脚 あし 類 るい と同様 どうよう に牙 きば 状 じょう である。メガラプトル類 るい の上顎 じょうがく 骨 こつ 歯 ぱ は一般 いっぱん に小型 こがた かつ頑強 がんきょう でエナメル質 しつ に被覆 ひふく されているが、属 ぞく 間 あいだ の多様 たよう 性 せい に富 と む。オルコラプトルやアウストラロヴェナトルおよびメガラプトルなどの属 ぞく では、上顎 じょうがく 骨 こつ 歯 ぱ の断面 だんめん は8の字 じ 型 がた で、鋸歯 きょし 状 じょう 構造 こうぞう を一切 いっさい 持 も たない[9] 。一方 いっぽう ムルスラプトルは歯 は の先端 せんたん 部 ぶ 前側 まえがわ のみに鋸歯 きょし が存在 そんざい し[13] 、フクイラプトルの歯 は はカルカロドントサウルス類 るい と同様 どうよう に側 がわ 方 かた に薄 うす い刃 は 状 じょう であり、前後 ぜんご 側 がわ の両方 りょうほう に鋸歯 きょし が存在 そんざい する[13] 。
脊柱 せきちゅう と肋骨 あばらぼね [ 編集 へんしゅう ]
アエロステオンの後 のち 凹頸椎 しい
メガラプトル類 るい は頸椎 の後方 こうほう が強 つよ く窪 くぼ む点 てん で獣 しし 脚 あし 類 るい の中 なか でも特異 とくい 的 てき である[8] 。前側 まえがわ が凸 とつ で後 こう 側 がわ が凹な椎骨 ついこつ はアロサウルス [14] や竜 りゅう 脚 あし 類 るい に特徴 とくちょう 的 てき であり、剪断 に対 たい する防御 ぼうぎょ を犠牲 ぎせい にすることなく高 たか い柔軟 じゅうなん 性 せい を促進 そくしん する可能 かのう 性 せい がある[15] 。一方 いっぽう で、神経 しんけい 棘 とげ が短 みじか く、横 よこ 突起 とっき が椎 しい 体 たい の頭 あたま 尾 お 中心 ちゅうしん 付近 ふきん に位置 いち し、側 がわ 腹腔 ふくこう (pleurocoels)として知 し られる外側 そとがわ の溝 みぞ の対 たい が存在 そんざい する点 てん で、メガラプトル類 るい の頸椎はカルカロドントサウルス類 るい のものにも類似 るいじ する。事実 じじつ 、大半 たいはん のメガラプトル類 るい の椎骨 ついこつ には1本 ほん 以上 いじょう の側 がわ 腹腔 ふくこう が存在 そんざい しており、椎骨 ついこつ の中 なか で小 ちい さな無数 むすう の空洞 くうどう と複雑 ふくざつ なシステムを接続 せつぞく する。メガラプトル類 るい およびごく少数 しょうすう の他 ほか の樹 き 脚 あし 類 るい の椎骨 ついこつ のこの網状 もうじょう 内部 ないぶ 構造 こうぞう は、"camellate"として記載 きさい される[7] [8] 。
近 きん 位 い の尾 お 椎 しい には長 ちょう 軸 じく 方向 ほうこう の稜 りょう が下面 かめん に沿 そ って走 はし っており、これはネオヴェナトル と同様 どうよう である一方 いっぽう 、ティラノサウルス上 うえ 科 か とは異 こと なる[7] 。またメガラプトル類 るい の椎 しい 体 たい の横 よこ 突起 とっき からは、対 たい になった外側 そとがわ 稜 りょう が下 した 側 がわ に伸 の びる。これらの稜 りょう は横 よこ 突起 とっき の下 した に大型 おおがた の孔 あな (infradiapophyseal fossa)を形成 けいせい する。これらの稜 りょう はlaminaeとも呼 よ ばれ、他 た の獣 しし 脚 あし 類 るい の胴 どう 椎 しい にも存在 そんざい するものの、メガラプトル類 るい のものは尾 お の付 つ け根 ね でcentrodiapophyseal laminaeが発達 はったつ している点 てん で特異 とくい 的 てき である。時 とき には胴 どう 椎 しい のものよりも発達 はったつ する場合 ばあい がある。こうした特徴 とくちょう を共有 きょうゆう する他 ほか の獣 しし 脚 あし 類 るい はスピノサウルス科 か のみである[13] 。メガラプトル類 るい の稜 りょう の強 つよ い発達 はったつ は、彼 かれ らの尾 お が上下 じょうげ に高 たか く、また筋肉質 きんにくしつ であったことを示唆 しさ する可能 かのう 性 せい がある[9] 。
肋骨 あばらぼね は太 ふと く、湾曲 わんきょく し、また中空 ちゅうくう である。椎骨 ついこつ との接続 せつぞく 部 ぶ 付近 ふきん には孔 あな が存在 そんざい する。腹 はら 肋 あばら は幅広 はばひろ かつ頑強 がんきょう なパドル型 がた 構造 こうぞう であり、胸部 きょうぶ の正中 せいちゅう 線上 せんじょう で左右 さゆう が癒合 ゆごう する。これらの構造 こうぞう はメガラプトル類 るい が幅広 はばひろ な体躯 たいく を有 ゆう していたことを示 しめ しており、ティラノサウルス科 か における状態 じょうたい と類似 るいじ する[9] 。
メガラプトル類 るい の上腕 じょうわん 骨 こつ はS字 じ 型 がた をなし、基盤 きばん 的 てき コエルロサウルス類 るい や基盤 きばん 的 てき アロサウルス上 うえ 科 か の両方 りょうほう と類似 るいじ する。大 だい 部分 ぶぶん のメガラプトル類 るい の上腕 じょうわん 骨 こつ はアロサウルスのものと同様 どうよう に大型 おおがた かつ頑強 がんきょう であるが、基盤 きばん 的 てき な属 ぞく であるフクイラプトルはより細長 ほそなが い上腕 じょうわん 骨 こつ を持 も つ[7] 。上腕 じょうわん 骨 こつ の遠 とお 位 くらい 部 ぶ は顆と溝 みぞ の機構 きこう が発達 はったつ しており、コエルロサウルス類 るい (特 とく にドロマエオサウルス科 か )と類似 るいじ する[16] 。
肘 ひじ よりも先 さき のメガラプトルの前肢 ぜんし
メガラプトル科 か の尺 しゃく 骨 こつ は複数 ふくすう の特徴 とくちょう 的 てき 形質 けいしつ を持 も つ。肘 ひじ 頭 あたま (英語 えいご 版 ばん ) は薄 うす く刃 は 状 じょう に発達 はったつ し、尺 せき 骨 ほね 体 たい の長 ちょう 軸 じく に沿 そ って下 くだ る稜 りょう として伸 の びる。加 くわ えて、メガラプトル科 か は尺 しゃく 骨 こつ 上 じょう にlateral tuberosityと呼 よ ばれる別 べつ の長 なが い稜 りょう 状 じょう 構造 こうぞう を獲得 かくとく しており、当該 とうがい の構造 こうぞう は肘 ひじ 頭 あたま のブレードと垂直 すいちょく である。結果 けっか として、最 もっと も基盤 きばん 的 てき であるフクイラプトルを除 のぞ き、メガラプトル科 か の尺 しゃく 骨 こつ の断面 だんめん はT字 じ 型 がた をなし、前側 まえがわ 突起 とっき ・外側 そとがわ 結節 けっせつ ・肘 ひじ 頭 あたま により構成 こうせい された3つの突出 とっしゅつ 部 ぶ が存在 そんざい する。橈骨 の形状 けいじょう は他 た の獣 しし 脚 あし 類 るい と同様 どうよう である[8] [16] 。
メガラプトル類 るい の手 て もまた特徴 とくちょう 的 てき である[7] [8] 。第 だい I指 ゆび および第 だい II指 ゆび は大型 おおがた かつ細長 ほそなが く、第 だい III指 ゆび が小型 こがた である。指 ゆび の相対 そうたい 的 てき な差異 さい はティラノサウルス上 うえ 科 か や他 た の基盤 きばん 的 てき コエルロサウルス類 るい に見 み られるものと同様 どうよう であるが、派生 はせい 的 てき なティラノサウルス上 うえ 科 か を特徴 とくちょう づける前肢 ぜんし の退化 たいか 傾向 けいこう は見 み られない。メガラプトルは痕跡 こんせき 的 てき な第 だい IV中手 なかて 骨 こつ を残 のこ しており、4本 ほん の指 ゆび が生 は えていた初期 しょき の恐竜 きょうりゅう との関連 かんれん が窺 うかが える。これは他 た のテタヌラ類 るい では失 うしな われた原始 げんし 的 てき な特徴 とくちょう である。第 だい I指 ゆび および第 だい II指 ゆび の鉤 かぎ 爪 つめ は長大 ちょうだい であり、メガラプトルに至 いた っては尺 しゃく 骨 こつ の全長 ぜんちょう を上回 うわまわ る。他 た の数 すう 多 おお くの獣 しし 脚 あし 類 るい の大型 おおがた の末節 まっせつ 骨 こつ と異 こと なり、メガラプトル類 るい の鉤 かぎ 爪 つめ は薄 うす く、楕円 だえん 形 がた の断面 だんめん を持 も つ。メガラプトル科 か の鉤 かぎ 爪 つめ の平 たい らな面 めん の下 しも 縁 えん には左右 さゆう 非 ひ 対象 たいしょう の溝 みぞ と鋭利 えいり な稜 りょう が走 はし る。メガラプトル類 るい の手 て 根 ね 骨 こつ は癒合 ゆごう して半月 はんつき 型 がた をなし、マニラプトル類 るい のものと類似 るいじ する[16] 。
アウストラロヴェナトルの左右 さゆう の脛骨 けいこつ 。CとOが前側 まえがわ 。
メガラプトル類 るい の大腿 だいたい 骨 こつ はアウストラロヴェナトルとフクイラプトルでのみ発見 はっけん されているが、コエルロサウルス類 るい のものと複数 ふくすう の点 てん で類似 るいじ する。例 たと えば、大 だい 転 てん 子 こ が卓越 たくえつ しており、深 ふか い窪 くぼ みにより大腿 だいたい 骨 こつ 体 たい から隔 へだ てられている。大 だい 転 てん 子 こ が大型 おおがた であるため、大腿 だいたい 骨 こつ の臀部 でんぶ のソケットは上 うえ から見 み た際 さい に長方形 ちょうほうけい をなしており、大 だい 転 てん 子 こ が小 ちい さく大腿 だいたい 骨 こつ が上 うえ から見 み て涙 なみだ 型 がた をなす非 ひ コエルロサウルス類 るい 獣 じゅう 脚 あし 類 るい と異 こと なる。大腿 だいたい 骨 こつ 頭 あたま はカルカロドントサウルス類 るい (特 とく にカルカロドントサウルス科 か )や一部 いちぶ のコエルロサウルス類 るい に見 み られるように僅 わず かに上向 うわむ きである。メガラプトル類 るい において、膝 ひざ 付近 ふきん の大腿 だいたい 骨 こつ の部位 ぶい は前側 まえがわ から見 み ると非対称 ひたいしょう である。これは、外側 そとがわ 顆が内側 うちがわ 顆よりも遠 とお 位 くらい に突出 とっしゅつ するためである[8] 。
脛骨 けいこつ もコエルロサウルス類 るい のものに類似 るいじ し、長 なが く薄 うす い形状 けいじょう を持 も つ。脛骨 けいこつ 外側 そとがわ 顆の前側 まえがわ は下 した 側 がわ に湾曲 わんきょく し、ネオヴェナトルやタニコラグレウス および複数 ふくすう のティラノサウルス上 うえ 科 か と類似 るいじ する。内側 うちがわ および外側 そとがわ の踝 くるぶし は拡大 かくだい しており、互 たが いに離 はな れる向 む きに突出 とっしゅつ しており、派生 はせい 的 てき ティラノサウルス上 うえ 科 か (両方 りょうほう )やカルカロドントサウルス類 るい (内側 うちがわ のみ)と類似 るいじ する。脛骨 けいこつ 遠 とお 位 くらい 端 はし の前側 まえがわ にはコエルロサウルス類 るい と同様 どうよう に距骨 との平坦 へいたん な関節 かんせつ 面 めん が存在 そんざい する。当該 とうがい 関節 かんせつ 面 めん の内側 うちがわ 縁 えん はメガラプトル科 か に特有 とくゆう の稜 りょう により定義 ていぎ される。関節 かんせつ 面 めん の上側 うわがわ 縁 えん は距骨の上 うえ に卓越 たくえつ した控 ひか え壁 かべ を持 も たず、アロサウルス上 うえ 科 か と異 こと なる。距骨の上 うえ 行 ぎょう 突起 とっき は関節 かんせつ 面 めん 上 じょう に存在 そんざい し、大型 おおがた の台形 だいけい に拡大 かくだい する。これはコエルロサウルス類 るい と類似 るいじ する一方 いっぽう で、上 うえ 行 こう 突起 とっき が小型 こがた かつ三角形 さんかっけい であるアロサウルス上 うえ 科 か とは異 こと なる[8] 。フクイラプトル、アウストラロヴェナトル、アエロステオンは距骨の外側 そとがわ 縁 えん に明瞭 めいりょう な前側 まえがわ 突出 とっしゅつ 部 ぶ を持 も ち、フクイラプトルとアウストラロヴェナトルは後方 こうほう に突出 とっしゅつ するさらなる突起 とっき も有 ゆう する[7] 。
コエルロサウルス類 るい と同様 どうよう に、腓骨 ひこつ も長 なが く、また膝 ひざ から強 つよ く先細 さきほそ る。腓骨 ひこつ はコエルロサウルス類 るい と同様 どうよう に距骨の外側 そとがわ 縁 えん 上 じょう の小 ちい さな関節 かんせつ 面 めん と接続 せつぞく しており、上側 うわがわ 縁 えん と接続 せつぞく するアロサウルス上 うえ 科 か と異 こと なる。膝 ひざ 付近 ふきん および脛骨 けいこつ との関節 かんせつ 面 めん では、腓骨 ひこつ にはproximomedial fossaとして知 し られる幅 はば の広 ひろ い溝 みぞ あるいは窪 くぼ みが存在 そんざい する。メガラプトル類 るい の第 だい III中 ちゅう 足 あし 骨 こつ ]はいずれもコエルロサウルス類 るい と同様 どうよう に細長 ほそなが い。中指 なかゆび との関節 かんせつ は足 あし 底 そこ -足 あし 背 せ 方向 ほうこう に高 たか くかつ滑車 かっしゃ 型 がた をなし、深 ふか い三日月 みかづき 形 がた の窪 くぼ みを足 あし 底 そこ 側 がわ から確認 かくにん できる[8] 。
アエロステオンの腸 ちょう 骨 こつ 。内側 うちがわ (B)から見 み たmain bladeと外側 そとがわ (A)から見 み たpubic peduncleに含気化 か を確認 かくにん できる。
腸 ちょう 骨 こつ は高度 こうど に含気化 か し、空洞 くうどう に占 し められている。腸 ちょう 骨 こつ が含気化 か した他 ほか の大型 おおがた 獣 じゅう 脚 あし 類 るい として知 し られているものはネオヴェナトルのみである[7] 。複数 ふくすう のメガラプトル類 るい において、preacetabular bladeは前側 まえがわ 縁 えん に沿 そ って切 せつ 痕 こん を持 も ち、ティラノサルス上 うえ 科 か と類似 るいじ する。やや下方 かほう には、preacetabular bladeとpubic peduncleの間 あいだ に窪 くぼ みが存在 そんざい する。当該 とうがい の窪 くぼ みはcuppedicus fossaあるいはpreacetabular fossaとして知 し られ、腸 ちょう 骨 こつ の内側 うちがわ 面 めん 上 じょう の卓越 たくえつ した棚 たな 状 じょう 構造 こうぞう により周囲 しゅうい を縁 えん 取 と られている。この傾向 けいこう は様々 さまざま なコエルロサウルス類 るい やキランタイサウルスにも見 み られており、ネオヴェナトルも該当 がいとう する可能 かのう 性 せい がある。一方 いっぽう でpostacetabular bladeは大型 おおがた の窪 くぼ みを欠 か く。コエルロサウルス類 るい を除 のぞ くテタヌラ類 るい において、腸 ちょう 骨 こつ のこの部位 ぶい にはbrevis fossaとして知 し られる大型 おおがた の窪 くぼ みが存在 そんざい し、腸 ちょう 骨 こつ の外側 そとがわ 面 めん から確認 かくにん できる。しかし、コエルロサウルス類 るい とメガラプトル類 るい はbrevis fossaが小型 こがた であり、腸 ちょう 骨 こつ の後 のち 縁 えん の部位 ぶい のみを占 し め、外側 そとがわ から確認 かくにん することもほぼ不可能 ふかのう である[8] 。
坐骨 ざこつ はムルスラプトルにおいてのみ確認 かくにん されている。坐骨 ざこつ は僅 わず かに拡大 かくだい していて、カルカロドントサウルス科 か のものに類似 るいじ する[13] 。恥骨 ちこつ は先端 せんたん 部 ぶ が鎌 かま 状 じょう に発達 はったつ しており、恥骨 ちこつ 体 たい の長 なが さの60%を超過 ちょうか する。当該 とうがい の適応 てきおう はピュービック・ブーツとして知 し られ、カルカロドントサウルス類 るい やティラノサウルス科 か にも知 し られる。また、恥骨 ちこつ は腸 ちょう 骨 こつ との接触 せっしょく 部 ぶ の付近 ふきん で拡大 かくだい する。左右 さゆう の恥骨 ちこつ は互 たが いに完全 かんぜん には癒合 ゆごう しておらず、楕円 だえん 形 がた の穴 あな により正中 せいちゅう 線 せん に沿 そ って隔 へだ てられる[8] 。
古 こ 生物 せいぶつ 地理 ちり 的 てき 評価 ひょうか がフィル・ベルやスティーヴ・サリスバリーらによって行 おこな われ、オーストラリア のライトニング・リッジの南西 なんせい 部 ぶ から産出 さんしゅつ した未 み 命名 めいめい のメガラプトル類 るい (大衆 たいしゅう メディアにより"Lightning Claw"と呼称 こしょう 、おそらくラパトル のシノニム)の記載 きさい が加 くわ えられた。当該 とうがい の研究 けんきゅう から、メガラプトル類 るい は最後 さいご 期 き ジュラ紀 じゅらき (約 やく 1億 おく 5000万 まん 年 ねん 前 まえ - 1億 おく 3500万 まん 年 ねん 前 まえ )にアジアで出現 しゅつげん し、前期 ぜんき 白 はく 亜紀 あき (約 やく 1億 おく 3000万 まん 年 ねん 前 まえ - 1億 おく 2100万 まん 年 ねん 前 まえ )にゴンドワナ大陸 たいりく のメガラプトル科 か に繋 つな がる系統 けいとう が多様 たよう 化 か し、オーストラリアを通 つう じて後期 こうき 白 はく 亜紀 あき のゴンドワナのメガラプトル科 か の放散 ほうさん に至 いた ったとされる。また、当該 とうがい の標本 ひょうほん から、メガラプトル類 るい の系統 けいとう 的 てき 位置 いち がティラノサウルス上 うえ 科 か とカルカロドントサウルス科 か のいずれに置 お かれるのかといった系統的 けいとうてき 検証 けんしょう が可能 かのう となった[11] [17] 。これはLamanna et al. (2020)により拡張 かくちょう された。Lamanna et al. (2020)では、メガラプトル類 るい の分布 ぶんぷ 域 いき 拡大 かくだい はオーストラリア大陸 たいりく から南極大陸 なんきょくたいりく を介 かい して南 みなみ アメリカ大陸 あめりかたいりく へ至 いた ったとされ、またそれに伴 ともな う体 からだ サイズの増大 ぞうだい があったとされる。メガラプトル科 か の体 からだ サイズは白 はく 亜紀 あき 末 まつ の大量 たいりょう 絶滅 ぜつめつ まで維持 いじ された[18] 。
メガラプトル類 るい を構成 こうせい する属 ぞく は様々 さまざま な獣 しし 脚 あし 類 るい のグループに置 お かれてきたが、2010年 ねん に一 ひと つの分岐 ぶんき 群 ぐん として纏 まと められた。メガラプトルとフクイラプトルは1990年代 ねんだい に発見 はっけん された際 さい それぞれ独立 どくりつ に大型 おおがた のドロマエオサウルス科 か 恐竜 きょうりゅう と考 かんが えられていたが、これは前肢 ぜんし の大型 おおがた の鉤 かぎ 爪 つめ が後肢 あとあし のものとして誤 あやま 同定 どうてい されたためであった。これらの誤 あやま りは、ホロタイプの観察 かんさつ (フクイラプトル)や新 しん 標本 ひょうほん の発見 はっけん (メガラプトル)を経 へ て修正 しゅうせい された。2000年代 ねんだい 中盤 ちゅうばん まで、彼 かれ らは基盤 きばん 的 てき テタヌラ類 るい と考 かんが えられ、主 おも にアロサウルス上 うえ 科 か に置 お かれた。Smith et al. (2008)ではオーストラリアから産出 さんしゅつ したメガラプトルに類似 るいじ する尺 しゃく 骨 こつ が報告 ほうこく され、メガラプトルはスピノサウルス上 うえ 科 か として扱 あつか われた。同年 どうねん に巨大 きょだい なコエルロサウルス類 るい として記載 きさい されたオルコラプトルは、より小型 こがた のコンプソグナトゥス科 か との類似 るいじ 性 せい を複数 ふくすう 示 しめ していた。アエロステオンはアロサウルス に近 きん 縁 えん な恐竜 きょうりゅう 、アウストラロヴェナトルはカルカロドントサウルス科 か の姉妹 しまい 群 ぐん に置 お かれた。
ネオヴェナトル科 か での位置付 いちづ け [ 編集 へんしゅう ]
この2000年代 ねんだい 後半 こうはん の新 あら たなデータの流入 りゅうにゅう は、基盤 きばん 的 てき テタヌラ類 るい の系統 けいとう の主要 しゅよう な再 さい 解析 かいせき に繋 つな がり、メガラプトル類 るい は新 あら たな系統 けいとう 関係 かんけい がみちびかれた。ロジャー・ベンソンらによる2010年 ねん の研究 けんきゅう では、アロサウルス上 うえ 科 か (あるいはカルノサウルス類 るい とも)がカルカロドントサウルス類 るい と呼 よ ばれる下位 かい 分類 ぶんるい を包含 ほうがん した。カルカロドントサウルス類 るい はカルカロドントサウルス科 か と新 あら たな科 か であるネオヴェナトル科 か に細分 さいぶん された。彼 かれ らにより設立 せつりつ されたネオヴェナトル科 か にはネオヴェナトルとキランタイサウルスおよび新 あら たに命名 めいめい された分岐 ぶんき 群 ぐん であるメガラプトル類 るい が含 ふく まれた。メガラプトル類 るい にはメガラプトル、フクイラプトル、オルコラプトル、アエロステオン、アウストラロヴェナトルが含 ふく まれた。これらの属 ぞく は骨格 こっかく 全体 ぜんたい に広 ひろ がる複数 ふくすう の特徴 とくちょう 、特 とく に顕著 けんちょ な含気化 か によって他 た のネオヴェナトル科 か と同列 どうれつ に扱 あつか われるようになった。特 とく に腸 ちょう 骨 こつ の含気化 か は、当時 とうじ ネオヴェナトルが唯一 ゆいいつ 持 も っていた特徴 とくちょう であり、注目 ちゅうもく を浴 あ びた。ネオヴェナトルは後期 こうき 白 はく 亜紀 あき まで生存 せいぞん したアロサウルス上 うえ 科 か であり、その低 ひく い体格 たいかく とコエルロサウルス類 るい に似 に た適応 てきおう から、最 もっと も遅 おそ くまで生 い き残 のこ ることができたと考 かんが えられている[7] 。当該 とうがい の仮説 かせつ を支持 しじ する後続 こうぞく 研究 けんきゅう としてはCarrano, Benson & Sampson (2012)のテタヌラ類 るい の包括 ほうかつ 的 てき 研究 けんきゅう [19] やZanno & Makovicky (2013)によるシアッツ の記載 きさい があり、後者 こうしゃ でシアッツはメガラプトル類 るい に分類 ぶんるい された。フクイラプトルとアウストラロヴェナトルは互 たが いに近 ちか い関係 かんけい にあることが常 つね に示唆 しさ されており、アエロステオンとメガラプトルも同様 どうよう である。オルコラプトルは正確 せいかく な位置 いち を定 さだ めることが難 むずか しいワイルドカードであった。
以下 いか のクラドグラム はメガラプトル類 るい をアロサウルス上 うえ 科 か のネオヴェナトル科 か に位置付 いちづ けるBenson, Carrano, & Brusatte (2010)の仮説 かせつ の最新 さいしん 版 ばん を反映 はんえい している[7] 。クラドグラムはCoria & Currie (2016)のものであり、Novas et al. (2013)により記載 きさい されたムルスラプトルがメガラプトル類 るい に加 くわ えられている[13] [20] 。
ティラノサウルス上 うえ 科 か での位置付 いちづ け [ 編集 へんしゅう ]
Fernando Novas et al. (2012)では新 あら たな類縁 るいえん 仮説 かせつ が提唱 ていしょう された[21] 。Novasらはネオヴェナトルとメガラプトル類 るい を結 むす び付 つ ける形質 けいしつ が2010年 ねん の論文 ろんぶん で示唆 しさ されたよりも遥 はる かに広範 こうはん であると主張 しゅちょう し、コエルロサウルス類 るい の収斂 しゅうれん がメガラプトル類 るい とコエルロサウルス類 るい の正当 せいとう な繋 つな がりを意味 いみ すると提唱 ていしょう した。さらに、彼 かれ らはBenson, Carrano, & Brusatteの研究 けんきゅう ではコエルロサウルス類 るい のサンプル数 すう が僅 わず か3であることを指摘 してき した。Novasらの主張 しゅちょう は2013年 ねん に論文 ろんぶん 化 か され、メガラプトル類 るい はカルカロドントサウルス類 るい からコエルロサウルス類 るい に移 うつ され、ティラノサウルス上 うえ 科 か の派生 はせい 的 てき 位置 いち に置 お かれた。Novas et al. (2013)ではネオヴェナトル科 か から除去 じょきょ されたメガラプトル類 るい はメガラプトル科 か として命名 めいめい され、基盤 きばん 的 てき なフクイラプトルを除 のぞ くメガラプトル類 るい が全 すべ て包含 ほうがん された。彼 かれ らはキランタイサウルス、ネオヴェナトル、シアッツがメガラプトル類 るい である証拠 しょうこ が乏 とぼ しいとした一方 いっぽう 、ティラノサウルス上 うえ 科 か のエオティラヌス をメガラプトル類 るい に挿入 そうにゅう しなかった。彼 かれ らはメガラプトル類 るい とティラノサウルス科 か が近 きん 縁 えん であると仮説 かせつ を立 た てたが、メガラプトル類 るい の系統 けいとう がティラノサウルス類 るい とは逆 ぎゃく の方向 ほうこう に分岐 ぶんき した機能 きのう 的 てき な形態 けいたい を持 も つことを指摘 してき した。ティラノサウルス科 か の前肢 ぜんし が小型 こがた で頭部 とうぶ が大型 おおがた かつ強力 きょうりょく である一方 いっぽう 、メガラプトル類 るい は前肢 ぜんし が大型 おおがた で、鉤 かぎ 爪 つめ も巨大 きょだい であり、顎 あご は相対 そうたい 的 てき に弱 よわ い[8] 。新 あら たに発見 はっけん されたメガラプトルの幼体 ようたい の頭蓋骨 ずがいこつ は2014年 ねん に記載 きさい され、ディロング といった基盤 きばん 的 てき ティラノサウルス上 うえ 科 か の頭蓋骨 ずがいこつ との類似 るいじ 性 せい ゆえに仮説 かせつ を補強 ほきょう した。とはいえ、メガラプトル類 るい がカルカロドントサウルス類 るい と共通 きょうつう する形質 けいしつ を多 おお く持 も つことも事実 じじつ であり、分類 ぶんるい は依然 いぜん として不確 ふたし かである[9] 。
以下 いか のクラドグラムはメガラプトル類 るい をティラノサウルス上 うえ 科 か に置 お くNovas et al. (2013) の仮説 かせつ を支持 しじ するものである。クラドグラムが準拠 じゅんきょ するPorfiri et al. (2014)では、メガラプトルの幼体 ようたい 標本 ひょうほん が記載 きさい された。グアリコ 、ムルスラプトル 、トラタイェニア は当該 とうがい の研究 けんきゅう の間 あいだ にまだ記載 きさい されていなかった[9] 。
2016年 ねん 、ノヴァスらはメガラプトル類 るい の手 て の解剖 かいぼう 学 がく 的 てき 研究 けんきゅう を発表 はっぴょう し、彼 かれ らの分類 ぶんるい 学 がく 的 てき 疑問 ぎもん への手 て がかりにしようとした。彼 かれ らはグアンロン やデイノニクス といった派生 はせい 的 てき なコエルロサウルス類 るい の手 て に見 み られる重要 じゅうよう な形質 けいしつ がメガラプトル類 るい では失 うしな われていることを発見 はっけん した。また、その代 か わりにメガラプトル類 るい の手 て にはアロサウルス な基盤 きばん 的 てき なテタヌラ類 るい に見 み られる原始 げんし 的 てき な特徴 とくちょう が多 おお く残 のこ されていた。しかし、依然 いぜん としてメガラプトル類 るい をコエルロサウルス類 るい の系統 けいとう として支持 しじ する形質 けいしつ も多 おお く存在 そんざい する[16] 。2016年 ねん のBell et al. の研究 けんきゅう ではメガラプトル類 るい をティラノサウルス上 うえ 科 か とする仮説 かせつ が支持 しじ されているが、これはPorfiri et al. (2014)ではメガラプトルの頭蓋骨 ずがいこつ のデータが追加 ついか されていることと、Benson, Carrano, & Brusatte (2010)よりも幅広 はばひろ くコエルロサウルス類 るい のデータが用 もち いられているためである[11] 。Motta et al . (2016)もこれに同意 どうい し、断片 だんぺん 的 てき なパタゴニアの獣 しし 脚 あし 類 るい であるアオニラプトル を非 ひ メガラプトル科 か のメガラプトル類 るい として提唱 ていしょう した。彼 かれ らの研究 けんきゅう ではアオニラプトルとデルタドロメウス およびバハリアサウルス の類似 るいじ 性 せい が指摘 してき され、これら2属 ぞく の基盤 きばん 的 てき メガラプトル類 るい とされ、3属 ぞく でバハリアサウルス科 か を構成 こうせい しうるとされた[2] 。2019年 ねん のムルスラプトルの再 さい 記載 きさい では、Rolando, Novas, & AgnolínはApesteguia et al. (2016)のデータセットを用 もち い、メガラプトル類 るい をティラノサウルス上 うえ 科 か における多 た 分岐 ぶんき とした[22] 。
以下 いか のクラドグラムはNaishとCauによる 2022年 ねん の研究 けんきゅう によるもの[23] 。
非 ひ ティラノサウルス上 うえ 科 か コエルロサウルス類 るい としての位置付 いちづ け[ 編集 へんしゅう ]
2016年 ねん 、メガラプトル類 るい の類縁 るいえん 関係 かんけい に関 かん してPorfiri et al. (2014)から派生 はせい して第 だい 3の仮説 かせつ が提唱 ていしょう された。Sebastian Apesteguíaらは新 あら たな獣 しし 脚 あし 類 るい グアリコ を記載 きさい し、グアリコとデルタドロメウスをNovas et al. のデータセットに追加 ついか して修正 しゅうせい も行 おこな い、系統 けいとう 解析 かいせき を実施 じっし した。メガラプトル類 るい はNovas et al. のデータセットで当初 とうしょ 支持 しじ されていたティラノサウルス上 うえ 科 か から取 と り除 のぞ かれ、アロサウルス上 うえ 科 か は側 がわ 系統 けいとう 群 ぐん とされた。メガラプトル類 るい は伝統 でんとう 的 てき なコエルロサウルス類 るい と近 ちか い位置 いち に置 お かれた[6] 。
Porfifi et al. (2018)ではApesteguía et al. (2016)のデータセットが拡張 かくちょう され、新 あら たに2つのメガラプトル科 か が追加 ついか された[10] 。結果 けっか は異 こと なったものの、手法 しゅほう はApesteguia et al . (2016)と実質 じっしつ 的 てき に同 おな じであった[6] 。追加 ついか された属 ぞく の一 ひと つはグアリコと同 どう 時期 じき に記載 きさい されたムルスラプトルで[13] 、もう一 ひと つは新 しん 属 ぞく トラタイェニア であった。Porfiri et al. (2018)はトラタイェニアとムルスラプトルをメガラプトル科 か に置 お き、フクイラプトルをメガラプトル類 るい の最 もっと も基盤 きばん 的 てき 位置 いち に置 お いた。しかし、メガラプトル類 るい はコエルロサウルス類 るい の最 もっと も基盤 きばん 的 てき な位置 いち でキランタイサウルスやグアリコおよびティラノラプトル類 るい と共 とも に多 た 分岐 ぶんき をなした。非 ひ コエルロサウルス類 るい 獣 じゅう 脚 あし 類 るい も、ネオヴェナトルの位置 いち が不安定 ふあんてい なため、大 おお きな多 た 分岐 ぶんき が形成 けいせい された。またPorfifi et al. (2018)はMotta et al. (2016) のバハリアサウルス科 か の設立 せつりつ について言及 げんきゅう し、グアリコがデルタドロメウスとの類似 るいじ 点 てん からバハリアサウルス科 か である可能 かのう 性 せい を指摘 してき した。その場合 ばあい 、メガラプトル類 るい はこれまで考 かんが えられていたよりも遥 はる かに前肢 ぜんし の多様 たよう 性 せい が高 たか く、グアリコは非常 ひじょう に小 ちい さくティラノサウルス科 か に似 に た前肢 ぜんし を持 も っていたことになる[10] 。
2018年 ねん 、Delcourt & Grilloはティラノサウルス上 うえ 科 か に焦点 しょうてん を当 あ てた研究 けんきゅう を発表 はっぴょう した。彼 かれ らはPorfiri et al. (2018)の解析 かいせき にスコアリングの修正 しゅうせい と新 あら たなデータの追加 ついか を行 おこな い、解析 かいせき を実行 じっこう した。結果 けっか として、ネオヴェナトルは単 たん 系統 けいとう のアロサウルス上 うえ 科 か に置 お かれ、メガラプトル類 るい は非 ひ ティラノサウルス上 うえ 科 か の基盤 きばん 的 てき コエルロサウルス類 るい とされ、キランタイサウルスやグアリコと近 きん 縁 えん な位置 いち に置 お かれた。ムルスラプトルはフクイラプトルの次 つぎ に基盤 きばん 的 てき なメガラプトル類 るい とされた[24] 。
以下 いか のクラドグラム はDelcourt & Grillo (2018)の系統 けいとう 解析 かいせき に従 したが う。
2022年 ねん のマイプ の記載 きさい では、メガラプトル類 るい はコエルロサウルス類 るい に置 お かれ、特 とく にティラノサウルス上 うえ 科 か の姉妹 しまい 群 ぐん として扱 あつか われた。これは先行 せんこう 研究 けんきゅう に沿 そ うものであり、ティラノサウルス上 うえ 科 か とメガラプトル類 るい の近 きん 縁 えん 性 せい が示唆 しさ されている。また、同 どう 研究 けんきゅう ではフクイラプトル とアウストラロヴェナトル を除 のぞ く包括 ほうかつ 的 てき 分岐 ぶんき 群 ぐん (分岐 ぶんき 群 ぐん A)と南 みなみ アメリカのメガラプトル類 るい を全 すべ て含 ふく む排除 はいじょ 的 てき 分岐 ぶんき 群 ぐん (分岐 ぶんき 群 ぐん B)の2つの分岐 ぶんき 群 ぐん が提唱 ていしょう された[25] 。
以下 いか のクラドグラムはマイプ の記載 きさい においてRolando et al. が行 おこな った系統 けいとう 解析 かいせき の結果 けっか である。
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