中山寺なかやまでら (宝塚たからづか)

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
中山寺なかやまじ
本堂ほんどう
所在地しょざいち 兵庫ひょうごけん宝塚たからづか中山寺なかやまじ2丁目ちょうめ11-1
位置いち 北緯ほくい3449ふん18.0びょう 東経とうけい13522ふん3.6びょう / 北緯ほくい34.821667 東経とうけい135.367667 / 34.821667; 135.367667 (中山寺なかやまじ)座標ざひょう: 北緯ほくい3449ふん18.0びょう 東経とうけい13522ふん3.6びょう / 北緯ほくい34.821667 東経とうけい135.367667 / 34.821667; 135.367667 (中山寺なかやまじ)
山号さんごう 紫雲しうんさん
宗旨しゅうし 真言宗しんごんしゅう
宗派しゅうは 真言宗しんごんしゅう中山寺なかやまでら
寺格じかく 大本山だいほんざん
本尊ほんぞん じゅういちめん観世音菩薩かんぜおんぼさつ重要じゅうよう文化財ぶんかざい
開基かいき つて聖徳太子しょうとくたいし
正式せいしきめい 紫雲しうんさん 中山寺なかやまでら
別称べっしょう 中山なかやま観音かんのん
札所ふだしょとう 西国さいこくさんじゅうさんしょだい24ばん
真言宗しんごんしゅうじゅうはち本山ほんざんだい4ばん
摂津せっつこくはちじゅうはち箇所かしょだい69 - 71ばん
摂津せっつこくさんじゅうさん箇所かしょだい1ばん
聖徳太子しょうとくたいしれいあとだい26ばん開山かいさんどう
近畿きんきさんじゅうろく不動尊ふどうそん霊場れいじょうだい21ばん
川辺かわべ西国さいこくさんじゅうさん箇所かしょだい1ばん
西国さいごく七福神しちふくじん寿老人じゅろうじん
中山寺なかやまでら山内やまうち七福神しちふくじん
神仏しんぶつ霊場れいじょう巡拝じゅんぱいみちだい80ばん兵庫ひょうごだい15ばん
文化財ぶんかざい 木造もくぞうじゅういちめん観音かんのん菩薩ぼさつ立像りつぞう木造もくぞう薬師やくし如来にょらい坐像ざぞう木造もくぞう聖徳太子しょうとくたいしかちかずらけいこうさん坐像ざぞうほか(重要じゅうよう文化財ぶんかざい
本堂ほんどう護摩堂ごまどうほか(けん指定してい有形ゆうけい文化財ぶんかざい
公式こうしきサイト 大本山だいほんざん 中山寺なかやまでら
法人ほうじん番号ばんごう 2140005018674 ウィキデータを編集
テンプレートを表示ひょうじ
地図

中山寺なかやまじ(なかやまでら)は、兵庫ひょうごけん宝塚たからづか中山寺なかやまじにある真言宗しんごんしゅう中山寺なかやまでら大本山だいほんざん寺院じいん山号さんごう紫雲しうんさん本尊ほんぞんじゅういちめん観世音菩薩かんぜおんぼさつ西国さいこくさんじゅうさんしょだい24ばん札所ふだしょ

本尊ほんぞんは、インドかちかずら夫人ふじん(しょうまんぶにん)の姿すがたうつした三国伝来さんごくでんらい尊像そんぞうつたえられる。左右さゆうわきさむらいじゅう一面観いちめんかんおん本尊ほんぞんわきさむらいをあわせてさんじゅうさんめんとなり、西国さいこくさんじゅうさんしょ観音かんのんそうせっするとともに法華経ほけきょう観音かんのんけい)に観音かんのん菩薩ぼさつさんじゅうさん変化へんか表象ひょうしょうし、しんさんじゅうさんしょ巡拝じゅんぱいおな功徳くどくられるという。普段ふだん秘仏ひぶつとなっているが、毎月まいつき18にちひらけとびらされる。また、安産あんざん祈願きがんてらとして有名ゆうめいである。地元じもとでは「中山なかやまさん」としたしみをめてばれている。

本尊ほんぞん真言しんごん:おん まかきゃろにきゃ そわか

詠歌えいかをもすぎ さとをもゆきて 中山なかやまの てらまいるは (のち)ののため

歴史れきし[編集へんしゅう]

てらでんでは聖徳太子しょうとくたいし建立こんりゅうしたという日本にっぽん最初さいしょ観音かんのん霊場れいじょうである。創建そうけん経緯けいい仲哀ちゅうせつ天皇てんのうさききさき大中だいなかひめである麛坂皇子おうじにんぐま皇子おうじ追善ついぜん供養くようのため、あるいは蘇我馬子そがのうまこ聖徳太子しょうとくたいしやぶれた物部守屋もののべのもりやれいしずめるために建立こんりゅうされたという。草創そうそう現在げんざいとうてらおくいんがある場所ばしょである。奈良なら時代じだいには大小だいしょう多数たすう堂塔どうとう伽藍がらんそなえただい寺院じいんであったとつたわり、「極楽ごくらく中心ちゅうしん仲山なかやまてら」としょうされていた。

養老ようろう2ねん718ねん)、大和やまとこく長谷寺はせでらとくどう上人しょうにん冥土めいど閻魔えんま大王だいおうから「観音かんのん信仰しんこうひろめるように」といわれて御宝みたからしるしさずかった。とくどうはその御宝みたからしるしとうてらにある白鳥しらとりづか古墳こふん中山寺なかやまでら古墳こふんない石棺せっかんいしひつ(からと)におさめたといわれる。とくどう観音かんのん巡礼じゅんれいひろめようとしたが上手うまくいかなかった。そのやく270ねん平安へいあん時代じだいになってから花山はなやま法皇ほうおういしひつから御宝みたからしるしつけし、西国さいこくさんじゅうさんしょ観音かんのん巡礼じゅんれい再興さいこうしそのだい24ばん札所ふだしょとした。

平安へいあん時代じだい末期まっき多田ただこうつなつま不信心ふしんじんなやまされていたところ、とうてら観音かんのんが「かねいとぐち」(鰐口わにぐちらすつな)でもってつま改心かいしんさせ、夫妻ふさいなかむつまじくなった。それ以降いこうとうてら観音かんのんさずかりや安産あんざん祈願きがん信仰しんこうまれたという。以来いらいとうてら安産あんざん祈願きがん霊場れいじょうとして皇族こうぞく貴族きぞくみなもと頼朝よりともなどの武家ぶけ庶民しょみんよりふか信仰しんこうあつめたが、天正てんしょう6ねん1578ねん)にはじまった、荒木あらき村重むらしげ織田おだ信長のぶながとの有岡ありおかじょうたたか戦火せんかけて多宝塔たほうとう五重塔ごじゅうのとうふくぜんやま焼失しょうしつした。

安土あづち桃山ももやま時代じだい豊臣とよとみ秀吉ひでよしとうてら祈願きがんして豊臣とよとみ秀頼ひでよりさずかったとされる。

慶長けいちょう年間ねんかん1596ねん - 1615ねん)に現在地げんざいち移転いてんし、慶長けいちょう8ねん1603ねん)には豊臣とよとみ秀頼ひでより片桐かたぎり且元普請ふしん奉行ぶぎょうとして本堂ほんどう護摩堂ごまどう阿弥陀堂あみだどうなどの伽藍がらん再建さいけんしている。

幕末ばくまつには中山なかやまいちきょく明治天皇めいじてんのう出産しゅっさんするとき安産あんざん祈願きがんをして無事ぶじ出産しゅっさんしたことから、日本にっぽん唯一ゆいいつ明治天皇めいじてんのう勅願ちょくがんしょとなっている。

1995ねん平成へいせい7ねん)1がつ17にち阪神はんしん淡路あわじ大震災だいしんさい発生はっせいし、堂舎どうしゃ塔頭たっちゅう総持院そうじいんはなぞういんなどが被災ひさいしたが、のち復興ふっこうした。

中山なかやまというやま背後はいごにあり、山腹さんぷくにある中山寺なかやまでらおくいんには厄神やくじん明王みょうおうまつられ、本堂ほんどうわきにある湧水わきみず大悲だいひすいばれている。中山寺なかやまでら境内けいだいからは18ちょう[注釈ちゅうしゃく 1]徒歩とほ50ふん程度ていど参拝さんぱいすることができる。

毎月まいつきいぬ(いぬ)のは、安産あんざん祈祷きとうかいがあり、安産あんざんねがい、また、かねいとぐち(かねのお)(祈祷きとうけた腹帯はらおび)の授与じゅよもとめて日本にっぽん各地かくちからおおくの参詣さんけいしゃおとずれる。

境内けいだいはエレベーターやエスカレーター、すりとう設置せっちされてバリアフリーされており、にん年配ねんぱいしゃ障害しょうがいしゃ参拝さんぱい容易よういとなっている。

境内けいだい[編集へんしゅう]

文化財ぶんかざい[編集へんしゅう]

重要じゅうよう文化財ぶんかざい[編集へんしゅう]

兵庫ひょうごけん指定してい有形ゆうけい文化財ぶんかざい[編集へんしゅう]

山門さんもん
  • 本堂ほんどう
  • 護摩堂ごまどう
  • 大門だいもん山門さんもん
  • 木造もくぞうわきさむらいじゅういちめん観音かんのん立像りつぞう 2 - 鎌倉かまくら時代じだい

兵庫ひょうごけん指定してい史跡しせき[編集へんしゅう]

宝塚たからづか指定してい有形ゆうけい文化財ぶんかざい[編集へんしゅう]

  • 木造もくぞう薬師如来やくしにょらい坐像ざぞう
  • 木造もくぞう愛染明王あいぜんみょうおう坐像ざぞう
  • 鉄製てつせいつるし燈籠どうろう
  • どうせい鰐口わにぐち
  • 豊国とよくに大明神だいみょうじんかみごう - 豊臣とよとみ秀頼ひでよりひつ
  • まちせき

宝塚たからづか指定してい無形むけい民俗みんぞく文化財ぶんかざい[編集へんしゅう]

  • ほしください

歴代れきだい長老ちょうろう[編集へんしゅう]

  • 石堂いしどうめぐみたけし
  • 今井いまいえんうみ
  • 石堂いしどうめぐみしゅん
  • 村主むらぬしめぐみかい
  • 池田いけだ瑩輝
  • 今井いまい圓明えんめい
  • 石堂いしどうめぐみきょう
  • 池田いけだ光輝みつてる
  • 村主むらぬしやすしみず
  • 今井いまいきよしえん

行事ぎょうじ[編集へんしゅう]

  • 8がつ9にちよる西国さいこくさんじゅうさんしょ観音かんのん菩薩ぼさつほしって中山寺なかやまじ本堂ほんどうあつまるとされ、ほしくだ大会たいかいしきおこなわれる。8月9にちよるには、梵天ぼんてん御幣ごへい)が中山寺なかやまでら塔頭たっちゅうおさめられる。この8がつ9にち中山寺なかやまでら参詣さんけいするとよんまんろくせんにち参拝さんぱいしたのとおな功徳くどくがあるとされる。
  • 2がつ3にち節分せつぶんには、毎年まいとし宝塚歌劇団たからづかかげきだん生徒せいとまねいてのつい儺(ついな)まめまきしきおこなわれる。彼女かのじょたちがふんする観音かんのんさま人間にんげん諸悪しょあく根源こんげんであるさんどくむさぼ(とん/むさぼり(欲張よくばしん))・(しん/いかり(おこしん))・(ち/おろか(真理しんりたいする無知むちしん))の象徴しょうちょうさんひきおにをさとし、ぶくろく寿ことぶき変身へんしんさせるというショーがおこなわれる。

腹帯はらおびかねいとぐち[編集へんしゅう]

中山寺なかやまでらには「かねいとぐち」とばれる安産あんざん祈願きがん腹帯はらおびがある。「かねいとぐち」の由来ゆらいであるが、「かねいとぐち」とは本堂ほんどう正面しょうめんかる鰐口わにぐちらすつなのことである。多田ただこうつな夫婦ふうふ和合わごうはなし以来いらい信者しんじゃはこの「かねいとぐち」をすこしづつちぎって安産あんざんのご利益りやく頂戴ちょうだいしていたという。現在げんざい、かつてのはなし彷彿ほうふつとさせるように鰐口わにぐちらすつなかねいとぐち」は意図いとてきみじかくされている。

御詠歌ごえいか[編集へんしゅう]

  • をもすぎ さとをもゆきて 中山ちゅうざんてらへまいるは のちののため
  • 群雲むらくものかかる浮世うきよ中山ちゅうざん慈悲じひひかりやひとりれゆく

御詠歌ごえいかをあげるさいにはこののちに「南無阿弥陀仏なむあみだぶつ」を3かいとなえて休憩きゅうけいはいることがおおい。

前後ぜんご札所ふだしょ[編集へんしゅう]

西国さいこくさんじゅうさんしょ
23 勝尾寺かつおうじ - 24 中山寺なかやまじ - 番外ばんがい 花山院かざんいん菩提寺ぼだいじ
真言宗しんごんしゅうじゅうはち本山ほんざん
3 清荒神きよしこうじん清澄寺せいちょうじ - 4 中山寺なかやまじ - 5 大覚寺だいかくじ
摂津せっつこくはちじゅうはち箇所かしょ
68 満願寺まんがんじ- 69 中山寺なかやまでら大師堂だいしどう - 70 中山寺なかやまじ寿老人じゅろうじんどう - 71 中山寺なかやまじおくいん - 72 清荒神きよしこうじん清澄寺せいちょうじ
摂津せっつこくさんじゅうさん箇所かしょ
1 中山寺なかやまじ - 2 平林寺へいりんじ
聖徳太子しょうとくたいしれいあと
25 ろくかくどういただきほうてら - 26 中山寺なかやまじ - 27 鶴林寺かくりんじ
近畿きんきさんじゅうろく不動尊ふどうそん霊場れいじょう
20 智積ちしゃくいん明王みょうおう殿どの - 21 中山寺なかやまでら護摩堂ごまどう - 22 北向きたむきさん不動院ふどういん本殿ほんでん
川辺かわべ西国さいこくさんじゅうさん箇所かしょ
1 中山寺なかやまじ - 2 いずみりゅうてら
西国さいごく七福神しちふくじん寿老人じゅろうじん
中山寺なかやまでら山内やまうち七福神しちふくじん
神仏しんぶつ霊場れいじょう巡拝じゅんぱいみち
79 清荒神きよしこうじん清澄寺せいちょうじ - 80 中山寺なかやまじ - 81石清水八幡宮いわしみずはちまんぐう

おさめけいしょ大師堂だいしどうおくいんはそれぞれの独自どくじおさめけいしょ。それ以外いがいは「中山寺なかやまでらおさめけいしょ」。なお、おくいんおさめけいしょのみ10から1530ふんまでの受付うけつけであり、かつ中山寺なかやまでら本堂ほんどうから山道さんどうで1あいだじゃく所要しょよう時間じかんようする。清荒神きよしこうじん付近ふきんから関係かんけいしゃよう車道しゃどうつうじているが、途中とちゅう自衛隊じえいたい専用せんよう道路どうろ経由けいゆするため、寺院じいん関係かんけいしゃ普段ふだんあるいて「通勤つうきん」している。なお、この車道しゃどうはハイキングのための通行つうこう黙認もくにんされているため、タクシーとう利用りようさいはこの道路どうろとおるのがもっとはやおくいん到達とうたつできる。

所在地しょざいち・アクセス[編集へんしゅう]

〒665-8588 兵庫ひょうごけん宝塚たからづか中山寺なかやまじ2丁目ちょうめ11ばん1ごう

周辺しゅうへん情報じょうほう[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 1ちょうながさにしてやく109.09メートル

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]