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音楽おんがく数学すうがく

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
バイオリンのスペクトログラムたてじく線形せんけい周波数しゅうはすうよこじく時間じかんあらわす。輝線きせん周波数しゅうはすう経時きょうじ変化へんかあらわす。いろ明度めいど対数たいすうによる(くろは−120 dBFS)

ほん項目こうもくでは、音楽おんがく数学すうがく(おんがくとすうがく)の関連かんれんせいについてべる。

音楽おんがく現代げんだい数学すうがく公理こうりてき基礎きそたないにもかかわらず、音楽おんがく理論りろん音楽おんがく理解りかいするために数学すうがく使用しようすることがある。数学すうがくは「おと基礎きそ」であり、音楽おんがく存在そんざいするおとそれ自体じたい配列はいれつ注目ちゅうもくすべきすうてき性質せいしつ宿やどしている。これはたん自然しぜん現象げんしょうが、驚異きょういてきほど数学すうがくてき性質せいしつゆうしているからである[1]古代こだい中国ちゅうごくひとエジプトひと、そしてメソポタミアひとおと数学すうがくてき原理げんり研究けんきゅうしていたことでられているが[2]古代こだいギリシアのピタゴラス教団きょうだんかず比率ひりつとくちいさな整数せいすう比率ひりつによる音階おんかい表現ひょうげん研究けんきゅうした研究けんきゅうしゃ集団しゅうだんとして有名ゆうめいである[3]かれらの教条きょうじょうは「自然しぜんさかいのあらゆる構成こうせいぶつかずからしょうじるἉρμονία ハルモニア調和ちょうわ)からっている」というものであった[4]

プラトン時代じだいよりハルモニアは自然しぜんがく物理ぶつりがく)の基礎きそ部門ぶもんのひとつとしてなされていた。(なお、この部門ぶもん現代げんだいでは音響おんきょうがくとしてられている。)古代こだいのインドや中国ちゅうごく音楽おんがく理論りろんもまたたような方法ほうほうろんをとった。かれらはみな和声わせいリズム数学すうがくてき法則ほうそくわたしたちらす世界せかい理解りかいだけでなく、人類じんるい自体じたい理解りかいにとっても不可欠ふかけつなものであることをしめそうとつとめた[5]孔子こうしはピタゴラスとおなじく、ちいさなかずである1、2、3、4をあらゆる完全かんぜんせい根源こんげんであるとみなしていた[6]

音楽おんがく作曲さっきょくし、あらたな方法ほうほう見出みいだこころみは集合しゅうごうろん抽象ちゅうしょうだい数学すうがくかずろん音楽おんがくへの適用てきよううながすこととなった。作曲さっきょくなかにはバルトークなど、自身じしん作品さくひん黄金おうごんフィボナッチすうれたものもいる[7][8]

時間じかん、リズム、拍子ひょうし[編集へんしゅう]

リズム構造こうぞう境界きょうかい、つまり基本きほんとなるはくぶし反復はんぷくビートらくデュレーション (音楽おんがく)英語えいごばん規則きそくてき配置はいちすることなしに音楽おんがく成立せいりつない[9]英語えいごにおいてrhythmという単語たんごからしょうじたとされるrhymeという単語たんごrim数字すうじ)と混同こんどうされるようになったという関連かんれんせいがあり[10]現代げんだいにおける拍子ひょうし小節しょうせつといった単語たんご音楽おんがくにおける使用しよう天文学てんもんがく使用しようされる記数きすう算術さんじゅつ時間じかん正確せいかく測定そくてい物理ぶつりがく基礎きそ概念がいねんである周期しゅうきせいなどと関連かんれんのあった音楽おんがく歴史れきしてき重要じゅうようせい反映はんえいしている。

らくしき[編集へんしゅう]

音楽おんがく形式けいしき音楽おんがくみじか断片だんぺん拡張かくちょうしていくさい設計せっけいす。「設計せっけい」という用語ようご建築けんちくでももちいられており、らくしき比較ひかくされることおおい。建築けんちくおなじく、作曲さっきょく簡潔かんけつで、かつ反復はんぷく秩序ちつじょった作曲さっきょく可能かのうであるか、作品さくひん意図いとどおりに機能きのうするかを考慮こうりょれなければならない[11]形式けいしきさん形式けいしきとしてられる一般いっぱんてきらくしきは、音楽おんがく理解りかいにおけるちいさな整数せいすう重要じゅうようせいしめしている。

rhymeという単語たんご元々もともとrhythm由来ゆらいする単語たんごではなく、英語えいごrime由来ゆらいしている(オックスフォードえいえい辞典じてんもしくはコリンズえいえい辞典じてん参照さんしょうのこと)。rimeつづりがのちまったことなる単語たんごrhythmつづりと混同こんどうされ、rhymeという単語たんごまれたとかんがえられている。

周波数しゅうはすう調和ちょうわ[編集へんしゅう]

正方形せいほうけいいたじょうこまかな粒子りゅうしき、おと振動しんどう生成せいせいされたさまざまなクラドニ図形ずけいのパターン (Ernst Chladni, Acoustics, 1802)

音階おんかい音楽おんがく作成さくせい記述きじゅつするさいもちいられるおとだか離散りさん集合しゅうごうである。西洋せいよう伝統でんとう音楽おんがくにおいてもっと重要じゅうよう音階おんかいぜん音階おんかいであるが、歴史れきしじょう様々さまざま時代じだい地域ちいきことなる音階おんかい使用しよう提案ていあんされてきた。各々おのおのおとだか特定とくてい周波数しゅうはすう対応たいおうしている。特定とくてい周波数しゅうはすう一般いっぱんにヘルツ (Hz)で表現ひょうげんするが、ときにcycles per second (c.p.s.)をもちいることもある。音階おんかい反復はんぷく音程おんてい通常つうじょうオクターヴゆうする。あらゆるおとだかオクターヴもとおとだか周波数しゅうはすうのちょうどばい相当そうとうする。これをかえすことにより、2、3、4オクターヴげたおとだか周波数しゅうはすうはそれぞれもとおとだかの4、8、16ばいとなっている。同様どうように、1、2、3オクターヴげた場合ばあいおとだか周波数しゅうはすうもとおとだか周波数しゅうはすうの1/2、1/4、1/8ばいとなっておりサブオクターヴとばれる。音楽おんがくのハーモニーにおいて特定とくていおとだか調和ちょうわしているとかんがえられる場合ばあい、その1オクターヴじょうおとだか調和ちょうわしていない場合ばあい存在そんざいしない。したがって、あらゆる音符おんぷとそのオクターヴは一般いっぱん音楽おんがく体系たいけい名付なづけられていることをいだせる(れいとして、ASaといった単語たんごばれるおとがある)。最初さいしょのオクターヴがA2A3、つまり110Hzへるつから220Hzへるつまでの間隔かんかく (間隔かんかく=110Hzへるつ)のあいだ周波数しゅうはすうとして表現ひょうげんされるとき、つぎのオクターヴは220Hzへるつから440Hzへるつ (間隔かんかく=220Hzへるつ)のあいだ周波数しゅうはすうで、3番目ばんめのオクターヴは440Hzへるつから880Hzへるつ (間隔かんかく=440Hzへるつ)のあいだ周波数しゅうはすう表現ひょうげんされる。各々おのおのつぎのオクターヴの周波数しゅうはすう間隔かんかくまえ周波数しゅうはすう間隔かんかくばいとなっている。

人間にんげん音階おんかい記述きじゅつするさいおとだかそれ自身じしん正確せいかくせいよりもかくおとだかあいだ関係かんけいもしくは比率ひりつ音程おんていとしてられる)に興味きょうみつことがおおいため、特定とくていおとだかから比率ひりつ考察こうさつしてすべての音階おんかいおとだか把握はあくすることがおおい。この特定とくていおとだか1 (1/1記述きじゅつされることがおおい)で記述きじゅつすることがおおく、一般いっぱん音階おんかい主音しゅおんとして機能きのうする音符おんぷである。また、音程おんてい比較ひかくにはセントもちいることがおおい。

線形せんけい周波数しゅうはすう音階おんかい測定そくていしたさいのオクターヴの指数しすうてき性質せいしつしめした
音程おんていごと等間隔とうかんかくとなるようオクターヴを表示ひょうじした
通称つうしょう 名称めいしょう
Hz
いちとの オクターヴない比率ひりつ オクターヴないセント
いち A2
110
1x
1/1 = 1x
0
オクターヴ A3
220
2x
2/1 = 2x
1200
2/2 = 1x
0
完全かんぜん E4
330
3x
3/2 = 1.5x
702
オクターヴ A4
440
4x
4/2 = 2x
1200
4/4 = 1x
0
ちょうさん C5
550
5x
5/4 = 1.25x
386
完全かんぜん E5
660
6x
6/4 = 1.5x
702
自然しぜんなな G5
770
7x
7/4 = 1.75x
969
オクターヴ A5
880
8x
8/4 = 2x
1200
8/8 = 1x
0

調律ちょうりつ体系たいけい[編集へんしゅう]

5限界げんかい調律ちょうりつ英語えいごばん純正じゅんせいりつもっと一般いっぱんてき形式けいしきであり、基本きほん周波数しゅうはすう有理数ゆうりすう倍音ばいおんもちいた調律ちょうりつ体系たいけいである。これは1619ねんかれたヨハネス・ケプラー著書ちょしょ宇宙うちゅう調和ちょうわ英語えいごばん」にて惑星わくせい運動うんどう関連かんれんしてしめされた音階おんかいひとつである。おな音階おんかいが1721ねんにスコットランドの数学すうがくしゃけん音楽おんがく理論りろんのアレクサンダー・マルコムにより、著書ちょしょTreatise of Musick: Speculative, Practical and Historical」において移調いちょう形式けいしきあたえられ[12]、20世紀せいきには音楽おんがく理論りろんのJose Wuerschmidtによりあたえられた。この純正じゅんせいりつ形式けいしききたインドの音楽おんがく使用しようされている。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく作曲さっきょくテリー・ライリーもまた、自著じちょHarp of New Albion」においてぎゃく形式けいしき使用しようおこなっている。純正じゅんせいりつ和声わせい進行しんこうがほとんどもしくはまったくない場合ばあいすぐれた結果けっかあたえる。人声ひとごえ楽器がっきつね純正じゅんせい音程おんていせられる。しかし、2つのことなる全音ぜんおん音程おんてい (9:8と10:9) があたえられることで、純正じゅんせいりつ調律ちょうりつされた鍵盤けんばん楽器がっきでは移調いちょうができなくなる[13]比率ひりつによる音階おんかいおと周波数しゅうはすうは、主音しゅおん周波数しゅうはすうたい乗算じょうざんおこなうことでもとめられる。れいとして、主音しゅおんA4(中央ちゅうおうのCのうえのA)を周波数しゅうはすう440Hzとすると、純正じゅんせい調律ちょうりつされた (E5)の周波数しゅうはすうは440×(3:2) = 660Hzへるつとなる。

最初さいしょの16倍音ばいおん名前なまえ周波数しゅうはすうしめすオクターヴの指数しすうてき性質せいしつあらわしたもの。基本きほん周波数しゅうはすう整数せいすうばい周波数しゅうはすうにはオクターヴ倍音ばいおんほかに、オクターヴ倍音ばいおん存在そんざいすることがわかる。
最初さいしょの16倍音ばいおん周波数しゅうはすうおよ周波数しゅうはすう対数たいすうとともに表示ひょうじしたもの。
半音はんおん 比率ひりつ 音程おんてい おとだか 間隔かんかく
0 1:1 どう 480 0
1 16:15 たん 512 16:15
2 9:8 ちょう 540 135:128
3 6:5 たんさん 576 16:15
4 5:4 ちょうさん 600 25:24
5 4:3 完全かんぜんよん 640 16:15
6 45:32 ぞうよん 675 135:128
7 3:2 完全かんぜん 720 16:15
8 8:5 たんろく 768 16:15
9 5:3 ちょうろく 800 25:24
10 9:5 たんなな 864 27:25
11 15:8 ちょうなな 900 25:24
12 2:1 はち 960 16:15

ピタゴラス音律おんりつ完全かんぜん協和きょうわおんである完全かんぜんはち完全かんぜん完全かんぜんよんのみでつくられる調律ちょうりつである。ちょうさんさんではなくditone、つまり文字通もじどおりには「全音ぜんおん」としてかんがえられていて、その音程おんていは(9:8)2 = 81:64である。 全音ぜんおんは2つの完全かんぜんからみちびかれる(3:2)2/2 = 9:8。

純正じゅんせいちょうさん比率ひりつ5:4とたんさん比率ひりつ6:5にたいし、ピタゴラス音律おんりつでは81:64と32:27となり、シントニックコンマすなわち81:80のがある。Carl Dahlhaus (1990, p.187)によれば、「従属じゅうぞくてきさんはピタゴラス音律おんりつしたがい、独立どくりつしたさん倍音ばいおんもとづく音程おんていにむかう」。

西洋せいよう伝統でんとうてき音楽おんがく一般いっぱん純正じゅんせいりつ演奏えんそうすることはできず、体系たいけいてき調整ちょうせいされた音律おんりつ必要ひつようとする。調整ちょうせいは、不規則ふきそくウェル・テンペラメント、レギュラーテンペラメント、さまざまな平均へいきんりつ正則せいそくちゅうぜん音律おんりつなどがもちいられる。しかし、どの場合ばあいにおいてもちゅうぜん音律おんりつ基本きほんてき特徴とくちょう必要ひつようとする。れいとして、iiおん平方根へいほうこんをドミナントじょう調律ちょうりつした場合ばあい主音しゅおんとの音程おんていは9:8にひとしくなる。また、たんさん(6:5)を4:3サブドミナントおとしたにおいた場合ばあい主音しゅおんからの音程おんていは10:9にひとしい。ちゅうぜん音律おんりつは9:8と10:9のあいだ相違そういらしている。すなわち、これら2つの、(9:8)/(10:9) = 81:80はユニゾンとしてあつかわれている。音程おんていとなる81:80はシントニックコンマもしくはDidymusのコンマとばれ、ちゅうぜん音律おんりつにおいて重要じゅうようなコンマとなっている。

平均へいきんりつではオクターヴは12のひとしい半音はんおんかいかれており、それぞれの半音はんおんかいはその2の12じょうとなっている。よって、半音はんおんかいを12がることによりちょうど1オクターヴ上昇じょうしょうする。ギターなど、フレットゆうする楽器がっきでは平均へいきんりつ有用ゆうようである。なぜならフレットがつるひとしく横断おうだんするからである。ヨーロッパの音楽おんがく伝統でんとうにおいて、平均へいきんりつ鍵盤けんばんなどのほか楽器がっきよりもはやく、リュートギターもちいた音楽おんがくのために使用しようされた。歴史れきしあつりょくにより、12平均へいきんりつ現代げんだいにおいて西洋せいよう、そして西洋せいようだい部分ぶぶん地域ちいきにおいて支配しはいてき音調おんちょう体系たいけいとなっている。

様々さまざまひとしい音程おんてい使用しようして、平均へいきんりつ音階おんかい楽器がっきつくられてきた。19平均へいきんりつは16世紀せいきギヨーム・コストレイ 英語えいごばんによりはじめて提案ていあん使用しようされたもので、19の等間隔とうかんかくなステップをもちいる。19平均へいきんりつ通常つうじょうの12平均へいきんりつよりもちょうさんたんさんにおいてより誤差ごさちいさくより協和きょうわする。24等間隔とうかんかくなステップをもちいる24平均へいきんりつアラブ音楽おんがく音楽おんがく教育きょういく音楽おんがく表記ひょうきにおいてひろもちいられている。しかし、理論りろん実践じっせんにおいては、平均へいきんりつ無理むりすう比率ひりつあらわされるにもかかわらず、中東ちゅうとう音楽おんがく音調おんちょう有理数ゆうりすう比率ひりつあらわされる。平均へいきん調律ちょうりつおこなわれたよんふんおん近似きんじおんがアラブの音調おんちょう体系たいけいにはまったられ一方いっぽうで、3つのよんふんおん近似きんじおん、もしくは中立ちゅうりつ英語えいごばん頻繁ひんぱんあらわれる。しかし、これらの中立ちゅうりつマカーム地理ちり依存いぞんしてその比率ひりつわずかなはばがある。実際じっさい中東ちゅうとう音楽おんがく歴史れきしであるハビーブ・ハサン・トゥーマー英語えいごばんは、「この音楽おんがくてきなステップのかたよはばがアラブ音楽おんがく特有とくゆうかおりに決定的けっていてきはたらきをする。オクターヴを24のひとしいよんふんおん分割ぶんかつすることは、この音楽おんがく文化ぶんかもっと特徴とくちょうてき要素ようそひとつを放棄ほうきするだろう」としるしている[14]

以下いかのグラフは平均へいきんりつ和声わせいをどの程度ていど正確せいかく近似きんじしているかをしめしている。[註: よこじくじょう数字すうじ分割ぶんかつする平均へいきんりつあらわす。(れい:"12"は12平均へいきんりつ音階おんかいあらわす)]

1平均へいきんりつ~25平均へいきんりつあいだで、完全かんぜんおよちょうさん正確せいかく周波しゅうは数値すうちとの誤差ごさ割合わりあいあらわしたグラフ
5~72平均へいきんりつと、主要しゅよう和声わせい正確せいかく周波しゅうは数値すうちとのあらわした(TETは平均へいきんりつあらわす)
おと 周波数しゅうはすう (Hz) まえおととの周波数しゅうはすう 周波数しゅうはすう対数たいすうlog2 f まえおととの周波数しゅうはすう対数たいすう
A2 110.00 N/A 6.781 N/A
A2 116.54 6.54 6.864 0.0833 (or 1/12)
B2 123.47 6.93 6.948 0.0833
C3 130.81 7.34 7.031 0.0833
C3 138.59 7.78 7.115 0.0833
D3 146.83 8.24 7.198 0.0833
D3 155.56 8.73 7.281 0.0833
E3 164.81 9.25 7.365 0.0833
F3 174.61 9.80 7.448 0.0833
F3 185.00 10.39 7.531 0.0833
G3 196.00 11.00 7.615 0.0833
G3 207.65 11.65 7.698 0.0833
A3 220.00 12.35 7.781 0.0833

以下いか純正じゅんせいりつ平均へいきんりつちがいをしめしたOgg Vorbisファイルをげる。ちがいを理解りかいするには、以下いかのファイルをなんかい必要ひつようがあるかもしれない。

集合しゅうごうろんとの関連かんれん[編集へんしゅう]

ピッチクラス・セット理論りろん音楽おんがくてき集合しゅうごうろん)は音楽おんがくてき要素ようそ構成こうせいしその関連かんれんせい記述きじゅつするため、数学すうがくてき集合しゅうごうろん概念がいねん援用えんようしている。ピッチクラス・セット理論りろん使用しようして(典型てんけいてき調ちょうの)音楽おんがく構造こうぞう解析かいせきするため、通常つうじょう起点きてんやコードを構成こうせい可能かのう音階おんかい集合しゅうごうとして理論りろん適用てきようする。移調いちょう転調てんちょうといった単純たんじゅん操作そうさ適用てきようすることで、音楽おんがくふか構造こうぞう理解りかいすることが可能かのうになる。移調いちょう転調てんちょうといった操作そうさ集合しゅうごうない音階おんかいあいだ間隔かんかく保存ほぞんするため、ひとしちょう写像しゃぞうばれている。

抽象ちゅうしょう代数だいすうがくとの関連かんれん[編集へんしゅう]

音楽おんがくてき集合しゅうごうろん方法ほうほう拡張かくちょうすることにより、音楽おんがく理論りろん音楽おんがく解析かいせきするため抽象ちゅうしょうだい数学すうがくもちいている。れいとして、平均へいきんりつのオクターヴにおける音符おんぷは12からなり、アーベルぐん形成けいせいしている。自由じゆうアーベルぐんもちいることで純正じゅんせいりつ記述きじゅつすることが可能かのうである[15]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ Reginald Smith Brindle, The New Music, Oxford University Press, 1987, pp 42-3
  2. ^ Reginald Smith Brindle, The New Music, Oxford University Press, 1987, p 42
  3. ^ Plato, (Trans. Desmond Lee) The Republic, Harmondsworth Penguin 1974, page 340, note.
  4. ^ Sir James Jeans, Science and Music, Dover 1968, p. 154.
  5. ^ Alain Danielou, Introduction to the Study of Musical Scales, Mushiram Manoharlal 1999, Chapter 1 passim.
  6. ^ Sir James Jeans, Science and Music, Dover 1968, p. 155.
  7. ^ Reginald Smith Brindle, The New Music, Oxford University Press, 1987, Chapter 6 passim
  8. ^ Eric - Math and Music: Harmonious Connections”. 2014ねん6がつ29にち閲覧えつらん
  9. ^ Arnold Whittall, in The Oxford Companion to Music, OUP, 2002, Article: Rhythm
  10. ^ Chambers' Twentieth Century Dictionary, 1977, p. 1100
  11. ^ Imogen Holst, The ABC of Music, Oxford 1963, p.100
  12. ^ https://archive.org/details/treatiseofmusick00malc
  13. ^ Jeremy Montagu, in The Oxford Companion to Music, OUP 2002, Article: just intonation.
  14. ^ Touma, Habib Hassan (1996). The Music of the Arabs. Portland, OR: Amadeus Press. pp. 22–24. ISBN 0-931340-88-8 
  15. ^ Algebra of Tonal Functions.”. 2014ねん6がつ29にち閲覧えつらん

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]