バイオリンのスペクトログラム 、縦 たて 軸 じく は線形 せんけい 周波数 しゅうはすう 、横 よこ 軸 じく は時間 じかん を表 あらわ す。輝線 きせん は周波数 しゅうはすう の経時 きょうじ 変化 へんか を表 あらわ す。色 いろ の明度 めいど は対数 たいすう による(黒 くろ は−120 dBFS)
本 ほん 項目 こうもく では、音楽 おんがく と数学 すうがく (おんがくとすうがく)の関連 かんれん 性 せい について述 の べる。
音楽 おんがく は現代 げんだい 数学 すうがく の公理 こうり 的 てき 基礎 きそ を持 も たないにもかかわらず、音楽 おんがく 理論 りろん 家 か は音楽 おんがく を理解 りかい するために数学 すうがく を使用 しよう することがある。数学 すうがく は「音 おと の基礎 きそ 」であり、音楽 おんがく に存在 そんざい する音 おと それ自体 じたい の配列 はいれつ が注目 ちゅうもく すべき数 すう 的 てき 性質 せいしつ を宿 やど している。これは単 たん に自然 しぜん 現象 げんしょう が、驚異 きょうい 的 てき な程 ほど に数学 すうがく 的 てき 性質 せいしつ を有 ゆう しているからである[1] 。古代 こだい 中国 ちゅうごく 人 ひと 、エジプト 人 ひと 、そしてメソポタミア 人 ひと は音 おと の数学 すうがく 的 てき 原理 げんり を研究 けんきゅう していたことで知 し られているが[2] 、古代 こだい ギリシアのピタゴラス教団 きょうだん が数 かず の比率 ひりつ 、特 とく に小 ちい さな整数 せいすう の比率 ひりつ による音階 おんかい の表現 ひょうげん を研究 けんきゅう した研究 けんきゅう 者 しゃ 集団 しゅうだん として有名 ゆうめい である[3] 。彼 かれ らの教条 きょうじょう は「自然 しぜん 界 さかい のあらゆる構成 こうせい 物 ぶつ は数 かず から生 しょう じるἉρμονία ハルモニア (調和 ちょうわ )から成 な り立 た っている」というものであった[4] 。
プラトン の時代 じだい よりハルモニアは自然 しぜん 学 がく (物理 ぶつり 学 がく )の基礎 きそ 部門 ぶもん のひとつとして見 み なされていた。(なお、この部門 ぶもん は現代 げんだい では音響 おんきょう 学 がく として知 し られている。)古代 こだい のインドや中国 ちゅうごく の音楽 おんがく 理論 りろん 家 か もまた似 に たような方法 ほうほう 論 ろん をとった。彼 かれ らは皆 みな 、和声 わせい やリズム の数学 すうがく 的 てき 法則 ほうそく が私 わたし 達 たち の暮 く らす世界 せかい の理解 りかい だけでなく、人類 じんるい 自体 じたい の理解 りかい にとっても不可欠 ふかけつ なものであることを示 しめ そうと務 つと めた[5] 。孔子 こうし はピタゴラスと同 おな じく、小 ちい さな数 かず である1、2、3、4をあらゆる完全 かんぜん 性 せい の根源 こんげん であるとみなしていた[6] 。
音楽 おんがく を作曲 さっきょく し、聞 き く新 あら たな方法 ほうほう を見出 みいだ す試 こころ みは集合 しゅうごう 論 ろん 、抽象 ちゅうしょう 代 だい 数学 すうがく 、数 かず 論 ろん の音楽 おんがく への適用 てきよう を促 うなが すこととなった。作曲 さっきょく 家 か の中 なか にはバルトーク など、自身 じしん の作品 さくひん に黄金 おうごん 比 ひ やフィボナッチ数 すう を取 と り入 い れた者 もの もいる[7] [8] 。
リズム構造 こうぞう の境界 きょうかい 、つまり基本 きほん となる拍 はく 節 ぶし 、反復 はんぷく 、ビート 、楽 らく 句 く 、デュレーション (音楽 おんがく ) (英語 えいご 版 ばん ) を規則 きそく 的 てき に配置 はいち することなしに音楽 おんがく は成立 せいりつ し得 え ない[9] 。古 こ 英語 えいご においてrhythm という単語 たんご から生 しょう じたとされるrhyme という単語 たんご はrim (数字 すうじ )と混同 こんどう されるようになったという関連 かんれん 性 せい があり[10] 、現代 げんだい における拍子 ひょうし や小節 しょうせつ といった単語 たんご の音楽 おんがく における使用 しよう は天文学 てんもんがく に使用 しよう される記数 きすう 、算術 さんじゅつ 、時間 じかん の正確 せいかく な測定 そくてい 、物理 ぶつり 学 がく の基礎 きそ 概念 がいねん である周期 しゅうき 性 せい などと関連 かんれん のあった音楽 おんがく の歴史 れきし 的 てき 重要 じゅうよう 性 せい を反映 はんえい している。
音楽 おんがく 形式 けいしき は音楽 おんがく の短 みじか い断片 だんぺん を拡張 かくちょう していく際 さい の設計 せっけい を指 さ す。「設計 せっけい 」という用語 ようご は建築 けんちく でも用 もち いられており、楽 らく 式 しき と比較 ひかく される事 こと が多 おお い。建築 けんちく と同 おな じく、作曲 さっきょく 家 か は簡潔 かんけつ で、かつ反復 はんぷく や秩序 ちつじょ を持 も った作曲 さっきょく が可能 かのう であるか、作品 さくひん が意図 いと 通 どお りに機能 きのう するかを考慮 こうりょ に入 い れなければならない[11] 。二 に 部 ぶ 形式 けいしき や三 さん 部 ぶ 形式 けいしき として知 し られる一般 いっぱん 的 てき な楽 らく 式 しき は、音楽 おんがく の理解 りかい における小 ちい さな整数 せいすう 値 ち の重要 じゅうよう 性 せい を示 しめ している。
rhyme という単語 たんご は元々 もともと rhythm に由来 ゆらい する単語 たんご ではなく、古 こ 英語 えいご のrime に由来 ゆらい している(オックスフォード英 えい 英 えい 辞典 じてん もしくはコリンズ英 えい 英 えい 辞典 じてん を参照 さんしょう のこと)。rime の綴 つづ りが後 のち に全 まった く異 こと なる単語 たんご rhythm の綴 つづ りと混同 こんどう され、rhyme という単語 たんご が生 う まれたと考 かんが えられている。
正方形 せいほうけい の板 いた 上 じょう に細 こま かな粒子 りゅうし を置 お き、音 おと の振動 しんどう で生成 せいせい されたさまざまなクラドニ図形 ずけい のパターン (Ernst Chladni, Acoustics , 1802)
音階 おんかい は音楽 おんがく を作成 さくせい 、記述 きじゅつ する際 さい に用 もち いられる音 おと 高 だか の離散 りさん 集合 しゅうごう である。西洋 せいよう 伝統 でんとう 音楽 おんがく において最 もっと も重要 じゅうよう な音階 おんかい は全 ぜん 音階 おんかい であるが、歴史 れきし 上 じょう の様々 さまざま な時代 じだい や地域 ちいき で異 こと なる音階 おんかい が使用 しよう 、提案 ていあん されてきた。各々 おのおの の音 おと 高 だか は特定 とくてい 周波数 しゅうはすう に対応 たいおう している。特定 とくてい 周波数 しゅうはすう は一般 いっぱん にヘルツ (Hz)で表現 ひょうげん するが、時 とき にcycles per second (c.p.s.)を用 もち いることもある。音階 おんかい は反復 はんぷく の音程 おんてい 、通常 つうじょう はオクターヴ を有 ゆう する。あらゆる音 おと 高 だか のオクターヴ は元 もと の音 おと 高 だか が持 も つ周波数 しゅうはすう のちょうど二 に 倍 ばい に相当 そうとう する。これを繰 く り返 かえ すことにより、2、3、4オクターヴ上 あ げた音 おと 高 だか の周波数 しゅうはすう はそれぞれ元 もと の音 おと 高 だか の4、8、16倍 ばい となっている。同様 どうよう に、1、2、3オクターヴ下 さ げた場合 ばあい の音 おと 高 だか の周波数 しゅうはすう は元 もと の音 おと 高 だか の周波数 しゅうはすう の1/2、1/4、1/8倍 ばい となっておりサブオクターヴと呼 よ ばれる。音楽 おんがく のハーモニーにおいて特定 とくてい の音 おと 高 だか が調和 ちょうわ していると考 かんが えられる場合 ばあい 、その1オクターヴ上 じょう の音 おと 高 だか が調和 ちょうわ していない場合 ばあい は存在 そんざい しない。従 したが って、あらゆる音符 おんぷ とそのオクターヴは一般 いっぱん に音楽 おんがく 体系 たいけい で名付 なづ けられていることを見 み いだせる(例 れい として、ド 、A 、Sa といった単語 たんご で呼 よ ばれる音 おと がある)。最初 さいしょ のオクターヴがA2 とA3 、つまり110Hz へるつ から220Hz へるつ までの間隔 かんかく (間隔 かんかく =110Hz へるつ )の間 あいだ の周波数 しゅうはすう として表現 ひょうげん されるとき、次 つぎ のオクターヴは220Hz へるつ から440Hz へるつ (間隔 かんかく =220Hz へるつ )の間 あいだ の周波数 しゅうはすう で、3番目 ばんめ のオクターヴは440Hz へるつ から880Hz へるつ (間隔 かんかく =440Hz へるつ )の間 あいだ の周波数 しゅうはすう で表現 ひょうげん される。各々 おのおの 、次 つぎ のオクターヴの周波数 しゅうはすう の間隔 かんかく は前 まえ の周波数 しゅうはすう の間隔 かんかく の二 に 倍 ばい となっている。
人間 にんげん は音階 おんかい を記述 きじゅつ する際 さい 、音 おと 高 だか それ自身 じしん の正確 せいかく 性 せい よりも各 かく 音 おと 高 だか 間 あいだ の関係 かんけい もしくは比率 ひりつ (音程 おんてい として知 し られる)に興味 きょうみ を持 も つことが多 おお いため、特定 とくてい の音 おと 高 だか から見 み た比率 ひりつ を考察 こうさつ してすべての音階 おんかい 、音 おと 高 だか を把握 はあく することが多 おお い。この特定 とくてい の音 おと 高 だか は値 ね 1 (1/1 で記述 きじゅつ されることが多 おお い)で記述 きじゅつ することが多 おお く、一般 いっぱん に音階 おんかい の主音 しゅおん として機能 きのう する音符 おんぷ である。また、音程 おんてい 比較 ひかく にはセント を用 もち いることが多 おお い。
線形 せんけい 周波数 しゅうはすう 音階 おんかい で測定 そくてい した際 さい のオクターヴの指数 しすう 的 てき 性質 せいしつ を示 しめ した図 ず
音程 おんてい 毎 ごと に等間隔 とうかんかく となるようオクターヴを表示 ひょうじ した図 ず
通称 つうしょう
名称 めいしょう Hz
一 いち 度 ど との比 ひ
オクターヴ内 ない の比率 ひりつ
オクターヴ内 ない のセント 値 ね
一 いち 度 ど
A2 110
1x
1/1 = 1x
0
オクターヴ
A3 220
2x
2/1 = 2x
1200
2/2 = 1x
0
完全 かんぜん 五 ご 度 ど
E4 330
3x
3/2 = 1.5x
702
オクターヴ
A4 440
4x
4/2 = 2x
1200
4/4 = 1x
0
長 ちょう 三 さん 度 ど
C♯ 5 550
5x
5/4 = 1.25x
386
完全 かんぜん 五 ご 度 ど
E5 660
6x
6/4 = 1.5x
702
自然 しぜん 七 なな 度 ど
G5 770
7x
7/4 = 1.75x
969
オクターヴ
A5 880
8x
8/4 = 2x
1200
8/8 = 1x
0
5限界 げんかい 調律 ちょうりつ (英語 えいご 版 ばん ) は純正 じゅんせい 律 りつ の最 もっと も一般 いっぱん 的 てき な形式 けいしき であり、基本 きほん 周波数 しゅうはすう の有理数 ゆうりすう 倍音 ばいおん を用 もち いた調律 ちょうりつ 体系 たいけい である。これは1619年 ねん に書 か かれたヨハネス・ケプラー の著書 ちょしょ 「宇宙 うちゅう の調和 ちょうわ (英語 えいご 版 ばん ) 」にて惑星 わくせい の運動 うんどう と関連 かんれん して示 しめ された音階 おんかい の一 ひと つである。同 おな じ音階 おんかい が1721年 ねん にスコットランドの数学 すうがく 者 しゃ 兼 けん 音楽 おんがく 理論 りろん 家 か のアレクサンダー・マルコムにより、著書 ちょしょ 「Treatise of Musick: Speculative, Practical and Historical 」において移調 いちょう 形式 けいしき で与 あた えられ[12] 、20世紀 せいき には音楽 おんがく 理論 りろん 家 か のJose Wuerschmidtにより与 あた えられた。この純正 じゅんせい 律 りつ の形式 けいしき は北 きた インドの音楽 おんがく で使用 しよう されている。アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく の作曲 さっきょく 家 か テリー・ライリー もまた、自著 じちょ 「Harp of New Albion 」において逆 ぎゃく 形式 けいしき の使用 しよう を行 おこな っている。純正 じゅんせい 律 りつ は和声 わせい 進行 しんこう がほとんどもしくはまったくない場合 ばあい に優 すぐ れた結果 けっか を与 あた える。人声 ひとごえ と他 た の楽器 がっき は常 つね に純正 じゅんせい 音程 おんてい へ引 ひ き寄 よ せられる。しかし、2つの異 こと なる全音 ぜんおん の音程 おんてい (9:8と10:9) が与 あた えられることで、純正 じゅんせい 律 りつ に調律 ちょうりつ された鍵盤 けんばん 楽器 がっき では移調 いちょう ができなくなる[13] 。比率 ひりつ による音階 おんかい の音 おと の周波数 しゅうはすう は、主音 しゅおん の周波数 しゅうはすう に対 たい し比 ひ を乗算 じょうざん を行 おこな うことで求 もと められる。例 れい として、主音 しゅおん A4(中央 ちゅうおう のCの上 うえ のA)を周波数 しゅうはすう 440Hz とすると、純正 じゅんせい に調律 ちょうりつ された五 ご 度 ど (E5)の周波数 しゅうはすう は440×(3:2) = 660Hz へるつ となる。
最初 さいしょ の16個 こ の倍音 ばいおん の名前 なまえ と周波数 しゅうはすう が示 しめ すオクターヴの指数 しすう 的 てき 性質 せいしつ を表 あらわ したもの。基本 きほん 周波数 しゅうはすう の整数 せいすう 倍 ばい の周波数 しゅうはすう にはオクターヴ倍音 ばいおん の他 ほか に、非 ひ オクターヴ倍音 ばいおん が存在 そんざい することがわかる。
最初 さいしょ の16個 こ の倍音 ばいおん を周波数 しゅうはすう 及 およ び周波数 しゅうはすう の対数 たいすう とともに表示 ひょうじ したもの。
ピタゴラス音律 おんりつ は完全 かんぜん 協和 きょうわ 音 おん である完全 かんぜん 八 はち 度 ど 、完全 かんぜん 五 ご 度 ど 、完全 かんぜん 四 よん 度 ど のみで作 つく られる調律 ちょうりつ である。長 ちょう 三 さん 度 ど は三 さん 度 ど ではなくditone、つまり文字通 もじどお りには「二 に 全音 ぜんおん 」として考 かんが えられていて、その音程 おんてい は(9:8)2 = 81:64である。 全音 ぜんおん は2つの完全 かんぜん 五 ご 度 ど から導 みちび かれる(3:2)2 /2 = 9:8。
純正 じゅんせい な長 ちょう 三 さん 度 ど の比率 ひりつ 5:4と短 たん 三 さん 度 ど の比率 ひりつ 6:5に対 たい し、ピタゴラス音律 おんりつ では81:64と32:27となり、シントニックコンマ すなわち81:80の差 さ がある。Carl Dahlhaus (1990, p.187)によれば、「従属 じゅうぞく 的 てき な三 さん 度 ど はピタゴラス音律 おんりつ に従 したが い、独立 どくりつ した三 さん 度 ど は倍音 ばいおん に基 もと づく音程 おんてい にむかう」。
西洋 せいよう の伝統 でんとう 的 てき 音楽 おんがく は一般 いっぱん に純正 じゅんせい 律 りつ で演奏 えんそう することはできず、体系 たいけい 的 てき に調整 ちょうせい された音律 おんりつ を必要 ひつよう とする。調整 ちょうせい は、不規則 ふきそく なウェル・テンペラメント 、レギュラーテンペラメント、さまざまな平均 へいきん 律 りつ や正則 せいそく 中 ちゅう 全 ぜん 音律 おんりつ などが用 もち いられる。しかし、どの場合 ばあい においても中 ちゅう 全 ぜん 音律 おんりつ の基本 きほん 的 てき 特徴 とくちょう を必要 ひつよう とする。例 れい として、ii 度 ど 音 おん の平方根 へいほうこん をドミナント上 じょう の五 ご 度 ど に調律 ちょうりつ した場合 ばあい 、主音 しゅおん との音程 おんてい 差 さ は9:8に等 ひと しくなる。また、短 たん 三 さん 度 ど (6:5)を4:3サブドミナント音 おと 度 ど の下 した においた場合 ばあい 、主音 しゅおん からの音程 おんてい 差 さ は10:9に等 ひと しい。中 ちゅう 全 ぜん 音律 おんりつ は9:8と10:9の間 あいだ の相違 そうい を減 へ らしている。すなわち、これら2つの比 ひ 、(9:8)/(10:9) = 81:80はユニゾンとして扱 あつか われている。音程 おんてい 差 さ となる81:80はシントニックコンマ もしくはDidymusのコンマと呼 よ ばれ、中 ちゅう 全 ぜん 音律 おんりつ において重要 じゅうよう なコンマとなっている。
平均 へいきん 律 りつ ではオクターヴは12の等 ひと しい半音 はんおん 階 かい に分 わ かれており、それぞれの半音 はんおん 階 かい はその比 ひ が2の12乗 じょう 根 ね となっている。よって、半音 はんおん 階 かい を12個 こ 上 あ がることによりちょうど1オクターヴ上昇 じょうしょう する。ギターなど、フレット を有 ゆう する楽器 がっき では平均 へいきん 律 りつ が有用 ゆうよう である。なぜならフレットが弦 つる を等 ひと しく横断 おうだん するからである。ヨーロッパの音楽 おんがく の伝統 でんとう において、平均 へいきん 律 りつ は鍵盤 けんばん などの他 ほか の楽器 がっき よりも早 はや く、リュート やギター を用 もち いた音楽 おんがく のために使用 しよう された。歴史 れきし の圧 あつ 力 りょく により、12平均 へいきん 律 りつ は現代 げんだい において西洋 せいよう 、そして非 ひ 西洋 せいよう の大 だい 部分 ぶぶん の地域 ちいき において支配 しはい 的 てき な音調 おんちょう 体系 たいけい となっている。
様々 さまざま な等 ひと しい音程 おんてい を使用 しよう して、平均 へいきん 律 りつ 音階 おんかい や楽器 がっき が作 つく られてきた。19平均 へいきん 律 りつ は16世紀 せいき にギヨーム・コストレイ (英語 えいご 版 ばん ) により初 はじ めて提案 ていあん 、使用 しよう されたもので、19の等間隔 とうかんかく なステップを用 もち いる。19平均 へいきん 律 りつ は通常 つうじょう の12平均 へいきん 律 りつ よりも長 ちょう 三 さん 度 ど や短 たん 三 さん 度 ど においてより誤差 ごさ が小 ちい さくより協和 きょうわ する。24個 こ の等間隔 とうかんかく なステップを用 もち いる24平均 へいきん 律 りつ はアラブ音楽 おんがく の音楽 おんがく 教育 きょういく や音楽 おんがく 表記 ひょうき において広 ひろ く用 もち いられている。しかし、理論 りろん と実践 じっせん においては、平均 へいきん 律 りつ が無理 むり 数 すう の比率 ひりつ で表 あらわ されるにもかかわらず、中東 ちゅうとう 音楽 おんがく の音調 おんちょう は有理数 ゆうりすう の比率 ひりつ で表 あらわ される。平均 へいきん 調律 ちょうりつ が行 おこな われた四 よん 分 ふん 音 おん の近似 きんじ 音 おん がアラブの音調 おんちょう 体系 たいけい には全 まった く見 み られ無 な い一方 いっぽう で、3つの四 よん 分 ふん 音 おん の近似 きんじ 音 おん 、もしくは中立 ちゅうりつ 二 に 度 ど (英語 えいご 版 ばん ) は頻繁 ひんぱん に現 あらわ れる。しかし、これらの中立 ちゅうりつ 二 に 度 ど はマカーム や地理 ちり に依存 いぞん してその比率 ひりつ に僅 わず かな幅 はば がある。実際 じっさい 、中東 ちゅうとう の音楽 おんがく 歴史 れきし 家 か であるハビーブ・ハサン・トゥーマー (英語 えいご 版 ばん ) は、「この音楽 おんがく 的 てき なステップの偏 かたよ り幅 はば がアラブ音楽 おんがく 特有 とくゆう の香 かお りに決定的 けっていてき な働 はたら きをする。オクターヴを24の等 ひと しい四 よん 分 ふん 音 おん に分割 ぶんかつ することは、この音楽 おんがく 文化 ぶんか の最 もっと も特徴 とくちょう 的 てき な要素 ようそ の一 ひと つを放棄 ほうき するだろう」と記 しる している[14] 。
以下 いか のグラフは平均 へいきん 律 りつ が和声 わせい をどの程度 ていど 正確 せいかく に近似 きんじ しているかを示 しめ している。[註: 横 よこ 軸 じく 上 じょう の数字 すうじ は分割 ぶんかつ する平均 へいきん 律 りつ の値 ね を表 あらわ す。(例 れい :"12"は12平均 へいきん 律 りつ 音階 おんかい を表 あらわ す)]
1平均 へいきん 律 りつ ~25平均 へいきん 律 りつ の間 あいだ で、完全 かんぜん 五 ご 度 ど 及 およ び長 ちょう 三 さん 度 ど の正確 せいかく な周波 しゅうは 数値 すうち との誤差 ごさ の割合 わりあい を表 あらわ したグラフ
5~72平均 へいきん 律 りつ と、主要 しゅよう な和声 わせい の正確 せいかく な周波 しゅうは 数値 すうち との差 さ を表 あらわ した図 ず (TETは平均 へいきん 律 りつ を表 あらわ す)
音 おと
周波数 しゅうはすう (Hz)
前 まえ の音 おと との周波数 しゅうはすう の差 さ
周波数 しゅうはすう の対数 たいすう log2 f
前 まえ の音 おと との周波数 しゅうはすう の対数 たいすう の差 さ
A2
110.00
N/A
6.781
N/A
A♯ 2
116.54
6.54
6.864
0.0833 (or 1/12)
B2
123.47
6.93
6.948
0.0833
C3
130.81
7.34
7.031
0.0833
C♯ 3
138.59
7.78
7.115
0.0833
D3
146.83
8.24
7.198
0.0833
D♯ 3
155.56
8.73
7.281
0.0833
E3
164.81
9.25
7.365
0.0833
F3
174.61
9.80
7.448
0.0833
F♯ 3
185.00
10.39
7.531
0.0833
G3
196.00
11.00
7.615
0.0833
G♯ 3
207.65
11.65
7.698
0.0833
A3
220.00
12.35
7.781
0.0833
以下 いか に純正 じゅんせい 律 りつ と平均 へいきん 律 りつ の違 ちが いを示 しめ したOgg Vorbis ファイルを挙 あ げる。違 ちが いを理解 りかい するには、以下 いか のファイルを何 なん 回 かい も聞 き く必要 ひつよう があるかもしれない。
ピッチクラス・セット理論 りろん (音楽 おんがく 的 てき 集合 しゅうごう 論 ろん )は音楽 おんがく 的 てき 要素 ようそ を構成 こうせい しその関連 かんれん 性 せい を記述 きじゅつ するため、数学 すうがく 的 てき 集合 しゅうごう 論 ろん の概念 がいねん を援用 えんよう している。ピッチクラス・セット理論 りろん を使用 しよう して(典型 てんけい 的 てき な無 む 調 ちょう の)音楽 おんがく の構造 こうぞう を解析 かいせき するため、通常 つうじょう 起点 きてん やコードを構成 こうせい 可能 かのう な音階 おんかい の集合 しゅうごう として理論 りろん を適用 てきよう する。移調 いちょう や転調 てんちょう といった単純 たんじゅん な操作 そうさ に適用 てきよう することで、音楽 おんがく の深 ふか い構造 こうぞう を理解 りかい することが可能 かのう になる。移調 いちょう や転調 てんちょう といった操作 そうさ は集合 しゅうごう 内 ない の音階 おんかい 間 あいだ の間隔 かんかく を保存 ほぞん するため、等 ひとし 長 ちょう 写像 しゃぞう と呼 よ ばれている。
音楽 おんがく 的 てき 集合 しゅうごう 論 ろん の方法 ほうほう を拡張 かくちょう することにより、音楽 おんがく 理論 りろん 家 か は音楽 おんがく を解析 かいせき するため抽象 ちゅうしょう 代 だい 数学 すうがく を用 もち いている。例 れい として、平均 へいきん 律 りつ のオクターヴにおける音符 おんぷ は12個 こ からなり、アーベル群 ぐん を形成 けいせい している。自由 じゆう アーベル群 ぐん を用 もち いることで純正 じゅんせい 律 りつ を記述 きじゅつ することが可能 かのう である[15] 。
^ Reginald Smith Brindle, The New Music , Oxford University Press, 1987, pp 42-3
^ Reginald Smith Brindle, The New Music , Oxford University Press, 1987, p 42
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