鉄 てつ (てつ、旧 きゅう 字体 じたい :鐵 てつ 、英 えい : iron 、羅 ら : ferrum )は、原子 げんし 番号 ばんごう 26の元素 げんそ である。元素 げんそ 記号 きごう はFe 。金属 きんぞく 元素 げんそ のひとつで、遷移 せんい 元素 げんそ である。太陽 たいよう や、ほかの天体 てんたい にも豊富 ほうふ に存在 そんざい し、地球 ちきゅう の地殻 ちかく の約 やく 5 %を占 し め、大 だい 部分 ぶぶん は外 そと 核 かく ・内 うち 核 かく にある。
外見 がいけん
銀 ぎん 白色 はくしょく 鉄 てつ のスペクトル線 せん
一般 いっぱん 特性 とくせい
名称 めいしょう , 記号 きごう , 番号 ばんごう
鉄 てつ , Fe, 26
分類 ぶんるい
遷移 せんい 金属 きんぞく
族 ぞく , 周期 しゅうき , ブロック
8 , 4 , d
原子 げんし 量 りょう
55.845 (2)
電子 でんし 配置 はいち
[Ar ] 3d6 4s2
電子 でんし 殻 から
2, 8, 14, 2(画像 がぞう )
物理 ぶつり 特性 とくせい
相 そう
固体 こたい
密度 みつど (室温 しつおん 付近 ふきん )
7.874 g/cm3
融点 ゆうてん での液体 えきたい 密度 みつど
6.98 g/cm3
融点 ゆうてん
1811 K , 1538 °C
沸点 ふってん
3134 K , 2862 °C
融解 ゆうかい 熱 ねつ
13.81 kJ/mol
蒸発 じょうはつ 熱 ねつ
340 kJ/mol
熱容量 ねつようりょう
(25 °C ) 25.10 J/(mol·K)
蒸気 じょうき 圧 あつ
圧力 あつりょく (Pa)
1
10
100
1 k
10 k
100 k
温度 おんど (K)
1728
1890
2091
2346
2679
3132
原子 げんし 特性 とくせい
酸化 さんか 数 すう
6, 5[ 1] , 4, 3 , 2 , 1[ 2] , −1, −2 (両性 りょうせい 酸化 さんか 物 ぶつ )
電気 でんき 陰性 いんせい 度 ど
1.83(ポーリングの値 ね )
イオン化 いおんか エネルギー
第 だい 1: 762.5 kJ/mol
第 だい 2: 1561.9 kJ/mol
第 だい 3: 2957 kJ/mol
原子 げんし 半径 はんけい
126 pm
共有 きょうゆう 結合 けつごう 半径 はんけい
132±3 (低 てい スピン), 152±6 (高 こう スピン) pm
その他 た
結晶 けっしょう 構造 こうぞう
体 からだ 心 こころ 立方 りっぽう
磁性 じせい
強 つよ 磁性 じせい
1043 K
電気 でんき 抵抗 ていこう 率 りつ
(20 °C ) 96.1 nΩ おめが ⋅m
熱 ねつ 伝導 でんどう 率 りつ
(300 K) 80.4 W/(m⋅K)
熱 ねつ 膨張 ぼうちょう 率 りつ
(25 °C ) 11.8 μ みゅー m/(m⋅K)
音 おと の伝 つた わる速 はや さ (微細 びさい ロッド)
(r.t. ) (electrolytic) 5120 m/s
ヤング率 りつ
211 GPa
剛性 ごうせい 率 りつ
82 GPa
体積 たいせき 弾性 だんせい 率 りつ
170 GPa
ポアソン比 ひ
0.29
モース硬度 こうど
4
ビッカース硬度 こうど
608 MPa
ブリネル硬度 こうど
490 MPa
CAS登録 とうろく 番号 ばんごう
7439-89-6
主 おも な同位 どうい 体 たい
詳細 しょうさい は鉄 てつ の同位 どうい 体 たい を参照 さんしょう
元素 げんそ 記号 きごう のFeは、ラテン語 らてんご での名称 めいしょう 「ferrum 」に由来 ゆらい する。日本語 にほんご では、鈍 にぶ い黒 くろ さから「黒 くろ 鉄 てつ 」、広 ひろ く使用 しよう されている金属 きんぞく であることから「真 ま 鉄 てつ 」ともいう。大和言葉 やまとことば で「くろがね」とも呼 よ ばれる。
漢字 かんじ の「鉄 てつ 」は音 おと を表 あらわ す「失 しつ 」と意味 いみ を示 しめ す「金 かね 」からなる形声 けいせい 文字 もじ である。旧 きゅう 字体 じたい は「鐵 てつ 」であり、これも音 おと を表 あらわ す「𢧜」と意味 いみ を示 しめ す「金 かね 」からなる形声 けいせい 文字 もじ である。また異体 いたい 字 じ として「銕」があるが、これも音 おと を表 あらわ す「夷 えびす 」と意味 いみ を示 しめ す「金 かね 」からなる形声 けいせい 文字 もじ である。
本多 ほんだ 光太郎 こうたろう は「鐵 てつ 」という文字 もじ が「金 きむ ・王 おう ・哉」に分解 ぶんかい できることから「鐵 てつ は金 かね の王 おう なる哉」と評 ひょう した。
「鉄 てつ 」の文字 もじ が「金 かね を失 うしな う」を連想 れんそう させて縁起 えんぎ が悪 わる いとして、製鉄 せいてつ 業者 ぎょうしゃ ・鉄道 てつどう 事業 じぎょう 者 しゃ などでは社名 しゃめい やロゴで、「鉄 てつ 」の代 か わりにあえて旧 きゅう 字体 じたい の「鐵 てつ 」を用 もち いたり、「失 しつ 」の頭 あたま を取 と り去 さ って「鉃」の形 かたち を用 もち いる例 れい がある。
「鐵 てつ 」の字 じ を使 つか う例 れい
「鉃」の字 じ を使 つか う例 れい
純粋 じゅんすい な鉄 てつ は白 しろ い金属 きんぞく 光沢 こうたく を放 はな つが、イオン化 いおんか 傾向 けいこう が高 たか いため、湿 しめ った空気 くうき 中 ちゅう では容易 ようい に錆 さび を生 しょう じ、時間 じかん の経過 けいか とともに黒 くろ ずんだり褐色 かっしょく へと変色 へんしょく したりする。
固体 こたい の純 じゅん 鉄 てつ は、フェライト (BCC構造 こうぞう )、オーステナイト (FCC構造 こうぞう )、デルタフェライト (BCC構造 こうぞう )の3つの多 た 形 かたち がある。911 °C以下 いか ではフェライト、911–1392 °Cはオーステナイト、1392–1536 °Cはデルタフェライト、1536 °C以上 いじょう は液体 えきたい の純 じゅん 鉄 てつ となる。常温 じょうおん 常 つね 圧 あつ ではフェライトが安定 あんてい である。強 つよ 磁性 じせい 体 たい であるフェライトがキュリー点 てん を超 こ えたところからオーステナイト領域 りょういき までの770–911 °Cの純 じゅん 鉄 てつ の相 そう は、以前 いぜん はβ べーた 鉄 てつ と呼 よ ばれていた。
栄養 えいよう 学 がく の立場 たちば からみると、鉄 てつ は人 ひと (生体 せいたい )にとって必須 ひっす の元素 げんそ である。食事 しょくじ 制限 せいげん などで鉄分 てつぶん を欠 か く時期 じき が続 つづ くと、血液 けつえき 中 なか の赤血球 せっけっきゅう 数 かず やヘモグロビン 量 りょう が低下 ていか し、貧血 ひんけつ などを引 ひ き起 お こす。腸 ちょう で吸収 きゅうしゅう される鉄 てつ は2価 か のイオンのみであり、3価 か の鉄 てつ イオンは2価 か に還元 かんげん されてから吸収 きゅうしゅう される。鉄分 てつぶん を多 おお く含 ふく む食品 しょくひん はホウレンソウ やレバー 、大豆 だいず 製品 せいひん などである。ヘム鉄 てつ の方 ほう が吸収 きゅうしゅう 効率 こうりつ が高 たか い。ただし、過剰 かじょう に摂取 せっしゅ すると鉄 てつ 過剰 かじょう 症 しょう になることもある。
自然 しぜん の鉄 てつ の同位 どうい 体 たい 比率 ひりつ は、5.845 %の安定 あんてい な54 Fe、91.754 %の安定 あんてい な56 Fe、2.119 %の安定 あんてい な57 Fe、0.282 %の安定 あんてい な58 Fe からなる。60 Feは不安定 ふあんてい で比較的 ひかくてき 短 たん 寿命 じゅみょう (半減 はんげん 期 き 260万 まん 年 ねん )なため、自然 しぜん の鉄 てつ 中 ちゅう には存在 そんざい しない。理論 りろん 的 てき に予測 よそく される54 Feの二 に 重 じゅう β べーた 崩壊 ほうかい の検出 けんしゅつ は未 み 確定 かくてい である[ 6] 。58 Feと56 Feの原子核 げんしかく は非常 ひじょう に安定 あんてい (核 かく 子 こ 1つあたりの質量 しつりょう 欠損 けっそん が大 おお きい)であり、すべての原子核 げんしかく の中 なか でそれぞれ2番目 ばんめ と3番目 ばんめ に安定 あんてい である(もっとも安定 あんてい な核種 かくしゅ は62 Ni)[ 7] [ 8] 。
しばしばすべての原子核 げんしかく の中 なか で56 Feがもっとも安定 あんてい とされることがあるが、これは誤 あやま りである。このような誤解 ごかい が広 ひろ まった理由 りゆう として、56 Feの天然 てんねん 存在 そんざい 比 ひ が62 Niや58 Feよりもはるかに高 たか いことに加 くわ え、核 かく 子 こ 1つあたりの質量 しつりょう を比較 ひかく した場合 ばあい には56 Feが全 ぜん 原子核 げんしかく 中 ちゅう で最小 さいしょう となることが挙 あ げられる。中性子 ちゅうせいし の方 ほう が陽子 ようし よりもわずかに重 おも いため、核 かく 子 こ 1つあたりの質量 しつりょう が最小 さいしょう となる核種 かくしゅ と質量 しつりょう 欠損 けっそん が最大 さいだい になる核種 かくしゅ は一致 いっち しない。また、下記 かき のように恒星 こうせい の核 かく 融合 ゆうごう の最終 さいしゅう 生成 せいせい 物 ぶつ が56 Feであることを「鉄 てつ がもっとも安定 あんてい であるため」と便宜 べんぎ 的 てき に説明 せつめい されることがあることも誤解 ごかい を招 まね いていると考 かんが えられる。
58 Feよりも不安定 ふあんてい な56 Feのほうが存在 そんざい 比 ひ が高 たか い理由 りゆう は、星 ほし の元素 げんそ 合成 ごうせい の過程 かてい で質量 しつりょう 数 すう が4の倍数 ばいすう の核種 かくしゅ がおもに作 つく られるためである。炭素 たんそ より重 おも い元素 げんそ は4 Heの融合 ゆうごう (アルファ反応 はんのう )によって作 つく られるため、生成 せいせい する核種 かくしゅ の質量 しつりょう 数 すう は4の倍数 ばいすう に偏 かたよ る。太陽 たいよう 質量 しつりょう の4–8倍 ばい の質量 しつりょう を持 も った恒星 こうせい ではアルファ反応 はんのう は56 Niまで進行 しんこう するが、次 つぎ の60 Znの原子核 げんしかく は56 Niよりも不安定 ふあんてい なため、これ以上 いじょう は反応 はんのう が進行 しんこう しない。56 Niは2度 ど のβ べーた 崩壊 ほうかい を経 へ て56 Feを生成 せいせい するため、恒星 こうせい の核 かく 融合 ゆうごう の最終 さいしゅう 生成 せいせい 物 ぶつ は56 Feになる。鉄 てつ より重 おも い核種 かくしゅ も超新星 ちょうしんせい 爆発 ばくはつ などであわせて生成 せいせい するが、その生成 せいせい プロセスは明確 めいかく になっていない。
鉄棒 てつぼう などの鉄 てつ 製品 せいひん を手 て に持 も つと、手 て に特有 とくゆう の臭 にお いがつく。これは俗 ぞく に「金属 きんぞく 臭 しゅう 」「鉄 てつ の臭 くさ い」と呼 よ ばれるが、原因 げんいん は鉄 てつ そのものではない(鉄 てつ は常温 じょうおん では揮発 きはつ しない)。研究 けんきゅう により、人体 じんたい の汗 あせ に含 ふく まれる皮脂 ひし 分解 ぶんかい 物 ぶつ と鉄 てつ イオンが反応 はんのう して生 しょう じる炭素 たんそ 数 すう 7 - 10の直 ちょく 鎖 くさり アルデヒド 類 るい や1-オクテン-3-オン などの有機 ゆうき 化合 かごう 物 ぶつ 、そしてメチルホスフィン ・ジメチルホスフィン などのホスフィン類 るい がこの臭 にお いの原因 げんいん であることが確認 かくにん されている[ 9] [ 10] 。
ドイツのアーナタール 近郊 きんこう のビュール休暇 きゅうか 村 むら 玄武岩 げんぶがん 採石 さいせき 場 じょう で発見 はっけん された自然 しぜん 鉄 てつ (英語 えいご 版 ばん ) 。自然 しぜん 鉄 てつ は、特殊 とくしゅ な玄武岩 げんぶがん や隕石 いんせき (鉄 てつ 隕石 いんせき )、塩基 えんき 性 せい 鉱物 こうぶつ や石炭 せきたん 層 そう の火災 かさい などの還元 かんげん 環境 かんきょう などから見 み つかる[ 12] 。
鉄 てつ 生産 せいさん の90%を占 し める縞 しま 状 じょう 鉄鉱 てっこう 床 ゆか は、先カンブリア時代 せんかんぶりあじだい に光合成 こうごうせい で酸素 さんそ が大量 たいりょう に発生 はっせい して、海水 かいすい 中 ちゅう に溶存 ようぞん していたイオン化 いおんか した鉄 てつ が酸化 さんか 鉄 てつ として沈殿 ちんでん し堆積 たいせき したことにより生 う み出 だ された[ 13] 。
その他 た の鉱床 こうしょう は、マグマによって生 う み出 だ されたマグマ成 なり 鉱床 こうしょう とカーボナタイト 鉱床 こうしょう 、熱 ねつ 水 すい 鉱脈 こうみゃく のスカルン鉱床 こうしょう など、硫酸 りゅうさん 泉 いずみ や炭酸泉 たんさんせん に含 ふく まれる鉄 てつ が地表 ちひょう を流 なが れるうちに酸化 さんか して沈殿 ちんでん した沈殿 ちんでん 褐鉄鉱 かってっこう 鉱床 こうしょう (沼 ぬま 鉄鉱 てっこう (英語 えいご 版 ばん ) )、風化 ふうか 残留 ざんりゅう 鉱床 こうしょう (ラテライト )、漂砂鉱床 こうしょう (砂鉄 さてつ )などがある[ 14] 。
鉄鉱 てっこう 石 せき が入手 にゅうしゅ しにくい環境 かんきょう や古代 こだい では、世界 せかい 的 てき に沼 ぬま 鉄鉱 てっこう が重要 じゅうよう な資源 しげん であった[ 15] [ 16] 。コークス高 だか 炉 ろ の技術 ぎじゅつ が発達 はったつ すると、それまで使用 しよう できなかった石炭 せきたん と共 とも に採掘 さいくつ される鉄分 てつぶん 30%で還元 かんげん しにくい炭酸 たんさん 鉄鉱 てっこう (菱 ひし 鉄鉱 てっこう )が使用 しよう されるようになる[ 16] 。
宋 そう 応 おう 星 ぼし が著 あらわ した「天工 てんこう 開 ひらき 物 ぶつ 」の1頁 ぺーじ 。攪拌精錬 せいれん 法 ほう (パドル法 ほう )による製鉄 せいてつ 方法 ほうほう を解説 かいせつ している。このような方法 ほうほう で得 え られた鉄 てつ は錬鉄 れんてつ と呼 よ ばれる[ 17] 。
高炉 こうろ の仕組 しく み。上 うえ から鉄鉱 てっこう 石 せき ・石炭 せきたん などの原料 げんりょう を投入 とうにゅう し、最終 さいしゅう 的 てき に溶 と けだした銑鉄 せんてつ を生産 せいさん する。
鉄 てつ の製 せい 錬 ね はしばしば製鉄 せいてつ と呼 よ ばれる。簡単 かんたん に言 い えば、鉄鉱 てっこう 石 せき に含 ふく まれるさまざまな酸化 さんか 鉄 てつ から酸素 さんそ を除去 じょきょ して鉄 てつ を残 のこ す、一種 いっしゅ の還元 かんげん 反応 はんのう である。アルミニウム やチタン と比 くら べて、化学 かがく 的 てき に比較的 ひかくてき 小 ちい さなエネルギー量 りょう でこの反応 はんのう が進 すす むことが、現在 げんざい までの鉄 てつ の普及 ふきゅう において決定的 けっていてき な役割 やくわり を果 は たしている。この工程 こうてい には比較的 ひかくてき 高 たか い温度 おんど (千 せん 数 すう 百 ひゃく 度 ど )の状態 じょうたい を長時間 ちょうじかん 保持 ほじ することが必要 ひつよう なため、古代 こだい 文化 ぶんか における製鉄 せいてつ 技術 ぎじゅつ の有無 うむ は、その文化 ぶんか の技術 ぎじゅつ 水準 すいじゅん の指標 しひょう のひとつとすることができる。
製鉄 せいてつ は2つ、もしくは加工 かこう まで加 くわ えた3つの工程 こうてい からなる。鉄鉱 てっこう 石 せき とコークス から炭素 たんそ 分 ぶん の多 おお い銑鉄 せんてつ を得 え る製 せい 銑 ずく 、銑鉄 せんてつ などから炭素 たんそ を取 と り除 のぞ き炭素 たんそ 分 ぶん の少 すく ない鋼 はがね を作 つく る製鋼 せいこう 、さらに圧延 あつえん である[ 18] 。製 せい 銑 ずく には古 ふる くは木炭 もくたん が使 つか われていたが、中国 ちゅうごく では、前漢 ぜんかん 時代 じだい に燃料 ねんりょう として石炭 せきたん の利用 りよう が進 すす み、さらに石炭 せきたん を焼 や いて硫黄 いおう などの不純物 ふじゅんぶつ を取 と り除 のぞ いたコークスを発明 はつめい 、コークスを使 つか った製鉄 せいてつ が始 はじ められた[ 注 ちゅう 1] 。文献 ぶんけん 記録 きろく としては4世紀 せいき の北 きた 魏 たかし でコークスを使 つか った製鉄 せいてつ の記録 きろく がもっとも早 はや い[ 19] 。以来 いらい 、華北 かほく では時代 じだい とともにコークス炉 ろ が広 ひろ まり、北 きた 宋 そう 初期 しょき には大半 たいはん がコークス炉 ろ となった。それから1000年 ねん 以上 いじょう 経 た ち、森林 しんりん が減 へ ったことから1620年 ねん ごろにイギリスのダッド・ダドリー (英語 えいご 版 ばん ) (Dud Dudley)も当時 とうじ 安価 あんか に手 て に入 はい った石炭 せきたん を使 つか うことを考 かんが えて研究 けんきゅう を進 すす めた。石炭 せきたん には硫黄 いおう 分 ぶん が多 おお く、そのままでは鉄 てつ に硫黄 いおう が混 ま ざり使 つか い物 もの にならなかったため、ダッドは石炭 せきたん を焼 や いて硫黄 いおう などの不純物 ふじゅんぶつ を取 と り除 のぞ いたコークスを発明 はつめい し、1621年 ねん にコークスを使 つか った製鉄 せいてつ 方法 ほうほう の特許 とっきょ を取 と った。しかし1709年 ねん からエイブラハム・ダービー1世 せい (英語 えいご 版 ばん ) が大々的 だいだいてき にコークスで製鉄 せいてつ することを始 はじ めるまでは、コークスを使 つか った製鉄 せいてつ の使用 しよう は少数 しょうすう にとどまっていた[ 20] 。
日本 にっぽん では古来 こらい からたたら吹 ふ き (鑪 たたら 吹 ふ き、踏鞴吹 ふ き、鈩吹 ふ き)と呼 よ ばれる製鉄 せいてつ 技法 ぎほう が伝 つた えられている。現在 げんざい では島根 しまね 県 けん 安来 やすぎ 市 し の山中 さんちゅう 奥出雲 おくいずも 町 まち などの限 かぎ られた場所 ばしょ で、日本 にっぽん 刀 がたな の素材 そざい 製造 せいぞう を目的 もくてき として半 なか ば観光 かんこう 資源 しげん として存続 そんぞく しているが、それと並存 へいそん し和 わ 鋼 こう の進化 しんか の延長 えんちょう 上 じょう にもある先端 せんたん 的 てき 特殊 とくしゅ 鋼 こう に特 とく 化 か した日立金属 ひたちきんぞく 安来 やすぎ 工場 こうじょう がある。
韮山 にらやま 反射 はんしゃ 炉 ろ などの試行 しこう はあったが、鉄鉱 てっこう 石 せき を原料 げんりょう とする日本 にっぽん の近代 きんだい 製鉄 せいてつ は1858年 ねん 1月 がつ 15日 にち (旧暦 きゅうれき 1857年 ねん (安政 あんせい 4年 ねん )12月1日 にち )に始 はじ まったと言 い われ(橋野 はしの 高 だか 炉 ろ 跡 あと )[ 21] 、幕末 ばくまつ 以降 いこう 欧米 おうべい から多数 たすう の製鉄 せいてつ 技術 ぎじゅつ 者 しゃ が招 まね かれ日本 にっぽん の近代 きんだい 製鉄 せいてつ は急速 きゅうそく に発展 はってん した。現在 げんざい の日本 にっぽん では、鉄鉱 てっこう 石 せき から鉄 てつ を取 と り出 だ す高炉 こうろ 法 ほう とスクラップ から鉄 てつ を再生 さいせい する電炉 でんろ 法 ほう で大半 たいはん の鉄鋼 てっこう 製品 せいひん が製造 せいぞう されている。高炉 こうろ から転 てん 炉 ろ や連続 れんぞく 鋳造 ちゅうぞう 工程 こうてい を経 へ て最終 さいしゅう 製品 せいひん まで、一連 いちれん の製鉄 せいてつ 設備 せつび が揃 そろ った工場 こうじょう 群 ぐん のことを銑 ずく 鋼 こう 一貫 いっかん 製鉄 せいてつ 所 しょ (もしくは単 たん に製鉄 せいてつ 所 しょ )と呼 よ び、臨海 りんかい 部 ぶ に大 だい 規模 きぼ な製鉄 せいてつ 所 しょ が多数 たすう 立地 りっち していることが、日本 にっぽん の鉄鋼 てっこう 業 ぎょう の特色 とくしょく となっている。日本 にっぽん では電炉 でんろ 法 ほう による製造 せいぞう 比率 ひりつ が粗鋼 そこう 換算 かんさん で30 %強 きょう を占 し める。鉄 てつ が社会 しゃかい を循環 じゅんかん する体制 たいせい が整備 せいび されており、鉄 てつ のリサイクル 性 せい の高 たか さと日本 にっぽん における鉄 てつ 蓄積 ちくせき 量 りょう の大 おお きさを示 しめ している。鉄 てつ スクラップは天然 てんねん 資源 しげん に乏 とぼ しい日本 にっぽん にとって貴重 きちょう な資源 しげん であり、これをどう利用 りよう するかが、注目 ちゅうもく されるべき課題 かだい とされている。
なお第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 後 のち には高炉 こうろ 内壁 ないへき の磨耗 まもう を調 しら べるため、使用 しよう する耐火 たいか 煉瓦 れんが に放射 ほうしゃ 性 せい 物質 ぶっしつ コバルト60 を混入 こんにゅう し、産出 さんしゅつ する鉄 てつ 製品 せいひん の放射線 ほうしゃせん 量 りょう を測定 そくてい する手法 しゅほう が用 もち いられていたが、これらの鉄 てつ は微量 びりょう な放射線 ほうしゃせん を測定 そくてい する現場 げんば など放射線 ほうしゃせん の影響 えいきょう を排除 はいじょ したい環境 かんきょう に不向 ふむ きであるため[ 22] 、戦前 せんぜん に生産 せいさん された放射能 ほうしゃのう を持 も たない鉄 てつ が求 もと められるケースがある。大戦 たいせん 時 じ に建造 けんぞう された軍艦 ぐんかん がおもな供給 きょうきゅう 源 げん であり、日本 にっぽん では陸奥 みちのく から回収 かいしゅう した「陸奥 むつ 鉄 てつ 」が有名 ゆうめい である。1970年代 ねんだい からは高炉 こうろ 内 ない に直接 ちょくせつ センサーを設置 せっち して摩耗 まもう 状態 じょうたい を計測 けいそく する手法 しゅほう が取 と られており[ 23] 、産出 さんしゅつ される鉄 てつ も放射線 ほうしゃせん 計測 けいそく での利用 りよう に問題 もんだい 無 な いレベルになっている[ 24] [ 25] 。
イギリスのコークス炉 ろ を用 もち いた製鉄 せいてつ 工場 こうじょう の絵 え 。フィリップ・ジェイムズ・ド・ラウザーバーグ 画 が (1801年 ねん )
製鉄 せいてつ 百 ひゃく 年 ねん 記念 きねん 切手 きって (日本 にっぽん )
従来 じゅうらい の高炉 こうろ 法 ほう の場合 ばあい 、下記 かき の欠点 けってん があった。
銑鉄 せんてつ を製造 せいぞう するだけでも高炉 こうろ のほかにコークス 炉 ろ (石炭 せきたん を乾留 かんりゅう )・焼 しょう 結 ゆい 炉 ろ が必要 ひつよう であり、また反 はん 応 おう 速度 そくど も8時 じ 間 あいだ かかり、巨大 きょだい 設備 せつび 投資 とうし が必要 ひつよう なわりに生産 せいさん 量 りょう が少 すく ない。
コークスを製造 せいぞう できる石炭 せきたん は石炭 せきたん の中 なか のごく一部 いちぶ である粘 ねば 結 むすぶ 炭 ずみ (原料 げんりょう 炭 ずみ )だけであり、もともと価格 かかく が高 たか かった。近年 きんねん 、資源 しげん メジャーによる原料 げんりょう 炭 ずみ 鉱山 こうざん の買 か い占 し めのため、単 たん 年度 ねんど で原料 げんりょう 炭 ずみ 価格 かかく が2倍 ばい に上昇 じょうしょう するなど大 おお きなコスト上昇 じょうしょう 要因 よういん となっている。高炉 こうろ 法 ほう に羽 はね 口 こう からの非 ひ 粘 ねば 結 むすぶ 炭 ずみ (一般 いっぱん 炭 ずみ )吹 ふ き込 こ みを併用 へいよう しても、価格 かかく の安 やす い一般 いっぱん 炭 ずみ の使用 しよう 比率 ひりつ は全 ぜん 石炭 せきたん 使用 しよう 量 りょう の25–30 %程度 ていど が限界 げんかい である。
鉄鉱 てっこう 石 せき 価格 かかく は塊 かたまり 鉱石 こうせき が高価 こうか で粉 こな 鉱石 こうせき が安価 あんか であるが、高炉 こうろ で粉 こな 鉱石 こうせき を使 つか う場合 ばあい 、焼 しょう 結 ゆい 炉 ろ で塊 かたまり に焼 や き固 がた めなければならない。その結果 けっか 、焼 しょう 結 ゆい 炉 ろ が必要 ひつよう で焼 しょう 結 ゆい 工程 こうてい で燃料 ねんりょう を消費 しょうひ してコストがかかるのみならず二酸化炭素 にさんかたんそ を発生 はっせい させてしまう。
酸素 さんそ 濃度 のうど を多少 たしょう 増 ふ やす工夫 くふう もされているが、基本 きほん は空気 くうき を吹 ふ き込 こ む製鉄 せいてつ 法 ほう である。反応 はんのう 速度 そくど が遅 おそ いほか、C1化学 かがく の立場 たちば からは製鉄 せいてつ 排 はい ガスに窒素 ちっそ が混入 こんにゅう することが、製鉄 せいてつ 排 はい ガスの化学 かがく 工業 こうぎょう 的 てき ・商業 しょうぎょう 的 てき 価値 かち を落 お とし、製鉄 せいてつ 排 はい ガス(合成 ごうせい ガス )を原料 げんりょう とした大 だい 規模 きぼ な自動車 じどうしゃ 燃料 ねんりょう 合成 ごうせい 、燃料 ねんりょう 自給 じきゅう 率 りつ 向上 こうじょう を妨 さまた げているとの批判 ひはん もある。
最近 さいきん 提案 ていあん ・実用 じつよう 化 か されている製鉄 せいてつ 法 ほう
編集 へんしゅう
溶融 ようゆう 還元 かんげん 製鉄 せいてつ 法 ほう
溶融 ようゆう 還元 かんげん 炉 ろ では粉 こな 状 じょう の一般 いっぱん 炭 ずみ を酸素 さんそ 吹 ふ きで燃焼 ねんしょう させて高温 こうおん の一酸化 いっさんか 炭素 たんそ ガスを発生 はっせい させ、予備 よび 還元 かんげん した粉 こな 鉄鉱 てっこう 石 せき を一気 いっき に還元 かんげん し溶 と かして溶 と けた銑鉄 せんてつ を作 つく る。溶融 ようゆう 還元 かんげん 炉 ろ を出 で た一酸化 いっさんか 炭素 たんそ ガスは流動 りゅうどう 床 ゆか 、回転 かいてん 炉 ろ 、シャフト炉 ろ で鉄鉱 てっこう 石 せき を予備 よび 還元 かんげん する。予備 よび 還元 かんげん 炉 ろ を出 で た一酸化 いっさんか 炭素 たんそ ガスは石炭 せきたん 乾燥 かんそう 空気 くうき の加熱 かねつ などを経 へ て、発電 はつでん やスラブの再 さい 加熱 かねつ 、化学 かがく 原料 げんりょう などに使用 しよう される。
利点 りてん
コークス炉 ろ 、焼 しょう 結 ゆい 炉 ろ が不要 ふよう で、反応 はんのう 速度 そくど が速 はや く比較的 ひかくてき 小 ちい さな溶融 ようゆう 還元 かんげん 炉 ろ で大 おお きな生産 せいさん 能力 のうりょく を持 も つために製鉄 せいてつ 所 しょ 新設 しんせつ の設備 せつび 投資 とうし が高炉 こうろ 法 ほう より安 やす くつく。
一般 いっぱん 炭 ずみ 100 %使用 しよう 可能 かのう なため、資源 しげん メジャーの原料 げんりょう 炭 ずみ 値上 ねあ げで大 おお きな損害 そんがい を出 だ さなくて済 す む。製鉄 せいてつ だけを目的 もくてき とするなら、半 はん 無煙炭 むえんたん などの炭素 たんそ 含有 がんゆう 量 りょう の高 たか い石炭 せきたん を使 つか えば投入 とうにゅう 原 げん 単位 たんい を節約 せつやく できるが、副 ふく 生 なま ガスを化学 かがく 工業 こうぎょう 原料 げんりょう として販売 はんばい できる立地 りっち なら、より安価 あんか な高 こう 揮発 きはつ 分 ぶん 石炭 せきたん でガス産出 さんしゅつ を増 ふ やすこともできる。
予備 よび 還元 かんげん 炉 ろ の一部 いちぶ に流動 りゅうどう 床 ゆか か回転 かいてん 炉 ろ を使 つか えば、安価 あんか な粉 こな 鉱石 こうせき も使 つか える。
酸素 さんそ 製鉄 せいてつ の場合 ばあい 、発生 はっせい する還元 かんげん ガスである一酸化 いっさんか 炭素 たんそ に窒素 ちっそ が混入 こんにゅう しないため、燃料 ねんりょう としてもカロリー が高 たか いばかりでなく、C1化学 かがく の出発 しゅっぱつ 原料 げんりょう である合成 ごうせい ガス として活用 かつよう できる。日本 にっぽん の製鉄 せいてつ 石炭 せきたん 消費 しょうひ は年間 ねんかん 1億 おく トンに及 およ び、その排 はい ガスを活用 かつよう してフィッシャー・トロプシュ法 ほう で軽油 けいゆ を生産 せいさん したり、メタノール を生産 せいさん した場合 ばあい 数 すう 千 せん 万 まん トンの自動車 じどうしゃ 燃料 ねんりょう を自給 じきゅう できる可能 かのう 性 せい があると言 い われている。
鉄 てつ ガス併産・化学 かがく とのコプロダクション[ 26] 。
課題 かだい
日米 にちべい 欧 おう とも上流 じょうりゅう 設備 せつび は過剰 かじょう 気味 ぎみ である。日米 にちべい 欧 おう とも鉄鋼 てっこう 需要 じゅよう は大 おお きな成長 せいちょう はない。需要 じゅよう の増大 ぞうだい している中国 ちゅうごく 、インド では国産 こくさん 鉄鋼 てっこう の価格 かかく が安 やす く、冷 ひや 延 のべ 鋼板 こうはん より上流 じょうりゅう の製品 せいひん では日米 にちべい 欧 おう 製品 せいひん は価格 かかく が高 たか すぎて売 う れないため、日本 にっぽん 鉄鋼 てっこう メーカーの設備 せつび 投資 とうし は亜鉛 あえん 、錫 すず メッキ鋼板 こうはん 設備 せつび など下流 かりゅう 高級 こうきゅう 用途 ようと に集中 しゅうちゅう している。中国 ちゅうごく では熱 ねつ 効率 こうりつ が悪 わる く二酸化炭素 にさんかたんそ 排出 はいしゅつ が多 おお い中小 ちゅうしょう 高 だか 炉 ろ が乱立 らんりつ する様相 ようそう を示 しめ しており、地球 ちきゅう 環境 かんきょう の視点 してん からは、製鉄 せいてつ 企業 きぎょう の適正 てきせい な合併 がっぺい 指導 しどう と新 しん 製鉄 せいてつ 法 ほう の技術 ぎじゅつ 供与 きょうよ が望 のぞ まれるが、それは中国 ちゅうごく ・インド産 さん 鋼鉄 こうてつ の価格 かかく 競争 きょうそう 力 りょく を高 たか め、日本 にっぽん 産 さん 鉄鋼 てっこう の価格 かかく 競争 きょうそう 力 りょく が地盤 じばん 沈下 ちんか するブーメラン効果 こうか の原因 げんいん ともなりうる。
鉄鋼 てっこう 会社 かいしゃ が溶融 ようゆう 還元 かんげん 法 ほう に転換 てんかん すると、現在 げんざい コークス を鉄鋼 てっこう 企業 きぎょう に納品 のうひん している企業 きぎょう はコークス炉 ろ の経営 けいえい が立 た ち行 ゆ かなくなる。そのため、現在 げんざい 稼動 かどう 中 ちゅう のコークス炉 ろ が40年 ねん の寿命 じゅみょう を迎 むか える2015年 ねん まで溶融 ようゆう 還元 かんげん 製鉄 せいてつ の導入 どうにゅう は困難 こんなん と見 み られていたが、昨今 さっこん の原料 げんりょう 炭 ずみ 価格 かかく の急激 きゅうげき な上昇 じょうしょう 、韓国 かんこく 浦項 ほこう 総合 そうごう 製鉄 せいてつ の溶融 ようゆう 還元 かんげん 製鉄 せいてつ 炉 ろ 操業 そうぎょう 開始 かいし など、切 き り替 か えの前倒 まえだお しが必要 ひつよう になるかもしれない事象 じしょう が起 お きている。
技術 ぎじゅつ 的 てき には酸化 さんか 鉄 てつ による炉 ろ 壁 かべ の溶損の解決 かいけつ が課題 かだい のひとつのようである。
酸素 さんそ 製鉄 せいてつ 法 ほう は膨大 ぼうだい な酸素 さんそ を消費 しょうひ する。東京 とうきょう 湾 わん ・伊勢湾 いせわん ・大阪 おおさか 湾 わん のような液化 えきか 天然 てんねん ガス の大 だい 消費 しょうひ 地 ち であれば液化 えきか 天然 てんねん ガス の冷熱 れいねつ 利用 りよう で低 てい コストに酸素 さんそ を量産 りょうさん できる可能 かのう 性 せい があるが、そうでない場合 ばあい 、空気 くうき の分留 ぶんりゅう によって酸素 さんそ を製造 せいぞう するのに多大 ただい な電力 でんりょく を消費 しょうひ する。
炭 すみ 材 ざい 内装 ないそう 塊 かたまり の高速 こうそく 自己 じこ 還元 かんげん 技術 ぎじゅつ
粉炭 ふんたん と粉 こな 鉱石 こうせき を加熱 かねつ 成型 せいけい した塊 かたまり を高炉 こうろ に装填 そうてん した場合 ばあい 、コークスと塊 かたまり 鉱石 こうせき を交互 こうご 装填 そうてん した場合 ばあい の5倍 ばい の速 はや さで還元 かんげん 反応 はんのう が進 すす む。また同様 どうよう の混合 こんごう ペレットを溶融 ようゆう 還元 かんげん 炉 ろ に使用 しよう した場合 ばあい 、炉 ろ 壁 かべ 溶損原因 げんいん となるFeOの溶出 ようしゅつ が3 %で済 す む。回転 かいてん 炉 ろ によるITmk3法 ほう も後述 こうじゅつ のフロートスメルター法 ほう も同 どう 技術 ぎじゅつ を使用 しよう している。
フロートスメルター法 ほう
粉炭 ふんたん に窪 くぼ みを作 つく り、粉炭 ふんたん と粉 こな 鉱石 こうせき と石灰 せっかい を混合 こんごう したものを窪 くぼ みに充填 じゅうてん し、周囲 しゅうい の石炭 せきたん を燃焼 ねんしょう して加熱 かねつ する。
50万 まん トン/年 とし 規模 きぼ の小型 こがた プラントに適 てき する。炭素 たんそ の酸化 さんか 発熱 はつねつ は炭素 たんそ >一酸化 いっさんか 炭素 たんそ より一酸化 いっさんか 炭素 たんそ >二酸化炭素 にさんかたんそ の発熱 はつねつ 量 りょう が大 だい であり、石炭 せきたん をCO2 まで酸化 さんか することで石炭 せきたん の使用 しよう 原 げん 単位 たんい が減 へ り、CO2 の半減 はんげん 効果 こうか が得 え られる。ただし、発生 はっせい するガスは二酸化炭素 にさんかたんそ であるため化学 かがく 合成 ごうせい には使 つか えない。
電解 でんかい 精製 せいせい 法 ほう
原料 げんりょう を溶解 ようかい し、電気 でんき 分解 ぶんかい により純 じゅん 鉄 てつ を得 え る方法 ほうほう で、乾式 かんしき と湿式 しっしき に分 わ かれる。合金 ごうきん の素材 そざい や薬品 やくひん の原料 げんりょう 等 とう 、鋼鉄 こうてつ や錬鉄 れんてつ 、鋳鉄 ちゅうてつ では代用 だいよう できない高 こう 純度 じゅんど の鉄 てつ を得 え るために行 おこな われる。
世界 せかい 全体 ぜんたい では、18.1億 おく トンの粗鋼 そこう が生産 せいさん されている(2018年 ねん [ 27] )。
日本 にっぽん の鉄鋼 てっこう 業 ぎょう における従業 じゅうぎょう 者 しゃ 数 すう は19.6万 まん 人 にん であり、日本 にっぽん 全体 ぜんたい では10466万 まん トンの粗鋼 そこう が生産 せいさん されている(2017年 ねん )。
日本 にっぽん の鉄鋼 てっこう 業 ぎょう は、主原 あるじはら 料 りょう の鉄鉱 てっこう 石 せき ・原料 げんりょう 炭 ずみ を全量 ぜんりょう 海外 かいがい から輸入 ゆにゅう している。また、鉄鋼 てっこう 製品 せいひん の国内 こくない 物流 ぶつりゅう (一時 いちじ 輸送 ゆそう 量 りょう )としては、船舶 せんぱく による海上 かいじょう 輸送 ゆそう が4200万 まん トン、トラック および鉄道 てつどう による陸上 りくじょう 輸送 ゆそう が2200万 まん トンとなっている(2018年 ねん )。
鉄 てつ で作 つく られた中国 ちゅうごく ・漢 かん 代 だい の刀 かたな (環 かん 首 くび 刀 がたな )、激 はげ しく腐朽 ふきゅう している
人類 じんるい が鉄 てつ を発見 はっけん したのは隕石 いんせき によってとされており、ニッケル を多 おお く含 ふく むものは鍛造 たんぞう が可能 かのう であった[ 28] 。古代 こだい エジプトで紀元前 きげんぜん 3000年 ねん 頃 ごろ に製作 せいさく された隕石 いんせき 製 せい とみられる鉄 てつ 環 たまき 首飾 くびかざ りが発見 はっけん されている[ 28] 。メソポタミア では紀元前 きげんぜん 3300年 ねん から紀元前 きげんぜん 3000年 ねん ごろのウルク 遺跡 いせき から鉄片 てっぺん が見 み つかっている。カマン・カレホユック遺跡 いせき やアラジャホユック遺跡 いせき 、紀元前 きげんぜん 20–18世紀 せいき ごろのアッシリア人 じん の遺跡 いせき からも当時 とうじ の鍛鉄 たんてつ が見 み つかっている。
また、地球 ちきゅう 上 じょう で自然 しぜん 界 かい に存在 そんざい する鉄 てつ は酸化 さんか しているため還元 かんげん する必要 ひつよう があった[ 28] 。紀元前 きげんぜん 1700年 ねん 頃 ごろ のヒッタイト ではバッチ式 しき の炉 ろ を用 もち いた鉄鉱 てっこう 石 せき の還元 かんげん とその加熱 かねつ 鍛造 たんぞう という高度 こうど な製鉄 せいてつ 技術 ぎじゅつ により鉄器 てっき 文化 ぶんか を築 きず いたとされる[ 28] 。トロイ戦争 せんそう でのヒッタイトの敗北 はいぼく により製鉄 せいてつ 技術 ぎじゅつ はヨーロッパ全土 ぜんど に広 ひろ がった[ 28] 。
しかし、鉄 てつ は錆 さ びて土 ど に還 かえ ってしまうため古代 こだい の歴史 れきし 的 てき な遺物 いぶつ で鉄製 てつせい のものはあまり残 のこ っていない[ 28] 。
ヨーロッパでは14世紀 せいき になっても鉄 てつ の生産 せいさん は鍛造 たんぞう で行 おこな われていた[ 28] 。鉄 てつ の鋳造 ちゅうぞう は14世紀 せいき 以降 いこう にようやく行 おこな われるようになった[ 28] 。鉄 てつ の鋳造 ちゅうぞう 技術 ぎじゅつ は中国 ちゅうごく で発明 はつめい されたといわれているがヨーロッパに伝 つた わらなかった原因 げんいん は当時 とうじ の鉄 てつ がチルと呼 よ ばれる硬 かた くて脆 もろ い鋳鉄 ちゅうてつ だったためともいわれている[ 28] 。ヨーロッパでは産業 さんぎょう 革命 かくめい がある18世紀 せいき まで鋳鉄 ちゅうてつ は硬 かた くて脆 もろ いものとされていたため鍛造 たんぞう の鉄 てつ が重宝 ちょうほう された[ 28] 。
鉄 てつ を生産 せいさん しているところでは森林 しんりん 破壊 はかい が深刻 しんこく で、16世紀 せいき に鉄 てつ の生産 せいさん が増加 ぞうか したイギリス では、17世紀 せいき には鉄 てつ 生産 せいさん のための森林 しんりん 破壊 はかい が深刻 しんこく となって木炭 もくたん が枯渇 こかつ し始 はじ め、製鉄 せいてつ の中心 ちゅうしん 地 ち だったウィールドでは17世紀 せいき 末 まつ になると生産 せいさん 量 りょう が盛時 せいじ だった17世紀 せいき 前半 ぜんはん の半分 はんぶん 以下 いか まで落 お ち込 こ み、18世紀 せいき 半 なか ばには10分 ぶん の1まで減少 げんしょう した。18世紀 せいき 後半 こうはん にはダービー でコークスを使 つか った精錬 せいれん が始 はじ まる。コークスは石炭 せきたん を蒸 む し焼 や きにしたもので、不純物 ふじゅんぶつ が少 すく なく鉄 てつ の精錬 せいれん に使 つか うことができ、火力 かりょく も強 つよ かった。コークスの発明 はつめい により木材 もくざい 資源 しげん の心配 しんぱい がなくなり、鉄 てつ の生産 せいさん 量 りょう も増加 ぞうか した。
青銅 せいどう の鋳造 ちゅうぞう 技術 ぎじゅつ はメソポタミアにはあったが、鉄 てつ の鋳造 ちゅうぞう 技術 ぎじゅつ は紀元前 きげんぜん 7世紀 せいき 頃 ごろ の中国 ちゅうごく で開発 かいはつ された[ 28] 。鉄 てつ の鋳造 ちゅうぞう は可能 かのう となったものの、それは黒鉛 こくえん を含有 がんゆう しないチルと呼 よ ばれる硬 かた くて脆 もろ い鋳鉄 ちゅうてつ だった[ 28] 。紀元前 きげんぜん 470年 ねん 頃 ごろ にはそれを約 やく 900〜1000度 ど の酸化 さんか 鉄 てつ 内 ない で3日間 にちかん 加熱 かねつ して白 しろ 心 こころ 可鍛鋳鉄 かたんちゅうてつ にする技術 ぎじゅつ があったという研究 けんきゅう もある(歴史 れきし 的 てき には1772年 ねん にフランスのルネ・レオミュール が発明 はつめい したとされている)[ 28] 。
チンギス・ハーンらの宮殿 きゅうでん や歴代 れきだい 皇帝 こうてい の霊廟 れいびょう とされるモンゴルのアウラガ遺跡 いせき から出土 しゅつど した棒状 ぼうじょう 鉄材 てつざい の化学 かがく 分析 ぶんせき や顕微鏡 けんびきょう 観察 かんさつ の結果 けっか 、硫黄 いおう の含有 がんゆう 量 りょう 0.52%、銅 どう のそれ 0.45%と非常 ひじょう に高 たか く、中国 ちゅうごく 山東 さんとう 省 しょう の金 かね 嶺 みね 鎮鉱山 こうざん の鉄鉱 てっこう 石 せき に近 ちか いことがわかった。モンゴル内地 ないち に鉄 てつ 産地 さんち はほとんどなく、鉄 てつ の供給 きょうきゅう 源 げん として重視 じゅうし した可能 かのう 性 せい があるという[ 29] 。
青銅 せいどう 器 うつわ と鉄器 てっき とは紀元前 きげんぜん 3世紀 せいき ごろ、ほぼ同 どう 時期 じき に日本 にっぽん へ伝来 でんらい し、朝鮮半島 ちょうせんはんとう より輸入 ゆにゅう され国内 こくない へ広 ひろ まったと考 かんが えられていた。
赤井手 あかいで 遺跡 いせき (福岡 ふくおか )の鉄 てつ 工房 こうぼう 跡 あと から紀元前 きげんぜん 10世紀 せいき 頃 ごろ の鉄 てつ 素材 そざい が出土 しゅつど 。
曲 まが り田 た 遺跡 いせき (福岡 ふくおか )で紀元前 きげんぜん 4世紀 せいき の鍛造 たんぞう の板 いた 状 じょう の鉄器 てっき が出土 しゅつど 。
舟木 ふなき 遺跡 いせき (淡路 あわじ )で紀元前 きげんぜん 3世紀 せいき の鍛治 かじ 工房 こうぼう 4棟 むね が発掘 はっくつ されている。
青銅 せいどう および青銅器 せいどうき は紀元前 きげんぜん 1世紀 せいき ごろより日本 にっぽん で作 つく られるようになった。
鉄器 てっき 製作 せいさく は、弥生 やよい 時代 じだい 後期 こうき 後半 こうはん (1–3世紀 せいき )ごろより開始 かいし された(北部 ほくぶ 九州 きゅうしゅう のカラカミ遺跡 いせき (壱岐 いき 市 し )や備後 びんご の小丸 こまる 遺跡 いせき (三原 みはら 市 し ))。朝鮮半島 ちょうせんはんとう で製鉄 せいてつ した鉄 てつ 素材 そざい を入手 にゅうしゅ し鍛鉄 たんてつ を行 おこな ったが、製鉄 せいてつ もこの頃 ころ より始 はじ まったとする研究 けんきゅう もある。
6世紀 せいき には、出雲 いずも 地方 ちほう や吉備 きび で、製鉄 せいてつ が広 ひろ く行 おこな われるようになった。鞴(ふいご)を使 つか い、製鉄 せいてつ 炉 ろ の作 つく り方 かた は、朝鮮半島 ちょうせんはんとう からの導入 どうにゅう と推定 すいてい されている[ 30] 。当初 とうしょ の原料 げんりょう は主 おも に鉄鉱 てっこう 石 せき を採掘 さいくつ した。ただし採掘 さいくつ 地 ち は限 かぎ られ、産 さん 量 りょう も豊富 ほうふ ではなく[ 31] 、その後 ご も、朝鮮半島 ちょうせんはんとう から鉄 てつ 素材 そざい の入手 にゅうしゅ を続 つづ けた。総社 そうしゃ 市 し の千 せん 引 ひ かなくろ谷 たに 遺跡 いせき は6世紀 せいき 後半 こうはん の製鉄 せいてつ 炉 ろ 跡 あと 4基 き 、製鉄 せいてつ 窯 かま 跡 あと 3基 き が見 み つかっている。
日本 にっぽん の製鉄 せいてつ 法 ほう はある時期 じき 以降 いこう は「たたら」と呼 よ ばれる特徴 とくちょう ある鋼 はがね 塊 かたまり 炉 ろ (bloomery)を用 もち い、砂鉄 さてつ (国内 こくない 各地 かくち で採 と れ、鉄 てつ の含有 がんゆう 量 りょう も高 たか い)を原料 げんりょう とする直接 ちょくせつ 製鉄 せいてつ 法 ほう [ 32] を用 もち いるようになリ、国内 こくない 各地 かくち で安定 あんてい して自給 じきゅう 生産 せいさん 可能 かのう となった。
古代 こだい 、中世 ちゅうせい においては露天 ろてん 式 しき の野 の だたら法 ほう が頻繁 ひんぱん に行 おこな われていたが、16世紀 せいき 中葉 ちゅうよう より全天候 ぜんてんこう 型 がた で送風 そうふう 量 りょう を増加 ぞうか した永代 ながよ たたら法 ほう に発展 はってん した。この古代 こだい 以来 いらい の日本 にっぽん 独自 どくじ のたたら製鉄 せいてつ 法 ほう では、玉 たま 鋼 こう や包丁 ほうちょう 鉄 てつ といった複数 ふくすう の鉄 てつ が同時 どうじ に得 え られるために、それがのちの日本 にっぽん 刀 がたな を生 う み出 だ す礎 いしずえ となった。
出雲 いずも は古代 こだい より一貫 いっかん して日本 にっぽん 全国 ぜんこく に鉄 てつ を供給 きょうきゅう し、現在 げんざい でも出雲 いずも 地方 ちほう にその文化 ぶんか の名残 なごり が認 みと められ、日立金属 ひたちきんぞく などの高級 こうきゅう 特殊 とくしゅ 鋼 こう メーカーへと変貌 へんぼう を遂 と げている。
養老 ようろう 律令 りつりょう の規定 きてい では、鉄 てつ や銅 どう の採取 さいしゅ 活動 かつどう に関 かん しては官 かん による採取 さいしゅ が優先 ゆうせん されるものの、民間 みんかん による採取 さいしゅ を否定 ひてい したものではなかった(雑 ざつ 令 れい 国内 こくない 条 じょう )。これは中国 ちゅうごく の唐 とう 令 れい の規定 きてい をそのまま日本 にっぽん に導入 どうにゅう したものと考 かんが えられる(ただし、中国 ちゅうごく では宋 そう に入 はい ると民間 みんかん による採取 さいしゅ を禁 きん じる方針 ほうしん に変更 へんこう されていくことになる)。また、生産 せいさん に関 かん しても蝦夷 えぞ と近接 きんせつ する東 ひがし 辺 べ ・北辺 ほくへん での鉄 てつ の生産 せいさん を規制 きせい する規定 きてい は存在 そんざい していた(関 せき 市 し 令 れい 弓箭 きゅうせん 条 じょう )が、他 た に規制 きせい の存在 そんざい をうかがわせる史料 しりょう は見 み つかっていない。また、調 しらべ として鉄 てつ や鍬 くわ の貢 みつぎ 納 おさめ が指定 してい されていたり、国司 こくし が武器 ぶき や鉄器 てっき の原料 げんりょう として民間 みんかん との間 あいだ で鉄 てつ の交易 こうえき を図 はか っていたことを示 しめ す正 せい 税 ぜい 帳 ちょう の記述 きじゅつ もあり、国家 こっか による徴収 ちょうしゅう ・再 さい 分配 ぶんぱい ・放出 ほうしゅつ とは別 べつ に民間 みんかん における鉄 てつ のある程度 ていど の生産 せいさん ・流通 りゅうつう が存在 そんざい し、王 おう 臣 しん 家 か や中小 ちゅうしょう 生産 せいさん 者 しゃ など幅広 はばひろ い層 そう が担 にな っていた。律令 りつりょう 国家 こっか においては所謂 いわゆる 「官営 かんえい 工房 こうぼう 」が生産 せいさん ・流通 りゅうつう を支配 しはい していたとする「官営 かんえい 工房 こうぼう 」論 ろん が存在 そんざい しているが、当時 とうじ の文献 ぶんけん や古記 こき 録 ろく からは国家 こっか による鉄 てつ や鉄 てつ 製品 せいひん の生産 せいさん ・流通 りゅうつう の独占 どくせん 管理 かんり が行 おこな われていた事 こと を示 しめ すものは無 な く、(価格 かかく の問題 もんだい はあるものの)一般 いっぱん に対価 たいか さえ支払 しはら えば鉄 てつ や鉄器 てっき の購入 こうにゅう が可能 かのう であったと考 かんが えるのが適切 てきせつ である[ 33] 。
農具 のうぐ が鉄器 てっき で作 つく られるようになると、農地 のうち の開拓 かいたく が進 すす んだ。しかし中世 ちゅうせい 初期 しょき は鉄 てつ は非常 ひじょう に貴重 きちょう であり、鉄製 てつせい の農機具 のうきぐ は一般 いっぱん 農民 のうみん には私有 しゆう できず公 おおやけ の持 も ちものであり、公 おおやけ の農地 のうち を耕 たがや し、朝 あさ 借 か りてきて夕方 ゆうがた には洗 あら って返 かえ すことになっていた。私有地 しゆうち の耕作 こうさく には鉄 てつ の農機具 のうきぐ を使 つか うことができず、生産 せいさん 量 りょう が劣 おと った。すなわち、中世 ちゅうせい の日本 にっぽん の貴族 きぞく は鉄 てつ の所有 しょゆう 権 けん を通 とお して遠隔 えんかく 地 ち にある荘園 しょうえん を管理 かんり した[ 34] 。
11世紀 せいき ごろより鉄 てつ の生産 せいさん 量 りょう が増 ふ えると、鉄 てつ が安価 あんか に供給 きょうきゅう されるようになった。個人 こじん が鉄 てつ の農機具 のうきぐ を持 も つことができるようになると、新 あら たな農地 のうち の開墾 かいこん が進 すす んだ。
暦 こよみ 応 おう 5年 ねん (1342年 ねん )鋳物 いもの 師 し の認可 にんか 状 じょう 巻末 かんまつ
官営 かんえい 八幡 やはた 製鉄 せいてつ 所 しょ
戦国 せんごく 時代 じだい にあった日本 にっぽん では、1550年代 ねんだい ごろに銃器 じゅうき の生産 せいさん が普及 ふきゅう した。鉄 てつ の技術 ぎじゅつ 者 しゃ は鍛冶 たんや 師 し 、鋳物 いもの 師 し と呼 よ ばれた。また、永代 ながよ たたらの普及 ふきゅう により生産 せいさん 量 りょう が爆発 ばくはつ 的 てき に増加 ぞうか したため、生産 せいさん 性 せい の観点 かんてん から歩 ふ 止 ど まりのいい砂鉄 さてつ が採 と れる中国 ちゅうごく 地方 ちほう や九州 きゅうしゅう 地方 ちほう への産地 さんち の集中 しゅうちゅう が進 すす むこととなった。
当時 とうじ 、鉄 てつ の精錬 せいれん には木炭 もくたん が使 つか われた(ただし、宋 そう 代 だい 以降 いこう の中国 ちゅうごく においては石炭 せきたん の利用 りよう が始 はじ まる)。日本 にっぽん の森林 しんりん は再生 さいせい 能力 のうりょく に優 すぐ れ、幸 さいわ いにも森林 しんりん 資源 しげん に枯渇 こかつ することがなかった。豊富 ほうふ な砂鉄 さてつ にも恵 めぐ まれており、鉄 てつ の生産 せいさん 量 りょう と加工 かこう 技術 ぎじゅつ では世界 せかい で抜 ぬ きん出 で た存在 そんざい になった[要 よう 出典 しゅってん ] 。
中世 ちゅうせい 後期 こうき から江戸 えど 時代 じだい にかけて、刀剣 とうけん は輸出 ゆしゅつ 商品 しょうひん として長崎 ながさき から輸出 ゆしゅつ された。輸出 ゆしゅつ 先 さき は中国 ちゅうごく やヨーロッパである。今日 きょう でもヨーロッパ各地 かくち の博物館 はくぶつかん で当時 とうじ の貴族 きぞく たちが収集 しゅうしゅう した日本 にっぽん 刀 がたな を見 み ることができる。明 あきら は一貫 いっかん して日本 にっぽん との交易 こうえき を禁 きん じる政策 せいさく をとってきたが、鄭 てい 若 わか 曽 そ の『籌海図 ず 編 へん 』には倭 やまと 寇が好 この んだもの(倭 やまと 好 このみ )として「鉄 てつ 鍋 なべ 」が挙 あ げられ、謝 しゃ 杰 の『虔 けん 台 だい 倭 やまと 纂 』には「鉄 てつ 鍋 なべ 重大 じゅうだい 物 ぶつ 一 いち 鍋 なべ 価 か 至 いたり 一 いち 両 りょう 銭 ぜに 、重 じゅう 古 いにしえ 者 しゃ 千 せん 文 ぶん 価 か 至 いたり 四 よん 両 りょう 、小鍋 こなべ 曁開元 もと 永楽 えいらく 銭 ぜに 二 に 銭 せん 、及新銭 ぜに 不 ふ 尚也 なおや 」(上巻 じょうかん 「倭 やまと 利 り 」)として記 しる し、日本人 にっぽんじん が小 しょう 鍋 なべ でも永楽 えいらく 銭 ぜに 2銭 ぜに を出 だ して手 て に入 い れようとしたことが記 しる されている。これについて、太田 おおた 弘毅 こうき は16世紀 せいき に西日本 にしにほん 、特 とく に倭 やまと 寇 とのつながりが強 つよ い瀬戸内海 せとないかい 沿岸 えんがん や九州 きゅうしゅう に新興 しんこう の日本 にっぽん 刀 がたな 産地 さんち が発生 はっせい していることを指摘 してき し、戦国 せんごく 時代 じだい に増大 ぞうだい する日本 にっぽん 刀 がたな 需要 じゅよう (軍事 ぐんじ 的 てき 、あるいは密輸 みつゆ 出 で 用 よう として)を賄 まかな うために中国 ちゅうごく から鉄 てつ 鍋 なべ などの中古 ちゅうこ の鉄 てつ を獲得 かくとく したと論 ろん じる[ 35] 。また、16世紀 せいき の明 あかり の人 ひと で倭 やまと 寇事情 じじょう を調 しら べるために日本 にっぽん を訪 おとず れて帰国 きこく 後 ご に『日本一 にっぽんいち 鑑 かん 』を著 あらわ した鄭 てい 舜 しゅん 功 いさお によれば、「其鉄既 すんで 脆 もろ 不可 ふか 作 さく 、多 おお 市 し 暹羅 しゃむ 鉄 てつ 作 さく 也、而福建 たて 鉄 てつ 向 こう 私市 きさいち 彼 かれ 、以作此」(巻 まき 二 に 「器用 きよう 」)と述 の べて日本 にっぽん の鉄砲 てっぽう に使 つか われていた鉄 てつ がシャムや福建 ふっけん からの密輸 みつゆ 品 ひん (収奪 しゅうだつ を含 ふく む)であったことを指摘 してき している。さらに、近年 きんねん において佐々木 ささき 稔 みのる らによって行 おこな われた日本 にっぽん 産 さん の鉄砲 てっぽう などに用 もち いられた鉄 てつ の化学 かがく 分析 ぶんせき によれば、日本 にっぽん の砂鉄 さてつ には含 ふく まれていない銅 どう やニッケル、コバルトなどの磁鉄鉱 じてっこう 由来 ゆらい 成分 せいぶん の含有 がんゆう が確認 かくにん されており、佐々木 ささき は近世 きんせい 以前 いぜん の日本 にっぽん 国内 こくない において磁鉄鉱 じてっこう の鉱床 こうしょう 開発 かいはつ が確認 かくにん できない以上 いじょう 、国外 こくがい から輸入 ゆにゅう された銑鉄 せんてつ などが流通 りゅうつう していたと考 かんが えざるを得 え ないと指摘 してき する[ 36] 。
壊 こわ れた鉄 てつ 製品 せいひん を修復 しゅうふく する需要 じゅよう があり、鉄 てつ の加工 かこう 技術 ぎじゅつ は日本 にっぽん 各地 かくち で一般 いっぱん 化 か していった。鍛 きたえ 接 せっ ・鋳掛 いか けのほかにも、金属 きんぞく の接合 せつごう にはろう付 づ け ・リベット が使 つか われた。
鋳物 いもの 業 ぎょう の盛 さか んな富山 とやま 県 けん 高岡 たかおか 市 し にも鋳物 いもの 師 し の伝統 でんとう である高岡 たかおか 銅器 どうき があり、この地域 ちいき には古 ふる い技術 ぎじゅつ がよく伝承 でんしょう されている。現在 げんざい でもYKK 、新日軽 しんにっけい といった金属 きんぞく 加工 かこう 関係 かんけい の大 だい 企業 きぎょう の工場 こうじょう が富山 とやま 県 けん に多 おお くあるのはこの伝統 でんとう と無縁 むえん ではない。江戸 えど 幕末 ばくまつ には、艦 かん 砲 ほう を備 そな えた艦隊 かんたい の武力 ぶりょく を背景 はいけい に開国 かいこく を迫 せま る西洋 せいよう に対抗 たいこう するために、大砲 たいほう 鋳造 ちゅうぞう 用 よう の反射 はんしゃ 炉 ろ が各地 かくち に建造 けんぞう された(韮山 にらやま 反射 はんしゃ 炉 ろ などが挙 あ げられる)。これらは明治 めいじ 時代 じだい になるとより効率 こうりつ のいい高 だか 炉 ろ にとって代 か わられた[ 37] 。
鉄 てつ の生物 せいぶつ 学 がく 的 てき 役割 やくわり は非常 ひじょう に重要 じゅうよう である。赤血球 せっけっきゅう の中 なか に含 ふく まれるヘモグロビン は、鉄 てつ のイオン を利用 りよう して酸素 さんそ を運搬 うんぱん している[ 38] 。ヘモグロビン1分子 ぶんし には4つの鉄 てつ (Ⅱ)イオンが存在 そんざい し、それぞれがポルフィリン という有機 ゆうき 化合 かごう 物 ぶつ と錯体 さくたい を形成 けいせい した状態 じょうたい で存在 そんざい する[ 39] 。この錯体 さくたい はヘム と呼 よ ばれ、ミオグロビン 、カタラーゼ 、シトクロム などのタンパク質 たんぱくしつ にも含 ふく まれる[ 40] 。ヘモグロビンと酸素 さんそ 分子 ぶんし の結合 けつごう は弱 よわ く、筋肉 きんにく のような酸素 さんそ を利用 りよう する組織 そしき に到着 とうちゃく すると容易 ようい に酸素 さんそ を放出 ほうしゅつ することができる[ 39] 。
フェリチン は鉄 てつ を貯蔵 ちょぞう する機能 きのう を持 も つタンパク質 たんぱくしつ ファミリー である。その核 かく は鉄 てつ (Ⅲ)イオン、酸化 さんか 物 ぶつ イオン 、水酸化物 すいさんかぶつ イオン 、リン酸 さん イオン からなる巨大 きょだい なクラスター(オキソヒドロキソリン酸 さん 鉄 てつ )で、分子 ぶんし あたり4500個 こ もの鉄 てつ イオンを含 ふく む[ 39] 。
肉 にく や魚 さかな のミオグロビン やヘモグロビン に由来 ゆらい するポルフィリン と結合 けつごう した鉄 てつ はヘム 鉄 てつ (おもに動物 どうぶつ 性 せい )と呼 よ ばれ、非 ひ ヘム鉄 てつ (おもに植物 しょくぶつ 性 せい )と比較 ひかく して2–3倍 ばい 体内 たいない への吸収 きゅうしゅう 率 りつ が高 たか い。非 ひ ヘム鉄 てつ はビタミンC と一緒 いっしょ に摂取 せっしゅ すると、水溶 すいよう 性 せい の高 たか いFe2+に還元 かんげん されて体内 たいない への吸収 きゅうしゅう が促進 そくしん されるが、玄米 げんまい などの全 ぜん 粒 つぶ 穀物 こくもつ に含 ふく まれるフィチン酸 さん 、お茶 ちゃ や野菜 やさい 類 るい に含 ふく まれるポリフェノール などは非 ひ ヘム鉄 てつ の吸収 きゅうしゅう を阻害 そがい する[ 42] [ 43] 。肉 にく に含 ふく まれるヘム鉄 てつ は発 はつ がん性 せい のあるニトロソアミン の生成 せいせい を促 うなが し、さらに加工 かこう 肉 にく では亜 あ 硝酸 しょうさん ナトリウム や硝酸 しょうさん ナトリウム がこれを生成 せいせい する[ 44] 。
鉄分 てつぶん の吸収 きゅうしゅう 抑制 よくせい による抗菌 こうきん 作用 さよう
編集 へんしゅう
ヘプシジン (英語 えいご 版 ばん ) は肝臓 かんぞう で産 さん 生 む される一種 いっしゅ のペプチドホルモン であり、鉄 てつ 代謝 たいしゃ の制御 せいぎょ を行 おこな っている。ヘプシジンは腸 ちょう からの鉄 てつ の過剰 かじょう な吸収 きゅうしゅう を抑制 よくせい する作用 さよう を有 ゆう する。ヘプシジン産 さん 生 せい 障害 しょうがい は鉄 てつ 過剰 かじょう 症 しょう を引 ひ き起 お こす。多 おお くの病原 びょうげん 体 たい はその増殖 ぞうしょく に多量 たりょう の鉄 てつ を要 よう するため、ヘプシジンが血清 けっせい 鉄 てつ 濃度 のうど を低下 ていか させることは炎症 えんしょう の原因 げんいん となる菌 きん の増殖 ぞうしょく を抑制 よくせい して抗菌 こうきん 作用 さよう も発揮 はっき することになる[ 45] 。
ラクトフェリン は、母乳 ぼにゅう ・涙 なみだ ・汗 あせ ・唾液 だえき などの外 そと 分泌 ぶんぴつ 液 えき 中 ちゅう に含 ふく まれる鉄 てつ 結合 けつごう 性 せい の糖 とう タンパク質 たんぱくしつ である。ラクトフェリンは、強力 きょうりょく な抗菌 こうきん 活性 かっせい を持 も つことが知 し られている。グラム陽性 ようせい ・グラム陰性 いんせい に関係 かんけい なく、多 おお くの細菌 さいきん は生育 せいいく に鉄 てつ が必要 ひつよう である。トランスフェリン と同様 どうよう 、ラクトフェリンは鉄 てつ を奪 うば い去 さ ることで、細菌 さいきん の増殖 ぞうしょく を抑制 よくせい する[ 46] [ 47] 。
ヒトの場合 ばあい 、ヘモグロビンの原料 げんりょう である体内 たいない の鉄分 てつぶん が不足 ふそく すると、ヘモグロビンが十分 じゅうぶん に合成 ごうせい できないため酸素 さんそ の運搬 うんぱん 量 りょう が不足 ふそく し、鉄 てつ 欠乏 けつぼう 性 せい 貧血 ひんけつ を起 お こすことがある。また鉄 てつ 不足 ふそく は疾病 しっぺい リスクの上昇 じょうしょう につながることが示唆 しさ されてきており[ 48] [ 49] [ 50] 、鉄分 てつぶん を充分 じゅうぶん に補充 ほじゅう する必要 ひつよう がある。鉄分 てつぶん は、レバー やホウレンソウ などの食品 しょくひん に多 おお く含 ふく まれ、そのほかに鉄分 てつぶん を多 おお く含 ふく む食品 しょくひん は、ひじき 、海苔 のり 、ゴマ 、パセリ 、アサリ 、シジミ などである。これらを摂取 せっしゅ することで鉄分 てつぶん の不足 ふそく が改善 かいぜん される。
また鉄 てつ の溶解 ようかい 度 ど が小 ちい さい土壌 どじょう で育 そだ てられる植物 しょくぶつ などでは、鉄 てつ 吸収 きゅうしゅう が不足 ふそく することで植物 しょくぶつ の成長 せいちょう が止 と まり黄 き 化 か することがある。この症状 しょうじょう は、土壌 どじょう に水溶 すいよう 性 せい 型 かた の鉄 てつ 肥料 ひりょう を与 あた えるなどすると一時 いちじ 的 てき に改善 かいぜん されるが、植物 しょくぶつ 中 ちゅう に含 ふく まれる鉄 てつ 量 りょう が増 ふ えるわけではなく、ビタミンA の含有 がんゆう 量 りょう が増 ふ えることが分 わ かっている。したがって、鉄 てつ 肥料 ひりょう を与 あた えることは植物 しょくぶつ 中 ちゅう の鉄分 てつぶん ではなくビタミンAを増 ふ やすことに役立 やくだ つ。植物 しょくぶつ の鉄 てつ 欠乏 けつぼう を長期 ちょうき 的 てき に改善 かいぜん するには、土壌 どじょう に大量 たいりょう の硫黄 いおう を投入 とうにゅう するなどして、土壌 どじょう 質 しつ を変 か える必要 ひつよう がある。なお陸上 りくじょう 植物 しょくぶつ に限 かぎ らず、藻類 そうるい も微量 びりょう の鉄 てつ を必要 ひつよう とする。
一方 いっぽう で、過剰 かじょう な鉄 てつ の摂取 せっしゅ は生体 せいたい にとって有害 ゆうがい である。ヒトでは食生活 しょくせいかつ の問題 もんだい による鉄 てつ の蓄積 ちくせき (アフリカ型 がた 鉄 てつ 過剰 かじょう 症 しょう など)や、度重 たびかさ なる輸血 ゆけつ による鉄 てつ の蓄積 ちくせき などが知 し られている。自由 じゆう な鉄 てつ 原子 げんし は過 か 酸化 さんか 物 ぶつ と反応 はんのう しフリーラジカル を生成 せいせい し、これがDNA やタンパク質 たんぱくしつ 、および脂質 ししつ を破壊 はかい するためである。細胞 さいぼう 中 ちゅう で鉄 てつ を束縛 そくばく するトランスフェリン の量 りょう を超 こ えて鉄 てつ を摂取 せっしゅ すると、これによって自由 じゆう な鉄 てつ 原子 げんし が生 しょう じ、鉄 てつ 中毒 ちゅうどく となる。余剰 よじょう の鉄 てつ はフェリチン やヘモジデリン にも貯蔵 ちょぞう 隔離 かくり される。過剰 かじょう の鉄 てつ はこれらのタンパク質 たんぱくしつ に結合 けつごう していない自由 じゆう 鉄 てつ を生 しょう じる。自由 じゆう 鉄 てつ がフェントン反応 はんのう を介 かい してヒドロキシラジカル などの活性 かっせい 酸素 さんそ を発生 はっせい させる。発生 はっせい した活性 かっせい 酸素 さんそ は細胞 さいぼう のタンパク質 たんぱくしつ やDNA を損傷 そんしょう させる。活性 かっせい 酸素 さんそ が各 かく 臓器 ぞうき を攻撃 こうげき し、肝臓 かんぞう には肝炎 かんえん 、肝硬変 かんこうへん 、肝臓 かんぞう がん を、膵臓 すいぞう には糖尿 とうにょう 病 びょう 、膵臓 すいぞう 癌 がん を、心臓 しんぞう には心不全 しんふぜん を引 ひ き起 お こす[ 51] 。脂肪 しぼう 肝 きも においては、血清 けっせい フェリチン の増加 ぞうか がしばしばみられ、脂肪 しぼう 肝 きも の中 なか でも非 ひ アルコール性 せい 脂肪 しぼう 性 せい 肝炎 かんえん (NASH)を含 ふく んだ非 ひ アルコール性 せい 脂肪 しぼう 性 せい 肝 きも 疾患 しっかん では、肝 きも 組織 そしき 内 ない の鉄 てつ の過剰 かじょう が肝 かん 障害 しょうがい の増悪 ぞうあく 因子 いんし と考 かんが えられている[ 52] 。ヒト の体 からだ には鉄 てつ を排出 はいしゅつ する効率 こうりつ 的 てき なメカニズムがなく、粘膜 ねんまく や粘液 ねんえき に含 ふく まれる1–2 mg/日 にち 程度 ていど の少量 しょうりょう の鉄 てつ が排出 はいしゅつ されるだけであるため、ヒトが吸収 きゅうしゅう できる鉄 てつ の量 りょう は1–2 mg/日 にち 程度 ていど と非常 ひじょう に少 すく ない[ 51] 。しかし血 ち 中 ちゅう の鉄分 てつぶん が一定 いってい 限度 げんど を超 こ えると、鉄 てつ の吸収 きゅうしゅう をコントロールしている消化 しょうか 器官 きかん の細胞 さいぼう が破壊 はかい される。このため、高 こう 濃度 のうど の鉄 てつ が蓄積 ちくせき すると、ヒトの心臓 しんぞう や肝臓 かんぞう に恒久 こうきゅう 的 てき な損傷 そんしょう が及 およ ぶことがあり[ 53] 、致死 ちし 性 せい の中毒 ちゅうどく 症状 しょうじょう を発症 はっしょう する。
米国 べいこく 科学 かがく アカデミーが公表 こうひょう しているDRI指数 しすう によれば、ヒトが1日 にち のうちに許容 きょよう できる鉄分 てつぶん は、大人 おとな で45 mg、14歳 さい 以下 いか の子 こ どもは40 mgまでである。摂取 せっしゅ 量 りょう が体重 たいじゅう 1 kgあたり20 mgを超 こ えると鉄 てつ 中毒 ちゅうどく の症状 しょうじょう を呈 てい する。鉄 てつ の致死 ちし 量 りょう は体重 たいじゅう 1 kgあたり60 mgである。6歳 さい 以下 いか の子 こ どもが鉄 てつ 中毒 ちゅうどく で死亡 しぼう するおもな原因 げんいん として、硫酸 りゅうさん 鉄 てつ を含 ふく んだ大人 おとな 向 む けの錠剤 じょうざい の誤 あやま 飲 いん である。
なお、遺伝 いでん 的 てき な要因 よういん により、鉄 てつ の吸収 きゅうしゅう ができない人々 ひとびと もいる。第 だい 六 ろく 染色 せんしょく 体 たい のHLA-H遺伝子 いでんし に欠陥 けっかん を持 も つ人 ひと は、過剰 かじょう に鉄 てつ を摂取 せっしゅ するとヘモクロマトーシス などの鉄分 てつぶん 過剰 かじょう 症 しょう になり、肝臓 かんぞう あるいは心臓 しんぞう に異変 いへん をきたすことがある。ヘモクロマトーシスを患 わずら う人 ひと は、白人 はくじん では全体 ぜんたい の0.3–0.8 %と推定 すいてい されているが、多 おお くの人 ひと は自分 じぶん が鉄 てつ 過剰 かじょう 症 しょう であることに気 き づいていないため、一般 いっぱん に鉄分 てつぶん 補給 ほきゅう のための錠剤 じょうざい を摂取 せっしゅ する場合 ばあい は、特 とく に鉄 てつ 欠乏症 けつぼうしょう でない限 かぎ り、医師 いし に相談 そうだん することが望 のぞ ましい。
鉄 てつ の許容 きょよう 上限 じょうげん 摂取 せっしゅ 量 りょう
編集 へんしゅう
鉄 てつ の過剰 かじょう 摂取 せっしゅ による臓器 ぞうき への鉄 てつ の沈着 ちんちゃく は種々 しゅじゅ の慢性 まんせい 疾患 しっかん の発症 はっしょう リスクを高 たか めるため耐 たい 容 よう 上限 じょうげん 量 りょう が設定 せってい されている。日本 にっぽん で定 さだ める耐 たい 容 よう 上限 じょうげん 量 りょう は15歳 さい 以上 いじょう の男性 だんせい が一律 いちりつ に50 mg/日 にち 、女性 じょせい が40 mg/日 ひ である。耐 たい 容 よう 上限 じょうげん 量 りょう を算出 さんしゅつ するため、二 に 重 じゅう 盲 めくら 検 けん 試験 しけん において、非 ひ ヘム鉄 てつ (フマル酸 さん 鉄 てつ )を60 mg/日 にち のグループと、ヘム鉄 てつ と非 ひ ヘム鉄 てつ 混合 こんごう を18 mg/日 ひ (豚 ぶた 血液 けつえき 由来 ゆらい ヘム鉄 てつ 2 mg/日 にち +フマル酸 さん 鉄 てつ 16 mg/日 にち )グループと、 偽薬 ぎやく 投与 とうよ グループに分 わ けて試験 しけん した結果 けっか 、非 ひ ヘム鉄 てつ 投与 とうよ グループは他 た 群 ぐん と比較 ひかく して便秘 べんぴ や胃腸 いちょう 症状 しょうじょう などの健康 けんこう 障害 しょうがい の有 ゆう 訴率が有意 ゆうい に高 たか かった。また、南 みなみ アフリカのバンツー族 ぞく で、バンツー鉄 てつ 沈着 ちんちゃく 症 しょう という病気 びょうき が発生 はっせい したが、 これは鉄 てつ を大量 たいりょう に含 ふく むビールの常 つね 飲 いん や、鉄 てつ 鍋 なべ 由来 ゆらい の鉄 てつ により 鉄 てつ 摂取 せっしゅ 量 りょう が50–100 mg/日 にち となったためだと考 かんが えられ、バンツー鉄 てつ 沈着 ちんちゃく 症 しょう は鉄 てつ 摂取 せっしゅ 量 りょう がおよそ100 mg/日 ひ を超 こ えると発生 はっせい すると推定 すいてい される。そのことから算出 さんしゅつ した日本 にっぽん での耐 たい 容 よう 上限 じょうげん 量 りょう は、15歳 さい 以上 いじょう 男性 だんせい に対 たい する耐 たい 容 よう 上限 じょうげん 量 りょう を一律 いちりつ に50 mg/日 にち とし、女性 じょせい は体重 たいじゅう 差 さ を考慮 こうりょ し15歳 さい 以上 いじょう 一律 いちりつ に40 mg/日 にち とした。また、アメリカ・カナダの食事 しょくじ 摂取 せっしゅ 基準 きじゅん では、二 に 重 じゅう 盲 めくら 検 けん 試験 しけん から算出 さんしゅつ した耐 たい 容 よう 上限 じょうげん 量 りょう で、男女 だんじょ とも成人 せいじん の鉄 てつ の耐 たい 容 よう 上限 じょうげん 量 りょう を一律 いちりつ に 45 mg/日 にち としている。また、FAO/WHOは暫定 ざんてい 耐 たい 容 よう 最大 さいだい 1日 にち 摂取 せっしゅ 量 りょう (provisional maximal tolerable intake)を0.8 mg/kg 体重 たいじゅう /日 にち と定 さだ めているが、根拠 こんきょ は不明 ふめい である[ 54] 。
鉄 てつ の食事 しょくじ 摂取 せっしゅ 基準 きじゅん (mg/日 にち )[ 55] [ 注 ちゅう 2]
性 せい 別 べつ
男 おとこ 性 せい
女 おんな 性 せい
年齢 ねんれい 等 とう
推定 すいてい 平均 へいきん 必要 ひつよう 量 りょう
推奨 すいしょう 量 りょう
目安 めやす 量 りょう
耐 たい 容 よう 上限 じょうげん 量 りょう [ 注 ちゅう 3]
月経 げっけい なし
月経 げっけい あり
目安 めやす 量 りょう
耐 たい 容 よう 上限 じょうげん 量 りょう
推定 すいてい 平均 へいきん 必要 ひつよう 量 りょう
推奨 すいしょう 量 りょう
推定 すいてい 平均 へいきん 必要 ひつよう 量 りょう
推奨 すいしょう 量 りょう
0~5(月 つき )
-
-
0.5
-
-
-
-
-
0.5
-
6~11(月 つき )
3.5
5
-
-
3.5
4.5
-
-
-
-
1~2(歳 とし )
3
4.5
-
25
3
4.5
-
-
-
20
3~5(歳 とし )
4
5.5
-
25
3.5
5
-
-
-
25
6~7(歳 とし )
4.5
6.5
-
30
4.5
6.5
-
-
-
30
8~9(歳 とし )
6
8
-
35
6
8.5
-
-
-
35
10~11(歳 とし )
7
10
-
35
7
10
10
14
-
35
12~14(歳 とし )
8.5
11.5
-
50
7
10
10
14
-
50
15~17(歳 とし )
8
9.5
-
50
5.5
7
8.5
10.5
-
40
18~29(歳 とし )
6
7
-
50
5
6
8.5
10.5
-
40
30~49(歳 とし )
6.5
7.5
-
55
5.5
y6.5
9
10.5
-
40
50~69(歳 とし )
6
7.5
-
50
5.5
6.5
9
10.5
-
40
70以上 いじょう (歳 とし )
6
7
-
50
5
6
-
-
-
40
妊 にん 婦 ふ (付加 ふか 量 りょう )
初期 しょき
+2
+2.5
中期 ちゅうき ・後期 こうき
+12.5
+15
授乳 じゅにゅう 婦 ふ (付加 ふか 量 りょう )
+2
+2.5
日本 にっぽん 国民 こくみん の鉄 てつ の平均 へいきん 摂取 せっしゅ 量 りょう (mg/日 にち )[ 56]
性別 せいべつ 年齢 ねんれい
1-6歳 さい
7-14歳 さい
15-19歳 さい
20-29歳 さい
30-39歳 さい
40-49歳 さい
50-59歳 さい
60-69歳 さい
70-79歳 さい
80歳 さい 以上 いじょう
男性 だんせい
4.5
6.7
7.9
7.4
7.2
7.6
8.1
8.8
9.2
8.3
女性 じょせい
4.0
6.3
7.0
6.2
6.4
6.7
7.2
8.4
8.6
7.4
鉄分 てつぶん の摂取 せっしゅ についての必要 ひつよう 量 りょう 、推奨 すいしょう 量 りょう は、以下 いか の式 しき で表 あらわ される。
推定 すいてい 平均 へいきん 必要 ひつよう 量 りょう =基本 きほん 的 てき 鉄 てつ 損失 そんしつ ÷吸収 きゅうしゅう 率 りつ (0.15)
推定 すいてい 平均 へいきん 推奨 すいしょう 量 りょう =推定 すいてい 平均 へいきん 必要 ひつよう 量 りょう ×1.2
20歳 さい 前後 ぜんこう の男性 だんせい の鉄分 てつぶん 損失 そんしつ 量 りょう は0.9 mg/日 ひ であるので、必要 ひつよう 量 りょう は6.0 mg/日 にち 、推奨 すいしょう 量 りょう は7.2 mg/日 にち となる。
20歳 さい 前後 ぜんこう の女性 じょせい の鉄分 てつぶん 損失 そんしつ 量 りょう は0.76 mg/日 ひ であるので、必要 ひつよう 量 りょう は8.7 mg/日 にち 、推奨 すいしょう 量 りょう は10.5 mg/日 にち となる。
月経 げっけい のある女性 じょせい の鉄分 てつぶん の必要 ひつよう 量 りょう は、以下 いか の式 しき で表 あらわ される。推定 すいてい 平均 へいきん 必要 ひつよう 量 りょう =(基本 きほん 的 てき 鉄 てつ 損失 そんしつ +月経 げっけい 血 ち による鉄 てつ 損失 そんしつ (0.55 mg/日 にち ))÷ 吸収 きゅうしゅう 率 りつ (0.15)
鉄分 てつぶん の耐用 たいよう 上限 じょうげん 量 りょう は、0.8 mg/kg体重 たいじゅう /日 にち とされる。70 kgの成人 せいじん で56 mg/日 にち が上限 じょうげん となる[ 57] 。
鉄 てつ の同位 どうい 体 たい の1種 しゅ である59 Feは、鉄 てつ 動態 どうたい 検査 けんさ に用 もち いられる。
^ 鄭 てい 州 しゅう 古 ふる 栄 さかえ 鎮遺跡 いせき 出土 しゅつど 鋳造 ちゅうぞう 所 しょ
^ 過多 かた 月経 げっけい (経 けい 血 ち 量 りょう が 80 m L/回 かい 以上 いじょう )の人 ひと は除外 じょがい した数値 すうち
^ 過剰 かじょう 摂取 せっしゅ による健康 けんこう 障害 しょうがい 回避 かいひ 上限 じょうげん 量 りょう
^ Demazeau, G.; Buffat, B.; Pouchard, M.; Hagenmuller, P. (1982). “Recent developments in the field of high oxidation states of transition elements in oxides stabilization of Six-coordinated Iron(V)”. Zeitschrift für anorganische und allgemeine Chemie 491 : 60. doi :10.1002/zaac.19824910109 . ISSN 0044-2313 .
^ R. S. Ram and P. F. Bernath (2003). Journal of Molecular Spectroscopy 221 : 261. http://bernath.uwaterloo.ca/media/266.pdf . [リンク切 き れ ]
^ https://megalodon.jp/ref/2021-1229-2034-44/https://www.nipponsteel.com:443/company/publications/monthly-nsc/pdf/2004_10_142_09_14.pdf
^ Audi, Bersillon, Blachot, Wapstra. The Nubase2003 evaluation of nuclear and decay properties , Nuc. Phys. A 729, pp. 3-128 (2003).
^ M. P., Fewell (7 1995). “The atomic nuclide with the highest mean binding energy” . American Journal of Physics 63 (7): 653-658. doi :10.1119/1.17828 . https://ui.adsabs.harvard.edu/abs/1995AmJPh..63..653F/abstract 2008年 ねん 2月 がつ 17日 にち 閲覧 えつらん 。 .
^
R. Nave, Carl (2005年 ねん ). “The Most Tightly Bound Nuclei ” (English). Hyperphysics . ジョージア州立 しゅうりつ 大学 だいがく (Georgia State University). 2008年 ねん 2月 がつ 17日 にち 閲覧 えつらん 。
^ A 'metallic' smell is just body odour Nature News
^ 鉄 てつ のにおいの正体 しょうたい
^ 国立 こくりつ 天文台 てんもんだい 『火星 かせい とは』 、2024年 ねん 3月 がつ 9日 にち 閲覧 えつらん
^ 「自然 しぜん 鉄 てつ 」。https://kotobank.jp/word/%E8%87%AA%E7%84%B6%E9%89%84 。
^ 「縞 しま 状 じょう 鉄鉱 てっこう 層 そう 」。https://kotobank.jp/word/%E7%B8%9E%E7%8A%B6%E9%89%84%E9%89%B1%E5%B1%A4 。
^ 武内 たけうち 寿久 としひさ 禰「鉄鉱 てっこう 石 せき の起源 きげん 」『鉄 てつ と鋼 はがね 』第 だい 66巻 かん 第 だい 6号 ごう 、日本 にっぽん 鉄鋼 てっこう 協会 きょうかい 、1980年 ねん 、724-729頁 ぺーじ 、CRID 1390001205182349824 、doi :10.2355/tetsutohagane1955.66.6_724 、ISSN 00211575 。
^ 長谷川 はせがわ 熊 くま 彦「欧州 おうしゅう における古代 こだい 直接 ちょくせつ 製鉄 せいてつ の復元 ふくげん 操業 そうぎょう 実験 じっけん 」『鉄 てつ と鋼 はがね 』第 だい 54巻 かん 第 だい 11号 ごう 、日本 にっぽん 鉄鋼 てっこう 協会 きょうかい 、1968年 ねん 、1177-1192頁 ぺーじ 、CRID 1390001205151814656 、doi :10.2355/tetsutohagane1955.54.11_1177 、ISSN 00211575 。
^ a b 鉄 てつ づくりのDNA 季刊 きかん 新日鉄 しんにってつ 住金 すみきん Vol.18 サイト:日本 にっぽん 製鉄 せいてつ
^ 『図解 ずかい 入門 にゅうもん よくわかる最新 さいしん 「鉄 てつ 」の基本 きほん と仕組 しく み: 性質 せいしつ 、技術 ぎじゅつ 、歴史 れきし 、文化 ぶんか の基礎 きそ 知識 ちしき 』 著 ちょ :田中 たなか 和明 かずあき 発行 はっこう 年 ねん :2009 p15
^ 萩原 はぎはら 芳彦 よしひこ 監修 かんしゅう 『ハンディブック 機械 きかい 改訂 かいてい 2版 はん 』オ お ーム社 むしゃ 2007年 ねん 3月 がつ 20日 はつか p.93
^ 翻 こぼし 道 どう 安 やす 『西域 せいいき 記 き 』
^ ロジャー・ブリッジマン『1000の発明 はつめい ・発見 はっけん 図鑑 ずかん 』丸善 まるぜん 株式会社 かぶしきがいしゃ 平成 へいせい 15年 ねん 11月1日 にち p.89, ISBN 9784621073018
^ 橋野 はしの 鉄 てつ 鉱山 こうざん の歴史 れきし (岩手 いわて 県 けん 世界 せかい 文化 ぶんか 遺産 いさん 関連 かんれん ポータルサイト)
^ K. Yamak hi & K. Nogami: i ., 134, 519 (1976)
^ 田村 たむら , 節夫 せつお (1982). “高炉 こうろ 耐火 たいか 物 ぶつ とその診断 しんだん 技術 ぎじゅつ の進歩 しんぽ ” . 鉄 てつ と鋼 はがね 68 (15): 2108–2115. doi :10.2355/tetsutohagane1955.68.15_2108 . https://www.jstage.jst.go.jp/article/tetsutohagane1955/68/15/68_15_2108/_article/-char/ja/ .
^ 広瀬 ひろせ , 妙子 たえこ ; 佐藤 さとう , 純 じゅん ; 佐藤 さとう , 和郎 かずお (1979). “本邦 ほんぽう で生産 せいさん された新 あたら しい鉄材 てつざい に含 ふく まれるガンマ線 がんません 放射 ほうしゃ 核種 かくしゅ ” . Radioisotopes 28 (3): 194–196. doi :10.3769/radioisotopes.28.3_194 . https://www.jstage.jst.go.jp/article/radioisotopes1952/28/3/28_3_194/_article/-char/ja/ .
^ 広瀬 ひろせ , 妙子 たえこ ; 佐藤 さとう , 純 じゅん ; 佐藤 さとう , 和郎 かずお (1979). “新 あたら しい鉄材 てつざい を遮蔽 しゃへい に用 もち いたガンマ線 がんません スペクトロメータ” . Radioisotopes 28 (3): 163–165. doi :10.3769/radioisotopes.28.3_163 . https://www.jstage.jst.go.jp/article/radioisotopes1952/28/3/28_3_163/_article/-char/ja/ .
^ 省 しょう エネルギー技術 ぎじゅつ 戦略 せんりゃく 2007 (PDF ) (資源エネルギ しげんえねるぎ ー庁 ちょう )
^ 『日本 にっぽん の鉄鋼 てっこう 業 ぎょう 』(日本 にっぽん 鉄鋼 てっこう 連盟 れんめい 、2019年 ねん )
^ a b c d e f g h i j k l m 菅野 かんの 利 とし 猛 たけし . “世界 せかい 文化 ぶんか 遺産 いさん 、韮山 にらやま 反射 はんしゃ 炉 ろ の10大 だい ミステリーを解 と く ”. 2020年 ねん 5月 がつ 15日 にち 閲覧 えつらん 。
^ 2005年 ねん 9月 がつ 6日 にち 『朝日新聞 あさひしんぶん 』夕刊 ゆうかん モンゴル帝国 ていこく 強 つよ さの秘密 ひみつ 鉄 てつ の供給 きょうきゅう 源 げん は中国 ちゅうごく ?
^ 狩野 かの 久 ひさ 「吉備 きび の国 くに づくり」 藤井 ふじい 学 まなぶ ・狩野 かの 久 ひさ ・竹林 たけばやし 栄一 えいいち ・倉地 くらち 克 かつ 直 ただし ・前田 まえだ 昌義 まさよし 『岡山 おかやま 県 けん の歴史 れきし 』山川 やまかわ 出版 しゅっぱん 社 しゃ 2000年 ねん 23-24ページ
^ ただし、金生 きんせい 山 さん (岐阜 ぎふ 県 けん )には赤 あか 鉄鉱 てっこう を産 む し、古代 こだい より製鉄 せいてつ が盛 さか んだったとの研究 けんきゅう もある。
^ 直接 ちょくせつ 製鉄 せいてつ 法 ほう とは、砂鉄 さてつ または鉄鉱 てっこう 石 せき を低温 ていおん で還元 かんげん し、炭素 たんそ の含有 がんゆう 量 りょう がきわめて低 ひく い錬鉄 れんてつ を生成 せいせい するもので、近代 きんだい の製鉄 せいてつ 法 ほう が確立 かくりつ する前 まえ は(漢 かん 代 だい 以降 いこう の中国 ちゅうごく などの例外 れいがい を除 のぞ いて)広 ひろ く世界 せかい 的 てき に見 み られた方法 ほうほう である。
^ 古尾谷 ふるおや 知 とも 浩 ひろし 「文献 ぶんけん 史料 しりょう からみた古代 こだい の鉄 てつ 生産 せいさん ・流通 りゅうつう と鉄 てつ 製品 せいひん の生産 せいさん 」奈良 なら 文化財 ぶんかざい 研究所 けんきゅうじょ 編 へん 『官衙 かんが ・集落 しゅうらく と鉄 てつ 』(クバブロ、2011年 ねん )、古尾谷 ふるおや 『日本 にっぽん 古代 こだい の手工業 しゅこうぎょう 生産 せいさん と建築 けんちく 生産 せいさん 』(塙 はなわ 書房 しょぼう 、2020年 ねん )第 だい 一部 いちぶ 第 だい 二 に 章 しょう に所収 しょしゅう (P37-74.)
^ 司馬 しば 遼 りょう 太郎 たろう 「この国 くに のかたち」文春 ぶんしゅん 文庫 ぶんこ p.113-120
^ 太田 おおた 弘毅 こうき 「倭 やまと 寇が運 はこ んだ輸入 ゆにゅう 鉄 てつ ―「鉄 てつ 鍋 なべ 」から日本刀 にっぽんとう 製作 せいさく へ―」(所収 しょしゅう :明代 あきよ 史 し 研究 けんきゅう 会 かい 明代 あきよ 史 し 論叢 ろんそう 編集 へんしゅう 委員 いいん 会 かい 編 へん 『山根 やまね 幸夫 ゆきお 教 きょう 授退休 きゅう 記念 きねん 明代 あきよ 史 し 論叢 ろんそう 』上巻 じょうかん (汲古書院 しょいん 、1990年 ねん ) P521-538)
^ 佐々木 ささき 稔 みのる /編 へん 『火縄銃 ひなわじゅう の伝来 でんらい と技術 ぎじゅつ 』(吉川弘文館 よしかわこうぶんかん 、2003年 ねん ISBN 978-4-642-03383-1 )P84-87・191-201ほか。
^ 鉄 てつ と生活 せいかつ 研究 けんきゅう 会 かい 編 へん 『鉄 てつ の本 ほん 』 2008年 ねん 2月 がつ 25日 にち 初版 しょはん 1刷 さつ 発行 はっこう ISBN 978-4-526-06012-0
^ a b c 『ライフサイエンス系 けい の無機 むき 化学 かがく 』 , p. 155-159
^ a b c d Geoff Rayner-Canham, Tina Overton『レイナーキャナム 無機 むき 化学 かがく (原著 げんちょ 第 だい 4版 はん )』西原 にしはら 寛 ひろし ・高木 たかぎ 繁 しげる ・森山 もりやま 広 ひろ 思 おもえ 訳 やく 、p.355-356、2009年 ねん 、東京 とうきょう 化学 かがく 同人 どうじん 、ISBN 978-4-8079-0684-0
^ 『ライフサイエンス系 けい の無機 むき 化学 かがく 』 , p. 95
^ a b 『ライフサイエンス系 けい の無機 むき 化学 かがく 』 , p. 163
^ 「健康 けんこう 食品 しょくひん 」の安全 あんぜん 性 せい ・有効 ゆうこう 性 せい 情報 じょうほう 「鉄 てつ 解説 かいせつ 」
^ 専門 せんもん 領域 りょういき の最新 さいしん 情報 じょうほう 最新 さいしん 栄養 えいよう 学 がく 第 だい 8版 はん :建 たて 帛社
^ 国際 こくさい がん研究 けんきゅう 機関 きかん (2015年 ねん 10月 がつ 26日 にち ). IARC Monographs evaluate consumption of red meat and processed meat (PDF) (Report).“WHO report says eating processed meat is carcinogenic: Understanding the findings ”. ハーバード公衆 こうしゅう 衛生 えいせい 大学院 だいがくいん (2015年 ねん 11月13日 にち ). 2017年 ねん 5月 がつ 6日 にち 閲覧 えつらん 。
^ 友杉 ともすぎ 直久 なおひさ 、2.ヘプシジンの発見 はっけん とその後 ご の発展 はってん 『日本内科学会 にほんないかがっかい 雑誌 ざっし 』 2010年 ねん 99巻 かん 6号 ごう p.1180-1187, doi :10.2169/naika.99.1180
^ 島崎 しまざき 敬一 けいいち 「ミルクのラクトフェリン」『乳業 にゅうぎょう 技術 ぎじゅつ 』第 だい 51巻 かん 、日本 にっぽん 乳業 にゅうぎょう 技術 ぎじゅつ 協会 きょうかい 、2001年 ねん 、1-21頁 ぺーじ 、ISSN 13417878 、NAID 40005107444 。
^ 金 きむ 完 かん 燮、島崎 しまざき 敬一 けいいち 著 ちょ 「ラクトフェリンと微生物 びせいぶつ の攻防 こうぼう その多様 たよう 性 せい 」、第 だい 2回 かい ラクトフェリンフォーラム実行 じっこう 委員 いいん 会 かい 編 へん 編 へん 『ラクトフェリン2007 :ラクトフェリン研究 けんきゅう の新 あら たな展望 てんぼう と応用 おうよう へのメッセージ』日本 にっぽん 医学 いがく 館 かん 、東京 とうきょう 、2007年 ねん 、9-17頁 ぺーじ 。ISBN 978-4-89044-632-2 。
^ “Risk of Cancer in Patients with Iron Deficiency Anemia: A Nationwide Population-Based Study”. PLOS ONE 10 (3). (2015). doi :10.1371/journal.pone.0119647 .
^ “Oxidative stress in older patients with iron deficiency anaemia”. The Journal of Nutrition, Health and Aging 13 (8). (2009). PMID 19657548 .
^ “Effect of iron supplementation on oxidative stress and antioxidant status in iron-deficiency anemia”. Biological Trace Element Research 96 (1-3). (2003). doi :10.1385/BTER:96:1-3:117 . PMID 14716090 .
^ a b 輸血 ゆけつ 後 ご 鉄 てつ 過剰 かじょう 症 しょう の診療 しんりょう ガイド
^ 船津 ふなつ 和夫 かずお , 山下 やました 毅 あつし , 本間 ほんま 優 ゆう , 栗原 くりはら 浩次 こうじ , 斗米 とまい 馨 かおる , 横山 よこやま 雅子 まさこ , 細 ほそ 合 あい 浩司 こうじ , 近藤 こんどう 修二 しゅうじ , 中村 なかむら 治雄 はるお 「脂肪 しぼう 肝 きも における血 ち 中 ちゅう ヘモグロビン値 ち の検討 けんとう 」『人間 にんげん ドック (Ningen Dock)』第 だい 20巻 かん 第 だい 1号 ごう 、日本人 にっぽんじん 間 あいだ ドック学会 がっかい 、2005年 ねん 、32-37頁 ぺーじ 、CRID 1390001205232945280 、doi :10.11320/ningendock2005.20.32 、ISSN 18801021 。
^ 高木 たかぎ 均 ひとし , 松崎 まつざき 豊 ゆたか 「3. 肝臓 かんぞう 病 びょう 食 しょく における鉄 てつ 制限 せいげん (群馬 ぐんま 県 けん 肝臓 かんぞう 病 びょう 食 しょく 懇話 こんわ 会 かい 記録 きろく ) 」『北関東 きたかんとう 医学 いがく 』第 だい 55巻 かん 第 だい 2号 ごう 、北関東 きたかんとう 医 い 学会 がっかい 、2005年 ねん 5月 がつ 、204-206頁 ぺーじ 、CRID 1050564287617294720 、hdl :10087/4522 、ISSN 1343-2826 。
^ 厚生 こうせい 労働省 ろうどうしょう 『「日本人 にっぽんじん の食事 しょくじ 摂取 せっしゅ 基準 きじゅん (2020年版 ねんばん )」策定 さくてい 検討 けんとう 会 かい 報告 ほうこく 書 しょ (2)微量 びりょう ミネラル (PDF) 』(レポート)、2019年 ねん 12月24日 にち 。
^ 厚生 こうせい 労働省 ろうどうしょう 『日本人 にっぽんじん の食事 しょくじ 摂取 せっしゅ 基準 きじゅん (2015 年版 ねんばん )の概要 がいよう (PDF) 』(レポート)、2016年 ねん 3月 がつ 1日 にち 。
^ 厚生 こうせい 労働省 ろうどうしょう 『令 れい 和 わ 元年 がんねん 国民 こくみん 健康 けんこう ・栄養 えいよう 調査 ちょうさ 結果 けっか の概要 がいよう (PDF) 』(レポート)、2020年 ねん 10月 がつ 27日 にち 。
^ 日本人 にっぽんじん の食事 しょくじ 摂取 せっしゅ 基準 きじゅん (2010年 ねん )6.2.微量 びりょう ミネラル 6.2.1.鉄 てつ (Fe) (PDF )