もののけひめ

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もののけひめ
Princess Mononoke
監督かんとく 宮崎駿みやざきはやお
脚本きゃくほん 宮崎駿みやざきはやお
原作げんさく 宮崎駿みやざきはやお
製作せいさく 鈴木すずき敏夫としお
製作せいさくそう指揮しき 徳間とくまやすしかい
出演しゅつえんしゃ 松田まつだ洋治ようじ
石田いしだゆり
田中たなか裕子ゆうこ
小林こばやしかおる
西村にしむら雅彦まさひこ
上條かみじょう恒彦つねひこ
島本しまもと須美すみ
渡辺わたなべあきら
佐藤さとうまこと
名古屋なごやあきら
美輪みわ明宏あきひろ
もり光子みつこ
森繁もりしげ久彌ひさや
音楽おんがく 久石ひさいしゆずる
主題歌しゅだいか よねりょう美一よしかずもののけひめ
撮影さつえい 奥井おくいあつし
編集へんしゅう 瀬山せやま武司たけし
制作せいさく会社かいしゃ スタジオジブリ
製作せいさく会社かいしゃ 徳間書店とくましょてん
日本テレビ放送網にほんてれびほうそうもう
電通でんつう
配給はいきゅう 日本の旗 東宝とうほう
アメリカ合衆国の旗 ミラマックス
カナダの旗 Alliance Films
公開こうかい 日本の旗 1997ねん7がつ12にち
日本の旗 2020ねん6がつ26にち(リバイバル)[1]
アメリカ合衆国の旗 1999ねん10がつ29にち
カナダの旗 1999ねん11月26にち
イギリスの旗 2001ねん10がつ19にち
大韓民国の旗 2003ねん4がつ25にち
上映じょうえい時間じかん 133ふん[2]
製作せいさくこく 日本の旗 日本にっぽん
言語げんご 日本語にほんご
製作せいさく 日本の旗 21おくえん
興行こうぎょう収入しゅうにゅう 日本の旗 201.8おくえん[3][4][ちゅう 1]
配給はいきゅう収入しゅうにゅう 日本の旗 117.6おくえん[5]
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もののけひめ』(もののけひめ、えいだい: Princess Mononoke)は、1997ねんスタジオジブリ発表はっぴょうした長編ちょうへんアニメーション映画えいが作品さくひん監督かんとく宮崎駿みやざきはやおキャッチコピーは、「きろ。[6]

興行こうぎょう収入しゅうにゅう193おくえん記録きろく[7]当時とうじE.T.』(1982ねん)が保持ほじしていた日本にっぽん歴代れきだい興行こうぎょう収入しゅうにゅう記録きろくえた[ちゅう 2]

概要がいよう[編集へんしゅう]

1980ねん昭和しょうわ55ねん)に宮崎駿みやざきはやおアニメ企画きかくあんのイメージボードとして構想こうそうした同名どうめい作品さくひんがあり(宮崎駿みやざきはやおイメージボードしゅう』。ISBN 4-06-108068-7 1983ねん収録しゅうろく)、1993ねん平成へいせい5ねん)にそれをもとにした絵本えほん『もののけひめ』。ISBN 4-19-860040-6 )が出版しゅっぱんされている。

1994ねんアニメージュでの『ふうたにのナウシカ』の連載れんさいえた宮崎みやざき1人ひとり準備じゅんびはん最初さいしょあん破棄はきしてべつストーリーを構想こうそう途中とちゅう、『みみをすませば』や『On Your Mark』の製作せいさく中断ちゅうだんするも1995ねん4がつ3にち再開さいかい安藤あんどう雅司まさし作画さくが監督かんとくともにキャラクターづくりから本格ほんかくてき作業さぎょうをスタート。同年どうねん4がつ19にち企画きかくしょ完成かんせい。5月14にち屋久島やくしま5はく6にちのロケハンをし帰京ききょうの5がつ22にちにスタッフルームがもうけられる。

主題歌しゅだいかもののけひめ」(作詞さくし - 宮崎駿みやざきはやお / 作曲さっきょく編曲へんきょく - 久石ひさいしゆずる)をうたよねりょう美一よしかずは、女性じょせいのようなたかこえうたカウンターテナー話題わだいになり、この作品さくひんによってひろ認知にんちされるようになった。声優せいゆうは『平成へいせいたぬき合戦かっせんぽんぽこ』のおキヨの石田いしだゆり、『べにぶた』のマンマユート・ボスの上條かみじょう恒彦つねひこ、『ふうたにのナウシカ』のナウシカの島本しまもと須美すみとアスベルの松田まつだ洋治ようじといった過去かこのジブリ作品さくひんにも出演しゅつえんしたもの起用きようされている。

製作せいさく[編集へんしゅう]

映像えいぞう[編集へんしゅう]

作画さくが枚数まいすう
これまで宮崎駿みやざきはやお監督かんとくした長編ちょうへんアニメは、おおよそ5まんから7まんまいほどの作画さくが枚数まいすう製作せいさくされてきたが、ほんさくでは14まんまい以上いじょうもの枚数まいすう使用しようされた。宮崎みやざきは「ジブリを使つかいつぶす」ほどの覚悟かくご桁外けたはずれの労力ろうりょく物量ぶつりょうほんさく投入とうにゅうしたというが、以降いこうの『せん千尋ちひろ神隠かみがく』(やく11.2まんまい)や『ハウルのうごしろ』(やく14.8まんまい)、『がけうえのポニョ』(やく17まんまい)もほぼどう規模きぼかそれ以上いじょう枚数まいすうであり、スタジオジブリの制作せいさく体制たいせいそのものを刷新さっしんする結果けっかとなった。
デジタル体制たいせいへの移行いこう
スタジオジブリ最後さいごセル使つかった作品さくひんとなった。この作品さくひんでもサンのかおいた血糊ちのりデイダラボッチ3DCGつくった画面がめん多重たじゅう合成ごうせいおこなわれ、製作せいさくスケジュールのみでデジタル彩色さいしき一部いちぶ使用しようされていたが、以降いこうのジブリ作品さくひん線画せんがをコンピュータにみ、デジタル彩色さいしき手法しゅほうもちいるフルデジタル処理しょり製作せいさくされるようになった。
また、タタリしんやデイダラボッチのうご触手しょくしゅも、3DCGのパーティクルによる流体りゅうたいシミュレーション機能きのう応用おうようして制作せいさくされている。ラストの植物しょくぶつ芽吹めぶ再生さいせいしていくシーンでも3DCGによる制作せいさくおこなわれており、こうした3DCGを積極せっきょくてき利用りようした最初さいしょのジブリ作品さくひんとなった。
美術びじゅつイメージ
ほんさく背景はいけい総力そうりょくげるために美術びじゅつ監督かんとく5にんせいとする。まず1995ねん5がつ14にち山本やまもと二三ふみ田中たなか直哉なおや武重たけしげ洋二ようじの3にん宮崎駿みやざきはやお監督かんとく安藤あんどう雅司まさし作画さくが監督かんとく動画どうがチェックの舘野たての仁美ひとみ太田おおた清美きよみ福留ふくとめ嘉一きいちらととも舞台ぶたいとなるシシしんもりえがくために屋久島やくしま5はく6にちのロケから参加さんか帰京ききょう武重たけしげは『On Your Mark』のためいち降板こうばん
同年どうねん6がつ10日とおか男鹿おが和雄かずお参加さんかしアシタカがむエミシのむらえがくために白神しらかみ山地さんち取材しゅざいおとずれている。青森あおもりけんあじさわまち津軽つがるとうげ天狗てんぐとうげ一ツ森ひとつもりまちなどを写真しゃしんったりえがいたりしながらあるまわり、そのときのイメージを作品さくひんにちりばめている。その同年どうねん7がつ1にち黒田くろださとしが7がつ11にち武重たけしげ洋二ようじがそれぞれINし、さらにCGてき背景はいけいつくろうと福留ふくとめ嘉一きいち特殊とくしゅ美術びじゅつ任命にんめいされ、11月5にち山本やまもとがチーフとなる。

テーマ[編集へんしゅう]

かみごろし」のモチーフ
作中さくちゅうえがかれる「かみごろし」のモチーフは、小説しょうせつギルガメシュ』からの影響えいきょうであるが、過去かこ作者さくしゃ梅原うめはらたけしからアニメ要求ようきゅうがあったさいは、映像えいぞうするほどかれないとしてことわっている。ほんさく梅原うめはらは、ているようで別物べつものだとかたっている[8]
ハンセン病はんせんびょう
宮崎みやざきはこの作品さくひんとおしてハンセン病はんせんびょうへのかんがえを表現ひょうげんした[9]

宣伝せんでん[編集へんしゅう]

タイトル
鈴木すずきプロデューサーのもとに宮崎みやざきたずねてきて「鈴木すずきさん、タイトルえようとおもうんだけど、『アシタカ𦻙[ちゅう 3]でいこう」ということになりはなしはそこで終了しゅうりょうした。鈴木すずき敏夫としおプロデューサーは直感ちょっかんてきに『もののけひめ』というタイトルがっていたので、金曜きんようロードショーない放送ほうそうした製作せいさく告知こくちCMのはつほうを『もののけひめ』のタイトルで強行きょうこうして制作せいさくした。しばらくしてことの次第しだいをききつけた宮崎みやざきはさらにがることはなかった。
キャッチコピー
映画えいが公開こうかいのキャッチコピー「きろ。」は、糸井いといしげるさとによるもの。完成かんせいまでには糸井いとい鈴木すずき敏夫としおプロデューサーのあいだはげしいやりりがあり、ぼつになったコピーあんは50ほんちかくあった。おも候補こうほに「おそろしいか、いとしいか。」「だいじなものは、ありますか。」「おまえは、まぶしい。」「むかし々は、いまいま。」「ぬのと、きるの、どっちがきだ。」「ぬなっ。」などがある[10]

音楽おんがく[編集へんしゅう]

音楽おんがく担当たんとうした久石ひさいしゆずるは、映画えいが公開こうかいの2ねんまえ宮崎駿みやざきはやおわせをおこなったさい映画えいが内容ないようよりもいまなぜこの作品さくひんつくらなければならないかという覚悟かくごはなしをされたという。宮崎みやざき熱意ねつい圧倒あっとうされた久石ひさいしほんさく音楽おんがくフルオーケストラくことにめ、管弦楽かんげんがく東京とうきょうシティ・フィルハーモニック管弦楽かんげんがくだん担当たんとうした。これまでの宮崎みやざき作品さくひんでは臨時りんじ編成へんせいのオーケストラによる演奏えんそうであったが、ほんさくはじめて常設じょうせつのプロオーケストラが起用きようされた[11][12][13]
久石ひさいしほんさくのためにYAMAHAVP1や、AKAIサンプラーなどを使用しようしたデモを制作せいさくし、そこからさらに本編ほんぺんのためのオーケストラスコアをげた。音楽おんがくオーケストラ主体しゅたいであるが、シンセサイザー全編ぜんぺん多用たようされているほか、かず太鼓たいこ篳篥ひちりきりゅうふえなどの和楽わらくや、南米なんべいケーナ使用しようされている[14]久石ひさいしほんさくつぎさくの『せん千尋ちひろ神隠かみがく』とともに、「スタンダードなオーケストラにはない要素ようそ導入どうにゅうしながら、いかにあたらしいサウンドをしていくか、というチャレンジをこころみていた時期じきですね」と述懐じゅっかいしている[15][16][17]
冒頭ぼうとうの「ドーン」というおとは、サンプリンググランカッサとエスニックけい太鼓たいこ、シティ・フィルのだい太鼓たいこティンパニなどをミックスした合成ごうせいおんで、映画えいがかんでは椅子いす振動しんどうする効果こうかるほどひとつのおとたいしてもこだわってつくられた。久石ひさいしは「今回こんかいいがくなるまで最後さいごまで仕上しあげたとおもってます。ひきずるモノがまったくありません」「この仕事しごとわってほしくない。でもてないからはやわれとか色々いろいろおもいました(笑)」とべている[18][19]
これまでの宮崎みやざき作品さくひんのエンドロールはすべれていたが、ほんさくでは文字もじだけになっている。そこに主題歌しゅだいかとメインテーマがながれるが、宮崎みやざきは「これはやっぱりきちんとくにあたいする音楽おんがくになったなとおもいます」「その音楽おんがくだけはそのまますわっていていてしい」とかたり、ほんさく音楽おんがくについて「自分じぶんたち作品さくひんもっともふさわしい才能さいのうさがしたあげく、結局けっきょく、いつも久石ひさいしさんにたどりくというかえしだった」とべている[20][21]

あらすじ[編集へんしゅう]

プロローグ
中世ちゅうせい室町むろまち時代ときよころ[22][23])の日本にっぽん舞台ぶたいひがしきたあいだにあるとわれるエミシのむら少年しょうねんアシタカは、むらおそったタタリしんばれるもの退治たいじしたさい右腕うわんのろい(のろ)いをけてしまう。その正体しょうたいは、何者なにものかになまりのつぶて[24]まれ、ひとへのにくしみからタタリしんした巨大きょだいいのしししんナゴのまもり)であった。アシタカはのろいのためむらわれ[ちゅう 4]のろいをためにもいのしししん西にしへと旅立たびだつ。
序盤じょばん
アシタカはたび道中どうちゅうらんさまたげに奔るさむらいとのたたかいやなぞおとこジコぼうとの出会であいをて、ふるかみむという"シシしんもり"にかう。谷川たにがわきし辿たどくと、そこにはたにかわながされ、気絶きぜつしているおとこたちがいた。かれらをきしたす対岸たいがんると、そこにはきずついた山犬やまいぬ1人ひとり少女しょうじょ姿すがたがあった。山犬やまいぬ少女しょうじょはアシタカをにらみつけ、そのっていく。
そのアシタカたちは、もりはしコダマう。案内あんないされるようにもりなかすすみ、おくいけきしくと、そこには金色きんいろひか鹿しかのようなものシシしん)の姿すがたがあった。その姿すがた瞬間しゅんかん、アシタカのうでのあざがはげしく反応はんのうする。
シシしんもりけておとこたちむらくと、そこは「タタラじょうばれる、てつつくむらであった。そのおさめるエボシは「石火矢いしびや」とばれる火砲かほう村人むらびとつくらせており、それを使つかってもりむ「もののけ」や、むらてつねらさむらいたちからむらまもっていた。
かれらはてつつくため自然しぜん破壊はかいしているという自覚じかくはあったが、シシしんやもののけたちうやまっているわけではなかった。アシタカはそこで村人むらびとたちはなしくにつれ、かれらにとってエボシという存在そんざいは、きる希望きぼうあたえてくれるものであることる。そして同時どうじに、自分じぶんのろいをあたえたいのしししんなまりのつぶてをんだのもじつはエボシである、という事実じじつことになる。
中盤ちゅうばん
そのよる、エボシのいのち「もののけひめねらいにる。その正体しょうたいはアシタカが川岸かわぎしった、山犬やまいぬそだてられた人間にんげんむすめサンであった。アシタカは窮地きゅうちおちいったサンをすくうが、同時どうじ瀕死ひんし重傷じゅうしょうってしまう。アシタカはたおれながら「きろ」とサンにかたりかけるも、ひとにくむサンはみみたず、アシタカをころそうとする。しかしそのとき、サンはアシタカから「そなたはうつくしい」とわれて動揺どうようし、おもまる。
そのサンは、アシタカをなまつかさどるシシしんまうみずうみれてく。シシしんがアシタカのきずいやすのを彼女かのじょは、アシタカをかすことめ、介抱かいほうする。アシタカは次第しだいしんひらいていくサンの姿すがたて、もりひとあらそわずにみちいのか、とおもなやむようになる。
終盤しゅうばん
そのころタタラじょうには、エボシにシシしんころしをさせようとするあやしげな装束しょうぞくおとこたち集結しゅうけつしていた。かれらをひきいるのはジコぼうである。おとこたち天朝てんちょうよりシシしんころしを許可きょかされ、不老不死ふろうふしちからがあるとうわさされるシシしんくびねらっていた。エボシたちもまた、もりひらくのをもののけたち邪魔じゃまされたくなかったため協力きょうりょく約束やくそくしたのである。タタラじょう出発しゅっぱつしたエボシたちは、人間にんげんとの最終さいしゅう決戦けっせんおこなおうとするいのしししん大群たいぐん大戦たいせんそうはじめる。ところが、エボシが留守るすにしたタタラじょうは、てつねらっているさむらい集団しゅうだんおそわれてしまう。
れるなかもりなかでアシタカはシシしんいけかうエボシにい、かみころしをめてさむらいおそわれているむらかえるようつたえる。彼女かのじょわかれたアシタカはサンをさがしにもりおくくが、エボシはかまわずみずうみかうのであった。
ラスト
いけ月光げっこうび、よる姿すがたわろうとするシシしんつけたエボシは、気絶きぜつしたサンをかかえたアシタカがめるのもかまわず、ついにそのくびる。するとシシしんからだから不気味ぶきみ体液たいえき大量たいりょうり、それにれたものたちに、れてしまう。やがて体液たいえき津波つなみのようないきおいでやまくし、もりてて、タタラじょう壊滅かいめつしてしまうのであった。
目覚めざめたサンは、もりもりんだと絶望ぜつぼうし、人間にんげんたいするにくしみを爆発ばくはつさせる。しかし、アシタカはまだのぞみはあるとサンを説得せっとくし、二人ふたり協力きょうりょくして、シシしんくびってげようとするジコぼうめ、くびをシシしんかえす。シシしんくびもどしたが、朝日あさひびると同時どうじたおれてえる。その瞬間しゅんかんふうき、てたやまにはわずかながらみどりもどり、アシタカのうでのろいもえた。
エピローグ
アシタカのプロポーズにたいし、サンは「アシタカはきだが、人間にんげんゆること出来できない」とこたえる。アシタカは「それでもいい、サンはもりわたしはタタラじょうらそう、ともきよう」とかたる。エボシもタタラじょう村人むらびとたちに、「あらたにむらつくろう」とかたりかけるのであった。
最後さいごに、たおれた一本いっぽん大木たいぼくうえ芽生めばえた若木わかぎよこに、1たいのコダマがあらわれて、あたまうごかしカラカラとおとてる場面ばめんわる。

登場とうじょう人物じんぶつ[編集へんしゅう]

主要しゅよう人物じんぶつ[編集へんしゅう]

アシタカ
ほんさく主人公しゅじんこう。17さい。ヒイさまは「アシタカヒコ」とぶ。エミシ(蝦夷えぞ現在げんざいアイヌ民族みんぞくとするせつもある)がヤマト(大和やまと、ヤマト王権おうけんまたは大和やまと朝廷ちょうてい)とのたたかい(平安へいあん時代じだいきた坂上田村麻呂さかのうえのたむらまろ蝦夷えぞ征討せいとう)にやぶれてから500ねんあま経過けいかし、朝廷ちょうてい将軍しょうぐんおとろえていた時代じだいに、ひがしきたあいだにあるとわれるむらまれたエミシ一族いちぞく数少かずすくない若者わかもの(エミシ一族いちぞくすで衰亡すいぼうしつつあることをヒイさまたちくちにしている)。かつて田村たむら麻呂まろひきいる朝廷ちょうていぐん勇敢ゆうかんたたかった、エミシの勇者ゆうしゃアテルイ高貴こうきまれで、エミシ一族いちぞく族長ぞくちょうとなるための教育きょういくけ、それにふさわしい気品きひんつ。無口むくちであるが正義せいぎかんつよく、またいさぎよ[26][27]むらおそおうとするタタリしんはなち、いのちうばことえにのろいをける。それがきっかけとなり、むらわれる。むらまえに、ヒイさまたちのまえまげ成人せいじんした男子だんしあかし[28])をり、神体しんたいいわかべささげた[29]。まげをったときに、かれむら人間にんげんとしてらす資格しかくてた[30][28]かれ黒曜石こくようせきせい[31]わらび手刀てがたな[28]
右腕うわんには、のろいのしるしである「赤黒あかぐろあざ」がのこる。それは「強大きょうだいちから[ちゅう 5]あたえるわりに、すこしずつのろいが進行しんこうしていのちうばっていく」というものである。こののろいは強大きょうだいちから発揮はっきするときに、くろへびじょう変化へんかすることがあり、タタリヘビという[26]武器ぶきをもってひとあらそおうとしたり、タタリしんうらみをものちかくにいたりすると、突然とつぜんのろいがあばす。こうなると、アシタカにけっしてひところはなくとも、自分じぶんでは制御せいぎょできないのろいのちからのせいでころすことになる。ひときずつけたり、あやめたのちにはのろいがさらに進行しんこうしている。タタリヘビがあらわれたとき不明ふめいであるが、のろいがあばれているときには、うでのあざがつよはげしいいたみとねつはっするため、そのちから使つかったのちは、うでみずをかけたりすいひたしたりして、いたみとねつやわらげる必要ひつようがある。くびうばわれたこといのちうばくろ体液たいえきをまきらし、暴走ぼうそうしていたシシしんに、サンとともくびかえし、シシしんかぜびたのち右手みぎてにわずかなきずあとはのこったもののあざはり、ようやくのろいによるからまぬかれること出来できた。
狩猟しゅりょうきたげたすぐれた弓術きゅうじゅつ作中さくちゅうはずしたのはさむらいかぶとかれたときのみである)と[26][27]たか身体しんたい能力のうりょくわせつ(さむらいはなった至近しきん距離きょりかつ素手すでめるはなわざをやってのけている)。また、トキいわく「いいおとこ」で、タタラじょうおんなたちにもおおいにモテていた。敵対てきたいする相手あいてには容赦ようしゃ一方いっぽうで、無益むえき殺生せっしょう必要ひつよう暴力ぼうりょくのぞまない誠実せいじつ温和おんわ性格せいかくでもあるため、牛飼うしかいおとこたちやジコぼうからも好感こうかんたれる。くわえて山犬やまいぬむすめのサンのしんひらき、モロのきみ乙事おっことぬしからも一目いちもくかれ、シシしんもそのいのちたすけている。エミシ一族いちぞく自給自足じきゅうじそくため硬貨こうか[ちゅう 6]たない。監督かんとくはなしによると、エミシのむらちか東北とうほくきむ産地さんちなので、かれ砂金さきん大粒おおつぶっていた[30]
サン
ほんさくのヒロイン。15さい[32]もののけひめいぬしん山犬やまいぬ)にそだてられた人間にんげん。モロのきみによると「もりおかした人間にんげんが、きばのがれるためげてよこした赤子あかご」だという。かおあかぎゃく三角形さんかっけいずみ[33]しろ山犬やまいぬきの毛皮けがわ外套がいとうしろそでなしのふくと、そのした紺色こんいろそでなしのふくしろふくろじょう革靴かわぐつといういでたち。たたかときあかめん[26][34]みみきのしろ山犬やまいぬ毛皮けがわこうむる。山犬やまいぬきば出来でき短剣たんけんやり[33]。アシタカとったとき彼女かのじょはモロのきみった石火矢いしびや(いしびや)のきずから、なまりどくふくくちり、していた[35][36]
自分じぶんたちの住処すみかであるもりらされたうらみから人間にんげんふかにくんでおり、巨大きょだい山犬やまいぬにまたがり、タタラじょう宿敵しゅくてきであるエボシ御前ごぜんいのちねらっていくとなく襲撃しゅうげきかえす。自分じぶん山犬やまいぬだとつよおもむが、アシタカにい、こうぶるかみ々とひとあいだしんうご[26]山犬やまいぬうつくしいとおもい、みずからをみにくいとおもっているが、アシタカの「うつくしい」との一言ひとことにひどく動揺どうようする。アシタカがシシしんたすけられたのちかれ介抱かいほうし、かれ口移くちうつしでにくべさせたりした[37][38]。その気絶きぜつしていたかれ目覚めざめたときに、彼女かのじょが「(ヤックルが)はなしてくれた。おまえこと古里ふるさともりことも」とったが、ヤックルは人語じんごはなこと出来できないごく普通ふつう動物どうぶつであるほか、のち彼女かのじょ無言むごん山犬やまいぬからたま小刀こがたな場面ばめんや、終盤しゅうばん彼女かのじょ無言むごんいのしししんから乙事おっことぬし居場所いばしょおしえてもらう場面ばめんなどから、彼女かのじょには動物どうぶつたちとテレパシー会話かいわできる能力のうりょくがあることを示唆しさしている。また、もりそとからの山犬やまいぬ遠吠とおぼえを、彼女かのじょもりなか即座そくざ意味いみ理解りかいする場面ばめんから、彼女かのじょには山犬やまいぬごえ理解りかいする能力のうりょくもあることを示唆しさしている。
名前なまえは、1980ねん宮崎駿みやざきはやおがアニメ企画きかくあんとして構想こうそうした作品さくひんのヒロインが「さんひめ」(さん番目ばんめひめ)であったこと由来ゆらいする[39]
映画えいが最後さいごった「アシタカはきだが、人間にんげんゆること出来できない」は、アシタカのプロポーズにたいするこたえである[40]監督かんとくいわく「(あののちにんはしょっちゅうっている」。その証拠しょうこに、アシタカは「それでもいい。サンはもりで、わたしはタタラじょうらそう。ともきよう。いにくよ」とかえしている。
アシタカが気絶きぜつして、山犬やまいぬである岩屋いわやすう日間にちかんねむつづけているあいだに、ひそかにはりいとでアシタカの衣服いふく修繕しゅうぜんするなど、山犬やまいぬとしてだけでなく人間にんげんとしての家事かじ能力のうりょくたかい。

もののけ[編集へんしゅう]

シシしんディダラボッチ
生命せいめい授与じゅよ奪取だっしゅおこなもりかみ。イメージボードでは鹿しかかみ(ししがみ[41])。よるいのちうばったり、いのちあたえたりしている。よるそのもので、かみなかでは下級かきゅう位置いちする[8]新月しんげつときまれ、つきけととも誕生たんじょうかえす。そのくび不老不死ふろうふしちからがあるとしんじられている[42][43]ひる姿すがた枝分えだわかれした、樹木じゅもくかく[22][44]無数むすう頭頂とうちょうからえた、さるのようにあか人面じんめん[22][44]鹿しか人間にんげんのようなアーモンドかたひとみいろあか〉、山羊やぎのようなみみいのししのように前身ぜんしん発達はったつした胴体どうたいカモシカのようになが体毛たいもう毛色けいろあしおよび頭頂とうちょうから背面はいめんにかけては薄茶うすちゃしょく顔面がんめんしたから腹部ふくぶにかけてはしろ〉、ちいさないぬのような、3つの蹄のあるとりのようなあしといった、無数むすう動物どうぶつ様態ようたいかく植物しょくぶつ出来できている〉をつ)のようなもので、水面すいめんいてあるく。地面じめんではあるたび足下あしもと植物しょくぶつ一斉いっせい成長せいちょうしてはれる。よる姿すがたあたま背中せなか無数むすうのとげのようなものがついたディダラボッチで、独特どくとくくろ模様もようはん透明とうめいからだつ。身長しんちょうじゅうすうmの巨人きょじん体内たいないあおひかりはなちながら、もり徘徊はいかい[42][43]もりそだてている[8]人語じんごはなこと出来できない。アシタカがった石火矢いしびやきずいやした。また、エボシにしん石火矢いしびやかいたれそうになったときに、しん石火矢いしびやつめると、部分ぶぶん枝葉えだはえ、てなくしようとした。
月光げっこうび、よる姿すがたわりはじめた瞬間しゅんかんにエボシのしん石火矢いしびやくびばされたさいは、シシしん姿すがたくびからくろ体液たいえきったのちディダラボッチ姿すがたくびもとめて暴走ぼうそうはじめ、あらゆる生物せいぶついのちった。アシタカとサンのくびかえされたものの、朝日あさひびてたおれると同時どうじ消滅しょうめつしてしまった。そのさいあた一帯いったいわたほど暴風ぼうふうこし、そのふうちからによって枯死こししていた山々やまやま植物しょくぶつよみがえらせた。くろ体液たいえきは、みずき、水上すいじょうではうごきがおそくなる。
アシタカとサンがくびかえ直前ちょくぜんに、くびからなが体液たいえきれ、タタリしんくろいあざがにん全身ぜんしんひろがるが、くびかえし、シシしんかぜびたのち二人ふたり全身ぜんしんのあざがえ、アシタカの右腕うわんのろいのあざも、右手みぎてうすちいさくきずあととしてのこ状態じょうたいになり、のろいはえている。
さらにタタラじょう傷病しょうびょうしゃかぶとろくら)やエボシ(右腕うわんをモロにいちぎられた)、アサノぐんさむらいとの交戦こうせんによって負傷ふしょうしていたヤックル(アシタカがうしあたまたのんであづけて、男衆おとこしゅともにいかだでタタラじょう帰還きかん途中とちゅうむかえた)、サンをせていた山犬やまいぬきずもシシしんふう完全かんぜん治癒ちゆしている。
モロのきみ(きみ)
ほんしろ巨大きょだいな300さいめす山犬やまいぬ。シシしんもりちかくの山頂さんちょう洞穴どうけつにサンや子供こどもたちともむ。乙事おっことぬしとはひゃくねんほどまえまで恋仲こいなかであった。実子じっしの2とう山犬やまいぬ同様どうように、人間にんげんてられたサンをそだて、むすめとしてあいしている。人語じんごかいし、高度こうど知能ちのう強靭きょうじんちからつ。いぬしんとしておそれられているが、子供こどもおもいの母性ぼせいてき性格せいかくであり基本きほんてきには温和おんわあらそいをこのまない。サンと同様どうよう人間にんげんきらっている。シシしんもりおかすエボシ御前ごぜんにくみ、いのちねらっている[26]。ナゴのまもり同様どうようにエボシから石火矢いしびやによるきずわされ、すで身体しんたいよわり、寿命じゅみょうせまっているが、タタリしんしたナゴのまもりちがおのれれている。サンをひととして解放かいほうしようとするアシタカにはきびしくたる一方いっぽう、サンにたいして「かれともきるみちもある」とさと場面ばめんもあった。最期さいごは、タタリしんになりかけた乙事おっことぬしからサンをかえし、彼女かのじょをアシタカにわたしたのちに、力尽ちからつきてたおれ、くび以外いがいはシシしん体液たいえきれるが、執念しゅうねんくびのみでうごき、エボシの右腕うわんいちぎり、そのままシシしん体液たいえきなかんでいった。
モロやくについて、美輪みわこえまえ宮崎みやざきから「モロはいわば観世音菩薩かんぜおんぼさつなんです」とげられた。くわえて「普段ふだん美輪みわさんのままえんじてくださればいいですよ」とげられ、アフレコはある程度ていどスムースにいった[45]
しかし終盤しゅうばんモロが乙事おっことぬしに「もはや言葉ことばまでくしたか」とうシーンで、美輪みわ台本だいほんだけではモロの感情かんじょうがつかめなかった[ちゅう 7]。そこで美輪みわがシーンの意図いとたずねると、宮崎みやざきはニヤリとわらって「とおむかしモロと乙事おっことぬしは"いいなか"(恋愛れんあい関係かんけい)だったんです」とげた。この一言ひとこと美輪みわすべてを理解りかいして[ちゅう 8]えんじると、一発いっぱつでOKがもらえたとのこと[45]
いのししかみ
人語じんごはな巨大きょだいいのししかみ大半たいはんちゃしょく毛並けなみで、例外れいがいしろ毛並けなみの乙事おっことぬし茶色ちゃいろ毛並けなみであるナゴのもり
人間にんげんにくんでいるてんでは山犬やまいぬおなじである。また、一族いちぞく結束けっそくつよく、みずからのほこりを優先ゆうせんする傾向けいこうがあるが、それゆえにかたまったかんがえをしており、九州きゅうしゅうもりおもである乙事おっことぬしともにシシしんもりいのかみたち山犬やまいぬとの会談かいだんでも、ナゴのまもりを「山犬やまいぬがシシしん一人占ひとりじめして、たすけずに裏切うらぎった」、「山犬やまいぬがナゴのまもりころした」とめつけて非難ひなんした。終盤しゅうばん人間にんげんたたかまえに、モロによると、シシしんもりちかくのもりを、乙事おっことぬしたちらしたという。その乙事おっことぬしのぞいのしししん全員ぜんいんしろどろからだり、たたかいのため化粧けしょうをした。
作中さくちゅうではタタリしん変貌へんぼうしたナゴのまもりがアシタカにたれ、乙事おっことぬしとも人間にんげんそう攻撃こうげき仕掛しかけた多数たすういのしししん乙事おっことぬしのぞいて全滅ぜんめつ、さらに乙事おっことぬし自身じしんもタタリしん変貌へんぼうしかけた、シシしんいのちられた。
ナゴのもり(かみ)
冒頭ぼうとう登場とうじょうしたタタリしん正体しょうたいであり、アシタカがタタラじょうおもむくきっかけとなった巨大きょだいゆういのしししん乙事おっことぬしともいのかみたちからはうつくしくつよ兄弟きょうだいだとしょうされている。
元々もともと現在げんざいのタタラじょう領域りょういきにあったもり生息せいそくしているいのししかみたちたばねるおもであり、もりひらこうとする人間にんげん排除はいじょつづけていたが、エボシ御前ごぜんひきいて討伐とうばつしてきた石火矢いしびやしゅ石火矢いしびやにより同胞どうほうころされ、自身じしん重傷じゅうしょうい、くるしみとへの恐怖きょうふ劣勢れっせいからもりし、なが逃避行とうひこうなかのろいをみつつ、怨念おんねんなどのまけ感情かんじょう増大ぞうだいさせ、ついにはタタリしん変貌へんぼう前述ぜんじゅつもりからはるとおはなれたアシタカのむらへとたどりくと人間にんげんおそおうとし、めようとしたアシタカの右腕うわんのろいをけたが、かれたれたこと本来ほんらい姿すがた意識いしきもどし、かれたましいなぐさしずめたいというヒイさまたいして、人間にんげんたちへの呪詛じゅそ言葉ことばきながらけ、ほねした。そのヒイさま命令めいれいによりむらづか埋葬まいそうされた。
アシタカがタタラじょう到着とうちゃくに、山犬やまいぬ攻撃こうげきたに転落てんらくして死亡しぼうしたうしいの通夜つやさいに、男衆おとこしゅあいだでアシタカに説明せつめいするエボシの偉業いぎょうとしてナゴのまもり退治たいじ話題わだいがり、アシタカの右腕うわんいたんだ。
アシタカの右腕うわん暴走ぼうそうは、エボシに秘密ひみつえん病者びょうしゃ紹介しょうかいされるさいに(病者びょうしゃたちがエボシにたのまれ、しん石火矢いしびや開発かいはつちゅうなのをて)、エボシを殺害さつがいしようとして発生はっせいし、かれ左手ひだりて必死ひっしおさえたが、結局けっきょく病者びょうしゃちょう説得せっとく完全かんぜんおさまった。
乙事おっことぬし(おっことぬし)
よんほんきば巨大きょだいしろゆういのしししん。500さいさい長老ちょうろう
老齢ろうれいためすでえないが、嗅覚きゅうかく洞察どうさつりょくするどく、ジコぼうたち偵察ていさつ見抜みぬき、また重傷じゅうしょうでありながらも巨大きょだいいわ体当たいあたりで粉砕ふんさいするとう身体しんたい能力のうりょくたかい。
モロいわく「すこしははなしかるやつ」であるが、ぬとかっていてもいのしししん一族いちぞくほこりを優先ゆうせんしてしまうことがあり、モロとのわかぎわには、「たとえ一族いちぞくがことごとくほろぼうとも、人間にんげんおもらせてやる」とつぶやいている。モロのきみとは旧知きゅうち間柄あいだがらなか元々もともと恋人こいびと同士どうしであった)であり、もりおか人間にんげんにくんでいるてんでは意見いけん一致いっちしているものの、人間にんげんへの対抗たいこう方針ほうしんめぐって意見いけん対立たいりつしており、ひゃくねんほどまえわかれた[46]。また自分じぶん一族いちぞくが、食料しょくりょうとして人間にんげんられかねないほどに弱体じゃくたいしていること焦燥しょうそうかんつのらせている(いのしししんかれよりからだちいさい。また、かれが「〈一族いちぞく〉みんなちいさく、バカになりつつある」とった)。アシタカの片手かたてからナゴのまもりにおいをり、テレパシーでナゴのまもり最期さいご様子ようすったとおぼしき描写びょうしゃがある。
一族いちぞくであるナゴのまもりけ、鎮西ちんぜい九州きゅうしゅう)からシシしんもりまもるためにいのしししんひきいてうみえて渡来とらい人間にんげんだい攻勢こうせいをかける[42]も、身体中からたじゅうからながすほどの重傷じゅうしょうい、サンとともにシシしんいけかう途中とちゅうんだいのしししんかわをはいでこうむったジバシリを「よみがえった一族いちぞく」と誤認ごにんわなづいたサンの制止せいしかずに、錯乱さくらん状態じょうたいとなりながらいけ暴走ぼうそうする。途中とちゅうたおれたかれかわこうむったジバシリが毒矢どくやし、戦闘せんとうによるきずいたみとどくによるくるしみにより、タタリしんへと変貌へんぼうはじめた。名前なまえ由来ゆらいは、宮崎みやざき別荘べっそうがあった長野ながのけん諏訪すわぐん富士見ふじみまち乙事おっことから(したのエボシ御前ごぜん烏帽子えぼしかぶとろく富士見ふじみまち山梨やまなしけんきたもり小淵沢こぶちさわまちとの県境けんきょうとなるきのえ六川ろくかわ由来ゆらいする。別荘べっそう自体じたい富士見町ふじみちょう高森たかもりにある)[47]
宮崎駿みやざきはやおはモロと乙事おっことぬしむかし恋人こいびと同士どうしであったことコンテや台本だいほん明記めいきせず、美輪みわ明宏あきひろのアフレコの出来でき不満ふまんで、大急おおいそぎでアフレコスタジオにんで、美輪みわ修正しゅうせい指示しじし、もとかれ乙事おっことぬしへのモロの対応たいおうとして、色恋いろこい表現ひょうげんしたおんならしいたかこえ演技えんぎをしてもらい、宮崎みやざき満足まんぞくした[よう出典しゅってん]
モロの
人語じんごする2とうしろゆう山犬やまいぬ兄弟きょうだいははよりからだちいさい。月夜つきよもりはしからてくるときに、黄色きいろひか場面ばめんがある。とも作中さくちゅうばれないので不明ふめい。サンをせ、とも人間にんげんたたか[26]。サンにあまえる場面ばめんがあるため弟分おとうとぶんらしい[48]おもやサンと同様どうようにタタラじょう人間にんげんにくんでいるが、終盤しゅうばんいのししはさまれたのたすけられたさいだれおそわなかった。終盤しゅうばんで1とうがアシタカをエボシのところ案内あんないする途中とちゅうで、自分じぶんよりあしおそかれせた。前述ぜんじゅつの1とうは、アシタカとエボシがもりなか再会さいかいした直後ちょくごに、アシタカをいてサンたちところかった。終盤しゅうばんでサンをせていた1とうは、サンと重傷じゅうしょうった乙事おっことぬしともにシシしんいけかうときかれきずついている。だが、かれきずはシシしんかぜなおった。
猩々しょうじょう(しょうじょう)
さるしんニホンザルより大型おおがた霊長れいちょうるい灰色はいいろ体毛たいもうよるくろえる)。くろひとみよるあかひかってえる)。人語じんごはなこと出来できる。ごとくずされた斜面しゃめんあつまり、もりもどためえようとする。もりうばった人間にんげんにくんでいる[26]人間にんげんたお知恵ちえため人間にんげんべようとかんがえ、サンに重傷じゅうしょうったアシタカをわたすよう要求ようきゅうする。エボシといのかみたちたたかいの直後ちょくごもりはいってきたジバシリにおののきす。
コダマ(木霊こだま
精霊せいれい一種いっしゅで、ゆたかな森林しんりんむ。しろからだあわ緑色みどりいろからだち、あたまうごかすとカラカラというおとる。このおとでシシしん[49]くらもりなかよるあわひかり、はん透明とうめいになったり姿すがたちからつ。人語じんごはなこと出来できない。アシタカがもりはしでコダマたちったとき「ここにもコダマがいる」とっており、エミシのむらちかくのもりにもいる模様もよう[48]。そのもりなかでコダマたちあつまる一本いっぽん大木たいぼくかれが「おまえたち母親ははおやか。立派りっぱだ」とった。怪我人けがにんをおんぶしているアシタカの真似まねをしたり、もりなかまよったアシタカをみちびひとしとく人間にんげん敵意てきいっているわけではないらしい[26]。キャラクターデザインは、もりなにかいるのがえるというスタッフのによるもの[50]
ディダラボッチのくろ体液たいえきいのちわれ落下らっかした個体こたいおおいが、最後さいごのこった1たいあたままわしてカラカラとおとらす。
監督かんとくとジブリスタッフのはないのなかで、コダマはすうひゃくねんすうせんねん単位たんい長期ちょうきわたってもりなか成長せいちょうして、最終さいしゅうてきにはトトロになるとされており、『となりのトトロ』に登場とうじょうしただいトトロも、コダマがほんさく『もののけひめ』の室町むろまち時代じだいから『となりのトトロ』の現代げんだい昭和しょうわ30年代ねんだい)まで、500ねん程度ていど経過けいかした姿すがたとされる。
タタリしん
作中さくちゅう登場とうじょうした巨大きょだい荒神こうじんうごくだけで足元あしもと植物しょくぶつ地面じめんけただれたものにえるひとし差別さべつのろいとをまきらすため人間にんげんからおそれられている。
元々もともといのしししんであり、瀕死ひんし重傷じゅうしょうい、への恐怖きょうふ人間にんげんへのにくしみによってのろいをあつめて変貌へんぼうした姿すがたへびじょう触手しょくしゅをまとっている。
作中さくちゅう登場とうじょうしたタタリしんは2とうおり、それぞれ姿すがた経緯けいいことなる。
ナゴのまもり
赤黒あかぐろへびじょう触手しょくしゅおおわれた姿すがたあかひかる。触手しょくしゅ変幻へんげん自在じざいあやつこと出来でき本来ほんらい姿すがたでは不可能ふかのうおもわれる行動こうどう垂直すいちょくちかいわかべったり、てい姿勢しせいもりなかばくそうしたり、機械きかいてき方向ほうこう転換てんかんしたりひとし)をこと可能かのう
アシタカのむらおそおうとしたさいかれ左目ひだりめ射抜いぬかれるも、触手しょくしゅばしてかれ右腕うわんにまとわりつきのろいをのこしたが、最期さいごはこめかみを射抜いぬかれてたおれた。
乙事おっことぬし
身体中からたじゅういたところから赤黒あかぐろへびじょう触手しょくしゅえた姿すがた。ナゴのまもりちが完全かんぜんなタタリしんではないが、言語げんご能力のうりょくうしない、きながら猛進もうしんするとうかつての面影おもかげくなった。
サンをみ、彼女かのじょもどそうとからだいたアシタカをおおきくはらったのち、モロのきみにサンをかえされた。その、こちらへかってるシシしん存在そんざいかんじて、への恐怖きょうふしんから呆然ぼうぜんとしてうごけなくなったうえに、触手しょくしゅけてかたちがなくなり、最期さいごはシシしんいのちわれたおれた。へびじょう触手しょくしゅは、みずけてなくなる。
なお、ナゴのまもりのようにのろいをはっすることはなく、またぎわ言葉ことばはっしたナゴのまもりとはちがい、最期さいごまで言語げんご能力のうりょくうしなったままであった。

動物どうぶつ[編集へんしゅう]

シシしんもりには、上記じょうきの「もののけ」とばれるかみ精霊せいれいほかにも動物どうぶつ鹿しか[51]くま〈ジコぼう毛皮けがわこうむっている[52]〉、ちょう[53]ひかりちゅう、オカモンガ[33]、ナメムジナ[33]、ヒネネズミ[33]〈ヒネネズミはロマンアルバムのなかコンテでは、ヒネ鼡とも表記ひょうき〉、ミノノハシ[33]〈ミノノハシは『天空てんくうしろラピュタ』にも登場とうじょうし、かれらがラピュタじょう水辺みずべにいたとき主人公しゅじんこうのパズーたちおどろき、みず場面ばめんがある。また、漫画まんがふうたにのナウシカ』ワイドばんだい7かんおに〈ドルク〉というくににあるにわ水辺みずべにも登場とうじょうする〉)がいる。前述ぜんじゅつひかりちゅうからミノノハシまでは架空かくう動物どうぶつ。なお、シシしんもりにはひかりこけえている[54]
ヤックル
「アカシシ」とばれるだいカモシカ。アカシシは現代げんだいでは絶滅ぜつめつしたという設定せってい架空かくう動物どうぶつ[55][56](ミノノハシと同様どうように、漫画まんが『ナウシカ』のおににわにいる、ひとれるほど大型おおがた山羊やぎたち〈1とうだけケストというがついている〉に形態けいたい)。あか茶色ちゃいろ体毛たいもうおおきなかく人語じんごはなこと出来できない。主人しゅじんであるアシタカとはつね一心いっしん同体どうたい関係かんけいにある。のちにサンやモロのたちしたしくなる。アカシシはふるくからエミシ一族いちぞく騎乗きじょうよう使つかわれており、ヤックルのほかにもむらわれている個体こたい描写びょうしゃがある。

タタラじょうみん[編集へんしゅう]

エボシ御前ごぜん
深山ふかやまふもとで、タタラひきいるおんな棟梁とうりょう
冷静れいせい沈着ちんちゃく女傑じょけつで、サンと互角ごかくたたかいをひろげるほどの卓越たくえつした剣術けんじゅつ腕前うでまえち、さらに、山犬やまいぬ特性とくせい熟知じゅくち緻密ちみつ戦略せんりゃくてるひとし非常ひじょうあたまれる。やまけずってたきぎもって、かわをさらって砂鉄さてつかし、てつ石火矢いしびやをもつく工房こうぼうをきずきあげたが、それが今回こんかいあらそいのもととなる。
敵対てきたいするものには容赦ようしゃがなく、必要ひつようとあらばタタラじょう人間にんげんをも見捨みすてることさえもけっしてさない。また、自分じぶんたちらしをよりゆたかにするためならば、もりひらき、かみころしをすることすらもおそれない。一方いっぽうで、られたむすめいたるり、本来ほんらい女人にょにん禁制きんせいのタタラじょう仕事しごとあたえているほか業病ごうびょうにかかり、迫害はくがいされた病者びょうしゃたちをもひととして丁重ていちょうあつか慈愛じあいしんち、タタラじょう人々ひとびとうやまわれ、したわれている[42]
終盤しゅうばんでジコぼうとも部下ぶかれて、シシしんりにかうが、しん石火矢いしびやでシシしんくびとしたのち、モロのきみ右腕うわんいちぎられる。右腕うわんきずは、シシしんかぜびたことによりかんなおしている。
シシしん消滅しょうめつしたのちは、のこったタタラじょうものたちともに、あたらしいむらづくりをすること決意けついした。
映画えいが最後さいごのタタラじょう村民そんみんたちへの報告ほうこくでは山犬やまいぬはこばれたと発言はつげんしているので、シシしん退治たいじでモロに右腕うわんいちぎられたのち映像えいぞうには描写びょうしゃされていないが、シシしん体液たいえきから離脱りだつするためにアシタカがたのんだようで、モロのはこばれ救助きゅうじょされており、アシタカへ感謝かんしゃして、村民そんみんたいしてアシタカをびにってくれと発言はつげんしている。
監督かんとくはなしによると、むかし白拍子しらびょうしであったというせつもある[30]宮崎駿みやざきはやお著書ちょしょかえてん』によると、「鈴鹿すずかさんだて烏帽子えぼし」とばれた伝説でんせつじょう人物じんぶつ鈴鹿すずか御前ごぜんがモデルである。
タタラじょうつく以前いぜんは、やまと頭目とうもく人質ひとじちというかたち強引ごういん奥方おくがたにさせられていたが、頭目とうもく配下はいかであったゴンザとひそかに協力きょうりょくし、謀反むほんちかかたちおっとである頭目とうもく殺害さつがいしてぜん財産ざいさんうばい、やまと寇から脱走だっそうしたとされる。
そのさいに、中国ちゅうごくあきらくにから最新さいしん兵器へいき石火矢いしびや鉄砲てっぽう原型げんけいないし類似るいじ武器ぶきげきちゅう登場とうじょうするものは、てつ出来できている。発射はっしゃするのはなまりたま[24])を自分じぶん自身じしん日本にっぽんかえってきたとされる。
ゴンザ
エボシの近侍きんじ禿頭はげあたま大男おおおとこうしいやワラット(わらわらせいかさこうむるエボシの護衛ごえい)の頭分かしらぶん
威張いばかつ短気たんきであり、アシタカをあいだしゃうたがうが、本人ほんにんいたって真面目まじめ。アシタカの右腕うわんにタタリヘビがあらわれたときはもののけとうたがった。ただし、トキにはかされているうえ信用しんようされておらず、エボシをまもるとちかったときに「それが本当ほんとうならね」とわれて彼女かのじょにツッコミをれると「アンタもおんなだったらよかったのさ!」とかえされた。ひそかにエボシにれている[42]
うでぷしつよおおぶりの長刀ちょうとう愛用あいようしているほか、当時とうじとしてはめずらしく文字もじにも堪能かんのうである。またカナヅチでもある。
エボシがタタラじょうつく以前いぜんやまと寇時だいからの腹心ふくしん側近そっきんであるらしい。
うし
タタラじょう男衆おとこしゅによる牧畜ぼくちく荷駄にだにな職能しょくのう集団しゅうだん
おも男性だんせい職業しょくぎょううしらし、うし荷物にもつけてべいてつ運搬うんぱん仕事しごとにな[26]石火矢いしびやしゅうとはことなり基本きほんてき丸腰まるごしで、普段ふだん山犬やまいぬなどにおそわれうる危険きけん役回やくまわりゆえに、死傷ししょうしゃすこともけっしてめずらしくない。
自衛じえいのために、移動いどうちゅう石火矢いしびやしゅによる護衛ごえいけるが、それでも山犬やまいぬおそわれて甚大じんだい被害ひがいした。
げきちゅうではかぶとろくふくめ3にん石火矢いしびやしゅ1にんふくめると、けい4にん)が山犬やまいぬおそわれてたにそこ転落てんらくし、かぶとろくだけがアシタカに救助きゅうじょされ生還せいかんし、のこり2にん死亡しぼうあつかいで通夜つやいとなまれている。
かぶとろく
トキのおっとうしいの一人ひとり集中しゅうちゅう豪雨ごううなかこめ運搬うんぱんちゅう、モロのおそわれたに転落てんらくし、かわなかからアシタカにたすけられた。あかるくドジであるがにくめない性格せいかく[42]つまのトキにはいつもかされてばかりであたまがらない。うしともたに落下らっかしたさいには右腕うわん骨折こっせつしたが、シシしんかぜびたのちれたうでなおっていた。怪我けが影響えいきょうでエボシひきいる男衆おとこしゅのシシしん退治たいじ参加さんかできなかったが、戦死せんししゃ多数たすう乙事おっことぬしいのしししん一族いちぞくとの激戦げきせん参加さんかせずにみ、塞翁さいおううま状態じょうたいになった。コダマがまえ出現しゅつげんしたときに(シシしんこわいので)おびえながら、アシタカに「こいつらはシシしんぶんだ」とおし[57][49]、アシタカからシシしんことかれたときに「(山犬やまいぬより)もっとおっかねぇもの親玉おやだまだ」とった。シシしん体液たいえきれたやまみどりが、シシしんふうでわずかに芽吹めぶくと、「すげぇ。シシしん花咲はなさきかじじいだったんだぁ」とおどろいた。
タタラじょうでは、つまのトキとともに防戦ぼうせんするおんなしゅ加勢かせいし、侵攻しんこうしてきたアサノぐんたたかうが、うで負傷ふしょうしていて武器ぶき使つかえず、戦力せんりょくとしてはまった活躍かつやくしていなかった。さらにアシタカがやってきたさいあずかっていた弓矢ゆみや手渡てわたすが、みのくらってなかったので、トキに「この役立やくだたず!」とめられる。
ジバシリのことをっていたらしく、おんなしゅ気味悪きみわるがっているなか、ただ一人ひとり「ありゃただの狩人かりゅうどじゃねぇ。ジバシリだ」とおしえている。
うしあたま
うしいたちの親方おやかた。アシタカのあんじており、かれころそうとしたからかされん農具のうぐなぐったり、いのしししん死体したい下敷したじきとなりながらのこっていた1とうのモロのを(エボシのところ案内あんないしてもらうためたすすなど、終始しゅうしアシタカに協力きょうりょくてき態度たいどせっする。
ばん
タタラ(踏鞴)をみ、砂鉄さてつかすためのおんなしゅ。4にち5ばんあいだやすむことなくおこなう。
トキ
ばんあたまかぶとろくつま。ゴンザをかし、おっとにも愛情あいじょうゆえのきつい言葉ことばげつけるほど、つよきもわった人物じんぶつおんなしゅあたま人的じんてき存在そんざいである。
タタラじょうがアサノぐん攻撃こうげきったさいにはてき攻撃こうげき合間あいまいちばんちゅうきて警戒けいかいし、シシしん体液たいえきがタタラじょうおそってきたときもアシタカがさいけた「れるといのちわれるがみず進行しんこうおそくなる」という助言じょげんまもって、全員ぜんいんみずうみ避難ひなん誘導ゆうどうする。かぶとろくがタタラじょう壊滅かいめつする様子ようす絶望ぜつぼうしているところをて「きてりゃなにとかなる!」とはげますなど、ポジティブ思考しこうぬし
アサノぐん対抗たいこうして、いざというときにはけたてつびせかける作戦さくせんかんがえていた。
キヨ
山犬やまいぬおっところされたばん。エボシをふかしたっている。おっと復讐ふくしゅうため山犬やまいぬとサンのいのちねらう。アシタカがサンを気絶きぜつさせかたかついでタタラじょうようとしたときに、石火矢いしびやかまえて制止せいししようとした。それにかまわずアシタカがろうとしたさいとなりにいたおんなめるようにわれた拍子ひょうし石火矢いしびやあやまし、アシタカをうしろからいてしまう。
石火矢いしびやしゅ
シシしん退治たいじ条件じょうけんに「師匠ししょうれん」というなぞ組織そしきからエボシにあたえられたよんじゅうめい傭兵ようへい集団しゅうだん柿色かきいろ着物きもの白色はくしょく頭巾ずきん黒色こくしょく手甲てっこう脚絆きゃはん草鞋わらじといった装束しょうぞくあきらから輸入ゆにゅうした石火矢いしびやししさむらいたちとたたかう。エボシの命令めいれいでナゴのまもり同胞どうほう殺戮さつりくし、住処すみかもりはらった。てつべい運搬うんぱん護衛ごえいで、タタラじょう全体ぜんたい警備けいびつとめる[26]火炎かえん放射ほうしゃ使つか[58]終盤しゅうばんったシシしん体液たいえきびて多数たすういのちとし、のこったもの逃亡とうぼうした。
かれらのしゅへいそうである石火矢いしびやには様々さまざま種類しゅるい存在そんざいし、火縄銃ひなわじゅうがたバズばずカ砲かほうがた火炎かえん放射ほうしゃがたなどが登場とうじょうする。
なな
石火矢いしびやしゅ一人ひとりかぶとろく同様どうようたにち、瀕死ひんし状態じょうたいでアシタカにたすけられる。
病者びょうしゃ
エボシがり、タタラじょう別棟べつむねまわせ看病かんびょうしている業病ごうびょう患者かんじゃたち。しん石火矢いしびや製造せいぞうまかされ、これの開発かいはつ成功せいこうする[42]終盤しゅうばんにトキにものわたすほど彼女かのじょしたしい病者びょうしゃ女性じょせいが、最後さいごはシシしんかぜびてやまいなおったとおぼしき描写びょうしゃがある。
なが
病者びょうしゃたちの年長ねんちょうしゃで、もっと重症じゅうしょうであり、あたま全体ぜんたい包帯ほうたいおおったたきりの状態じょうたいかれ以外いがい病者びょうしゃたちがエボシのたのみで新型しんがた石火矢いしびや開発かいはつし、もり生物せいぶつをさらにころそうとしているのをたアシタカの右手みぎてが、タタリしんのエボシにたいするつよにくしみから、とっさにかたなこうとしたさい、エボシが自分じぶんたちをって丁重ていちょう看病かんびょうしてくれていることをなみだながらにかたり、彼女かのじょかばった。
タタラしゃ
タタラじょう製鉄せいてつ集団しゅうだん黒装束くろしょうぞくつつみ、昼夜ちゅうやわずてつつくつづけている[42]

師匠ししょうれん[編集へんしゅう]

ジコぼう
物語ものがたり序盤じょばん、シシしんもり存在そんざいをアシタカにおしえた人物じんぶつ[42]中年ちゅうねんひく小太こぶとりな、赤色あかいろ羽織はおり(ちゃんちゃんこ)と頭巾ずきん白色はくしょく着物きもの僧体そうたいちょう法師ほうし)のなか年男としおとこ。その正体しょうたいなぞ組織そしき師匠ししょうれん」の一員いちいんである隠密おんみつ勅命ちょくめいにより、不老不死ふろうふし霊力れいりょくめるとされるシシしんくびねらっている。からかされん石火矢いしびやしゅ頭領とうりょうでもあり、狩人かりゅうど(ジバシリ)などをもうごかす。配下はいかからかされんたちとはいでたちに若干じゃっかん差異さいがあり、顔面がんめんぬのおおってはおらず素顔すがおうでには手甲てっこうでなく青黒あおぐろ包帯ほうたいじょうぬのをバンテージのようにきつけ、脚絆きゃはんはかまかずに履物はきもの一本いっぽん高下駄たかげたである。また、黒色こくしょく葛籠つづろ背負せおい、赤色あかいろからかさ携行けいこうしている。
序盤じょばん野武士のぶし小競こぜいにまれたさい、アシタカのおかげで命拾いのちびろいしたことを恩義おんぎかんじており、アシタカがタタラじょうかう途中とちゅう市場いちばこめうために、代金だいきんとして砂金さきん大粒おおつぶ支払しはらったさいに、それが本物ほんものであることを見抜みぬいて(人間にんげん砂金さきん自体じたいまったらなかった)アシタカを手助てだすけしたほか、古典こてんにもつうじているなど非常ひじょう博識はくしきである。さらに、アシタカからの質問しつもんこたえて「シシしんもり」についての情報じょうほうおしえた。そのも、なにかとアシタカのことをにかけており、エボシにアシタカのことをたずねたり、エボシをってきたアシタカに石火矢いしびやしゅ発砲はっぽうしたさいには制止せいししするなどしていた。しかし、てきいのししかみぜいひきいる乙事おっことぬしのことを一切いっさいらず、部下ぶかのジバシリからの指摘してきでようやく鎮西ちんぜいから一族いちぞくれてやってきたことをる。
恰幅かっぷくのよい体型たいけいだが、一本いっぽん高下駄たかげた渓流けいりゅういわからいわへと身軽みがる跳躍ちょうやくしたり、ヤックルとなみはしりできるほどの俊敏しゅんびんさなどたか身体しんたい能力のうりょくつ。基本きほんてきには率先そっせんしてたたかおうとはせずに実力じつりょくかくしているが、必要ひつようとあらばアシタカとも互角ごかくわたえるほどの武術ぶじゅつれでもある。シシしんくび奪取だっしゅ運搬うんぱんするさいいちばんちゅう不眠ふみん不休ふきゅうはしまわり、翌朝よくあさ寸前すんぜんまでシシしん体液たいえきからのこった部下ぶかからかされん首桶くびおけ神輿しんよ〈みこし〉のかつしゅ3めい)たちとともにどうにか必死ひっしびたが、ってきたアシタカとたたかっているあいだに、ついにシシしんにもいつかれ、おそいかかる体液たいえきからのがれようと、かつしゅ2めい首桶くびおけ神輿しんよとして大破たいはさせたあげく遁走とんそうし、唯一ゆいいつのこった部下ぶか1めいともめられてくしたため、仕方しかたなくシシしんくびをアシタカにわたす。
表立おもてだっては飄々ひょうひょうとした性格せいかくであるが、エボシをシシしんころしのために利用りようしようと、エボシの抹殺まっさつ提案ていあんした部下ぶかさといちめんもあるなど(一方いっぽうのエボシもジコぼうたち信用しんようしきっていないことをタタラじょうおんなしゅけている)えないおとこである。シシしん乙事おっことぬしいのちうばったときは「なんと。シシしんいのちるのか」とおどろいた。
映画えいが最後さいごのセリフの担当たんとうであり、アシタカにシシしんくび返還へんかんされてしまった不満ふまんもあるが、おかげでシシしん体液たいえきれずにみ、部下ぶか1めいとも自分じぶんいのちたすかったために「バカにはてん」といいのこしている。
石火矢いしびやしゅ
からかされん
ジコぼう配下はいかにあるなぞ集団しゅうだん。ジコぼうおな赤色あかいろ羽織はおり頭巾ずきん白色はくしょく着物きものつつんだ僧体そうたいで、ジコぼうことなるのは顔面がんめんだい部分ぶぶん白色はくしょく竹田たけだ頭巾ずきんマスクのようにおおかくし、両手りょうてには白色はくしょく手甲てっこうはかま脚絆きゃはん着用ちゃくよう草鞋わらじいているてんつね赤色あかいろからかさをたずさえ、爆発ばくはつぶつのほかくらけむりだまなどにんこのんでもちいる。からかさたけつつせいかさ分離ぶんりすることができ、ながとなってどくはり発射はっしゃする。また、彼等かれらつねからかさ携行けいこうしているのは、石火矢いしびや火縄ひなわふうされないようにするためと、火縄ひなわ火薬かやくあめ湿しめらないようにするためでもある模様もよう。なお活動かつどうちゅうは、ジコぼうおな黒色こくしょく葛籠つづろ背負せおい、茶色ちゃいろ菅笠すげがさもしくは網代あじろかさこうむっている。
ジコぼう指揮しきで、シシしんくびねらって暗躍あんやくする。目的もくてきのためには手段しゅだんえらばない[42]終盤しゅうばんったシシしん体液たいえきびて多数たすういのちとし、のこったものはジコぼう行動こうどうともにしていた一人ひとりのぞいて逃亡とうぼうした。
乙事おっことぬしひきいるいのししかみぜいとの戦闘せんとうにおいて、味方みかたであるはずのタタラじょう男衆おとこしゅこまにしたり、タタラじょうさむらい襲撃しゅうげきされている事実じじつをエボシにつたえるためにモロのたすそうとしていたアシタカにどくはりはなつなど、タタラじょうとその住民じゅうみんたちをまったかえりみない身勝手みがって言動げんどうのために男衆おとこしゅ反感はんかんい、アシタカに加勢かせいしたかれらにより袋叩ふくろだたきにされた。
いのかみぜいとの戦闘せんとうでは、石火矢いしびやしゅの3にんだけが小高こだかおかうえ陣取じんどって石火矢いしびや応戦おうせんしていたが、雪崩なだれのごとくせるいのししかみぜい大群たいぐんによってみなばされてしまった。さらにがけをよじのぼっていのししかみぜいに、からかされん多数たすうふるえてんかみなり[58]ばくだん)をその真上まうえから蹴落けおとしたうえに、がけかってせてきたのちおさむいのししかみぜいを、がけした仕掛しかけられた地雷じらい地中ちちゅうめたばくだん[58])により、つづけにばしたために、がけした強固きょうこしがらみめぐらせていて安全あんぜんであったはずの男衆おとこしゅが、爆発ばくはつった大量たいりょう土砂どしゃいわかたまりいのしししん死骸しがい直撃ちょくげきによって甚大じんだい被害ひがいこうむった。
ジバシリ(はしり)
ジコぼうやとわれた通常つうじょう狩人かりゅうどよりも山野さんや知識ちしきけたものたち弓矢ゆみや武装ぶそうし、もののけにひと見破みやぶられないようしし生皮なまかわこうむったり、そのかおるなど、特殊とくしゅじゅつ使つか[42]。その異相いそうぶりから、タタラじょう人間にんげんたちにも気味悪きみわるがられていた。シシしん偵察ていさつちゅう、「シシしん姿すがたるとつぶれる」などとおびえ、ジコぼうにたしなめられたものがいるなど、やまみんとしてかみおそれる傾向けいこうつよい。
描写びょうしゃはされていないが、ったシシしん体液たいえきびて多数たすういのちとし、のこったものたちは、わずかにのこった石火矢いしびやしゅからかされんとも一目散いちもくさん逃亡とうぼうした。

エミシの村民そんみん[編集へんしゅう]

カヤ
エミシのむらむすめ。アシタカを「あにさま」(一族いちぞくなか年上としうえ男子だんしという意味いみ[59][48])とぶが兄妹きょうだいではなく、さと公認こうにんのアシタカの許嫁いいなずけであった[ちゅう 9]。アシタカがむらさいには、エミシの乙女おとめわらぬしんあかしとして異性いせいおくるならわしのもの[40]であるたま黒曜石こくようせき)の小刀こがたな[60][28]おくった。むすめたちとともにタタリしんとなったナゴのまもりおそわれて危機一髪ききいっぱつであったところを、アシタカによってすくわれる。
むらおきてでアシタカの見送みおくりをきんじられていたが、ばち覚悟かくごみずかおきてやぶってかれ見送みおくりし、さき小刀こがたなをアシタカにわたしている。のちにこれはアシタカからモロのとおしてサンにおくられた。
オープニングタイトルのめん(カヤがのちにアシタカの出産しゅっさんして、子孫しそんがアシタカ伝説でんせつ誇示こじするためにつくっためん)は、アシタカがシシしんたおしたという伝説でんせつになってしまうが、シシしんたおしたのではなくサンとともにシシしんくび返還へんかんしシシしん(デイタラボッチ)自身じしん朝日あさひびてしまって消滅しょうめつしてしまい、のちにアシタカはタタラじょうらしたのでアシタカ伝説でんせつという形態けいたい故郷こきょうむらつたわり、ひとかく文様もんよう意味いみで、製鉄せいてつぎょうたずさわるもの高温こうおんのまばゆいひかり片目かためうしなうとされており製鉄せいてつぎょう意味いみするひとと、シシしん意味いみするだいカモシカのかく形態けいたい融合ゆうごうしたものだとするせつがある[よう出典しゅってん]
ヒイさま
エミシのかくざとろう巫女ふじょであり、むらをまとめている[61]。タタリしんとなったナゴのまもり亡骸なきがらを、づかきずいて丁重ていちょう供養くようする。
いし木片もくへんなどをもちいたぼくうらない吉凶きっきょううらなう。タタリしんのろいをけたアシタカをうらない、西にし不吉ふきつなことがきているので西にしかうようげる[26]
村人むらびとたちにアシタカをすくってくれるように懇願こんがんされるも、タタリしんのろいはもはやヒイさまちからでもどうにもならず、ナゴのまもり亡骸なきがらからてきた、タタリ神化しんか原因げんいんとなった石火矢いしびやつぶてをアシタカに手渡てわたし、おきてしたがって見送みおくりなしで一人ひとり旅立たびだつよういいわたした。

その[編集へんしゅう]

さむらい
映画えいが後半こうはんで、てつのためにタタラじょうねらだいさむらい領主りょうしゅ)・アサノ公方くぼう配下はいか武者むしゃいたる下記かきさむらい[62]ちがい、完全かんぜん武装ぶそう統率とうそつれた攻撃こうげき仕掛しかける[42]てつみつぎおさめ要求ようきゅうしたアサノの使者ししゃがエボシの命令めいれいでトキたちおんなしゅによりはらわれたため、昼間ひるま報復ほうふくてつべいなどの奪取だっしゅのために、エボシと男衆おとこしゅがシシしん退治たいじ出払ではらって留守るすのところをねらって侵攻しんこうしてくる。タタラじょうした城郭じょうかくとし、多少たしょう物資ぶっし略奪りゃくだつしたがタタラじょう自体じたいとしきれず、よるになったので攻撃こうげきをいったん中止ちゅうしし、再度さいど攻撃こうげき準備じゅんびすすめていた矢先やさきにシシしん(デイタラボッチ)の体液たいえき陣地じんちおそいかかってきたために、タタラじょう付近ふきん陣地じんちからあわててぜんぐん退却たいきゃくし、タタラじょうもシシしん体液たいえき完全かんぜん壊滅かいめつしたため、られたものはほとんどかった。
げきちゅうではアシタカに気付きづいたさむらい鏑矢かぶらやはなち、あつまった騎馬きば武者むしゃたちすうにん連携れんけいしてアシタカを攻撃こうげきした。武者むしゃはなったがヤックルのあし命中めいちゅうして負傷ふしょうさせているが、逆上ぎゃくじょうした(のろいの「赤黒あかぐろいあざ」がひろがる描写びょうしゃがある)アシタカの反撃はんげきでほとんどがられたため、のこりは戦意せんい喪失そうしつしてただちに撤退てったいしている。
さむらい
映画えいが後半こうはんで、アサノぐんとは直接ちょくせつ関係かんけいはないが、アサノにそそのかされてタタラじょうてつねら攻撃こうげき仕掛しかけるませいぬにされた挙句あげく、エボシひきいる石火矢いしびやしゅ大敗たいはいする。
石火矢いしびや弾丸だんがん手足てあし切断せつだんされる雑兵ぞうひょうよろいごと粉砕ふんさいされる騎馬きば武者むしゃなど、多数たすう犠牲ぎせいしゃすも、石火矢いしびやしゅがわけてたおれるなど、完全かんぜん一方いっぽうてきせんではなかった。
旗指物はたさしものたてなどの家紋かもん毛利もうり毛利もうり元就もとなりいえの3ほんの∴形状けいじょう)のものもちいており、その家臣かしんなどもう利家としいえなにかしらの関係かんけいをうかがわせる武士ぶし軍勢ぐんぜいである。
よろいのみをにつけた軽装けいそう雑兵ぞうひょうがほとんどをめる。
上記じょうきさむらいおよびさむらいとはべつに、映画えいが前半ぜんはんで、パンフレットのさむらい解説かいせつ野武士のぶし[42]、ロマンアルバムに野伏のぶせり(のぶせり)同然どうぜん雑兵ぞうひょう、または雑兵ぞうひょう記載きさいされているさむらい[63]、アシタカがたび途中とちゅうせんおこなわれている無名むめいむらとおったときに、おんなやアシタカにおそいかかったが(一人ひとりだけかれのろいのちから宿やど反撃はんげきけた)、かれらはアサノともタタラじょうとも関係かんけいがない。むらとおぎたのちまち市場いちば出会であったジコぼうがアシタカに「れいいたいのはつたなそうほうでな。田舎いなかさむらい小競こぜいにまれたおり、そなたのおかげたすかったのだ」とったのは[64]、このむらせんことだとおもわれる[65]

宮崎みやざき監督かんとくによる解題かいだい[編集へんしゅう]

主題しゅだい[編集へんしゅう]

宮崎みやざき監督かんとくいわく、この映画えいがにはやりたくてめてきた素材そざいみっつもよっつもはいっている。コンテをむと、エンターテイメント作品さくひんには通常つうじょう不向ふむきとおもわれる現代げんだいきびしい課題かだいまれている。うらたにねんりょう整理せいりすると、いつつになる[66]

  1. 子供こどもたちのしん空洞くうどう
  2. いたところこる差別さべつ
  3. 人間にんげん自然しぜんとのかかわり
  4. 人間にんげん憎悪ぞうお増幅ぞうふく作用さよう殺戮さつりくすす闘争とうそう本能ほんのう
  5. 神秘しんぴ主義しゅぎ合理ごうり主義しゅぎ対立たいりつ

問題もんだいがたくさんはいりすぎていてハラハラしますね」とうらだにみずけると、監督かんとく以下いかとおかたった。「解決かいけつ不能ふのう問題もんだいですよね。いままでの映画えいがは、解決かいけつ可能かのうしょう課題かだいつくって、えず今日きょうはそれをえたと、それをひとつのセオリーにしてきたんですけどね。それが映画えいがわくないだと。それでやると、現代げんだいぼくらがぶつかっている問題もんだいとは拮抗きっこうしないという結論けつろんしゅったんじゃないかなぁ」[66]

主人公しゅじんこう動機どうき[編集へんしゅう]

監督かんとくろんでは、日本にっぽん通俗つうぞくアニメーションをくさらせているひとつに「動機どうき喪失そうしつ」がある。たとえば、監督かんとく以前いぜんチベット民話みんわいぬになった王子おうじ』(ぶん:君島きみしま久子ひさこ岩波書店いわなみしょてん)に触発しょくはつされてえがいた『シュナのたび』である。ヤックルに主人公しゅじんこうシュナは、自国じこく貧困ひんこんからすく穀物こくもつたね、「金色きんいろたね」をもとたびる。このたび動機どうき崇高すうこうであるが、貧乏びんぼうというリアリティがなかでは「胡散臭うさんくさい」ものでしかない。アシタカのたびには、観客かんきゃく共感きょうかんできる動機どうき必要ひつようであった。すなわち「理不尽りふじんにも傷付きずつけられ、のろわれたと自覚じかくした少年しょうねんが、そののろいをいやかぎさがしてたびをする」ことである[67]

さらには、アシタカは自発じはつてきにではなく、むらされてやむなくたびる。それは受難じゅなんのヒーローというより、ヒーローであることを裏切うらぎつづけるアンチヒーローである。そしてヒロインのサンもまた、傷付きずつけいた自分じぶんみにくいとおもっているアンチヒロインである。おな物語ものがたり辿たどりながら、通常つうじょう主役しゅやくであることを徹底的てっていてき裏返うらがえしにしていく[67]

観客かんきゃく予想よそう破壊はかいすること[編集へんしゅう]

物語ものがたり図式ずしきもり人界じんかい対立たいりつ乙事おっことぬしたちとエボシたちが激突げきとつする、ここまでは観客かんきゃく予想よそう図式ずしき一致いっちする。普通ふつう映画えいがではこれで全部ぜんぶ辻褄つじつまう、ただの宿命しゅくめい対決たいけつとなる。ここで予想よそう破壊はかいする、宿命しゅくめいなにい、もっと暴力ぼうりょくてき図式ずしき提示ていじする。乙事おっことぬしたちとエボシたちがぶつかる、そのエボシたちのうしろからさむらいたちのおおきな勢力せいりょくくわわっている。さらにそれが進行しんこうした形態けいたいとして、さむらいたちが突出とっしゅつしてエボシたちをみ、乙事おっことぬしたちと直接ちょくせつぶつかっているえがかれる[68]

アシタカが事態じたいいたときには、すでにこの図式ずしきのようになっており、なぜこんなことがこったのだろう、というかたち事態じたい転化てんかしていく。それはそのなか翻弄ほんろうされるアシタカの心境しんきょうであり、それは観客かんきゃくおな次元じげんになる。事件じけんき、発生はっせいした順番じゅんばんぎゃくから出会であってくのが現代げんだいであるためである[68]

過去かこ作品さくひん否定ひてい[編集へんしゅう]

宮崎駿みやざきはやおには、過去かこ自分じぶん作品さくひん一度いちど徹底的てっていてき否定ひていしなければ、本音ほんねかたることはできないというおもいが強烈きょうれつにあった。スタジオジブリ作品さくひんへの世間せけん期待きたいについてはなしおよぶと、宮崎みやざきは(たとえば自然しぜん保護ほご熱心ねっしんなジブリなどの)期待きたいこたえようとしてはいけない、一回いっかい期待きたいつと、その期待きたいえようとしないと返答へんとうした[69]

きる」というイメージ[編集へんしゅう]

宮崎駿みやざきはやお以下いかとおべている。

ひゃくおく人口じんこうがねぇ、おくになったってべつ滅亡めつぼうじゃないですからね。そういう意味いみだったら、世界中せかいじゅう野獣やじゅうは、もう滅亡めつぼう絶滅ぜつめつしていますよね(笑)。そうですよ。もとひゃくひきいたのに、いまひきしかいないなんてきものいちはいいますからね。そういうに、今度こんど人類じんるいうんでしょ、きっと。でもそれは滅亡めつぼうちがいますね。ぼくとう運命うんめいってのは、多分たぶんチェルノブイリで、かえってきたじいさんやばあさんたちが、あそこでキノコひろってったりね、その『汚染おせんしてるんだよ』っていながら、やっぱり平気へいきでジャガイモってるようにしてきていくだんろうなっていうね…まぁ、そのくらいのことしかえないですよね。それでも結構けっこうたのしくきようとするんじゃないかぁっていうね、どうも人間にんげんってのは、そのくらいのもんだぞってかんじがね… — 宮崎駿みやざきはやお、『「もののけひめ」はこうしてまれた。』[70]

若者わかものへのメッセージ[編集へんしゅう]

監督かんとくう「我々われわれ直面ちょくめんしている最大さいだい課題かだい」は、主人公しゅじんこうアシタカの設定せってい集約しゅうやくされているという。いまこのなかきている若者わかものは、いわれのない、不条理ふじょうりな、肉体にくたいてきにも精神せいしんてき意味いみふくめてババいてしまった人間にんげんたちである。それはひがしアジア、アメリカやヨーロッパ、アフリカでも共通きょうつう運命うんめいである。その理由りゆうは、一人ひとり人間にんげんかんじられる悲劇ひげきが、ローマ時代じだいであろうと鎌倉かまくら時代じだいであろうとおなゆえである。人口じんこうひゃくまんにんしかいなかった鎌倉かまくら時代じだい日本にっぽんは、現代げんだいかられば山紫水明さんしすいめいはるかにうつくしいところ多数たすう存在そんざいしたが、人間にんげん悲惨ひさんきわみであったため、鎌倉かまくら仏教ぶっきょうのような宗教しゅうきょうまれてきた。破局はきょく規模きぼおおきいから悲劇ひげきおおきいというのはうそで、ひとつのむらほろびることが、その人間にんげんにとってはぜん世界せかいほろびることにひとしい、そういう意味いみった時代じだいがある。その意味いみでは人間にんげんかんじられる絶望ぜつぼうも、その苦痛くつうりょうひとしい。おそらくそれは、歴史れきし様々さまざま場所ばしょかんられてきた。「ただなんとなくスケールがおおきいからね、こりゃ本当ほんとうのドンまりとおもっているだけで。でもそれが本当ほんとうにドンまりなのかというと、そうは簡単かんたんかないことも、歴史れきし証明しょうめいしてるから」[71]

うらたにねんりょうはこの発言はつげん以下いかのようにまとめている。現代げんだい若者わかものたちは、意識いしきおくでみんなババをいてしまったとかんじている。自分じぶんわるくないのに、なぜか傷付きずつけられているとかんじている。マイナスの磁場じばのようなものをかかえている。その「しん空洞くうどう」にかって「あかるく元気げんききよう」「まずしさからしてゆたかになろう」とってもつうじない。こうした絶望ぜつぼう閉塞へいそくかんおおきな歴史れきし認識にんしきなかとらえ、かんがなおすことで「不条理ふじょうり運命うんめいなかきる」ことを模索もさくし、提示ていじしていく[69]

なお監督かんとくは、物語ものがたりのそのについて、「アシタカとサンは、その関係かんけいつづけていく」、「アシタカはかれ、きずだらけになりながらも、サンやタタラじょうのために努力どりょくし、それをげずにきていく人物じんぶつである」とかたっている[72]

舞台ぶたい設定せってい[編集へんしゅう]

舞台ぶたいのモデルとなった屋久島やくしま森林しんりん

世界せかいかん[編集へんしゅう]

ほんさく照葉樹しょうようじゅりん文化ぶんかろん示唆しさけた世界せかいかん舞台ぶたいとしている。参考さんこうとされたのは中尾なかお佐助さすけの『栽培さいばい植物しょくぶつ農耕のうこう起源きげん』であり、日本にっぽん文化ぶんか基底きていいね稲作いなさく農民のうみんではないことをあきらかにする同書どうしょ内容ないよう製作せいさくおおきく影響えいきょうしているとされる[73]ほんさくでは稲作いなさく農民のうみん代表だいひょうされる平地ひらちの「定住ていじゅうみん」とはまったべつ生活せいかつけんつ「遍歴へんれきみんやまみんうみみん芸能げいのうみんなど)」がおおげられる。『もののけひめ』は、遍歴へんれきみん世界せかい展開てんかいされる物語ものがたりである。かのう精二せいじによればほんさく日本にっぽん映画えいが中世ちゅうせいをアウトサイダーのがわからえがくという、「時代じだいげき革命かくめい」を意図いとするものであり[74]網野あみの善彦よしひこほんさくを「ずいぶん勉強べんきょうしたうえでつくられている」とひょうしている[75]

宮崎みやざき監督かんとく作家さっか司馬しばりょう太郎たろう対談たいだんしたとき司馬しば新聞しんぶん記者きしゃ時代じだい京都きょうと岩屋いわや不動ふどう志明しめいいん宿泊しゅくはくしたさいかい体験たいけんをしたはなしをき『もののけひめ』の着想ちゃくそうになったといわれている。

エミシのむら[編集へんしゅう]

かつて大和やまと朝廷ちょうてい支配しはい抵抗ていこうし、われた人々ひとびと祭事さいじ衣装いしょう東北とうほく地方ちほうマタギたアシタカの衣装いしょうかれ使つかう「みやびわん」、むすめ装束しょうぞくなど、縄文じょうもん時代じだい文化ぶんかブータンきたタイのばたけんなど照葉樹しょうようじゅりん文化ぶんかけんものざった文化ぶんか形成けいせいしている[76]

エミシ(蝦夷えぞ)を宮崎駿みやざきはやおは、大和やまと政権せいけんとその支配しはいはいった稲作いなさく農耕のうこうみんからわれて本州ほんしゅう北部ほくぶ山中さんちゅうかくんだ、焼畑やきばた狩猟しゅりょう採集さいしゅう工芸こうげい生業せいぎょうとするげん日本人にっぽんじん残党ざんとう解釈かいしゃくしている。むらをまとめているのは、うらないで物事ものごとめていくという女性じょせい(ヒイさま)である。神社じんじゃなかおがんでいるのは岩倉いわくらいわかべ)、神体しんたいであるいわかたまりである。カヤがいた、刀身とうしん直線ちょくせんてきさきとがっているかたなわらび手刀てがたなという。ほうにはいている。東日本ひがしにっぽん各地かくちから出土しゅつどしており、東北とうほく地方ちほう中心ちゅうしんに8世紀せいきほどまでつくられていた。生活せいかつざつであるが武器ぶきにもなり、坂上田村麻呂さかのうえのたむらまろたたかったエミシの軍勢ぐんぜいはそのようなかたなっていたとかんがえられている[77]。また、未婚みこん女性じょせいまもがたな男性だんせいわたすという行為こういは、『粉河寺こかわでら縁起えんぎ』にもみられるように求婚きゅうこんあかしであり、カヤがけっしてもどってくることのないアシタカにまもがたなわたすという行為こういは、カヤが一生いっしょう未婚みこんのまま人生じんせいまっとうすることを暗示あんじしているとする指摘してきがある[78]

石火矢いしびや[編集へんしゅう]

げきちゅう石火矢いしびやじゅう発想はっそうみなもと中国ちゅうごくヨーロッパのハンドカノンをエボシが改良かいりょうした石火矢いしびやすこ火縄銃ひなわじゅうのようになっているが、まだのようなぼうけており、火縄銃ひなわじゅうのようにはいかない。火縄ひなわ硝酸しょうさん木綿もめんひもませてあるもので、てんけるとともっていき、ゆっくりえる。それを瞬間しゅんかんてきくと、またすこ火勢かせいつよくなる。よって火縄銃ひなわじゅうときは、かまえてからいききゅうけ、火縄ひなわはさみ、火蓋ひぶたけてがねくと火縄ひなわはさみがち、たま発射はっしゃされる。その段階だんかい到達とうたつしていないため、こうそうになっている。たま火薬かやくはいっているものをそのままれてつことにより、さきからたまめなくてむようになっている。こうそうふる大砲たいほうにあったものである。弾丸だんがんはいった部品ぶひん火薬かやくれ、砲身ほうしんれる。そしてくさびみ、点火てんかしてち、くさびいてこれをし、つぎだん装填そうてんする[79]

日本にっぽん史実しじつでは、鉄砲てっぽう南蛮なんばん貿易ぼうえきポルトガルから種子島たねがしま伝来でんらいしたものが発祥はっしょう鉄砲てっぽう伝来でんらい)であるとされるが、げきちゅうでは中国ちゅうごく明王みょうおうあさ由来ゆらいとされる。

通常つうじょう火縄銃ひなわじゅうライフルじゅう形態けいたい(エボシがシシしんくび切断せつだん使用しよう、タタラじょうから猩々しょうじょう撃退げきたいする攻撃こうげき使用しようなど)だけではなく、だい口径こうけいりょう手持てもちのながバズばずカ砲かほう形態けいたい山犬やまいぬモロ一族いちぞくうしいがおそわれたさい迎撃げいげき使用しようさむらいとのせん使用しようなど)や火炎かえん放射ほうしゃ形態けいたい(ナゴのまもり退治たいじもりいのししかみたちをはら焼夷弾しょういだん用途ようと使用しよう)など、様々さまざま形態けいたい存在そんざいする。

非人ひにん[編集へんしゅう]

非人ひにん中世ちゅうせいでは柿色かきいろころも人々ひとびとで、一般いっぱん平民へいみんとは区別くべつされている。神人しんじん供御くごじんともばれる。非人ひにん関連かんれんしてうらたにねんりょうは、宮崎駿みやざきはやお尊敬そんけいする作家さっかほり田善でんぜんまもるの『定家さだいえ明月めいげつわたししょう』を引用いんようしている。「元来がんらい天皇てんのうというものが、これらの遊女ゆうじょ白拍子しらびょうしまいじん猿楽さるがく、さらには武芸ぶげいこととする武人ぶじんなどの芸能げいのうみんとともに、各種かくしゅ職人しょくにんひろ意味いみでの宗教しゅうきょうじんなど、いわば農業のうぎょうみん、それをべつ言葉ことばいかえるとして、『ゆうしゅ浮食』の、『無縁むえんやから』などの『みち々のやから』、すなわちこれら路上ろじょう遍歴へんれきみん統轄とうかつ保障ほしょうをする存在そんざいであったことを確認かくにんしておきたい」[80]

着物きもの[編集へんしゅう]

製作せいさくにはヤックルのはしりの分解ぶんかい、カヤたちエミシのむらむすめたち衣装いしょう、アシタカがあつかうエミシのかたち(鏃は黒曜石こくようせきさんまい)など、こまかい指定してい大量たいりょうかれていた。なかでも特徴とくちょうてきなのが「おび位置いち」である。現代げんだいでは、古来こらい着物きもの常識じょうしきうしなわれているためおび位置いちたかくなっているが、本来ほんらいはへそであると注意ちゅういきがされていた。一方いっぽう、そのしたには「これは『七人しちにんさむらい』の三船みふね敏郎としお以来いらいむすかた、アシタカだけに使つかう」とあった。これは主人公しゅじんこうアシタカの「現代げんだい若者わかものせい」「わかさと未熟みじゅくさ」といった暗示あんじであるのか、と意味いみわれた宮崎駿みやざきはやおは「三船みふねのあれは、子供こどもだってことでしょ」とこたえている。市場いちば人々ひとびとや、とくに、成熟せいじゅくした大人おとなとしてえがかれるジコぼうおび位置いちひく[81]

たたらじょうとエボシ御前ごぜん[編集へんしゅう]

エボシのたたら構成こうせいいんたいする態度たいどおおきく2つにかれる。戦争せんそうひとりにあってられたおんなたちと、社会しゃかいから差別さべつけてきた癩者らいしゃハンセン病はんせんびょう患者かんじゃ)とみられる病者びょうしゃたいしてはあたたかいべているのにたいし、病者びょうしゃ以外いがいおとこたちにたいしては乙事おっことぬしやその配下はいかいのししかみたちにたいするおとりとして利用りようされていのしししんともどもばされていのちうしなうことを承知しょうちうえでシシしん退治たいじ動員どういんし、その最後さいご様子ようすがけうえからながめているなど、きわめて冷淡れいたん態度たいどっている[82]

とくがけしたうしいなど男衆おとこしゅには戦闘せんとうまえにわざわざ防護ぼうごしがらみめぐらせててきいのしししん攻撃こうげきふせごうとする姿勢しせい見受みうけられるが、実際じっさいがけ斜面しゃめんのぼっててきいのしししんを、からかされんふるえてんかみなりがけうえからとし、がけかっていのしししんを、がけした地雷じらい地中ちちゅうめてばし、破片はへんいのしししん死骸しがい落下らっかして甚大じんだい被害ひがいた。

だが、エボシはおんなたちにたいしても重大じゅうだい事実じじつかくしている。それは、られたてつ武器ぶき加工かこうされてさむらいわたり、戦争せんそうもちいられ、その結果けっか歴史れきし学者がくしゃ藤木ふじき久志ひさしが「奴隷どれいり」としょうした現象げんしょうこされることである。つまり、おんなたちはエボシがつくらせたてつつくられた武器ぶきによって、奴隷どれいとしてられてエボシのしたにやってきたのである。当然とうぜん、エボシもこうした矛盾むじゅんがいつかたたらじょう崩壊ほうかいさせかねないことを認識にんしきしていた。歴史れきし学者がくしゃ市沢いちさわあきらはエボシがアシタカにげた「わたし秘密ひみつ」の正体しょうたい社会しゃかいてき弱者じゃくしゃである病者びょうしゃたちにあたらしい石火矢いしびやつくらせておな弱者じゃくしゃであるおんなたちにたせてさむらいよろいかせていくことでさむらいちからうばい、てつさむらいのために使つかわれるシステムを打破だはすることで矛盾むじゅん解消かいしょうし、さらに労働ろうどうによってられた果実かじつ分配ぶんぱいのありかたえていくという「くにくずし」の実現じつげんはかることとしてとらえ、もり(=シシしん)とのたたかいはこの目的もくてきなかにおいては局所きょくしょてきなことにぎないとする[83][84]

その一方いっぽうで、エボシの出現しゅつげんはサンの位置いちづけを根本こんぽんてきえた。元々もともとサンはやまかみ(この場合ばあいはモロのきみ)へ生贄いけにえとしてささげられたものである。しかしエボシがあらわ人々ひとびとやまかみ対抗たいこうしうるちからったことで、人々ひとびとかみちからまえにただひれ存在そんざいではなくなった。それによりサンはちゅうぶらりんの立場たちばまれ、ひとでもかみでもない、「もののけ」としてきざるをえなくなった[83][85]

女尊男卑じょそんだんぴする文化ぶんか建物たてもの構造こうぞうおんな重視じゅうしおとこ軽視けいし構造こうぞうになっている。

うしいたち男衆おとこしゅはタタラじょうなかでも下層かそう住居じゅうきょ仕事場しごとばすべての生活せいかつかまえており、てき戦闘せんとうになったさいててだい屋根やねふく上層じょうそうだけをまも構造こうぞうになっている(しかしげきちゅうでは、アサノぐんおとこたちがシシしん退治たいじ留守るすちゅうねらわれたので、トキたちおんなしゅ防衛ぼうえいたい最初さいしょから下層かそう防衛ぼうえいてて上層じょうそう防衛ぼうえい専念せんねんしている)。

ディズニーとの提携ていけい[編集へんしゅう]

ほんさくはスタジオジブリが1996ねん7がつ23にちウォルト・ディズニー・カンパニー(WDC)ならびに日本にっぽん法人ほうじんウォルト・ディズニー・ジャパン(WDCJ)のあいだ国内こくないでのビデオソフト(「ジブリがいっぱいCOLLECTION」)発売はつばいおよび海外かいがいでのジブリ作品さくひん配給はいきゅうかかわる事業じぎょう提携ていけい締結ていけつしたことにともない、WDC(「ディズニー」表記ひょうき)からはじめて出資しゅっしけた作品さくひんである。このため、『みみをすませば』までの「発売はつばいもと徳間書店とくましょてん販売元はんばいもと:徳間とくまジャパン」ではなく、WDCJのビデオソフト部門ぶもんであるブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント(のちのウォルト・ディズニー・スタジオ・ホーム・エンターテイメント)になった。ただし、レーザーディスクはんのビデオソフトについては徳間とくまからの発売はつばい販売はんばいとなった。

こうしてほんさくのビデオはすでに『アラジン』などで日本にっぽん市場いちばおおきな勢力せいりょくきずいていたウォルト・ディズニー・ジャパン実際じっさいポニーキャニオン委託いたく)の流通りゅうつうルートで販売はんばいされた。また、アジアをのぞぜん世界せかいでWDC子会社こがいしゃミラマックス配給はいきゅうし、ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメントからビデオとDVDが発売はつばいされた。ほんさく以降いこう、ジブリはWDCならびにWDCJと親密しんみつになっていく。

映画えいがのレイティングシステムは、日本にっぽん映倫えいりん)では「一般いっぱん」に指定していされているが、アメリカ(MPAA)では「PG-13」に指定していされた。

英語えいごばんのナレーションにはおなじくウォルト・ディズニー製作せいさくのアニメ『ガーゴイルズ』でナレーションをつとめていたキース・デイヴィッド起用きようされた。

こえ出演しゅつえん[編集へんしゅう]

キャラクター 日本語にほんごばん 英語えいごばん
アシタカ 松田まつだ洋治ようじ ビリー・クラダップ
サン 石田いしだゆり クレア・デインズ
カヤ タラ・ストロング
エボシ御前ごぜん 田中たなか裕子ゆうこ ミニー・ドライヴァー
ジコぼう 小林こばやしかおる ビリー・ボブ・ソーントン
かぶとろく 西村にしむら雅彦まさひこ ジョン・デミータ
門番もんばん 不明ふめい
ゴンザ 上條かみじょう恒彦つねひこ ジョン・ディマジオ
トキ 島本しまもと須美すみ ジェイダ・ピンケット=スミス
エミシの少女しょうじょA 不明ふめい
山犬やまいぬ 渡辺わたなべあきら 不明ふめい
タタリしん 佐藤さとうまこと 不明ふめい
うしあたま 名古屋なごやあきら 不明ふめい
モロのきみ 美輪みわ明宏あきひろ ジリアン・アンダーソン
ヒイさま もり光子みつこ デビ・デリーベリー
乙事おっことぬし 森繁もりしげ久彌ひさや キース・デイヴィッド
エミシの老人ろうじん 不明ふめい
病者びょうしゃなが 飯沼いいぬまとし 不明ふめい
じいじ
うし 坂本さかもとあきら
近藤こんどう芳正よしまさ
菅原すがわら大吉だいきち
斉藤さいとう志郎しろう
不明ふめい
ジバシリ 冷泉れいせんこうひろし 不明ふめい
うし 不明ふめい
キヨ 香月かつき弥生やよい 不明ふめい
たたらじょうおんな ふじ貴子たかこ
山本やまもと郁子いくこ
トレス・マクニール
サリー・リン
デニース・ポワリエ
メアリー・エリザベス・マクグリン歌声うたごえ
エミシの少女しょうじょB 飯沼いいぬまのぞみ
ナレーター キース・デイヴィッド
その 塚本つかもと景子けいこ
中村なかむら彰男あきお
松山まつやまたかこころざし
小林こばやしかず
松田まつだ健浩たけひろ
藤巻ふじまき直哉なおや
深澤ふかざわさいわいふとし
杉浦すぎうら一恵かずえ
得丸とくまる伸二しんじ
ほうしげと
おちひろき
三宅みやけ重信しげのぶ
名倉なくら勝利かつとし
瀬野せの雅彦まさひこ
田代たしろ健二けんじ
桑原くわばら富和とみわ
浮部文雄ふみお
原田はらだあつしさち
渡辺わたなべ伸一しんいち
福永ふくなが大剛たいごう
荒井あらい良章よしあき
小野おの亮太りょうた
加藤かとう英二えいじ
外崎そとざき明彦あきひこ
岡崎おかざきてんひさ
近江おうみとおるだい
増田ますだ良昭よしあき
吉見よしみきぬ
角田つのだあや
村田むらた和代かずよ
吉岡よしおか亜紀子あきこ
坂下さかしたしのぶ
安藤あんどう惠理子えりこ
こうちくさおり
鹿島かしま優子ゆうこ
田島たじまりん
二階堂にかいどう美由紀みゆき
植草うえくさ和世かずよ
パメラ・アドロン
ルイス・アークェット
コーリー・バートン
アレックス・フェルナンデス
ジャック・フレッチャー
パット・フラリー
ジョン・ホステッター
ジョン・ラフター・リー
マッタ・マッケンジー
マイケル・マクシェーン
マット・K・ミラー
マーニー・モジマン
アダム・ポール
デヴィッド・ラズナー
ドワイト・シュルツ

スタッフ[編集へんしゅう]

映像えいぞう制作せいさく[編集へんしゅう]

製作せいさく 徳間とくまやすしかい
音楽おんがく 音楽おんがく
ピアノ
久石ひさいしゆずる
指揮しき 熊谷くまがいひろし
演奏えんそう 東京とうきょうシティ・フィルハーモニック管弦楽かんげんがくだん
作画さくが監督かんとく 安藤あんどう雅司まさし高坂こうさかのぞみ太郎たろう近藤こんどう喜文よしふみ
原画げんが 大塚おおつか伸治しんじ篠原しのはら征子せいこ森友もりとも典子のりこ賀川かがわあい小西こにし賢一けんいち遠藤えんどう正明まさあき清水しみずひろし粟田あわたつとむ箕輪みのわ博子ひろこ三原みはら三千雄みちお大谷おおや敦子あつこ稲村いなむら武志たけしよし英明えいめい二木ふたき真希子まきこ山田やまだ憲一けんいち松瀬まつせまさる
桑名くわな郁朗いくろう松尾まつお真理子まりこ河口かわぐち俊夫としお野田のだ武広たけひろ杉野すぎのひだり秩子、近藤こんどう勝也かつや金田かねだこう笹木ささきしんさく山森やまもり英司えいじ吉田よしだ健一けんいち高坂こうさかのぞみ太郎たろう近藤こんどう喜文よしふみ
テレコム・アニメーションフィルム
田中たなか敦子あつこ
動画どうがチェック 舘野たての仁美ひとみ中村なかむら勝利かつとし斎藤さいとうあきら哉、中込なかごめ利恵りえ小野田おのだ和由かずよし
動画どうが 手島てじま晶子あきこ大村おおむらまゆみ、北島きたじま由美子ゆみこ真野まの鈴子すずこ坂野さかの方子のりこ柴田しばた和子かずこ倉田くらた美鈴みすずさわ九里くのり鈴木すずき麻紀子まきこ鈴木すずきまり菊池きくちはな鶴岡つるおかこう次郎じろう田村たむらあつし野口のぐちよしりつ藤井ふじい香織かおりべいはやし宏昌ひろあき
矢地やち久子ひさこ山田やまだ珠美たまみ川田かわたまなぶこう幸恵ゆきえ、アレキサンドラ・ワエラウフ、ダビッド・エンシナス、あずま誠子せいこ山浦やまうら由加里ゆかり西戸さいどスミエ、槇田まきた喜代子きよこ富沢とみざわ恵子けいこ、コマサ、土岐とき弥生やよい柴田しばた絵里子えりこ
長嶋ながしま陽子ようこ椎名しいな律子りつこいわやなぎ恵美子えみこ藤森ふじもりまや、近藤こんどう梨恵りえ常木つねきこころざししん西河にしかわ広美ひろみ渡辺わたなべ恵子けいこたにたいら久美子くみこ矢野やの守彦もりひこ古屋こや浩美ひろみ安達あだち昌彦まさひこ山本やまもとまゆみ、中山なかやま大介だいすけ田辺たなべ正恵まさえしんとめ理恵りえ松下まつした敦子あつこ
手塚てづか寛子ひろこ原口はらぐちちはる
テレコム・アニメーションフィルム
飯盛めしもり夏子なつこ渡邊わたなべ奈津子なつこ矢沢やざわ真由まゆひがしじゅ葉子ようこ中路なかじ景子けいこ毛利もうり志乃しのまい小高おだか雅子まさこ上田うえだ峰子みねこ板垣いたがきしんやすとめ博子ひろこ富野とみの昌江まさえ式部しきぶ美代子みよこ与沢よざわ桂子けいこ平井ひらい和子かずこ藤倉ふじくら雅代まさよ宇田うだ明彦あきひこ
作画さくが協力きょうりょく アニメトロトロ、OH!プロダクションスタジオコクピットスタジオたくらんけ、グループどんぐり
美術びじゅつ監督かんとく 山本やまもと二三ふみ
田中たなか直哉なおや武重たけしげ洋二ようじ黒田くろださとし男鹿おが和雄かずお
背景はいけい 吉田よしだのぼる春日井かすがい直美なおみ長縄ながなわ恭子きょうこ斉藤さいとう久恵ひさえ伊奈いな涼子りょうこ平原ひらはらさやか、荒井あらい貞幸さだゆき太田おおた清美きよみ谷口たにぐち淳一じゅんいち長田ながた昌子まさこ佐々木ささき洋明ひろあき田村たむらもり
特殊とくしゅ美術びじゅつ 福留ふくとめ嘉一きいち
特殊とくしゅ効果こうか 谷藤たにふじかおる橋爪はしづめとも村上むらかみ正博まさひろ榊原さかきばら豊彦とよひこ谷口たにぐち久美子くみこ
色彩しきさい設計せっけい 保田やすだ道世みちよ
いろ指定してい 井関いせき真代まさよもり奈緒美なおみ守屋もりや加奈子かなこ
仕上しあげ 彩色さいしき 小野おの暁子あきこ熱田あつた尚美なおみ鍋田なべた富美子とみこ野村のむら雪絵ゆきえ山田やまだ和子かずこ鈴木すずき栄一えいいち片山かたやま由里子ゆりこ
スタジオキリー
岩切いわきりとうこころざし高橋たかはし直美なおみ宮本みやもと智恵美ちえみ清水しみずまり森沢もりさわ千代美ちよみ渡辺わたなべ信子のぶこ平林ひらばやし和広かずひろ谷島やじまかおり石川いしかわ香織かおり土屋つちや裕美ひろみ工藤くどう百合子ゆりこ原井はらい智恵ちえ児玉こだまあつし浦山うらやま和恵かずえ平林ひらばやしふみ泰野たいの君子くんし
石黒いしぐろしず吉田よしだ美夜子みやこ高木たかぎ小百合さゆり後藤ごとう恵子けいこ大隈おおくま昌子まさこ佐々木ささき恵子けいこ角田つのだ和子かずこちゅうがまかおる
IMスタジオ
伊勢田いせだ美代子みよこ尾崎おざき美人びじんはちつね浅井あさいより西村にしむら豊美とよみ森田もりたかおるやすあじ香織かおり大内おおうち一美かずみ木村きむら裕美子ゆみこ天満てんま友美ゆみ佐藤さとうけい赤沼あかぬま茂子しげこ前原まえはら絹代きぬよふねさき幸子こうじいたはら多恵たえ小林こばやし一夫かずお
トレーススタジオM
安斉あんざい直美なおみ相原あいはら明子あきこ杉山すぎやま和歌子わかこ金内かなうち順子じゅんこ醍醐だいご玲子れいこ本橋もとはし恵美子えみこ松尾まつおめぐみ、大城おおしろひろ
東映動画とうえいどうが
黒沢くろさわ和子かずこ奥西おくにし紀代美きよみ坂野さかの園江そのえ入江いりえさん瓶子へいじ五十嵐いがらし令子れいこ古屋こや純子じゅんこ藤橋ふじはし清美きよみ戸塚とつか友子ゆうこ
テレコム・アニメーションフィルム
山本やまもと智子さとこひとまん長嶋ながしまさゆり、太田おおた真弥まや石川いしかわ恵里子えりこ西脇にしわき好美よしみ宮川みやがわ淳子じゅんこ長岡ながおか純子じゅんこ
トレスマシン 柚木ゆずきわきいたる
協力きょうりょく会社かいしゃ スタジオOM青森あおもりワークス、アニメハウス、はだしぷろ、ピーコック、ムッシュオニオン、スタジオOZ、スタジオアド
デジタルペイント 石井いしい裕章ひろあき佐藤さとう麻希まき杉野すぎのあきら服部はっとりけい一郎いちろう
高橋たかはしプロダクション/T2Studio
高橋たかはし加奈子かなこ石堂いしどうめぐみ、村田むらたゆき、下江しもえ由美子ゆみこつねでん由紀子ゆきこ
DR MOVIE
T&V
技術ぎじゅつ協力きょうりょく 村尾むらおまもる
スタック
斉藤さいとう芳郎よしお
内外ないがいカーボンインキ
太陽たいよう色彩しきさい
北村きたむら繁治しげじ
CHROMACOLOUR INTERNATIONAL LTD
ROY EVANS
CG 菅野かんの嘉則よしのり百瀬ももせ義行よしゆきかた塰満そく井上いのうえ雅史まさし
撮影さつえい監督かんとく 奥井おくいあつし
撮影さつえい 藪田やぶた順二じゅんじ高橋たかはしわたる、古城こじょうたまき
音響おんきょう制作せいさく オムニバスプロモーション
音響おんきょう監督かんとく 若林わかばやし和弘かずひろ
音響おんきょう助手じょしゅ 真山まやまめぐみころも
録音ろくおん
せいおん
井上いのうえ秀司しゅうじ
録音ろくおん助手じょしゅ 福原ふくはら正博まさひろ
せいおと助手じょしゅ 浅倉あさくらつとむ高木たかぎはじめ内田うちだまこと
音響おんきょう効果こうか制作せいさく サウンドリング
音響おんきょう効果こうか 伊藤いとう道廣みちひろ
音響おんきょう効果こうか助手じょしゅ 石野いしの貴久たかひさ
音響おんきょう効果こうか協力きょうりょく VDX
猪飼いかい和彦かずひこ渡辺わたなべはじめ時田ときたしげる
音響おんきょう効果こうか取材しゅざい協力きょうりょく 加藤かとう隆雄たかお山村やまむらつなひろ
愛知あいちけん鳳来ほうらいまち東京とうきょうきた弓道ゆどう連盟れんめい正宗まさむね工芸こうげい
音楽おんがく制作せいさく 会社かいしゃ ワンダーシティ、スタジオジブリ
マネージメント 山下やました幸郎ゆきお
A&R 滝川たきがわとおる稲城いなぎ和実かずみ
エンジニア レコーディング 大川おおかわ正義まさよし森本もりもとしん浜田はまだじゅんしん
マスタリング 加藤かとうただしあきら
アシスタント 石原いしはら裕也ゆうや古川ふるかわ健司けんじ
CD制作せいさく 会社かいしゃ 徳間とくまジャパンコミュニケーションズ
A&R 岡田おかだ知子ともこ
協力きょうりょく会社かいしゃ ヤマハ
フォトグラファー 落合おちあい淳一じゅんいちうらたにねんりょう
録音ろくおんスタジオ 音楽おんがく収録しゅうろく ワンダーステーション、アバコクリエイティブスタジオ
台詞せりふ収録しゅうろく MITスタジオ
池場いけば達也たつや西島にししま理恵りえ八十嶋やそじま裕樹ゆうき
アバコクリエイティブスタジオ
金井かない光晴みつはる廣岡ひろおか信貴しぎ
録音ろくおんしょ 東京とうきょうテレビセンター
タイトル 真野まのかおる吉田よしだ由香里ゆかり
リスマーク CNT508
編集へんしゅう 瀬山せやま武司たけし
編集へんしゅう助手じょしゅ 水田みずた経子けいこ内田うちだめぐみ田村たむら眞子しんじ
編集へんしゅうしょ 瀬山せやま編集へんしゅうしつ
監督かんとく助手じょしゅ 伊藤いとう裕之ひろゆき
演出えんしゅつ助手じょしゅ 有富ありとみきょう石曽根いしそね正勝まさかつ
制作せいさく担当たんとう 川端かわばた俊之としゆき
制作せいさくデスク 田中たなかせん西にしきりどもあきら
制作せいさく進行しんこう 大塚おおつか浩二こうじ居村いむら健治けんじ鈴木すずき健一郎けんいちろう
制作せいさく業務ぎょうむ 野中のなかすすむ輔、望月もちづき雄一郎ゆういちろう
キャラクター商品しょうひん開発かいはつ 今井いまい知巳ともみ浅野あさの宏一こういち
インターネット 石光いしみつ紀子のりこ
プロデューサー 米沢よねざわたかしはく
出版しゅっぱん担当たんとう 田居たいいん
予告編よこくへん制作せいさく ガル・エンタープライズ
板垣いたがき恵一けいいち花本はなもと浩子ひろこ
海外かいがいプロモート担当たんとう スティーブン・アルパート、森吉もりよしひろし濱田はまだ啓路けいじ
現像げんぞう 会社かいしゃ IMAGICA
タイミング 平林ひらばやし弘明ひろあき
オプチカル 関口せきぐち正晴まさはる
デジタルフィルムI/O つじ英男ひでお
DOLBY 技術ぎじゅつ協力きょうりょく もり幹生みきお
コンチネンタル ファーイースト
光学こうがく録音ろくおん 上田うえだふとし
デジタル光学こうがく録音ろくおん 西尾にしおのぼる
アニメーション制作せいさく スタジオジブリ
プロデューサー 鈴木すずき敏夫としお
原作げんさく
脚本きゃくほん
監督かんとく
宮崎駿みやざきはやお

製作せいさく委員いいんかい[編集へんしゅう]

そう指揮しき 徳間とくまやすしかい
代表だいひょう 氏家うじいえひとし一郎いちろう成田なりたゆたか
代表だいひょう委員いいん 山下やました辰巳たつみ藤井ふじい睦夫むつお
推進すいしん指揮しき 漆戸うるしど靖治やすはる間部まべこう桂田かつらだ光喜みつよし
推進すいしん委員いいん 大塚おおつかつとむ萩原はぎはら敏雄としお俣木たておっと
広報こうほう 山本やまもと珠実たまみ長澤ながさわ美奈子みなこ
プロデューサー 菊川きくかわ幸夫ゆきお武井たけい英彦ひでひこ中谷なかたに敏夫としお渡辺わたなべ哲也てつや
実行じっこう委員いいん 徳間書店とくましょてん
小金井こがねいどうひろし室井むろいみのる塚原つかはらのぼる伊藤いとう純子じゅんこ
日本にほんテレビ
坂田さかた信久のぶひさ伊藤いとう和明かずあき長崎ながさき佳子けいこ藤本ふじもと鈴子すずこ野元のもと佳子けいこ門屋かどや大輔だいすけ紙谷かみたに知子ともこ
電通でんつう
百瀬ももせ伸夫のぶお野田のだこう也、勝田かつた祥三しょうぞう青柳あおやぎきょう福山ふくやま亮一りょういち曽我そが有信ありのぶ
スタジオジブリ
古林ふるばやししげる荒井あらいあきらよし一村いちむら晃夫てるお洞口ほらぐちとも駒形こまがた正吾しょうご藤津ふじつ英子えいこ
製作せいさく担当たんとう 奥田おくだ誠治せいじ
企画きかく協力きょうりょく アニメージュ編集へんしゅう
渡邊わたなべ隆史たかし松岡まつおかひかりゆずる
宣伝せんでん プロデューサー 矢部やべまさる
かかり 東宝とうほう
新井あらい重人しげとばん雄輔ゆうすけ
メイジャー
脇坂わきさか守一しゅいち岡村おかむら尚人なおと土屋つちやまさる小柳こやなぎ道代みちよ笹田ささだ文代ふみよつくえちひろ、福田ふくだのぞみ、加藤かとう麻里子まりこはら美恵子みえこ渡辺わたなべ美佳みか
特別とくべつ顧問こもん 徳山とくやま雅也まさや
キャッチコピー 糸井いといしげるさと
特別とくべつ協賛きょうさん 日本生命にほんせいめい
特別とくべつ協力きょうりょく 読売新聞よみうりしんぶん
配給はいきゅう 東宝とうほう
  • 英語えいごばん演出えんしゅつ - ジャック・フレッチャー
  • 英語えいごばん脚本きゃくほん - ニール・ゲイマン

主題歌しゅだいか[編集へんしゅう]

もののけひめ
作詞さくし - 宮崎駿みやざきはやお / 作曲さっきょく - 久石ひさいしゆずる / 編曲へんきょく - 久石ひさいしゆずる / うた - よねりょう美一よしかず

挿入歌そうにゅうか[編集へんしゅう]

「エボシ タタラうた」
作詞さくし - 宮崎駿みやざきはやお / 作曲さっきょく - 久石ひさいしゆずる / 編曲へんきょく - 久石ひさいしゆずる / うた - 新倉にいくら芳美よしみ木村きむら真紀まき下成しもなり佐登子さとこ

興行こうぎょうしょうれき[編集へんしゅう]

1997ねん7がつ公開こうかい興行こうぎょう収入しゅうにゅう193おくえん[7][ちゅう 10]観客かんきゃく動員どういんすう1420まんにん記録きろく[86]当時とうじ日本にっぽん映画えいが歴代れきだい興行こうぎょう収入しゅうにゅうだい1となった。

日本にっぽん歴代れきだい興行こうぎょう収入しゅうにゅうランキングだい1大当おおあたりに、製作せいさくそう指揮しき徳間とくまやすしかいなかのよい岡田おかだしげる東映とうえい会長かいちょうから「ひゃくねんいち奇跡きせきだぞ」とわれた[87]徳間とくまは「なんほんてて世界せかいのアニメプロデューサーになる」と豪語ごうごした[87]。『もののけひめ』は日本にっぽん公開こうかいされた洋画ようがふくめても歴代れきだいいちで、徳間とくま岡田おかだりで「ひゃくねん一本いっぽん」をまわりにいた[87]20世紀せいきはあとすうねんしかなく、このまま日本にっぽんでの20世紀せいき最大さいだいのヒットの称号しょうごうをキープするかにおもえたが、翌年よくねんタイタニック』にかれた[87]2001ねんにすぐに『せん千尋ちひろ神隠かみがく』でかえしたが、徳間とくまは2000ねん死去しきょしており、これをることはなかった[87]

日本にっぽん国内こくないにおけるDVDとVHSをわせたビデオグラム出荷しゅっか本数ほんすうは2007ねん5がつ時点じてんで440まんほん[88]

1999ねん1がつ22にちに『金曜きんようロードショー』ではつのTV放送ほうそうがされ関東かんとう地区ちくで35.1%、西日本にしにほん地区ちくで40.8%の視聴しちょうりつ記録きろくした[89]

香港ほんこんでの興行こうぎょう収入しゅうにゅうは654まん香港ほんこんドル[89]全米ぜんべいでは1000まんドル[89]

さい上映じょうえい[編集へんしゅう]

2020ねん新型しんがたコロナウイルスの流行りゅうこうによって新作しんさく映画えいが供給きょうきゅう困難こんなんになったことをけ、同年どうねん6月26にちから8がつまで全国ぜんこく映画えいがかんほんさくさい上映じょうえいおこなわれた[1]さい上映じょうえいによる興行こうぎょう収入しゅうにゅうは8.8おくえんにのぼり、同年どうねん12月15にちにこれまでの興行こうぎょう収入しゅうにゅう(193.0おくえん[7])に加算かさんされ、正式せいしき興行こうぎょう収入しゅうにゅう記録きろくは201.8おくえんとなった[3]。これにともない、おなじくスタジオジブリ製作せいさくである『ハウルのうごしろ』の興行こうぎょう収入しゅうにゅう(196.0おくえん)をいた[4]

さい上映じょうえい週間しゅうかん興行こうぎょう順位じゅんい推移すいい
上映じょうえいしゅう 週末しゅうまつ日付ひづけ 順位じゅんい 備考びこう
1 2020ねん06月27にち-28にち 2
2 2020ねん07がつ04にち-05にち
3 2020ねん07がつ11にち-12にち [90][91]
4 2020ねん07がつ18にち-19にち 3 [92]
5 2020ねん07がつ25にち-26にち [93]
6 2020ねん08がつ01にち-02にち [94]
7 2020ねん08がつ08にち-09にち 7 [95]

売上うりあげ記録きろく[編集へんしゅう]

日本にっぽん国内こくない

内容ないよう 記録きろく 補足ほそく
興行こうぎょう収入しゅうにゅう 201.8おくえん[3] 英語えいごばん日本にっぽん興行こうぎょうぶんのぞく、さい上映じょうえいふくめた2020ねん12がつ現在げんざい正式せいしき記録きろく
配給はいきゅう収入しゅうにゅう やく113おくえん[86] 英語えいごばん日本にっぽん興行こうぎょうぶんさい上映じょうえいのぞ
動員どういん 1420まんにん[86] 英語えいごばん日本にっぽん興行こうぎょうぶんさい上映じょうえいのぞ
『イメージアルバム』 7まんまい出荷しゅっか(1996ねん7がつ22にち発売はつばいのCD)[96]
0.5まんまい出荷しゅっか(2004ねん発売はつばい再発さいはつCD)[96]
サウンドトラック 50まんまい出荷しゅっか(1997ねん7がつ2にち発売はつばいのCD)[96]
交響こうきょう組曲くみきょく 8まんまい出荷しゅっか(1998ねん7がつ8にち発売はつばいのCD)[96]
主題歌しゅだいか『もののけひめ 60まんまい出荷しゅっか(1997ねん発売はつばいのシングルCD)[96]
0.5まんまい出荷しゅっか(2004ねん発売はつばい再発さいはつシングルCD)[96]
VHS(1998ねん9がつ発売はつばい 400まんほん出荷しゅっか[89] 2005ねん3がつ現在げんざい
DVD(2001ねん11月発売はつばい本編ほんぺん+映像えいぞう特典とくてんの3まいぐみ 50まんまい出荷しゅっか[89] 2005ねん3がつ現在げんざい
映画えいがパンフレット 262まん[97]
フィルムコミック 180まん以上いじょう[98] 4かんけい
『THE ART OF The Princess MONONOKE
もののけひめ
10まんちか[98] 定価ていか2800えん

テレビ放送ほうそう視聴しちょうりつ[編集へんしゅう]

回数かいすう 放送ほうそう 視聴しちょうりつ
1 1999ねん01がつ22にちかね 35.1%[99]
2 2001ねん01がつ26にちかね 26.9%[100]
3 2003ねん02がつ14にちかね 27.0%
4 2004ねん11月19にちかね[101] 23.3%
5 2006ねん05月12にちかね[102] 18.2%
6 2010ねん01がつ08にちかね[103] 18.4%
7 2011ねん07がつ01にちかね[104] 15.9%
8 2014ねん07がつ04にちかね[105] 21.9%
9 2016ねん08がつ05にちかね 15.1%[106]
10 2018ねん10がつ26にちかね 12.8%[107]
11 2021ねん08がつ13にちかね 13.8%[108]
12 2023ねん07がつ21にちかね 12.6%[109]

DVD[編集へんしゅう]

現在げんざい発売はつばいされているDVDには、日本語にほんご英語えいごフランス語ふらんすご広東かんとんドイツイタリアスペインポルトガルの8かこく収録しゅうろくされている。また、2001ねんには制作せいさく過程かていえがいたメイキングDVD『「もののけひめ」はこうしてまれた。』(ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント)が発売はつばいされた。

舞台ぶたい[編集へんしゅう]

イギリスの若手わかて劇団げきだん「Whole Hog Theatre」(ホール・ホグ・シアター)によって舞台ぶたいされる。劇団げきだん宮崎みやざき監督かんとく友人ゆうじんであるニック・パークとおしてオファーしたところ、劇団げきだん作成さくせいしたテスト映像えいぞう宮崎みやざき監督かんとくがGOサインをしたという。宮崎みやざき監督かんとく自作じさく舞台ぶたい許諾きょだくするのはこれがはつ[110]

イギリスではロンドンにあるニュージオラマシアターにて上演じょうえん。2013ねん4がつ2にち-6にちのチケットは発売はつばいから72あいだで、6月18にち-29にち再演さいえんは4あいだはんれた。日本にっぽんでは2013ねん4がつ29にち-5月6にち渋谷しぶやアイアシアタートーキョーにて上演じょうえんされる。キャストのなかには、唯一ゆいいつ日本人にっぽんじん、ニューヨークを拠点きょてん活動かつどうちゅう女優じょゆう・ダンサー・シンガーのYuriko Miyake(三宅みやけ由利子ゆりこ)がふくまれている。作中さくちゅうのテーマソング『もののけひめ』も彼女かのじょうたっている。人間にんげん以外いがいのキャラクターは古着ふるぎ・ビニールやペットボトルなどの廃材はいざい使用しようしてつくられたパペットで表現ひょうげんしていた[111]

スタッフ[編集へんしゅう]

関連かんれん商品しょうひん[編集へんしゅう]

作品さくひん本編ほんぺんかんするもの[編集へんしゅう]

映像えいぞうソフト
  • もののけひめ LD - 徳間書店とくましょてん(1998ねん6がつ26にち
  • もののけひめ VHS - ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント(1998ねん6がつ26にち
    • 「もののけひめ」はこうしてまれた VHS - ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント(1998ねん6がつ26にち
  • もののけひめ DVD - ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント(2001ねん11月21にち
    • 「もののけひめ」はこうしてまれた DVD - ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント(2001ねん11月21にち
    • DVD(宮崎駿みやざきはやお監督かんとく作品さくひんしゅう) - ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン(2014ねん7がつ2にち
  • もののけひめ Blu-ray Disc - ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン(2013ねん12月4にち
    • Blu-ray Disc(宮崎駿みやざきはやお監督かんとく作品さくひんしゅう) - ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン(2014ねん7がつ2にち
出版しゅっぱん
  • もののけひめ宮崎駿みやざきはやお徳間書店とくましょてん、1993ねん12月31にちISBN 4-19-860040-6
  • THE ART OF The Princess MONONOKE もののけひめ(スタジオジブリ責任せきにん編集へんしゅう徳間書店とくましょてん、1997ねん8がつ20日はつかISBN 4-19-810002-0
  • もののけひめ じょう徳間とくまアニメ絵本えほん)(徳間書店とくましょてん、1997ねん9がつ30にちISBN 4-19-860762-1
  • もののけひめ 徳間とくまアニメ絵本えほん)(1997ねん9がつ30にちISBN 4-19-860763-X
  • もののけひめ(ジス・イズ・アニメーション)(小学館しょうがくかん、1997ねん10がつ1にちISBN 4-09-101542-5
  • もののけひめ―フィルムコミック(1)(徳間書店とくましょてん、1997ねん10がつ1にちISBN 4-19-770052-0
  • もののけひめ―フィルムコミック(2)(1997ねん10がつ1にちISBN 4-19-770053-9
  • もののけひめ―フィルムコミック(3)(1997ねん11月1にちISBN 4-19-770054-7
  • もののけひめ―フィルムコミック(4)(1997ねん11月1にちISBN 4-19-770055-5
  • もののけひめ ロマンアルバム(アニメージュ編集へんしゅうへん徳間書店とくましょてん、1997ねん11月1にちISBN 4-19-720026-9
  • 「もののけひめ」の秘密ひみつ はるかなる縄文じょうもん風景ふうけい批評社ひひょうしゃ、1998ねん10がつ10日とおかISBN 4-8265-0261-3
  • 「もののけひめ」はこうしてまれた。(徳間書店とくましょてん、1998ねん10がつ30にちISBN 4-19-860930-6
  • 『もののけひめ』から『ホーホケキョ となりの山田やまだくん』へ テーマは「きろ。」から「適当てきとう」へ…!?(スタジオジブリ・徳間書店とくましょてん、1999ねん7がつ31にちISBN 4-19-861046-0
  • もののけひめ 完全かんぜんばん―フィルムコミック(1)(徳間書店とくましょてん、2000ねん4がつ28にちISBN 4-19-770069-5
  • もののけひめ 完全かんぜんばん―フィルムコミック(2)(2000ねん4がつ28にちISBN 4-19-770073-3
  • もののけひめ 完全かんぜんばん―フィルムコミック(3)(2000ねん4がつ28にちISBN 4-19-770074-1
  • もののけひめ 完全かんぜんばん―フィルムコミック(4)(2000ねん4がつ28にちISBN 4-19-770075-X
  • もののけひめ 完全かんぜんばん―フィルムコミック(5)(2000ねん6がつ1にちISBN 4-19-770076-8
  • ROMAN ALBUM GHIBLI How did America view PRINCESS MONONOKE?(スタジオジブリ・徳間書店とくましょてん、2000ねん5がつ20日はつかISBN 4-19-720117-6
  • もののけひめ(スタジオジブリコンテ全集ぜんしゅう11)(スタジオジブリ・徳間書店とくましょてん、2002ねん1がつ28にちISBN 4-19-861475-X
  • もののけひめ(シネマ・コミック10)(文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう文春ぶんしゅんジブリ文庫ぶんこ、2018ねん12がつISBN 978-4-16-812109-8
音楽おんがく
  • もののけひめ 徳間とくまジャパンコミュニケーションズ再発さいはつばん2004ねん10がつ27にち、オリジナル1997ねん6がつ25にち
  • もののけひめ イメージアルバム 徳間とくまジャパンコミュニケーションズ(〈再発さいはつばんCD/2004ねん9がつ29にち〉TKCA-770946〈オリジナルばん / 1996ねん7がつ22にち〉)
  • もののけひめ サウンドトラック 徳間とくまジャパンコミュニケーションズ(1997ねん7がつ2にち
  • 交響こうきょう組曲くみきょく もののけひめ 徳間とくまジャパンコミュニケーションズ(1998ねん7がつ8にち

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ さい上映じょうえいふくまない場合ばあいは193おくえん
  2. ^ 同年どうねん公開こうかいの『タイタニック』に更新こうしんされるまで日本にっぽん記録きろく保持ほじした。2020ねんさい上映じょうえい正式せいしき興行こうぎょう収入しゅうにゅうは201おく8せんまんえんとなっている[3][4]
  3. ^ 「𦻙」のみは「せっき」。「𦻙」(草冠くさかんむりきゅう字体じたいしたみみふたつ)は宮崎みやざきによる「正史せいしにはのこらずにみみからみみつたえられた物語ものがたり」を意味いみする創作そうさくであり日本にっぽん漢字かんじには存在そんざいしない。これに相当そうとうするものが台湾たいわん漢字かんじ存在そんざいし、UnicodeではU+26ED9(CJK統合とうごう漢字かんじ拡張かくちょうB)に収録しゅうろくされている。「聶」(みみみっつ)は誤記ごきあるいは代用だいよう表記ひょうき
  4. ^ 差別さべつてきむらからいやられているが、表現ひょうげんおさえているため、冒険ぼうけん旅立たびだったのだと勘違かんちがいされたという[25]
  5. ^ はなったてきへいうでくびばす、太刀たちをねじげる、大量たいりょう出血しゅっけつ銃創じゅうそういながらもサンをかかえた状態じょうたいあるつづける、10にんがかりでけるタタラじょう大門おおもん1人ひとりけるなど。
  6. ^ ぜに(ロマンアルバムに当時とうじ日本にっぽんぜに中国ちゅうごくあかりこく〈みんこく〉のぜに記載きさい[28])、市場いちばおんなは「おあし」とった。
  7. ^ 具体ぐたいてきには、「タタリしんになりかけ理性りせいうしなった乙事おっことぬしを、てきとして成敗せいばいしたいのか、あるいは慈悲じひつつみたいのかなやんだ」という。
  8. ^ 美輪みわは「モロのむねなかでは『かつていとしくおもっていた乙事おっことぬしへの憐憫れんびん(れんびん)』、『青春せいしゅん時代じだいざんけい』、『"しかしそれとこれとはべつだ"といういましめの気持きもち』が複雑ふくざつからってる」と解釈かいしゃくした。
  9. ^ 『もののけひめ』の映画えいがパンフレット12ぺーじ監督かんとくの「アシタカと結婚けっこんするとおもさだめているむすめ許嫁いいなずけ同然どうぜんということ様子ようす)」という発言はつげん記載きさいされており、宮崎駿みやざきはやお監督かんとく自身じしんも2001ねん発売はつばいされたDVD『「もののけひめ」はこうしてまれた』のなかで「一族いちぞくえらんだ許嫁いいなずけ」とかたっている。
  10. ^ かのう精二せいじ宮崎駿みやざきはやお全書ぜんしょ』(2006ねん)では194おくえん[86]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

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  104. ^ 金曜きんようロードショー2011ねん7がつ1にち放送ほうそうぶん
  105. ^ 金曜きんようロードSHOW!2014ねん7がつ4にち放送ほうそうぶん
  106. ^ 「もののけひめ」9かいでも15.1% 宮崎みやざきアニメ根強ねづよ人気にんき 瞬間しゅんかん最高さいこう大台おおだいせまる19.0%
  107. ^ “もののけひめ通算つうさん10かい放送ほうそうも12.8%のこう視聴しちょうりつ. MANTAN WEB. (2018ねん10がつ29にち). https://mantan-web.jp/article/20181029dog00m200004000c.html 2018ねん10がつ29にち閲覧えつらん 
  108. ^ 宮崎駿みやざきはやお監督かんとく「もののけひめ」11度目どめ放送ほうそう13・8% 99ねん初回しょかいは35・1%”. 日刊にっかんスポーツ. (2021ねん8がつ16にち). https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202108160000100.html 2021ねん8がつ16にち閲覧えつらん 
  109. ^ 宮崎駿みやざきはやお監督かんとく「もののけひめ」12度目どめ放送ほうそう12・6% アシタカ「きろ。そなたはうつくしい」”. 日刊にっかんスポーツ. (2022ねん7がつ24にち). https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202307210000103.html 2022ねん7がつ24にち閲覧えつらん 
  110. ^ 舞台ぶたい「Princess MONONOKE〜もののけひめ〜」公式こうしきサイト”. 2013ねん3がつ8にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2013ねん3がつ5にち閲覧えつらん
  111. ^ 宮崎駿みやざきはやおはじめてみとめた。イギリスの劇団げきだんが「もののけひめ」にチャレンジ、その真価しんかは?”. 2013ねん5がつ2にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

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  • かのう精二せいじ (1997ねん8がつ1にち). “「もののけひめ」を”. 高畑たかはたいさお宮崎駿みやざきはやお作品さくひん研究所けんきゅうじょ. 2023ねん1がつ26にち閲覧えつらん
  • 『THE ART OF The Princess MONONOKE もののけひめスタジオジブリ 責任せきにん編集へんしゅう徳間書店とくましょてん〈ジブリTHE ARTシリーズ〉、1997ねん8がつ20日はつかISBN 4-19-810002-0 
  • うらたにねんりょう ちょ、アニメージュ増刊ぞうかん編集へんしゅう へん『「もののけひめ」はこうしてまれた。』徳間書店とくましょてん、1998ねん10がつISBN 4-19-860930-6 
  • アニメージュ編集へんしゅう へん『もののけひめ ロマンアルバム』徳間書店とくましょてん、1997ねん11月。ISBN 4-19-720026-9 
  • 宮崎駿みやざきはやお『もののけひめ-スタジオジブリコンテ全集ぜんしゅう<11>』徳間書店とくましょてん、スタジオジブリ事業じぎょう本部ほんぶ、2002ねんISBN 4-19-861475-X 
  • 宮崎駿みやざきはやおかぜかえ場所ばしょ-ナウシカから千尋ちひろまでの軌跡きせき』ロッキング・オン、2002ねんISBN 4-86052-007-6 新版しんぱん文春ぶんしゅんジブリ文庫ぶんこ(2013ねん11月)
  • 網野あみの善彦よしひこ『「わすれられた日本人にっぽんじん」をむ』岩波書店いわなみしょてん岩波いわなみセミナーブックス〉、2003ねんISBN 4-00-026610-1 
  • かのう精二せいじ宮崎駿みやざきはやお全書ぜんしょ』フィルムアートしゃ、2006ねん3がつ29にちISBN 4-8459-0687-2OCLC 71254186 
  • 市沢いちさわあきら映画えいが『もののけひめ分析ぶんせき歴史れきしファンタジーに歴史れきしがくはどうかかわるか」『日本にっぽん中世ちゅうせい公家くげ政治せいじ研究けんきゅう校倉あぜくら書房しょぼう歴史れきし科学かがく叢書そうしょ〉、2011ねん10がつISBN 978-4-7517-4330-0 
    • 初出しょしゅつ 市沢いちさわあきら映画えいが『もののけひめ分析ぶんせき : 歴史れきしファンタジーに歴史れきしがくはどうかかわるか(特集とくしゅう 歴史れきし文学ぶんがく)」『國文こくぶん論叢ろんそうだい34かん神戸大学こうべだいがく文学部ぶんがくぶ国語こくご国文こくぶん学会がっかい、2004ねん3がつ、94-109ぺーじdoi:10.24546/81011601hdl:20.500.14094/81011601 
  • 宮崎駿みやざきはやおかえてん 1997〜2008』岩波書店いわなみしょてん、2008ねん7がつ16にちISBN 978-4-0002-2394-2 エッセイ・発言はつげんしゅう

関連かんれん文献ぶんけん[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]