太平御覽 : 皇王部二十五 : 恭皇帝

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《恭きょう皇帝こうてい》

1 Jump to dictionary Show parallel passages	恭きょう皇帝こうてい:	《晉すすむ書しょ》曰：恭きょう帝みかど，諱いみな德とく文ぶん，安やす帝みかど母はは弟おとうと也。初はつ封ふう瑯耶王おう，歷れき中ちゅう軍ぐん將軍しょうぐん、散ち騎き常つね侍さむらい、衛まもる將軍しょうぐん、開府かいふ儀ぎ同どう三さん司つかさ，加か侍さむらい中ちゅう、領りょう司し徒と、錄ろく尚書しょうしょ六ろく條じょう事ごと。元もと興きょう初はつ，遷車騎き大將軍だいしょうぐん。桓玄執政しっせい事ごと，進しん位い太宰だざい，加か袞冕之の服ふく，綠みどり綟綬。玄げん篡位，以帝為石ためし陽ひ縣けん公こう，與あずか安やす帝みかど俱居尋ひろ陽ひ。及玄敗はい，隨ずい至いたり江え陵りょう。玄げん死し，桓振奄至，躍おど馬うま奮戈，直ちょく至いたり階下かいか，瞋目謂いい安やす帝みかど曰：「臣しん門戶もんこ何なん負ふ國家こっか，而屠滅ほろび若わか是ぜ？」帝みかど乃下床ゆか謂いい振ふ曰：「此豈我わが兄弟きょうだい意い耶！」振ふ乃下馬げば致拜。振ふ平ひらめ，復ふく為ため瑯耶王おう。又また領りょう徐じょ州しゅう刺史しし，尋ひろ拜はい大だい司馬しば，領りょう司し徒と，加か殊こと禮れい。義ぎ熙五ご年ねん，置おけ左右さゆう司馬しば、長ちょう史ふみ、從事じゅうじ中ちゅう郎ろう四よん人にん，加か羽わ葆鼓吹こすい。十二月じゅうにがつ戊つちのえ寅とら，安やす帝みかど崩くずし。是ぜ日び，即そく帝位ていい，大赦たいしゃ。元もと熙元年春としはる正月しょうがつ壬みずのえ辰たつ朔ついたち，改元かいげん。以山陵りょう未み厝，不ふ朝會ちょうかい。立后りっこう褚氏。甲かぶと午うま，征せい劉りゅう裕ひろし還かえ朝あさ。二に年ねん夏なつ六ろく月がつ壬みずのえ戌いぬ，劉りゅう裕ひろし至いたり于京師し。傅でん亮あきら承うけたまわ裕ひろし密みつ旨むね，諷帝禪ぜん位い，草くさ詔みことのり，請帝書しょ之の。帝みかど欣然きんぜん謂いい左右さゆう曰：「桓玄之の時とき，天命てんめい已やめ去ざ，為ため劉りゅう公所ぐぞ延のべ二に十じゅう載の矣，今こん復ふく何なん恨。」乃書赤紙あかがみ為ため詔みことのり。甲子きのえね，遂とげ遜へりくだ于瑯耶第。劉りゅう裕ひろし以帝為ため零れい陵りょう王おう，居きょ于秣陵りょう，行ぎょう晉すすむ正せい朔ついたち，車くるま旗はた服ふく色しょく一如いちにょ其舊，有ゆう其文而不備ふび其禮。宋そう永ひさし初はつ二に年ねん九きゅう月がつ崩くずし于內房ぼう，時じ年ねん三さん十じゅう六ろく。謚恭皇帝こうてい，葬そう沖おき平たいら陵りょう。
2 Jump to dictionary Show parallel passages	恭きょう皇帝こうてい:	《續ぞく晉すすむ陽ひ秋あき》曰：初はつ，安やす皇すめらぎ不ふ慧とし，起居ききょ動どう止とめ不ふ自己じこ出で，帝みかど每ごと侍さむらい左右さゆう，消息しょうそく涼すずし溫ぬる饑ひだる飽之中ちゅう，而恭謹備焉，時じ人稱にんしょう其順悌。又また雅信まさのぶ佛法ぶっぽう，鑄い貝かい貨十じゅう萬まん，造みやつこ丈たけ六金像于瓦官寺，外國がいこく齊ひとし日ひ，迎むかい像ぞう宮みや步あゆみ從したがえ十じゅう許もと里さと。安やす皇帝こうてい歸き陵りょう，有ゆう詔みことのり當とう出で送おく，八はち座ざ奏そう諫，以為宜むべ加か珍ちん攝と，乃止。
3 Jump to dictionary	恭きょう皇帝こうてい:	沈約《宋そう書しょ》曰：褚秀之の妹いもうと為恭ためちか帝みかど后きさき，兄弟きょうだい并盡忠じんちゅう事ごと高祖こうそ，恭きょう帝みかど每ごと生せい男おとこ，輒令方便ほうべん殺ころせ焉，或ある誘さそえ賂まいない內人，或ある密みつ加か毒害どくがい，前ぜん后きさき如此非ひ一いち。恭きょう帝みかど居きょ秣まぐさ陵りょう宮みや，常つね懼見禍か，與あずか褚后共ども止とめ一いち室しつ，慮おもんばか鴆毒，自じ煮に食しょく于床前まえ。高祖こうそ將すすむ殺ころせ之これ，不ふ欲ほっ遣や人ひと入にゅう內，令れい褚淡之の兄弟きょうだい侍さむらい褚后，褚后出で別宮べつく相しょう見み，兵へい人じん乃逾垣かき而入，進しん藥やく於恭帝みかど。恭きょう帝みかど不ふ肯飲，曰：「佛教ぶっきょう自殺じさつ者しゃ，不ふ得とく復ふく人身じんしん。」乃以被ひ掩殺之の。
4 Jump to dictionary Show parallel passages	恭きょう皇帝こうてい:	《中興ちゅうこう書しょ》曰：昔むかし中ちゅう宗むね以丁丑うし之の歲とし始はじめ稱たたえ晉すすむ王おう，改あらため筑宗廟そうびょう，使つかい郭かく璞筮之の，云うん：「載の祀まつ二に百ひゃく。」暨今禪ぜん代だい庚申こうしん之の歲とし，凡百ぼんぴゃく有ゆう二に年ねん，而天祿ろく永なが終おわり。璞精於數術じゅつ，理無わりな乖二，抑そもそも以百ひゃく二に期き促，故こ謬其嗣為二に百ひゃく乎？
5 Jump to dictionary	恭きょう皇帝こうてい:	史ふみ臣しん曰：安やす帝みかど即位そくい之の辰たつ，鍾無妄之日び，道子みちこ、元もと顯あらわ并傾朝政ちょうせい，主しゅ昏臣亂みだれ，未み有ゆう不ふ亡者もうじゃ也。雖有手しゅ握にぎ戎えびす麾，心しん存そん舊きゅう國くに，回かい首くび無む良りょう，忽焉こつえん消散しょうさん。於是桓玄承うけたまわ釁，勢いきおい逾飚指ゆび，六ろく師し咸泯，只ただ馬ば徂遷。是ぜ以宋高だか非ひ典てん午うま之の臣しん，孫まご恩おん豈あに金行かねゆき之の寇。若わか乃世遇ぐう顛覆てんぷく，則のり恭きょう皇すめらぎ斯甚。於越之の民みん，詎燻丹に穴あな，會かい稽之侶，寧やすし嘆入臣しん。去さ黃き屋や而歸來きらい，灑丹書しょ而不恨。夫おっと五ご運うん攸革，三さん微ほろ數すう盡つき，猶なお高こう秋あき凋候，理之まさゆき自然しぜん。觀かん其零落れいらく，人にん有為ゆうい之の流涕りゅうてい者しゃ也。

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