太平御覽 : 偏霸部十六 : 侯景

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《侯ほう景けい》

1 Jump to dictionary	侯ほう景けい:	附ふ
2 Jump to dictionary Show parallel passages	侯ほう景けい:	侯ほう景けい，河かわ朔ついたち人じん也。少しょう不羈ふき。高こう歡以為ため將軍しょうぐん。雄お勇いさみ冠かんむり時じ，征伐せいばつ數すう有ゆう大功たいこう。嘗謂歡曰：「若わか假かり景けい三さん萬まん人にん，當とう橫行おうこう天下でんか，要よう須縛取と蕭しょう衍老翁ろうおう，遣や作さく太平寺たいへいじ主ぬし。」
3 Jump to dictionary Show parallel passages	侯ほう景けい:	后きさき高だか歡死，景けい乃以河南かなん降くだ於梁。高こう澄きよし使し慕容紹宗圍かこえ長ちょう社しゃ，景けい謂いい紹宗曰：「欲よく送おく客きゃく耶？將はた定雄さだお雌めす耶？」紹宗曰：「吾われ將しょう決戰けっせん。」景けい乃令將士しょうし皆みな披甲，持もち短刀たんとう，但ただし低てい視し砍人脛ずね足あし，遂とげ敗はい紹宗軍ぐん。禆將斛律光こう尤ゆう之の，紹宗曰：「吾われ戰せん多た矣，未見みけん此賊之の難なん。」相あい持じ連れん月がつ，景けい食盡しょくじん，其將暴顯等とう降くだ紹宗，景けい眾乃潰つぶせ。景けい與あずか腹心ふくしん數すう騎き濟ずみ淮，稍やや收おさむ散ち卒そつ，得とく馬ば步ふ八はち百ひゃく人にん。晝夜ちゅうや兼行けんこう，追おい軍ぐん不ふ敢逼。使つかい謂いい紹宗曰：「景けい若わか就擒，公おおやけ復ふく何なん用よう？」紹宗乃縱之の。
4 Jump to dictionary Show parallel passages	侯ほう景けい:	遂とげ攻おさむ壽ことぶき陽よう，下之したの而據其城。梁りょう武たけし以為河南かなん王おう。招集しょうしゅう戰士せんし，乃請錦にしき萬まん匹ひき，為ため軍人ぐんじん作さく袍ほう。帝みかど不ふ與あずか，以青布ぬの給きゅう之の。又また請娶於王、謝しゃ，帝みかど曰：「王おう、謝しゃ門もん高だか，非ひ其偶；可か朱しゅ、張ちょう已やめ下か訪おとずれ之これ。」景けい恚曰：「弘ひろし將はた胡えびす兒女じじょ以配奴やつ。」景けい既すんで為ため朝廷ちょうてい所しょ疑うたぐ。武たけ帝みかど使し謂いい景けい曰：「譬たとえ如貧家畜かちく十じゅう客きゃく，尚なお能のう得とく志こころざし，朕ちん惟おもんみ有ゆう一いち客きゃく，致有忿言，是ぜ朕ちん之の失しつ也。」明日あした，遂とげ將兵しょうへい於瀝陽ひ濟ずみ江え。
5 Jump to dictionary Show parallel passages	侯ほう景けい:	聞邵陵りょう王おう綸督眾軍，景けい乃謀於王偉えら。王おう偉えら曰：「莫若直ちょく掩京都きょうと，臨賀反はん於內，大王だいおう攻おさむ於外，天下てんか不足ふそく定てい也。兵法ひょうほう曰：巧遲こうち不ふ如拙速そく。今いま便びん須進路ろ，不ふ然しか邵陵及矣。」景けい遂とげ晨夜兼行けんこう至いたり都と。百道ももじ攻おさむ城じょう，縱たて火ひ焚諸城門じょうもん。城中じょうちゅう倉卒そうそつ未み有ゆう備，乃鑿門もん樓ろう，下水げすい沃火，久之ひさゆき方かた滅めつ。景けい又また於城南みなみ、城西じょうせい各かく起おこり土山つちやま以臨城じょう內，內亦作さく兩りょう山やま以應之の，簡文以下いか皆みな親おや執と畚ふご音おと本ほん。鍤楚すわえ洽あまね切せつ。景けい又また募つの人ひと先さき為ため奴やつ者しゃ，賞しょう以不次じ。朱しゅ異こと家か黥奴逾城投とう賊ぞく，景けい以為儀ぎ同どう，使つかい至いたり闕下以誘城じょう內，乘馬じょうば披錦袍ほう詬曰：「朱しゅ異い五ご十じゅう年ねん仕つかまつ宦，方ぽう得とく中ちゅう領りょう軍ぐん。我わが始はじめ事こと侯こう王おう，已やめ為ため儀ぎ同どう使つかい。」於是奴やつ僮競出で，盡つき皆みな得とく志こころざし。景けい決けつ石せき闕前水すい，百道ももじ攻おさむ城じょう，晝夜ちゅうや不ふ息いき，城しろ陷おちい。
6 Jump to dictionary Show parallel passages	侯ほう景けい:	景けい自じ為ため丞相じょうしょう，以甲士し五ご百ひゃく人にん自衛じえい，帶劍たいけん升ます殿どの。帝みかど謂いい景けい曰：「卿きょう久ひさし在ざい戎えびす，得とく無む勞ろう乎？」景けい不ふ對たい。帝みかど曰：「卿きょう是ぜ何なん州しゅう人じん？而至此。」又また默然もくぜん，左右さゆう任にん約やく代だい對たい。及出，景けい謂いい約やく曰：「吾われ嘗據鞍くら對敵たいてき，矢や刃ば交下而意無む怖こわ。今見いまみ蕭しょう公こう，使つかい人じん自じ懾，豈あに非ひ天てん威い難なん犯はん，吾われ不可ふか以再見み之の矣。」先さき是ぜ，城中じょうちゅう積せき尸しかばね不ふ暇ひま埋うめ瘞，又また有ゆう已やめ死し未み斂，或ある將しょう死し未み絕ぜっ，景けい悉命聚而焚之。尚書しょうしょ郎ろう鮑あわび正ただし疾やまし篤あつし，賊ぞく曳出而焚之の，宛あて轉てん火中かちゅう，久ひさ而方絕ぜっ。
7 Jump to dictionary	侯ほう景けい:	武たけ帝みかど崩くずれ，立たて簡文，又また立たて豫よ章あきら王おう，景けい皆みな殺ころせ之これ，遂とげ篡位。國號こくごう漢かん，年ねん稱たたえ太ぶと始はじめ。王おう偉えら請立七なな廟びょう，景けい曰：「何なに謂いい七なな廟びょう？」偉えら曰：「古いにしえ者しゃ天子てんし祭さい七なな代だい祖そ考かんがえ，故こ致七なな廟びょう。」并請七なな代だい諱いみな，敕太常つね具ぐ祭祀さいし之の禮れい。景けい曰：「前代ぜんだい吾われ不ふ復ふく憶，惟おもんみ記き得え阿おもね爺じい名めい大だい𥛦，且在朔ついたち州しゅう伊那いな得とく來らい啖。」眾聞咸笑。
8 Jump to dictionary Show parallel passages	侯ほう景けい:	景けい頻しき為ため王おう僧そう辯べん所しょ破やぶ，將はた走はし，王おう偉えら按劍諫曰：「自じ古いにしえ豈あに有ゆう走はし天子てんし，今宮いまみや中ちゅう衛士えじ尚ひさし可か一いち戰せん，寧やすし可か便びん走はし。」景けい曰：「我わが在ざい北きた時じ打だ賀が拔勝，破やぶ葛かずら榮さかえ，揚あげ名めい河かわ朔ついたち，與あずか高こう王おう一いち種しゅ人じん。今來こんらい直ただし渡わたり大江おおえ，取と臺たい城じょう如反掌てのひら，打だ邵陵王おう於北山さん，摧柳仲なか禮れい於南岸がん，皆みな爾なんじ所しょ親おや見み也。今日きょう之の事こと，恐おそれ是ぜ天てん亡ほろび。爾しか好守こうしゅ城じょう，吾われ當とう一決いっけつ。」乃與百ひゃく騎き東ひがし走はし。至いたり松江まつえ，乃與腹心ふくしん數すう十じゅう人にん乘じょう舸はやぶね入海いりうみ，至いたり湖みずうみ豆まめ州しゅう，舍人とねり羊ひつじ鯤殺景けい。景けい左足ひだりあし上じょう有ゆう肉にく瘤こぶ，狀じょう似に龜かめ，戰勝せんしょう應おう克かつ捷とし則そく隱かくれ起おこり分明ふんみょう，如不勝則かつのり低てい。是ぜ日び，瘤こぶ陷おちい肉にく中ちゅう。遂とげ傳でん首くび於江陵りょう。

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