呉ご景けい

呉ご景けい（ご けい）

• 中国ちゅうごく後こう漢かん末すえの武将ぶしょう。本ほん項こうで解説かいせつする。
• 医書いしょ『諸しょ病やまい源げん候こう論ろん』の作者さくしゃ。（新しん唐とう書しょ芸文げいぶん志こころざし。現在げんざいに伝つたわるのは巣す元方もとかたによる同名どうめいの書しょ）
• 中国ちゅうごく明あきらの官吏かんり。江津ごうつの守将しゅしょう。藍あい廷瑞の乱らんで城しろが陥落かんらくした際さい、反乱はんらん軍ぐんに屈こごめせず「むしろ我がを殺ころすも士民しみんを殺ころすなかれ」と言いったため殺ころされた。（忠義ちゅうぎ伝でん）

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呉ご景けい
後こう漢かん 揚あげ武将ぶしょう軍ぐん・丹陽たんよう太守たいしゅ
出生しゅっしょう	生年せいねん不ふ詳しょう 揚あげ州しゅう呉くれ郡ぐん呉くれ県けん
死去しきょ	建たて安やすし8年ねん（203年ねん） 揚あげ州しゅう丹陽たんよう郡ぐん
拼音	Wu Jing
主君しゅくん	孫まご堅けん→袁術→孫まご策さく→孫まご権けん

呉ご 景けい（ご けい、? - 203年ねん）は、中国ちゅうごく後こう漢かん末期まっきの政治せいじ家か・武将ぶしょう。揚あげ州しゅう呉くれ郡ぐん呉くれ県けんの人ひと。父ちちは呉ご煇。母ははの名なは不明ふめい。姉あねは呉ご夫人ふじん。子こは呉ご奮・呉ご祺。孫まごは呉ご安やすし・呉ご纂。『三国志さんごくし』呉ご志こころざし 呉くれ夫人ふじん伝でん 等とうに記録きろくがある。

生涯しょうがい

故郷こきょうを離はなれ、銭ぜに唐から県けんに移住いじゅうしていたが、父母ちちははを早はやくに亡なくし、姉あねとともに暮くらしていた。孫まご堅けんが彼かれの姉あねに求婚きゅうこんしたところ、呉ご氏し一族いちぞくの者もの達たちはこれを断ことわろうとしたが、孫まご堅けんが恨うらみを抱だいたことを察さっした彼かれの姉あねが「将来しょうらいに禍根かこんを残のこすべきではない」と言いったため、呉ご氏し一族いちぞくの者もの達たちも考かんがえ直なおし、孫まご堅けんと縁戚えんせきになることを受うけ入いれた。

姉あねは孫まご堅けんとの間あいだに4男なん1女じょを儲もうけた。呉ご景けいは孫まご堅けんの下したで征伐せいばつに従したがい、功績こうせきを立たて騎き都と尉じょうに任命にんめいされた。

孫まご堅けんの死後しごは、その軍勢ぐんぜいを引ひき継ついだ孫まご賁と共ともに袁術の元もとへ身みを寄よせた。

揚あげ州しゅう攻略こうりゃくを狙ねらう袁術から丹陽たんよう太守たいしゅに任命にんめいされると、既存きそんの太守たいしゅ周しゅう昕を討伐とうばつして郡ぐんを乗のっ盗とった。このとき、周しゅう昕に味方みかたする民衆みんしゅうを無差別むさべつに死刑しけいにすることを予告よこくしたため、周しゅう昕は止やむ無なく故郷こきょうの会かい稽に引ひき揚あげたという。

この頃ころ、孫まご策さくは呉ご景けいの元もとに家族かぞくを預あづけて身みを寄よせ、曲きょく阿おもねで数すう百ひゃくの兵へいを招募していた。しかし、涇県の山中さんちゅうに拠よって丹陽たんように勢力せいりょくを持もっていた祖そ郎ろうが、孫まご策さくを急襲きゅうしゅうし討うち死じに直前ちょくぜんまで追おい込こんだため、孫まご策さく軍ぐんは全滅ぜんめつに近ちかい状況じょうきょうにまで撃破げきはされた。後のちに孫まご策さくは呉ご景けいの進言しんげんを容いれ、孫まご河かわ・呂りょ範はんらと共ともに合力ごうりょくして祖そ郎ろうを討伐とうばつし、敗走はいそうさせた。

劉りゅう繇が袁術のいる寿ことぶき春はるを避さけて曲きょく阿おもねにいたため、当初とうしょは孫まご賁とともに劉りゅう繇を迎むかえる姿勢しせいを示しめしたが、後のちに対立たいりつを深ふかめ丹陽たんようを追おわれた。このため再ふたたび袁術を頼たより、督とく軍ぐん中ちゅう郎ろう将しょうに任命にんめいされた。後のちに孫まご賁と共ともに横江よこえ津つの樊能・于糜、当とう利口りこうの張ちょう英すぐるを攻撃こうげきしたが破やぶれなかった。

加勢かせいにきた孫まご策さくと共同きょうどうして長江ながえを渡わたり、劉りゅう繇の軍勢ぐんぜいを追おいつめたが、牛うし渚なぎさで孫まご策さく負傷ふしょうの報ほうが伝つたわると、降伏ごうぶくしていた反乱はんらん者しゃ達たちが再ふたたび蜂起ほうきしたため、それを討伐とうばつした。

孫まご策さくは劉りゅう繇を撃破げきはし豫よ章しょうに追おいやると、呉ご景けいと孫まご賁に命めいじて袁術に戦果せんかを報告ほうこくさせた。袁術は劉りゅう備への対抗たいこう策さくとして呉ご景けいを起用きようし、広陵こうりょう太守たいしゅに任命にんめいした。

袁術が帝みかどを僭称せんしょうすると、孫まご策さくは袁術と絶交ぜっこうし、呉ご景けいも孫まご策さくの指示しじに従したがって広陵こうりょうを放棄ほうきした。独立どくりつして統治とうち体制たいせいを一新いっしんさせた孫まご策さくから、改あらためて徐じょ琨に代かわって丹陽たんよう太守たいしゅに任命にんめいされた。建たて安やすし2年ねん（197年ねん）、朝廷ちょうていから議ぎ郎ろうの王おう誧が巡察じゅんさつに来くると、呉ご景けいは朝廷ちょうていより正式せいしきに揚あげ武将ぶしょう軍ぐんを授さずかり、丹陽たんよう太守たいしゅを兼任けんにんすることも許ゆるされた。

建けん安やす8年ねん（203年ねん）、在職ざいしょくしたまま死去しきょした。

子孫しそん

• 呉ご奮 - 呉ご景けいの子こ。呉ごの新しん亭ちん侯こう。
  • 呉ご安やすし - 呉ご奮の子こ。呉ごの新しん亭ちん侯こう。
• 呉ご祺 - 呉ご景けいの子こ。呉ごの都と亭てい侯こう。
  • 呉ご纂 - 呉ご祺の子こ。呉ごの都と亭てい侯こう。

子この呉ご奮が後こうを継つぎ、部将ぶしょうとして兵士へいしを率ひきいた。後のちに新しん亭ちん侯こうに封ふうじられている。孫まご権けんが荊州征伐せいばつに赴おもむいたとき、呉くれ郡ぐん都みやこ督ただしとして留とめ置おかれたという。その死後しごはその子こである呉ご安やすしが跡あとを継ついだが、彼かれは二宮にのみや事件じけんで孫まご覇は（魯王）を支持しじしたため、後のちに誅殺ちゅうさつされた。呉ご奮の弟おとうとの呉ご祺がその跡あとを継つぎ都と亭てい侯こうに封ふうじられた。呉ご祺は孫まご権けんに気きに入いられ、張ちょう温あつしや顧譚らとともに訴訟そしょうの取とり捌さばきを任まかされたこともあったという。その跡あとは子この呉ご纂が継まましいだが、滕胤の娘むすめ婿むこであったため、滕胤の反乱はんらんに連座れんざし殺害さつがいされた。

参考さんこう文献ぶんけん

• 『三国志さんごくし』呉ご書しょ5呉ご夫人ふじん伝でん
• 同どう呉くれ書しょ6宗室そうしつ伝でん
• 同どう呉くれ書しょ1孫まご策伝さくでん
• 同どう呉くれ書しょ4劉りゅう繇伝