浅草あさくさ国技こくぎ館かん

浅草あさくさ国技こくぎ館かん

遊楽ゆうらく館かん時代じだい（1915年ねん頃ごろ）
概要がいよう
住所じゅうしょ	日本にっぽん 東京とうきょう府ふ東京とうきょう市し浅草あさくさ区く千束せんそく町まち二に丁目ちょうめ5番地ばんち（現げん・東京とうきょう都と台東たいとう区く浅草あさくさ）
経営けいえい者しゃ	山中やまなか龜太郎かめたろう
種類しゅるい	相撲すもう興行こうぎょう場じょう
座席ざせきの種類しゅるい	桟敷さじき
座席ざせき数すう	12,000人にん
建設けんせつ
建設けんせつ	1911年ねん
開業かいぎょう	1912年ねん2月がつ5日にち
改築かいちく	1913年ねん（劇場げきじょう「遊楽ゆうらく館かん」へ改装かいそう）
解体かいたい	1920年ねん
使用しよう期間きかん	浅草あさくさ国技こくぎ館かん：1912年ねん - 1913年ねん 遊楽ゆうらく館かん：1913年ねん - 1917年ねん 吾妻あづま座ざ：1917年ねん - 1920年ねん
建設けんせつ費ひ	160万まん円えん （本館ほんかん：25万まん円えん）
設計せっけい者しゃ	辰野たつの葛西かさい建築けんちく設計せっけい事務所じむしょ
建設けんせつ者しゃ	遠藤えんどう組ぐみ

浅草あさくさ国技こくぎ館かん（あさくさこくぎかん、旧きゅう字体じたい：淺草あさくさ國技こくぎ館かん）は、東京とうきょう府ふ東京とうきょう市し浅草あさくさ区く（現げん・東京とうきょう都と台東たいとう区く浅草あさくさ）にかつて存在そんざいした、相撲すもうの興行こうぎょうのための施設しせつ。1912年ねん（明治めいじ45年ねん）に開館かいかんし、両国りょうこく国技こくぎ館かんに対たいして「第だい二に国技こくぎ館かん」とも呼よばれた。建物たてものはのちに改装かいそうされ、劇場げきじょう「遊楽ゆうらく館かん」、のちに「吾妻あづま座ざ」となったが、1920年ねん（大正たいしょう9年ねん）に焼失しょうしつした。本ほん項こうでは劇場げきじょう時代じだいについても併あわせて解説かいせつする。

施設しせつ

設計せっけいは辰野たつの金吾きんごと葛西かさい萬まん司つかさによって行おこなわれた。「辰野たつの葛西かさい設計せっけい事務所じむしょ」とする資料しりょうもある。施工しこうは遠藤えんどう組ぐみ、あるいは遠藤えんどう君くん藏ぞう。

本館ほんかんはサラセニック様式ようしきの木造もくぞう建築けんちく（漆喰しっくい塗ぬり）で、4階かい建だてである。「浅草あさくさ国技こくぎ館かん及附属ふぞく家か」の建坪たてつぼは416.9坪つぼ。建築けんちく費用ひようは25万まん円えん。間口まぐち22間あいだ、奥行おくゆき18間あいだ。正面しょうめんの円柱えんちゅうまでの高たかさは85尺しゃく。エレベーターのほか、5ヶ所かしょの階段かいだんがあった。入口いりくちは正面しょうめんと左右さゆうの三みっつが設もうけられ、4層そうの観覧席かんらんせきは全すべて桟敷さじきとなっている。収容しゅうよう人数にんずうは12,000人にん。土俵どひょうは4間あいだ半はん四方しほう。南みなみに面めんして、少すこし奥おくまったところに貴賓きひん席せきがあり、「その装飾そうしょくの美びは実じつに眩まばゆい程ほどである」とされた。地下ちか室しつには売店ばいてんがあった。3、4階かいからは東京とうきょう市内しないを一望いちぼうすることができ、眼下がんかには隅田川すみだがわがあり、更さらには富士山ふじさん、筑波山つくばさん、房総ぼうそうの山々やまやまも眺ながめることができた。

本館ほんかんの西にし隣となりには、16間あいだ四よん面めんの2階かい建だての「力士りきし養成ようせい場じょう」が併設へいせつされており、これは「下部かぶは方形ほうけい、上部じょうぶは円形えんけい。古代こだいの建築けんちく法ほうに則のっとり、丸太まるた組ぐみで、柱はしらは地中ちちゅうから樹きてられ、一本いっぽんの釘くぎも用もちいゐてない」という建築けんちく物ぶつだった。観客かんきゃく8,000人にんを収容しゅうようすることができた。大祭たいさい日びや休日きゅうじつなどには、身体しんたいを鍛錬たんれんすることを目的もくてきとする、軍人ぐんじんや学生がくせいの入場にゅうじょうも受うけ付つけていた。これは、「由来ゆらい力士りきしは放縦ほうしょうに流ながれ易やすく、根ねが無む教育きょういくの血気けっき者しゃなれば他たの刺戟しげき無なき儘に識らず知しらず浮華ふか軽佻けいちょうに流ながれ、堕落だらくの深淵しんえんに沈しずむ」ことを危惧きぐし、一般いっぱん青年せいねんとの競争きょうそうによって刺激しげきを与あたえることのほか、「無気力むきりょくの青年せいねんに対たいしては不潔ふけつなる魔窟まくつ入いりを防止ぼうしして完全かんぜんなる体育たいいく遊戯ゆうぎに導みちびかん」との目的もくてきもあった。

また、貴賓きひんを招請しょうせいする際さいに使用しようする「貴賓きひん館かん」も併設へいせつされており、これはジャーマンセレクション式しきの3階かい建だてで、坪数つぼすう60坪つぼ、1階かいは日本にっぽん風ふう、2階かいは西洋せいよう風ふう、3階かいは120畳じょうの大広間おおひろまとなっていた。

本館ほんかん・貴賓きひん館かん・力士りきし養成ようせい場じょうの中央ちゅうおうには庭園ていえんがあった。また浅草あさくさ国技こくぎ館かんには「公共こうきょう的てき事業じぎょう」として、150尺しゃく以上いじょうの蒸気じょうきポンプが3台だい設置せっちされていた。また力士りきし宿泊しゅくはく所しょ、消防しょうぼう夫おっと宿直しゅくちょく所しょ、茶屋ちゃやなどがあった。全すべての建物たてものの坪数つぼすうは1,600坪つぼで、総そう工費こうひは160万まん円えんであった。

沿革えんかく

計画けいかく・建設けんせつ

浅草あさくさ国技こくぎ館かんは、山中やまなか 龜太郎かめたろう（やまなか かめたろう、元治もとはる元年がんねん5月がつ10日とおか〈1864年ねん6月13日にち〉 - 没年ぼつねん不ふ詳しょう）の計画けいかくによって建設けんせつされた。山中さんちゅうは伊勢いせ国こく神戸こうべ出身しゅっしんで、若わかい頃ころに上京じょうきょうして起業きぎょうを志こころざし、様々さまざまな事業じぎょうに手てを出だしたがいずれも上手うまくいかず、失敗しっぱいを重かさねていた。また山中さんちゅうは生来せいらいより、相撲すもうに非常ひじょうに興味きょうみを持もっており、大相撲おおずもうの場所ばしょを見過みすごしたことはないほどだったとされる。しかし相撲すもうが盛さかんになる一方いっぽうで、徴兵ちょうへい統計とうけいから国民こくみんの体力たいりょくが減衰げんすいしつつあることを指摘してきし、「如斯国民こくみんの体力たいりょくが貧弱ひんじゃくに失しっしては将来しょうらい国家こっかの消長しょうちょうにも影響えいきょう」することを憂うれいていた。更さらに、両国りょうこくに国技こくぎ館かんが開設かいせつされたことにも影響えいきょうを受うけ、「奮然ふんぜん国民こくみんの体力たいりょくを挽回ばんかいすべく、又また一いち面めんには国粋こくすい保存ほぞんとして武士ぶし道どうの衰退すいたいをも防止ぼうしすべく、社会しゃかい事業じぎょうとして第だい二にの国技こくぎ舘だて建設けんせつを思おもひ立たちたる」に至いたった。北村きたむら博愛ひろよしも、浅草あさくさ国技こくぎ館かん建設けんせつの目的もくてきを「わが相撲すもう道どうを今後こんごいよ／＼発展はってんさせ、隆盛りゅうせいに趣おもむきかしめ、兼かねては、青年せいねん力士りきしを養成ようせいし併あわせて武士ぶし道どうを奨励しょうれいするのを以もって目的もくてきとするのである」としている。

立地りっちに浅草あさくさ公園こうえんが選えらばれた理由りゆうとしては、多おおくの人ひとが集あつまる場ばであるということのほか、「東京とうきょう在住ざいじゅうの学生がくせい軍人ぐんじん其その他ほかの職工しょっこう労働ろうどう者しゃは日曜にちよう大祭たいさい日びを期きして浅草あさくさ公園こうえんに入はいりて不良ふりょう遊ゆう淫いんに耽ふけると云うんふが如ごときは畢竟ひっきょう完全かんぜんな歓楽かんらく場じょうの無なきために、公園こうえんの不潔ふけつは日ひを追ついふて深ふかきに入はいり、公然こうぜん一廓いっかくの伏魔殿ふくまでんを築きずきて治外法権ちがいほうけん国こくを為なしてゐる」という実情じつじょうもあった。山中さんちゅうは「国粋こくすい保存ほぞんの武士ぶし道どう鼓吹こすいと共ともに都会とかい青年せいねんの風紀ふうきを改善かいぜんすべく、（中略ちゅうりゃく）殊更ことさらに大だい魔窟まくつ地ちを撰えらんで」敷地しきちとし、この際さいには70数すう戸こを退去たいきょさせたという。

前述ぜんじゅつの通とおり設計せっけいを請うけ負おった辰野たつの金吾きんごは、両国りょうこく国技こくぎ館かん、名古屋なごや国技こくぎ館かん、そして実際じっさいには建設けんせつされなかった横浜よこはまの国技こくぎ館かんの設計せっけいを請うけ負おっていた。浅草あさくさ国技こくぎ館かんの設計せっけいは、建設けんせつされなかったこの横浜よこはま相撲すもう常設じょうせつ館かんのものを流用りゅうようし、一部いちぶ変更へんこうして建設けんせつされたものともされる。藤森ふじもり照あきら信しんは辰野たつのが設計せっけいを担当たんとうした理由りゆうについて、「彼かれが建築けんちく界かいの設計せっけいの第一人者だいいちにんしゃであったという以上いじょうに、建築けんちく界かいの相撲すもうの第一人者だいいちにんしゃであったという事情じじょうによっていたと思おもわれる」とし、学生がくせい時代じだいから辰野たつのが相撲すもう好すきで、自宅じたくに土俵どひょうを作つくったり、息子むすこを相撲すもう部屋へやに通かよわせたりもしていたことを紹介しょうかいしている。また、辰野たつのは浅草あさくさ国技こくぎ館かん以前いぜんにも、イスラーム建築けんちくという「やや怪訝けげんなスタイル」の様式ようしきで両国りょうこく国技こくぎ館かんを設計せっけいしていたが、藤森ふじもりはその理由りゆうについては不明ふめいであるとしつつ、当時とうじの建築けんちく家かにとってはイスラムだけでなく、アジア・ヨーロッパなどのあらゆる建築けんちく様式ようしきは「いわば、池泉いけいずみ回遊かいゆう式しきの日本にっぽん庭園ていえんに植うえられた名な種しゅの植木うえきや銘めい石せきのごときものであり、面積めんせきの広ひろがりの中なかに等価とうか値ちで置おかれており、前後ぜんご優劣ゆうれつはなく、その場ばその場ばで出でくわしてゆく」といったものであったとしている。

サラセニック様式ようしきについては、当時とうじエジプトの特許とっきょ権けんが厳重げんじゅうで、他国たこくの模倣もほうを容易よういには許ゆるされなかったところを、辰野たつのが交渉こうしょうしてようやく同意どういを得えることができたとされる。また前述ぜんじゅつの通とおりエレベーターが設もうけられていたが、これは20人にんが乗のることのできる大箱おおばこで、アメリカへ注文ちゅうもんを行おこなった際さいには、相手あいての会社かいしゃから「未いまだ曾て二に十じゅう人にん乗じょうのヱレベーターは世界中せかいじゅう何いずれの国くにからも注文ちゅうもんを受うけた事ことは無ない」として、間違まちがいではないかとの電報でんぽうが送おくられてきたが、設計せっけいが辰野たつのであると聞きき初はじめて信用しんようされたという。建物たてものの竣工しゅんこうは1911年ねん（明治めいじ44年ねん）1月がつとされる。

開館かいかん日びは、1912年ねん（明治めいじ45年ねん）2月がつ5日にち。この開館かいかん式しきの日ひは午前ごぜん4時じより清雄きよお寺てら住職じゅうしょくの御牧原みまきはら周しゅうが法華経ほけきょうで供養くようを行おこない、午前ごぜん9時じに立たて行司ぎょうじの木村きむら庄しょう之の助じょ、脇わき行司ぎょうじの錦之助きんのすけ竹次郎たけじろうにより土俵どひょう祭さいが執とり行おこなわれた。開館かいかん式しきは正午しょうごから数すう千せん人にんの来賓らいひんを案内あんないし、午後ごご1時じから開会かいかい。山中さんちゅうが挨拶あいさつをし、祝詞のりと祝しゅく文ぶんは東京とうきょう府知事ふちじの阿部あべ浩ひろし、東京とうきょう市長しちょうの尾崎おざき行雄ゆきお、鈴木すずき充美あつみなどから寄よせられた。その後ご、余興よきょうの勝負しょうぶが行おこなわれ、その後ご立食りっしょく場じょうでの饗応きょうおうが行おこなわれて、午後ごご6時じに解散かいさんした。

浅草あさくさ国技こくぎ館かん会館かいかんによって、浅草あさくさ六ろく区くは一時いちじ的てきに相撲すもうブームに湧わいたが、結果けっか的てきに本場所ほんばしょがここで開催かいさいされることはなかった。『台東たいとう区史くし』では、「浅草あさくさ国技こくぎ館かんは二に、三さん場所ばしょでつぶれ、活かつ人形にんぎょうの見世物みせものなどをしていた」としている。

瓢ひさご簞池より望のぞむ。右側みぎがわは凌雲りょううん閣かく（時期じき不明ふめい）

劇場げきじょうへ改装かいそう

『日活にっかつ四よん十じゅう年ねん史し』によれば、1913年ねん（大正たいしょう2年ねん）3月がつ9日にち、浅草あさくさ国技こくぎ館かんは日活にっかつに買収ばいしゅうされ、「遊楽ゆうらく館かん」と改称かいしょうされた上うえで、翌よく1914年ねん（大正たいしょう3年ねん）4月がつ1日にちに開館かいかんした。一部いちぶ資料しりょうでは買収ばいしゅう日びを1913年ねん（大正たいしょう2年ねん）4月がつとするなど混乱こんらんが見みられるが、この経緯けいいについて『台東たいとう区史くし』では、1912年ねん（明治めいじ45年ねん）に日活にっかつが設立せつりつした会社かいしゃ「M・パテー」が買収ばいしゅうし、1913年ねん（大正たいしょう2年ねん）3月がつ9日にちより日活にっかつに帰属きぞくしてのち、翌よく1914年ねん（大正たいしょう3年ねん）に「遊楽ゆうらく館かん」と改称かいしょうされたとしている。

当時とうじ日活にっかつは経営けいえいが苦くるしく、東京銀行とうきょうぎんこうへ借金しゃっきんを申もうし込こんでいたが、東京とうきょう銀行ぎんこうは山中さんちゅうへ金かねを貸かしていたところ、浅草あさくさ国技こくぎ館かんが64万まん円えんの抵当ていとう流ながれとなって銀行ぎんこうの所有しょゆうとなっていたため、「若もし国技こくぎ館かんを引取ひきとつて呉くれゝば百ひゃく万まん円えん貸かしても好よい」と銀行ぎんこう側がわから申もうし出でがあったとされる。こうして日活にっかつは現金げんきんで36万まん円えん、浅草あさくさ国技こくぎ館かんを64万まん円えんとして借かりることとなった。更さらに1917年ねん（大正たいしょう6年ねん）9月がつには、遊楽ゆうらく館かんは「吾妻あづま座ざ」と改称かいしょうされている。

1920年ねん（大正たいしょう9年ねん）3月がつ1日にち、午前ごぜん8時じ10分ふんに吾妻あづま座ざの2階かいから出火しゅっかし、出方でかたが発見はっけんした際さいには、既すでに場内じょうない一いち面めんに燃もえ広ひろがっていた。第だい五ご消防署しょうぼうしょ日本堤にほんづつみ浅草橋あさくさばし分遣ぶんけん所しょが自助じじょ車しゃポンプで消火しょうかに当あたったが、火勢かせいが強つよく、隣接りんせつしている凌雲りょううん閣かく（十じゅう二に階かい）も一時いちじ的てきに危険きけんに晒さらされるほどであった。午前ごぜん10時半じはんにようやく鎮火ちんかしたが、建物たてものはほぼ全焼ぜんしょうした。この火災かさいでは、見物けんぶつ客きゃくの18歳さい女性じょせいが煙けむに巻まかれて焼死しょうししたほか、消防しょうぼう手しゅや下足げそく番ばんなど複数ふくすう名めいが打撲だぼくや挫折ざせつなどの負傷ふしょうをしている。

原因げんいんは調査ちょうさの結果けっか、2階かいの澤村さわむら訥子の楽屋がくやにあった行灯あんどんの火ひが、蒲団ふとんに燃もえ移うつったためであることが判明はんめい。これを受うけて日活にっかつは実際じっさいの運営うんえいを行おこなっていた松竹しょうちくに対たいし、火災かさいに伴ともなう60万まん円えんの損害そんがい賠償ばいしょうを請求せいきゅうして提訴ていそ。この裁判さいばんは失火しっかによる貸家かしや焼失しょうしつの場合ばあい、借家しゃくや人じんに責任せきにんがあるか否ひかの判例はんれいとなるものとして、一般いっぱんにも注目ちゅうもくを集あつめた。

係争けいそうは9年ねんに及およんだが、1928年ねん（昭和しょうわ3年ねん）に東京とうきょう控訴こうそ院いん民事みんじ部ぶの控訴こうそ裁判さいばんで判決はんけつが下くだされ、「事件じけんは当時とうじ同座どうざ出演しゅつえん俳優はいゆうの過失かしつに依よるものにして、雇人やといにんなる俳優はいゆうの過失かしつは主人しゅじんなる松竹しょうちくの負担ふたんすべきものとす」との理由りゆうにより、松竹しょうちく側がわが敗訴はいそすることとなった。その後ご、1930年ねん（昭和しょうわ5年ねん）11月がつ10日とおかに示談じだんが成立せいりつし、松竹しょうちくから日活にっかつへ、請求せいきゅう額がくの1割わりとなる6万まん円えんを支払しはらうことによって、11年間ねんかんに渡わたる訴訟そしょうは終結しゅうけつした。

跡地あとちにはその後ご「昭和しょうわ座ざ」が建たてられ、1966年ねん（昭和しょうわ41年ねん）時点じてんでは「浅草あさくさ東映とうえい」となっている。

参考さんこう文献ぶんけん

• 北村きたむら 博愛ひろよし『相撲すもうと武士ぶし道どう』、浅草あさくさ国技こくぎ館かん、1911年ねん12月25日にち。 
• 坂本さかもと 正ただし 編へん『日活にっかつ四よん十じゅう年ねん史し』、日活にっかつ株式会社かぶしきがいしゃ、1952年ねん9月がつ10日とおか。 
• 東京とうきょう都と台東たいとう区く役所やくしょ 編へん『台東たいとう区史くし（社会しゃかい文化ぶんか編へん）』、東京とうきょう都と台東たいとう区役所くやくしょ、1966年ねん3月がつ31日にち。 
• 藤森ふじもり 照あきら信しん「大相撲おおずもうと建築けんちく家か」『新刊しんかん展望てんぼう』第だい23巻かん第だい3号ごう、日本にっぽん出版しゅっぱん販売はんばい、1979年ねん3月がつ、18-19頁ぺーじ。