断層だんそう

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ぎゃく断層だんそうから転送てんそう
アパラチア山脈さんみゃく断層だんそう
よこずれ断層だんそう (かわ羌断きれ)

断層だんそう(だんそう、英語えいご: fault)とは、地下ちか地層ちそうもしくは岩盤がんばんちからくわわってれ、れためん沿ってずれうごいてちがいがしょうじた状態じょうたいう。

断層だんそうがずれうご現象げんしょう断層だんそう運動うんどうfaulting)とう。ちがいがしょうじためんそのものを断層だんそうめんfault surface)としょうする。鉛直線えんちょくせんたいして水平すいへいかく断層だんそうかくfault dip)0定義ていぎしたため、鉛直えんちょく断層だんそうめんは90である。また、水平面すいへいめんえた断層だんそう運動うんどう方向ほうこうはしこうfault strike)とう。

なお、侵食しんしょく堆積たいせき環境かんきょう変化へんか火山岩かざんがん噴出ふんしゅつ堆積たいせきなどによってできた地層ちそう境界きょうかいは、一見いっけんちがっているようにえる場合ばあいもあるが、ずれうごいたわけではないため断層だんそうではなく、整合せいごう整合せいごうなどとばれ、区別くべつされる。

成因せいいん[編集へんしゅう]

地殻ちかく形成けいせいする岩盤がんばんには、マントル対流たいりゅうによるプレート生成せいせい移動いどう衝突しょうとつ・すれちがいや、火山かざん活動かつどうによるマグマの移動いどうなど様々さまざま要因よういんで、圧縮あっしゅくり(引張ひっぱ)・ずれ(せんだん)などの応力おうりょくくわわる。力学りきがくてきると、剪断応力おうりょく圧縮あっしゅく応力おうりょく引張ひっぱ応力おうりょく変換へんかんすることができ、ぎゃく同様どうようである。つまり、岩盤がんばん圧縮あっしゅくりのちからかると、同時どうじ岩盤がんばんをずらして破壊はかいさせようとするちからかる。

岩盤がんばんくわえる応力おうりょくを、時間じかん経過けいかにつれて次第しだいつよくしていき、岩盤がんばんへの圧縮あっしゅく引張ひっぱ再現さいげんする実験じっけんおこなうと、岩盤がんばんはじめはわずかに変形へんけいし、つぎ多数たすうちいさなしょうじ、あるとき一気いっきれる。直線ちょくせんてきで、岩盤がんばん原型げんけいちか状態じょうたい場合ばあいは、さらに応力おうりょくくわえていくと変形へんけいしてべつしょうじることをかえし、たがいに共役きょうやく関係かんけいにある多数たすう形成けいせいされる。地球ちきゅう地殻ちかくにおいても、実際じっさいにこれとおなじようなことが発生はっせいし、断層だんそう共役きょうやく断層だんそう形成けいせいされているとかんがえられている。

応力おうりょくのうち、地下ちか岩盤がんばん破壊はかいしずらしてうごかすちから、つまり直接ちょくせつ断層だんそうつくちからとしてはたらくのは剪断応力おうりょくのみである。剪断応力おうりょく岩盤がんばん強度きょうど上回うわまわったときに、岩盤がんばんれて断層だんそうしょうじる。

砂丘さきゅうどろなど、地盤じばん構成こうせいする粒子りゅうし同士どうしむすきがよわ場合ばあいは、応力おうりょく砂丘さきゅうどろ作用さようしても一時いちじてき変形へんけい使つかわれて減衰げんすいしていくだけで、砂丘さきゅうどろはすぐにもとかたちもどる。つまり、せんだん破壊はかいきないために断層だんそうしょうじない。そのため、ある程度ていどかたまった強度きょうどのある地盤じばんでなければ、断層だんそう形成けいせいされない。ぎゃく断層だんそう圧縮あっしゅく応力おうりょくせい断層だんそう引張ひっぱおうりょくによってしょうじ、よこずれ断層だんそう圧縮あっしゅく応力おうりょく引張ひっぱ応力おうりょくのいずれかまたは両方りょうほうによってしょうじる。

分類ぶんるい[編集へんしゅう]

せい断層だんそう
ぎゃく断層だんそう
よこずれ断層だんそうひだりずれ)
よこずれ断層だんそうみぎずれ)

断層だんそう分類ぶんるいには断層だんそうのできかた、つまり、断層だんそうさかいにしたそれぞれのうごきによる分類ぶんるいだけでなく、その特徴とくちょうによる分類ぶんるいもある。

うごきによる分類ぶんるい[編集へんしゅう]

おおくの断層だんそうは、せい断層だんそうぎゃく断層だんそうのいずれか、みぎよこずれ断層だんそうひだりよこずれ断層だんそうのいずれか、けい2つの特徴とくちょうゆうしている。

たてずれ断層だんそう[編集へんしゅう]

たてずれ断層だんそう英語えいご: dip-slip fault)は、せい断層だんそうぎゃく断層だんそう総称そうしょう。あまりもちいられない呼称こしょうである。

せい断層だんそうぎゃく断層だんそうには、それぞれうえばんしたばんがある。げているがわうえばんげられているがわしたばんである。

せい断層だんそう[編集へんしゅう]
せい断層だんそうれい(カナダノバスコシアしゅう補助ほじょせんり)

せい断層だんそう英語えいご: normal fault)は、水平すいへい方向ほうこう引張ひっぱ応力おうりょくがかかっている場所ばしょ存在そんざいする。地下ちかななめにはいったさかいに、片方かたがた他方たほううえをすべりちるような方向ほうこううごいてできた断層だんそう日本にっぽんではあまりられないが九州きゅうしゅう中部ちゅうぶ火山かざん地帯ちたいなどすこしにられる。世界せかいてきにはアイスランド全土ぜんどせい断層だんそう地帯ちたいである。

ぎゃく断層だんそう[編集へんしゅう]

ぎゃく断層だんそう英語えいご: reverse fault)は、水平すいへい方向ほうこう圧縮あっしゅく応力おうりょくがかかっている場所ばしょ存在そんざいする。左右さゆうからの圧縮あっしゅく応力おうりょくたいし、そのちからがすために破断はだんめんができて、片方かたがたななへ、もう一方いっぽう相手あいてにのしかかるようにななじょううごいたかたち生成せいせいした断層だんそう奥羽山脈おううさんみゃく飛騨山脈ひださんみゃく木曽きそ山脈さんみゃく赤石山脈あかいしさんみゃくなどの南北なんぼくつらなる山々やまやまは、そのふもとぎゃく断層だんそうる。関西かんさい地区ちくでは生駒山いこまやま西側にしがわ断層だんそう明瞭めいりょうぎゃく断層だんそうである。

ぎゃく断層だんそうのうちとく断層だんそうめん傾斜けいしゃゆるく(水平すいへいちかい)げが顕著けんちょもの衝上断層だんそう英語えいご: thrust faultていかくぎゃく断層だんそう)とぶことがある。水平面すいへいめん断層だんそうめんとの角度かくどが45°以下いかが衝上断層だんそうで、それ以上いじょうもの高角こうかくぎゃく断層だんそう、ほぼ0°のもの水平すいへい断層だんそうぶこともある。

よこずれ断層だんそう[編集へんしゅう]

よこずれ断層だんそう英語えいご: strike-slip fault)ははしこう移動いどう断層だんそうとも呼称こしょうされる。剪断応力おうりょく水平すいへい方向ほうこうはたらいた断層だんそうで、ずれの方向ほうこうによってみぎずれ(right-lateral)断層だんそうひだりずれ(left-lateral)断層だんそうとに区分くぶんされる。断層だんそう手前てまえからて、こうがわ相対そうたいてきみぎにずれている場合ばあいみぎずれとぶ。

なおたとえば、サンアンドレアス断層だんそうのように、たがいがすれちが方向ほうこううごくプレート境界きょうかいにおけるよこずれ断層だんそうを、トランスフォーム断層だんそうう。一般いっぱんてきよこずれ断層だんそうより活動かつどう活発かっぱつ場合ばあいおおく、地震じしんこす頻度ひんどたかい。

もう1つはよこからの圧縮あっしゅく応力おうりょくがすために岩盤がんばんが×かたれて、各々おのおのがずれうごくタイプである。こちらの断層だんそう日本にっぽん中部ちゅうぶ地方ちほうから近畿きんき地方ちほうおおられ、兵庫ひょうごけん南部なんぶ地震じしんこした野島のじま断層だんそうもこのタイプ。1方向ほうこうの剪断おうりょくによって基本きほんてきには×かた、つまり、/方向ほうこうものと、\方向ほうこうもの両方りょうほう形成けいせいされ、たがいに共役きょうやく関係かんけいにあるとう。なお、共役きょうやく断層だんそうよこずれ断層だんそうおおいが、たてずれ断層だんそうにおいてもられる。

開口かいこう断層だんそう[編集へんしゅう]

たてずれ断層だんそうよこずれ断層だんそう断層だんそうめんたいして平行へいこう変位へんいするのにたいし、垂直すいちょく変位へんいする断層だんそう開口かいこう断層だんそう英語えいご: tensile fault)とう。マグマなどの流体りゅうたい貫入かんにゅうによってしょうじることがおおく、断層だんそうめん垂直すいちょくである場合ばあいリフト形成けいせいする。

その特徴とくちょうによる分類ぶんるい[編集へんしゅう]

震源しんげん断層だんそう(しんげんだんそう,英語えいご: earthquake rupture

地震じしんこした断層だんそうのこと。通常つうじょう地下ちかにある。おおきな地震じしんでは複数ふくすう断層だんそう連動れんどうしてうご場合ばあいがある。

地震じしん断層だんそう(じしんだんそう,英語えいご: surface rupture

地震じしん地上ちじょう出現しゅつげんした連続れんぞくしたやずれのこと。通常つうじょう震源しんげん断層だんそう上端じょうたん相当そうとうする。地表ちひょう地震じしん断層だんそうともう。地震じしんこしたかつ断層だんそう直接的ちょくせつてき地表ちひょうへのあらわれに限定げんていしてもちい、2てきしょうじた小規模しょうきぼ断層だんそう地表ちひょう地震じしん断層だんそうとはばないようにしようとするうごきがある[1]

地震じしん断層だんそう(おつきあいじしんだんそう,英語えいご: subordinate fault

単独たんどく活動かつどうしてだい規模きぼ地震じしんこしたのではなく、地震じしん結果けっかとして受動じゅどうてき断層だんそううごいたもの。ただし、震源しんげん断層だんそうやその分岐ぶんき断層だんそう直接ちょくせつつながっている断層だんそうふくまない。2016ねん熊本くまもと地震じしんでは230ほん以上いじょう発見はっけんされ、その変位へんいりょうすうセンチメートルからすうじゅうセンチメートルだった[2]地形ちけい断層だんそう変位へんいには相関そうかんがあり、その一部いちぶ地形ちけいからかつ断層だんそう認識にんしきされたものもあるため、過去かこから類似るいじ断層だんそう運動うんどう蓄積ちくせきしている場合ばあいもあるとかんがえられる。

伏在ふくざい断層だんそう(ふくざいだんそう,英語えいご: blind fault

断層だんそう運動うんどうによるずれが地下ちか深部しんぶでのみしょうじたり、またはずれたのち急激きゅうげき土砂どしゃめられたりして、地表ちひょうでは確認かくにんされない断層だんそうのこと。

雁行がんこう断層だんそう(がんこうだんそう,英語えいご: echelon fault

だい規模きぼ地質ちしつ構造こうぞう変動へんどうともな出現しゅつげんする断層だんそうぐんのこと。並行へいこう断層だんそうともう。断層だんそうたいびの方向ほうこうと45程度ていど角度かくどをなして、複数ふくすう断層だんそうならんで出現しゅつげんする様子ようすたとえばカタカナのミのように)を、かり飛行ひこうたとえて命名めいめいされた。

共役きょうやく断層だんそう(きょうやくだんそう,英語えいご: conjugate faults

同一どういつ応力おうりょくで、たがいに90程度ていどはすかわした断層だんそうめん形成けいせいされ、断層だんそうのずれのきがたがいにぎゃくきをしめ断層だんそう断層だんそうめん延長えんちょうじょうから場合ばあい、×やуじょうなどの配置はいちにある。

構造こうぞうせん(こうぞうせん)

断層だんそうさかいに、地質ちしつおおきくことなる断層だんそうのこと。断層だんそうよりもなが傾向けいこうにある。中央ちゅうおう構造こうぞうせん糸魚川いといがわ静岡しずおか構造こうぞうせん棚倉たなぐら構造こうぞうせん仏像ぶつぞう構造こうぞうせん柏崎かしわざき千葉ちば構造こうぞうせんなどがある。

火山かざんせいかつ断層だんそう(かざんせいかつだんそう,英語えいご: volcanic active fault

火山かざん活動かつどうともな火山かざんたい周辺しゅうへん形成けいせいされる、一過いっかせいかつ断層だんそうである[3]

すべり速度そくどによる断層だんそう運動うんどう分類ぶんるい[編集へんしゅう]

地球ちきゅうにおける断層だんそう破壊はかいは、すべり速度そくどまたは時間じかんスケールによって以下いかのように分類ぶんるいできる。

  • 不安定ふあんていすべり:断層だんそうめん間欠かんけつてき変位へんいしている領域りょういき不安定ふあんていすべり英語えいご: seismic slip)とう。
    • 地震じしん震源しんげん特性とくせいによって1 - 10 Hz程度ていど地震じしん卓越たくえつする断層だんそう運動うんどう地震じしん英語えいご: earthquake)とう。ただし、「地震じしん」には断層だんそう破壊はかい以外いがいによって生成せいせいされた地震動じしんどう意味いみふくむ。破壊はかい伝搬でんぱん速度そくどがSなみえる地震じしんちょうせんだん地震じしん英語えいご: supershear earthquake)とう。
    • スロー地震じしん広義こうぎには地震じしん以外いがい長期ちょうきてき断層だんそう運動うんどうスロー地震じしん英語えいご: slow earthquake,ゆっくり地震じしん)とう。狭義きょうぎではてい周波しゅうは地震じしん同義どうぎである。
      • てい周波しゅうは地震じしん:0.1 - 1 Hzへるつ程度ていど地震じしん卓越たくえつする地震じしんてい周波しゅうは地震じしん英語えいご: low-frequency earthquake)とう。また、マグニチュード1程度ていどてい周波しゅうは地震じしん連続れんぞくてき発生はっせいしている現象げんしょうを、てい周波しゅうは微動びどう英語えいご: low-frequency tremor)とう。
      • ちょうてい周波しゅうは地震じしん:0.01 - 0.1 Hzへるつ程度ていど地震じしん卓越たくえつする地震じしんちょうてい周波しゅうは地震じしん英語えいご: very low-frequency earthquake)とう。
      • スロースリップ:地震じしん観測かんそくできず、GNSSなどによって観測かんそくされる断層だんそう運動うんどうスロースリップ英語えいご: slow slip)とう。時間じかんスケールによって短期たんきてきスロースリップと、長期ちょうきてきスロースリップに区別くべつされる。
  • 安定あんていすべり:断層だんそうめん常時じょうじ一定いってい速度そくど変位へんいしてる領域りょういき安定あんていすべり英語えいご: aseismic slip)とう。

スロースリップとそれ以外いがい断層だんそう運動うんどう周期しゅうきてき連動れんどうする現象げんしょうを、en:Episodic tremor and slipう。

共役きょうやく断層だんそう断層だんそうたい[編集へんしゅう]

共役きょうやく断層だんそう(きょうやくだんそう、共軛きょうやく断層だんそう表記ひょうきされることもある)とは、おなおうりょくによってしょうじた隣接りんせつする断層だんそう、いわゆる共軛きょうやく関係かんけいにある断層だんそうのこと。1つのおおきな断層だんそう周囲しゅういちいさな断層だんそう多数たすうある場合ばあいどう規模きぼ断層だんそう多数たすうある場合ばあい大別たいべつされる。共役きょうやく断層だんそう同士どうしでは、断層だんそうめん角度かくど方向ほうこうちが場合ばあいおおいが、断層だんそうができるまえからじゅんって応力おうりょく変化へんか断層だんそう形成けいせい辿たどると、その理由りゆう説明せつめいできる。

なお、共役きょうやく断層だんそうのうち、複数ふくすうおおきな断層だんそう帯状おびじょうつらなる断層だんそうぐんを、断層だんそうたい(だんそうたい)とぶ。

かつ断層だんそう[編集へんしゅう]

断層だんそうのうち、最近さいきん地質ちしつ時代じだいとくすうじゅうまんねんまえ以降いこう)にかえ活動かつどうし、将来しょうらい活動かつどうすると推定すいていされる断層だんそうのことをかつ断層だんそう(かつだんそう)と[4][5][6]

断層だんそう内部ないぶ構造こうぞう[編集へんしゅう]

岐阜ぎふけん瑞浪みずなみ断層だんそう小規模しょうきぼ断層だんそうながら、はっきりと断層だんそう破砕はさいたい確認かくにんできる。

断層だんそうかつ断層だんそうかに関係かんけいく、破砕はさいたい(はさいたい)などの内部ないぶ構造こうぞう場合ばあいおおい。

断層だんそう破砕はさいたい[編集へんしゅう]

断層だんそう破砕はさいたい英語えいご: fault crush zone)は、断層だんそう運動うんどうによって破壊はかいされた岩石がんせき部分ぶぶんで、一定いっていはば方向ほうこうつ。だい規模きぼ断層だんそうにはだい規模きぼ破砕はさいたいともな場合ばあいおおい。脆性ぜいせい領域りょういきにおける断層だんそう破砕はさいたい一般いっぱんてきダメージゾーンコアゾーンけられる。コアゾーンは断層だんそう変位へんい大半たいはんまかな領域りょういきで、断層だんそうガウジと断層だんそうかくつぶてから構成こうせいされる。ダメージゾーンははらいわ起源きげんのカタクレーサイトと発達はったつしたはらいわから構成こうせいされる[7]

ダメージゾーンは亀裂きれつみつ発達はったつする領域りょういきであるため、周囲しゅういははがんくらべて透水とうすいせいたかい。掘削くっさくちゅうのトンネルが断層だんそう破砕はさいたい到達とうたつすると大量たいりょうみず噴出ふんしゅつして工事こうじいちじるしくさまたげる。黒部くろべダム建設けんせつ資材しざい運搬うんぱんようトンネルである関電かんでんトンネル建設けんせつ工事こうじは、そう延長えんちょう80 mにもたっするだい破砕はさいたい遭遇そうぐうしたこと困難こんなんきわめ、一時いちじ工事こうじ中止ちゅうし検討けんとうされた。これが破砕はさいたい存在そんざいを、日本人にっぽんじんひろ認知にんちさせた。また、破砕はさいたい岩石がんせき強度きょうどひくいため、すべり原因げんいんとなる場合ばあいがある[8]

断層だんそうめん[編集へんしゅう]

断層だんそうめん英語えいご: fault plane)は、断層だんそうによって切断せつだんされたいわたい地層ちそう断面だんめんである。ただし数学すうがくてき意味いみでの「めん」とはことなり、ある程度ていどあつさをゆうする。断層だんそうめん両側りょうがわは、地下ちかあさでは断層だんそうガウジ、地下ちか中部ちゅうぶではカタクレーサイト、地下ちか深部しんぶではマイロナイトにはさまれる。

断層だんそうガウジ[編集へんしゅう]

断層だんそうガウジ(英語えいご: fault gouge)は、断層だんそう運動うんどうにより岩石がんせき破壊はかいされて、まるで粘土ねんどのようにつぶみちちいさくなったかたむすぶ部分ぶぶんである。破砕はさいたいのうち、コアゾーンの一部いちぶ構成こうせいする。かつては断層だんそう粘土ねんどばれていた。こうなるとかえってみずとおがたくなり、地下水ちかすいながれがここでせきめられて地下ちかダムのような役割やくわりたす場合ばあいがある。

断層だんそうかくつぶて[編集へんしゅう]

断層だんそうかくつぶて英語えいご: fault breccia)は、断層だんそう運動うんどうにより岩石がんせき破壊はかいされてかくばったつぶてになったかたむすぶ部分ぶぶんである。破砕はさいたいのうち、コアゾーンの一部いちぶ構成こうせいする。破砕はさいすすむと断層だんそうガウジとしてあつかわれる。

カタクレーサイト[編集へんしゅう]

地下ちか5~10 km程度ていど断層だんそう運動うんどうきると、岩石がんせき脆性ぜいせい破壊はかいこすがあつりょくによりすぐにかたゆいし、カタクレーサイト(英語えいご: cataclasite)が生成せいせいする。

マイロナイト[編集へんしゅう]

断層だんそう深部しんぶでは温度おんどたかいため、脆性ぜいせい破壊はかいこさずに塑性そせい変形へんけいこしてマイロナイト英語えいご: mylonite)とばれるさい結晶けっしょうした岩石がんせき生成せいせいする。むかし断層だんそう深部しんぶったマイロナイトが、隆起りゅうき侵食しんしょくによって現在げんざいでは地表ちひょう観察かんさつできる場所ばしょる。

シュードタキライト[編集へんしゅう]

重力じゅうりょくせいふくむ)断層だんそう運動うんどうしょうじた摩擦まさつねつにより岩石がんせき溶融ようゆうし、その液体えきたい周辺しゅうへん岩石がんせきちゅう貫入かんにゅうして冷却れいきゃくかたゆいするとシュードタキライト(英語えいご: pseudotachyliteにせ玄武岩げんぶがんしつ玻璃はり)とばれるガラスしつ岩石がんせき生成せいせいする。カタクレーサイトおよびマイロナイトにともなって産出さんしゅつする。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ 新潟にいがたけん中越なかこし地震じしんにみる変動へんどう地形ちけいがく地震じしん解明かいめい地震じしん防災ぼうさいへの貢献こうけん地表ちひょう地震じしん断層だんそう認定にんてい本質ほんしつてき意義いぎ-」『E-journal GEO』だい1かんだい1ごう、2006ねん、30-41ぺーじdoi:10.4157/ejgeo.1.30 
  2. ^ 熊本くまもと地震じしんしん発見はっけん「おつきあい断層だんそう」とは” (html). JNN Project (2018ねん4がつ12にち). 2018ねん5がつ25にち閲覧えつらん
  3. ^ 吉永よしなが, たすくいち原口はらぐち, つよし遠田えんだ, すすむ横田よこた, 修一郎しゅういちろう火山かざんたい周辺しゅうへんられる隆起りゅうきたいおよび 火山かざんせいかつ断層だんそう形成けいせい過程かてい鹿児島かごしまけん新島にいじまれいにして―」『かつ断層だんそう研究けんきゅうだい2009かんだい31ごう、2009ねん、11-18ぺーじdoi:10.11462/afr.2009.31_11 
  4. ^ かつ断層だんそうとはなにか | 国土こくど地理ちりいん”. www.gsi.go.jp. 2021ねん3がつ20日はつか閲覧えつらん
  5. ^ かつ断層だんそう”. www.jishin.go.jp. 地震じしん本部ほんぶ. 2021ねん3がつ20日はつか閲覧えつらん
  6. ^ まさしくろう!かつ断層だんそうQ&A”. danso.env.nagoya-u.ac.jp. かつ断層だんそう自治体じちたい連携れんけい会議かいぎ. 2021ねん3がつ22にち閲覧えつらん
  7. ^ はやし あいあかり. “断層だんそう破砕はさいたいからかつ断層だんそう最近さいきん活動かつどうせい評価ひょうか”. 京都きょうと大学だいがく大学院だいがくいん理学りがく研究けんきゅう 地球ちきゅう惑星わくせい科学かがく専攻せんこう. 2019ねん3がつ14にち閲覧えつらん
  8. ^ "破砕はさいたい". 世界せかいだい百科ひゃっか事典じてん だいはん. コトバンクより2020ねん7がつ9にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]