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国語 こくご 国字 こくじ 問題 もんだい (こくごこくじもんだい)とは、日常 にちじょう で使用 しよう する言語 げんご ・文字 もじ をいかに改良 かいりょう し、いかに定 さだ めるべきであるかについての問題 もんだい である。本 ほん 項 こう では、国語 こくご としての日本語 にほんご の表記 ひょうき 法 ほう である漢字 かんじ 仮名 がな 交 ま じり文 ぶん とそれを構成 こうせい する漢字 かんじ 、仮名遣 かなづか い の在 あ り方 かた 、改変 かいへん に関 かか わる近 きん 現代 げんだい の言語 げんご 政策 せいさく (公的 こうてき 決定 けってい )など、表記 ひょうき をめぐって議論 ぎろん となる事柄 ことがら について、第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 後 ご の「国語 こくご 改革 かいかく 」以降 いこう のものを中心 ちゅうしん に取 と り上 あ げる。
日本 にっぽん における主 おも な政策 せいさく の歴史 れきし [ 編集 へんしゅう ]
国語 こくご 国字 こくじ 問題 もんだい は、言語 げんご の伝達 でんたつ において、何 なん らかの抵抗 ていこう や障害 しょうがい が意識 いしき されるところに発生 はっせい し、外国 がいこく 語 ご との比較 ひかく による言語 げんご に対 たい する文化 ぶんか 的 てき 意義 いぎ の自覚 じかく によって促進 そくしん される。識字 しきじ 率 りつ 引 ひ き上 あ げや欧化 おうか 主義 しゅぎ 、また逆 ぎゃく に国粋 こくすい 主義 しゅぎ などの様々 さまざま な理由 りゆう から、漢字 かんじ の制限 せいげん や表記 ひょうき の表音 ひょうおん 化 か について、明治 めいじ 時代 じだい から政府 せいふ の内外 ないがい で議論 ぎろん されていたのは、その好例 こうれい である。それは「国語 こくご 」の成立 せいりつ に大 おお きく関係 かんけい することであり、日本 にっぽん の近代 きんだい 化 か において必須 ひっす 不可避 ふかひ ともいえるものであった。
日本語 にほんご の表記 ひょうき 法 ほう として漢字 かんじ を用 もち いることの是非 ぜひ は、少 すく なくとも江戸 えど 時代 じだい 中期 ちゅうき における国学 こくがく の勃興 ぼっこう 以来 いらい 、議論 ぎろん の対象 たいしょう となってきた。新井 あらい 白石 はくせき は、宣教師 せんきょうし シドッティ の取 と り調 しら べで、西洋 せいよう の文字 もじ の少 すく なさに感心 かんしん した[ 3] 。
漢字 かんじ 廃止 はいし 論 ろん の先駆 さきが けとしてしばしば言及 げんきゅう されるのが、1866年 ねん (慶応 けいおう 2年 ねん )、前島 まえじま 来 らい 輔(密 ひそか ) が、時 とき の将軍 しょうぐん 徳川 とくがわ 慶喜 よしのぶ に提出 ていしゅつ した「漢字 かんじ 御 ご 廃止 はいし 之 の 議 ぎ 」と呼 よ ばれる建白 けんぱく 書 しょ (報告 ほうこく ・提言 ていげん )である。その趣旨 しゅし は「漢字 かんじ の習得 しゅうとく は非 ひ 効率 こうりつ であるため、漢字 かんじ を廃止 はいし すべきである」というものであった[ 注 ちゅう 1] 。
後 ご の文部 もんぶ 大臣 だいじん 森 もり 有礼 ありのり は1872年 ねん - 1873年 ねん に日本 にっぽん における日本語 にほんご 使用 しよう を英語 えいご に切 き り換 か えることを論 ろん じたとされた[ 注 ちゅう 2] 。北 きた 一輝 いっき は英語 えいご と日本語 にほんご の両方 りょうほう を敵視 てきし し、「合理 ごうり 的 てき 」なエスペラント の導入 どうにゅう を提案 ていあん した。
漢字 かんじ 廃止 はいし 論 ろん ・制限 せいげん 論 ろん については他 た に、次 つぎ のような論者 ろんしゃ が知 し られる。
1900年 ねん (明治 めいじ 33年 ねん )、感動 かんどう 詞 し や字音 じおん 語 ご の長音 ちょうおん を長音符 ちょうおんぷ 「ー」で書 か き表 あらわ す「棒引 ぼうび き仮名遣 かなづか い」を小学校 しょうがっこう 教科書 きょうかしょ で用 もち いることが[ 注 ちゅう 3] 、小学校 しょうがっこう 令 れい 施行 しこう 規則 きそく に定 さだ められた。国語 こくご 施策 しさく や国語 こくご 教育 きょういく によって国語 こくご 国字 こくじ の改良 かいりょう を行 おこな ったのである。しかし、あまり世評 せひょう がよくなかったので、文部省 もんぶしょう は1908年 ねん (明治 めいじ 41年 ねん )に臨時 りんじ 仮名遣 かなづかい 調査 ちょうさ 委員 いいん 会 かい を設置 せっち し、新 あら たな改定 かいてい 案 あん として「字音仮名遣 じおんかなづかい は全 すべ て表音 ひょうおん 式 しき にする」「国語 こくご 仮名遣 かなづかい は活用 かつよう 語尾 ごび と助詞 じょし だけそのままで、その他 た は表音 ひょうおん 式 しき にする」というものを出 だ したが、結論 けつろん らしい結論 けつろん を得 え ないまま廃止 はいし された。
臨時 りんじ 国語 こくご 調査 ちょうさ 会 かい (のちの国語 こくご 審議 しんぎ 会 かい の前身 ぜんしん )が設置 せっち され、1922年 ねん (大正 たいしょう 11年 ねん )11月に常用漢字 じょうようかんじ 1962字 じ を選定 せんてい し可決 かけつ (戦後 せんご の当用漢字 とうようかんじ 表 ひょう を経 へ て現在 げんざい の常用漢字 じょうようかんじ に至 いた る)、1923年 ねん (大正 たいしょう 12年 ねん )12月には仮名遣 かなづかい 改定 かいてい 案 あん を可決 かけつ (現代 げんだい 仮名遣 かなづか い の原型 げんけい となる)。
漢字 かんじ の使用 しよう を制限 せいげん する動 うご きとしては、1940年 ねん に日本 にっぽん 陸軍 りくぐん が「兵器 へいき 名称 めいしょう 用 よう 制限 せいげん 漢字 かんじ 表 ひょう 」を決定 けってい し、兵器 へいき の名 な に使 つか える漢字 かんじ を1235字 じ に制限 せいげん した。
また1942年 ねん には国語 こくご 審議 しんぎ 会 かい が、各 かく 省庁 しょうちょう および一般 いっぱん 社会 しゃかい で使用 しよう する漢字 かんじ の標準 ひょうじゅん を示 しめ した合計 ごうけい 2528字 じ の「標準 ひょうじゅん 漢字 かんじ 表 ひょう 」を答申 とうしん している[ 11] 。
第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 後 ご の一時期 いちじき には、漢字 かんじ 使用 しよう を制限 せいげん し、日本語 にほんご 表記 ひょうき を単純 たんじゅん 化 か しようとする動 うご きが強 つよ まった。
1946年 ねん (昭和 しょうわ 21年 ねん )3月 がつ 、連合 れんごう 国軍 こくぐん 総 そう 司令 しれい 部 ぶ (GHQ/SCAP) が招 まね いた第 だい 一 いち 次 じ アメリカ教育 きょういく 使節 しせつ 団 だん が3月31日 にち に第 だい 一 いち 次 じ アメリカ教育 きょういく 使節 しせつ 団 だん 報告 ほうこく 書 しょ を提出 ていしゅつ 、学校 がっこう 教育 きょういく における漢字 かんじ の弊害 へいがい とロ ろ ーマ字 まじ の便 びん を指摘 してき した(ロ ろ ーマ字 まじ 論 ろん も参照 さんしょう )。
同年 どうねん 4月 がつ 、志賀 しが 直哉 なおや は雑誌 ざっし 『改造 かいぞう 』に「国語 こくご 問題 もんだい 」を発表 はっぴょう し、「日本語 にほんご を廃止 はいし し、世界 せかい で一番 いちばん 美 うつく しい言語 げんご であるフランス語 ふらんすご を採用 さいよう することにしたらどうか」という趣旨 しゅし の提案 ていあん をした。また1945年 ねん 11月12日 にち 、読売 よみうり 報知 ほうち (今 いま の読売新聞 よみうりしんぶん )は「漢字 かんじ を廃止 はいし せよ」と題 だい した社説 しゃせつ を掲載 けいさい した。
当時 とうじ の国語 こくご 審議 しんぎ 会 かい 委員 いいん にも、日本語 にほんご 改革 かいかく 論 ろん 者 しゃ が多数 たすう 就任 しゅうにん し、漢字 かんじ 廃止 はいし やロ ろ ーマ字 まじ 化 か など極論 きょくろん は見送 みおく られたものの、彼 かれ らが関与 かんよ した「国語 こくご 改革 かいかく 」が戦後 せんご の日本語 にほんご に与 あた えた影響 えいきょう は大 おお きい。こうした動 うご きを背景 はいけい として、戦前 せんぜん から温 あたた められてきた常用漢字 じょうようかんじ や仮名遣 かなづかい 改定 かいてい 案 あん を流用 りゅうよう ・修正 しゅうせい した上 うえ で当用漢字 とうようかんじ と現代 げんだい かなづかい が制定 せいてい された。
なお、同様 どうよう の漢字 かんじ 簡略 かんりゃく 化 か の動 うご きは、識字 しきじ 率 りつ の向上 こうじょう に取 と り組 く んでいた中国 ちゅうごく においても見 み られ、中華人民共和国 ちゅうかじんみんきょうわこく 成立 せいりつ 後 ご 全 すべ ての文字 もじ 表記 ひょうき をピン音 おん とする動 うご きもあったが、最終 さいしゅう 的 てき には簡体字 かんたいじ が導入 どうにゅう された。
当用漢字 とうようかんじ とは、狭義 きょうぎ には1946年 ねん (昭和 しょうわ 21年 ねん )11月16日 にち に内閣 ないかく から告示 こくじ された「当用漢字 とうようかんじ 表 ひょう 」に掲載 けいさい された1850字 じ の漢字 かんじ を指 さ し、広義 こうぎ にはそれに関連 かんれん したいくつかの告示 こくじ を総称 そうしょう する。当用漢字 とうようかんじ 表 ひょう においては、日常 にちじょう 使用 しよう しないとされた漢字 かんじ は使用 しよう が制限 せいげん され、公用 こうよう 文書 ぶんしょ や一般 いっぱん 社会 しゃかい で使用 しよう する漢字 かんじ の範囲 はんい が示 しめ された。
従来 じゅうらい は複雑 ふくざつ かつ多様 たよう であった字体 じたい の簡素 かんそ 化 か も一部 いちぶ の文字 もじ で行 おこな われ、新字 しんじ ・新 しん かな が制定 せいてい された。新 しん 字体 じたい (新字 しんじ )制定 せいてい においては、漢字 かんじ の構成 こうせい 要素 ようそ ごとに体系 たいけい 的 てき に変更 へんこう を行 おこな う方式 ほうしき は採 と らず、慣用 かんよう を参考 さんこう に個別 こべつ の文字 もじ を部分 ぶぶん 的 てき に簡略 かんりゃく 化 か するのみにとどめた。
なお、当用漢字 とうようかんじ 表 ひょう では漢字 かんじ の読 よ みも制限 せいげん したが、当初 とうしょ の当用漢字 とうようかんじ 音訓 おんくん 表 ひょう は「魚 さかな 」の読 よ みを「ギョ」と「うお」に制限 せいげん し「さかな」の読 よ みが認 みと められなくなるなどの不 ふ 合理 ごうり が散見 さんけん されたことで、1972年 ねん (昭和 しょうわ 47年 ねん )6月 がつ 28日 にち に改定 かいてい されている。
熟語 じゅくご を漢字 かんじ と平仮名 ひらがな で表記 ひょうき する「交 ま ぜ書 が き 」の問題 もんだい も、当用漢字 とうようかんじ 表 ひょう に端 はし を発 はっ する。同 どう 表 ひょう によれば、当用漢字 とうようかんじ で書 か けない言葉 ことば はい換 いか えて表現 ひょうげん することになっていたが、実際 じっさい には漢字 かんじ を仮名 かめい で書 か いただけで元 もと の言葉 ことば が使 つか われ続 つづ け、漢字 かんじ と仮名 かめい の「交 ま ぜ書 が き」が多数 たすう 生 しょう ずることとなった。顕著 けんちょ な例 れい としては「改 かい ざん」「けん引 いん 」「ばい煙 えん 」「漏 ろう えい」などがある(「交 ま ぜ書 が き」せずに全 すべ て漢字 かんじ で表記 ひょうき した場合 ばあい はそれぞれ「改 あらため 竄 」「牽 引」「煤 すす 煙 けむり 」「漏 も 洩 も 」〈ろうせつ=漏 も 泄 〉となる)。
なお、交 ま ぜ書 が きは「けん引 いん 免許 めんきょ 」など官公庁 かんこうちょう の用語 ようご として残 のこ っている場合 ばあい もある[ 15] 。
国語 こくご 審議 しんぎ 会 かい は1956年 ねん (昭和 しょうわ 31年 ねん )7月 がつ 5日 にち 、当用漢字 とうようかんじ の適用 てきよう を円滑 えんかつ にするためとして、当用漢字 とうようかんじ 表 ひょう にない漢字 かんじ を含 ふく む漢語 かんご を同音 どうおん の別 べつ 字 じ (異体 いたい 字 じ 関係 かんけい にあるものを含 ふく む)に書 か き換 か えてもよいとして「同音 どうおん の漢字 かんじ による書 が きかえ 」として報告 ほうこく した。
従来 じゅうらい は複数 ふくすう の表記 ひょうき が存在 そんざい した熟語 じゅくご を一本 いっぽん 化 か する方向 ほうこう で例示 れいじ したものには、次 つぎ のようなものがある(括弧 かっこ 内 ない が当用漢字 とうようかんじ 表 ひょう にない漢字 かんじ を含 ふく む書 か き方 かた )。
注文 ちゅうもん (註文 ちゅうもん )
遺跡 いせき (遺蹟 いせき ) - 「本 ほん 跡 あと 」のように、迹 から跡 あと に書 か き換 か えるものもある。
更生 こうせい (甦生 そせい : 本来 ほんらい の読 よ みは「そせい」→蘇生 そせい )- 表記 ひょうき の似 に た同音 どうおん 異義 いぎ 語 ご に「更 さら 正 ただし 」がある。
知恵 ちえ (智慧 ちえ )
略奪 りゃくだつ (掠奪 りゃくだつ )
妨害 ぼうがい (妨碍 ぼうがい 、妨 さまたげ 礙)- 「障害 しょうがい 」も類似 るいじ 例 れい であるが、近年 きんねん は逆 ぎゃく に「害 がい 」の文字 もじ が差別 さべつ 的 てき であるなどとして「障碍 しょうがい 者 しゃ 」の表記 ひょうき が復活 ふっかつ する例 れい もある。
意向 いこう (意嚮 いこう )
講和 こうわ (媾和 こうわ )
格闘 かくとう (挌闘 かくとう )
書簡 しょかん (書翰 しょかん )
一般 いっぱん には複数 ふくすう の書 か き方 かた があったものの、専門 せんもん 用語 ようご として当用漢字 とうようかんじ 表 ひょう にない漢字 かんじ を含 ふく む書 か き方 かた をしていたものについて、当用漢字 とうようかんじ 表 ひょう 内 ない の漢字 かんじ に書 か き換 か えることを認 みと めたものには、次 つぎ のようなものがある(括弧 かっこ 内 ない が当用漢字 とうようかんじ 表 ひょう 実施 じっし 以前 いぜん の書 か き方 かた )。
骨格 こっかく (骨骼 こっかく ) :医学 いがく 用語 ようご
奇形 きけい (畸形) :医学 いがく 用語 ようご
本来 ほんらい その語 かたり においては使 つか われることのなかった当用漢字 とうようかんじ 表 ひょう 内 ない の漢字 かんじ に書 か き換 か えることを認 みと めたものには、次 つぎ のようなものがある(括弧 かっこ 内 ない が当用漢字 とうようかんじ 表 ひょう 実施 じっし 以前 いぜん の書 か き方 かた )。
防御 ぼうぎょ (防禦 ぼうぎょ )
扇動 せんどう (煽動 せんどう )
英知 えいち (叡智 えいち )
混交 こんこう (混淆 こんこう )
激高 げっこう (激昂 げっこう )
これらの「交 ま ぜ書 が き」「書 か き換 か え」には、熟語 じゅくご 本来 ほんらい の意味 いみ が不明瞭 ふめいりょう になるという問題 もんだい 点 てん がある。漢字 かんじ は「音 おと 」と「意 い 」で成 な り立 た っており、熟語 じゅくご はそれを組 く み合 あ わせて意味 いみ を表 あらわ したものである。例 たと えば「破綻 はたん 」を「破 は たん」と交 ま ぜ書 が きすると、本来 ほんらい は「破 やぶ れ綻 ほころび (ほころ)びる」という意味 いみ だが、平仮名 ひらがな の「たん」では意味 いみ が不明瞭 ふめいりょう になる。また「沈澱 ちんでん 」から「沈殿 ちんでん 」への書 か き換 か えでは、本来 ほんらい は「澱 おり (おり)が沈 しず む」という意味 いみ だが、「沈殿 ちんでん 」では「殿 しんがり が沈 しず む」と意味 いみ が不明瞭 ふめいりょう になる。「煽動 せんどう 」から「扇動 せんどう 」への書 か き換 か えに至 いた っては、「煽 あお り動 うご かす」から「扇 おうぎ を動 うご かす」と全 まった く異 こと なる意味 いみ になってしまう。「書 か き換 か え」の中 なか には支障 ししょう の少 すく ないものもあるが(「掩護 えんご 」→「援護 えんご 」など)、ただ単 たん に漢字 かんじ の音 おと を仮借 かしゃく しただけのものも多々 たた ある。
こうしたことから、「交 ま ぜ書 が き」「書 か き換 か え」は、「熟語 じゅくご の成 な り立 た ちを破棄 はき し、日本語 にほんご 文化 ぶんか を破壊 はかい した」、「行 い き過 す ぎた合理 ごうり 主義 しゅぎ により日本語 にほんご の乱 みだ れ を認 みと めてしまった」などと批判 ひはん されることがある。 [誰 だれ によって? ]
当用漢字 とうようかんじ 別表 べっぴょう と人名 じんめい 用 よう 漢字 かんじ 別表 べっぴょう [ 編集 へんしゅう ]
当用漢字 とうようかんじ のうち881字 じ は、小学校 しょうがっこう 教育 きょういく 期間 きかん 中 ちゅう に習得 しゅうとく すべき漢字 かんじ として、1948年 ねん (昭和 しょうわ 23年 ねん )2月 がつ 16日 にち に当用漢字 とうようかんじ 別表 べっぴょう という形 かたち でまとめられた。いわゆる「教育 きょういく 漢字 かんじ 」である。
人名 じんめい については、同 どう 1948年 ねん (昭和 しょうわ 23年 ねん )施行 しこう の戸籍 こせき 法 ほう 第 だい 50条 じょう には「子 こ の名 な には、常用 じょうよう 平易 へいい な文字 もじ を用 もち いなければならない」とある。この範囲 はんい は当初 とうしょ は法務省 ほうむしょう 令 れい によって平仮名 ひらがな 、片仮名 かたかな 、当用漢字 とうようかんじ であるとされており、当用漢字 とうようかんじ 以外 いがい の漢字 かんじ は新生児 しんせいじ の戸籍 こせき の届出 とどけで の際 さい に使用 しよう することができなかった。1951年 ねん (昭和 しょうわ 26年 ねん )には人名 じんめい 用 よう 漢字 かんじ 別表 べっぴょう として92字 じ を内閣 ないかく から告示 こくじ され、当用漢字 とうようかんじ 外 がい の漢字 かんじ も一部 いちぶ 認 みと められることになった。
この人名 じんめい 用 よう 漢字 かんじ 別表 べっぴょう は、数 すう 度 ど の改定 かいてい を経 へ て1997年 ねん (平成 へいせい 9年 ねん )には285字 じ を含 ふく むものとなった。札幌 さっぽろ 高等 こうとう 裁判所 さいばんしょ において、「常用 じょうよう 平易 へいい な文字 もじ 」であるのに人名 じんめい 用 よう 漢字 かんじ 別表 べっぴょう に含 ふく まれないために子供 こども の名 な として使用 しよう できなかったことを不服 ふふく とした裁判 さいばん で訴 うった えが認 みと められた[ 16] ことも要因 よういん の一 ひと つか、2004年 ねん (平成 へいせい 16年 ねん )9月27日 にち 付 づけ で488文字 もじ が追加 ついか された。当初 とうしょ は578文字 もじ の追加 ついか が見込 みこ まれていたが、世論 せろん を受 う けて人名 じんめい にふさわしくない漢字 かんじ (怨・痔 じ ・屍 かばね など)が削除 さくじょ された。
漢字 かんじ 廃止 はいし 批判 ひはん と漢字 かんじ 仮名 がな 交 ま じり前提 ぜんてい 論 ろん [ 編集 へんしゅう ]
当用漢字 とうようかんじ は、漢字 かんじ 全廃 ぜんぱい を目的 もくてき としたものとしてしばしば批判 ひはん されている。[誰 だれ によって? ]
1958年 ねん (昭和 しょうわ 33年 ねん )から雑誌 ざっし 『聲 こえ 』に連載 れんさい された『私 わたし の國語 こくご 敎室 きょうしつ 』で福田 ふくだ 恆 ひさし 存 そん は、すでに漢字 かんじ 制限 せいげん は不可能 ふかのう であることが明 あき らかになっていると指摘 してき した。1961年 ねん (昭和 しょうわ 36年 ねん )には表音 ひょうおん 主義 しゅぎ 者 しゃ が多数 たすう を占 し め、毎回 まいかい 同 おな じ委員 いいん が選出 せんしゅつ される構造 こうぞう となっていた国語 こくご 審議 しんぎ 会 かい の総会 そうかい から、舟橋 ふなばし 聖一 せいいち 、塩田 しおだ 良平 りょうへい 、宇野 うの 精一 せいいち 、山岸 やまぎし 徳平 とくひら ら、改革 かいかく 反対 はんたい 派 は の委員 いいん が退場 たいじょう する事件 じけん となった。
1962年 ねん (昭和 しょうわ 37年 ねん )、国語 こくご 審議 しんぎ 会 かい の委員 いいん に選出 せんしゅつ された吉田 よしだ 富三 とみぞう は、審議 しんぎ する立場 たちば を「国語 こくご は、漢字 かんじ 仮名 がな 交 まじ り を以 もっ て、その表記 ひょうき の正則 せいそく とする。国語 こくご 審議 しんぎ 会 かい は、この前提 ぜんてい の下 した に、国語 こくご の改善 かいぜん を審議 しんぎ するものである」と規定 きてい することを提案 ていあん した。
1965年 ねん (昭和 しょうわ 40年 ねん )、森戸 もりと 辰男 たつお ・国語 こくご 審議 しんぎ 会 かい 会長 かいちょう は記者 きしゃ 会見 かいけん で、「漢字 かんじ 仮名 がな 交 ま じり文 ぶん が審議 しんぎ の前提 ぜんてい 。漢字 かんじ 全廃 ぜんぱい は考 かんが えられない」と述 の べた。
1966年 ねん (昭和 しょうわ 41年 ねん )、総会 そうかい の際 さい 中村 なかむら 梅吉 うめきち ・文部 もんぶ 大臣 だいじん は「当然 とうぜん のことながら国語 こくご の表記 ひょうき は、漢字 かんじ 仮名 がな 交 ま じり文 ぶん によることを前提 ぜんてい と」すると挨拶 あいさつ した。
現代 げんだい かなづかい・現代 げんだい 仮名遣 かなづか い[ 編集 へんしゅう ]
歴史 れきし 的 てき 仮名遣 かなづかい を基 もと に、1946年 ねん (昭和 しょうわ 21年 ねん )11月16日 にち に告示 こくじ され現代 げんだい の音韻 おんいん に基 もと づいて改変 かいへん したのが「現代 げんだい かなづかい 」である。
「現代 げんだい かなづかい」はもともと、表音 ひょうおん 式 しき 仮名遣 かなづか いへ移行 いこう するまでの繋 つな ぎとして考 かんが えられていた。しかし仮名遣 かなづか いの完全 かんぜん な表音 ひょうおん 化 か は不可能 ふかのう であり、「現代 げんだい かなづかい」はそのまま定着 ていちゃく した。1986年 ねん (昭和 しょうわ 61年 ねん )7月 がつ 1日 にち に内閣 ないかく から告示 こくじ された「現代 げんだい 仮名遣 かなづか い 」はそうした状況 じょうきょう の追認 ついにん であるといえる。従 したが って、現在 げんざい の「現代 げんだい 仮名遣 かなづか い」は中途半端 ちゅうとはんぱ な形 かたち のまま、さまざまな矛盾 むじゅん を抱 かか えている。
助詞 じょし の「は 」「へ 」「を 」においては、発音 はつおん と表記 ひょうき 文字 もじ が異 こと なり、歴史 れきし 的 てき 仮名遣 かなづか いの原則 げんそく が維持 いじ されている。
和語 わご においては、「鼻血 はなぢ 」は「はな」と「ち 」の合成 ごうせい 語 ご であるので形態素 けいたいそ を意識 いしき した「はなぢ 」と表記 ひょうき する。
漢語 かんご においては、すべて「じ 」「ず 」を用 もち い、「ぢ 」「づ 」は用 もち いない。「融通 ゆうずう 」を「ゆうず う」と表記 ひょうき するのもそのためである。また「地面 じめん 」を「じ めん」とするのが正則 せいそく なのは、「地 ち 」は元々 もともと 濁 にご った「ヂ」(これは呉音 ごおん 、漢音 かんおん はチ)の音読 おんよ みを持 も っていたが、漢語 かんご の「ぢ、づ」はすべて「じ、ず」に書 か き換 か えることになっているからで、「地 ち (ち)」が連濁 れんだく しているわけではない。
当用漢字 とうようかんじ から常用漢字 じょうようかんじ へ[ 編集 へんしゅう ]
常用漢字 じょうようかんじ は、1981年 ねん (昭和 しょうわ 56年 ねん )に内閣 ないかく から告示 こくじ された漢字 かんじ 表 ひょう に掲載 けいさい された漢字 かんじ 1945字 じ (常用漢字 じょうようかんじ 一覧 いちらん 参照 さんしょう )を指 さ す。当用漢字 とうようかんじ 表 ひょう を基 もと に制定 せいてい されたものであるが、常用漢字 じょうようかんじ は、当用漢字 とうようかんじ と比 くら べて制限 せいげん の緩 ゆる い「目安 めやす 」という位置付 いちづ けになっている。
漢字 かんじ をめぐるこうした政府 せいふ の動 うご きと前後 ぜんご して、JIS規格 きかく も、コンピュータ などで用 もち いる漢字 かんじ について、その漢字 かんじ の種類 しゅるい (文字 もじ 集合 しゅうごう )と、各 かく 漢字 かんじ をデータとして処理 しょり する際 さい の数値 すうち 表現 ひょうげん (文字 もじ コード )の規格 きかく を独自 どくじ に定 さだ める試 こころ みを続 つづ けてきた。
このうち、前者 ぜんしゃ 「文字 もじ 集合 しゅうごう 」は常用漢字 じょうようかんじ などと同 おな じく、おびただしい数 かず の漢字 かんじ の中 なか から一 いち 定数 ていすう の漢字 かんじ を取 と り出 だ したもので、俗 ぞく に「JIS漢字 かんじ 」と呼 よ ばれる。2012年 ねん (平成 へいせい 24年 ねん )までに4回 かい の改正 かいせい が行 おこな われている。
最初 さいしょ のものは1978年 ねん (昭和 しょうわ 53年 ねん )にJIS C 6226-1978 で指定 してい された6802字 じ の文字 もじ 群 ぐん である。この規格 きかく は「78JIS」などと呼 よ ばれる。1983年 ねん (昭和 しょうわ 58年 ねん )には常用漢字 じょうようかんじ の制定 せいてい を受 う けて、JIS C 6226 の大幅 おおはば 改正 かいせい が行 おこな われ、6877字 じ の文字 もじ (非 ひ 漢字 かんじ を含 ふく む)が指定 してい された。「83JIS」などと呼 よ ばれる。1987年 ねん (昭和 しょうわ 62年 ねん )に「JIS X 0208」と改称 かいしょう され、1990年 ねん (平成 へいせい 2年 ねん )には細 こま かい例示 れいじ 字形 じけい 変更 へんこう と2字 じ の追加 ついか が行 おこな われた。以降 いこう 、1997年 ねん (平成 へいせい 9年 ねん )と2010年 ねん (平成 へいせい 12年 ねん )にもJIS X 0208の細 こま かい改定 かいてい が行 おこな われたが、これは直接 ちょくせつ 「文字 もじ 集合 しゅうごう 」の変更 へんこう をするものではなかった。(以上 いじょう の内容 ないよう についてはJIS X 0208 に詳 くわ しい)
83JISへの移行 いこう によって、300字 じ 近 ちか くもの例示 れいじ 字形 じけい が変更 へんこう された。78JIS準拠 じゅんきょ の機器 きき で作成 さくせい された文書 ぶんしょ が、83JIS移行 いこう のJIS準拠 じゅんきょ の機器 きき で字体 じたい が変 か わってしまうといった問題 もんだい が指摘 してき された。特 とく に問題 もんだい とされたのは伝統 でんとう 的 てき 字体 じたい (いわゆる康 かん 熙字典 じてん 体 からだ )から簡略 かんりゃく 字体 じたい に変更 へんこう されたものであった。78JISで「鷗、蠟 」と示 しめ された文字 もじ が「鴎 かもめ 、蝋 ろう 」となり、前者 ぜんしゃ の字形 じけい は83JIS以降 いこう のJIS X 0208の範囲 はんい では事実 じじつ 上 じょう 扱 あつか えなくなった。檜 ひのき と桧 ひのき 、藪 やぶ と薮 やぶ など22組 くみ の符号 ふごう 位置 いち が交換 こうかん された。
JISの文字 もじ 集合 しゅうごう では、「包摂 ほうせつ 」の考 かんが え方 かた によって新旧 しんきゅう の字体 じたい を区別 くべつ せず、一 ひと つの文字 もじ として扱 あつか っているものがあり、両者 りょうしゃ を区別 くべつ したい場合 ばあい にも区別 くべつ できないという問題 もんだい がある。その一方 いっぽう 、「剣 けん 」「劒」「劍 けん 」や「鉄 てつ 」「鐵 てつ 」「銕」「鐡」のように、異体 いたい 字 じ にそれぞれ割 わ り当 あ てられている字 じ もある。
表 ひょう 外 がい 漢字 かんじ 字体 じたい 表 ひょう の漢字 かんじ 一覧 いちらん については、別 べつ 項目 こうもく 「表 ひょう 外 がい 漢字 かんじ 字体 じたい 表 ひょう の漢字 かんじ 一覧 いちらん 」を参照 さんしょう のこと。
1980年代 ねんだい (昭和 しょうわ 55年 ねん - 平成 へいせい 元年 がんねん )半 なか ば以降 いこう 、かな漢字 かんじ 変換 へんかん を実現 じつげん したワードプロセッサ やコンピュータ といった情報 じょうほう 機器 きき の普及 ふきゅう は、それまで専 もっぱ ら手書 てが きに頼 たよ っていた日本語 にほんご の記述 きじゅつ に大 おお きな変化 へんか をもたらした。手書 てが きと違 ちが って情報 じょうほう 機器 きき の漢字 かんじ 変換 へんかん 機能 きのう においては、画数 かくすう の少 すく ない漢字 かんじ も多 おお い漢字 かんじ も記 しる す手間 てま は同 おな じであり、使用 しよう 者 しゃ がその文字 もじ を知 し っていれば使 つか えるようになった。例 たと えば「驚愕 きょうがく 」「愕然 がくぜん 」「吃驚 びっくり 」「仰天 ぎょうてん 」「びっくり」のいずれも、情報 じょうほう 機器 きき で記 しる す手間 てま は手書 てが きほどの違 ちが いはない。それにより常用漢字 じょうようかんじ 外 がい の漢字 かんじ の使用 しよう 環境 かんきょう が改善 かいぜん され、それまで減少 げんしょう の一途 いっと をたどっていた漢字 かんじ の使用 しよう 率 りつ が平衡 へいこう あるいは増加 ぞうか に転 てん じるようになった。
常用漢字 じょうようかんじ 表 ひょう に示 しめ される簡略 かんりゃく 化 か された字体 じたい を、常用漢字 じょうようかんじ 表 ひょう 外 がい の漢字 かんじ に適用 てきよう するかどうか、国語 こくご 審議 しんぎ 会 かい 答申 とうしん の常用漢字 じょうようかんじ 表 ひょう 前文 ぜんぶん では「当面 とうめん 、特定 とくてい の方向 ほうこう を示 しめ さず、各 かく 分野 ぶんや における慎重 しんちょう な検討 けんとう にまつこととした」[ 17] とし、国語 こくご 審議 しんぎ 会 かい としての判断 はんだん を保留 ほりゅう した。前述 ぜんじゅつ の「83JIS」は簡略 かんりゃく 字体 じたい を常用漢字 じょうようかんじ 表 ひょう 外 がい の漢字 かんじ へと拡張 かくちょう しており(拡張 かくちょう 新 しん 字体 じたい )、一般 いっぱん の書籍 しょせき における漢字 かんじ 字体 じたい と情報 じょうほう 機器 きき の出力 しゅつりょく 字体 じたい との間 あいだ で乖離 かいり を生 う んでいた。また一部 いちぶ には「83JIS」の字体 じたい を積極 せっきょく 的 てき に採用 さいよう する動 うご きも出版 しゅっぱん 界 かい にあった。
このため、常用漢字 じょうようかんじ 表 ひょう 外 がい の漢字 かんじ 字体 じたい に混乱 こんらん が生 しょう じているとして、国語 こくご 審議 しんぎ 会 かい が「字体 じたい 選択 せんたく のよりどころ」として一定 いってい の方針 ほうしん を示 しめ すことになったのが、「表 ひょう 外 がい 漢字 かんじ 字体 じたい 表 ひょう 」(2000年 ねん (平成 へいせい 12年 ねん )12月 がつ 最終 さいしゅう 答申 とうしん )である[ 18] 。
表 ひょう 外 がい 漢字 かんじ 字体 じたい 表 ひょう では、実際 じっさい の印刷物 いんさつぶつ に使 つか われている表 ひょう 外 がい 漢字 かんじ を調査 ちょうさ した結果 けっか 、表 ひょう 外 がい 漢字 かんじ の代表 だいひょう 的 てき なものとして1022字 じ を挙 あ げ、それらについておおむねいわゆる康 かん 熙字典 じてん 体 からだ に準 じゅん じた「印刷 いんさつ 標準 ひょうじゅん 字体 じたい 」を示 しめ した。うち22字 じ については俗字 ぞくじ 体 たい ・略 りゃく 字体 じたい 等 とう を「簡易 かんい 慣用 かんよう 字体 じたい 」とし、示偏 しめすへん ・食 しょく 偏 へん ・之繞 しんにょう (しんにょう)の略字 りゃくじ 体 たい (礻・飠・⻌ )を許容 きょよう 字体 じたい とした(3部首 ぶしゅ 許容 きょよう )が、常用漢字 じょうようかんじ 表 ひょう 外 がい の漢字 かんじ については、伝統 でんとう 的 てき な字体 じたい (⺬ ・𩙿 ・⻍ )を本則 ほんそく とする方針 ほうしん が示 しめ された。
表 ひょう 外 がい 漢字 かんじ 字体 じたい 表 ひょう では、常用漢字 じょうようかんじ のほかに2000年 ねん (平成 へいせい 12年 ねん )時点 じてん での人名 じんめい 用 よう 漢字 かんじ についても対象 たいしょう 外 がい となっており、その時点 じてん の人名 じんめい 用 よう 漢字 かんじ 別表 べっぴょう の字体 じたい を標準 ひょうじゅん とすることになっている。また、1990年 ねん (平成 へいせい 2年 ねん )に人名 じんめい 用 よう 漢字 かんじ に追加 ついか された「(つくりの者 もの に点 てん がない)曙 あけぼの 」や「(1点 てん しんにょう〈⻌ 〉の)蓮 はちす 」についても同 おな じ理由 りゆう でそのままの字体 じたい が標準 ひょうじゅん となり、「(つくりの者 もの に点 てん がある)曙 あけぼの 」や「(2点 てん しんにょう〈⻍ 〉の)蓮 はちす 」は標準 ひょうじゅん とはなっていない。これらの漢字 かんじ は2004年 ねん (平成 へいせい 16年 ねん )のJIS X 0213 改正 かいせい でもそのままになっている。一方 いっぽう 、2004年 ねん (平成 へいせい 16年 ねん )に人名 じんめい 用 よう 漢字 かんじ に追加 ついか された「堵 と 」や「逢 」は表 ひょう 外 がい 漢字 かんじ 字体 じたい 表 ひょう の対象 たいしょう となっている漢字 かんじ なので、それぞれつくりが者 しゃ の中 なか に点 てん があるものと2点 てん しんにょうのものが印刷 いんさつ 標準 ひょうじゅん 字体 じたい となっており、2004年 ねん (平成 へいせい 16年 ねん )のJIS X 0213改正 かいせい でも例示 れいじ 字形 じけい が印刷 いんさつ 標準 ひょうじゅん 字体 じたい に整合 せいごう するように改正 かいせい されている。字体 じたい を検討 けんとう する上 じょう で注意 ちゅうい を要 よう する。
マスメディアにおける熟語 じゅくご の交 ま ぜ書 が き・書 か き換 か えの減少 げんしょう [ 編集 へんしゅう ]
当用漢字 とうようかんじ 制定 せいてい による熟語 じゅくご の「交 ま ぜ書 が き」「書 か き換 か え」表記 ひょうき については、使用 しよう が強制 きょうせい されていたわけではなく、随筆 ずいひつ や小説 しょうせつ などの文学 ぶんがく 作品 さくひん ではほとんど用 もち いられていなかった。しかし新聞 しんぶん 社 しゃ や通信 つうしん 社 しゃ 、放送 ほうそう 局 きょく などの報道 ほうどう 機関 きかん は、日本 にっぽん 新聞 しんぶん 協会 きょうかい の取 と り決 き めなどにより、熟語 じゅくご の「交 ま ぜ書 が き」「書 か き換 か え」による代用 だいよう 表記 ひょうき を多用 たよう した。新聞 しんぶん 社 しゃ が交 ま ぜ書 が き表記 ひょうき を使用 しよう する主 おも な理由 りゆう としては、活版 かっぱん 印刷 いんさつ ではルビ (振 ふ り仮名 がな )を振 ふ ると組版 くみはん コストが増大 ぞうだい するため、漢字 かんじ 制限 せいげん がコスト低減 ていげん に役立 やくだ つという理由 りゆう があった。また、新聞 しんぶん 各社 かくしゃ は当用漢字 とうようかんじ の実施 じっし と同時 どうじ にルビを廃止 はいし している。漢字 かんじ の字数 じすう も読 よ みも制限 せいげん されていれば振 ふ り仮名 がな は不要 ふよう という考 かんが えからである。
そのため、新聞 しんぶん やテレビなどのニュース 報道 ほうどう では「けん銃 じゅう 」「だ捕 ほ 」「ら致 ち 」「破 は たん」「補 ほ てん」などと交 ま ぜ書 が きの表記 ひょうき が多用 たよう されていた[ 19] 。
しかし、「交 ま ぜ書 が き」は日本語 にほんご として成立 せいりつ しにくい事 こと や不評 ふひょう がある事 こと により、日本 にっぽん 新聞 しんぶん 協会 きょうかい 加盟 かめい 社 しゃ の用語 ようご 担当 たんとう 者 しゃ からなる集 あつ まりで、新聞 しんぶん 紙上 しじょう における用字 ようじ 用語 ようご について懇談 こんだん する「新聞 しんぶん 用語 ようご 懇談 こんだん 会 かい 」では2000年 ねん (平成 へいせい 12年 ねん )12月の『表 ひょう 外 がい 漢字 かんじ 字体 じたい 表 ひょう 』の答申 とうしん と前後 ぜんご して、交 ま ぜ書 が きの減少 げんしょう を検討 けんとう した。
その後 ご 刊行 かんこう された『記者 きしゃ ハンドブック 新聞 しんぶん 用字 ようじ 用語 ようご 集 しゅう 』では使用 しよう する漢字 かんじ が増 ふ やされる傾向 けいこう にある。それまでは交 ま ぜ書 が きにされていた「危惧 (きぐ)」、「蜂 はち 起 おこり 」、「冥 めい 福 ぶく 」などが漢字 かんじ で表記 ひょうき されるようになった。また、ルビ を復活 ふっかつ させた新聞 しんぶん もある。この傾向 けいこう は新聞 しんぶん 以外 いがい のマスメディア でも同様 どうよう であり、公共 こうきょう 放送 ほうそう のNHK でも『NHK新 しん 用字 ようじ 用語 ようご 辞典 じてん 』において、交 ま ぜ書 が きを減 へ らしている。
2020年代 ねんだい に入 はい って新型 しんがた コロナウイルス の「まん延 えん (蔓延 まんえん )」や、電力 でんりょく 需給 じゅきゅう ひっ迫 ぱく 警報 けいほう の「ひっ迫 ぱく (逼迫 ひっぱく )」といった用語 ようご が頻出 ひんしゅつ するようになったため、交 ま ぜ書 が きを減少 げんしょう すべきか再 ふたた び議論 ぎろん になっている[ 20] 。
児童 じどう 文学 ぶんがく ・小学校 しょうがっこう 教科書 きょうかしょ の世界 せかい では強 つよ い漢字 かんじ 制限 せいげん がかけられており、習 なら っていない漢字 かんじ は見 み せない、書 か かないという教育 きょういく が続 つづ いているが、むしろルビ を使 つか うべきでありマンガやゲームのほうがよほど漢字 かんじ の勉強 べんきょう になるという批判 ひはん もある[ 21] 。
表 ひょう 外 がい 漢字 かんじ 字体 じたい 表 ひょう は、一部 いちぶ においてJIS漢字 かんじ の例示 れいじ 字形 じけい とはなはだしい異同 いどう があったが、2004年 ねん (平成 へいせい 16年 ねん )にJIS X 0213 が改正 かいせい され、例示 れいじ 字形 じけい を表 ひょう 外 がい 漢字 かんじ 字体 じたい 表 ひょう に整合 せいごう させた。これによりコンピュータについても、印刷 いんさつ 標準 ひょうじゅん 字体 じたい に沿 そ った字形 じけい を標準 ひょうじゅん とする環境 かんきょう に移行 いこう しつつある。
2007年 ねん (平成 へいせい 19年 ねん )には各種 かくしゅ オペレーティングシステム で使 つか われるフォントが相次 あいつ いでJIS X 0213:2004例示 れいじ 字形 じけい に対応 たいおう した。マイクロソフト が発売 はつばい したWindows Vista では、標準 ひょうじゅん 搭載 とうさい 日本語 にほんご フォント(メイリオ ・MS ゴシック ・MS 明朝 みょうちょう )の字形 じけい をJIS X 0213:2004の例示 れいじ 字形 じけい とした。Vistaと後継 こうけい のWindows 7 には、旧来 きゅうらい の字形 じけい を採用 さいよう した「JIS90 互換 ごかん MS ゴシック・明朝 みんちょう フォントパッケージ」が用意 ようい されている。Apple は、Mac OS X v10.5 発売 はつばい に際 さい して、JIS X 0213:2004の例示 れいじ 字形 じけい を標準 ひょうじゅん とした日本語 にほんご フォントヒラギノ ProN/StdNを新 あら たに追加 ついか した。引 ひ き続 つづ き従来 じゅうらい のヒラギノ Pro/Stdも附属 ふぞく する。情報処理 じょうほうしょり 推進 すいしん 機構 きこう は、無償 むしょう 公開 こうかい しているIPAフォント の字形 じけい をVer.2からJIS X 0213:2004準拠 じゅんきょ とした。IPAフォントはLinux などオープンソース ソフトウェアを含 ふく めプラットフォーム を問 と わず誰 だれ でも無償 むしょう で利用 りよう できる公共 こうきょう フォントと位置付 いちづ けられている。
上記 じょうき 、JIS X 0213:2004の改正 かいせい と前後 ぜんご して、法務省 ほうむしょう が2004年 ねん (平成 へいせい 16年 ねん )に行 い った人名 じんめい 用 よう 漢字 かんじ の変更 へんこう (追加 ついか 等 とう )も、おおむね印刷 いんさつ 標準 ひょうじゅん 字体 じたい によって行 おこな われた(「芦 あし 」「阪 ばん 」「堺 さかい 」など例外 れいがい もある)。
2010年 ねん の常用漢字 じょうようかんじ 改定 かいてい [ 編集 へんしゅう ]
2010年 ねん (平成 へいせい 22年 ねん )に常用漢字 じょうようかんじ が改定 かいてい された。特徴 とくちょう としては、漢字 かんじ の廃止 はいし や節減 せつげん という動 うご きと決別 けつべつ するように多 おお くの漢字 かんじ が追加 ついか されたことが挙 あ げられる。一般 いっぱん 名詞 めいし や代名詞 だいめいし などで幅広 はばひろ く使 つか われていた漢字 かんじ のみならず、前述 ぜんじゅつ の交 ま ぜ書 が きを防 ふせ ぐための漢字 かんじ も追加 ついか された。また実生活 じっせいかつ 上 じょう では初等 しょとう 教育 きょういく から読 よ み書 か きする必要 ひつよう があるにもかかわらず、これまで含 ふく まれていなかった都道府県 とどうふけん 名 な などに使 つか われる漢字 かんじ が追加 ついか された。
なお、新潟 にいがた 県 けん の「潟 かた 」は1981年 ねん にすでに常用漢字 じょうようかんじ に追加 ついか されている[ 22] 。
字形 じけい については、前述 ぜんじゅつ の表 ひょう 外 がい 漢字 かんじ 字体 じたい 表 ひょう の字形 じけい を参照 さんしょう し、JIS X 0213:2004の例示 れいじ 字形 じけい に合 あ わせた文字 もじ を追加 ついか した。
在来 ざいらい の国語 こくご 学 がく においては、明治 めいじ 以来 いらい の国語 こくご 国字 こくじ 問題 もんだい の種々 しゅじゅ の論議 ろんぎ を学問 がくもん 的 てき 領域 りょういき から尽 ことごと く除外 じょがい するものもあれば、領域 りょういき の一種 いっしゅ として音声 おんせい 論 ろん や文法 ぶんぽう 論 ろん と同列 どうれつ に位置 いち づけて取 と り扱 あつか ったり、「知識 ちしき の応用 おうよう 部面 ぶめん 」として国語 こくご 学 がく の延長 えんちょう のごとく取 と り扱 あつか ったりなど、利用 りよう の仕方 しかた は様々 さまざま であった。そのような中 なか で「国語 こくご 国字 こくじ 問題 もんだい を対象 たいしょう とすべき」と明確 めいかく に位置 いち づけたのが時枝 ときえだ 誠記 もとき である[ 注 ちゅう 4] 。時枝 ときえだ の立論 りつろん は「言語 げんご は個人 こじん の実践 じっせん 的 てき 表現 ひょうげん 行為 こうい ないし理解 りかい 行為 こうい そのものである」とする言語 げんご 過程 かてい 説 せつ の立場 たちば からなされているが、従来 じゅうらい の国語 こくご 学 がく における研究 けんきゅう 方法 ほうほう に対 たい して反省 はんせい を促 うなが しているともいえるので、どのような立場 たちば から論 ろん じるにせよ、日本語 にほんご 学者 がくしゃ は国語 こくご 国字 こくじ 問題 もんだい について無 む 関心 かんしん でいるわけにはいかない。
^ この建白 けんぱく 書 しょ の存在 そんざい をめぐっては、否定 ひてい 的 てき にみる見解 けんかい や指摘 してき が示 しめ され、その再 さい 検討 けんとう を試 こころ みたものに阿久澤 あくざわ 佳之 よしゆき (2009) がある。
^ ただし正確 せいかく には「ロ ろ ーマ字 まじ 推進 すいしん と簡易 かんい 英語 えいご を通 つう じた日本語 にほんご への近代 きんだい 的 てき 語彙 ごい の導入 どうにゅう を指 さ したもの」であったことが、後 ご の研究 けんきゅう により明 あき らかになった。
^ 例 たと えば字音仮名遣 じおんかなづかい では「かうちやう」となる「校長 こうちょう 」は、これに従 したが うと「こーちょー」と表記 ひょうき する。
^ 例 たと えば時枝 ときえだ 誠記 もとき (1949) などにおいて、「言語 げんご の実践 じっせん に関 かん する議論 ぎろん であるならば、それは他 た の言語 げんご 現象 げんしょう と共 とも に、それ自体 じたい が国語 こくご 学 がく の対象 たいしょう とならなければならない」「国語 こくご における音声 おんせい や文字 もじ や文法 ぶんぽう が国語 こくご 学 がく の対象 たいしょう となるのと同 おな じように、国語 こくご の主体 しゅたい 的 てき 意識 いしき の問題 もんだい として考察 こうさつ の対象 たいしょう となる」と述 の べている。
図書 としょ
論文 ろんぶん