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性的せいてき倒錯とうさく

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性的せいてき倒錯とうさく (せいてきとうさく)は英語えいごパラフィリアParaphilia)とい、人間にんげんせい関連かんれんする行動こうどうにおいて、精神せいしん医学いがくにおける病理びょうりてき精神せいしん疾患しっかん診断しんだんされる症状しょうじょう性的せいてき嗜好しこう)をす。

概説がいせつ

性的せいてき倒錯とうさく (せいてきとうさく)は、広義こうぎにはせい道徳どうとく社会しゃかい通念つうねん常識じょうしき)から逸脱いつだつした性的せいてき嗜好しこう(せいてきしこう)をす。ただし、せい道徳どうとく社会しゃかい通念つうねん抽象ちゅうしょうてき概念がいねんであることから、その基準きじゅん境界きょうかいせん時代じだい文化ぶんか個人こじん価値かちかんによって多様たよう解釈かいしゃく定義ていぎ存在そんざいする。また、それらの多様たよう解釈かいしゃく定義ていぎ偏見へんけん差別さべつ原因げんいんになる可能かのうせいもあるので、充分じゅうぶん注意ちゅうい配慮はいりょ必要ひつようである。

精神せいしん医学いがくでは、精神せいしん疾患しっかん精神せいしん障害しょうがい)の一種いっしゅとして診断しんだんされる症状しょうじょう性的せいてき嗜好しこう)をす。しかし、精神せいしん医学いがくにおいても基準きじゅん境界きょうかいせん厳密げんみつ定義ていぎすることは困難こんなんであり、以下いかべる症例しょうれいが、かならずしも精神せいしん疾患しっかん該当がいとうするということにはならない。また、あらゆる精神せいしんてきまたは心理しんりてき病理びょうり同様どうように、ふるくから存在そんざい確認かくにんされている症例しょうれいもあれば、プライベートせいたか第三者だいさんしゃ認識にんしきされにくい症例しょうれい時代じだい文化ぶんか変化へんかともあたらしく誕生たんじょうする(発見はっけんされる)症例しょうれいなどもある。 なお、後述こうじゅつする「概念がいねん診断しんだん基準きじゅん」の条件じょうけんたさないためにパラフィリアではないと診断しんだんされ、なおつ、各種かくしゅ法律ほうりつなどに抵触ていしょくしていない場合ばあいでも、精神せいしん医学いがく分野ぶんやがい一般いっぱん社会しゃかい)では問題もんだいされるような症例しょうれいもある。したがって、いずれも医療いりょう機関きかん専門せんもんによる具体ぐたいてき診察しんさつ長期ちょうきてき観察かんさつなどが重要じゅうようになる。


語源ごげん

現在げんざい各国かっこく通用つうようする英単語えいたんごの「 パラフィリア英語えいごParaphilia)」の語源ごげんは、ギリシア前置詞ぜんちしで「よこ」や「わき」を意味いみする「 パラギリシア:παρά ・英語えいご:para)」と、古代こだいギリシア名詞めいしで「あい」を意味いみする「 フィリア古代こだいギリシアφふぁいιいおたλらむだíαあるふぁ英語えいご:philia)」をした言葉ことばで、直訳ちょくやくすると「よこはぐれたあい」といった意味いみつ。病理びょうりがくてき専門せんもん用語ようごとして客観きゃっかんてきかつ中立ちゅうりつてき表現ひょうげんし、偏見へんけん差別さべつ防止ぼうしする目的もくてき使用しようされるようになった造語ぞうごである。

日本にっぽん精神せいしん医学いがくかいでは、昭和しょうわ時代じだい初期しょきごろまで一部いちぶで「変態へんたい性欲せいよく英語えいごSexual perversion)」などとばれていたが、異常いじょうせい強調きょうちょうされてしまう言葉ことばであることから、客観きゃっかんせい中立ちゅうりつせい表現ひょうげんできる病理びょうりがくてき専門せんもん用語ようごもとめられるようになり、英語えいごけん普及ふきゅうしていたパラフィリアを意訳いやくした「性的せいてき倒錯とうさく (せいてきとうさく)」という言葉ことば大正たいしょう時代じだいごろから次第しだい普及ふきゅうするようになった。

しかし、「変態へんたい」や「異常いじょう」という言葉ことばはもちろんのこと、「倒錯とうさく」や「逸脱いつだつ」といった言葉ことばでも一般いっぱんてきには誤解ごかいまねきやすく、客観きゃっかんせい中立ちゅうりつせいける表現ひょうげんになりかねないとの配慮はいりょから、アメリカ精神せいしん学会がっかい(APA)や世界せかい保健ほけん機関きかん(WHO)などで使用しようされている、精神せいしん疾患しっかんであることを総合そうごうてき意味いみする「 メンタル・ディソーダー英語えいごMental disorder)」や、前述ぜんじゅつの「パラフィリア」などの専門せんもん用語ようご積極せっきょくてき使用しようするほうのぞましいとの意見いけんもある。

なお、以下いか項目こうもくからは、精神せいしん疾患しっかんとしての性的せいてき倒錯とうさくをパラフィリアとしてべる。


精神せいしん医学いがく概念がいねん分類ぶんるい

概念がいねん診断しんだん基準きじゅん

パラフィリアの概念がいねんは、精神せいしん医学いがくまたは臨床りんしょう精神せいしん医学いがくなどにおいて、精神せいしん疾患しっかん精神せいしん障害しょうがい)にぞくする性的せいてき嗜好しこう症状しょうじょうとして認識にんしきされている。れいとして、各国かっこく医療いりょう機関きかん準拠じゅんきょすることのおおアメリカ精神せいしん学会がっかい(APA)のさだめた「精神せいしん障害しょうがい診断しんだん統計とうけい手引てび(DSM-IV-TR)」では、パラフィリアの臨床りんしょう症状しょうじょうだいいち段階だんかいにおける「診断しんだん規準きじゅん」の概念がいねん記述きじゅつされている。この診断しんだん規準きじゅんでは、精神せいしん疾患しっかんであると診断しんだんするため条件じょうけんとして、すくなくとも以下いかの2てん同時どうじたすことが必要ひつよう定義ていぎされている。

(1)当人とうにん自分じぶん性的せいてき嗜好しこうによって、心的しんてき葛藤かっとう苦痛くつうち、健康けんこう生活せいかつおくることが困難こんなんであること。
(2)当人とうにん人生じんせいにおける困難こんなんくわえて、その周囲しゅうい人々ひとびと交際こうさい相手あいてや、所属しょぞくする地域ちいき社会しゃかいなどにおいて、人々ひとびと健全けんぜん生活せいかつたい問題もんだいこし、社会しゃかいてきれがたい行動こうどうとう抑制よくせいできないこと。

したがって、(1)と(2)の条件じょうけん同時どうじたしていない場合ばあいは、精神せいしん疾患しっかんとしてのパラフィリアとは診断しんだんされない。

れいとして、当人とうにん自身じしん性的せいてき嗜好しこう葛藤かっとう苦痛くつうたず、日常にちじょう生活せいかつ支障ししょうがなければ、(1)の条件じょうけんたしていないのでパラフィリアとは診断しんだんされない。また、当人とうにん葛藤かっとう苦痛くつうっていても、第三者だいさんしゃ社会しゃかい秩序ちつじょにとって脅威きょうい問題もんだいがない場合ばあいは、(2)の条件じょうけんたしていないのでパラフィリアとは診断しんだんされない。

さらに、当人とうにんなんらかの性的せいてき嗜好しこうっていたとしても葛藤かっとう苦痛くつうがなく、第三者だいさんしゃ社会しゃかい秩序ちつじょにとっても具体ぐたいてき問題もんだいしょうじていない場合ばあいは(1)と(2)の両方りょうほうたしていないので、精神せいしん医学いがくてきにも社会しゃかいてきにも許容きょよう範囲はんい性的せいてき嗜好しこうとみなされ、パラフィリアとは診断しんだんされない。

ただし、当人とうにんにとってなん問題もんだいがなくても、その性的せいてき嗜好しこう具体ぐたいてき第三者だいさんしゃ被害ひがいおよぼしたり社会しゃかい秩序ちつじょ混乱こんらんさせるような事態じたいいたれば、べつ診断しんだん規準きじゅん適用てきようして治療ちりょうにあたる必要ひつようせいしょうじる場合ばあいがある。


分類ぶんるい

以下いか各国かっこく医療いりょう機関きかん準拠じゅんきょすることのおおアメリカ精神せいしん学会がっかい(APA)と世界せかい保健ほけん機関きかん(WHO)が定義ていぎした、精神せいしん疾患しっかんとしてのパラフィリアの分類ぶんるいげる。かく症例しょうれいについては後述こうじゅつパラフィリアの類型るいけい」を参照さんしょうのこと。

なお、非常ひじょうまれ症例しょうれい少数しょうすう報告ほうこくれいしかない場合ばあいは、いずれの医療いりょう機関きかん総合そうごうてきな「性的せいてき倒錯とうさく」やたんに「その」などの分類ぶんるいふくめて割愛かつあいされることがおおい。ただし、症例しょうれい報告ほうこくれいかずおおすくないが、病理びょうりてき意味いみじゅうあつさの程度ていどしめ指標しひょうにはならないので注意ちゅうい必要ひつようである。

APA の DSM-IV-TR による分類ぶんるい
アメリカ精神せいしん学会がっかい(APA)がさだめる「精神せいしん障害しょうがい診断しんだん統計とうけい手引てび英語えいごDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, DSM)」では、項目こうもく「11. せい障害しょうがいおよびせい同一どういつせい障害しょうがい(Sexual and Gender Identity Disorders)」において以下いか性的せいてき嗜好しこう分類ぶんるいとして定義ていぎされている。
なお、DSM は、1952ねんだい1はん(DSM-I)が発行はっこうされて以降いこう時期じきわせて改訂かいていされている。1968ねんだい2はん(DSM-II)、1980ねんだい3はん(DSM-III)、1987ねんだい3はん改訂かいてい(DSM-III-R)、1994ねんだい4はん(DSM-IV)、2000ねんだい4はん改訂かいてい(DSM-IV-TR)が発行はっこうされた。現在げんざい2013ねん発行はっこう予定よていだい5はん(DSM-V または DSM-5)にけて関係かんけい機関きかん調整ちょうせいすすめられ、世界せかい保健ほけん機関きかん(WHO)の発行はっこうする ICD-10との統合とうごうあんなども検討けんとうされている。
1. 露出ろしゅつしょう (Exhibitionism)
2. フェティシズム (Fetishism)
3. 接触せっしょく性愛せいあい (Frotteurism)
4. 小児しょうに性愛せいあい (Pedophilia)
5. 性的せいてきマゾヒズム (Sexual masochism)
6. 性的せいてきサディズム (Sexual sadism)
7. 服飾ふくしょく倒錯とうさくてきフェティシズム (Transvestic fetishism)
8. 窃視しょう (Voyeurism)
9. 上記じょうき以外いがい性的せいてき倒錯とうさく (Not otherwise specified, NOS) ⇒ 猥褻わいせつ電話でんわ (Telephone scatalogia)、屍体したい性愛せいあい (Necrophilia)、部分ぶぶん性愛せいあい (Partialism)、動物どうぶつ性愛せいあい (Zoophilia)、糞便ふんべん性愛せいあい (Coprophilia)、浣腸かんちょう性愛せいあい (Klismaphilia)、尿にょう性愛せいあい (Urophilia)、嘔吐おうと性愛せいあい (Emetophilia)など。
WHO の ICD-10 による分類ぶんるい
国連こくれん世界せかい保健ほけん機関きかん(WHO)がさだめる「疾病しっぺいおよ関連かんれん保健ほけん問題もんだい国際こくさい統計とうけい分類ぶんるい英語えいごInternational Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems, ICD)」では、だい5しょう(Chapter V)「F60-F69. 成人せいじん人格じんかくおよび行動こうどう障害しょうがい(Disorders of adult personality and behaviour)」の「F65. 性的せいてき嗜好しこう障害しょうがい(Disorders of sexual preference)」において、以下いか性的せいてき嗜好しこう分類ぶんるいとして定義ていぎされている。なお、ICDは1900ねん発行はっこうされてからやく10ねんごとに改訂かいていされており、現在げんざい1990ねん発行はっこうされて2007ねん改訂かいていはいった ICD-10 が利用りようされている。
F65.0 フェティシズム (Fetishism)
F65.1 フェティシズムてき服装ふくそう倒錯とうさくしょう (Fetishistic transvestism)
F65.2 露出ろしゅつしょう (Exhibitionism)
F65.3 窃視しょう (Voyeurism)
F65.4 小児しょうに性愛せいあい (Paedophilia)
F65.5 サドマゾヒズム (Sadomasochism)
F65.6 多重たじゅう障害しょうがい性的せいてき嗜好しこう (Multiple disorders of sexual preference)
F65.7 その障害しょうがいによる性的せいてき嗜好しこう (Other disorders of sexual preference)
F65.8 認定にんてい障害しょうがいによる性的せいてき嗜好しこうなど (Disorder of sexual preference, Unspecified)


性的せいてき嗜好しこうやフェティシズムとの類似るいじせい

精神せいしん医学いがくにおけるパラフィリアの定義ていぎ分類ぶんるいは、一般いっぱんてき性的せいてき嗜好しこうフェティシズム定義ていぎ分類ぶんるい重複じゅうふくしたり混同こんどうする場合ばあいおおい。れいとして、サディズムしいたげ性愛せいあい)やマゾヒズム被虐ひぎゃく性愛せいあい)などの用語ようごはパラフィリアの属性ぞくせいにも存在そんざいしているが、同時どうじ一般いっぱんてき性的せいてき嗜好しこうせい風俗ふうぞくなどの用語ようごにも存在そんざいしており、実用じつようじょう区別くべつとしては厳密げんみつ基準きじゅん境界きょうかいせん定義ていぎされていない。したがって、両者りょうしゃ混在こんざいして曖昧あいまいなまま使用しようされるような状況じょうきょう散見さんけんされている。

なお、パラフィリアとして診断しんだんされる場合ばあい性的せいてき嗜好しこうは、厳密げんみつには「せい嗜好しこう障害しょうがい(せいしこうしょうがい)」や「せい嗜好しこう異常いじょう(せいしこういじょう)」などの用語ようご使用しようされる。


パラフィリアの類型るいけい

パラフィリアのおも類型るいけいげる。

補足ほそく1
前述ぜんじゅつ語源ごげん」のとおり、類型るいけい用語ようご末尾まつび使用しようされる「~フィリア(- philia)」とは、「~あい」「~性愛せいあい」などを意味いみしている。また、「~ラグニア (- lagnia)」とは「~欲求よっきゅう」「~願望がんぼう」などを意味いみしており、「~イズム (- ism)」とは「~主義しゅぎ」や「~崇拝すうはい」などの意味いみ英語えいご接尾せつびである。いずれも、実用じつようじょう意味合いみあいにおおきなはなく、和訳わやくさいも「~偏愛へんあい」「~嗜好しこう」などといった言葉ことばとも様々さまざま翻訳ほんやくされているのが現状げんじょうである。また、日本にっぽんでは「~プレイ (- play)」としょうして「~行為こうい」そのものを意味いみする外来がいらいとして普及ふきゅうしているような場合ばあいもある。この項目こうもく日本語にほんごやくでは、便宜べんぎてきに「性愛せいあい」で統一とういつした。
補足ほそく2
項目こうもくごとの症例しょうれいは、片仮名かたかな表記ひょうき五十音ごじゅうおんじゅんならべ、文末ぶんまつ英語えいご表記ひょうき記載きさいした。片仮名かたかな表記ひょうきおよび英語えいご表記ひょうきにリンクがある場合ばあいは、かく項目こうもく詳細しょうさい参照さんしょうのこと。また、一般いっぱんてき性的せいてき嗜好しこうせい風俗ふうぞく用語ようごであっても、症例しょうれい理解りかい補助ほじょするとおもわれる用語ようご併記へいきまたは該当がいとう項目こうもくへリンクした。


せい目標もくひょう倒錯とうさく

最終さいしゅう目標もくひょう性交せいこう(セックス)ではなく、なんらかの嗜好しこう倒錯とうさくした行為こういみとめられる症状しょうじょうが「せい目標もくひょう倒錯とうさく(せいもくひょうとうさく)」である。後述こうじゅつの「せい対象たいしょう倒錯とうさく」と併発へいはつしている場合ばあいおおく、厳密げんみつ区分くぶん困難こんなんである。

アクアフィリア(おぼれ水性すいせいあい
うみプールなどの水辺みずべ水中すいちゅうおぼれすい水没すいぼつへの性的せいてき嗜好しこう。ハイドロフィリアともい、「ハイポクシフィリア(窒息ちっそく性愛せいあい」との混同こんどうられる。英語えいごAquaphilia または Hydrophilia
アノレクタル(異物いぶつ肛虐性愛せいあい
肛門こうもん直腸ちょくちょう異物いぶつ挿入そうにゅうする性的せいてき嗜好しこう英語えいごAnorectal
ウロフィリア(尿にょう性愛せいあい
排尿はいにょう行為こういいん尿にょう行為こうい尿にょうそのものへの性的せいてき嗜好しこう。ウロラグニアともう。広義こうぎには「スカトロジー英語えいごScatology)」や「コプロフィリア(糞便ふんべん性愛せいあい」にふくまれる。英語えいごUrophilia または Urolagnia
エキシビショニズム(露出ろしゅつ性愛せいあい
自分じぶん裸体らたい性器せいき公衆こうしゅう面前めんぜん第三者だいさんしゃさら性的せいてき嗜好しこう恋人こいびとなどのパートナーをさら性的せいてき嗜好しこうは「カンダウリズム英語えいごCandaulism)」とう。英語えいごExhibitionism
エメトフィリア(嘔吐おうと性愛せいあい
嘔吐おうと行為こうい吐瀉としゃぶつへの性的せいてき嗜好しこう英語えいごEmetophilia
エロトフォノフィリア(殺人さつじん性愛せいあい
殺人さつじん殺害さつがい行為こういへの性的せいてき嗜好しこう。「快楽かいらく殺人さつじん英語えいごLust murder)」とほぼ同義どうぎもちいられる。英語えいごErotophonophilia
カニバリズム(しょくじん性愛せいあい
しょくじん行為こういひとにくへの性的せいてき嗜好しこう。アントロポファジーともう。英語えいごCannibalism または Anthropophagy
クリスマフィリア(浣腸かんちょう性愛せいあい
浣腸かんちょう行為こういや、浣腸かんちょう器具きぐもちいた排泄はいせつ行為こうい糞便ふんべんへの性的せいてき嗜好しこう広義こうぎには「スカトロジー英語えいごScatology)」や「コプロフィリア(糞便ふんべん性愛せいあい」にふくまれる。英語えいごKlismaphilia
クレプトフィリア(窃盗せっとう性愛せいあい
窃盗せっとう行為こういへの性的せいてき嗜好しこう。クレマスティストフィリアやペッカトフィリアともう。英語えいごKleptophilia または ChremastistophiliaPecattiphilia
コプロフィリア(糞便ふんべん性愛せいあい
排便はいべん行為こういしょくくそ行為こうい糞便ふんべんへの性的せいてき嗜好しこう。コプロラグニアともう。広義こうぎには「スカトロジー英語えいごScatology)」にもふくまれる。英語えいごCoprophilia または Coprolagnia
サディズム(しいたげ性愛せいあい
性的せいてき虐待ぎゃくたい性的せいてき暴力ぼうりょくあたえる性的せいてき嗜好しこう対語たいごは「マゾヒズム(被虐ひぎゃく性愛せいあい」、両面りょうめんせいのある場合ばあいは「サドマゾヒズム(しいたげ被虐ひぎゃく性愛せいあい」。英語えいごSadism
サドマゾヒズム(しいたげ被虐ひぎゃく性愛せいあい
どう一人物いちじんぶつサディズムマゾヒズム共存きょうぞんあるいは混在こんざいする性的せいてき嗜好しこう広義こうぎには、SM 嗜好しこうしゃつとされるサディズムとマゾヒズムの両面りょうめんせい意味いみする。英語えいごけんでは一般いっぱんてきに、拘束こうそく束縛そくばく意味いみする「ボンデージ英語えいごBondage)」、調教ちょうきょう折檻せっかん意味いみする「ディシプリン英語えいごDiscipline)」、しいたげ性愛せいあいの「サディズム英語えいごSadism)」、被虐ひぎゃく性愛せいあいの「マゾヒズム英語えいごMasochism)」の4つの単語たんごから頭文字かしらもじった総称そうしょうで「ビー・ディー・エス・エム英語えいごBDSM)」とばれる。英語えいごSadomasochism
シトフィリア(食物しょくもつ性愛せいあい
食物しょくもつ飲料いんりょう咀嚼そしゃく行為こうい身体しんたいへの塗布とふ行為こういなどの性的せいてき嗜好しこう。フード・プレイともう。英語えいごSitophilia または Food play
スコプトフィリア(窃視性愛せいあい
第三者だいさんしゃ行動こうどう性行為せいこういなどをぬする(のぞく)性的せいてき嗜好しこう。スコポフィリアともう。一般いっぱんには窃視行為こうい総称そうしょう「ボイヤリズム(英語えいごVoyeurism)」でられる。英語えいごScoptophilia または Scopophilia
ズー・サディズム(動物どうぶつしいたげ性愛せいあい
動物どうぶつたいして性的せいてき虐待ぎゃくたい性的せいてき暴力ぼうりょくあたえる性的せいてき嗜好しこう。ビースティアル・サディズムともう。広義こうぎには動物どうぶつ虐待ぎゃくたい総称そうしょう「アニマル・アビューズ(英語えいごAnimal abuse)」にふくまれる。英語えいごZoo sadism または Bestialsadism
タナトフィリア(性愛せいあい
首吊くびつ入水じゅすいなどの自殺じさつ縊死いし行為こうい殉死じゅんし切腹せっぷくなどのきず行為こういへの性的せいてき嗜好しこう。「ネクロフィリア(屍体したい性愛せいあい」とはことなり、あくまでも「自分じぶん自身じしん」にかう性的せいてき嗜好しこうである。英語えいごThanatophilia
タフェフィリア(埋葬まいそう性愛せいあい
葬儀そうぎ埋葬まいそう行為こういへの性的せいてき嗜好しこう。「タナトフィリア(性愛せいあい)」との混同こんどうられる。英語えいご:Taphephilia
デンドロフィリア樹木じゅもく性愛せいあい
樹木じゅもく植物しょくぶつへの性的せいてき嗜好しこう英語えいごDendrophilia
ハイブリストフィリア(犯罪はんざい性愛せいあい
犯罪はんざい行為こうい違法いほう行為こういへの性的せいてき嗜好しこう。ハーパクソフィリアともう。「快楽かいらく殺人さつじん英語えいごLust murder)」とことなり、かならずしも殺害さつがい行為こういくわわらないが、実用じつようじょう混同こんどうされている。英語えいごHybristophilia または Harpaxophilia
ハイポクシフィリア(窒息ちっそく性愛せいあい
くびめやビニールぶくろなどをもちいたてい酸素さんそしょう窒息ちっそく行為こういへの性的せいてき嗜好しこう。アスフィクシオフィリアやエロティック・アスフィケーションともう。英語えいごHypoxyphilia または AsphixiophiliaErotic asphyxiation
ピロフィリア(火炎かえん性愛せいあい
ほのお火事かじ放火ほうか行為こういへの性的せいてき嗜好しこう。ピロラグニアやピロマニアともう。英語えいごPyrophilia または Pyromania、Pyrolagnia
フロツーリズム(接触せっしょく性愛せいあい
相手あいて身体しんたい衣服いふく自分じぶん性器せいき接触せっしょくさせる性的せいてき嗜好しこう厳密げんみつには、一般いっぱんてきな「痴漢ちかん英語えいごGroping)」行為こういには潜在せんざいてき最終さいしゅう目標もくひょうとして性行為せいこういふくまれるが、フロツーリズムには性行為せいこういふくまれない。英語えいごFrotteurism
血液けつえき性愛せいあい
血液けつえきへの性的せいてき嗜好しこうなお、吸血きゅうけつ行為こういへの性的せいてき嗜好しこうは「バンパイアイズム(英語えいごVampirism)」とう。[よう出典しゅってん]
マゾヒズム(被虐ひぎゃく性愛せいあい
相手あいてから性的せいてき虐待ぎゃくたい性的せいてき暴力ぼうりょくける性的せいてき嗜好しこう対語たいごは「サディズム(しいたげ性愛せいあい」、両面りょうめんせいのある場合ばあいは「サドマゾヒズム(しいたげ被虐ひぎゃく性愛せいあい」。英語えいごMasochism
マノフィリア(手淫しゅいん性愛せいあい
うでへの性的せいてき嗜好しこう単独たんどくオナニーとはことなる。英語えいご:Manophilia

せい対象たいしょう倒錯とうさく

最終さいしゅう目標もくひょう性交せいこう(セックス)にあるが、その相手あいて対象たいしょう状況じょうきょうなどになんらかの嗜好しこう倒錯とうさくみとめられる症状しょうじょうが「せい対象たいしょう倒錯とうさく(せいたいしょうとうさく)」である。前述ぜんじゅつの「せい目標もくひょう倒錯とうさく」と併発へいはつしている場合ばあいおおく、厳密げんみつ区分くぶん困難こんなんである。便宜べんぎてきに「人物じんぶつ」「年齢ねんれい」「物体ぶったい」「状況じょうきょう」「その」の5つに分類ぶんるいしてげる。

人物じんぶつへのせい対象たいしょう倒錯とうさく

おも人物じんぶつ、または身体しんたい部位ぶい状態じょうたい関連かんれんする性的せいてき嗜好しこうげる。一般いっぱんてき総称そうしょうとしては「フェティシズム(英語えいごSexual fetishism)」や「フェティッシュ(英語えいごFetish)」という言葉ことばひろられており、日本にっぽんでは俗語ぞくごてき略称りゃくしょうフェチ」なども同義どうぎである。なお、身体しんたい特定とくてい部位ぶい(パーツ、英語えいご:Parts)への性的せいてき嗜好しこうは、広義こうぎに「パーシャリズム(英語えいごPartialism)」とう。

アクロトモフィリア(身体しんたい欠損けっそん性愛せいあい
あしなどの四肢しし欠損けっそん破壊はかい)しようとする行為こういへの性的せいてき嗜好しこう広義こうぎには「アポテムノフィリア(四肢しし欠損けっそん性愛せいあい)」にふくまれる。英語えいごAcrotomophilia
アコースティックフィリア(音響おんきょう性愛せいあい
こえおとへの性的せいてき嗜好しこう英語えいご:Acousticophilia
アナスティーマフィリア(身長しんちょう性愛せいあい
極端きょくたん身長しんちょうへの性的せいてき嗜好しこう英語えいご:Anasteemaphilia
アポテムノフィリア(四肢しし欠損けっそん性愛せいあい
あしなどの四肢しし欠損けっそんした身体しんたいへの性的せいてき嗜好しこう。なお、自分じぶん自身じしん身体しんたい違和感いわかんおぼえ、みずからの四肢しし欠損けっそんしようとねが嗜好しこうは「スマトパラフィリア(四肢しし不一致ふいっち症候群しょうこうぐん)」とばれる。英語えいごApotemnophilia または Somatoparaphrenia
アベイショフィリア(身体しんたい障害しょうがい性愛せいあい
身体しんたい障害しょうがいしゃ、またはギプス点滴てんてきなどの医療いりょう器具きぐ着用ちゃくようした負傷ふしょうしゃへの性的せいてき嗜好しこう英語えいごAbasiophilia
アンドロミメトフィリア(男子だんしせい転換てんかん性愛せいあい
女性じょせいせい転換てんかんした男性だんせいへの性的せいてき嗜好しこう広義こうぎに「トランスファン(せい転換てんかん嗜好しこうしゃ)」にふくまれる。英語えいごAndromimetophilia または Transfan
オキュロフィリア(眼球がんきゅう性愛せいあい
まぶたたいする性的せいてき嗜好しこうなみだへの性的せいてき嗜好しこうがある「ダクライフィリア(泣哭性愛せいあい)」と混在こんざいする場合ばあいがある。英語えいごOculophilia
オドントフィリア(歯牙しが性愛せいあい
きばへの性的せいてき嗜好しこう英語えいご:Odontophilia
オルファクトフィリア(体臭たいしゅう性愛せいあい
あせ香水こうすいなどもふくめた体臭たいしゅうへの性的せいてき嗜好しこう。オスフレジオラグニアともう。英語えいごOlfactophilia または Osphresiolagnia
グレイブラスネス(性愛せいあい
腋毛わきげ陰毛いんもうといったせい発生はっせい状態じょうたいへの性的せいてき嗜好しこう。「パイパン」や「プレイ」なども参照さんしょうのこと。英語えいごGlabrousness
ジィネミメトフィリア(女子じょしせい転換てんかん性愛せいあい
男性だんせいせい転換てんかんした女性じょせいへの性的せいてき嗜好しこう広義こうぎに「トランスファン(せい転換てんかん嗜好しこうしゃ)」にふくまれる。英語えいごGynemimetophilia または Transfan
ステノラグニア(筋肉きんにく性愛せいあい
筋肉きんにくしつ体型たいけいへの性的せいてき嗜好しこう英語えいごSthenolagnia
ディスモーフォフィリア(奇形きけい性愛せいあい
奇形きけい(畸形)体型たいけいへの性的せいてき嗜好しこう。ボディ・ディスモーフィック・ディソーダーともう。英語えいごDysmorphophobia または Body dysmorphic disorder
デフロランティズム(処女しょじょ性愛せいあい
処女しょじょ処女しょじょ喪失そうしつへの性的せいてき嗜好しこう英語えいご:Deflorantism
トランスヴェストフィリア(せい転換てんかん性愛せいあい
せい転換てんかんへの性的せいてき嗜好しこう広義こうぎには「トランスセクシャリズム(英語えいごTranssexualism)」にふくまれる。「せい転換てんかん症候群しょうこうぐん」も参考さんこうのこと。英語えいごTransvestophilia
トリコフィリア(毛髪もうはつ性愛せいあい
毛髪もうはつ散髪さんぱつ行為こういへの性的せいてき嗜好しこう。ヘア・フェティシズムともう。英語えいごTrichophilia または Hair fetishism
ネクロフィリア(屍体したい性愛せいあい
屍体したい死体したい)への性的せいてき嗜好しこう。ネクロマニアともうが、これは「アメリカ史上しじょう最低さいてい映画えいが監督かんとく」とばれたエド・ウッド1971ねん発表はっぴょうした映画えいが「ネクロマニア(英語えいごNecromania)」などでサブカルチャー分野ぶんやからひろまった言葉ことばで、同義どうぎではあるが正式せいしき名称めいしょうではない。また、屍体したいえんじる(真似まねる)性的せいてき嗜好しこうは「シュードネクロフィリア(英語えいご:Pseudonecrophilia)」とう。英語えいごNecrophilia
ノソフィリア(病症びょうしょう性愛せいあい
病気びょうき病症びょうしょう状態じょうたい身体しんたいへの性的せいてき嗜好しこう英語えいご:Nosophilia
ノーズ・フェティシズム(はな性愛せいあい
はな鼻孔びこうへの性的せいてき嗜好しこう。ナソフィリアともう。英語えいごNose fetishism または Nasophilia
ハイグロフィリア(分泌ぶんぴつぶつ性愛せいあい
あせよだれなどの分泌ぶんぴつぶつへの性的せいてき嗜好しこう英語えいご:Hygrophilia
ピゴフィリア(臀部でんぶ性愛せいあい
臀部でんぶしり)への性的せいてき嗜好しこう。パイゴフィリアともう。英語えいご:Pygophilia
ファット・フェティシズム(肥満ひまん性愛せいあい
脂肪しぼう肥満ひまん体形たいけいへの性的せいてき嗜好しこう英語えいごFat fetishism
ファロフィリア(きょ根性こんじょうあい
おおきな男性だんせいせい機能きのうたか男性だんせいへの性的せいてき嗜好しこう。「ファルス英語えいごPhallus)」信仰しんこうとしてもられる。英語えいご:Phallophilia
フォレスキン・フェティシズム(包皮ほうひ性愛せいあい
男性だんせいかめあたま女性じょせいかげかくなどをつつ包皮ほうひへの性的せいてき嗜好しこう英語えいごForeskin fetishism
フート・フェティシズム(あし性愛せいあい
太股ふとももやふくらはぎ(腓腹筋ひふくきん)などあしあし)への性的せいてき嗜好しこう。ポドフィリアともう。英語えいご Foot fetishism または Podophilia
ブレスト・フェティシズム(胸部きょうぶ性愛せいあい
乳房ちぶさ乳首ちくびへの性的せいてき嗜好しこう本来ほんらい形状けいじょう関係かんけいなく、胸部きょうぶ全般ぜんぱんへの嗜好しこうす。ただし、一般いっぱんてきにはサイズによって区分くぶんさることもおおい。おおきい乳房ちぶさへの嗜好しこうは「マモフィリア(英語えいごMammophilia)」とい、「巨乳きょにゅうフェティシズム(巨乳きょにゅうフェチ)」などともばれる。ちいさい乳房ちぶさへの嗜好しこうは「貧乳ひんにゅうフェティシズム(貧乳ひんにゅうフェチ)」などとばれる。英語えいごBreast fetishism
メイシオフェリア(にん性愛せいあい
にん妊娠にんしんへの性的せいてき嗜好しこう。メイユーシオフィリアやプレグナンシー・フェティシズムともう。英語えいごMaiesiophilia または MaieusiophiliaPregnancy fetishism
メノフィリア(月経げっけい性愛せいあい
月経げっけい生理せいり)への性的せいてき嗜好しこう英語えいご:Menophilia
ラクトフィリア(母乳ぼにゅう性愛せいあい
母乳ぼにゅう授乳じゅにゅう行為こういへの性的せいてき嗜好しこう。ラクタフィリアやガラクトフィリアともう。広義こうぎには「エロティック・ラクテーション(英語えいごErotic lactation)」にふくまれる。英語えいごLactophilia または LactaphiliaGalactophilia

年齢ねんれいへのせい対象たいしょう倒錯とうさく

おも年齢ねんれい関連かんれんする性的せいてき嗜好しこうげる。なお、特定とくてい年齢ねんれい人物じんぶつたいする性的せいてき嗜好しこう場合ばあいもあれば、年齢ねんれいそのものへの性的せいてき嗜好しこう場合ばあいもある。また、年齢ねんれい性別せいべつ定義ていぎ医療いりょう機関きかんによって多少たしょう差異さい存在そんざいする。

インファノフィリア(幼児ようじ性愛せいあい
おもに0さいから3さいごろ女子じょし幼児ようじへの性的せいてき嗜好しこう。ネピオフィリアともう。英語えいごInfantophilia または Nepiophilia
エフェボフィリア(青年せいねん性愛せいあい
成人せいじん男性だんせいによる思春期ししゅんき青年せいねんへの性的せいてき嗜好しこう英語えいごEphebophilia
クロノフィリア(年齢ねんれい性愛せいあい
極端きょくたん年齢ねんれいへの性的せいてき嗜好しこう原則げんそくとして性別せいべつ関係かんけいがない。アニリラグニアともう。英語えいごChronophilia または Anililagnia
ジェロントフィリア(老人ろうじん性愛せいあい
老人ろうじん高齢こうれいしゃへの性的せいてき嗜好しこう原則げんそくとして性別せいべつ関係かんけいがない。ジェラントフィリアともう。英語えいごGerontophilia
ニンフォフィリア(児童じどう性愛せいあい
おもに4さいから11さいごろ女子じょし児童じどうへの性的せいてき嗜好しこう英語えいごNymphophilia
ペドフィリア(小児しょうに性愛せいあい
おもに11さい~13さいごろ少年しょうねん少女しょうじょへの性的せいてき嗜好しこう現在げんざいでは一般いっぱんてきに、年齢ねんれい性別せいべつ区分くぶんした「インファノフィリア(幼児ようじ性愛せいあい)」や「ニンフォフィリア(児童じどう性愛せいあい)」などもふく総称そうしょうとして普及ふきゅうしている。児童じどう虐待ぎゃくたい幼児ようじ虐待ぎゃくたいふく犯罪はんざい用語ようごの「チャイルド・マレスター英語えいごChild molester)」も参照さんしょうのこと。英語えいごPedophilia
ペデラスティ(少年しょうねん性愛せいあい
成人せいじん男性だんせいによるエフェボフィリアよりもてい年齢ねんれいそう少年しょうねんへの性的せいてき嗜好しこう英語えいごPederasty
へべフィリア(少年しょうねん性愛せいあい
成人せいじん女性じょせいによる青年せいねん少年しょうねんへの性的せいてき嗜好しこう英語えいごHebephilia

物体ぶったいへのせい対象たいしょう倒錯とうさく

おも物体ぶったい関連かんれんする性的せいてき嗜好しこうげる。それらの物体ぶったいともなう(たとえば着用ちゃくようしているような)人物じんぶつたいする性行為せいこうい場合ばあいもあれば、物体ぶったいそのものにたいする性行為せいこうい場合ばあいもある。なお、物体ぶったいそのものへの性的せいてき嗜好しこうは、広義こうぎに「オブジェクト・セクシャリティー(英語えいごObject sexuality)」とう。

アガルマトフィリア(偶像ぐうぞう性愛せいあい
人形にんぎょう彫刻ちょうこくへの性的せいてき嗜好しこう。スタチューフィリアやペディオフィリアともう。「ピグマリオニズム(英語えいごPygmalionism)」にふくまれるが、日本にっぽんでは同義どうぎとして和製わせい英語えいごの「ピグマリオン・コンプレックス」としてられている。英語えいごAgalmatophilia または Statuephilia、Pediophilia
アンダーウェア・フェティシズム(下着したぎ性愛せいあい
ブラジャーパンティーパンストソックスタイツなどの肌着はだぎ下着したぎへの性的せいてき嗜好しこう英語えいごUnderwear fetishism
オートエロティシズム(機械きかい性愛せいあい
自動車じどうしゃバイクなどの機械きかい工業こうぎょう製品せいひんへの性的せいてき嗜好しこう英語えいごAutoeroticism
クロッシング・フェティシズム(衣服いふく性愛せいあい
毛皮けがわデニムシルク素材そざいなどの布地ぬのじ衣服いふくへの性的せいてき嗜好しこう広義こうぎには皮革ひかくふくまれるが、一般いっぱんてきにはBDSM てきファッションとして「レザー・フェティシズム」に区分くぶんされることもおおい。英語えいごClothing fetishism
サイダロドロモフィリア(列車れっしゃ性愛せいあい
機関きかんしゃ電車でんしゃなどの機械きかい鉄道てつどう製品せいひんへの性的せいてき嗜好しこう英語えいご:Siderodromophilia
シュー・フェティシズム(くつ性愛せいあい
ハイヒールブーツなどのくつ製品せいひんへの性的せいてき嗜好しこう。「ブーツ・フェティシズム英語えいごBoot fetishism)」も参照さんしょうのこと。英語えいごShoe fetishism
スモーキング・フェティシズム(喫煙きつえん性愛せいあい
煙草たばこ喫煙きつえん行為こういへの性的せいてき嗜好しこう喫煙きつえんしゃ状況じょうきょうなどもふくまれる。英語えいごSmoking fetishism
ティモフィリア(財産ざいさん性愛せいあい
財産ざいさん財宝ざいほうへの性的せいてき嗜好しこう英語えいご:Timophilia
ミソフィリア(汚損おそん性愛せいあい
着用ちゃくようしてよごれた衣服いふく下着したぎ使用しよう生理せいり用品ようひんなどへの性的せいてき嗜好しこう広義こうぎには、あせあか毛髪もうはつのフケなどのしおふくよごれへの性的せいてき嗜好しこう総称そうしょう「ソリロフィリア(英語えいごSalirophilia)」にふくまれる。英語えいごMysophilia
バルーン・フェティシズム(風船ふうせん性愛せいあい
風船ふうせん膨張ぼうちょう弾力だんりょく破裂はれつへの嗜好しこう英語えいごBalloon fetishism
ピクトフィリア(画像がぞう性愛せいあい
写真しゃしんビデオなどの映像えいぞうへの性的せいてき嗜好しこう広義こうぎアダルトビデオなどの中毒ちゅうどく症状しょうじょう意味いみする「ポルノグラフィ・アディクション(英語えいごPornography addiction)」にふくまれる。英語えいごPictophilia
ユニフォーム・フェティシズム(制服せいふく性愛せいあい
制服せいふくやスポーツウェアなどの衣服いふくへの性的せいてき嗜好しこう英語えいごUniform fetishism 
ラバー・フェティシズム(ゴム性愛せいあい
ラバー(ゴム素材そざい衣服いふくへの性的せいてき嗜好しこう。なお、海外かいがいでは特定とくていのラバー素材そざいかんして「ラテックス・フェティシズム」や「PVC(Polyvinyl chloride、ポリ塩化えんかビニル)・フェティシズム」ともう。BDSM てきファッションでも多用たようされる。英語えいごRubber Fetishism または Latex and PVC fetishism
レザー・フェティシズム(皮革ひかく性愛せいあい
天然てんねんまたは人工じんこうのレザー(皮革ひかく素材そざい衣服いふくへの性的せいてき嗜好しこう毛皮けがわふく場合ばあいがある。ドーラフィリアともう。BDSM てきファッションでも多用たようされる。英語えいごLeather fetishism または Doraphilia

状況じょうきょうへのせい対象たいしょう倒錯とうさく

おも状況じょうきょう環境かんきょう関連かんれんする性的せいてき嗜好しこうげる。なお、それらの状況じょうきょう遭遇そうぐうした人物じんぶつたいする性行為せいこうい場合ばあいもあれば、状況じょうきょうそのものにたいする性行為せいこうい場合ばあいもある。:

アムロフィリア(疑似ぎじ盲目もうもく性愛せいあい
目隠めかくなどの疑似ぎじてき盲目もうもく状態じょうたいへの性的せいてき嗜好しこう英語えいご:Amaurophilia
アルゴラグニア(疼痛とうつう性愛せいあい
疼痛とうつう(とうつう、いたみ)に遭遇そうぐうするような悪条件あくじょうけん環境かんきょう残虐ざんぎゃく行為こうい遭遇そうぐうする状況じょうきょうへの性的せいてき嗜好しこう英語えいごAlgolagnia
エンドソーマフィリア(体内たいない進入しんにゅう性愛せいあい
体内たいない進入しんにゅう侵入しんにゅう)する行為こうい、または体内たいない存在そんざいする状況じょうきょうへの性的せいてき嗜好しこう人間にんげん動物どうぶつとはかぎらず、空想くうそう妄想もうそうじょう怪物かいぶつ場合ばあいもある。また、出入口でいりぐち性器せいきとはかぎらない。エンドソームフィリアともう。英語えいごEndosomaphilia
オクロフィリア(群衆ぐんしゅう性愛せいあい
群衆ぐんしゅうだい人数にんずうへの性的せいてき嗜好しこう。「グループセックス英語えいごGroup sex)」や「輪姦りんかん」なども参照さんしょうのこと。英語えいご:Ochlophilia
オートアサシノフィリア(恐怖きょうふ性愛せいあい
殺人さつじん事件じけん強盗ごうとう事件じけんなどに遭遇そうぐうし、恐怖きょうふに慄く状況じょうきょうへの性的せいてき嗜好しこう英語えいごAutassassinophilia または Autoassassinophilia
オートガイネフィリア(女性じょせい自己じこ暗示あんじ性愛せいあい
男性だんせいであれば「自分じぶん女性じょせいだ」と空想くうそう妄想もうそう)する性的せいてき嗜好しこう。オートアンドロフィリアともう。英語えいごAutogynephilia または Autoandrophilia
オートネピオフィリア(幼児ようじ行動こうどう性愛せいあい
あかぼう幼児ようじのように状況じょうきょうへの性的せいてき嗜好しこう広義こうぎには、幼児ようじおむつおしゃぶりへの嗜好しこうなどもす「パラフィック・インファンタリズム(英語えいごParaphilic infantilism)」にふくまれる。「エイジプレイ英語えいごAgeplay)」も参照さんしょうのこと。英語えいごAutonepiophilia
カトプトロノフィリア(かがみぞう投影とうえい性愛せいあい
かがみモニターなどに投影とうえいされる状況じょうきょうへの性的せいてき嗜好しこう。エスペクトフィリアともう。英語えいごKatoptronophilia または Espectrophilia
コーリオフィリア(舞踏ぶとう性愛せいあい
柔軟じゅうなん身体しんたい躍動やくどうする舞踏ぶとう行為こういへの性的せいてき嗜好しこう英語えいご:Choreophelia
コプロラリア(猥語性愛せいあい
猥褻わいせつ言葉ことば罵詈ばり雑言ぞうごんへの性的せいてき嗜好しこう。コプロラグニアともう。英語えいごCoprolalia または Coprographia
シンフォフィリア(災害さいがい性愛せいあい
地震じしん台風たいふうなどの自然しぜん災害さいがいへの性的せいてき嗜好しこう英語えいごSymphorophilia
スードゥズーフィリア(動物どうぶつ擬態ぎたい性愛せいあい
みみ尻尾しっぽなどで動物どうぶつ真似まね擬態ぎたい行為こういへの性的せいてき嗜好しこうペット家畜かちくとしてあつかう「ヒューマン・アニマル・ロールプレイ英語えいごAnimal roleplay)」も参照さんしょうのこと。英語えいご:Pseudozoophilia
ゼロフィリア(嫉妬しっと性愛せいあい
第三者だいさんしゃ介入かいにゅうする嫉妬しっと行為こういへの性的せいてき嗜好しこう英語えいご:Zelophilia
ソムノフィリア(睡眠すいみん性愛せいあい
睡眠すいみん昏睡こんすい気絶きぜつした状況じょうきょうへの性的せいてき嗜好しこう。サムノフィリアともう。英語えいごSomnophilia
ダクライフィリア(泣哭性愛せいあい
くことや慟哭どうこく(どうこく)などの泣哭(きゅうこく)行為こういなみだなどへの性的せいてき嗜好しこう。ダクライラグニアともう。英語えいごDacryphilia または Dacrylagnia
トランスヴェスティズム(異性いせいそう性愛せいあい
異性いせい服飾ふくしょく衣服いふくアクセサリーなどへの性的せいてき嗜好しこう単独たんどく変身へんしん行為こうい場合ばあいもあれば、相手あいて衣服いふくとの交換こうかん行為こういなどがふくまれる場合ばあいもある。男装だんそう女装じょそうなどの変身へんしん願望がんぼう総称そうしょうとして「クロス・ドレッシング(英語えいごCross dressing)」とう。英語えいごTransvestism
トロイリズム(さんしゃ性愛せいあい
夫婦ふうふ恋人こいびと関係かんけいにおいて、第三者だいさんしゃくわわる状況じょうきょうへの性的せいてき嗜好しこう。トリオリズムともう。厳密げんみつには、「寝取ねとられ」の性的せいてき嗜好しこうられるフランス語ふらんすごの「コキュ(仏語ふつご:cocue)」や英語えいごの「クッコルド(英語えいごCuckold)」とことなるとされるが、混同こんどうしている場合ばあいおおい。トロイリズムは第三者だいさんしゃみとめられている場合ばあいおおく、コキュは夫婦ふうふ恋人こいびと片方かたがた第三者だいさんしゃみとめていない場合ばあい嫉妬しっとしている場合ばあいなどがある。パートナーを第三者だいさんしゃさら性的せいてき嗜好しこうの「カンダウリズム英語えいごCandaulism)」も参照さんしょうのこと。英語えいごTroilism または Triolism
ナレートフィリア(口述こうじゅつ性愛せいあい
状況じょうきょう行動こうどうつね解説かいせつしたり口述こうじゅつナレーション)する性的せいてき嗜好しこう猥褻わいせつ単語たんごとはかぎらない。猥雑わいざつ単語たんごへの嗜好しこうつよければ「コプロラリア(猥語性愛せいあい」として区別くべつされる。英語えいごNarratophilia
バイストフィリア(強姦ごうかん性愛せいあい
強姦ごうかんレイプ)や暴力ぼうりょく行為こういへの性的せいてき嗜好しこう。レプトフィリアともう。英語えいごBiastophilia または Raptophilia
ハーマトフィリア(失態しったい性愛せいあい
なんらかの失敗しっぱい失態しったい行為こういへの性的せいてき嗜好しこう英語えいご:Harmatophilia
ヒエロフィリア(きよし性愛せいあい
宗教しゅうきょう聖書せいしょ関連かんれんする状況じょうきょうへの性的せいてき嗜好しこう。テオフィリアともう。英語えいごHierophilia または Theophilia
ホメオヴェスティズム(同性どうせいそう性愛せいあい
同性どうせいもの衣服いふくアクセサリーなどへの性的せいてき嗜好しこう広義こうぎには変身へんしん嗜好しこう総称そうしょう「クロス・ドレッシング(英語えいごCross dressing)」にふくまれる。英語えいごHomeovestism
ボラレフィリア(まる呑性あい
相手あいてくちうち胃袋いぶくろ丸呑まるのみ(まるみ)される性的せいてき嗜好しこう人間にんげん動物どうぶつとはかぎらず、空想くうそう妄想もうそうじょう怪物かいぶつ場合ばあいもある。ファゴフィリアともう。英語えいごVorarephilia または Phagophilia
ポリテロフィリア(性行為せいこうい連続れんぞく性愛せいあい
おおくの人数にんずうとの連続れんぞくする性行為せいこういや、なん性行為せいこういかえすことへの性的せいてき嗜好しこう。「グループセックス英語えいごGroup sex)」や「輪姦りんかん」なども参照さんしょうのこと。英語えいご:Polyterophilia
マクロフィリア(巨人きょじん性愛せいあい
おおきな身体しんたいや、変身へんしん突然変異とつぜんへんいなどによってビルみのサイズに巨大きょだいする身体しんたいへの性的せいてき嗜好しこう英語えいごMacrophilia
ミクロフィリア(矮人性愛せいあい
ちいさな身体しんたいや、変身へんしん突然変異とつぜんへんいなどによってミニチュアみのサイズに矮小わいしょうする身体しんたいへの性的せいてき嗜好しこう英語えいごMicrophilia
メディカル・フェティシズム(医療いりょう性愛せいあい
診察しんさつ治療ちりょうなどの医療いりょう行為こういへの性的せいてき嗜好しこう英語えいごMedical fetishism

そのせい対象たいしょう倒錯とうさく

アラクネフィリア(蜘蛛くも性愛せいあい
クモムカデなどの節足動物せっそくどうぶつへの性的せいてき嗜好しこう英語えいご:Arachnephilia
ズー・セクシャリズム(動物どうぶつ性愛せいあい
性愛せいあい同性愛どうせいあい概念がいねん同様どうように、動物どうぶつへの性的せいてき指向しこう性的せいてき嗜好しこうではないことに注意ちゅうい英語えいご:Zoosexualism
スペクトロフィリア(れいたい性愛せいあい
かみ天使てんし幽霊ゆうれい霊魂れいこんなどへの性的せいてき嗜好しこう英語えいご:Spectrophilia
ズーフィリア(ししかん性愛せいあい
ししかんへの性的せいてき嗜好しこう厳密げんみつには「ズー・セクシャリズム(動物どうぶつ性愛せいあい)」とことなる。英語えいごZoophilia
フォーミコフィリア(昆虫こんちゅう性愛せいあい
昆虫こんちゅう衣服いふく皮膚ひふなどをうことへの性的せいてき嗜好しこう英語えいごFormicophilia
ミクソピック・ズーフィリア(窃視じゅうかん性愛せいあい
動物どうぶつ性行為せいこうい窃視する(のぞる)性的せいてき嗜好しこう英語えいご:Mixosopic zoophilia

備考びこう

パラフィリアは人間にんげんせいかかわる精神せいしん疾患しっかんであるが、時代じだい文化ぶんかとも定義ていぎ分類ぶんるい変化へんかつづけている。れいとして、かつて同性愛どうせいあい性的せいてき倒錯とうさくであるとみなされていた。しかし、1973ねんにはアメリカ精神せいしん学会がっかい(APA)の「精神せいしん障害しょうがい診断しんだん統計とうけい手引てびだい2はん改訂かいてい7はん・DSM-II)」から同性愛どうせいあい削除さくじょされ、1990ねんには世界せかい保健ほけん機関きかん(WHO)の「疾病しっぺいおよ関連かんれん保健ほけん問題もんだい国際こくさい統計とうけい分類ぶんるいだい10はん・ICD-10)」にて「同性愛どうせいあい治療ちりょう対象たいしょうにならない」として削除さくじょされている。これをけ、1994ねんには日本にっぽんにおいても厚生省こうせいしょうげん厚生こうせい労働省ろうどうしょう)が準拠じゅんきょ表明ひょうめいしている。

したがって、今後こんご時代じだい文化ぶんか変化へんかともに、旧来きゅうらい症例しょうれいがパラフィリアとしては該当がいとうしなくなる場合ばあいや、一方いっぽうで、あたらしく追加ついかされる症例しょうれいがパラフィリアとして定義ていぎされる可能かのうせいがある。

参考さんこう外部がいぶリンク


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